説明

半導体発光装置

【課題】半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を、切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された筐体50と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、筐体50で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止する透光性樹脂層60とを備え、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上には、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板8が着脱交換可能である半導体発光装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置に関し、特に、発光色を切り替え、発光色の色斑(むら)を改善した半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子を用いた発光装置として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)をパッケージの凹状のカップ部の内部に収容し、LEDの発光出力を波長変換するための蛍光物質を含む透光性部材を、光透過性樹脂を介してLED上方に配置した構成を有するものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
また、半導体発光素子を用いた発光装置として、LEDをパッケージの凹状のカップ部の内部に収容し、LEDの発光出力を波長変換するための蛍光物質を含む透光性部材を、空気層を介してLED上方に配置した構成を有するものがある(例えば、特許文献3照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−200534号公報
【特許文献2】特開2007−116107号公報
【特許文献3】特開2011−96974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、チップ基板と、前記チップ基板上に配置された第1端子電極および第2端子電極と、前記チップ基板の上面外縁を囲むように配置された筐体と、前記第1端子電極上に配置された半導体発光素子と、前記半導体発光素子と第2端子電極を接続するボンディングワイヤと、前記筐体で囲まれた内部に配置され、前記第1端子電極および前記第2端子電極と、前記半導体発光素子と、前記ボンディングワイヤを封止する透光性樹脂層とを備え、前記筐体で囲まれた前記透光性樹脂層上には、前記半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板が着脱交換可能である半導体発光装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)比較例に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図、(b)図1(a)のI−I線に沿う模式的断面構造図。
【図2】(a)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図、(b)図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される透光性基板の模式的断面構造例であって、(a)第1発光蛍光体を塗布/添加した例、(b)第2発光蛍光体を塗布/添加した例、(c)第3発光蛍光体を塗布/添加した例。
【図4】第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される筐体の模式的鳥瞰構造図。
【図5】(a)第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される透光性基板の模式的断面構造例、(b)図4に示される筐体に図5(a)の透光性基板を組み合わせた構成図。
【図6】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図。
【図7】第3の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される筐体の模式的鳥瞰構造図。
【図8】第3の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される透光性基板の模式的鳥瞰構造図。
【図9】第4の実施の形態に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
(比較例)
比較例に係る半導体発光装置10aは、図1(a)および図1(b)に示すように、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2a・第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された反射ケース5と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3の上面電極(図示省略)と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、反射ケース5で囲まれた内部に配置され、第1発光蛍光体61と第2発光蛍光体62とを透光性樹脂中に混合分散した蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、反射ケース5で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2a・第2端子電極2k・半導体発光素子3・ボンディングワイヤ4などを封止している。
【0012】
図1(a)および図1(b)に示すように、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、蛍光体層6中では相対的に比重が重たいため沈殿する。また、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62の沈殿の仕方に斑(むら)が生ずる場合がある。例えば、図1(a)に示すように、パイルアップ部分Aの様に、発光蛍光体が集中する部分がある一方、フラット部分Bの様に、発光蛍光体がほとんど無い部分もある。第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62の位置がばらつくと色度ばらつきを生じ易い。また、発光装置毎にも色度ばらつきを生じ易い。
【0013】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る半導体発光装置10の模式的平面パターン構成は、図2(a)に示すように表され、図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、図2(b)に示すように表される。
【0014】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置10に適用される透光性基板8の模式的断面構造例であって、第1発光蛍光体61を塗布/添加した例は、図3(a)に示すように表され、第2発光蛍光体62を塗布/添加した例は、図3(b)に示すように表され、第3発光蛍光体63を塗布/添加した例は、図3(c)に示すように表される。
【0015】
図2および図3において、半導体発光装置10から発光される光が出射される方向がZ軸方向であり、Z軸に垂直な平面方向はX−Y軸方向で表される。図2(a)のII−II線に沿う方向は、X軸方向である。
【0016】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置10は、図2に示すように、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された筐体50と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、筐体50で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止する透光性樹脂層60とを備える。ここで、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上には、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板8が着脱交換可能である。
【0017】
透光性基板8には、図3(a)〜図3(c)に示すように、それぞれ、第1発光蛍光体61、第2発光蛍光体62、第3発光蛍光体63が塗布/添加されていても良い。ここで、第1発光蛍光体61、第2発光蛍光体62、第3発光蛍光体63が透光性基板8上に単に積層されて塗布されていてもよく、或いは積層されて塗布される等の結果、透光性基板8の材質中に添加されていても良い。
【0018】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置10において、透光性基板8は、例えば、ガラス若しくはプラスチックで形成可能である。
【0019】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、透光性基板8に第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62・第3発光蛍光体63を塗布し、ユーザがこのような発光蛍光体が塗布された透光性基板8をワンタッチで交換することで、容易に発光色を変更することができる。
【0020】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62・第3発光蛍光体63の均一性、交換性を目的とし、透光性基板8はユーザによって、交換可能である。このため、コスト低減も可能である。
【0021】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、例えば、青色を中心に透光性基板8をパーツとして入れ替えて、色を変化させることができる。
【0022】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、色度を保つことも可能である。
【0023】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、例えば、青色を中心に透光性基板8をパーツとして入れ替えて、色合わせを安定化することも可能である。
【0024】
また、第1の実施の形態においては、透光性基板8に塗布/添加される発光蛍光体は、複数種類存在していても良い。
【0025】
半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された青色LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61、第2発光蛍光体62および第3発光蛍光体63は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は赤色蛍光体、第2発光蛍光体62および第3発光蛍光体63は、緑色蛍光体で形成されていても良い。
【0026】
ここで、青色LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、例えば、Ce添加YAG(Y3Al512:Ce)蛍光体、Eu添加α−サイアロン(CaSiAlON:Eu)、シリケート蛍光体((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu)などを用いることができる。すなわち、青色発光LEDの青色光の一部を黄色蛍光体により黄色の発光に変換し、青+黄の発光により白色発光を得ることができる。
【0027】
また、青色LEDを励起光源とする緑色蛍光体としては、例えば、Eu添加β−サイアロン(Si6-zAlzz8-z:Eu)蛍光体、Ce添加CSSO(Ca3Sc2Si312:Ce)蛍光体などを用いることができる。
【0028】
また、青色LEDを励起光源とする赤色蛍光体としては、例えば、Eu添加CaAlSiN3(CaAlSiN3:Eu)蛍光体などを用いることができる。
【0029】
また、半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された紫外光LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61、第2発光蛍光体62および第3発光蛍光体63は、共に紫外光を受けて黄色光を発光する黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は青色蛍光体、第2発光蛍光体62および第3発光蛍光体63は、黄色蛍光体で形成されていても良い。
【0030】
紫外光LEDを励起光源とする青色蛍光体としては、紫外光を受けて青色に発光するものであれば良く、例えば、ハロゲン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体などが挙げられる。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもユウロピウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0031】
紫外光LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体および紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体のいずれであっても良い。ここで、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61を青色蛍光体、第2発光蛍光体62および第3発光蛍光体63を黄色蛍光体で形成する場合には、発光効率を一層高めるためには、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体が望ましい。青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、有機蛍光体では、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体では、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。このなかでも長時間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、YAG系蛍光体が特に好ましい。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、YAGとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0032】
また、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、(La,Ce)(P,Si)O4や、(Zn,Mg)Oなどの蛍光体を挙げることができる。また、付活剤としては、例えば、テルビウム、亜鉛などを挙げることができる。
【0033】
第1の実施の形態によれば、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る半導体発光装置10に適用される筐体50の模式的鳥瞰構造は、図4に示すように表される。また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置10に適用される透光性基板80の模式的断面構造は、図5(a)に示すように表され、図4に示される筐体50に図5(a)の透光性基板80を組み合わせた構成は、図5(b)に示すように表される。また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置10の模式的平面パターン構成は、図6に示すように表される。
【0035】
図4〜図6において、半導体発光装置10から発光される光が出射される方向がZ軸方向であり、Z軸に垂直な平面方向はX−Y軸で表される。
【0036】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置10は、図2に示される第1の実施の形態と同様に、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された筐体50と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、筐体50で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止する透光性樹脂層60とを備える。ここで、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上には、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板80が着脱交換可能である。
【0037】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置10において、着脱交換可能な透光性基板80は、図5(a)に示すように、発光蛍光体64を含む蛍光体層70を備える。
【0038】
ここで、蛍光体層70は、発光蛍光体64を透光性樹脂中に混合分散して形成される。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂を適用可能である。
【0039】
蛍光体層70に含まれる発光蛍光体64の含有量は、半導体発光素子3や発光蛍光体の種類などから適宜決定すればよいが、一般にその含有量は、溶融剤である透光性樹脂に対して1〜25wt%の範囲が望ましい。
【0040】
また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置10において、筐体50は、図4に示すように、半導体発光素子3からの出射光の出射方向(Z軸方向)の一側面に、Y軸方向に長いガイド部100を備え、ガイド部100に対して透光性基板80の嵌合部200が嵌合して、透光性基板80が着脱交換可能になされている。ここで、透光性基板80と、筐体50および透光性樹脂層60との結合状態においては、ガイド部100と嵌合部200が嵌合すると共に、透光性樹脂層60の上面60bと、透光性基板80の底面80bが接触する。
【0041】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、図6に示すように、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上に、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板801、802、803を、着脱可能な部品として、交換可能であるため、様々な色見本のバリエーションを選択可能である。例えば、図6に示す例において、透光性基板801上に配置された蛍光体層701と、透光性基板802上に配置された蛍光体層702と、透光性基板803上に配置された蛍光体層703によって、それぞれBGRの3色の光を出射可能である。すなわち、例えば、ユーザの指で選択して、3色の透光性基板801・802・803が筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上をY軸方向に、動くようになされていても良い。
【0042】
また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、複数の透光性基板80上にそれぞれ配置される蛍光体層70をある一定の周期で配置しても良い。
【0043】
また、第2の実施の形態においては、透光性基板80上に配置される蛍光体層70に含まれる発光蛍光体としては、第1の実施の形態と同様に、複数存在していても良い。また、適用される発光蛍光体の種類は、第1の実施の形態と同様の発光蛍光体が適用可能である。
【0044】
第2の実施の形態によれば、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0045】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る半導体発光装置10に適用される筐体50の模式的鳥瞰構造は、図7に示すように表される。また、第3の実施の形態に係る半導体発光装置10に適用される透光性基板80の模式的鳥瞰構造は、図8に示すように表される。
【0046】
図7〜図8において、半導体発光装置10から発光される光が出射される方向がZ軸方向であり、Z軸に垂直な平面方向はX−Y軸で表される。
【0047】
第3の実施の形態に係る半導体発光装置10は、図2に示される第1の実施の形態と同様に、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された筐体50と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、筐体50で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止する透光性樹脂層60とを備える。ここで、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上には、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板80が着脱交換可能である。
【0048】
第3の実施の形態に係る半導体発光装置10において、着脱交換可能な透光性基板80は、図8に示すように、発光蛍光体64を含む蛍光体層70を備える。
【0049】
また、第3の実施の形態に係る半導体発光装置10において、筐体50は、図7に示すように、半導体発光素子3からの出射光の出射方向(Z軸方向)の一側面に、Y軸方向に長いガイド部100を備え、ガイド部100に対して透光性基板80の嵌合部200が嵌合して、透光性基板80が着脱交換可能になされている。ここで、透光性基板80と、筐体50および透光性樹脂層60との結合状態においては、ガイド部100と嵌合部200が嵌合すると共に、透光性樹脂層60の上面60bと、透光性基板80の底面80bが接触する。
【0050】
また、第3の実施の形態に係る半導体発光装置10において、筐体50は、図7に示すように、透光性基板80が筐体50の一側面に接合する接合面にガイド部100によって接合案内される被接合部50aを備える。ここで、被接合部50aは、筐体50のテーパ状内壁面で表される。
【0051】
また、第3の実施の形態に係る半導体発光装置10において、透光性基板80は、図8に示すように、透光性基板80が筐体50の一側面に接合する接合面にガイド部100によって案内される被案内部80aを備える。ここで、被案内部80aは、透光性基板80のテーパ状側面で表される。
【0052】
第3の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、図6に示される第2の実施の形態と同様に、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上に、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板801、802、803を、着脱可能な部品として、交換可能であるため、様々な色見本のバリエーションを選択可能である。例えば、透光性基板801上に配置された蛍光体層701と、透光性基板802上に配置された蛍光体層702と、透光性基板803上に配置された蛍光体層703によって、それぞれBGRの3色の光を出射可能である。すなわち、例えば、ユーザの指で選択して、3色の透光性基板801・802・803が筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上をY軸方向に、動くようになされていても良い。
【0053】
また、第3の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、透光性基板80を複数配置し、複数の透光性基板80上にそれぞれ配置された蛍光体層70をある一定の周期で配置しても良い。
【0054】
また、第3の実施の形態においては、透光性基板80上に配置される蛍光体層70に含まれる発光蛍光体としては、第1の実施の形態と同様に、複数存在していても良い。また、適用される発光蛍光体の種類は、第1の実施の形態と同様の発光蛍光体が適用可能である。
【0055】
第3の実施の形態によれば、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0056】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る半導体発光装置10の模式的平面パターン構成は、図9に示すように表される。
【0057】
第4の実施の形態に係る半導体発光装置10は、図2に示される第1の実施の形態と同様に、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された筐体50と、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、筐体50で囲まれた内部に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止する透光性樹脂層60とを備える。ここで、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上には、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板80〜89が、ダイヤル式電話のダイヤルのように着脱交換可能である。その他の構成は、第2〜第3の実施の形態と同様に構成可能であるため、重複説明は省略する。
【0058】
第4の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、図9に示すように、筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上に、半導体発光素子3から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板80〜89を、着脱可能な部品として、交換可能であるため、様々な色見本のバリエーションを選択可能である。例えば、図9に示す例において、透光性基板80〜89上に配置された蛍光体層によって、それぞれBGRの3色の光のみならず、様々なグラデーションの光を出射可能である。すなわち、例えば、ユーザの指で選択して、透光性基板80〜89が筐体50で囲まれた透光性樹脂層60上を矢印Cで示される回転方向に、動くようになされていても良い。
【0059】
また、第4の実施の形態に係る半導体発光装置10においては、透光性基板80〜89上にそれぞれ配置された蛍光体層70の発光蛍光体をある一定の周期で配置しても良い。
【0060】
また、第4の実施の形態においては、透光性基板80〜89上に配置される蛍光体層70に含まれる発光蛍光体としては、第1の実施の形態と同様に、複数存在していても良い。また、適用される発光蛍光体の種類は、第1の実施の形態と同様の発光蛍光体が適用可能である。
【0061】
第4の実施の形態によれば、半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0062】
本発明によれば、半導体発光素子からの光の波長変換機能を有し、着脱交換可能な透光性基板を切り替えて発光色を切り替え、発光色の色斑を改善可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0063】
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0064】
また、半導体発光素子3のLEDの構成として、例えば、1パッケージ中に「青色LED+緑色LED+赤色LED」を収容して白色LEDを構成することもできる。このようなマルチチップの例として、「赤外LED+青色LED」のマルチチップで、青色光励起によって黄色光を発光する蛍光体を組み合わせることもできる。黄色蛍光体は、赤外光による影響を受けないため、小型化可能であり、占有スペースを小さくすることができ、小さなスペースに実装可能である。
【0065】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の半導体発光装置は、一般照明、道路照明、タスク照明、アクセント照明、階段灯、フラッシュライト、誘導灯、交通信号灯、自動車電装用、自動車前照灯、大型液晶バックライト、ゲーム機、色見本、玩具などLED照明装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…チップ基板
2a、2k…端子電極
3…半導体発光素子
4…ボンディングワイヤ
5…反射ケース
6、70…蛍光体層
8、80〜89、80、801、802、803…透光性基板
10、10a…半導体発光装置
50…筐体
50a…被接合部(LED筐体のテーパ状内壁面)
60、701、702、703…透光性樹脂層
60b…透光性樹脂層60の上面
61、62、63、64…発光蛍光体
80a…被案内部(透光性基板80のテーパ状側面)
80b…透光性基板80の底面
100…ガイド部
200…嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ基板と、
前記チップ基板上に配置された第1端子電極および第2端子電極と、
前記チップ基板の上面外縁を囲むように配置された筐体と、
前記第1端子電極上に配置された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と第2端子電極を接続するボンディングワイヤと、
前記筐体で囲まれた内部に配置され、前記第1端子電極および前記第2端子電極と、前記半導体発光素子と、前記ボンディングワイヤを封止する透光性樹脂層と
を備え、
前記筐体で囲まれた前記透光性樹脂層上には、前記半導体発光素子から発光される光の波長変換機能を有する透光性基板が着脱交換可能であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記透光性基板は、発光蛍光体を塗布したことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記透光性基板は、発光蛍光体を含む蛍光体層を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記半導体発光素子からの出射光の出射方向の一側面に、一方向に長いガイド部を備え、前記ガイド部に対して前記透光性基板が着脱交換可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記透光性基板が前記筐体の一側面に接合する接合面に前記ガイド部によって接合案内される被接合部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記透光性基板は、前記透光性基板が前記筐体の一側面に接合する接合面に前記ガイド部によって案内される被案内部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記半導体発光素子は、窒化物系半導体により形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−38363(P2013−38363A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175716(P2011−175716)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】