半導体基板上への金属の無電解堆積のための装置
無電解堆積システムが提供される。該システムは、処理メインフレームと、該メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの洗浄ステーションと、該メインフレーム上に位置決めされた無電解堆積ステーションとを含む。該無電解堆積ステーションは、環境的に制御された処理エンクロージャと、基板の表面を洗浄及び活性化するように構成された第1の処理ステーションと、該基板の表面に層を無電解堆積するように構成された第2の処理ステーションと、該第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとの間で基板を移送するように位置決めされた基板移送シャトルとを含む。また、該システムは、該メインフレーム上に位置決めされ、かつ該処理エンクロージャの内部にアクセスするように構成された基板移送ロボットも含む。また、該システムは、噴射プロセスにより、該処理エンクロージャ内に載置された基板に処理流体を送出するように構成されている流体送出システムも含む。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的に、半導体処理用無電解堆積システムに関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]サブ100ナノメートルサイズの部材のメタライゼーションは、集積回路製造プロセスの現世代及び次世代の基本技術である。より具体的には、超大規模集積型デバイス等のデバイス、すなわち、数百万の論理ゲートを有する集積回路を有するデバイスにおいて、これらのデバイスの中心に位置する多層配線は、一般的に、高いアスペクト比、すなわち、約25:1のアスペクト比の配線部材を、銅等の導電性材料で充填することによって形成される。これらの寸法では、化学気相堆積及び物理気相堆積等の従来の堆積技術は、配線部材を確実に充填することができない。その結果として、めっき技術、すなわち、電気化学めっきや無電解めっきが、集積回路製造プロセスにおけるサブ100ナノメートルサイズの高アスペクト比の配線部材のボイドフリーの充填のためのプロセスを約束するものとして浮上してきた。加えて、電気化学及び無電解めっきプロセスは、キャッピング層等のポスト堆積層を堆積するプロセスを約束するものとしても浮上してきた。
【0003】
[0003]しかし、無電解めっきプロセスに関して、従来の無電解処理システム及び方法は、該堆積プロセス、及びその結果として生じる堆積層における欠陥比を正確に制御すること等の幾つかの難問に直面している。より具体的には、従来のシステムは、従来の無電解セルで使用される抵抗ヒータ及び加熱ランプが、基板の表面全域に一様な温度を与える能力を有しておらず、このことが、無電解堆積プロセスの均一性に対して重要な意味を持つため、不十分な基板温度制御に悩まされている。加えて、従来の無電界システムは、無電解堆積チャンバ内部の環境に関して制御を実施しておらず、このことは、欠陥比にかなりの影響を与えることが最近、明らかになってきた。
【0004】
[0004]また、環境問題及び所有コスト(cost−of−ownership;CoO)問題により、基板の受け入れ面に対して十分に均一な被覆性を得るための所要のフローを低減することによって、高価な無電解めっき処理化学薬品の廃棄を低減することが好ましい。無電解処理溶液が基板表面に送出される速度及び均一性が、プロセス結果に影響を及ぼす可能性があるため、装置及び方法は、様々な処理溶液を均一に送出する必要がある。また、流体が、該基板及び支持ベースプレート部材に接触し、及び該基板と該部材の間を流れる際に、該基板の裏側に対する熱伝導及び対流熱伝達を用いて、基板温度を制御することが好ましい。
【0005】
[0005]さらに、最小限の欠陥を伴う均一な層を堆積することが可能な、無電解堆積プロセスのための機能的かつ効率的な統合システムは、まだ開発されていない。従って、最小限の欠陥を有する均一な層を堆積することが可能な統合無電解堆積装置に対する要求がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、無電解堆積システムを提供する。該システムは、処理メインフレームと、該メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの基板洗浄ステーションと、該メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの無電解堆積ステーションとを含む。該無電解堆積ステーションは、環境的に制御される処理エンクロージャと、基板の表面を洗浄しかつ活性化するように構成された第1の処理ステーションと、該基板の表面に層を無電解堆積するように構成された第2の処理ステーションと、該第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとの間で基板を移送するように位置決めされた基板移送シャトルとを含む。また、該システムは、該メインフレーム上に位置決めされ、かつ該処理エンクロージャの内部にアクセスするように構成された基板移送ロボットも含む。
【0007】
[0007]また、本発明の実施形態は、最小限の欠陥を伴って、導電層を半導体基板上に効率的に堆積するように構成された無電解堆積システムを提供する。該システムは、処理メインフレーム上に位置決めされた無電解堆積エンクロージャを含む。該堆積エンクロージャの内部環境は、圧力及び温度制御され、第1及び第2の基板処理ステーションを含む。該第1の基板処理ステーションは、基板を洗浄し、かつ活性化するように構成されており、一方、該第2の基板処理ステーションは、層を該基板上に無電解堆積するように構成されている。基板シャトルは、該エンクロージャ内に位置決めされており、それぞれのステーション間で基板を運ぶように構成されている。
【0008】
[0008]さらに、本発明の実施形態は、半導体処理用堆積システムを提供する。該堆積システムの実施形態は、一般的に、環境的に制御される処理空間を画成する処理エンクロージャと、該処理空間内に位置決めされた第1の流体処理セルと、該処理空間内に位置決めされた第2の流体処理セルと、該処理空間内に位置決めされ、かつ該第1の流体処理セルと第2の流体処理セルとの間で、基板を枢軸移送するように構成された基板シャトルとを含む。該第1及び第2の流体処理セルは、一般的に、流体拡散部材と、基板を、該流体拡散部材と平行関係に支持するように構成された基板支持アセンブリと、処理流体を該基板上に分配するように移動可能に位置決めされた流体分配アームとを含む。
【0009】
[0009]本発明の上述した特徴を詳細に理解することができる方法のために、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、実施形態を参照することができ、該実施形態のうちの幾つかは、添付図面に図示されている。しかし、該添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示しているため、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、そのため本発明は、他の等しく有効な実施形態を認めてもよいことに注意すべきである。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0010】
[0026]図1は、無電解堆積システム100の実施形態を図示したものである。システム100は、カセットが入っている基板とインタフェースするように構成された複数の基板ローディングステーション134を含むファクトリインタフェース130を含む。ファクトリインタフェースロボット132は、ファクトリインタフェース130内に位置決めされており、また、基板126にアクセスして、該基板126を、ローディングステーション134上に位置決めされたカセットへ移送し、及び該カセットから該基板を移送するように構成されている。また、ロボット132は、ファクトリインタフェース130を処理メインフレーム113に接続する連結トンネル115内まで延びる。ロボット132の位置は、ローディングステーション134から基板を取出した後、基板126を、メインフレーム113上に位置決めされた処理セル場所114、116のうちの1つへ、又は、代替として、アニールステーション135へ送出するための該ローディングステーションへのアクセスを可能にする。同様に、ロボット132は、基板処理シーケンスが完了した後、処理セル場所114、116又はアニールステーション135から基板126を取出すのに使用することができる。この状況において、ロボット132は、基板126を、システム100から除去するために、ローディングステーション134上に位置決めされたカセットのうちの1つへ戻して送ってもよい。
【0011】
[0027]ファクトリインタフェース130は、計測検査ステーション105も含むことができ、これは、システム100内での処理の前及び/又は後に、基板を検査するのに使用することができる。計測検査ステーション105は、例えば、特性、例えば、該基板上に堆積された材料物質の厚さ、平面性、粒状組織、トポグラフィー等を分析するのに使用することができる。本発明の実施形態において使用することができる例示的な計測検査ステーションは、BX−30 Advanced Interconnect Measurement System及びCD−SEM又はDR−SEM検査ステーションを含み、これらは全て、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社から入手可能である。例示的な計測検査ステーションは、2003年10月21日に出願された、“Plating System with Integrated Substrate Inspection”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第60/513,310号明細書にも図示されており、この明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、参照としてその全体が本明細書に組み入れられる。
【0012】
[0028]アニールステーション135は、一般的に、2ポジションアニールステーションを含み、冷却プレート136と加熱プレート137とが、例えば、2つのステーションの間で、基板移送ロボット140が、それらに近接して、例えば、それら2つのステーションの間に位置決めされた状態で、互いに隣接して位置決めされている。基板移送ロボット140は、一般的に、加熱プレート137と冷却プレート136との間で基板を移動させるように構成されている。システム100は、複数のアニールステーション135を含んでもよく、ステーション135は、積重ね構造とすることができる。さらに、アニールチャンバ135は、連結トンネル115からアクセスされるように位置決めされて図示されているが、本発明の実施形態は、アニールステーション135の特定の構成又は配置に限定されない。従って、アニールステーション135は、メインフレーム113と直接連通して位置決めすることができ、すなわち、メインフレームロボット120によってアクセスすることができ、あるいは代替として、アニールステーション135は、メインフレーム113と連通して位置決めすることができ、すなわち、該アニールステーションは、メインフレーム113と同じシステム上に位置決めすることができるが、メインフレーム113と直接連通させなくてもよく、又は、メインフレームロボット120からアクセス可能にしなくてもよい。例えば、図1に図示するように、アニールステーション135は、連結トンネル115と直接連通して位置決めすることができ、このことは、ロボット132及び/又は120を介したメインフレーム113へのアクセスを可能にする。アニールチャンバ135及びその動作の追加的な説明は、2004年4月13日に出願された、“Two Position Anneal Chamber”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/823,849号明細書に見出すことができ、この明細書は、本発明に矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0013】
[0029]処理メインフレーム113は、中心に位置決めされたメインフレーム基板移送ロボット120を含む。メインフレームロボット120は、一般的に、基板を支持及び移送するように構成された1つ以上のブレード122、124を含む。加えて、メインフレームロボット120及び付随するブレード122、124は、一般的に、メインフレームロボット120が基板を、メインフレーム113上に位置決めされた複数の処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116へ同時に挿入する、及び、該複数の処理場所から基板を同時に除去することができるように、独立して延び、回転し、枢動し、及び垂直方向に移動するように構成されている。同様に、ファクトリインタフェースロボット132も、その基板支持ブレードを回転させ、延ばし、枢動し、及び垂直方向に移動させる能力を含むと共に、ファクトリインタフェース130からメインフレーム113へ及ぶロボットトラック150に沿った直線運動を可能にする。
【0014】
[0030]一般的に、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、基板処理システムで利用されるいかなる数の処理セルであってもよい。より具体的には、該処理セル又は場所は、電気化学めっきセル、リンスセル、ベベルクリーンセル、スピンリンスドライセル、(洗浄セル、リンスセル及びエッチングセルを一緒に含む)基板表面洗浄セル、(プリ及びポストクリーンセル、活性化セル堆積セル等を含む)無電解めっきセル、計測検査ステーション、及び/又は堆積処理システム及び/又はプラットフォームと共に有益に使用できる他の処理セルとして構成することができる。
【0015】
[0031]各処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116及びロボット132、120の各々は、一般的に、プロセスコントローラ111と連通しており、該コントローラは、システム100上に位置決めされたユーザセンサ及び/又は様々なセンサからの入力を受け取り、該入力及び/又は所定の処理レシピに従って、システム100の動作を適切に制御するように構成されたマイクロプロセッサをベースとする制御システムとすることができる。加えて、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、処理中に、必要な処理流体をそれぞれの処理セル場所に供給するように構成された流体送出システム(図示せず)とも連通しており、該流体送出システムも、一般的に、システムコントローラ111の制御下にある。例示的な処理流体送出システムは、2003年5月14日に出願された“Multi−Chemistry Electrochemical Processing System”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/438,624号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0016】
[0032]図1に図示されているような例示的な無電解堆積システム100において、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、次のように構成することができる。処理セル場所114及び116は、メインフレーム113上のウェット処理ステーションと、連結トンネル115、アニールステーション135及びファクトリインタフェース130内の一般的ドライ処理ステーション又は領域との間のインタフェースとして構成することができる。該インタフェースに配置された処理セル場所114、116は、例えば、スピンリンスドライセル及び/又は基板洗浄セルとすることができる。処理セル場所114、116の各々は、スピンリンスドライセル及び基板洗浄セルを積重ね構造で含んでもよい。代替として、処理セル場所114は、スピンリンスドライセルを含んでもよく、一方、セル場所116は、基板洗浄セルを含んでもよい。また別の実施形態においては、セル場所114、116は、スピンリンスドライセルと基板洗浄セルの組合せを含んでもよい。本発明の実施形態に使用することができる例示的なスピンリンスドライセルの詳細な説明は、2003年10月6日に出願された“Spin Rinse Dry Cell”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/680,616号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0017】
[0033]処理セル場所106、108は、基板洗浄セルとして構成することができ、より具体的には、処理セル場所106、108は、基板ベベル洗浄、すなわち、堆積プロセスが終了した後に、過剰な堆積物を周辺、及び必要に応じて、基板の裏側から除去するように構成されたセルとして構成することができる。例示的なベベル洗浄セルは、2004年4月16日に出願された“Integrated Bevel Clean Chamber”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/826,492号明細書に記載されており、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。本発明の実施形態はさらに、必要に応じて、処理セル場所106、108をシステム100から省いてもよいことが意図されている。加えて、処理セル場所106、108は、本明細書でさらに議論するように、無電解処理セル又はセルのペアとして構成することができる。
【0018】
[0034]処理セル場所102、104及び110、112は、無電解処理セルとして構成することができる。無電解処理セル102、104、110、112は、2つの処理セルが各処理エンクロージャ302内に位置決めされる、すなわち、処理セル110及び112が、第1の処理エンクロージャ302内の第1及び第2の処理セルとして機能することができ、また、処理セル102及び104が、第2の処理エンクロージャ302内の第3及び第4の処理セル302として機能することができる構成で、処理エンクロージャ302内のメインフレーム113上に位置決めすることができる。加えて、上述したように、本発明の実施形態は、処理セル場所106及び108が、処理セル場所106、108上に位置決めされた処理エンクロージャ302を有してもよく、また、これらの処理セル場所106、108を、必要に応じて、処理セル場所102、104、110、112と同様に機能するように構成することができることが意図されている。
【0019】
[0035]処理エンクロージャ302内に位置決めされた無電解処理セルは、めっき又はめっき支持セル、例えば、電気化学めっきセル、無電解めっきセル、無電解活性化セル、及び/又は基板リンス又は洗浄セルを含んでもよい。例示的な無電解処理システム100において、プラットフォーム100上のセルからなる各ペアにおける一方の流体処理セルは活性化セルになり、該ペアの他方の処理セルは、無電解堆積セルになる。この構成は、一般的に、反対側の処理エンクロージャ302におけるプラットフォーム100の対向側にそっくり再現される。例えば、本発明は、特定の構成に限定されないが、処理セル場所102は、無電解活性化セルとして構成され、一方、処理セル場所104は、無電解堆積セルとして構成される。同様に、処理セル場所112は、無電解活性化セルとして構成され、一方、処理セル場所110は、無電解堆積セルとして構成される。それぞれの処理エンクロージャ302内の処理セルは、一般的に、システムコントローラ111の制御下で、互いに独立して機能する。
【0020】
[0036]図2は、明確にするために、処理セル場所110、112のハードウェアを省略した状態の例示的な堆積システムの斜視図である。エンクロージャ302は、処理セル場所110、112のペアの周囲に制御された処理環境を画成する。処理エンクロージャ302は、一般的に、該処理空間を、2つの等しい大きさの処理空間312、313に二等分する中央内壁部308を含むことができる。中央内壁部308はオプションであるが、該内壁部が実装されている場合、中央内壁部308は、一般的に、処理セル場所110の上に第1の処理空間312を、処理セル場所112の上に第2の処理空間313を生み出す。第1及び第2の処理空間312、313は、実質的に、中央内壁部308によって互いに隔離されているが、中央内壁部308の下方部分は、該内壁部に形成されたノッチ又はスロット310を含む。ノッチ310は、処理セル場所110、112の間に位置決めされている基板移送シャトル305を受け入れるような大きさに形成される。基板移送シャトル305は、一般的に、メインフレームロボット120の使用を要することなく、それぞれの処理セルの間(110⇔112)で基板を移送するように構成されている。基板移送シャトル305は、シャトル305の遠位の基板支持端部が、(図1に示す)矢印303の方向に動いて、それぞれの処理セル場所110、112の間で基板を移送するように、一点の周りを枢動するように構成されている真空チャック型基板支持部材とすることができる。それぞれの処理空間312、313の各々は、メインフレームロボット120等のロボットが、それぞれの処理空間312、313にアクセスして基板を挿入し、及びそこから基板を除去することを可能にするように構成された弁付きポート304も含む。
【0021】
[0037]それぞれの処理空間312、314の各々は、それぞれのエンクロージャ312、314の上方部分に位置決めされた(明確にするために、図2において、該処理エンクロージャとの接触が外されて示されている)環境制御アセンブリ315も含む。環境制御アセンブリ315は、処理ガスをそれぞれの処理空間312、313に提供するように構成された処理ガス源を含む。該処理ガス源は、一般的に、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン及び/又はこれらのガスの混合物、あるいは、半導体処理において通常使用される他のガス等の、制御された容量の不活性ガスをそれぞれの処理空間312、313に提供するように構成される。環境制御アセンブリ315はさらに、HEPA型ろ過システム等のパーティクルろ過システムを含む。該パーティクルろ過システムは、処理空間312、313に入ってくるガス流から粒子汚染を除去するのに使用される。また、該パーティクルろ過システムは、処理セル場所に向かって下方へ、概して直線的で均等なフローの処理ガスを生成するのにも使用される。環境制御アセンブリ315はさらに、それぞれの処理空間312、313内の湿度、温度、圧力等を制御するように構成されたデバイスを含んでもよい。コントローラ111は、処理レシピ、又は、処理空間312、313内に位置決めされたセンサ又は検出器(図示せず)から受け取った入力のいずれかに従って、該環境制御アセンブリ、排気ポート314及び処理システム100の他のコンポーネントの動作を調整して、処理空間312、313内の酸素含有量を制御するのに使用することができる。
【0022】
[0038]動作中、処理ガスは、一般的に、環境制御アセンブリ315によって処理空間312、313へ提供される。該処理ガスの、それぞれの処理空間312、313内への導入は、密閉された処理環境の内部を不活性ガスで満たすように機能し、これによって、処理空間312、313の内部から、例えば、酸素等の無電解めっきプロセスを悪化させる可能性があるガスをパージする。一般的に、上記処理ガス源は、処理ガスを、処理セル場所110、112の上の処理空間312、313の頂部又は上方部分の近傍の処理空間312、313内、及びそれぞれの処理空間312、313の中央部付近に導入する。該処理ガスは、一般的に、該ガスが直線的に、かつ処理セル場所110、112に向かって連続的な流量で流れるように、浮遊するパーティクルを最小限にし、該処理ガスの流量及び方向の両方を一様にするように構成されたHEPA型ろ過システムを介して、処理空間312、313内に導入される。
【0023】
[0039]処理セル場所110、112の各々は、環境制御アセンブリ315内のガス供給部から処理セル場所110、112へ向かう該処理ガスの均一なフローを容易にするように位置決めされた少なくとも1つの排気ポート314(又は、必要に応じて、多数の径方向に位置決めされたポート314)も含む。排気ポート314は、それぞれの処理場所110、112で処理される基板よりも下に位置決めしてもよく、又は代替として、排気ポート314は、それぞれの処理場所110、112の外側に径方向に位置決めしてもよい。位置決めに関係なく、排気ポート314は、該処理ガスの均一なフローを容易にすると共に、必要に応じて、それぞれの処理場所110、112から流体及び薬剤蒸気を排出するように構成されている。
【0024】
[0040]不活性ガスを処理空間312、313に供給する典型的なプロセスは、該不活性ガスを、約10slm〜約300slmの流量で、又は、より具体的には、約12slm〜約80slmの流量で供給することを含む。該不活性ガスの流量は、それぞれの処理空間312、313が閉塞された場合、すなわち、弁付きアクセスポート304が閉塞された場合に、低減することができる。弁付きポート304が開いた場合、すなわち、基板が処理エンクロージャ302内へ、又は該処理エンクロージャから外部へ移送される場合、処理ガスの流量は、ガスの処理エンクロージャ302からの流出をもたらすように増加される。このガスの流出は、雰囲気ガス、特に酸素が、該処理エンクロージャの内部に入るのを防ぐように構成される。弁付きポート304が一旦、閉じられると、処理ガスの流量は、基板処理に適応する流量まで低下させることができる。この流量は、基板処理を始める前に、一定期間、維持することができ、その結果、処理シーケンスを始める前に、入ってくる酸素を処理空間312、313から除去することができる。排気ポート314は、該処理ガス供給部と協働して働き、処理空間312、313から酸素を除去する。排気ポート314は、一般的に、標準的な製造設備の排気システムと連通しており、処理空間312、313から酸素を除去するのに使用される。本発明の代替の実施形態においては、処理空間312、313と流体的に連通して位置決めされた真空ポンプを含んでもよい。該真空ポンプは、処理空間312、313内の不要なガスの存在をさらに低減するのに使用することができる。排気又はポンプ構成に関係なく、環境制御アセンブリ315は、一般的に、処理空間312、313の内部の酸素含有量を、基板処理中に約500ppm以下に、より具体的には、基板処理中に約100ppm以下に維持するように構成される。
【0025】
[0041]環境制御アセンブリ315、排気ポート314及びシステムコントローラ111の組合せは、システム100が、特定の処理ステップ中に、処理空間312、313の酸素含有量を制御することを可能にし、1つの処理ステップは、最適な結果のための第1の酸素含有量を必要とし、また、第2の処理ステップは、最適な結果のための第2の酸素含有量を必要とし、この場合、該第1及び第2の酸素含有量は互いに異なっている。酸素含有量に加えて、コントローラ111は、特定の処理シーケンスに要求される温度、湿度、圧力等の、上記処理エンクロージャの他のパラメータを制御するように構成することができる。これらの特定のパラメータは、ヒータ、冷却装置、加湿器、除湿器、真空ポンプ、ガス源、エアフィルタ、ファン等によって変更してもよく、これらは全て、環境制御アセンブリ315に含めることができ、また、処理空間312、313と連通して位置決めすることができ、及びシステムコントローラ111によって制御することができる。
【0026】
[0042]処理空間312、313は、一般的に、無電解めっきプロセスを容易にするような大きさに形成されており、すなわち、処理空間312、313は、環境制御アセンブリ315のガス供給部が、処理ステップ中に、(一般的に、約500ppm以下、又は、より具体的には、約100ppm以下の)低酸素含有量を維持することができると共に、処理空間312、313の蒸気飽和を伴うことなく、該空間内での流体溶液の蒸発を支持する十分な容積を可能にするような大きさに形成される。従って、該処理場所の領域全域における処理場所110、112の一方に位置決めされた基板の上面から、処理空間312、313の上部までの垂直距離(この空間は、一般的に、ヘッドスペースと呼ばれる)は、一般的に、約6インチ〜約40インチであり、処理場所110、112の直径又は断面を有する。より具体的には、該ヘッドスペースは、高さを約12インチ〜約36インチとすることができ、また、処理空間312、313の水平方向の寸法は、一般的に、それぞれの処理場所110、112の周に近く、該処理空間は、それぞれの処理場所110、112で処理される基板の直径よりも約10%〜50%大きくなるような大きさに形成される。これらの寸法は、より小さな処理空間は、蒸気飽和しやすい傾向があることが示されており、そのことが無電解めっきプロセスに負の影響を与えるため、本発明の装置の動作にとって重要である。従って、本発明者等は、適切なヘッドスペース(該基板から該エンクロージャの上部までの距離に対する該処理場所の断面領域)が、付随する可能性のある蒸気飽和や欠陥を防ぐのに重要であることを見つけ出した。
【0027】
[0043]一般的に、蒸気飽和を防ぐのに必要なヘッドスペースの容積に関して、本発明者等は、各処理場所110、112のための該ヘッドスペースが、300mmの処理場所の場合、一般的に、約1000in3(立方インチ)〜約5000in3(立方インチ)になることを見出した。従って、300mm基板の処理のために構成した場合の、本発明の処理空間312、313に対する該ヘッドスペースは、一般的に、例えば、約1500in3〜約5000in3、又は、約2000in3〜約4000in3、あるいは、約2000in3〜約3000in3になる。
【0028】
[0044]処理空間312、313は、一般的に、互いに隔離されているが、スロット310は、一方の処理空間内のガスが、隣接する処理空間内に流入することを可能にする。従って、本発明の実施形態は、一方の処理空間内に、隣接する処理空間内よりも高い圧力を与える。この圧力差は、該圧力差が維持された場合、これらの処理空間の間のガス流が同じ方向になり、かつ同じ流量になるため、それぞれの処理空間312、313間のクロストークに関する制御を可能にする。それに応じて、これらの処理セルの一方は、活性化セル等の冷たい処理セルとして構成することができ、また、他方の処理セルは、無電解堆積セル等の加熱された処理セルとして構成することができる。この実施形態において、該加熱された処理セルは高圧に加圧され、従って、該加熱された流体処理セルは、スロット310を介して常にガスをより冷たい流体処理セルに流している。この構成は、該加熱された処理セル、すなわち、該無電解堆積セルが、一般的に、温度変動の結果として、冷却された流体処理セル、すなわち、該活性化セルよりも、より欠陥の影響を受けやすいため、該より冷たい処理セルが、該加熱された処理セルの温度を低下させることを防ぐ。
【0029】
[0045]別の実施形態においては、それぞれの処理空間312、313を、中央内壁部308によって、互いに完全に隔離することができ、すなわち、基板シャトル305及び壁部スロット310は除去される。この実施形態において、メインフレームロボット120は、それぞれのアクセスバルブ304を介して、該隔離された処理空間312、313の各々を個別に使用可能にし、又は該処理空間の各々に個別にサービス又はアクセスするのに使用することができ、また、それぞれの処理空間312、313の間で基板を移送するように機能することができる。
【0030】
[0046]図3は、エンクロージャ302を取り外した状態の例示的な堆積ステーション400の斜視図である。堆積ステーション400は、一般的に、図1及び図2に図示した処理セルの実施形態に相当する。堆積ステーション400に図示された処理セルは、無電解活性化ステーション402及び無電解堆積ステーション404とすることができる。基板移送シャトル305は、ステーション402、404の間に位置決めされており、それぞれのステーション402、404の間で基板を移送するように構成されている。ステーション402、404の各々は、それぞれのステーション内で、フェースアップ方向で処理するために、基板401を支持するように構成されている回転可能な基板支持アセンブリ414を含み、すなわち、基板401の処理面は、支持アセンブリ414と反対側に向いている。図3において、ステーション402は、基板支持アセンブリ414上に図示された基板401を有していないが、ステーション404は、装填状態及び空の状態の両方のそれぞれの状態を示すために、支持アセンブリ414上に支持された基板401を有する。一般的に、それぞれのステーション402、404のハードウェア構成は同じになるが、本発明の実施形態は、ステーション402、404が同一のハードウェアを中に有する構成に限定されない。例えば、本発明者等は、堆積ステーション404が、本明細書においてさらに説明する温度制御プラテン403を有してもよく、一方、活性化ステーション402は、温度制御プラテン403を伴うことなく構成してもよいことが意図されている。
【0031】
[0047]図4の断面図にも示されている基板支持アセンブリ414は、支持リング構造411から延びている、複数の垂直方向に延びる基板支持フィンガ412を有する該支持リング構造411を含む。基板支持フィンガ412は、一般的に、図3及び図4の断面図の処理場所404に概して図示されているように、基板401の縁部又は面取り部を支持するように構成された上方水平面を含む。基板支持フィンガ412はさらに、基板401をそれぞれのフィンガ412で中央に置くように位置決めされた垂直ポスト部材415を含む。基板支持アセンブリ414はさらに、図4に図示されており、かつ図4に関してさらに説明する、リング411ひいてはフィンガ412を垂直方向に作動させて、それぞれのステーション402、404に基板401を装填したり、該ステーションから該基板を取り外したりするように構成されたリフトアセンブリ413を含む。
【0032】
[0048]それぞれのステーション402、404は、処理中に、基板401の上で枢動して、処理流体を基板401の前面又は形成面に分配するように構成されている流体分配アーム406、408を各々含む。流体分配アーム406、408は、該基板に対して垂直方向に位置決めされるように構成することもでき、すなわち、アーム406、408の流体分配部分は、処理される基板401の表面から、約0.5mm〜約30mm、又はより具体的には、約5mm〜約15mm、あるいは、約4mm〜約10mmの距離に位置決めすることができる。アーム406、408の該流体分配部分の垂直方向及び/又は角度位置は、必要に応じて、基板の処理中に調節することができる。分配アーム406、408は、1つ以上の流体導管をその中に含んでもよく、従って、分配アーム406、408は、該アームから基板401上へ複数の流体溶液を分配するように構成することができる。
【0033】
[0049]アーム406又はアーム408のいずれかによって分配することができる例示的な溶液は、リンス溶液、洗浄溶液、活性化溶液、無電解めっき溶液、及び無電解堆積プロセスを支持するのに必要となる可能性のある他の流体溶液を含む。加えて、それぞれのアーム406、408内の流体導管(図示せず)は、該導管から分配される該流体の温度を制御するために、加熱/冷却してもよい。該アーム導管における加熱/冷却は、利点、すなわち、該流体が該導管を通って移動している間に、該基板上に分配される前に冷める時間を有しないという利点を提供する。そのため、この構成は、温度に依存する無電解堆積の均一性を向上させるように機能する。さらに、流体分配アーム406、408の終端部、すなわち、該処理流体が分配される場所は、本発明の実施形態においては、移動可能に位置決めされている。従って、アーム406、408の流体分配部分と、基板表面との間の間隔は、調節することができる。この間隔は、該処理溶液の撒き散らしを最小限にするように機能し、また、形成面上への流体分配動作の位置決めに関する制御を可能にする。流体を分配する方法及び装置の一実施形態について以下に開示する。
【0034】
[0050]図4は、処理ステーション402、404の例示的なペアの断面図である。また、図4の断面図は、図2に関して上述したように、中央内壁部308によって分割されている第1及び第2の処理空間312、313を画成するエンクロージャ302も示す。処理ステーション402、404の各々は、処理中に、基板の真下に位置決めされるように構成された実質的に水平方向の上面を形成する基板処理プラテンアセンブリ403を含む。図5の詳細な断面図にも図示されているプラテンアセンブリ403は、流体拡散部材405とベースプレート部材417とが、それらの間に流体空間410を形成するように、ベースプレート部材417の上に位置決めされた流体拡散部材405をまとめて含む。流体供給導管409は、流体空間410と流体的に連通しており、流体バッフル416は、ベースプレート部材417に取り付けられており、かつ供給導管409の終端部と、流体拡散部材405の下部面との間の流体空間410内に位置決めされている。
【0035】
[0051]流体拡散部材405は、該流体拡散部材を貫通して形成され、流体拡散部材405の上面を流体拡散部材405の下部面に接続する複数の流体穴407を含む。流体拡散部材405の周辺部は、一般的に、ベースプレート部材417と密閉連通しており、従って、流体を、流体供給導管409によって流体空間410内に導入することができ、また、この流体の導入により、該密閉された流体空間410内で生成された増大する流体圧力の結果として、拡散部材405内に形成された穴407を通過するフローを引き起こすことができる。
【0036】
[0052]流体拡散部材405は、一般的に、約0.5mm〜約15mmの直径、又はより具体的には、約0.7mm〜約3mmの直径を有する約10〜約200個の流体穴407を含むことができる。穴407は、垂直方向に、又は代替として、拡散部材405の上面に対してある角度で位置決めすることができる。穴407は、拡散部材405の表面での流出流パターンを容易にするために、直角から約5°〜約45°の角度で位置決めすることができる。さらに、角度の付けられた穴407は、流体の乱流を低減するように構成することができる。
【0037】
[0053]本発明の別の実施形態においては、流体拡散部材405は、例えば、流体がそこを流れることを可能にするように構成された、多孔質セラミック等の多孔質材料を備えることができる。この実施形態においては、穴407は、一般的に必要ないが、本発明者等は、必要であれば、多孔質流体拡散部材405と共に幾つかの穴407を実装して、流体流を増加させることを意図している。セラミック材料は、本質的に親水性であり、かつ実質的に硬くすることができるため、有利になる可能性がある。1つの態様において、拡散部材405は、約0.1μm〜約500μmの寸法を有する孔を備えてデザインすることができる。拡散部材405を通過する流体流動抵抗は、拡散部材405の厚さの関数であり、この部材は、必要に応じて、所望の流体流特性を提供できるように変更又は修正することができる。
【0038】
[0054]本発明の別の実施形態においては、ベースプレート417は、該ベースプレートを貫通して形成された複数の流体供給導管409を有してもよく、流体供給導管409の各々は、流体を個々の及び/又は特定の穴407に供給するように構成される。より具体的には、この実施形態は、別々の加熱流体が、個々の穴407又は該穴の群を介して該基板の裏側の異なるエリアに供給されるゾーン型流体供給システムを実施するのに使用することができ、これによって個々の穴407を通って流れる加熱流体の温度及び個々の穴407の位置結果として基板全域の温度変動の制御を提供する。この実施形態は、例えば、処理中に、該基板の中心又は縁部近傍に、上昇した温度を生成するのに使用することができる。
【0039】
[0055]ベースプレート417及び拡散部材405は、(完全圧縮した窒化アルミニウム、アルミナAl2O3、炭化ケイ素(SiC)等の)セラミック材料、(Teflon(商標)ポリマーを被覆したアルミニウム又はステンレススチール等の)ポリマーを被覆した金属、ポリマー材料、又は、半導体流体処理に適した他の材料から製造することができる。好ましいポリマーコーティング又はポリマー材料は、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、PFA、PTFE、FEP、PVDF等のフッ素化ポリマーである。本発明の流体処理セル500の構成、コンポーネント及び動作のより詳細な説明は、2003年10月6日に出願された“Apparatus to Improve Wafer Temperature Uniformity for Face−up Wet Processing”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/680,325号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明に矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0040】
[0056]動作中、基板401は、フィンガ412によって固定され、流体拡散部材405の真上に垂直方向に位置決めされる。流体拡散部材405と基板401との間の間隔は、拡散部材405を介して導管409によって分配された温度制御された流体で充填される。該流体は、基板401の裏側に接触し、熱を該裏側に伝達して該基板を加熱する。この実施形態において、該基板は、一般的に、拡散部材405の上面に対して平行関係で、かつ拡散部材405の上面から約0.1mm〜約15mm離されて、及びより具体的には、拡散部材405の上面から約0.5mm〜約2mm離されて位置決めされる。
【0041】
[0057]本発明の別の実施形態においては、プラテンアセンブリ403の内部は、ヒータ433を含んでもよく、該ヒータは、プラテンアセンブリ403の温度を増加させて、処理する基板401を加熱するように構成されている抵抗型ヒータとすることができる。同様に、流体導管409及び/又は流体供給部は、流体が、支持フィンガ412上に位置決めされた基板401に接触する前に、導管409を介して流れる該流体を加熱するように構成された加熱デバイスを含んでもよい。該ヒータは、コントローラ111が、それぞれのヒータの動作を調整して、該流体及び処理される基板の温度を制御することができるように、システムコントローラ111に連通することができる。
【0042】
[0058]処理のために基板401を位置決めするプロセスは、一般的に、装填位置と処理位置との間でリフトアセンブリ413を動かすことを伴う。リフトアセンブリ413は、図4の左側の処理ステーション402においては、装填位置に図示されており、この場合、該リフトアセンブリは、支持フィンガ412が、上部キャッチリング418の上に延びるような垂直方向位置にある。この位置において、流体分配アーム406は、基板401の装填を可能にするために、フィンガ412の上に垂直方向に離間している。アーム406(及び該堆積システムの他の流体分配アーム)は、上部アーム部材425を入れ子状に受け入れる固定ベース部材426を含む。駆動モータは、上部アーム部材425をベース部材426に対して入れ子状に動かして、アーム406の垂直方向位置を調節する。基板401は、メインフレームロボット120又は基板シャトル305によって、支持フィンガ412の上に位置決めされ、その結果、フィンガ412を、垂直方向に作動させて、それぞれのロボット/シャトル120、305から基板401を除去することができる。一旦、基板401が、フィンガ412によってロボット/シャトル120、305の上に支持されると、ロボット/シャトル120、305は、基板401の下から除去することができ、また、フィンガ412は、処理位置まで低下させることができる。
【0043】
[0059]リフトアセンブリ413は、図4の右側の処理ステーション404においては、処理位置に図示されており、この場合、リフトアセンブリ413は、フィンガ412が、基板401を、キャッチリング418、419の一方に近い垂直方向位置に位置決めするように、垂直方向に位置決めされる。該処理位置において、流体分配アーム408は、下げられて、図4の処理ステーション404に図示されているように、基板401の上面近くに位置決めされる。リフトアセンブリ413は、一般的に、リフトアセンブリ413及び該リフトアセンブリに取り付けられたコンポーネントを垂直方向に作動させるように構成された動力付きジャックスクリューアセンブリ427によって作動される。より具体的には、該流体処理セルの下方部分は、リフトアセンブリ413に取り付けられており、該リフトアセンブリと協働して動く。該処理セルの下方部分は、一般的に、(フィンガ412及びリング411を含む)基板支持アセンブリ414と、下方介在壁部424と、排気部314とを含む。プラテンアセンブリ403は、静止したままであり、リフトアセンブリ413と同時に動かない。
【0044】
[0060]図6について説明すると、基板支持アセンブリ414は、一般的に、フィンガ412と、垂直ポスト部材415と、基板支持面415Aと、リング411とを含む。基板支持面415A上に配置された基板は、垂直ポスト部材415によって捕捉され、又は、保持される。本発明の1つの態様において、基板支持アセンブリ414は、様々なコンポーネントの熱膨張が、基板支持アセンブリ414の、基板支持面415Aに載置された基板を保持する能力に影響を及ぼさないようにデザインされる。基板支持アセンブリ414の熱膨張は、垂直ポスト部材415間に置かれる基板の誤配置及び/又は該基板に対するダメージにつながる可能性がある。熱膨張を低減する1つの方法は、低熱膨張率を有する材料、例えば、タングステン、アルミナ又は炭化ホウ素を使用して、基板支持アセンブリ414をデザインすることである。別の態様においては、リング411は、フィンガ412及び垂直ポスト部材415の動きを最小限にするジオメトリを有するようにデザインすることができる。
【0045】
[0061]それぞれの処理ステーション402、404の各々の下方部分は、複数の介在壁部アセンブリ422を各々含む。介在壁部アセンブリ422は、図4の場所402に図示された装填位置と、図4の場所404に図示された処理位置との間で、リフトアセンブリ413と協働して動くように構成される。介在壁部アセンブリ422は、一般的に、メインフレーム113に固着されている上方介在壁部423と、リフトアセンブリ413に取り付けられ、かつ該リフトアセンブリと共に動くように構成されている下方介在壁部424とを含む。下方介在壁部424(具体的には、上記セルに最も近くに位置決めされた最も内側の壁部424のペア)は、密閉された環境の外部の環境から、処理ステーション402、404の下方部分を密封するように機能する、脱イオン水等の流体で充填される。該脱イオン水は、一般的に、例えば、ドリップ機構によって下方介在壁部424の間の空間に継続的に供給される。流体密閉介在壁部アセンブリ422の使用は、本発明の処理ステーション402、404が、該ステーションの垂直方向シールからステーション402、404の回転シール428を切り離すことを可能にし、すなわち、従来のセルにおいては、該回転シール及び垂直方向シールはどちらも、本発明における導管409等の共通のシャフト上に位置決めされていた。介在壁部アセンブリ422は、図7に図示されたシール428を、唯一の回転シールとし、かつ流体処理システムにおいて機能することが難しい、回転シールと垂直方向スライドシールの組合せとはしないことを可能にする。
【0046】
[0062]上述したように、ステーション402、404の各々は、図4、図5及び図7に示すように、上方流体キャッチリング418及び下方流体キャッチリング419も含んでもよい。それぞれのキャッチリング418、419は、一般的に、それぞれのステーション402、404の内壁から内側及び上方に延びる環状に形作られた部材を備える。リング418、419は、上記セルの内壁に取り付けることができ、又は、該セルの内壁の一体部分としてもよい。キャッチリング418、419の内側終端縁部421a、421bは、一般的に、処理される基板401の直径よりも大きい約5mm〜約50mmである直径を有するような大きさに形成される。従って、基板401は、処理中に、それぞれのリング418、419を介して、垂直方向に持ち上げたり、下げたりすることができる。加えて、キャッチリング418、419の各々は、流体キャッチリング418、419(図7参照)に着く処理流体を集めるように構成された流体ドレイン420a、420bもそれぞれ含む。流体ドレイン420a、420bは、図7に示すように、排気ポート314と流体的に連通している。排気ポート314は、分離ボックス429に接続されており、そこで、ガスと流体とを互いに分離することができる。分離ボックス429は、ボックス429の上部に位置決めされたガス排気ポート430と、該ボックスの下部に位置決めされた流体排出部431とを含む。分離ボックス429はさらに、キャッチリング418、419で集めた処理流体を、再利用のための再生デバイスに移すように構成されている回収ポート432を含む。
【0047】
[0063]図7について説明すると、キャッチリング418、419は、処理ステーション402、404の各々の中での多数の垂直方向場所における基板401の流体処理を可能にするように構成されている。例えば、基板401は、基板401の上面が、第1の流体処理ステップのために、上方キャッチリング418の終端部421aのわずかに上に位置決めされるように、位置決めすることができる。第1の処理流体は、基板401が、約5rpm〜約120rpmで回転している間に、流体分配アーム406、408によって、基板401上に分配することができる。基板401の回転は、該基板上に分配された流体を、該基板の径方向外側へ流す。該基板の縁部上の流体流は、外側及び下側へ移動し、上方キャッチリング418に受け入れられる。該流体は、流体ドレイン420aによって捕捉し、必要に応じて、後の処理のために再循環させることができる。
【0048】
[0064]一旦、上記第1の処理ステップが終了すると、基板401は、第2の処理位置に垂直方向に移動させることができ、そこで、基板401の上面は、第2の流体処理ステップのために、下方キャッチリング419の終端部421bのわずかに上に位置決めされる。基板401は、この位置で、該第1の流体処理ステップと同様のやり方で処理され、該プロセスで使用される流体は、流体ドレイン420bによって集めることができる。この構成の利点は、多数の流体処理薬剤を、単一の処理ステーション内で使用することができるということである。加えて、該流体処理薬剤は、それぞれ独立した流体ドレイン420a、420bを有する別々の流体キャッチリング418、419が、不適合の処理流体の別々の収集を可能にするため、適合又は不適合であってもよい。
【0049】
[0065]動作中、本発明の堆積システム100の実施形態は、無電解プリ洗浄プロセス、無電解活性化プロセス、無電解めっきプロセス、無電解ポストクリーンプロセス及び/又は無電解プロセスに使用することのできる他の処理ステップを実施するのに使用することができる。本発明の実施形態を使用して無電解めっきプロセスを実施するための例示的なプロセスシーケンスを、図1〜図5に図示された本発明の実施形態に関して説明する。無電解めっきプロセスは、一般的に、閉塞された処理環境302内への基板の挿入で始まる。該挿入プロセスは、一般的に、弁付きアクセスポート304を開くことと、メインフレームロボット120を用いて、基板401を処理環境302内へ挿入することとを含む。基板401は、フェースアップ方向で挿入され、すなわち、めっきすべき基板401の表面は、上方に向けられる。
【0050】
[0066]一旦、上記基板が、閉塞された処理環境302内へ挿入されると、メインフレームロボット120は、該基板を、処理ステーション404内の支持フィンガ412上に位置決めし、該メインフレームロボットは、処理エンクロージャ302から引っ込む。この結果、フィンガ412は、処理のために基板401を垂直方向に位置決めすることができ、弁付きアクセスポート304は閉じられる。該挿入プロセスの間、すなわち、弁付きアクセスポート304が開いている間は、環境制御アセンブリ315内の上記ガス供給部は、オンになり、閉塞された処理環境302を不活性処理ガスで充填する。該不活性ガスを該処理空間内に流すプロセスは、酸素は、めっきされた材料、特に銅に対して有害な影響(酸化)を与えることが分かっているため、雰囲気ガス、特に酸素が、閉塞された処理環境302内に入るのを防ぐように構成されている弁付きポート304を介した処理ガスの流出を引き起こす。該処理ガス流は、弁付きアクセスポート304が閉じられた後も続き、一般的に、弁付きアクセスポート304が開かれる前まで続けられる。該処理ガス流は、無電解洗浄、活性化、及びめっきシーケンスの間、続けられ、排気ポート314、ガス通気孔及び/又は真空ポンプは、弁付きアクセスポート304が一旦、閉じられると、閉塞された処理環境302内を所望の処理圧力に維持するのに使用することができる。上記ガス供給部、HEPAフィルタ及び排気ポート314の組合せは、特定の処理ステップ中の、閉塞された処理環境302内の酸素含有量を制御するのに使用され、すなわち、エンクロージャ302内の酸素含有量は、必要に応じて、各個別の処理ステップに対して制御及び最適化することができる。
【0051】
[0067]一旦、上記基板が上記処理セル内に位置決めされると、本発明の無電解めっきプロセスは、一般的に、基板プリ洗浄プロセスで始まる。該プリ洗浄プロセスは、該基板の上面を、上方キャッチリング418の終端部421aのわずかに上、一般的に、約2mm〜約10mm上に位置決めすることで始まる。該洗浄プロセスは、流体分配アーム406によって基板表面に分配される洗浄溶液によって遂行される。該洗浄溶液は、プロセス時間を節約して、該セルのスループットを向上させるために、下降プロセスの間に、該基板表面に分配することができる。該洗浄溶液は、所望の洗浄特性により、酸性溶液又は塩基性溶液とすることができ、また、該洗浄溶液の温度は、処理レシピに従って制御(加熱又は冷却)することができる。加えて、該洗浄溶液は、界面活性剤添加物を含んでもよい。一般的に、約10rpm〜約60rpmである該基板の回転は、該洗浄溶液を、該基板の径方向外側、及び上方キャッチリング418上へ流し、そこで該洗浄溶液は捕捉されてドレイン420aへ送られた後、必要に応じて、分離及びリサイクルのために、排気ポート314を介して分離ボックス429へ移される。
【0052】
[0068]一旦、上記基板が洗浄されると、基板表面は、一般的に、リンスされる。該リンスプロセスは、該基板を回転させている間に、脱イオン水等のリンス溶液を基板表面に分配することを含む。該リンス溶液は、残留洗浄流体を該基板表面から有効に除去するように構成された流量及び温度で、分配される。該基板は、該基板の表面から該リンス溶液をはじくのに十分な速度で、すなわち、例えば、約5rpm〜約120rpmで回転される。
【0053】
[0069]一旦、上記基板がリンスされると、第2のステップを採用することができる。より具体的には、一般的に、酸性活性化溶液の基板表面への塗布を含む活性化ステップの前に、該基板表面は、まず、酸性コンディショニングリンス溶液で処置することができる。該コンディショニングリンス溶液は、一般的に、例えば、酸性活性化溶液の塗布に対して、該基板表面を適当な状態にするように機能する活性化溶液に使用される酸等の酸を含む。該溶液の状態を適当な状態にするのに使用できる例示的な酸は、硝酸、塩素をベースとする酸、メチルスルホン酸、及び無電解活性化溶液に通常使用される他の酸を含む。該基板コンディショニングプロセスは、上方キャッチリング418の近くの処理位置で実施することができ、又は、該基板は、該コンディショニングプロセスに使用される薬剤と、上記プリ洗浄プロセスに使用される薬剤との適合性により、下方キャッチリング419の近くの処理位置まで降下させることができる。
【0054】
[0070]一旦、上記基板が適当な状態にされると、該基板を下方キャッチリング419の近くに位置決めした状態で、活性化溶液が該基板に塗布される。該活性化溶液は、アーム408によって該基板上に分配され、該基板が回転する結果として、該基板の縁部上の径方向外側へ、及びキャッチリング419上に流される。そして、該活性化溶液は、再循環のために、流体ドレイン420によって集められる。該活性化溶液は、一般的に、酸の基礎を有するパラジウムベースの溶液を含む。該活性化ステップ中、一般的に、略円形で、拡散部材405と直径が等しい裏側の基板表面は、一般的に、拡散部材405の上面から約0.5mm〜約10mmの間に位置決めされる。該基板の裏側と拡散部材405との間の空間には、温度制御された流体が充填され、該流体は、拡散部材405に形成された流体穴407から分配される脱イオン水とすることができる。穴407から分配された、該温度制御された流体(一般的に、加熱された流体であるが、冷却された流体であってもよい)は、該基板の裏側に接触して、該基板に熱を伝達して及び/又は該基板から熱を奪って、処理のために該基板を加熱/冷却する。該流体は、継続的に供給することができ、又は、代替として、所定量の流体を供給して、該流体の供給を終了してもよい。該基板の裏側に接触する該流体流は、該活性化プロセス中に、一定の基板温度を維持するように制御することができる。加えて、該基板は、加熱/冷却及び流体の拡散を容易にするために、該活性化プロセス中に、約10rpm〜約100rpmで回転させることができる。
【0055】
[0071]一旦、該基板表面が活性化されると、追加的なリンス及び/又は洗浄溶液を該基板表面に塗布して、該基板表面から該活性化溶液を取り除くすることができる。活性化後に使用することができる第1のリンス及び/又は洗浄溶液は、好ましくは、該活性化溶液の酸に合うように選択された別の酸を含む。酸ポストリンスの後、該基板は、脱イオン水等の中性溶液でリンスして、該基板表面から残留する酸を除去してもよい。ポスト活性化洗浄及びリンスステップは、薬剤の適合性により、上方処理位置又は下方処理位置のいずれかで実施することができる。
【0056】
[0072]該活性化ステップが終了すると、該基板は、基板シャトル305によって、活性化ステーション404から堆積ステーション402へ移送することができる。該移送プロセスは、リフトフィンガ412を用いて、該基板を活性化ステーション402から上昇させることと、シャトル305を該基板の下に移動させることと、該基板をシャトル305上へ降下させることと、該基板を活性化ステーション404から堆積ステーション404へ移送することとを含む。一旦、該基板が堆積ステーション402に入ると、堆積ステーション402用の基板支持フィンガ412を、該基板をシャトル305から除去して、該基板を処理のために位置決めするのに使用することができる。
【0057】
[0073]上記基板の位置決めは、一般的に、プリ洗浄プロセスのために、該基板を上方キャッチリング418の近くに位置決めすることを含む。該プリ洗浄プロセスは、アーム408を用いて、プリ洗浄溶液を該基板上に分配することを含み、該プリ洗浄溶液は、一般的に、該プリ洗浄溶液が、該基板表面の状態を堆積溶液のpHにすることができるように、後に塗布される無電解めっき溶液と同じpHを有するように選択される。該プリ洗浄溶液は、該コンディショニングステップの後に塗布される無電解堆積溶液のための基礎を同じである塩基性溶液とすることができる。該めっき溶液と同じpHを有する溶液を用いた、該基板表面のプリ洗浄は、該堆積プロセスのための該基板表面の濡れ性も改善する。該プリ洗浄溶液は、該処理レシピにより必要とされる場合、加熱又は冷却してもよい。
【0058】
[0074]該基板表面が塩基性溶液によって適当な状態にされた場合、該無電解堆積プロセスにおける次のステップは、めっき溶液を該基板表面に塗布することである。該めっき溶液は、一般的に、純金属又は幾つかの金属からなる合金の形で該基板表面に堆積される、コバルト、タングステン、及び/又はリン等の金属を含む。該めっき溶液は、一般的に、pHが塩基性であり、該無電解めっきプロセスを容易にするように構成された界面活性剤及び/又は還元剤を含んでもよい。該基板は、一般的に、該堆積ステップのために、下方キャッチリング419のわずかに上の位置まで下げられる。従って、アーム408によって塗布される堆積溶液は、該基板の縁部上を外側へ流れ、キャッチリング419によって受け入れられ、該溶液は、可能性のあるリサイクルのために、ドレイン420bによって集めることができる。加えて、該基板の裏側は、一般的に、該堆積ステップ中に、拡散部材405の上面から、約0.5mm〜約10mm、又は、約1mm〜約5mm離されて位置決めされる。該基板の裏側と拡散部材405との間の空間には、拡散部材405に形成された流体穴407を通して分配される、脱イオン水とすることができる、温度制御された(一般的には、加熱された)流体が充填される。穴407から分配された温度制御された流体は、該基板の裏側に接触して、該流体から該基板へ熱を伝達し、該堆積プロセスのために該基板を加熱する。該流体は、一般的に、該堆積プロセスの全体を通して継続的に供給される。該堆積プロセス中に該基板の裏側に接触する該流体流は、該堆積プロセス中に、一定の基板温度を維持するように制御される。加えて、該基板は、該基板表面に塗布される堆積溶液の加熱及び拡散を容易にするために、該堆積プロセス中に、約10rpm〜約100rpmで回転させてもよい。
【0059】
[0075]一旦、上記堆積プロセスが終了すると、該基板表面は、一般的に、ポスト堆積洗浄溶液を該基板に塗布することを含むポスト堆積洗浄プロセスにおいて、洗浄される。該ポスト堆積洗浄プロセスは、該プロセスの薬剤の適合性により、上記上方又は下方処理位置のいずれかで実施することができる。該ポスト堆積洗浄溶液は、一般的に、めっき溶液とほぼ同じpHを有する塩基性溶液を含む。該基板は、該洗浄プロセス中に回転されて、該洗浄溶液を該基板表面から退かせる。一旦、該洗浄プロセスが終了すると、該基板表面を例えば、脱イオン水でリンスすることができ、また、該基板表面から残留する化学物質を除去するために、脱水することができる。代替として、該基板は、高い蒸気圧で、アセトン、アルコール等の溶剤の塗布によって、蒸気乾燥させてもよい。
【0060】
[0076]本発明の例示的な処理システム100において、処理セル場所102及び112は、無電解プリ洗浄プロセス、無電解活性化プロセス及び無電解ポスト活性化洗浄プロセスを実施するように構成することができ、一方、処理セル場所104、110は、無電解堆積セル及び無電解ポスト堆積洗浄セルとして構成することができる。この構成においては、それぞれの活性化及び堆積薬剤は、それぞれの処理場所において独立しているため、それぞれのプロセスからの薬剤の再利用が可能である。この構成の別の利点は、流体処理セル場所102、104、110、112のための処理空間が、閉塞された処理環境302内にあるため、該基板が、不活性環境内で、活性化溶液から無電解堆積溶液へ移送されることである。さらに、該処理エンクロージャは、装填及び処理中に、不活性ガスで満たされており、従って、閉塞された処理環境302の内部は、実質的に低下した割合の酸素、例えば、約100ppm未満の酸素、又はより具体的には、約50ppm未満の酸素、あるいは、約10ppm未満の酸素を有する。実質的に低下した酸素含有量と、活性化セルとめっきセルの間の近接及び速い移送時間との組合せ(一般的に約10秒未満)は、従来の無電界システムの場合の重要な課題であった、該活性化ステップと堆積ステップとの間での該基板表面の酸化を防ぐように機能する。
【0061】
[0077]本発明の流体処理ステップ全体を通して、上記基板の位置は、変化させてもよい。より具体的には、流体拡散部材405に対する該基板の垂直方向位置を変化させることができる。拡散部材405からの距離は、必要に応じて、例えば、処理中に、該基板の温度を低くするために増加させることができる。同様に、拡散部材405に対する該基板の近接は、処理中の該基板の温度を上昇させるために、減少させてもよい。
【0062】
[0078]本発明の実施形態の別の利点は、処理システム100を適合又は不適合薬剤と共に使用することができるということである。例えば、不適合薬剤、例えば、酸性活性化溶液や塩基性溶液を利用する処理シーケンスにおいて、該酸性溶液は、一般的に、1つのセル又はステーションにおいて独占的に使用され、一方、該塩基性溶液は、別のセルにおいて独占的に使用される。それらのセルは、近づけて位置決めしてもよく、また、基板は、シャトル305の1つによって、それぞれのセルの間で移送することができる。該基板は、一般的に、隣接するセルに移送される前に、各セル内で洗浄され、このことは、一方のセルからの薬剤が他方のセルを汚染することを防ぐ。加えて、各処理ステーション又はセル内の多数の処理場所、例えば、キャッチリング418、419の位置決めは、それぞれの薬剤を、異なるキャッチリング418、419によって集め、互いに別々にしておくことができるため、単一のセル又はステーションにおける不適合薬剤の使用を可能にする。
【0063】
[0079]また、本発明の実施形態は、使い捨て型薬剤セルとして構成してもよく、すなわち、プロセス薬剤の単回投与は、単一の基板に対して使用することができ、そのため、溶液の再利用を伴うことなく、すなわち、追加的な基板を処理するのに使用することなく、廃棄することができる。例えば、処理システム100は、共通のセルを利用して、基板を活性化し、洗浄し及び/又は後処理することができると共に、他のセルを使用して、無電解堆積及び/又はポスト堆積洗浄プロセスを実施することができる。これらのプロセスの各々は、異なる薬剤を利用してもよいため、該セルは、一般的に、必要に応じて、所要の薬剤の各々を該基板に供給して、該プロセスが一旦、終了すると、使用済みの薬剤をそこから排出するように構成される。しかし、異なる薬剤を単一のセルから回収することにより、かなりの汚染問題が生じるため、該セルは、一般的に、該薬剤を回収するように構成されてはいない。
【0064】
[0080]本発明の実施形態に使用できる追加的な処理セルは、2001年7月10日に出願された“In−Situ Electroless Copper Seed Layer Enhancement in an Electroplating System”というタイトルの同一出願人による米国特許第6,258,223号明細書、及び2001年12月26日に出願された“Electroless Plating System”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/036,321号明細書中に見出すことができ、これらの明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0065】
スプレー分配システム
[0081]図8は、上述したそれぞれのステーション402、404と同様のフェースアップ無電解処理セル1010の一実施形態の側断面図を図示したものである。基板が方向付けられたフェースアップは、図8の参照符号1250に見える。「無電解プロセス」(又は、無電解堆積プロセス)という用語は、一般的に、例えば、プリ洗浄プロセスステップ(基板前処理ステップ)、無電解活性化プロセスステップ、無電解堆積プロセス及びポスト堆積洗浄及び/又はリンスステップのうちの1つ以上を含む、無電解堆積膜を基板上に堆積するために行われる全てのステップを対象とすることを意味する。
【0066】
[0082]無電解処理セル1010は、セルボディ1015を含む。セルボディ1015は、流体処理(無電解又はECP)溶液と反応しないことが分かっている様々な物質から製造することができる。このような物質は、プラスチック、ポリマー及びセラミックを含む。図8の構成において、セルボディ1015は、セル1010のための径方向側壁を形成する円柱状ボディを画成する。セルボディ1015は、その上端部にふたアセンブリ1033を受け入れて支持する。一体底部壁部1016は、その底部端部にセルボディ1015を備えている。底部壁部1016は、基板支持アセンブリ1299を受け入れる開口を有する。基板支持アセンブリ1299の特徴について以下に説明する。
【0067】
[0083]一実施形態において、基板支持アセンブリ1299は、一般的に、ベースプレート部材1304と、該ベースプレート部材に取り付けられた流体拡散部材1302とを含む。図8〜図11に描かれた基板支持アセンブリ1299は、上述したプラテンアセンブリ403の別の実施形態を図示する。Oリング型シール等の環状シール1121は、流体拡散部材1302の周辺近くに位置決めされている。環状シール1121は、一般的に、流体送出プロセスを容易にするために、ベースプレート部材1304の頂部の外側縁部に係合して、流体拡散部材1302とベースプレート部材1304との間に流体密封シールを作成するように構成されている。
【0068】
[0084]ベースプレート部材1304は、一般的に、該部材の中央部分を貫通して、又は、プレート1304上の別の場所を貫通して形成された流体路1308を有するソリッドディスク形状部材を画成する。ベースプレート1304は、好ましくは、セラミック材料又は被覆金属から作製される。また、PVDF材料を用いてもよい。流体空間1310は、ベースプレート部材1304の上で、かつ流体拡散部材1302の下に形成されている。このようにして、流体拡散部材1302は、ベースプレート部材1304上に位置決めされる。流体空間1310は、一般的に、流体拡散部材1302とベースプレート1304との間の約2mm〜約15mmの間隔を有することができるが、より大きな又はより小さな間隔を使用してもよい。
【0069】
[0085]流体拡散部材1302は、該流体拡散部材を貫通して形成された複数の流体路1306を含む。流体路1306は、流体拡散部材1302の上面を流体空間1310に接続する。上述したように、流体拡散部材1302の周辺部は、一般的に、ベースプレート部材1304と密封して連通されている。このように、流体は、流体入口1308を介して流体空間1310内に導入することができる。該流体は、流体路1308から密封された流体空間1310内に、その後、拡散部材1302に形成された流体路1306を通って、基板1250の裏側と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312内に流される。
【0070】
[0086]図8の構成において、流体源は、符号1203に見える。より具体的には、該流体源は、脱イオン水である。流体は、DI水源1203から基板流体ヒータ1164を通って流れる。流体ヒータ1164は、該水を温めて所望の温度にする。本明細書で使用することのできる流体ヒータ1164は、処理流体にエネルギを与えるいかなる種類のデバイスであってもよい。好ましくは、該ヒータは、(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)浸漬型ヒータよりもむしろ、(例えば、ヒータが入口管を介して該流体を加熱する)ジャケット付き抵抗ヒータである。プロセスコントローラ1280及び温度プローブ1154(図示せず)と共に使用されるヒータ1164は、熱伝達領域1312に入るDI水の温度が所望の温度であることを確実にするために利用することができる。
【0071】
[0087]DI水は、該ヒータを出て、チューブ1166を通って流体入口1308に流れる。そこから、該DI水は、ベースプレート部材1304を通って流体拡散部材1302を介して、流体拡散部材1302と基板1250との間の熱伝達領域1312内に注入される。基板1250の裏の温められた流体の存在もまた、基板1250の裏側を温める。均一でかつ上昇された基板温度は、無電解めっき工程を容易にする。複数の加熱バンド1112を、ベースプレート部材1304に任意に埋め込んでもよく、また、必要に応じて、熱伝達領域1312内に流れるDI水の温度、ひいては処理中の基板温度をより正確に制御するために、個別に制御してもよい。より具体的には、加熱バンド1112に関する個別制御は、基板表面に対する正確な制御を可能にし、このことは、無電解めっきプロセスにとって重要である。
【0072】
[0088]上述した加熱構成に対する代替例として、任意の加熱コイル1112をベースプレート1304から除去して、拡散プレート1302に挿入してもよい。このデザイン変更に適応するため、ベースプレート1304を薄くすることができ、同時に、拡散プレートのジオメトリが大きくされる。脱イオン水は流体入口1308を通って流れる際、該脱イオン水は、加熱された拡散プレート1302の下を通過し、流体路1306を通った後、基板1250の裏側と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312内に流れる。このような代替的構成を図8Bに示す。この構成においては、独立した流体ヒータ1164は場合によって取り外してもよい。
【0073】
[0089]ベースプレート1304及び拡散部材1302は、(完全圧縮した窒化アルミニウム、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)等の)セラミック材料、(Teflonポリマー被覆アルミニウム又はステンレススチール等の)ポリマー被覆金属、ポリマー材料、又は、半導体流体処理に適した他の材料で製造することができる。好ましいポリマー被覆又はポリマー材料は、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、PFA、PTFE、FEP、PVDF等のフッ素化ポリマーである。
【0074】
[0090]流体路1306は、基板1250の裏側にDI水を直接注ぐように構成されてもよいことを付け足しておく。基板1250の裏側の水の存在は、基板1250を温めるだけではなく、無電解流体が、基板1250の裏側に非所望に接触することを防ぐ。
【0075】
[0091]複数の基板支持フィンガ1300は、一般的に、流体拡散部材1302の周辺部近傍に位置決めされている。基板支持フィンガ1300は、熱伝達領域1312を形成するために、流体拡散部材1302の上の所望の距離に基板1250を支持するように構成されている。ロボットブレード(図示せず)を基板1250の下のフィンガ1300の間に挿入して、基板1250を持ち上げ及び除去してもよい。代替的構成においては、基板支持フィンガ1300の代わりに、連続的なリング(図示せず)を、該基板を支持するのに使用してもよい。また、この構成において、リフトピンアセンブリ(図示せず)を、該連続的なリングから該基板を持ち上げるのに利用してもよい。このようにして、該ロボットブレードは、セル1010内に、及び該セルから運ぶことができるように、基板1250の底部に再びアクセスすることができる。流体処理セル1010はさらに、スロット1108を含む。該スロットは、基板1250をセル1010へ送出し、及び該セルから回収するロボット(図示せず)へのアクセスを提供できる、側壁1015を貫通して形成された開口を画成する。
【0076】
[0092]図8のセル1010の構成において、基板支持アセンブリ1299は、軸方向に選択的に平行移動させ、及び上方軸受1054A及び下方軸受1054Bの使用により、ベースプレート支持体1301を中心として回転させることができる。この目的のために、まず、基板支持リフトアセンブリ1060が提供されている。基板支持リフトアセンブリ1060は、基板支持アセンブリモータ1062を含む。1つの構成において、基板支持アセンブリモータ1062は、フィードスクリュー1061を回転させる精密モータである。モータ1062の回転動は、フィンガスライド1064の直線運動に変換される。フィンガスライド1064は、溝付きハウジング1066に沿って進み、上下方向の滑動を駆動する。この場合、モータ1062は、好ましくは、電気的に作動される。代替として、基板支持アセンブリモータ1062は、空気圧作動のエアシリンダであってもよい。
【0077】
[0093]また、基板支持リフトアセンブリ1060は、基板支持フィンガモータ1052も含む。フィンガモータ1052は、基板支持フィンガ1300及び支持された基板1250を回転させる。基板支持フィンガ1300は、非回転ベースプレート支持体1301によって形成された軸周りに回転する。基板支持部材1299の回転速度は、実行される特定のプロセス(例えば、堆積、リンス、乾燥)により、変化させることができる。堆積の場合、該基板支持部材は、流体慣性によって、基板1250の表面の全域に該流体を薄く塗るために、該流体の粘度により、約5RPM〜約150RPM等の比較的低速度で回転するように適合させることができる。リンスの場合には、基板支持部材1299は、約5RPM〜約1000RPM等の比較的中速度で回転するように適合させることができる。乾燥の場合は、該基板支持体は、基板1250をスピン乾燥させるために、約500RPM〜約3000RPM等の比較的高速で回転するように適合させることができる。
【0078】
[0094]ベースプレート支持体1301は、ベース部材1013及び1014によってチャンバベース又はプラットフォーム(図示せず)に載置されている。この結果、好ましい実施形態においては、ベースプレート部材1304は、基板支持リフトアセンブリ1060によって平行移動されないが、基板支持フィンガ1300のためのガイドとしての役割を果たす。上方軸受1054A及び下方軸受1054Bは、このような支持を可能にするために提供されている。ベースプレート支持体1301は、電気配線(図示せず)、及び基板流体入口ライン1166によって送り込まれる入口管1308のための導管としての役目も果たす。配線及び管は、ベース部材1014内のベースプレート導管1305を通る。
【0079】
[0095]図8Aは、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図において、基板リフトアセンブリ1060は、その上昇位置にある。基板1250は、該基板が、流体空間1310及びベース部材1304と接触する流体によって温められないため、処理セル1010の周囲温度での処理を可能にするために、ベースプレート1304の表面から離れて持ち上げられる。これは、基板1250が典型的には、上記ロボットが、処理された基板1250をピックアップするために入ってくる前に置かれる位置でもある。
【0080】
[0096]処理セル1010は、流体入口システム1200も含む。流体入口システム1200は、様々な処理流体(例えば、溶液1202、溶液1204及び溶液1206等)を基板1250の受け入れ面に送出するように機能する。流体処理セル1010に使用できる処理流体の数は、用途によって変化し、また、図8に示すように、恐らく3以上になるであろう。計量ポンプ1208は、各溶液1202、1204、1206と接続して提供されている。また、各溶液1202、1204、1206のそれぞれのフォアライン1210内への放出を制御する分配弁1209が提供されている。流体1202、1204、1206は、フォアライン1210から入口管1225を通ってセル1010内に選択的に導入される。図8に概して描くように、分配弁1209は、薬剤が、分配弁1209の上流の処理流体源から送出された後に、フォアライン1210をリンスするように構成することができる。
【0081】
[0097]フィルタ1162は、場合によって、フィルタ1162より上流で生成されたパーティクルが、流体処理セル1010及び最終的に基板1250を汚染することを防ぐために、必要に応じて、入口システム1200に組み込まれる。該基板を除去する前に、又は、プロセスステップの間に、入口ライン1225をリンスする必要がある場合、フィルタの追加は、該フィルタ膜の大きな表面積により、該ラインをリンスするのにかかる時間を大幅に増加させる可能性があり、従って使用しなくてもよい。
【0082】
[0098]本発明の別の態様において、ヒータ1161は、流体が処理エリア1025に入る前に、該流体を加熱するために、入口システム1200に組み込まれる。本発明において意図されたヒータ1161は、該処理流体にエネルギを与えるいかなる種類のデバイスであってもよい。好ましくは、ヒータ1161は、(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)浸漬型ヒータではなく、(例えば、ヒータが、上記入口管の壁部を介して該流体を加熱する)ジャケット付き抵抗ヒータである。コントローラ1280と共に使用されるヒータ1161は、流体処理セル1010の処理エリア1025に入ってくる処理流体の温度が、確実に所望の温度になるようにするために利用することができる。
【0083】
[0099]本発明の別の態様において、ヒータ1161は、該処理流体に急速にエネルギを与えるのに使用されるマイクロ波電源及びフロースルーマイクロ波キャビティである。一実施形態において、該マイクロ波電源は、約500W〜約2000Wの電力で、2.54GHzで作動する。一実施形態において、インラインマイクロ波キャビティヒータは、該処理セルに入る直前に、様々な溶液(例えば、洗浄薬剤、リンス溶液及びポスト洗浄溶液等)の温度を最適なレベルまで上昇させる。一実施形態においては、別々の流体ラインを選択的に加熱するために、2つの別々のマイクロ波ヒータを利用してもよい。
【0084】
[00100]本発明の別の態様においては、処理エリア1025に入ってくる前に、処理流体中に閉じ込められた任意のガス又は該処理流体中に溶解した任意のガスを除去するために、流体脱気ユニット1170が入口システム1200に組み込まれている。溶解した酸素は、無電解堆積反応を抑制し、露出した金属面を酸化し、及び該無電解洗浄プロセス中のエッチ速度に影響を及ぼす傾向があるため、該流体脱気ユニットの使用が、該処理流体中に存在する溶解酸素によって引き起こされる何らかの腐食及び/又はプロセス変動を低減するのに役に立つ可能性がある。流体脱気ユニットは、一般的に、例えば、ガス透過性膜及び真空源を用いて、溶液から溶解ガスを抽出することができる何らかのユニットとして定義される。流体脱気ユニットは、例えば、マサチューセッツ州ビレリカにあるMykrolis Corporationから購入することができる。
【0085】
[00101]流体処理セル1010及び他の外部システムコンポーネント(以下で論じる)内に備えられたそれぞれのコンポーネントの各々は、好ましくは、プロセスコントローラ1280と連通しており、該コントローラは、マイクロプロセッサをベースとする制御システム上に位置決めされたユーザ及び/又は様々なセンサの両方からの入力を受け取り、及び該入力に従って、該チャンバ及び外部システムの動作を適切に制御するように構成されたマイクロプロセッサベースの制御システムとすることができる。コントローラ1280は、様々なプログラムを保持し、該プログラムを処理し、及び必要な場合には、該プログラムを実行するために、該コントローラによって利用されるメモリ(図示せず)及びCPU(図示せず)を包含する。該メモリは、該CPUに接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は、ローカル又はリモートの他の任意の形態のディジタルストレージ等の1つ以上の容易に入手できるメモリとすることができる。ソフトウェアの命令及びデータは、符号化して、該CPUに命令するために該メモリに格納することができる。また、該プロセッサを従来の方法で支援するために、支援回路(図示せず)も該CPUに接続されている。該支援回路は、当分野において周知のキャッシュメモリ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含んでもよい。コントローラ1280によって読取り可能なプログラム(又は、コンピュータ命令)は、該処理チャンバにおいて、どのタスクが実行可能であるかを判断する。好ましくは、該プログラムは、コントローラ1280によって読取り可能なソフトウェアであり、定義されたルール及び入力データに基づいて、該無電解プロセスをモニタし、かつ制御するための命令を含む。
【0086】
[00102]図8、図8A及び図8Bのセルの実施形態においては、流体入口システム1200は、スプレー機構を介して作動する。より具体的には、処理流体、例えば、流体1202、1204、1206は、流体送出アーム1406を介して基板1250の受け入れ面に選択的に送出される。複数のノズル1402が、流体送出アーム1406に沿って形成されている。ノズル1402は、入口管1225から流体を受け取って、該処理流体を基板1250の受け入れ面に向ける。ノズル1402は、送出アーム1406の端部、又はアーム1406の長さ方向に沿って配置することができる。図8、図8A及び図8Bの構成において、1組のノズル1402は、等間隔構成で位置している。
【0087】
[00103]図8の構成において、アーム1406は、遠端部が基板1250の中心を越えて延びることができるような長さを有する。少なくとも1つのノズル1402は、流体送出アーム1406の該遠端部に位置決めされることが好ましい。また、流体送出アーム1406は、アーム1406を基板1250の中心に対して及び該中心から旋回させるように適合されている分配アームモータ1404の周りで可動であることが好ましい。図8、図8A及び図8Bにおいて、流体送出アーム1406は、アームモータ1404の動きに応答して旋回する。アームモータ1404は、好ましくは、アームモータ1404をチャンバ処理エリア1025から部分的に隔離するために、ガード部材1410を越えたところに配置される。
【0088】
[00104]一実施形態において、流体送出アーム1406は、旋回するだけではなく、軸方向にも移動するように適合されている。図8Bは、代替的実施形態における、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。ここで、ピボットアーム1404は、軸方向モータ(例えば、リニアモータ)1080に接続されている。軸方向におけるアーム1406の動きは、アーム1406を、必要に応じて、基板1250に選択的に接近させて移動させることを可能にする。
【0089】
[00105]図9は、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの上面を図示したものである。ここで、流体取入システム1200の流体送出アーム1406は、載置された基板1250に対して見える。基板1250を支持する4つの事例的な支持フィンガ1300が示されている。アーム1406は、この図においては、基板1250から離れて回転する。この位置は、基板1250を、リフトピン、又は、上述したアセンブリ1060等の基板リフトアセンブリを使用して持ち上げることを可能にする。しかし、矢印1004は、アーム1406のための回転動の経路を指し示し、アーム1406が、処理中に、基板1250の上でノズル1402を回転させることができることを明示している。基板1250上での送出アーム1406の動きは、基板1250の流体カバレージを改善する。好ましくは、該基板支持部材は、流体分布均一性及び該システムのスループットを向上させるために、ノズル1402からの流体の分配中に、回転する。
【0090】
[00106]別の実施形態においては、処理流体は、該基板の回転軸近くに配置された1つ以上のノズルを介して送出される。同時に、(N2又はAr等の)キャリアガスが、該基板の外縁部に沿って配置されたノズルを介して送出される。流体送出工程中、該基板は、好ましくは、回転される。該キャリアガスの、基板1250の縁部周辺への注入は、処理エリア1025周辺にガスブランケットを形成する。該ガスブランケットは、該処理領域内に残存する可能性がある残留O2を動かす。無電解堆積処理の当業者は、酸素が、化学的活性化ステップ等の特定のプロセスステップに有害な影響を及ぼす可能性があることを十分理解するであろう。
【0091】
[00107]一実施形態において、ノズル1402は、超音波噴射ノズル、又は「空気噴霧ノズル」である。図12は、空気噴霧ノズル1402の1つのデザインの断面図を示す。これは、内部混合型ノズルである。これは、該処理流体の完全に噴霧化されたスプレー又は霧を生み出すように、流体が内部で混合されることを意味する。この構成において、該キャリアガス、例えば、アルゴンは、処理溶液からなる小滴を含有する。一実施形態においては、不活性ガスを、噴霧化された活性化溶液を基板表面に運ぶのに使用してもよい。代替として、不活性ガスは、噴霧化された無電解堆積溶液を基板1250まで運ぶのに使用することができる。
【0092】
[00108]図12のノズルデザイン1402において、ノズル1402は、ボディ1426と先端部1424とを含む。先端部1424は、一般的に、直径が約10μm〜約200μmである。一実施形態において、先端部1424は、直径が約10μm〜約50μmである。流体は、高圧ガスがノズルガス供給部1244から供給されたときに生じるベンチュリ効果によって生じる吸引力により、先端部1424を介して送出される。図12の構成において、ボディ1426は、それぞれ、別々の流体及びガスのストリームを受け入れる別々のチャネル1422、1420を提供する。液体1422及びガス1420のチャネルは、先端部1424で1つになり、該2つのストリームが混ざることを可能にする。これは、「同心ベンチュリデザイン」と呼ぶことができる。この構成において、ノズル1402から散布される流体は、完全に噴霧化されたスプレーを生み出すために、予め混合される。図12の特定の先端部デザイン1424は、丸いスプレーパターンを生み出す。しかし、他の先端部構成を、平坦な又は扇形スプレーパターン等の他のスプレーパターンを生み出すのに使用してもよいことを理解されたい。
【0093】
[00109]図13は、異なるデザインの空気噴霧ノズル1402の断面図を提供する。これは、外部流体混合ノズルである。図13のノズルデザイン1402において、ノズル1402は、ここでもまた、ボディ1426と先端部1424とを含む。先端部1424は、ここでもまた、一般的に、直径が約10μm〜約200μmであり、又は、別の実施形態においては、直径が約10μm〜50μmである。図13の構成において、ボディ1426は、ここでもまた、それぞれ、別々の液体及びガスのストリームを受け入れる別々のチャネル1422、1420を提供する。しかし、この構成においては、液体チャネル1422は、2つのストリームがボディ1426内では混合しないが、ノズル1424の外部で混合するように、ガスチャネル1420と独立してノズル1402を介して液体を送出する。これは、「パラレルベンチュリデザイン」と呼ぶことができる。この構成は、ガス流及び液体流を独立して制御することができるという利点を有し、このことは、高粘度の液体及び研磨懸濁液に対して有効である。これは、内部混合型ノズル1402とは対照的であり、ガス流の変化が、液体流に影響を及ぼすことになる。
【0094】
[00110]図12及び図13のノズル等の超音波ノズルの使用は、基板の受け入れ面に噴霧ミストを生み出す。液体ストリームとは対照的に、ミストの方向は、高価な無電解処理流体を節約するように作用する。また、これは、該受け入れ面全域でのより均一なカバレージをもたらす。また、回転するディスクの表面における境界層の形状は、一般的に、平坦であり、又は、いずれかの方向において、該基板の表面と平行であるため、基板1250が基板支持フィンガモータ1052を用いて回転されたときに生成される流体動的境界層は、基板1250の表面上への噴霧化された処理流体の分布を改善することができる。該噴霧化された処理流体によって経験される該境界層効果は、従来のスプレーデザインより優る利点になる可能性があり、このことは、1つ以上のノズルによって生じた不均一なスプレーパターンを、該噴霧化された流体の該基板表面への輸送に対する該境界層の制御によって最小限にすることができるため、流体のストリームを該基板表面に衝突させる。
【0095】
[00111]流体供給部は、ノズル1402に送出される流体のために提供されている。図12及び図13においては、タンク1212が示されている。タンク1212は、流体入口218と、通気孔1214とを含む。通気孔1214は、大気圧と流体的に連通している。また、流体出口1216も提供されている。流体送出の間、源1244からのガスは、高速でノズル1402へ送出される。このことは、通気孔1214を介した大気圧との連通により、流体ライン1422内に相対的に負の圧力を生じる。この結果、流体は、強制的に出口1216に流されて、ノズル1402内に入る。
【0096】
[00112]一実施形態において、該処理流体は、活性化溶液である。活性化溶液の実施例は、パラジウム塩含有塩化物、臭化物、フッ化物、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、カルボニル、金属酸の塩、及びこれらの組合せを含む。一実施形態において、パラジウム塩は、塩化パラジウム(PdCl2)等の塩化物である。別の実施形態においては、パラジウム塩は、硝酸塩、アルカンスルホン酸塩、又は、溶液中に、又は金属面上にクラスタ形成する傾向がない非配位アニオンを含有するPd+2の別の可溶性誘導体である。一実施形態において、銅洗浄溶液が塗布された終了時と、活性化溶液が塗布されるときの開始時との間のキュー時間(又は、待ち時間)は、一般的に、約15秒未満であり、及び好ましくは、約5秒未満である。該活性化溶液は、一般的に、露出した部材の露出した銅の上に、活性化された金属シード層を堆積するように機能する。酸化銅は、銅よりも高い電気抵抗を有することが分かっているため、洗浄後の該銅層の露出した部分の酸化は、後のプロセスステップに害を及ぼす可能性がある。銅の洗浄と活性化との間の短いキュー時間は、酸化を最小限にし、同時に、上記流体処理セル周辺でのキャリアガス環境の使用も、上述したように、該銅層の露出部分の酸化を防ぐのに役に立つ可能性がある。
【0097】
[00113]一実施形態において、該処理流体は、無電解堆積溶液である。一実施形態においては、CoP、CoWP、CoB、CoWB、CoWPB、NiB又はNiWBを含有する合金であり、好ましくは、CoWP又はCoWPBを含む、無電解堆積されたキャッピング層が堆積される。該キャッピング層を形成するのに使用される無電解堆積溶液は、堆積すべき該キャッピング層の材料物質により、1つ以上の金属塩と、1つ以上の還元剤とを含んでもよい。また、該無電解堆積溶液は、当分野において一般的に知られているように、酸又は塩基等のpH調整剤を含んでもよい。選択されたキャッピング層がコバルトを含有する場合、該無電解堆積溶液は、一般的に、コバルト塩を含む。コバルト塩の実施例は、塩化物、臭化物、フッ化物、酢酸塩、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、強酸又は弱酸の塩、及び/又はこれらの組合せを含む。好ましくは、該コバルト塩は、硫酸コバルト、塩化コバルト、又はこれらの組合せを含む。タングステン含有キャッピング層を堆積する場合、該無電解堆積溶液は、タングステン塩を含む。好ましくは、該タングステン塩は、タングステン酸アンモニウム又はテトラメチルアンモニウムタングステン酸塩等のタングステン酸の塩を含み、又は、該タングステン酸の中和によって生成してもよい。ニッケル含有キャッピング層を堆積する場合には、該無電解堆積溶液は、一般的に、ニッケル塩を含む。ニッケル塩の実施例は、塩化物、臭化物、フッ化物、酢酸塩、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、カルボニル、強酸又は弱酸の塩、及び/又はこれらの組合せを含む。
【0098】
[00114]選択されたキャッピング層の材料物質がCoP、CoWP又はCoWPB等のリンを含む場合、還元剤は、好ましくは、次亜リン酸アニオン(H2PO2)等のリン化合物を含む。該キャッピング材料物質が、CoB、CoWB、CoWPB等のホウ素を含む場合には、該還元剤は、一般的に、ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン(DMAB)、ホウ化水素(BH4−)の無アルカリ金属塩、又は、これらの組合せを含む。また、ヒドラジン等の他の還元剤を、上記の還元剤に加えて、又は、代替として、上記の還元剤と共に使用してもよい。一実施形態においては、ボラン共還元剤が、銅上で開始されるプロセスに使用される。
【0099】
[00115]上述したように、無電解堆積溶液(処理流体)及び/又は上記基板は、一定の温度に加熱してもよい。例示的な温度は、約40℃〜約95℃である。1つの態様において、該無電解堆積溶液及び/又は基板構造を加熱すると、無電解堆積速度が増加する。このことは、該処理流体がノズル1402を出る際に遭うオフセット温度降下を促進する。一実施形態において、上記キャッピング材料物質の堆積速度は、約100Å/分以上である。一実施形態において、該キャッピング材料物質は、約100Å〜300Å、好ましくは、約150Å〜約200Åの厚さに堆積される。しかし、無電解プロセスの堆積速度は、温度に依存することが分かっているため、該基板全域の温度を均一な温度に維持することが望ましい。従って、図8に図示されたベースプレート部材1304の加熱コイル1112及び/又はヒータ1164を使用することができる。
【0100】
[00116]また、処理セル1010は、流体出口システム1240も含む。流体出口システム1240は、一般的に、流体ドレイン1249に接続されている出口ライン1227を包含する。セル1010を介してより一様に流体を引き込むために、場合によって、1つ以上の出口ライン1227を、セル1010の周りに配置してもよい。図9においては、4つの概して等距離に離間した出口1227が設けられているのが図を見て分かる。多数の出口1227を、単一の排出プレナム及び流体ドレイン1249に結合することができる。また、流体ドレイン1249は、チャンバ廃液を廃棄物収集ドレイン(図示せず)に送出する。要約すると、該処理流体は、一般的に、入口管1225を通った後、流体送出アーム1406を通り、ノズル1402を通り、その後、処理エリア1025から基板支持フィンガ1300に向かって流れて、1つ以上の流体ドレイン1227から排出される。薬剤は、処理エリア1025内の基板1250の受け入れ面に接触して、該基板を処置することになる。
【0101】
[00117]流体出口システム1240は、ガス排出口を含む。排出管1246は、壁部1015を貫通して延びている。排出システム1248は、処理エリア1025からガスを抜く。一実施形態において、排出入口1246は、基板1250の表面近くのガス流を改善するために、基板1250の表面の下からガスを一様に吸引するリング/プレナムである。
【0102】
[00118]図10は、代替的実施形態における、フェースアップ無電解処理セル1010の側断面図を提供する。流体を基板1250の受け入れ面に送出する流体取入システム1200が、ここでもまた、提供されている。処理流体は、ここでもまた、1つ以上のノズル1402を介して送出される。しかし、この実施形態においては、ノズル1402は、チャンバ蓋アセンブリ1033内のガス送出多孔質プレート1030中に配置されている。
【0103】
[00119]チャンバ蓋アセンブリ1033は、まず、ガス送出多孔質プレート1030を含む。好ましくは、ガス送出多孔質プレート1030は、多孔質プレートであり、空気が該プレートを通過して移動することを可能にする。該多孔質プレートのための例示的な材料は、流体の伝達を可能にするために、中に孔が形成された、又は穴が作製されたセラミック材料(例えば、アルミナ)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン、PVDFを含む。一実施形態において、HEPAフィルタ(“High Efficiency Particulate Air”filter)構成を採用することができる。HEPAフィルタは、紙状生地に巻かれたガラス繊維を利用する。図10のガス送出多孔質プレート1030は、上方支持リング1031によって支持されている。
【0104】
[00120]次に、チャンバ蓋アセンブリ1033は、一般的に蓋1032を含む。該蓋は、蓋アセンブリ1033とガス送出多孔質プレート1030との間の空間にプレナム1034を形成する。蓋1032は、図10の構成において、ガス送出多孔質プレート1030と上方支持リング1031の両方によって支持されている。流体入口管1225は、蓋1032を貫通して延び、多孔質プレート1030の1つ以上のノズル1402に分岐している。
【0105】
[00121]図10の流体処理セル1010はガスライン1040を示す。ガスライン1040は、ガス供給部1038からチャンバ蓋プレナム1034への流路を提供する。弁1035は、ライン1040への流体伝達を選択的に開閉する。1つの態様において、ガス供給部1038は、処理領域1299内に酸素を提供する。酸素は、幾つかのプロセスにおいては、好ましい場合もある。例えば、酸素は、活性化ステップ中に加えてもよい。好ましくは、キャリアガスは、所望の組合せで水素及び酸素と組み合わされ、プレナム1034へ送出される。一実施形態において、ガス供給部1038は、アルゴン、窒素、ヘリウム、又はこれらの組合せ等の不活性ガスを供給する。
【0106】
[00122]プレナム1034及びガス送出多孔質プレート1030は、キャリアガスを層流を介してウェーハ1250上に送出できるようにするために、ウェーハ1250よりも上側に位置決めされている。該層流のガス流は、均一で垂直のガス流をウェーハ1250上に生じる。このようにして、均一な境界層が、ウェーハ1250の半径に沿って提供される。このこともまた、該ウェーハの半径方向でのより均一な熱損失を可能にし、該ウェーハ上及び上側での水及び薬品蒸気の凝縮を低減するように役割を果たす。
【0107】
[00123]一実施形態においては、加熱要素(図示せず)が、プレナム1034付近の蓋アセンブリ1033内に置かれる。例えば、加熱コイル(図示せず)を送出多孔質プレート1030内に配置することができる。このことは、ライン1040から送出されたガスの加熱を提供し、これもまた、ウェーハ1250の上側での凝縮及び小滴形成を最小限にする。
【0108】
[00124]ライン1040から、ガスはプレナム1034に流入し、その後、多孔質プレート1030を貫通して流れる。多孔質プレート1030は、ガス流ディフューザとして役目を果たす。そして、ガスは、基板1250の処理のための受け入れ面全域に流下する。従って、多孔質プレート1030を通るガス流は、ノズル1402から基板1250の該受け入れ面上に流れる処理流体のミストを方向付けかつ一様に分布させるのに役に立つ可能性がある。最終的に、ガスは、排出システム1248によって排出入口1246を通って排出される。排出システム1248は、一般的に、流体処理セル1010からガスを抜くための排気ファン又は真空ポンプを包含することができる。排出入口1246は、基板1250のそばを通り過ぎたガス流が確実に層流にするのに役に立つことに留意する。
【0109】
[00125]一実施形態において、ガスライン1040は、ガスの代わりに流体(例えば、処理流体)を、多孔質プレート1030を通して押し込めるようにするために、入口システム1200に接続されている。このようにして、多孔質プレート1030は、シャワーヘッドのような役目を果たし、処理流体を基板1250の表面に送出することになる。
【0110】
[00126]ガスライン1040は、流体送出ラインとしてではなく、真空ラインとしての役割も果たすことができる。真空源1039が提供されており、基板1250をセル1010の外へ移送する直前に、多孔質プレート1030に付着した何らかの流体の液だれを防ぐのに使用される。この点において、真空ベンチュリ等の真空源1039は、チャンバ蓋プレナム1034内に真空を作成するように作動される。このこともまた、多孔質プレート1030の下面の何らかの流体をプレナム1034内へ「吸引」させる。
【0111】
[00127]図10Aは、図10のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図においては、ガス分流器1102がセル1010内に提供されている。ガス分流器1102は、外部ガス分流器リフト機構(図示せず)を用いて、選択的に上昇及び下降される。この図において、ガス分流器1102は、その下降した位置にある。図10Aは、基板1250が流体処理セル1010内に、及び該セルから外へ移送されるときのガス分流器1102の位置を図示したものである。
【0112】
[00128]図10Bは、図10のフェースアップ無電解処理チャンバの別の側断面図を示す。ここでは、ガス分流器は、その上昇した位置にある。この位置において、ガス分流器1102は、処理中に、ミストのフローがノズル1402から基板1250に向かって流れる際に、該ミストのフローを「まっすぐにする」のに使用される。
【0113】
[00129]セル1010の外部から基板1250上に分配される流体の経過を視覚的に検査する手段を提供することが望ましい。図10の構成においては、カメラ1360がセル1010の内部に提供されている。該カメラは、壁部1015に沿って、ガス供給多孔質プレート1030の下に、上方支持リング1031に沿って、又は、基板1250の十分な視覚化を得ることができるいずれかの他の箇所に配置することができる。好ましくは、カメラ1360は、上記蓋の固定部に置かれる。図10の実施形態において、カメラ1360は、上方支持リング1031に付着されている。
【0114】
[00130]カメラ1360を補助するために、光源(図示せず)を提供することが望ましい。該光源は、好ましくは、上記蓋の固定部に置かれることになるが、該光源は、処理エリア1025の近くのいかなる位置に位置決めしてもよい。該光源は、処理中に、基板1250を照明するように役割を果たす。
【0115】
[00131]カメラ1360は、好ましくは、一連の画素を採用してディジタルイメージを記録する電荷結合ディスプレイカメラ(“CCDカメラ”)である。モニタ(図示せず)は、基板1250の表面の光学的視覚化を提供するために、セル1010の外部に据え付けられる。このようにして、視覚による確認を、流体の分配、及び基板1250の無電解処理流体による適切なカバレージに関して提供することができる。
【0116】
[00132]この視覚による確認は、好ましくは、人のモニタリングによって提供される。しかし、1つの構成において、該視覚による確認プロセスは、マシンビジョン形プロセスによって提供される。この構成において、適切にカバーされた基板1250のイメージは、コントローラ(例えば、コンピュータ)にプログラムされる。そして、該コントローラは、流体供給プロセス中に、カメラ1360によって生成された画素イメージをモニタする。該流体供給プロセスは、少なくとも、カメラ1360内の画素によって検出された実際の基板のイメージが、予め記録されたイメージと一致するまでタイムアウトしないようになっている。
【0117】
[00133]カメラ1360は、場合によって、赤外線カメラであってもよい。該赤外線カメラは、可視波長をフィルタリングするが、熱波長を認識する。色の違いがイメージにあり、この色の違いは、対象、すなわち、基板1250の温度差を示す。分配される流体が、基板1250の表面と異なる温度である場合、温度差が色の違いとして記録される。流体の分配は、基板1250の完全なカバレージの目安を提供する温度差が生じるまで続けられる。好ましくは、温度差は、マシン視覚制御によってモニタリングされる。そのため、該基板の完全なカバレージを確実にすることができる。
【0118】
[00134]一実施形態において、カメラ1360は、ウェーハ1250の表面が連続的な薬剤カバレージを確実に有するように、薬剤分配アーム1406の動き、及び薬剤ノズル1402からのフロー状況のソフトウェア最適化を用いた閉ループの制御下で、機能することができる。
【0119】
[00135]図11は、さらに追加的な代替的実施形態における、フェースアップ無電解処理セル1010の断面図を呈示する。ここでもまた、処理流体は、ガス送出多孔質プレート1030内に配置されたノズル1402を介して流体を噴射することにより、基板1250の受け入れ面に塗布される。この実施形態において、ガス送出多孔質プレート1030は、基板1250に対して、選択的に上昇及び下降される。より具体的には、チャンバ蓋アセンブリ1033は、基板1250に対して軸方向に移動する。この軸方向の動きを遂行するため、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079が採用される。(アイテム1080’によって概略的に表されている)チャンバ蓋モータは、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079の一部として使用することができる。モータ1080’は、好ましくは、電気的に作動され、一実施形態においては、リニアモータを使用することができる。しかし、代替的に、空圧作動エアシリンダであってもよい。
【0120】
[00136]モータ1080’を作動させることにより、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079は、その下の、多孔質プレート1030と基板1250との間の処理エリア1025の容積を制御する。このような構成は、基板1250の表面近くのガス流及び酸素レベルを制御するのに有用である。
【0121】
[00137]上述したフェースアップ無電解めっきセルに対する様々な実施形態を、基板1250の処理との関連で説明してきた。しかし、該めっきセルは、支持フィンガ1300(又は、支持リング)上に基板を載せた状態でなくとも機能させることができることに留意する。より具体的には、流体送出システム1200及び流体出口システム1240は、処理領域1299内への基板の配置を要することなく、機能させることができる。例えば、脱イオン水又は他の洗浄又はリンス流体を、該基板を要することなく、(図8のアーム1406等の)流体送出アーム又は(図10のガス送出多孔質プレート1030等の)流体送出プレートを介して注入することができる。これは、支持フィンガ1300及び他のチャンバ部材に対する洗浄を提供するために行われる。この洗浄ステップにおいて、さらに補助するために、該流体送出アームを降下させてもよく(図8の場合)、該流体送出ヘッドは、降下させてもよく(図11の場合)又は該基板支持アセンブリを上昇させてもよい(図8Aの場合)。
【0122】
[00138]上記の説明は、本発明の実施形態に注力されているが、本発明の他の実施形態及び別の実施形態を、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、また、本発明の範囲は、クレームによって判断される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】例示的な無電解めっきの平面図である。
【図2】例示的な堆積システムの斜視図である。
【図3】エンクロージャを除去した状態の例示的な堆積システムの斜視図である。
【図4】例示的な堆積システムの断面図である。
【図5】例示的な流体処理ステーションの断面図である。
【図6】例示的な基板支持アセンブリの斜視図である。
【図7】例示的な流体処理ステーションの断面図である。
【図8】チャンバ内の流体送出アーム上に配置されたノズルを利用するフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を提供する。また、基板をチャンバ内で選択的に上下させる基板リフトアセンブリが示されている。この図において、該基板リフトアセンブリは、その低下した位置にある。
【図8A】図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図において、基板支持アセンブリは、その高くなった位置にある。
【図8B】代替の実施形態における、図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。ここで、ピボットアームは、枢動するだけではなく、軸方向に動くようにも適合されている。加えて、拡散プレートは、加熱素子を含む。
【図9】図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの上面図を示す。ここで、流体取入システムの流体送出アームは、載置された基板に対して見える。
【図10】代替の実施形態における、フェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を提供する。ここで、処理流体は、チャンバ蓋アセンブリ内のガス送出プレート内に配置された1つ以上のノズルを通って送出される。
【図10A】図10のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図においては、ガス分流器がチャンバ内に設けられている。この図において、該ガス分流器は、低下した位置にある。
【図10B】図10のフェースアップ型無電解処理チャンバの別の断面図を示す。ここで、ガス分流器は、高くなった位置にある。
【図11】追加的な代替の実施形態における、フェースアップ型無電解処理チャンバの断面図を呈示する。ここで、処理流体は、ガス送出プレート内に配置されたノズルを介して流体を噴射することにより、基板の受け入れ面に再び加えられる。この実施形態において、チャンバ蓋アセンブリは基板に対して軸方向に移動する。
【図12】本明細書に記載した無電解処理チャンバと共に採用した場合のノズルの断面図を呈示する。
【図13】本明細書に記載した無電解処理チャンバと共に採用した場合のノズルの断面図を呈示する。
【符号の説明】
【0124】
100…無電解堆積システム、113…処理メインフレーム、132…ファクトリインタフェースロボット、302…処理エンクロージャ、305…基板移送シャトル、1200…流体送出システム。
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的に、半導体処理用無電解堆積システムに関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]サブ100ナノメートルサイズの部材のメタライゼーションは、集積回路製造プロセスの現世代及び次世代の基本技術である。より具体的には、超大規模集積型デバイス等のデバイス、すなわち、数百万の論理ゲートを有する集積回路を有するデバイスにおいて、これらのデバイスの中心に位置する多層配線は、一般的に、高いアスペクト比、すなわち、約25:1のアスペクト比の配線部材を、銅等の導電性材料で充填することによって形成される。これらの寸法では、化学気相堆積及び物理気相堆積等の従来の堆積技術は、配線部材を確実に充填することができない。その結果として、めっき技術、すなわち、電気化学めっきや無電解めっきが、集積回路製造プロセスにおけるサブ100ナノメートルサイズの高アスペクト比の配線部材のボイドフリーの充填のためのプロセスを約束するものとして浮上してきた。加えて、電気化学及び無電解めっきプロセスは、キャッピング層等のポスト堆積層を堆積するプロセスを約束するものとしても浮上してきた。
【0003】
[0003]しかし、無電解めっきプロセスに関して、従来の無電解処理システム及び方法は、該堆積プロセス、及びその結果として生じる堆積層における欠陥比を正確に制御すること等の幾つかの難問に直面している。より具体的には、従来のシステムは、従来の無電解セルで使用される抵抗ヒータ及び加熱ランプが、基板の表面全域に一様な温度を与える能力を有しておらず、このことが、無電解堆積プロセスの均一性に対して重要な意味を持つため、不十分な基板温度制御に悩まされている。加えて、従来の無電界システムは、無電解堆積チャンバ内部の環境に関して制御を実施しておらず、このことは、欠陥比にかなりの影響を与えることが最近、明らかになってきた。
【0004】
[0004]また、環境問題及び所有コスト(cost−of−ownership;CoO)問題により、基板の受け入れ面に対して十分に均一な被覆性を得るための所要のフローを低減することによって、高価な無電解めっき処理化学薬品の廃棄を低減することが好ましい。無電解処理溶液が基板表面に送出される速度及び均一性が、プロセス結果に影響を及ぼす可能性があるため、装置及び方法は、様々な処理溶液を均一に送出する必要がある。また、流体が、該基板及び支持ベースプレート部材に接触し、及び該基板と該部材の間を流れる際に、該基板の裏側に対する熱伝導及び対流熱伝達を用いて、基板温度を制御することが好ましい。
【0005】
[0005]さらに、最小限の欠陥を伴う均一な層を堆積することが可能な、無電解堆積プロセスのための機能的かつ効率的な統合システムは、まだ開発されていない。従って、最小限の欠陥を有する均一な層を堆積することが可能な統合無電解堆積装置に対する要求がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、無電解堆積システムを提供する。該システムは、処理メインフレームと、該メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの基板洗浄ステーションと、該メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの無電解堆積ステーションとを含む。該無電解堆積ステーションは、環境的に制御される処理エンクロージャと、基板の表面を洗浄しかつ活性化するように構成された第1の処理ステーションと、該基板の表面に層を無電解堆積するように構成された第2の処理ステーションと、該第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとの間で基板を移送するように位置決めされた基板移送シャトルとを含む。また、該システムは、該メインフレーム上に位置決めされ、かつ該処理エンクロージャの内部にアクセスするように構成された基板移送ロボットも含む。
【0007】
[0007]また、本発明の実施形態は、最小限の欠陥を伴って、導電層を半導体基板上に効率的に堆積するように構成された無電解堆積システムを提供する。該システムは、処理メインフレーム上に位置決めされた無電解堆積エンクロージャを含む。該堆積エンクロージャの内部環境は、圧力及び温度制御され、第1及び第2の基板処理ステーションを含む。該第1の基板処理ステーションは、基板を洗浄し、かつ活性化するように構成されており、一方、該第2の基板処理ステーションは、層を該基板上に無電解堆積するように構成されている。基板シャトルは、該エンクロージャ内に位置決めされており、それぞれのステーション間で基板を運ぶように構成されている。
【0008】
[0008]さらに、本発明の実施形態は、半導体処理用堆積システムを提供する。該堆積システムの実施形態は、一般的に、環境的に制御される処理空間を画成する処理エンクロージャと、該処理空間内に位置決めされた第1の流体処理セルと、該処理空間内に位置決めされた第2の流体処理セルと、該処理空間内に位置決めされ、かつ該第1の流体処理セルと第2の流体処理セルとの間で、基板を枢軸移送するように構成された基板シャトルとを含む。該第1及び第2の流体処理セルは、一般的に、流体拡散部材と、基板を、該流体拡散部材と平行関係に支持するように構成された基板支持アセンブリと、処理流体を該基板上に分配するように移動可能に位置決めされた流体分配アームとを含む。
【0009】
[0009]本発明の上述した特徴を詳細に理解することができる方法のために、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、実施形態を参照することができ、該実施形態のうちの幾つかは、添付図面に図示されている。しかし、該添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示しているため、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、そのため本発明は、他の等しく有効な実施形態を認めてもよいことに注意すべきである。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0010】
[0026]図1は、無電解堆積システム100の実施形態を図示したものである。システム100は、カセットが入っている基板とインタフェースするように構成された複数の基板ローディングステーション134を含むファクトリインタフェース130を含む。ファクトリインタフェースロボット132は、ファクトリインタフェース130内に位置決めされており、また、基板126にアクセスして、該基板126を、ローディングステーション134上に位置決めされたカセットへ移送し、及び該カセットから該基板を移送するように構成されている。また、ロボット132は、ファクトリインタフェース130を処理メインフレーム113に接続する連結トンネル115内まで延びる。ロボット132の位置は、ローディングステーション134から基板を取出した後、基板126を、メインフレーム113上に位置決めされた処理セル場所114、116のうちの1つへ、又は、代替として、アニールステーション135へ送出するための該ローディングステーションへのアクセスを可能にする。同様に、ロボット132は、基板処理シーケンスが完了した後、処理セル場所114、116又はアニールステーション135から基板126を取出すのに使用することができる。この状況において、ロボット132は、基板126を、システム100から除去するために、ローディングステーション134上に位置決めされたカセットのうちの1つへ戻して送ってもよい。
【0011】
[0027]ファクトリインタフェース130は、計測検査ステーション105も含むことができ、これは、システム100内での処理の前及び/又は後に、基板を検査するのに使用することができる。計測検査ステーション105は、例えば、特性、例えば、該基板上に堆積された材料物質の厚さ、平面性、粒状組織、トポグラフィー等を分析するのに使用することができる。本発明の実施形態において使用することができる例示的な計測検査ステーションは、BX−30 Advanced Interconnect Measurement System及びCD−SEM又はDR−SEM検査ステーションを含み、これらは全て、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社から入手可能である。例示的な計測検査ステーションは、2003年10月21日に出願された、“Plating System with Integrated Substrate Inspection”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第60/513,310号明細書にも図示されており、この明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、参照としてその全体が本明細書に組み入れられる。
【0012】
[0028]アニールステーション135は、一般的に、2ポジションアニールステーションを含み、冷却プレート136と加熱プレート137とが、例えば、2つのステーションの間で、基板移送ロボット140が、それらに近接して、例えば、それら2つのステーションの間に位置決めされた状態で、互いに隣接して位置決めされている。基板移送ロボット140は、一般的に、加熱プレート137と冷却プレート136との間で基板を移動させるように構成されている。システム100は、複数のアニールステーション135を含んでもよく、ステーション135は、積重ね構造とすることができる。さらに、アニールチャンバ135は、連結トンネル115からアクセスされるように位置決めされて図示されているが、本発明の実施形態は、アニールステーション135の特定の構成又は配置に限定されない。従って、アニールステーション135は、メインフレーム113と直接連通して位置決めすることができ、すなわち、メインフレームロボット120によってアクセスすることができ、あるいは代替として、アニールステーション135は、メインフレーム113と連通して位置決めすることができ、すなわち、該アニールステーションは、メインフレーム113と同じシステム上に位置決めすることができるが、メインフレーム113と直接連通させなくてもよく、又は、メインフレームロボット120からアクセス可能にしなくてもよい。例えば、図1に図示するように、アニールステーション135は、連結トンネル115と直接連通して位置決めすることができ、このことは、ロボット132及び/又は120を介したメインフレーム113へのアクセスを可能にする。アニールチャンバ135及びその動作の追加的な説明は、2004年4月13日に出願された、“Two Position Anneal Chamber”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/823,849号明細書に見出すことができ、この明細書は、本発明に矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0013】
[0029]処理メインフレーム113は、中心に位置決めされたメインフレーム基板移送ロボット120を含む。メインフレームロボット120は、一般的に、基板を支持及び移送するように構成された1つ以上のブレード122、124を含む。加えて、メインフレームロボット120及び付随するブレード122、124は、一般的に、メインフレームロボット120が基板を、メインフレーム113上に位置決めされた複数の処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116へ同時に挿入する、及び、該複数の処理場所から基板を同時に除去することができるように、独立して延び、回転し、枢動し、及び垂直方向に移動するように構成されている。同様に、ファクトリインタフェースロボット132も、その基板支持ブレードを回転させ、延ばし、枢動し、及び垂直方向に移動させる能力を含むと共に、ファクトリインタフェース130からメインフレーム113へ及ぶロボットトラック150に沿った直線運動を可能にする。
【0014】
[0030]一般的に、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、基板処理システムで利用されるいかなる数の処理セルであってもよい。より具体的には、該処理セル又は場所は、電気化学めっきセル、リンスセル、ベベルクリーンセル、スピンリンスドライセル、(洗浄セル、リンスセル及びエッチングセルを一緒に含む)基板表面洗浄セル、(プリ及びポストクリーンセル、活性化セル堆積セル等を含む)無電解めっきセル、計測検査ステーション、及び/又は堆積処理システム及び/又はプラットフォームと共に有益に使用できる他の処理セルとして構成することができる。
【0015】
[0031]各処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116及びロボット132、120の各々は、一般的に、プロセスコントローラ111と連通しており、該コントローラは、システム100上に位置決めされたユーザセンサ及び/又は様々なセンサからの入力を受け取り、該入力及び/又は所定の処理レシピに従って、システム100の動作を適切に制御するように構成されたマイクロプロセッサをベースとする制御システムとすることができる。加えて、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、処理中に、必要な処理流体をそれぞれの処理セル場所に供給するように構成された流体送出システム(図示せず)とも連通しており、該流体送出システムも、一般的に、システムコントローラ111の制御下にある。例示的な処理流体送出システムは、2003年5月14日に出願された“Multi−Chemistry Electrochemical Processing System”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/438,624号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0016】
[0032]図1に図示されているような例示的な無電解堆積システム100において、処理セル場所102、104、106、108、110、112、114、116は、次のように構成することができる。処理セル場所114及び116は、メインフレーム113上のウェット処理ステーションと、連結トンネル115、アニールステーション135及びファクトリインタフェース130内の一般的ドライ処理ステーション又は領域との間のインタフェースとして構成することができる。該インタフェースに配置された処理セル場所114、116は、例えば、スピンリンスドライセル及び/又は基板洗浄セルとすることができる。処理セル場所114、116の各々は、スピンリンスドライセル及び基板洗浄セルを積重ね構造で含んでもよい。代替として、処理セル場所114は、スピンリンスドライセルを含んでもよく、一方、セル場所116は、基板洗浄セルを含んでもよい。また別の実施形態においては、セル場所114、116は、スピンリンスドライセルと基板洗浄セルの組合せを含んでもよい。本発明の実施形態に使用することができる例示的なスピンリンスドライセルの詳細な説明は、2003年10月6日に出願された“Spin Rinse Dry Cell”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/680,616号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0017】
[0033]処理セル場所106、108は、基板洗浄セルとして構成することができ、より具体的には、処理セル場所106、108は、基板ベベル洗浄、すなわち、堆積プロセスが終了した後に、過剰な堆積物を周辺、及び必要に応じて、基板の裏側から除去するように構成されたセルとして構成することができる。例示的なベベル洗浄セルは、2004年4月16日に出願された“Integrated Bevel Clean Chamber”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/826,492号明細書に記載されており、該明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。本発明の実施形態はさらに、必要に応じて、処理セル場所106、108をシステム100から省いてもよいことが意図されている。加えて、処理セル場所106、108は、本明細書でさらに議論するように、無電解処理セル又はセルのペアとして構成することができる。
【0018】
[0034]処理セル場所102、104及び110、112は、無電解処理セルとして構成することができる。無電解処理セル102、104、110、112は、2つの処理セルが各処理エンクロージャ302内に位置決めされる、すなわち、処理セル110及び112が、第1の処理エンクロージャ302内の第1及び第2の処理セルとして機能することができ、また、処理セル102及び104が、第2の処理エンクロージャ302内の第3及び第4の処理セル302として機能することができる構成で、処理エンクロージャ302内のメインフレーム113上に位置決めすることができる。加えて、上述したように、本発明の実施形態は、処理セル場所106及び108が、処理セル場所106、108上に位置決めされた処理エンクロージャ302を有してもよく、また、これらの処理セル場所106、108を、必要に応じて、処理セル場所102、104、110、112と同様に機能するように構成することができることが意図されている。
【0019】
[0035]処理エンクロージャ302内に位置決めされた無電解処理セルは、めっき又はめっき支持セル、例えば、電気化学めっきセル、無電解めっきセル、無電解活性化セル、及び/又は基板リンス又は洗浄セルを含んでもよい。例示的な無電解処理システム100において、プラットフォーム100上のセルからなる各ペアにおける一方の流体処理セルは活性化セルになり、該ペアの他方の処理セルは、無電解堆積セルになる。この構成は、一般的に、反対側の処理エンクロージャ302におけるプラットフォーム100の対向側にそっくり再現される。例えば、本発明は、特定の構成に限定されないが、処理セル場所102は、無電解活性化セルとして構成され、一方、処理セル場所104は、無電解堆積セルとして構成される。同様に、処理セル場所112は、無電解活性化セルとして構成され、一方、処理セル場所110は、無電解堆積セルとして構成される。それぞれの処理エンクロージャ302内の処理セルは、一般的に、システムコントローラ111の制御下で、互いに独立して機能する。
【0020】
[0036]図2は、明確にするために、処理セル場所110、112のハードウェアを省略した状態の例示的な堆積システムの斜視図である。エンクロージャ302は、処理セル場所110、112のペアの周囲に制御された処理環境を画成する。処理エンクロージャ302は、一般的に、該処理空間を、2つの等しい大きさの処理空間312、313に二等分する中央内壁部308を含むことができる。中央内壁部308はオプションであるが、該内壁部が実装されている場合、中央内壁部308は、一般的に、処理セル場所110の上に第1の処理空間312を、処理セル場所112の上に第2の処理空間313を生み出す。第1及び第2の処理空間312、313は、実質的に、中央内壁部308によって互いに隔離されているが、中央内壁部308の下方部分は、該内壁部に形成されたノッチ又はスロット310を含む。ノッチ310は、処理セル場所110、112の間に位置決めされている基板移送シャトル305を受け入れるような大きさに形成される。基板移送シャトル305は、一般的に、メインフレームロボット120の使用を要することなく、それぞれの処理セルの間(110⇔112)で基板を移送するように構成されている。基板移送シャトル305は、シャトル305の遠位の基板支持端部が、(図1に示す)矢印303の方向に動いて、それぞれの処理セル場所110、112の間で基板を移送するように、一点の周りを枢動するように構成されている真空チャック型基板支持部材とすることができる。それぞれの処理空間312、313の各々は、メインフレームロボット120等のロボットが、それぞれの処理空間312、313にアクセスして基板を挿入し、及びそこから基板を除去することを可能にするように構成された弁付きポート304も含む。
【0021】
[0037]それぞれの処理空間312、314の各々は、それぞれのエンクロージャ312、314の上方部分に位置決めされた(明確にするために、図2において、該処理エンクロージャとの接触が外されて示されている)環境制御アセンブリ315も含む。環境制御アセンブリ315は、処理ガスをそれぞれの処理空間312、313に提供するように構成された処理ガス源を含む。該処理ガス源は、一般的に、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン及び/又はこれらのガスの混合物、あるいは、半導体処理において通常使用される他のガス等の、制御された容量の不活性ガスをそれぞれの処理空間312、313に提供するように構成される。環境制御アセンブリ315はさらに、HEPA型ろ過システム等のパーティクルろ過システムを含む。該パーティクルろ過システムは、処理空間312、313に入ってくるガス流から粒子汚染を除去するのに使用される。また、該パーティクルろ過システムは、処理セル場所に向かって下方へ、概して直線的で均等なフローの処理ガスを生成するのにも使用される。環境制御アセンブリ315はさらに、それぞれの処理空間312、313内の湿度、温度、圧力等を制御するように構成されたデバイスを含んでもよい。コントローラ111は、処理レシピ、又は、処理空間312、313内に位置決めされたセンサ又は検出器(図示せず)から受け取った入力のいずれかに従って、該環境制御アセンブリ、排気ポート314及び処理システム100の他のコンポーネントの動作を調整して、処理空間312、313内の酸素含有量を制御するのに使用することができる。
【0022】
[0038]動作中、処理ガスは、一般的に、環境制御アセンブリ315によって処理空間312、313へ提供される。該処理ガスの、それぞれの処理空間312、313内への導入は、密閉された処理環境の内部を不活性ガスで満たすように機能し、これによって、処理空間312、313の内部から、例えば、酸素等の無電解めっきプロセスを悪化させる可能性があるガスをパージする。一般的に、上記処理ガス源は、処理ガスを、処理セル場所110、112の上の処理空間312、313の頂部又は上方部分の近傍の処理空間312、313内、及びそれぞれの処理空間312、313の中央部付近に導入する。該処理ガスは、一般的に、該ガスが直線的に、かつ処理セル場所110、112に向かって連続的な流量で流れるように、浮遊するパーティクルを最小限にし、該処理ガスの流量及び方向の両方を一様にするように構成されたHEPA型ろ過システムを介して、処理空間312、313内に導入される。
【0023】
[0039]処理セル場所110、112の各々は、環境制御アセンブリ315内のガス供給部から処理セル場所110、112へ向かう該処理ガスの均一なフローを容易にするように位置決めされた少なくとも1つの排気ポート314(又は、必要に応じて、多数の径方向に位置決めされたポート314)も含む。排気ポート314は、それぞれの処理場所110、112で処理される基板よりも下に位置決めしてもよく、又は代替として、排気ポート314は、それぞれの処理場所110、112の外側に径方向に位置決めしてもよい。位置決めに関係なく、排気ポート314は、該処理ガスの均一なフローを容易にすると共に、必要に応じて、それぞれの処理場所110、112から流体及び薬剤蒸気を排出するように構成されている。
【0024】
[0040]不活性ガスを処理空間312、313に供給する典型的なプロセスは、該不活性ガスを、約10slm〜約300slmの流量で、又は、より具体的には、約12slm〜約80slmの流量で供給することを含む。該不活性ガスの流量は、それぞれの処理空間312、313が閉塞された場合、すなわち、弁付きアクセスポート304が閉塞された場合に、低減することができる。弁付きポート304が開いた場合、すなわち、基板が処理エンクロージャ302内へ、又は該処理エンクロージャから外部へ移送される場合、処理ガスの流量は、ガスの処理エンクロージャ302からの流出をもたらすように増加される。このガスの流出は、雰囲気ガス、特に酸素が、該処理エンクロージャの内部に入るのを防ぐように構成される。弁付きポート304が一旦、閉じられると、処理ガスの流量は、基板処理に適応する流量まで低下させることができる。この流量は、基板処理を始める前に、一定期間、維持することができ、その結果、処理シーケンスを始める前に、入ってくる酸素を処理空間312、313から除去することができる。排気ポート314は、該処理ガス供給部と協働して働き、処理空間312、313から酸素を除去する。排気ポート314は、一般的に、標準的な製造設備の排気システムと連通しており、処理空間312、313から酸素を除去するのに使用される。本発明の代替の実施形態においては、処理空間312、313と流体的に連通して位置決めされた真空ポンプを含んでもよい。該真空ポンプは、処理空間312、313内の不要なガスの存在をさらに低減するのに使用することができる。排気又はポンプ構成に関係なく、環境制御アセンブリ315は、一般的に、処理空間312、313の内部の酸素含有量を、基板処理中に約500ppm以下に、より具体的には、基板処理中に約100ppm以下に維持するように構成される。
【0025】
[0041]環境制御アセンブリ315、排気ポート314及びシステムコントローラ111の組合せは、システム100が、特定の処理ステップ中に、処理空間312、313の酸素含有量を制御することを可能にし、1つの処理ステップは、最適な結果のための第1の酸素含有量を必要とし、また、第2の処理ステップは、最適な結果のための第2の酸素含有量を必要とし、この場合、該第1及び第2の酸素含有量は互いに異なっている。酸素含有量に加えて、コントローラ111は、特定の処理シーケンスに要求される温度、湿度、圧力等の、上記処理エンクロージャの他のパラメータを制御するように構成することができる。これらの特定のパラメータは、ヒータ、冷却装置、加湿器、除湿器、真空ポンプ、ガス源、エアフィルタ、ファン等によって変更してもよく、これらは全て、環境制御アセンブリ315に含めることができ、また、処理空間312、313と連通して位置決めすることができ、及びシステムコントローラ111によって制御することができる。
【0026】
[0042]処理空間312、313は、一般的に、無電解めっきプロセスを容易にするような大きさに形成されており、すなわち、処理空間312、313は、環境制御アセンブリ315のガス供給部が、処理ステップ中に、(一般的に、約500ppm以下、又は、より具体的には、約100ppm以下の)低酸素含有量を維持することができると共に、処理空間312、313の蒸気飽和を伴うことなく、該空間内での流体溶液の蒸発を支持する十分な容積を可能にするような大きさに形成される。従って、該処理場所の領域全域における処理場所110、112の一方に位置決めされた基板の上面から、処理空間312、313の上部までの垂直距離(この空間は、一般的に、ヘッドスペースと呼ばれる)は、一般的に、約6インチ〜約40インチであり、処理場所110、112の直径又は断面を有する。より具体的には、該ヘッドスペースは、高さを約12インチ〜約36インチとすることができ、また、処理空間312、313の水平方向の寸法は、一般的に、それぞれの処理場所110、112の周に近く、該処理空間は、それぞれの処理場所110、112で処理される基板の直径よりも約10%〜50%大きくなるような大きさに形成される。これらの寸法は、より小さな処理空間は、蒸気飽和しやすい傾向があることが示されており、そのことが無電解めっきプロセスに負の影響を与えるため、本発明の装置の動作にとって重要である。従って、本発明者等は、適切なヘッドスペース(該基板から該エンクロージャの上部までの距離に対する該処理場所の断面領域)が、付随する可能性のある蒸気飽和や欠陥を防ぐのに重要であることを見つけ出した。
【0027】
[0043]一般的に、蒸気飽和を防ぐのに必要なヘッドスペースの容積に関して、本発明者等は、各処理場所110、112のための該ヘッドスペースが、300mmの処理場所の場合、一般的に、約1000in3(立方インチ)〜約5000in3(立方インチ)になることを見出した。従って、300mm基板の処理のために構成した場合の、本発明の処理空間312、313に対する該ヘッドスペースは、一般的に、例えば、約1500in3〜約5000in3、又は、約2000in3〜約4000in3、あるいは、約2000in3〜約3000in3になる。
【0028】
[0044]処理空間312、313は、一般的に、互いに隔離されているが、スロット310は、一方の処理空間内のガスが、隣接する処理空間内に流入することを可能にする。従って、本発明の実施形態は、一方の処理空間内に、隣接する処理空間内よりも高い圧力を与える。この圧力差は、該圧力差が維持された場合、これらの処理空間の間のガス流が同じ方向になり、かつ同じ流量になるため、それぞれの処理空間312、313間のクロストークに関する制御を可能にする。それに応じて、これらの処理セルの一方は、活性化セル等の冷たい処理セルとして構成することができ、また、他方の処理セルは、無電解堆積セル等の加熱された処理セルとして構成することができる。この実施形態において、該加熱された処理セルは高圧に加圧され、従って、該加熱された流体処理セルは、スロット310を介して常にガスをより冷たい流体処理セルに流している。この構成は、該加熱された処理セル、すなわち、該無電解堆積セルが、一般的に、温度変動の結果として、冷却された流体処理セル、すなわち、該活性化セルよりも、より欠陥の影響を受けやすいため、該より冷たい処理セルが、該加熱された処理セルの温度を低下させることを防ぐ。
【0029】
[0045]別の実施形態においては、それぞれの処理空間312、313を、中央内壁部308によって、互いに完全に隔離することができ、すなわち、基板シャトル305及び壁部スロット310は除去される。この実施形態において、メインフレームロボット120は、それぞれのアクセスバルブ304を介して、該隔離された処理空間312、313の各々を個別に使用可能にし、又は該処理空間の各々に個別にサービス又はアクセスするのに使用することができ、また、それぞれの処理空間312、313の間で基板を移送するように機能することができる。
【0030】
[0046]図3は、エンクロージャ302を取り外した状態の例示的な堆積ステーション400の斜視図である。堆積ステーション400は、一般的に、図1及び図2に図示した処理セルの実施形態に相当する。堆積ステーション400に図示された処理セルは、無電解活性化ステーション402及び無電解堆積ステーション404とすることができる。基板移送シャトル305は、ステーション402、404の間に位置決めされており、それぞれのステーション402、404の間で基板を移送するように構成されている。ステーション402、404の各々は、それぞれのステーション内で、フェースアップ方向で処理するために、基板401を支持するように構成されている回転可能な基板支持アセンブリ414を含み、すなわち、基板401の処理面は、支持アセンブリ414と反対側に向いている。図3において、ステーション402は、基板支持アセンブリ414上に図示された基板401を有していないが、ステーション404は、装填状態及び空の状態の両方のそれぞれの状態を示すために、支持アセンブリ414上に支持された基板401を有する。一般的に、それぞれのステーション402、404のハードウェア構成は同じになるが、本発明の実施形態は、ステーション402、404が同一のハードウェアを中に有する構成に限定されない。例えば、本発明者等は、堆積ステーション404が、本明細書においてさらに説明する温度制御プラテン403を有してもよく、一方、活性化ステーション402は、温度制御プラテン403を伴うことなく構成してもよいことが意図されている。
【0031】
[0047]図4の断面図にも示されている基板支持アセンブリ414は、支持リング構造411から延びている、複数の垂直方向に延びる基板支持フィンガ412を有する該支持リング構造411を含む。基板支持フィンガ412は、一般的に、図3及び図4の断面図の処理場所404に概して図示されているように、基板401の縁部又は面取り部を支持するように構成された上方水平面を含む。基板支持フィンガ412はさらに、基板401をそれぞれのフィンガ412で中央に置くように位置決めされた垂直ポスト部材415を含む。基板支持アセンブリ414はさらに、図4に図示されており、かつ図4に関してさらに説明する、リング411ひいてはフィンガ412を垂直方向に作動させて、それぞれのステーション402、404に基板401を装填したり、該ステーションから該基板を取り外したりするように構成されたリフトアセンブリ413を含む。
【0032】
[0048]それぞれのステーション402、404は、処理中に、基板401の上で枢動して、処理流体を基板401の前面又は形成面に分配するように構成されている流体分配アーム406、408を各々含む。流体分配アーム406、408は、該基板に対して垂直方向に位置決めされるように構成することもでき、すなわち、アーム406、408の流体分配部分は、処理される基板401の表面から、約0.5mm〜約30mm、又はより具体的には、約5mm〜約15mm、あるいは、約4mm〜約10mmの距離に位置決めすることができる。アーム406、408の該流体分配部分の垂直方向及び/又は角度位置は、必要に応じて、基板の処理中に調節することができる。分配アーム406、408は、1つ以上の流体導管をその中に含んでもよく、従って、分配アーム406、408は、該アームから基板401上へ複数の流体溶液を分配するように構成することができる。
【0033】
[0049]アーム406又はアーム408のいずれかによって分配することができる例示的な溶液は、リンス溶液、洗浄溶液、活性化溶液、無電解めっき溶液、及び無電解堆積プロセスを支持するのに必要となる可能性のある他の流体溶液を含む。加えて、それぞれのアーム406、408内の流体導管(図示せず)は、該導管から分配される該流体の温度を制御するために、加熱/冷却してもよい。該アーム導管における加熱/冷却は、利点、すなわち、該流体が該導管を通って移動している間に、該基板上に分配される前に冷める時間を有しないという利点を提供する。そのため、この構成は、温度に依存する無電解堆積の均一性を向上させるように機能する。さらに、流体分配アーム406、408の終端部、すなわち、該処理流体が分配される場所は、本発明の実施形態においては、移動可能に位置決めされている。従って、アーム406、408の流体分配部分と、基板表面との間の間隔は、調節することができる。この間隔は、該処理溶液の撒き散らしを最小限にするように機能し、また、形成面上への流体分配動作の位置決めに関する制御を可能にする。流体を分配する方法及び装置の一実施形態について以下に開示する。
【0034】
[0050]図4は、処理ステーション402、404の例示的なペアの断面図である。また、図4の断面図は、図2に関して上述したように、中央内壁部308によって分割されている第1及び第2の処理空間312、313を画成するエンクロージャ302も示す。処理ステーション402、404の各々は、処理中に、基板の真下に位置決めされるように構成された実質的に水平方向の上面を形成する基板処理プラテンアセンブリ403を含む。図5の詳細な断面図にも図示されているプラテンアセンブリ403は、流体拡散部材405とベースプレート部材417とが、それらの間に流体空間410を形成するように、ベースプレート部材417の上に位置決めされた流体拡散部材405をまとめて含む。流体供給導管409は、流体空間410と流体的に連通しており、流体バッフル416は、ベースプレート部材417に取り付けられており、かつ供給導管409の終端部と、流体拡散部材405の下部面との間の流体空間410内に位置決めされている。
【0035】
[0051]流体拡散部材405は、該流体拡散部材を貫通して形成され、流体拡散部材405の上面を流体拡散部材405の下部面に接続する複数の流体穴407を含む。流体拡散部材405の周辺部は、一般的に、ベースプレート部材417と密閉連通しており、従って、流体を、流体供給導管409によって流体空間410内に導入することができ、また、この流体の導入により、該密閉された流体空間410内で生成された増大する流体圧力の結果として、拡散部材405内に形成された穴407を通過するフローを引き起こすことができる。
【0036】
[0052]流体拡散部材405は、一般的に、約0.5mm〜約15mmの直径、又はより具体的には、約0.7mm〜約3mmの直径を有する約10〜約200個の流体穴407を含むことができる。穴407は、垂直方向に、又は代替として、拡散部材405の上面に対してある角度で位置決めすることができる。穴407は、拡散部材405の表面での流出流パターンを容易にするために、直角から約5°〜約45°の角度で位置決めすることができる。さらに、角度の付けられた穴407は、流体の乱流を低減するように構成することができる。
【0037】
[0053]本発明の別の実施形態においては、流体拡散部材405は、例えば、流体がそこを流れることを可能にするように構成された、多孔質セラミック等の多孔質材料を備えることができる。この実施形態においては、穴407は、一般的に必要ないが、本発明者等は、必要であれば、多孔質流体拡散部材405と共に幾つかの穴407を実装して、流体流を増加させることを意図している。セラミック材料は、本質的に親水性であり、かつ実質的に硬くすることができるため、有利になる可能性がある。1つの態様において、拡散部材405は、約0.1μm〜約500μmの寸法を有する孔を備えてデザインすることができる。拡散部材405を通過する流体流動抵抗は、拡散部材405の厚さの関数であり、この部材は、必要に応じて、所望の流体流特性を提供できるように変更又は修正することができる。
【0038】
[0054]本発明の別の実施形態においては、ベースプレート417は、該ベースプレートを貫通して形成された複数の流体供給導管409を有してもよく、流体供給導管409の各々は、流体を個々の及び/又は特定の穴407に供給するように構成される。より具体的には、この実施形態は、別々の加熱流体が、個々の穴407又は該穴の群を介して該基板の裏側の異なるエリアに供給されるゾーン型流体供給システムを実施するのに使用することができ、これによって個々の穴407を通って流れる加熱流体の温度及び個々の穴407の位置結果として基板全域の温度変動の制御を提供する。この実施形態は、例えば、処理中に、該基板の中心又は縁部近傍に、上昇した温度を生成するのに使用することができる。
【0039】
[0055]ベースプレート417及び拡散部材405は、(完全圧縮した窒化アルミニウム、アルミナAl2O3、炭化ケイ素(SiC)等の)セラミック材料、(Teflon(商標)ポリマーを被覆したアルミニウム又はステンレススチール等の)ポリマーを被覆した金属、ポリマー材料、又は、半導体流体処理に適した他の材料から製造することができる。好ましいポリマーコーティング又はポリマー材料は、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、PFA、PTFE、FEP、PVDF等のフッ素化ポリマーである。本発明の流体処理セル500の構成、コンポーネント及び動作のより詳細な説明は、2003年10月6日に出願された“Apparatus to Improve Wafer Temperature Uniformity for Face−up Wet Processing”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/680,325号明細書中に見出すことができ、該明細書は、本発明に矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0040】
[0056]動作中、基板401は、フィンガ412によって固定され、流体拡散部材405の真上に垂直方向に位置決めされる。流体拡散部材405と基板401との間の間隔は、拡散部材405を介して導管409によって分配された温度制御された流体で充填される。該流体は、基板401の裏側に接触し、熱を該裏側に伝達して該基板を加熱する。この実施形態において、該基板は、一般的に、拡散部材405の上面に対して平行関係で、かつ拡散部材405の上面から約0.1mm〜約15mm離されて、及びより具体的には、拡散部材405の上面から約0.5mm〜約2mm離されて位置決めされる。
【0041】
[0057]本発明の別の実施形態においては、プラテンアセンブリ403の内部は、ヒータ433を含んでもよく、該ヒータは、プラテンアセンブリ403の温度を増加させて、処理する基板401を加熱するように構成されている抵抗型ヒータとすることができる。同様に、流体導管409及び/又は流体供給部は、流体が、支持フィンガ412上に位置決めされた基板401に接触する前に、導管409を介して流れる該流体を加熱するように構成された加熱デバイスを含んでもよい。該ヒータは、コントローラ111が、それぞれのヒータの動作を調整して、該流体及び処理される基板の温度を制御することができるように、システムコントローラ111に連通することができる。
【0042】
[0058]処理のために基板401を位置決めするプロセスは、一般的に、装填位置と処理位置との間でリフトアセンブリ413を動かすことを伴う。リフトアセンブリ413は、図4の左側の処理ステーション402においては、装填位置に図示されており、この場合、該リフトアセンブリは、支持フィンガ412が、上部キャッチリング418の上に延びるような垂直方向位置にある。この位置において、流体分配アーム406は、基板401の装填を可能にするために、フィンガ412の上に垂直方向に離間している。アーム406(及び該堆積システムの他の流体分配アーム)は、上部アーム部材425を入れ子状に受け入れる固定ベース部材426を含む。駆動モータは、上部アーム部材425をベース部材426に対して入れ子状に動かして、アーム406の垂直方向位置を調節する。基板401は、メインフレームロボット120又は基板シャトル305によって、支持フィンガ412の上に位置決めされ、その結果、フィンガ412を、垂直方向に作動させて、それぞれのロボット/シャトル120、305から基板401を除去することができる。一旦、基板401が、フィンガ412によってロボット/シャトル120、305の上に支持されると、ロボット/シャトル120、305は、基板401の下から除去することができ、また、フィンガ412は、処理位置まで低下させることができる。
【0043】
[0059]リフトアセンブリ413は、図4の右側の処理ステーション404においては、処理位置に図示されており、この場合、リフトアセンブリ413は、フィンガ412が、基板401を、キャッチリング418、419の一方に近い垂直方向位置に位置決めするように、垂直方向に位置決めされる。該処理位置において、流体分配アーム408は、下げられて、図4の処理ステーション404に図示されているように、基板401の上面近くに位置決めされる。リフトアセンブリ413は、一般的に、リフトアセンブリ413及び該リフトアセンブリに取り付けられたコンポーネントを垂直方向に作動させるように構成された動力付きジャックスクリューアセンブリ427によって作動される。より具体的には、該流体処理セルの下方部分は、リフトアセンブリ413に取り付けられており、該リフトアセンブリと協働して動く。該処理セルの下方部分は、一般的に、(フィンガ412及びリング411を含む)基板支持アセンブリ414と、下方介在壁部424と、排気部314とを含む。プラテンアセンブリ403は、静止したままであり、リフトアセンブリ413と同時に動かない。
【0044】
[0060]図6について説明すると、基板支持アセンブリ414は、一般的に、フィンガ412と、垂直ポスト部材415と、基板支持面415Aと、リング411とを含む。基板支持面415A上に配置された基板は、垂直ポスト部材415によって捕捉され、又は、保持される。本発明の1つの態様において、基板支持アセンブリ414は、様々なコンポーネントの熱膨張が、基板支持アセンブリ414の、基板支持面415Aに載置された基板を保持する能力に影響を及ぼさないようにデザインされる。基板支持アセンブリ414の熱膨張は、垂直ポスト部材415間に置かれる基板の誤配置及び/又は該基板に対するダメージにつながる可能性がある。熱膨張を低減する1つの方法は、低熱膨張率を有する材料、例えば、タングステン、アルミナ又は炭化ホウ素を使用して、基板支持アセンブリ414をデザインすることである。別の態様においては、リング411は、フィンガ412及び垂直ポスト部材415の動きを最小限にするジオメトリを有するようにデザインすることができる。
【0045】
[0061]それぞれの処理ステーション402、404の各々の下方部分は、複数の介在壁部アセンブリ422を各々含む。介在壁部アセンブリ422は、図4の場所402に図示された装填位置と、図4の場所404に図示された処理位置との間で、リフトアセンブリ413と協働して動くように構成される。介在壁部アセンブリ422は、一般的に、メインフレーム113に固着されている上方介在壁部423と、リフトアセンブリ413に取り付けられ、かつ該リフトアセンブリと共に動くように構成されている下方介在壁部424とを含む。下方介在壁部424(具体的には、上記セルに最も近くに位置決めされた最も内側の壁部424のペア)は、密閉された環境の外部の環境から、処理ステーション402、404の下方部分を密封するように機能する、脱イオン水等の流体で充填される。該脱イオン水は、一般的に、例えば、ドリップ機構によって下方介在壁部424の間の空間に継続的に供給される。流体密閉介在壁部アセンブリ422の使用は、本発明の処理ステーション402、404が、該ステーションの垂直方向シールからステーション402、404の回転シール428を切り離すことを可能にし、すなわち、従来のセルにおいては、該回転シール及び垂直方向シールはどちらも、本発明における導管409等の共通のシャフト上に位置決めされていた。介在壁部アセンブリ422は、図7に図示されたシール428を、唯一の回転シールとし、かつ流体処理システムにおいて機能することが難しい、回転シールと垂直方向スライドシールの組合せとはしないことを可能にする。
【0046】
[0062]上述したように、ステーション402、404の各々は、図4、図5及び図7に示すように、上方流体キャッチリング418及び下方流体キャッチリング419も含んでもよい。それぞれのキャッチリング418、419は、一般的に、それぞれのステーション402、404の内壁から内側及び上方に延びる環状に形作られた部材を備える。リング418、419は、上記セルの内壁に取り付けることができ、又は、該セルの内壁の一体部分としてもよい。キャッチリング418、419の内側終端縁部421a、421bは、一般的に、処理される基板401の直径よりも大きい約5mm〜約50mmである直径を有するような大きさに形成される。従って、基板401は、処理中に、それぞれのリング418、419を介して、垂直方向に持ち上げたり、下げたりすることができる。加えて、キャッチリング418、419の各々は、流体キャッチリング418、419(図7参照)に着く処理流体を集めるように構成された流体ドレイン420a、420bもそれぞれ含む。流体ドレイン420a、420bは、図7に示すように、排気ポート314と流体的に連通している。排気ポート314は、分離ボックス429に接続されており、そこで、ガスと流体とを互いに分離することができる。分離ボックス429は、ボックス429の上部に位置決めされたガス排気ポート430と、該ボックスの下部に位置決めされた流体排出部431とを含む。分離ボックス429はさらに、キャッチリング418、419で集めた処理流体を、再利用のための再生デバイスに移すように構成されている回収ポート432を含む。
【0047】
[0063]図7について説明すると、キャッチリング418、419は、処理ステーション402、404の各々の中での多数の垂直方向場所における基板401の流体処理を可能にするように構成されている。例えば、基板401は、基板401の上面が、第1の流体処理ステップのために、上方キャッチリング418の終端部421aのわずかに上に位置決めされるように、位置決めすることができる。第1の処理流体は、基板401が、約5rpm〜約120rpmで回転している間に、流体分配アーム406、408によって、基板401上に分配することができる。基板401の回転は、該基板上に分配された流体を、該基板の径方向外側へ流す。該基板の縁部上の流体流は、外側及び下側へ移動し、上方キャッチリング418に受け入れられる。該流体は、流体ドレイン420aによって捕捉し、必要に応じて、後の処理のために再循環させることができる。
【0048】
[0064]一旦、上記第1の処理ステップが終了すると、基板401は、第2の処理位置に垂直方向に移動させることができ、そこで、基板401の上面は、第2の流体処理ステップのために、下方キャッチリング419の終端部421bのわずかに上に位置決めされる。基板401は、この位置で、該第1の流体処理ステップと同様のやり方で処理され、該プロセスで使用される流体は、流体ドレイン420bによって集めることができる。この構成の利点は、多数の流体処理薬剤を、単一の処理ステーション内で使用することができるということである。加えて、該流体処理薬剤は、それぞれ独立した流体ドレイン420a、420bを有する別々の流体キャッチリング418、419が、不適合の処理流体の別々の収集を可能にするため、適合又は不適合であってもよい。
【0049】
[0065]動作中、本発明の堆積システム100の実施形態は、無電解プリ洗浄プロセス、無電解活性化プロセス、無電解めっきプロセス、無電解ポストクリーンプロセス及び/又は無電解プロセスに使用することのできる他の処理ステップを実施するのに使用することができる。本発明の実施形態を使用して無電解めっきプロセスを実施するための例示的なプロセスシーケンスを、図1〜図5に図示された本発明の実施形態に関して説明する。無電解めっきプロセスは、一般的に、閉塞された処理環境302内への基板の挿入で始まる。該挿入プロセスは、一般的に、弁付きアクセスポート304を開くことと、メインフレームロボット120を用いて、基板401を処理環境302内へ挿入することとを含む。基板401は、フェースアップ方向で挿入され、すなわち、めっきすべき基板401の表面は、上方に向けられる。
【0050】
[0066]一旦、上記基板が、閉塞された処理環境302内へ挿入されると、メインフレームロボット120は、該基板を、処理ステーション404内の支持フィンガ412上に位置決めし、該メインフレームロボットは、処理エンクロージャ302から引っ込む。この結果、フィンガ412は、処理のために基板401を垂直方向に位置決めすることができ、弁付きアクセスポート304は閉じられる。該挿入プロセスの間、すなわち、弁付きアクセスポート304が開いている間は、環境制御アセンブリ315内の上記ガス供給部は、オンになり、閉塞された処理環境302を不活性処理ガスで充填する。該不活性ガスを該処理空間内に流すプロセスは、酸素は、めっきされた材料、特に銅に対して有害な影響(酸化)を与えることが分かっているため、雰囲気ガス、特に酸素が、閉塞された処理環境302内に入るのを防ぐように構成されている弁付きポート304を介した処理ガスの流出を引き起こす。該処理ガス流は、弁付きアクセスポート304が閉じられた後も続き、一般的に、弁付きアクセスポート304が開かれる前まで続けられる。該処理ガス流は、無電解洗浄、活性化、及びめっきシーケンスの間、続けられ、排気ポート314、ガス通気孔及び/又は真空ポンプは、弁付きアクセスポート304が一旦、閉じられると、閉塞された処理環境302内を所望の処理圧力に維持するのに使用することができる。上記ガス供給部、HEPAフィルタ及び排気ポート314の組合せは、特定の処理ステップ中の、閉塞された処理環境302内の酸素含有量を制御するのに使用され、すなわち、エンクロージャ302内の酸素含有量は、必要に応じて、各個別の処理ステップに対して制御及び最適化することができる。
【0051】
[0067]一旦、上記基板が上記処理セル内に位置決めされると、本発明の無電解めっきプロセスは、一般的に、基板プリ洗浄プロセスで始まる。該プリ洗浄プロセスは、該基板の上面を、上方キャッチリング418の終端部421aのわずかに上、一般的に、約2mm〜約10mm上に位置決めすることで始まる。該洗浄プロセスは、流体分配アーム406によって基板表面に分配される洗浄溶液によって遂行される。該洗浄溶液は、プロセス時間を節約して、該セルのスループットを向上させるために、下降プロセスの間に、該基板表面に分配することができる。該洗浄溶液は、所望の洗浄特性により、酸性溶液又は塩基性溶液とすることができ、また、該洗浄溶液の温度は、処理レシピに従って制御(加熱又は冷却)することができる。加えて、該洗浄溶液は、界面活性剤添加物を含んでもよい。一般的に、約10rpm〜約60rpmである該基板の回転は、該洗浄溶液を、該基板の径方向外側、及び上方キャッチリング418上へ流し、そこで該洗浄溶液は捕捉されてドレイン420aへ送られた後、必要に応じて、分離及びリサイクルのために、排気ポート314を介して分離ボックス429へ移される。
【0052】
[0068]一旦、上記基板が洗浄されると、基板表面は、一般的に、リンスされる。該リンスプロセスは、該基板を回転させている間に、脱イオン水等のリンス溶液を基板表面に分配することを含む。該リンス溶液は、残留洗浄流体を該基板表面から有効に除去するように構成された流量及び温度で、分配される。該基板は、該基板の表面から該リンス溶液をはじくのに十分な速度で、すなわち、例えば、約5rpm〜約120rpmで回転される。
【0053】
[0069]一旦、上記基板がリンスされると、第2のステップを採用することができる。より具体的には、一般的に、酸性活性化溶液の基板表面への塗布を含む活性化ステップの前に、該基板表面は、まず、酸性コンディショニングリンス溶液で処置することができる。該コンディショニングリンス溶液は、一般的に、例えば、酸性活性化溶液の塗布に対して、該基板表面を適当な状態にするように機能する活性化溶液に使用される酸等の酸を含む。該溶液の状態を適当な状態にするのに使用できる例示的な酸は、硝酸、塩素をベースとする酸、メチルスルホン酸、及び無電解活性化溶液に通常使用される他の酸を含む。該基板コンディショニングプロセスは、上方キャッチリング418の近くの処理位置で実施することができ、又は、該基板は、該コンディショニングプロセスに使用される薬剤と、上記プリ洗浄プロセスに使用される薬剤との適合性により、下方キャッチリング419の近くの処理位置まで降下させることができる。
【0054】
[0070]一旦、上記基板が適当な状態にされると、該基板を下方キャッチリング419の近くに位置決めした状態で、活性化溶液が該基板に塗布される。該活性化溶液は、アーム408によって該基板上に分配され、該基板が回転する結果として、該基板の縁部上の径方向外側へ、及びキャッチリング419上に流される。そして、該活性化溶液は、再循環のために、流体ドレイン420によって集められる。該活性化溶液は、一般的に、酸の基礎を有するパラジウムベースの溶液を含む。該活性化ステップ中、一般的に、略円形で、拡散部材405と直径が等しい裏側の基板表面は、一般的に、拡散部材405の上面から約0.5mm〜約10mmの間に位置決めされる。該基板の裏側と拡散部材405との間の空間には、温度制御された流体が充填され、該流体は、拡散部材405に形成された流体穴407から分配される脱イオン水とすることができる。穴407から分配された、該温度制御された流体(一般的に、加熱された流体であるが、冷却された流体であってもよい)は、該基板の裏側に接触して、該基板に熱を伝達して及び/又は該基板から熱を奪って、処理のために該基板を加熱/冷却する。該流体は、継続的に供給することができ、又は、代替として、所定量の流体を供給して、該流体の供給を終了してもよい。該基板の裏側に接触する該流体流は、該活性化プロセス中に、一定の基板温度を維持するように制御することができる。加えて、該基板は、加熱/冷却及び流体の拡散を容易にするために、該活性化プロセス中に、約10rpm〜約100rpmで回転させることができる。
【0055】
[0071]一旦、該基板表面が活性化されると、追加的なリンス及び/又は洗浄溶液を該基板表面に塗布して、該基板表面から該活性化溶液を取り除くすることができる。活性化後に使用することができる第1のリンス及び/又は洗浄溶液は、好ましくは、該活性化溶液の酸に合うように選択された別の酸を含む。酸ポストリンスの後、該基板は、脱イオン水等の中性溶液でリンスして、該基板表面から残留する酸を除去してもよい。ポスト活性化洗浄及びリンスステップは、薬剤の適合性により、上方処理位置又は下方処理位置のいずれかで実施することができる。
【0056】
[0072]該活性化ステップが終了すると、該基板は、基板シャトル305によって、活性化ステーション404から堆積ステーション402へ移送することができる。該移送プロセスは、リフトフィンガ412を用いて、該基板を活性化ステーション402から上昇させることと、シャトル305を該基板の下に移動させることと、該基板をシャトル305上へ降下させることと、該基板を活性化ステーション404から堆積ステーション404へ移送することとを含む。一旦、該基板が堆積ステーション402に入ると、堆積ステーション402用の基板支持フィンガ412を、該基板をシャトル305から除去して、該基板を処理のために位置決めするのに使用することができる。
【0057】
[0073]上記基板の位置決めは、一般的に、プリ洗浄プロセスのために、該基板を上方キャッチリング418の近くに位置決めすることを含む。該プリ洗浄プロセスは、アーム408を用いて、プリ洗浄溶液を該基板上に分配することを含み、該プリ洗浄溶液は、一般的に、該プリ洗浄溶液が、該基板表面の状態を堆積溶液のpHにすることができるように、後に塗布される無電解めっき溶液と同じpHを有するように選択される。該プリ洗浄溶液は、該コンディショニングステップの後に塗布される無電解堆積溶液のための基礎を同じである塩基性溶液とすることができる。該めっき溶液と同じpHを有する溶液を用いた、該基板表面のプリ洗浄は、該堆積プロセスのための該基板表面の濡れ性も改善する。該プリ洗浄溶液は、該処理レシピにより必要とされる場合、加熱又は冷却してもよい。
【0058】
[0074]該基板表面が塩基性溶液によって適当な状態にされた場合、該無電解堆積プロセスにおける次のステップは、めっき溶液を該基板表面に塗布することである。該めっき溶液は、一般的に、純金属又は幾つかの金属からなる合金の形で該基板表面に堆積される、コバルト、タングステン、及び/又はリン等の金属を含む。該めっき溶液は、一般的に、pHが塩基性であり、該無電解めっきプロセスを容易にするように構成された界面活性剤及び/又は還元剤を含んでもよい。該基板は、一般的に、該堆積ステップのために、下方キャッチリング419のわずかに上の位置まで下げられる。従って、アーム408によって塗布される堆積溶液は、該基板の縁部上を外側へ流れ、キャッチリング419によって受け入れられ、該溶液は、可能性のあるリサイクルのために、ドレイン420bによって集めることができる。加えて、該基板の裏側は、一般的に、該堆積ステップ中に、拡散部材405の上面から、約0.5mm〜約10mm、又は、約1mm〜約5mm離されて位置決めされる。該基板の裏側と拡散部材405との間の空間には、拡散部材405に形成された流体穴407を通して分配される、脱イオン水とすることができる、温度制御された(一般的には、加熱された)流体が充填される。穴407から分配された温度制御された流体は、該基板の裏側に接触して、該流体から該基板へ熱を伝達し、該堆積プロセスのために該基板を加熱する。該流体は、一般的に、該堆積プロセスの全体を通して継続的に供給される。該堆積プロセス中に該基板の裏側に接触する該流体流は、該堆積プロセス中に、一定の基板温度を維持するように制御される。加えて、該基板は、該基板表面に塗布される堆積溶液の加熱及び拡散を容易にするために、該堆積プロセス中に、約10rpm〜約100rpmで回転させてもよい。
【0059】
[0075]一旦、上記堆積プロセスが終了すると、該基板表面は、一般的に、ポスト堆積洗浄溶液を該基板に塗布することを含むポスト堆積洗浄プロセスにおいて、洗浄される。該ポスト堆積洗浄プロセスは、該プロセスの薬剤の適合性により、上記上方又は下方処理位置のいずれかで実施することができる。該ポスト堆積洗浄溶液は、一般的に、めっき溶液とほぼ同じpHを有する塩基性溶液を含む。該基板は、該洗浄プロセス中に回転されて、該洗浄溶液を該基板表面から退かせる。一旦、該洗浄プロセスが終了すると、該基板表面を例えば、脱イオン水でリンスすることができ、また、該基板表面から残留する化学物質を除去するために、脱水することができる。代替として、該基板は、高い蒸気圧で、アセトン、アルコール等の溶剤の塗布によって、蒸気乾燥させてもよい。
【0060】
[0076]本発明の例示的な処理システム100において、処理セル場所102及び112は、無電解プリ洗浄プロセス、無電解活性化プロセス及び無電解ポスト活性化洗浄プロセスを実施するように構成することができ、一方、処理セル場所104、110は、無電解堆積セル及び無電解ポスト堆積洗浄セルとして構成することができる。この構成においては、それぞれの活性化及び堆積薬剤は、それぞれの処理場所において独立しているため、それぞれのプロセスからの薬剤の再利用が可能である。この構成の別の利点は、流体処理セル場所102、104、110、112のための処理空間が、閉塞された処理環境302内にあるため、該基板が、不活性環境内で、活性化溶液から無電解堆積溶液へ移送されることである。さらに、該処理エンクロージャは、装填及び処理中に、不活性ガスで満たされており、従って、閉塞された処理環境302の内部は、実質的に低下した割合の酸素、例えば、約100ppm未満の酸素、又はより具体的には、約50ppm未満の酸素、あるいは、約10ppm未満の酸素を有する。実質的に低下した酸素含有量と、活性化セルとめっきセルの間の近接及び速い移送時間との組合せ(一般的に約10秒未満)は、従来の無電界システムの場合の重要な課題であった、該活性化ステップと堆積ステップとの間での該基板表面の酸化を防ぐように機能する。
【0061】
[0077]本発明の流体処理ステップ全体を通して、上記基板の位置は、変化させてもよい。より具体的には、流体拡散部材405に対する該基板の垂直方向位置を変化させることができる。拡散部材405からの距離は、必要に応じて、例えば、処理中に、該基板の温度を低くするために増加させることができる。同様に、拡散部材405に対する該基板の近接は、処理中の該基板の温度を上昇させるために、減少させてもよい。
【0062】
[0078]本発明の実施形態の別の利点は、処理システム100を適合又は不適合薬剤と共に使用することができるということである。例えば、不適合薬剤、例えば、酸性活性化溶液や塩基性溶液を利用する処理シーケンスにおいて、該酸性溶液は、一般的に、1つのセル又はステーションにおいて独占的に使用され、一方、該塩基性溶液は、別のセルにおいて独占的に使用される。それらのセルは、近づけて位置決めしてもよく、また、基板は、シャトル305の1つによって、それぞれのセルの間で移送することができる。該基板は、一般的に、隣接するセルに移送される前に、各セル内で洗浄され、このことは、一方のセルからの薬剤が他方のセルを汚染することを防ぐ。加えて、各処理ステーション又はセル内の多数の処理場所、例えば、キャッチリング418、419の位置決めは、それぞれの薬剤を、異なるキャッチリング418、419によって集め、互いに別々にしておくことができるため、単一のセル又はステーションにおける不適合薬剤の使用を可能にする。
【0063】
[0079]また、本発明の実施形態は、使い捨て型薬剤セルとして構成してもよく、すなわち、プロセス薬剤の単回投与は、単一の基板に対して使用することができ、そのため、溶液の再利用を伴うことなく、すなわち、追加的な基板を処理するのに使用することなく、廃棄することができる。例えば、処理システム100は、共通のセルを利用して、基板を活性化し、洗浄し及び/又は後処理することができると共に、他のセルを使用して、無電解堆積及び/又はポスト堆積洗浄プロセスを実施することができる。これらのプロセスの各々は、異なる薬剤を利用してもよいため、該セルは、一般的に、必要に応じて、所要の薬剤の各々を該基板に供給して、該プロセスが一旦、終了すると、使用済みの薬剤をそこから排出するように構成される。しかし、異なる薬剤を単一のセルから回収することにより、かなりの汚染問題が生じるため、該セルは、一般的に、該薬剤を回収するように構成されてはいない。
【0064】
[0080]本発明の実施形態に使用できる追加的な処理セルは、2001年7月10日に出願された“In−Situ Electroless Copper Seed Layer Enhancement in an Electroplating System”というタイトルの同一出願人による米国特許第6,258,223号明細書、及び2001年12月26日に出願された“Electroless Plating System”というタイトルの同一出願人による米国特許出願第10/036,321号明細書中に見出すことができ、これらの明細書は、本発明と矛盾しない範囲内で、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0065】
スプレー分配システム
[0081]図8は、上述したそれぞれのステーション402、404と同様のフェースアップ無電解処理セル1010の一実施形態の側断面図を図示したものである。基板が方向付けられたフェースアップは、図8の参照符号1250に見える。「無電解プロセス」(又は、無電解堆積プロセス)という用語は、一般的に、例えば、プリ洗浄プロセスステップ(基板前処理ステップ)、無電解活性化プロセスステップ、無電解堆積プロセス及びポスト堆積洗浄及び/又はリンスステップのうちの1つ以上を含む、無電解堆積膜を基板上に堆積するために行われる全てのステップを対象とすることを意味する。
【0066】
[0082]無電解処理セル1010は、セルボディ1015を含む。セルボディ1015は、流体処理(無電解又はECP)溶液と反応しないことが分かっている様々な物質から製造することができる。このような物質は、プラスチック、ポリマー及びセラミックを含む。図8の構成において、セルボディ1015は、セル1010のための径方向側壁を形成する円柱状ボディを画成する。セルボディ1015は、その上端部にふたアセンブリ1033を受け入れて支持する。一体底部壁部1016は、その底部端部にセルボディ1015を備えている。底部壁部1016は、基板支持アセンブリ1299を受け入れる開口を有する。基板支持アセンブリ1299の特徴について以下に説明する。
【0067】
[0083]一実施形態において、基板支持アセンブリ1299は、一般的に、ベースプレート部材1304と、該ベースプレート部材に取り付けられた流体拡散部材1302とを含む。図8〜図11に描かれた基板支持アセンブリ1299は、上述したプラテンアセンブリ403の別の実施形態を図示する。Oリング型シール等の環状シール1121は、流体拡散部材1302の周辺近くに位置決めされている。環状シール1121は、一般的に、流体送出プロセスを容易にするために、ベースプレート部材1304の頂部の外側縁部に係合して、流体拡散部材1302とベースプレート部材1304との間に流体密封シールを作成するように構成されている。
【0068】
[0084]ベースプレート部材1304は、一般的に、該部材の中央部分を貫通して、又は、プレート1304上の別の場所を貫通して形成された流体路1308を有するソリッドディスク形状部材を画成する。ベースプレート1304は、好ましくは、セラミック材料又は被覆金属から作製される。また、PVDF材料を用いてもよい。流体空間1310は、ベースプレート部材1304の上で、かつ流体拡散部材1302の下に形成されている。このようにして、流体拡散部材1302は、ベースプレート部材1304上に位置決めされる。流体空間1310は、一般的に、流体拡散部材1302とベースプレート1304との間の約2mm〜約15mmの間隔を有することができるが、より大きな又はより小さな間隔を使用してもよい。
【0069】
[0085]流体拡散部材1302は、該流体拡散部材を貫通して形成された複数の流体路1306を含む。流体路1306は、流体拡散部材1302の上面を流体空間1310に接続する。上述したように、流体拡散部材1302の周辺部は、一般的に、ベースプレート部材1304と密封して連通されている。このように、流体は、流体入口1308を介して流体空間1310内に導入することができる。該流体は、流体路1308から密封された流体空間1310内に、その後、拡散部材1302に形成された流体路1306を通って、基板1250の裏側と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312内に流される。
【0070】
[0086]図8の構成において、流体源は、符号1203に見える。より具体的には、該流体源は、脱イオン水である。流体は、DI水源1203から基板流体ヒータ1164を通って流れる。流体ヒータ1164は、該水を温めて所望の温度にする。本明細書で使用することのできる流体ヒータ1164は、処理流体にエネルギを与えるいかなる種類のデバイスであってもよい。好ましくは、該ヒータは、(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)浸漬型ヒータよりもむしろ、(例えば、ヒータが入口管を介して該流体を加熱する)ジャケット付き抵抗ヒータである。プロセスコントローラ1280及び温度プローブ1154(図示せず)と共に使用されるヒータ1164は、熱伝達領域1312に入るDI水の温度が所望の温度であることを確実にするために利用することができる。
【0071】
[0087]DI水は、該ヒータを出て、チューブ1166を通って流体入口1308に流れる。そこから、該DI水は、ベースプレート部材1304を通って流体拡散部材1302を介して、流体拡散部材1302と基板1250との間の熱伝達領域1312内に注入される。基板1250の裏の温められた流体の存在もまた、基板1250の裏側を温める。均一でかつ上昇された基板温度は、無電解めっき工程を容易にする。複数の加熱バンド1112を、ベースプレート部材1304に任意に埋め込んでもよく、また、必要に応じて、熱伝達領域1312内に流れるDI水の温度、ひいては処理中の基板温度をより正確に制御するために、個別に制御してもよい。より具体的には、加熱バンド1112に関する個別制御は、基板表面に対する正確な制御を可能にし、このことは、無電解めっきプロセスにとって重要である。
【0072】
[0088]上述した加熱構成に対する代替例として、任意の加熱コイル1112をベースプレート1304から除去して、拡散プレート1302に挿入してもよい。このデザイン変更に適応するため、ベースプレート1304を薄くすることができ、同時に、拡散プレートのジオメトリが大きくされる。脱イオン水は流体入口1308を通って流れる際、該脱イオン水は、加熱された拡散プレート1302の下を通過し、流体路1306を通った後、基板1250の裏側と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312内に流れる。このような代替的構成を図8Bに示す。この構成においては、独立した流体ヒータ1164は場合によって取り外してもよい。
【0073】
[0089]ベースプレート1304及び拡散部材1302は、(完全圧縮した窒化アルミニウム、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)等の)セラミック材料、(Teflonポリマー被覆アルミニウム又はステンレススチール等の)ポリマー被覆金属、ポリマー材料、又は、半導体流体処理に適した他の材料で製造することができる。好ましいポリマー被覆又はポリマー材料は、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、PFA、PTFE、FEP、PVDF等のフッ素化ポリマーである。
【0074】
[0090]流体路1306は、基板1250の裏側にDI水を直接注ぐように構成されてもよいことを付け足しておく。基板1250の裏側の水の存在は、基板1250を温めるだけではなく、無電解流体が、基板1250の裏側に非所望に接触することを防ぐ。
【0075】
[0091]複数の基板支持フィンガ1300は、一般的に、流体拡散部材1302の周辺部近傍に位置決めされている。基板支持フィンガ1300は、熱伝達領域1312を形成するために、流体拡散部材1302の上の所望の距離に基板1250を支持するように構成されている。ロボットブレード(図示せず)を基板1250の下のフィンガ1300の間に挿入して、基板1250を持ち上げ及び除去してもよい。代替的構成においては、基板支持フィンガ1300の代わりに、連続的なリング(図示せず)を、該基板を支持するのに使用してもよい。また、この構成において、リフトピンアセンブリ(図示せず)を、該連続的なリングから該基板を持ち上げるのに利用してもよい。このようにして、該ロボットブレードは、セル1010内に、及び該セルから運ぶことができるように、基板1250の底部に再びアクセスすることができる。流体処理セル1010はさらに、スロット1108を含む。該スロットは、基板1250をセル1010へ送出し、及び該セルから回収するロボット(図示せず)へのアクセスを提供できる、側壁1015を貫通して形成された開口を画成する。
【0076】
[0092]図8のセル1010の構成において、基板支持アセンブリ1299は、軸方向に選択的に平行移動させ、及び上方軸受1054A及び下方軸受1054Bの使用により、ベースプレート支持体1301を中心として回転させることができる。この目的のために、まず、基板支持リフトアセンブリ1060が提供されている。基板支持リフトアセンブリ1060は、基板支持アセンブリモータ1062を含む。1つの構成において、基板支持アセンブリモータ1062は、フィードスクリュー1061を回転させる精密モータである。モータ1062の回転動は、フィンガスライド1064の直線運動に変換される。フィンガスライド1064は、溝付きハウジング1066に沿って進み、上下方向の滑動を駆動する。この場合、モータ1062は、好ましくは、電気的に作動される。代替として、基板支持アセンブリモータ1062は、空気圧作動のエアシリンダであってもよい。
【0077】
[0093]また、基板支持リフトアセンブリ1060は、基板支持フィンガモータ1052も含む。フィンガモータ1052は、基板支持フィンガ1300及び支持された基板1250を回転させる。基板支持フィンガ1300は、非回転ベースプレート支持体1301によって形成された軸周りに回転する。基板支持部材1299の回転速度は、実行される特定のプロセス(例えば、堆積、リンス、乾燥)により、変化させることができる。堆積の場合、該基板支持部材は、流体慣性によって、基板1250の表面の全域に該流体を薄く塗るために、該流体の粘度により、約5RPM〜約150RPM等の比較的低速度で回転するように適合させることができる。リンスの場合には、基板支持部材1299は、約5RPM〜約1000RPM等の比較的中速度で回転するように適合させることができる。乾燥の場合は、該基板支持体は、基板1250をスピン乾燥させるために、約500RPM〜約3000RPM等の比較的高速で回転するように適合させることができる。
【0078】
[0094]ベースプレート支持体1301は、ベース部材1013及び1014によってチャンバベース又はプラットフォーム(図示せず)に載置されている。この結果、好ましい実施形態においては、ベースプレート部材1304は、基板支持リフトアセンブリ1060によって平行移動されないが、基板支持フィンガ1300のためのガイドとしての役割を果たす。上方軸受1054A及び下方軸受1054Bは、このような支持を可能にするために提供されている。ベースプレート支持体1301は、電気配線(図示せず)、及び基板流体入口ライン1166によって送り込まれる入口管1308のための導管としての役目も果たす。配線及び管は、ベース部材1014内のベースプレート導管1305を通る。
【0079】
[0095]図8Aは、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図において、基板リフトアセンブリ1060は、その上昇位置にある。基板1250は、該基板が、流体空間1310及びベース部材1304と接触する流体によって温められないため、処理セル1010の周囲温度での処理を可能にするために、ベースプレート1304の表面から離れて持ち上げられる。これは、基板1250が典型的には、上記ロボットが、処理された基板1250をピックアップするために入ってくる前に置かれる位置でもある。
【0080】
[0096]処理セル1010は、流体入口システム1200も含む。流体入口システム1200は、様々な処理流体(例えば、溶液1202、溶液1204及び溶液1206等)を基板1250の受け入れ面に送出するように機能する。流体処理セル1010に使用できる処理流体の数は、用途によって変化し、また、図8に示すように、恐らく3以上になるであろう。計量ポンプ1208は、各溶液1202、1204、1206と接続して提供されている。また、各溶液1202、1204、1206のそれぞれのフォアライン1210内への放出を制御する分配弁1209が提供されている。流体1202、1204、1206は、フォアライン1210から入口管1225を通ってセル1010内に選択的に導入される。図8に概して描くように、分配弁1209は、薬剤が、分配弁1209の上流の処理流体源から送出された後に、フォアライン1210をリンスするように構成することができる。
【0081】
[0097]フィルタ1162は、場合によって、フィルタ1162より上流で生成されたパーティクルが、流体処理セル1010及び最終的に基板1250を汚染することを防ぐために、必要に応じて、入口システム1200に組み込まれる。該基板を除去する前に、又は、プロセスステップの間に、入口ライン1225をリンスする必要がある場合、フィルタの追加は、該フィルタ膜の大きな表面積により、該ラインをリンスするのにかかる時間を大幅に増加させる可能性があり、従って使用しなくてもよい。
【0082】
[0098]本発明の別の態様において、ヒータ1161は、流体が処理エリア1025に入る前に、該流体を加熱するために、入口システム1200に組み込まれる。本発明において意図されたヒータ1161は、該処理流体にエネルギを与えるいかなる種類のデバイスであってもよい。好ましくは、ヒータ1161は、(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)浸漬型ヒータではなく、(例えば、ヒータが、上記入口管の壁部を介して該流体を加熱する)ジャケット付き抵抗ヒータである。コントローラ1280と共に使用されるヒータ1161は、流体処理セル1010の処理エリア1025に入ってくる処理流体の温度が、確実に所望の温度になるようにするために利用することができる。
【0083】
[0099]本発明の別の態様において、ヒータ1161は、該処理流体に急速にエネルギを与えるのに使用されるマイクロ波電源及びフロースルーマイクロ波キャビティである。一実施形態において、該マイクロ波電源は、約500W〜約2000Wの電力で、2.54GHzで作動する。一実施形態において、インラインマイクロ波キャビティヒータは、該処理セルに入る直前に、様々な溶液(例えば、洗浄薬剤、リンス溶液及びポスト洗浄溶液等)の温度を最適なレベルまで上昇させる。一実施形態においては、別々の流体ラインを選択的に加熱するために、2つの別々のマイクロ波ヒータを利用してもよい。
【0084】
[00100]本発明の別の態様においては、処理エリア1025に入ってくる前に、処理流体中に閉じ込められた任意のガス又は該処理流体中に溶解した任意のガスを除去するために、流体脱気ユニット1170が入口システム1200に組み込まれている。溶解した酸素は、無電解堆積反応を抑制し、露出した金属面を酸化し、及び該無電解洗浄プロセス中のエッチ速度に影響を及ぼす傾向があるため、該流体脱気ユニットの使用が、該処理流体中に存在する溶解酸素によって引き起こされる何らかの腐食及び/又はプロセス変動を低減するのに役に立つ可能性がある。流体脱気ユニットは、一般的に、例えば、ガス透過性膜及び真空源を用いて、溶液から溶解ガスを抽出することができる何らかのユニットとして定義される。流体脱気ユニットは、例えば、マサチューセッツ州ビレリカにあるMykrolis Corporationから購入することができる。
【0085】
[00101]流体処理セル1010及び他の外部システムコンポーネント(以下で論じる)内に備えられたそれぞれのコンポーネントの各々は、好ましくは、プロセスコントローラ1280と連通しており、該コントローラは、マイクロプロセッサをベースとする制御システム上に位置決めされたユーザ及び/又は様々なセンサの両方からの入力を受け取り、及び該入力に従って、該チャンバ及び外部システムの動作を適切に制御するように構成されたマイクロプロセッサベースの制御システムとすることができる。コントローラ1280は、様々なプログラムを保持し、該プログラムを処理し、及び必要な場合には、該プログラムを実行するために、該コントローラによって利用されるメモリ(図示せず)及びCPU(図示せず)を包含する。該メモリは、該CPUに接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は、ローカル又はリモートの他の任意の形態のディジタルストレージ等の1つ以上の容易に入手できるメモリとすることができる。ソフトウェアの命令及びデータは、符号化して、該CPUに命令するために該メモリに格納することができる。また、該プロセッサを従来の方法で支援するために、支援回路(図示せず)も該CPUに接続されている。該支援回路は、当分野において周知のキャッシュメモリ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含んでもよい。コントローラ1280によって読取り可能なプログラム(又は、コンピュータ命令)は、該処理チャンバにおいて、どのタスクが実行可能であるかを判断する。好ましくは、該プログラムは、コントローラ1280によって読取り可能なソフトウェアであり、定義されたルール及び入力データに基づいて、該無電解プロセスをモニタし、かつ制御するための命令を含む。
【0086】
[00102]図8、図8A及び図8Bのセルの実施形態においては、流体入口システム1200は、スプレー機構を介して作動する。より具体的には、処理流体、例えば、流体1202、1204、1206は、流体送出アーム1406を介して基板1250の受け入れ面に選択的に送出される。複数のノズル1402が、流体送出アーム1406に沿って形成されている。ノズル1402は、入口管1225から流体を受け取って、該処理流体を基板1250の受け入れ面に向ける。ノズル1402は、送出アーム1406の端部、又はアーム1406の長さ方向に沿って配置することができる。図8、図8A及び図8Bの構成において、1組のノズル1402は、等間隔構成で位置している。
【0087】
[00103]図8の構成において、アーム1406は、遠端部が基板1250の中心を越えて延びることができるような長さを有する。少なくとも1つのノズル1402は、流体送出アーム1406の該遠端部に位置決めされることが好ましい。また、流体送出アーム1406は、アーム1406を基板1250の中心に対して及び該中心から旋回させるように適合されている分配アームモータ1404の周りで可動であることが好ましい。図8、図8A及び図8Bにおいて、流体送出アーム1406は、アームモータ1404の動きに応答して旋回する。アームモータ1404は、好ましくは、アームモータ1404をチャンバ処理エリア1025から部分的に隔離するために、ガード部材1410を越えたところに配置される。
【0088】
[00104]一実施形態において、流体送出アーム1406は、旋回するだけではなく、軸方向にも移動するように適合されている。図8Bは、代替的実施形態における、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。ここで、ピボットアーム1404は、軸方向モータ(例えば、リニアモータ)1080に接続されている。軸方向におけるアーム1406の動きは、アーム1406を、必要に応じて、基板1250に選択的に接近させて移動させることを可能にする。
【0089】
[00105]図9は、図8のフェースアップ無電解処理チャンバの上面を図示したものである。ここで、流体取入システム1200の流体送出アーム1406は、載置された基板1250に対して見える。基板1250を支持する4つの事例的な支持フィンガ1300が示されている。アーム1406は、この図においては、基板1250から離れて回転する。この位置は、基板1250を、リフトピン、又は、上述したアセンブリ1060等の基板リフトアセンブリを使用して持ち上げることを可能にする。しかし、矢印1004は、アーム1406のための回転動の経路を指し示し、アーム1406が、処理中に、基板1250の上でノズル1402を回転させることができることを明示している。基板1250上での送出アーム1406の動きは、基板1250の流体カバレージを改善する。好ましくは、該基板支持部材は、流体分布均一性及び該システムのスループットを向上させるために、ノズル1402からの流体の分配中に、回転する。
【0090】
[00106]別の実施形態においては、処理流体は、該基板の回転軸近くに配置された1つ以上のノズルを介して送出される。同時に、(N2又はAr等の)キャリアガスが、該基板の外縁部に沿って配置されたノズルを介して送出される。流体送出工程中、該基板は、好ましくは、回転される。該キャリアガスの、基板1250の縁部周辺への注入は、処理エリア1025周辺にガスブランケットを形成する。該ガスブランケットは、該処理領域内に残存する可能性がある残留O2を動かす。無電解堆積処理の当業者は、酸素が、化学的活性化ステップ等の特定のプロセスステップに有害な影響を及ぼす可能性があることを十分理解するであろう。
【0091】
[00107]一実施形態において、ノズル1402は、超音波噴射ノズル、又は「空気噴霧ノズル」である。図12は、空気噴霧ノズル1402の1つのデザインの断面図を示す。これは、内部混合型ノズルである。これは、該処理流体の完全に噴霧化されたスプレー又は霧を生み出すように、流体が内部で混合されることを意味する。この構成において、該キャリアガス、例えば、アルゴンは、処理溶液からなる小滴を含有する。一実施形態においては、不活性ガスを、噴霧化された活性化溶液を基板表面に運ぶのに使用してもよい。代替として、不活性ガスは、噴霧化された無電解堆積溶液を基板1250まで運ぶのに使用することができる。
【0092】
[00108]図12のノズルデザイン1402において、ノズル1402は、ボディ1426と先端部1424とを含む。先端部1424は、一般的に、直径が約10μm〜約200μmである。一実施形態において、先端部1424は、直径が約10μm〜約50μmである。流体は、高圧ガスがノズルガス供給部1244から供給されたときに生じるベンチュリ効果によって生じる吸引力により、先端部1424を介して送出される。図12の構成において、ボディ1426は、それぞれ、別々の流体及びガスのストリームを受け入れる別々のチャネル1422、1420を提供する。液体1422及びガス1420のチャネルは、先端部1424で1つになり、該2つのストリームが混ざることを可能にする。これは、「同心ベンチュリデザイン」と呼ぶことができる。この構成において、ノズル1402から散布される流体は、完全に噴霧化されたスプレーを生み出すために、予め混合される。図12の特定の先端部デザイン1424は、丸いスプレーパターンを生み出す。しかし、他の先端部構成を、平坦な又は扇形スプレーパターン等の他のスプレーパターンを生み出すのに使用してもよいことを理解されたい。
【0093】
[00109]図13は、異なるデザインの空気噴霧ノズル1402の断面図を提供する。これは、外部流体混合ノズルである。図13のノズルデザイン1402において、ノズル1402は、ここでもまた、ボディ1426と先端部1424とを含む。先端部1424は、ここでもまた、一般的に、直径が約10μm〜約200μmであり、又は、別の実施形態においては、直径が約10μm〜50μmである。図13の構成において、ボディ1426は、ここでもまた、それぞれ、別々の液体及びガスのストリームを受け入れる別々のチャネル1422、1420を提供する。しかし、この構成においては、液体チャネル1422は、2つのストリームがボディ1426内では混合しないが、ノズル1424の外部で混合するように、ガスチャネル1420と独立してノズル1402を介して液体を送出する。これは、「パラレルベンチュリデザイン」と呼ぶことができる。この構成は、ガス流及び液体流を独立して制御することができるという利点を有し、このことは、高粘度の液体及び研磨懸濁液に対して有効である。これは、内部混合型ノズル1402とは対照的であり、ガス流の変化が、液体流に影響を及ぼすことになる。
【0094】
[00110]図12及び図13のノズル等の超音波ノズルの使用は、基板の受け入れ面に噴霧ミストを生み出す。液体ストリームとは対照的に、ミストの方向は、高価な無電解処理流体を節約するように作用する。また、これは、該受け入れ面全域でのより均一なカバレージをもたらす。また、回転するディスクの表面における境界層の形状は、一般的に、平坦であり、又は、いずれかの方向において、該基板の表面と平行であるため、基板1250が基板支持フィンガモータ1052を用いて回転されたときに生成される流体動的境界層は、基板1250の表面上への噴霧化された処理流体の分布を改善することができる。該噴霧化された処理流体によって経験される該境界層効果は、従来のスプレーデザインより優る利点になる可能性があり、このことは、1つ以上のノズルによって生じた不均一なスプレーパターンを、該噴霧化された流体の該基板表面への輸送に対する該境界層の制御によって最小限にすることができるため、流体のストリームを該基板表面に衝突させる。
【0095】
[00111]流体供給部は、ノズル1402に送出される流体のために提供されている。図12及び図13においては、タンク1212が示されている。タンク1212は、流体入口218と、通気孔1214とを含む。通気孔1214は、大気圧と流体的に連通している。また、流体出口1216も提供されている。流体送出の間、源1244からのガスは、高速でノズル1402へ送出される。このことは、通気孔1214を介した大気圧との連通により、流体ライン1422内に相対的に負の圧力を生じる。この結果、流体は、強制的に出口1216に流されて、ノズル1402内に入る。
【0096】
[00112]一実施形態において、該処理流体は、活性化溶液である。活性化溶液の実施例は、パラジウム塩含有塩化物、臭化物、フッ化物、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、カルボニル、金属酸の塩、及びこれらの組合せを含む。一実施形態において、パラジウム塩は、塩化パラジウム(PdCl2)等の塩化物である。別の実施形態においては、パラジウム塩は、硝酸塩、アルカンスルホン酸塩、又は、溶液中に、又は金属面上にクラスタ形成する傾向がない非配位アニオンを含有するPd+2の別の可溶性誘導体である。一実施形態において、銅洗浄溶液が塗布された終了時と、活性化溶液が塗布されるときの開始時との間のキュー時間(又は、待ち時間)は、一般的に、約15秒未満であり、及び好ましくは、約5秒未満である。該活性化溶液は、一般的に、露出した部材の露出した銅の上に、活性化された金属シード層を堆積するように機能する。酸化銅は、銅よりも高い電気抵抗を有することが分かっているため、洗浄後の該銅層の露出した部分の酸化は、後のプロセスステップに害を及ぼす可能性がある。銅の洗浄と活性化との間の短いキュー時間は、酸化を最小限にし、同時に、上記流体処理セル周辺でのキャリアガス環境の使用も、上述したように、該銅層の露出部分の酸化を防ぐのに役に立つ可能性がある。
【0097】
[00113]一実施形態において、該処理流体は、無電解堆積溶液である。一実施形態においては、CoP、CoWP、CoB、CoWB、CoWPB、NiB又はNiWBを含有する合金であり、好ましくは、CoWP又はCoWPBを含む、無電解堆積されたキャッピング層が堆積される。該キャッピング層を形成するのに使用される無電解堆積溶液は、堆積すべき該キャッピング層の材料物質により、1つ以上の金属塩と、1つ以上の還元剤とを含んでもよい。また、該無電解堆積溶液は、当分野において一般的に知られているように、酸又は塩基等のpH調整剤を含んでもよい。選択されたキャッピング層がコバルトを含有する場合、該無電解堆積溶液は、一般的に、コバルト塩を含む。コバルト塩の実施例は、塩化物、臭化物、フッ化物、酢酸塩、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、強酸又は弱酸の塩、及び/又はこれらの組合せを含む。好ましくは、該コバルト塩は、硫酸コバルト、塩化コバルト、又はこれらの組合せを含む。タングステン含有キャッピング層を堆積する場合、該無電解堆積溶液は、タングステン塩を含む。好ましくは、該タングステン塩は、タングステン酸アンモニウム又はテトラメチルアンモニウムタングステン酸塩等のタングステン酸の塩を含み、又は、該タングステン酸の中和によって生成してもよい。ニッケル含有キャッピング層を堆積する場合には、該無電解堆積溶液は、一般的に、ニッケル塩を含む。ニッケル塩の実施例は、塩化物、臭化物、フッ化物、酢酸塩、フルオロホウ酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、硝酸エステル、カルボニル、強酸又は弱酸の塩、及び/又はこれらの組合せを含む。
【0098】
[00114]選択されたキャッピング層の材料物質がCoP、CoWP又はCoWPB等のリンを含む場合、還元剤は、好ましくは、次亜リン酸アニオン(H2PO2)等のリン化合物を含む。該キャッピング材料物質が、CoB、CoWB、CoWPB等のホウ素を含む場合には、該還元剤は、一般的に、ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン(DMAB)、ホウ化水素(BH4−)の無アルカリ金属塩、又は、これらの組合せを含む。また、ヒドラジン等の他の還元剤を、上記の還元剤に加えて、又は、代替として、上記の還元剤と共に使用してもよい。一実施形態においては、ボラン共還元剤が、銅上で開始されるプロセスに使用される。
【0099】
[00115]上述したように、無電解堆積溶液(処理流体)及び/又は上記基板は、一定の温度に加熱してもよい。例示的な温度は、約40℃〜約95℃である。1つの態様において、該無電解堆積溶液及び/又は基板構造を加熱すると、無電解堆積速度が増加する。このことは、該処理流体がノズル1402を出る際に遭うオフセット温度降下を促進する。一実施形態において、上記キャッピング材料物質の堆積速度は、約100Å/分以上である。一実施形態において、該キャッピング材料物質は、約100Å〜300Å、好ましくは、約150Å〜約200Åの厚さに堆積される。しかし、無電解プロセスの堆積速度は、温度に依存することが分かっているため、該基板全域の温度を均一な温度に維持することが望ましい。従って、図8に図示されたベースプレート部材1304の加熱コイル1112及び/又はヒータ1164を使用することができる。
【0100】
[00116]また、処理セル1010は、流体出口システム1240も含む。流体出口システム1240は、一般的に、流体ドレイン1249に接続されている出口ライン1227を包含する。セル1010を介してより一様に流体を引き込むために、場合によって、1つ以上の出口ライン1227を、セル1010の周りに配置してもよい。図9においては、4つの概して等距離に離間した出口1227が設けられているのが図を見て分かる。多数の出口1227を、単一の排出プレナム及び流体ドレイン1249に結合することができる。また、流体ドレイン1249は、チャンバ廃液を廃棄物収集ドレイン(図示せず)に送出する。要約すると、該処理流体は、一般的に、入口管1225を通った後、流体送出アーム1406を通り、ノズル1402を通り、その後、処理エリア1025から基板支持フィンガ1300に向かって流れて、1つ以上の流体ドレイン1227から排出される。薬剤は、処理エリア1025内の基板1250の受け入れ面に接触して、該基板を処置することになる。
【0101】
[00117]流体出口システム1240は、ガス排出口を含む。排出管1246は、壁部1015を貫通して延びている。排出システム1248は、処理エリア1025からガスを抜く。一実施形態において、排出入口1246は、基板1250の表面近くのガス流を改善するために、基板1250の表面の下からガスを一様に吸引するリング/プレナムである。
【0102】
[00118]図10は、代替的実施形態における、フェースアップ無電解処理セル1010の側断面図を提供する。流体を基板1250の受け入れ面に送出する流体取入システム1200が、ここでもまた、提供されている。処理流体は、ここでもまた、1つ以上のノズル1402を介して送出される。しかし、この実施形態においては、ノズル1402は、チャンバ蓋アセンブリ1033内のガス送出多孔質プレート1030中に配置されている。
【0103】
[00119]チャンバ蓋アセンブリ1033は、まず、ガス送出多孔質プレート1030を含む。好ましくは、ガス送出多孔質プレート1030は、多孔質プレートであり、空気が該プレートを通過して移動することを可能にする。該多孔質プレートのための例示的な材料は、流体の伝達を可能にするために、中に孔が形成された、又は穴が作製されたセラミック材料(例えば、アルミナ)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン、PVDFを含む。一実施形態において、HEPAフィルタ(“High Efficiency Particulate Air”filter)構成を採用することができる。HEPAフィルタは、紙状生地に巻かれたガラス繊維を利用する。図10のガス送出多孔質プレート1030は、上方支持リング1031によって支持されている。
【0104】
[00120]次に、チャンバ蓋アセンブリ1033は、一般的に蓋1032を含む。該蓋は、蓋アセンブリ1033とガス送出多孔質プレート1030との間の空間にプレナム1034を形成する。蓋1032は、図10の構成において、ガス送出多孔質プレート1030と上方支持リング1031の両方によって支持されている。流体入口管1225は、蓋1032を貫通して延び、多孔質プレート1030の1つ以上のノズル1402に分岐している。
【0105】
[00121]図10の流体処理セル1010はガスライン1040を示す。ガスライン1040は、ガス供給部1038からチャンバ蓋プレナム1034への流路を提供する。弁1035は、ライン1040への流体伝達を選択的に開閉する。1つの態様において、ガス供給部1038は、処理領域1299内に酸素を提供する。酸素は、幾つかのプロセスにおいては、好ましい場合もある。例えば、酸素は、活性化ステップ中に加えてもよい。好ましくは、キャリアガスは、所望の組合せで水素及び酸素と組み合わされ、プレナム1034へ送出される。一実施形態において、ガス供給部1038は、アルゴン、窒素、ヘリウム、又はこれらの組合せ等の不活性ガスを供給する。
【0106】
[00122]プレナム1034及びガス送出多孔質プレート1030は、キャリアガスを層流を介してウェーハ1250上に送出できるようにするために、ウェーハ1250よりも上側に位置決めされている。該層流のガス流は、均一で垂直のガス流をウェーハ1250上に生じる。このようにして、均一な境界層が、ウェーハ1250の半径に沿って提供される。このこともまた、該ウェーハの半径方向でのより均一な熱損失を可能にし、該ウェーハ上及び上側での水及び薬品蒸気の凝縮を低減するように役割を果たす。
【0107】
[00123]一実施形態においては、加熱要素(図示せず)が、プレナム1034付近の蓋アセンブリ1033内に置かれる。例えば、加熱コイル(図示せず)を送出多孔質プレート1030内に配置することができる。このことは、ライン1040から送出されたガスの加熱を提供し、これもまた、ウェーハ1250の上側での凝縮及び小滴形成を最小限にする。
【0108】
[00124]ライン1040から、ガスはプレナム1034に流入し、その後、多孔質プレート1030を貫通して流れる。多孔質プレート1030は、ガス流ディフューザとして役目を果たす。そして、ガスは、基板1250の処理のための受け入れ面全域に流下する。従って、多孔質プレート1030を通るガス流は、ノズル1402から基板1250の該受け入れ面上に流れる処理流体のミストを方向付けかつ一様に分布させるのに役に立つ可能性がある。最終的に、ガスは、排出システム1248によって排出入口1246を通って排出される。排出システム1248は、一般的に、流体処理セル1010からガスを抜くための排気ファン又は真空ポンプを包含することができる。排出入口1246は、基板1250のそばを通り過ぎたガス流が確実に層流にするのに役に立つことに留意する。
【0109】
[00125]一実施形態において、ガスライン1040は、ガスの代わりに流体(例えば、処理流体)を、多孔質プレート1030を通して押し込めるようにするために、入口システム1200に接続されている。このようにして、多孔質プレート1030は、シャワーヘッドのような役目を果たし、処理流体を基板1250の表面に送出することになる。
【0110】
[00126]ガスライン1040は、流体送出ラインとしてではなく、真空ラインとしての役割も果たすことができる。真空源1039が提供されており、基板1250をセル1010の外へ移送する直前に、多孔質プレート1030に付着した何らかの流体の液だれを防ぐのに使用される。この点において、真空ベンチュリ等の真空源1039は、チャンバ蓋プレナム1034内に真空を作成するように作動される。このこともまた、多孔質プレート1030の下面の何らかの流体をプレナム1034内へ「吸引」させる。
【0111】
[00127]図10Aは、図10のフェースアップ無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図においては、ガス分流器1102がセル1010内に提供されている。ガス分流器1102は、外部ガス分流器リフト機構(図示せず)を用いて、選択的に上昇及び下降される。この図において、ガス分流器1102は、その下降した位置にある。図10Aは、基板1250が流体処理セル1010内に、及び該セルから外へ移送されるときのガス分流器1102の位置を図示したものである。
【0112】
[00128]図10Bは、図10のフェースアップ無電解処理チャンバの別の側断面図を示す。ここでは、ガス分流器は、その上昇した位置にある。この位置において、ガス分流器1102は、処理中に、ミストのフローがノズル1402から基板1250に向かって流れる際に、該ミストのフローを「まっすぐにする」のに使用される。
【0113】
[00129]セル1010の外部から基板1250上に分配される流体の経過を視覚的に検査する手段を提供することが望ましい。図10の構成においては、カメラ1360がセル1010の内部に提供されている。該カメラは、壁部1015に沿って、ガス供給多孔質プレート1030の下に、上方支持リング1031に沿って、又は、基板1250の十分な視覚化を得ることができるいずれかの他の箇所に配置することができる。好ましくは、カメラ1360は、上記蓋の固定部に置かれる。図10の実施形態において、カメラ1360は、上方支持リング1031に付着されている。
【0114】
[00130]カメラ1360を補助するために、光源(図示せず)を提供することが望ましい。該光源は、好ましくは、上記蓋の固定部に置かれることになるが、該光源は、処理エリア1025の近くのいかなる位置に位置決めしてもよい。該光源は、処理中に、基板1250を照明するように役割を果たす。
【0115】
[00131]カメラ1360は、好ましくは、一連の画素を採用してディジタルイメージを記録する電荷結合ディスプレイカメラ(“CCDカメラ”)である。モニタ(図示せず)は、基板1250の表面の光学的視覚化を提供するために、セル1010の外部に据え付けられる。このようにして、視覚による確認を、流体の分配、及び基板1250の無電解処理流体による適切なカバレージに関して提供することができる。
【0116】
[00132]この視覚による確認は、好ましくは、人のモニタリングによって提供される。しかし、1つの構成において、該視覚による確認プロセスは、マシンビジョン形プロセスによって提供される。この構成において、適切にカバーされた基板1250のイメージは、コントローラ(例えば、コンピュータ)にプログラムされる。そして、該コントローラは、流体供給プロセス中に、カメラ1360によって生成された画素イメージをモニタする。該流体供給プロセスは、少なくとも、カメラ1360内の画素によって検出された実際の基板のイメージが、予め記録されたイメージと一致するまでタイムアウトしないようになっている。
【0117】
[00133]カメラ1360は、場合によって、赤外線カメラであってもよい。該赤外線カメラは、可視波長をフィルタリングするが、熱波長を認識する。色の違いがイメージにあり、この色の違いは、対象、すなわち、基板1250の温度差を示す。分配される流体が、基板1250の表面と異なる温度である場合、温度差が色の違いとして記録される。流体の分配は、基板1250の完全なカバレージの目安を提供する温度差が生じるまで続けられる。好ましくは、温度差は、マシン視覚制御によってモニタリングされる。そのため、該基板の完全なカバレージを確実にすることができる。
【0118】
[00134]一実施形態において、カメラ1360は、ウェーハ1250の表面が連続的な薬剤カバレージを確実に有するように、薬剤分配アーム1406の動き、及び薬剤ノズル1402からのフロー状況のソフトウェア最適化を用いた閉ループの制御下で、機能することができる。
【0119】
[00135]図11は、さらに追加的な代替的実施形態における、フェースアップ無電解処理セル1010の断面図を呈示する。ここでもまた、処理流体は、ガス送出多孔質プレート1030内に配置されたノズル1402を介して流体を噴射することにより、基板1250の受け入れ面に塗布される。この実施形態において、ガス送出多孔質プレート1030は、基板1250に対して、選択的に上昇及び下降される。より具体的には、チャンバ蓋アセンブリ1033は、基板1250に対して軸方向に移動する。この軸方向の動きを遂行するため、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079が採用される。(アイテム1080’によって概略的に表されている)チャンバ蓋モータは、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079の一部として使用することができる。モータ1080’は、好ましくは、電気的に作動され、一実施形態においては、リニアモータを使用することができる。しかし、代替的に、空圧作動エアシリンダであってもよい。
【0120】
[00136]モータ1080’を作動させることにより、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079は、その下の、多孔質プレート1030と基板1250との間の処理エリア1025の容積を制御する。このような構成は、基板1250の表面近くのガス流及び酸素レベルを制御するのに有用である。
【0121】
[00137]上述したフェースアップ無電解めっきセルに対する様々な実施形態を、基板1250の処理との関連で説明してきた。しかし、該めっきセルは、支持フィンガ1300(又は、支持リング)上に基板を載せた状態でなくとも機能させることができることに留意する。より具体的には、流体送出システム1200及び流体出口システム1240は、処理領域1299内への基板の配置を要することなく、機能させることができる。例えば、脱イオン水又は他の洗浄又はリンス流体を、該基板を要することなく、(図8のアーム1406等の)流体送出アーム又は(図10のガス送出多孔質プレート1030等の)流体送出プレートを介して注入することができる。これは、支持フィンガ1300及び他のチャンバ部材に対する洗浄を提供するために行われる。この洗浄ステップにおいて、さらに補助するために、該流体送出アームを降下させてもよく(図8の場合)、該流体送出ヘッドは、降下させてもよく(図11の場合)又は該基板支持アセンブリを上昇させてもよい(図8Aの場合)。
【0122】
[00138]上記の説明は、本発明の実施形態に注力されているが、本発明の他の実施形態及び別の実施形態を、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、また、本発明の範囲は、クレームによって判断される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】例示的な無電解めっきの平面図である。
【図2】例示的な堆積システムの斜視図である。
【図3】エンクロージャを除去した状態の例示的な堆積システムの斜視図である。
【図4】例示的な堆積システムの断面図である。
【図5】例示的な流体処理ステーションの断面図である。
【図6】例示的な基板支持アセンブリの斜視図である。
【図7】例示的な流体処理ステーションの断面図である。
【図8】チャンバ内の流体送出アーム上に配置されたノズルを利用するフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を提供する。また、基板をチャンバ内で選択的に上下させる基板リフトアセンブリが示されている。この図において、該基板リフトアセンブリは、その低下した位置にある。
【図8A】図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図において、基板支持アセンブリは、その高くなった位置にある。
【図8B】代替の実施形態における、図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。ここで、ピボットアームは、枢動するだけではなく、軸方向に動くようにも適合されている。加えて、拡散プレートは、加熱素子を含む。
【図9】図8のフェースアップ型無電解処理チャンバの上面図を示す。ここで、流体取入システムの流体送出アームは、載置された基板に対して見える。
【図10】代替の実施形態における、フェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を提供する。ここで、処理流体は、チャンバ蓋アセンブリ内のガス送出プレート内に配置された1つ以上のノズルを通って送出される。
【図10A】図10のフェースアップ型無電解処理チャンバの側断面図を呈示する。この図においては、ガス分流器がチャンバ内に設けられている。この図において、該ガス分流器は、低下した位置にある。
【図10B】図10のフェースアップ型無電解処理チャンバの別の断面図を示す。ここで、ガス分流器は、高くなった位置にある。
【図11】追加的な代替の実施形態における、フェースアップ型無電解処理チャンバの断面図を呈示する。ここで、処理流体は、ガス送出プレート内に配置されたノズルを介して流体を噴射することにより、基板の受け入れ面に再び加えられる。この実施形態において、チャンバ蓋アセンブリは基板に対して軸方向に移動する。
【図12】本明細書に記載した無電解処理チャンバと共に採用した場合のノズルの断面図を呈示する。
【図13】本明細書に記載した無電解処理チャンバと共に採用した場合のノズルの断面図を呈示する。
【符号の説明】
【0124】
100…無電解堆積システム、113…処理メインフレーム、132…ファクトリインタフェースロボット、302…処理エンクロージャ、305…基板移送シャトル、1200…流体送出システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理メインフレームと、
前記メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの基板洗浄ステーションと、
前記メインフレーム上に位置決めされた無電解堆積ステーションであって、
環境的に制御された処理エンクロージャと、
前記処理エンクロージャ内に位置決めされた第1の流体処理ステーションと、
前記エンクロージャ内に位置決めされた第2の流体処理ステーションと、
前記第1の流体処理ステーションと第2の流体処理ステーションとの間で基板を移送するために、前記エンクロージャ内に位置決めされた基板移送シャトルと、
を備える前記無電解堆積ステーションと、
前記メインフレーム上に位置決めされ、かつ前記処理エンクロージャの内部にアクセスするように構成された基板移送ロボットと、
を備える、無電解堆積システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の流体処理ステーションが、フェースアップ方向で処理するために基板を支持するように構成された回転可能な基板支持アセンブリを含む、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項3】
前記回転可能な基板支持アセンブリが、
垂直方向リフトアセンブリと、
前記垂直方向リフトアセンブリと連通して位置決めされた複数の基板係合フィンガと、
を備える、請求項2に記載の無電解堆積システム。
【請求項4】
前記複数の基板係合フィンガ及び垂直方向リフトアセンブリが、前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方の中に位置決めされた流体拡散部材と平行関係で、前記基板を協働して位置決めするように構成されている、請求項3に記載の無電解堆積システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方が、
流体拡散部材と、
前記流体拡散部材の裏側の周辺部を密封可能に係合し、かつベースプレートと、前記流体拡散部材の裏側との間に流体空間を形成する前記ベースプレートと、
前記流体空間と流体的に連通している流体供給導管と、
をさらに備える、請求項2に記載の無電解堆積システム。
【請求項6】
前記流体供給導管が、温度制御された流体源と流体的に連通している、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項7】
前記流体拡散部材が多孔質セラミックディスクを備える、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項8】
前記流体拡散部材が、ディスク形状部材を貫通して形成された複数の穴を有する前記ディスク形状部材を備える、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項9】
前記複数の穴が、約0.7mm〜約3mmの直径を有する、請求項8に記載の無電解堆積システム。
【請求項10】
前記第1及び第2の流体処理ステーションが各々、温度制御された処理流体源と流体的に連通している可動流体分配アームを備える、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項11】
前記環境的に制御された処理エンクロージャが、前記第1の流体処理ステーションの上に位置決めされた第1の処理空間と、前記第2の流体処理ステーションの上に位置決めされた第2の処理空間とを備え、前記第1の処理空間が、中央壁部により、前記第2の処理空間と少なくとも部分的に分離されている、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項12】
前記第1及び第2の処理空間のヘッドスペース容積がそれぞれ、約1500in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)である、請求項11に記載の無電解堆積システム。
【請求項13】
前記第1及び第2の処理空間の各々が、前記処理空間と連通している環境的制御アセンブリを有する、請求項11に記載の無電解堆積システム。
【請求項14】
前記環境的制御アセンブリが、処理ガス供給部、ヒータ及び加湿器のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載の無電解堆積システム。
【請求項15】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの各々の中に位置決めされた排出ポートをさらに備える、請求項14に記載の無電解堆積システム。
【請求項16】
前記処理ガス供給部及び排出ポートが、処理ステップ中の前記第1及び第2の処理空間内の酸素含有量を約100ppm未満に維持するように協働的に構成されている、請求項15に記載の無電解堆積システム。
【請求項17】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方が、前記処理ステーションの内部から、前記フィンガ上に位置決めされた前記基板の周辺部に向かって内側及び上方に延びる複数の流体キャッチリングを備える、請求項3に記載の無電解堆積システム。
【請求項18】
半導体処理用の流体堆積システムであって、
環境的に制御された処理空間を画成する処理エンクロージャと、
前記制御された処理空間内に位置決めされた第1の流体処理セルと、
前記制御された処理空間内に位置決めされた第2の流体処理セルと、
前記制御された処理空間内に位置決めされ、かつ前記第1及び第2の流体処理セル間で基板を枢動移送するように構成された基板シャトルであって、前記第1及び第2の流体処理セルの各々が、
流体透過性拡散部材と、
処理のために、前記流体拡散部材と平行関係で基板を回転可能に支持するように構成された基板支持アセンブリと、
前記基板支持アセンブリ上に位置決めされた前記基板上に、処理流体を分配するように移動可能に位置決めされた流体分配アームと、
を備える、前記基板シャトルと、
を備える、流体堆積システム。
【請求項19】
共に前記制御された処理空間と流体的に連通している、制御された処理ガス供給部及び処理ガス排気部をさらに備え、前記処理ガス供給部及び前記処理ガス排気部が、約100ppm未満の酸素を前記処理空間内に生成するように協働的に構成されている、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項20】
前記制御された処理空間を、前記第1の流体処理セルの上に位置決めされた第1の処理空間と、前記第2の流体処理セルの上に位置決めされた第2の処理空間とに分離するように位置決めされた中央壁部をさらに備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項21】
前記第1及び第2の処理空間の少なくとも一方が、約1000in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)のヘッドスペース空間を有する、請求項20に記載の堆積システム。
【請求項22】
前記基板から、前記第1及び第2の処理空間の頂部の下面までの垂直方向距離が、約12インチ〜約36インチである、請求項20に記載の堆積システム。
【請求項23】
前記流体拡散部材が、ディスク形状部材を貫通して形成された複数の径方向に離間した流体分配穴を有する前記ディスク形状部材を備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項24】
前記流体分配穴が、温度制御された流体源と流体的に連通している、請求項23に記載の堆積システム。
【請求項25】
前記流体拡散部材が、流体的な透過性多孔質セラミックディスク部材を備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項26】
前記基板支持アセンブリが、複数の垂直方向に作動可能な基板支持フィンガを備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項27】
前記流体分配アームが、温度制御された処理流体源と流体的に連通している、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項28】
複数の流体処理セルを支持するように構成された処理メインフレームと、
前記メインフレーム上に位置決めされ、かつ前記複数の流体処理セルの各々にアクセスするように構成されたメインフレームロボットと、
前記メインフレーム上に位置決めされた少なくとも2つの処理エンクロージャであって、前記処理エンクロージャの各々が、
温度、圧力及び湿度が制御された環境のうちの少なくとも1つの環境で、基板の表面を洗浄及び活性化するように構成された第1の流体処理セルと、
温度、圧力及び湿度が制御された環境のうちの少なくとも1つの環境で、前記基板の表面を洗浄及び前記基板の表面に金属層を無電解堆積するように構成された第2の流体処理セルと、
前記第1の流体処理セルと第2の流体処理セルとの間で基板を移送するように位置決めされた基板シャトルと、を備える前記少なくとも2つの処理エンクロージャと、
を備える、無電解処理システム。
【請求項29】
前記処理エンクロージャの各々が、前記処理エンクロージャを、第1の処理空間と第2の処理空間とに分離する中央壁部をさらに備え、前記第1及び第2の処理空間が、前記中央壁部内に形成された基板シャトルスロットを介して互いに連通している、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項30】
前記処理空間の各々が、約1500in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)のヘッドスペースを備える、請求項29に記載の無電解処理システム。
【請求項31】
前記第1及び第2の流体処理セルの少なくとも一方が、
実質的に平坦な上面と、流体拡散部材を貫通して形成された複数の流体分配穴とを有する前記流体拡散部材と、
無電解堆積プロセス中に、基板を、前記流体拡散部材から約1mm〜約5mm離して位置決めするように構成された基板支持アセンブリと、
を備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項32】
前記流体分配穴と連通する、加熱された流体源をさらに備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項33】
前記第1及び第2の流体処理セルが各々、処理流体の温度制御された源と連通している可動流体分配アームを備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項34】
基板を処理するフェースアップ無電解めっきセルであって、
基板を支持する基板支持アセンブリと、
流体入口と、加熱された流体が拡散プレートを通って流れ、前記基板支持アセンブリに載っている前記基板の裏側に接触する前記拡散プレートとを有する流体拡散部材と、
蓋アセンブリと、
前記基板支持アセンブリと前記蓋アセンブリとの間に画成された流体処理領域と、
処理流体を前記流体処理領域に提供し、処理流体を前記基板に送出する1つ以上のノズルを備える流体入口システムと、
を備える、無電解めっきセル。
【請求項35】
前記基板支持アセンブリが、
前記拡散プレートの上で前記基板を支持する基板支持フィンガであって、支持フィンガモータによって回転するように適合されている前記基板支持フィンガをさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項36】
前記流体拡散部材が、前記拡散プレートと連通している加熱要素をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項37】
前記流体拡散部材が、
ベースプレートと前記拡散プレートとの間に流体空間を提供する、前記拡散プレートの下の前記ベースプレートであって、前記ベースプレートが前記流体入口から流体を受け入れる前記ベースプレートと、
前記ベースプレートと連通している加熱要素と、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項38】
前記流体入口システムが、
少なくとも1つのノズルが流体送出アームに沿って配置されている状態の前記流体送出アームと、
前記無電解めっきセルの処理領域内で、前記流体送出アームを枢動させる流体送出アームモータと、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項39】
前記流体入口システムが、
ノズルに接続され、不活性ガス、又は水素と混合された不活性ガスを前記ノズルに送出するように適合されているガス源と、
前記ノズルに接続された流体源であって、前記ガス源及び流体源が、前記流体源から前記基板表面に処理流体を送出するように適合されている、前記流体源と、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項40】
前記蓋アセンブリが、前記基板支持アセンブリに対して前記蓋アセンブリを選択的に上昇及び下降させる蓋アセンブリモータを備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項41】
前記蓋アセンブリが、
無電解処理中の前記セル内の前記基板上への処理流体カバレージの確認を提供できるカメラをさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項42】
前記カメラが、
前記カメラの出力信号をモニタして、前記基板の表面が実質的に前記処理流体で被覆されていることを確実にするように適応されたコントローラをさらに備える、請求項41に記載の無電解めっきセル。
【請求項43】
前記カメラが赤外線カメラである、請求項41に記載の無電解めっきセル。
【請求項44】
前記蓋アセンブリが、
頂部蓋部材と、
前記頂部蓋部材の下に配置されたプレートであって、前記頂部蓋部材と前記プレートとが一緒になってプレナムを形成する前記プレートと、
を備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項45】
前記プレートが、セラミック材料、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択された材料から作製される、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項46】
前記流体入口システムが、
前記プレート内に配置された複数のノズルであって、各ノズルが、前記流体取入ラインから無電解処理流体を受け入れ、該流体を前記流体処理領域内に送出する前記複数のノズルをさらに備える、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項47】
前記蓋アセンブリが、
前記プレートの表面から流体を除去するために、前記プレナムに選択的に負圧を加える真空ラインをさらに備える、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項48】
基板をフェースアップ式で処理するフェースアップ無電解めっきセルであって、
基板を支持する基板支持アセンブリと、
流体入口と、加熱された流体が拡散プレートを通って流れ、前記基板支持アセンブリに載っている前記基板の裏側に接触する前記拡散プレートとを有する流体拡散部材と、
蓋アセンブリであって、
頂部蓋部材と、
前記頂部蓋部材の下に配置されたプレートであって、前記頂部蓋部材と前記プレートとがプレナムを形成する前記プレートとを備える前記蓋アセンブリと、
前記基板支持アセンブリと前記蓋アセンブリとの間に画成された流体処理領域と、
前記プレナムに接続されて、前記プレナム及び前記プレートを介して前記基板の表面に処理流体を提供する流体入口システムと、
を備える、フェースアップ無電解めっきセル。
【請求項1】
処理メインフレームと、
前記メインフレーム上に位置決めされた少なくとも1つの基板洗浄ステーションと、
前記メインフレーム上に位置決めされた無電解堆積ステーションであって、
環境的に制御された処理エンクロージャと、
前記処理エンクロージャ内に位置決めされた第1の流体処理ステーションと、
前記エンクロージャ内に位置決めされた第2の流体処理ステーションと、
前記第1の流体処理ステーションと第2の流体処理ステーションとの間で基板を移送するために、前記エンクロージャ内に位置決めされた基板移送シャトルと、
を備える前記無電解堆積ステーションと、
前記メインフレーム上に位置決めされ、かつ前記処理エンクロージャの内部にアクセスするように構成された基板移送ロボットと、
を備える、無電解堆積システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の流体処理ステーションが、フェースアップ方向で処理するために基板を支持するように構成された回転可能な基板支持アセンブリを含む、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項3】
前記回転可能な基板支持アセンブリが、
垂直方向リフトアセンブリと、
前記垂直方向リフトアセンブリと連通して位置決めされた複数の基板係合フィンガと、
を備える、請求項2に記載の無電解堆積システム。
【請求項4】
前記複数の基板係合フィンガ及び垂直方向リフトアセンブリが、前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方の中に位置決めされた流体拡散部材と平行関係で、前記基板を協働して位置決めするように構成されている、請求項3に記載の無電解堆積システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方が、
流体拡散部材と、
前記流体拡散部材の裏側の周辺部を密封可能に係合し、かつベースプレートと、前記流体拡散部材の裏側との間に流体空間を形成する前記ベースプレートと、
前記流体空間と流体的に連通している流体供給導管と、
をさらに備える、請求項2に記載の無電解堆積システム。
【請求項6】
前記流体供給導管が、温度制御された流体源と流体的に連通している、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項7】
前記流体拡散部材が多孔質セラミックディスクを備える、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項8】
前記流体拡散部材が、ディスク形状部材を貫通して形成された複数の穴を有する前記ディスク形状部材を備える、請求項5に記載の無電解堆積システム。
【請求項9】
前記複数の穴が、約0.7mm〜約3mmの直径を有する、請求項8に記載の無電解堆積システム。
【請求項10】
前記第1及び第2の流体処理ステーションが各々、温度制御された処理流体源と流体的に連通している可動流体分配アームを備える、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項11】
前記環境的に制御された処理エンクロージャが、前記第1の流体処理ステーションの上に位置決めされた第1の処理空間と、前記第2の流体処理ステーションの上に位置決めされた第2の処理空間とを備え、前記第1の処理空間が、中央壁部により、前記第2の処理空間と少なくとも部分的に分離されている、請求項1に記載の無電解堆積システム。
【請求項12】
前記第1及び第2の処理空間のヘッドスペース容積がそれぞれ、約1500in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)である、請求項11に記載の無電解堆積システム。
【請求項13】
前記第1及び第2の処理空間の各々が、前記処理空間と連通している環境的制御アセンブリを有する、請求項11に記載の無電解堆積システム。
【請求項14】
前記環境的制御アセンブリが、処理ガス供給部、ヒータ及び加湿器のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載の無電解堆積システム。
【請求項15】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの各々の中に位置決めされた排出ポートをさらに備える、請求項14に記載の無電解堆積システム。
【請求項16】
前記処理ガス供給部及び排出ポートが、処理ステップ中の前記第1及び第2の処理空間内の酸素含有量を約100ppm未満に維持するように協働的に構成されている、請求項15に記載の無電解堆積システム。
【請求項17】
前記第1及び第2の流体処理ステーションの少なくとも一方が、前記処理ステーションの内部から、前記フィンガ上に位置決めされた前記基板の周辺部に向かって内側及び上方に延びる複数の流体キャッチリングを備える、請求項3に記載の無電解堆積システム。
【請求項18】
半導体処理用の流体堆積システムであって、
環境的に制御された処理空間を画成する処理エンクロージャと、
前記制御された処理空間内に位置決めされた第1の流体処理セルと、
前記制御された処理空間内に位置決めされた第2の流体処理セルと、
前記制御された処理空間内に位置決めされ、かつ前記第1及び第2の流体処理セル間で基板を枢動移送するように構成された基板シャトルであって、前記第1及び第2の流体処理セルの各々が、
流体透過性拡散部材と、
処理のために、前記流体拡散部材と平行関係で基板を回転可能に支持するように構成された基板支持アセンブリと、
前記基板支持アセンブリ上に位置決めされた前記基板上に、処理流体を分配するように移動可能に位置決めされた流体分配アームと、
を備える、前記基板シャトルと、
を備える、流体堆積システム。
【請求項19】
共に前記制御された処理空間と流体的に連通している、制御された処理ガス供給部及び処理ガス排気部をさらに備え、前記処理ガス供給部及び前記処理ガス排気部が、約100ppm未満の酸素を前記処理空間内に生成するように協働的に構成されている、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項20】
前記制御された処理空間を、前記第1の流体処理セルの上に位置決めされた第1の処理空間と、前記第2の流体処理セルの上に位置決めされた第2の処理空間とに分離するように位置決めされた中央壁部をさらに備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項21】
前記第1及び第2の処理空間の少なくとも一方が、約1000in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)のヘッドスペース空間を有する、請求項20に記載の堆積システム。
【請求項22】
前記基板から、前記第1及び第2の処理空間の頂部の下面までの垂直方向距離が、約12インチ〜約36インチである、請求項20に記載の堆積システム。
【請求項23】
前記流体拡散部材が、ディスク形状部材を貫通して形成された複数の径方向に離間した流体分配穴を有する前記ディスク形状部材を備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項24】
前記流体分配穴が、温度制御された流体源と流体的に連通している、請求項23に記載の堆積システム。
【請求項25】
前記流体拡散部材が、流体的な透過性多孔質セラミックディスク部材を備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項26】
前記基板支持アセンブリが、複数の垂直方向に作動可能な基板支持フィンガを備える、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項27】
前記流体分配アームが、温度制御された処理流体源と流体的に連通している、請求項18に記載の堆積システム。
【請求項28】
複数の流体処理セルを支持するように構成された処理メインフレームと、
前記メインフレーム上に位置決めされ、かつ前記複数の流体処理セルの各々にアクセスするように構成されたメインフレームロボットと、
前記メインフレーム上に位置決めされた少なくとも2つの処理エンクロージャであって、前記処理エンクロージャの各々が、
温度、圧力及び湿度が制御された環境のうちの少なくとも1つの環境で、基板の表面を洗浄及び活性化するように構成された第1の流体処理セルと、
温度、圧力及び湿度が制御された環境のうちの少なくとも1つの環境で、前記基板の表面を洗浄及び前記基板の表面に金属層を無電解堆積するように構成された第2の流体処理セルと、
前記第1の流体処理セルと第2の流体処理セルとの間で基板を移送するように位置決めされた基板シャトルと、を備える前記少なくとも2つの処理エンクロージャと、
を備える、無電解処理システム。
【請求項29】
前記処理エンクロージャの各々が、前記処理エンクロージャを、第1の処理空間と第2の処理空間とに分離する中央壁部をさらに備え、前記第1及び第2の処理空間が、前記中央壁部内に形成された基板シャトルスロットを介して互いに連通している、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項30】
前記処理空間の各々が、約1500in3(立方インチ)〜5000in3(立方インチ)のヘッドスペースを備える、請求項29に記載の無電解処理システム。
【請求項31】
前記第1及び第2の流体処理セルの少なくとも一方が、
実質的に平坦な上面と、流体拡散部材を貫通して形成された複数の流体分配穴とを有する前記流体拡散部材と、
無電解堆積プロセス中に、基板を、前記流体拡散部材から約1mm〜約5mm離して位置決めするように構成された基板支持アセンブリと、
を備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項32】
前記流体分配穴と連通する、加熱された流体源をさらに備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項33】
前記第1及び第2の流体処理セルが各々、処理流体の温度制御された源と連通している可動流体分配アームを備える、請求項28に記載の無電解処理システム。
【請求項34】
基板を処理するフェースアップ無電解めっきセルであって、
基板を支持する基板支持アセンブリと、
流体入口と、加熱された流体が拡散プレートを通って流れ、前記基板支持アセンブリに載っている前記基板の裏側に接触する前記拡散プレートとを有する流体拡散部材と、
蓋アセンブリと、
前記基板支持アセンブリと前記蓋アセンブリとの間に画成された流体処理領域と、
処理流体を前記流体処理領域に提供し、処理流体を前記基板に送出する1つ以上のノズルを備える流体入口システムと、
を備える、無電解めっきセル。
【請求項35】
前記基板支持アセンブリが、
前記拡散プレートの上で前記基板を支持する基板支持フィンガであって、支持フィンガモータによって回転するように適合されている前記基板支持フィンガをさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項36】
前記流体拡散部材が、前記拡散プレートと連通している加熱要素をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項37】
前記流体拡散部材が、
ベースプレートと前記拡散プレートとの間に流体空間を提供する、前記拡散プレートの下の前記ベースプレートであって、前記ベースプレートが前記流体入口から流体を受け入れる前記ベースプレートと、
前記ベースプレートと連通している加熱要素と、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項38】
前記流体入口システムが、
少なくとも1つのノズルが流体送出アームに沿って配置されている状態の前記流体送出アームと、
前記無電解めっきセルの処理領域内で、前記流体送出アームを枢動させる流体送出アームモータと、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項39】
前記流体入口システムが、
ノズルに接続され、不活性ガス、又は水素と混合された不活性ガスを前記ノズルに送出するように適合されているガス源と、
前記ノズルに接続された流体源であって、前記ガス源及び流体源が、前記流体源から前記基板表面に処理流体を送出するように適合されている、前記流体源と、
をさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項40】
前記蓋アセンブリが、前記基板支持アセンブリに対して前記蓋アセンブリを選択的に上昇及び下降させる蓋アセンブリモータを備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項41】
前記蓋アセンブリが、
無電解処理中の前記セル内の前記基板上への処理流体カバレージの確認を提供できるカメラをさらに備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項42】
前記カメラが、
前記カメラの出力信号をモニタして、前記基板の表面が実質的に前記処理流体で被覆されていることを確実にするように適応されたコントローラをさらに備える、請求項41に記載の無電解めっきセル。
【請求項43】
前記カメラが赤外線カメラである、請求項41に記載の無電解めっきセル。
【請求項44】
前記蓋アセンブリが、
頂部蓋部材と、
前記頂部蓋部材の下に配置されたプレートであって、前記頂部蓋部材と前記プレートとが一緒になってプレナムを形成する前記プレートと、
を備える、請求項34に記載の無電解めっきセル。
【請求項45】
前記プレートが、セラミック材料、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択された材料から作製される、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項46】
前記流体入口システムが、
前記プレート内に配置された複数のノズルであって、各ノズルが、前記流体取入ラインから無電解処理流体を受け入れ、該流体を前記流体処理領域内に送出する前記複数のノズルをさらに備える、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項47】
前記蓋アセンブリが、
前記プレートの表面から流体を除去するために、前記プレナムに選択的に負圧を加える真空ラインをさらに備える、請求項44に記載の無電解めっきセル。
【請求項48】
基板をフェースアップ式で処理するフェースアップ無電解めっきセルであって、
基板を支持する基板支持アセンブリと、
流体入口と、加熱された流体が拡散プレートを通って流れ、前記基板支持アセンブリに載っている前記基板の裏側に接触する前記拡散プレートとを有する流体拡散部材と、
蓋アセンブリであって、
頂部蓋部材と、
前記頂部蓋部材の下に配置されたプレートであって、前記頂部蓋部材と前記プレートとがプレナムを形成する前記プレートとを備える前記蓋アセンブリと、
前記基板支持アセンブリと前記蓋アセンブリとの間に画成された流体処理領域と、
前記プレナムに接続されて、前記プレナム及び前記プレートを介して前記基板の表面に処理流体を提供する流体入口システムと、
を備える、フェースアップ無電解めっきセル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−534774(P2008−534774A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553201(P2007−553201)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/002619
【国際公開番号】WO2006/081290
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/002619
【国際公開番号】WO2006/081290
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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