説明

半導体発光装置

【課題】基板の一面に対して複数の発光素子を一方向に沿って各発光素子が平行となるよう積層することができる構成を具備する半導体発光装置を提供する。
【解決手段】基板2の一面2fから高さ方向Zに沿って起立するよう設けられた、発光素子13より下層に位置する発光素子11、12において、向かい合う少なくとも2つの側面11a、11b、12a、12bに対向する支持部材5を具備し、支持部材5に、最下層の発光素子11よりも上層に位置する発光素子12、13が載置される発光素子11に平行な支持部5a、5bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面に対し、複数の発光素子が一方向に積層された半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光装置において、複数の発光素子が基板の一面に対し一方向に沿って積層された構成は周知であり、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、電気基板の一面に1段目の透明な発光素子が実装され、該1段目の発光素子上に透明樹脂を介して1段目の発光素子と同じ大きさの2段目の透明な発光素子が積層され、該2段目の発光素子上に透明樹脂を介して1段目及び2段目の発光素子と同じ大きさの3段目の透明な発光素子が積層され、各発光素子のボンディングパッドが電気基板の電極にボンディングワイヤを介してそれぞれ電気的に接続された構成が開示されている。
【0004】
尚、このような構成においては、1段目の発光素子から発光された光は、2段目及び3段目の発光素子を透過して被検体に照射され、2段目の発光素子から発光された光は、3段目の発光素子を透過して被検体に照射され、3段目の発光素子から発光された光は、直接被検体に照射されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−130777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された複数の発光素子を一方向に沿って積層する構成においては、各発光素子から発光された光が散乱してしまうのを防ぐため、透明樹脂を介して各発光素子がそれぞれ平行となるよう積層する必要がある。尚、各発光素子から発光された光が散乱してしまうと、輝度が低下してしまう他、色ムラが発生してしまう等の発光特性の低下の原因となる。
【0007】
しかしながら、各発光素子の電気基板と反対側の面には、ボンディングパッド等が設けられているため、平坦な形状を有していないことから、透明樹脂を用いたとしても各発光素子がそれぞれ平行となるよう積層することが難しい、言い換えれば、各発光素子の平行を維持した状態で透明樹脂を硬化させることが難しいといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、基板の一面に対して複数の発光素子を一方向に沿って各発光素子が平行となるよう積層することができる構成を具備する半導体発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の一態様による半導体発光装置は、基板の一面に対し、複数の発光素子が一方向に積層された半導体発光装置であって、前記基板の前記一面から前記一方向に沿って起立するよう設けられた、前記各発光素子の内、少なくとも最上層の前記発光素子より下層に位置する前記各発光素子において、向かい合う少なくとも2つの側面に対向する支持部材を具備し、前記支持部材に、前記各発光素子の内、前記基板に実装された最下層の前記発光素子よりも上層に位置する前記各発光素子が載置される前記最下層の前記発光素子に平行な支持部が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板の一面に対して複数の発光素子を一方向に沿って各発光素子が平行となるよう積層することができる構成を具備する半導体発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施の形態の半導体発光装置の平面図
【図2】図1中のII-II線に沿う半導体発光装置の断面図
【図3】図1の支持部材の支持部をレール状に形成した例を示す半導体発光装置の平面図
【図4】図1の支持部材の支持部を発光素子の底面の4隅を支持する形状に形成した例を示す半導体発光装置の平面図
【図5】第2実施の形態の半導体発光装置の平面図
【図6】図5中のVI-VI線に沿う半導体発光装置の断面図
【図7】第3実施の形態の半導体発光装置の平面図
【図8】図7中のVIII-VIII線に沿う半導体発光装置の断面図
【図9】図7中IX-IX線に沿う半導体発光装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、それぞれの部材の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態の半導体発光装置の平面図、図2は、図1中のII-II線に沿う半導体発光装置の断面図、図3は、図1の支持部材の支持部をレール状に形成した例を示す半導体発光装置の平面図、図4は、図1の支持部材の支持部を発光素子の底面の4隅を支持する形状に形成した例を示す半導体発光装置の平面図である。
【0014】
図1、図2に示すように、半導体発光装置1は、基板2を具備しており、基板2の一面である面2fには、矩形状の複数の同じ大きさに形成された発光素子11、12、13が、一方向である高さ方向Zに沿って積層されている。
【0015】
具体的には、面2fには、最下層の発光素子11が接着等によって実装されており、発光素子11の高さ方向Zの上層には、透明樹脂7を介して発光素子12が発光素子11に平行に位置しており、発光素子12の高さ方向Zの上層には、透明樹脂7を介して最上層の発光素子13が発光素子11、12に平行に位置している。
【0016】
尚、面2fに発光素子11を接着する接着剤としては、銀ペースト(ナノ粒子でも可)等の光の反射効率の良い樹脂が挙げられる。また、透明樹脂7としては、熱硬化型の樹脂や、UV硬化型の樹脂や、UV熱併用硬化型の樹脂等が挙げられ、その材質としては、エポキシ系、アクリル系等が挙げられる。さらに、樹脂7が透明なのは、発光素子11、12から発光された光を、高さ方向Zの上方に照射するため、光を通過させる必要があるためである。
【0017】
ここで、発光素子11〜13が平行となるよう高さ方向Zに沿って積層される具体的な構成を説明する。
【0018】
図2に示すように、基板2の面2fに対し、発光素子11、12の向かい合う2つの側面11a、11b、12a、12bに対向する2本の支持部材5が、面2fから高さ方向Zに沿って起立するよう、接着等によって設けられている。尚、支持部材5を構成する材質としては、樹脂(エポキシ、アクリル、ガラス、プラスチック等)または金属(銅、アルミ、真鍮等)が挙げられる。
【0019】
また、面2fに2本の支持部材5を接着する接着剤としては、UV硬化型樹脂またはUV熱併用硬化型の樹脂等が挙げられ、その材質としては、エポキシ系、アクリル系等が挙げられる。
【0020】
尚、図2においては、側面11a、11b、12a、12bと2本の支持部材5との間に間隙9が形成されている図となっているが、間隙9は無くても構わない。即ち、2本の支持部材5が側面11a、11b、12a、12bに接触していても構わない。
【0021】
2本の支持部材5は、高さ方向Zにおける頂部に、方向Yにおいて発光素子11と平行となるよう内側に所定の長さWだけ突出する支持部5aを有しているとともに、高さ方向Zにおける頂部と面2fとの間にも、方向Yにおいて発光素子11と平行となるよう内側に所定の長さWだけ突出する支持部5bを有している。
【0022】
尚、一方の支持部材5に形成された支持部5a、5bと他方の支持部材5に形成された支持部5a、5bとは、面2fから高さ方向Zにおいて同じ高さに位置していることから、支持部5a同士及び支持部5b同士は、方向Yにおいて対向している。
【0023】
支持部5bは、発光素子12の底面12tの一部が載置されるものであり、支持部5aは、発光素子13の底面の一部が載置されるものである。
【0024】
尚、支持部5aは、図3に示すように、発光素子13の方向Xの幅と同じか小さい幅に方向Xに沿ってレール状に形成されている。また、支持部5aが、発光素子13の方向Xの幅と同じ幅に形成されている場合、支持部5a、5bは、各発光素子11〜13の位置決めに利用される。
【0025】
また、支持部5aは、方向Xに沿ってレール状に形成されていることにより、発光素子13の底面13tにおける側面13a、13bの縁部近傍が載置される構成であっても構わないし、図4に示すように、発光素子13の底面13tにおける4隅が載置される4つに点在する構成であっても構わない。また、このことは、支持部5bであっても同様である。さらに、支持部5a、5bの形状は、図3、図4に示した形状に限定されない。
【0026】
以上から、面2fに発光素子11が実装され、支持部材5の支持部5bに発光素子12の底面12tが載置され、支持部材5の支持部5aに発光素子13の底面13tが載置されることにより、発光素子11〜13が平行となるよう高さ方向Zに沿って積層されている。
【0027】
尚、図1に示すように、発光素子11のp側電極(図示されず)は、ワイヤ21を用いたワイヤボンディングによって、面2fに形成された電極3aに電気的に接続され、発光素子12のp側電極(図示されず)も、ワイヤ22を用いたワイヤボンディングによって、面2fに形成された電極3bに電気的に接続され、発光素子13のp側電極13pも、ワイヤ23を用いたワイヤボンディングによって、面2fに形成された電極3cに電気的に接続されている。
【0028】
また、各発光素子11、12、13のn側電極11n、12n、13nは、ワイヤ25a〜25cを用いたワイヤボンディングによって、面2fに形成された共通電極4に電気的に接続されている。
【0029】
尚、面2f上において、電極3a〜3cは、積層された発光素子11〜13において、側面11a〜13a、11b〜13bとは90°異なる側面11c〜13c(側面11c、12cは図示されず)に対向するよう位置しており、共通電極4は、積層された発光素子11〜13において、側面11a〜13a、11b〜13bとは90°異なるとともに、側面11c〜13cに対向する側面11d〜13d(側面11d、12dは図示されず)に対向するよう位置している。
【0030】
即ち、電極3a〜3c及び共通電極4は、2本の支持部材5とは90°異なる側に位置している。これは、電極3a〜3c及び共通電極4が、2本の支持部材5と同じ側に位置していると、2本の支持部材5がワイヤボンディングの際の妨げになるためである。
【0031】
次に、このような構成を有する半導体発光装置1の製造工程を簡単に説明する。
先ず、基板2の面2fに、発光素子11を接着固定し、発光素子11のp側電極を、ワイヤ21を介して電極3aにワイヤボンディングするとともに、n側電極を、ワイヤ25aを介して共通電極4にワイヤボンディングする。
【0032】
次いで、面2fにおける上述した位置に、2本の支持部材5を接着固定する。その後、発光素子11の上面に透明樹脂7をディスペンサやインクジェット等によって塗布し、発光素子12を、Y方向における2本の支持部材5間において、高さ方向Zにおける支持部5aと支持部5bとの間にX方向からスライド嵌入させ、底面12tを支持部5bに載置し、透明樹脂7を硬化させる。
【0033】
また、透明樹脂7の硬化後、発光素子12のp側電極を、ワイヤ22を介して電極3bにワイヤボンディングするとともに、n側電極を、ワイヤ25bを介して共通電極4にワイヤボンディングする。
【0034】
次いで、発光素子12上に上述と同様の手法により透明樹脂7を塗布し、発光素子13を高さ方向Zの上方から降下させて、支持部5bに載置する。透明樹脂7を硬化させた後、発光素子13のp側電極13pを、ワイヤ23を介して電極3cにワイヤボンディングするとともに、n側電極13nを、ワイヤ25cを介して共通電極4にワイヤボンディングする。このようにして、半導体発光装置1は製造される。
【0035】
このように、本実施の形態においては、透明樹脂7を介して、発光素子11〜13を基板2の面2f上に高さ方向Zに沿って積層する半導体発光装置1の構成において、基板2の面2fに固定された発光素子11に平行な2本の支持部材5が用いられて、各発光素子11〜13が平行となるように高さ方向Zに沿って積層されていると示した。
【0036】
このことによれば、2本の支持部材5の支持部5a、5bにより、各発光素子11〜13は、確実に平行に位置することから、各発光素子11〜13から発光された光が散乱してしまうことがないため、輝度が低下してしまう他、色ムラが発生してしまう等の発光特性の低下してしまうことがない。即ち、各発光素子11〜13から光が効率良く出射される。
【0037】
以上から、基板2の面2fに対して複数の発光素子11〜13を高さ方向Zに沿って各発光素子11〜13が平行となるよう積層することができる構成を具備する半導体発光装置1を提供することができる。
【0038】
(第2実施の形態)
図5は、本実施の形態の半導体発光装置の平面図、図6は、図5中のVI-VI線に沿う半導体発光装置の断面図である。
【0039】
この第2実施の形態の半導体発光装置の構成は、上述した図1〜図4に示した第1実施の形態の半導体発光装置と比して、2つの支持部材が、最上層の発光素子の側面に対向する長さに形成されている点と、2本の支持部材と各発光素子の側面との間に、接着剤が注入されている点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
図5、図6に示すように、本実施の形態においては、2本の支持部材5は、最上層に位置する発光素子13の向かい合う側面13a、13bに対向する長さ、具体的には、2本の支持部材5の高さ方向Zの頂部が、発光素子13の上面と同じ高さとなる長さに形成されている。尚、2つの支持部材5は、発光素子13の上面よりも高さ方向Zの上方に突出する長さに形成されていても構わない。
【0041】
また、本実施の形態においては、支持部材5の方向Yにおける厚みY2は、第1実施の形態における支持部材5の方向Yにおける厚みY1よりも厚く形成されている(Y2>Y1)。これは、支持部材5からの後述する放熱効果を向上させるためである。
【0042】
さらに、本実施の形態においては、各発光素子11〜13の側面11a〜13a、11b〜13bと2本の支持部材5との間の間隙9に、放熱用の接着剤30が注入されている。尚、接着剤30としては、金属フィラー入りのエポキシ系樹脂や、アクリル系樹脂、プラスチック系樹脂等の高熱伝導性樹脂が挙げられる。
【0043】
接着剤30は、発光素子11〜13の発光に伴って発光素子11〜13から発生した熱を、2本の支持部材5へと伝熱させる機能を有している。よって、2本の支持部材5は、発光素子11〜13から伝熱された熱を放熱する放熱性を有する材料、具体的には、アルミ、銅、真鍮等の金属や、高熱伝導性樹脂等から構成されていることが好ましい。
【0044】
尚、図示しないが、より放熱性を向上させるため、基板2の裏面に、放熱用の金属板が設けられていても構わない。また、放熱用の金属板には、基板2を高さ方向Zに貫通した2本の支持部材5が直接接続されていても構わない。また、その他の構成は、第1実施の形態と同じである。
【0045】
このような構成によれば、2本の支持部材5は、最上層の発光素子13の側面13a、13bに対向する長さに形成されていることから、発光素子13をも確実に支持できるため、第1実施の形態よりも発光素子13が傾き難くなるといった利点がある。
【0046】
また、発光素子11〜13の熱を、発光素子11〜13の側面11a〜13a、11b〜13bから接着剤30を介して2本の支持部材5より放熱することができるため、発光素子11〜13の放熱効率が良くなり、更なる輝度の向上を図ることができるとともに、発光素子11〜13の高寿命化を実現することができる。
【0047】
よって、第1実施の形態の半導体発光装置1の構成においても、間隙9に接着剤30を注入することにより、2本の支持部材5から放熱を行うようにしても良い。尚、その他の効果は、第1実施の形態と同様である。
【0048】
(第3実施の形態)
図7は、本実施の形態の半導体発光装置の平面図、図8は、図7中のVIII-VIII線に沿う半導体発光装置の断面図、図9は、図7中IX-IX線に沿う半導体発光装置の断面図である。尚、図8、図9は、図面を分かりやすくするため、簡略化して示している。
【0049】
この第3実施の形態の半導体発光装置の構成は、上述した図1〜図4に示した第1実施の形態の半導体発光装置、図5、図6に示した第2実施の形態の半導体発光装置と比して、複数の発光素子のp側電極及びn側電極を基板の電極に対して、複数の発光素子の側面に設けられた側面配線を用いて電気的に接続する点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1、第2実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
図8、図9に示すように、本実施の形態の半導体発光装置においては、発光素子11のp側電極11pと電極3aとの電気的な接続、発光素子12のp側電極12pと電極3bとの電気的な接続、発光素子13のp側電極13pと電極3cとの電気的な接続、発光素子11〜13のn側電極11n〜13nと共通電極4との電気的な接続は、ワイヤを用いずに、導体から構成された側面配線51〜53、55を用いて行う構成を有している。
【0051】
具体的には、図7、図8に示すように、発光素子11のp側電極11pと電極3aとは、発光素子11〜13の2つの支持部材に対向する側面11a〜13a、11b〜13bとは異なる側面、具体的には、側面11c〜13cにおいて形成された側面配線51によって電気的に接続されているとともに、発光素子12のp側電極12pと電極3bとは、側面11c〜13cにおいて形成された側面配線52によって電気的に接続されており、さらに、発光素子13のp側電極13pと電極3cとは、側面11c〜13cにおいて形成された側面配線53によって電気的に接続されている。
【0052】
また、図7、図9に示すように、発光素子11〜13のn側電極11n〜13nと共通電極4とは、発光素子11〜13の2つの支持部材に対向する側面11a〜13a、11b〜13bとは異なる側面、具体的には、側面11d〜13dにおいて形成された側面配線55によって電気的に接続されている。
【0053】
尚、側面配線51〜53、55は、例えばインクジェットによって、発光素子11〜13の側面11c〜13c、11d〜13dに形成されている。また、図示しないが、側面配線51〜53、55は、絶縁体によって覆われている。
【0054】
また、電極3a〜3c、共通電極4に対する側面配線51〜53、55の接続部を機械的、物理的、環境的の保護するため、アンダーフィルが設けられていても構わない。
【0055】
さらに、図7〜図9に示すように、各発光素子11〜13の側面11c〜13c、11d〜13d、2つの支持部材5は、放熱板41によって周状に覆われている。また、放熱板41と発光素子11〜13の側面11c〜13c、11d〜13dとの間、2つの支持部材5と発光素子11〜13の側面11a〜13a、11b〜13bとの間には、放熱用の接着剤30が注入されている。尚、その他の構成は、上述した第1、第2実施の形態と同様である。
【0056】
このような構成によれば、各発光素子11〜13と電極3a〜3c、共通電極4との電気的な接続に、ワイヤを用いる必要が無くなることから、ワイヤボンディングによって、ワイヤに引っ張られて発光素子11〜13が傾いてしまうことを防ぐことができる他、発光素子11〜13の全周囲に放熱板を配設することができることから、上述した第1〜第3実施の形態よりもさらに放熱性が向上するため、更なる輝度の向上を図ることができるとともに、発光素子11〜13の高寿命化を実現することができる。
【0057】
また、側面配線51〜53、55を用いるため、ワイヤを用いた接続のように、発光素子11〜13の上面で接続する必要がなくなることから、半導体発光装置1の実装高さを、上述した第1、第2実施の形態よりも低くすることができる。尚、その他の効果は、上述した第1、第2実施の形態と同様である。
【0058】
尚、以下、変形例を示す。上述した本実施の形態においては、2つの支持部材5の他、側面配線51〜53、55を形成したが、側面配線51〜53、55自体が支持部材を兼ねていても構わないことは勿論である。
【0059】
また、側面配線51〜53、55は、2つの支持部材5が対向する発光素子11〜13の側面11a〜13a、11b〜13bとは異なる側面11c〜13c、11d〜13dに設けると示したが、これに限らず、側面11a〜13a、11b〜13bに設けても構わないことは云うまでもない。
【0060】
また、上述した第1〜第3実施の形態においては、基板2の面2f上に、3つの発光素子11〜13を高さ方向Zに沿って積層する場合を例に挙げて示したが、発光素子の個数は、3つに限定されないことは云うまでもない。
【0061】
さらに、2つの支持部材5は、発光素子11〜13の向かい合う2つの側面11a〜13a、11b〜13bに対向する位置に設けると示したが、これに限らず、例えば図7〜図9に示す構成を用いれば、発光素子11〜13の向かい合う2つの側面11c〜13c、11d〜13dに対向する位置にさらに設けても構わない。即ち、4つ設けても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1…半導体発光装置
2…基板
2f…基板の一面
5…支持部材
5a…支持部
5b…支持部
9…間隙
11…最下層の発光素子
11a−11d…側面
12…発光素子
12a−12d…側面
13…最上層の発光素子
13a−13d…側面
30…接着剤
51…側面配線
52…側面配線
53…側面配線
55…側面配線
Z…高さ方向(一方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面に対し、複数の発光素子が一方向に積層された半導体発光装置であって、
前記基板の前記一面から前記一方向に沿って起立するよう設けられた、前記各発光素子の内、少なくとも最上層の前記発光素子より下層に位置する前記各発光素子において、向かい合う少なくとも2つの側面に対向する支持部材を具備し、
前記支持部材に、前記各発光素子の内、前記基板に実装された最下層の前記発光素子よりも上層に位置する前記各発光素子が載置される前記最下層の前記発光素子に平行な支持部が形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記支持部材は、さらに最上層の前記発光素子の向かい合う少なくとも2つの側面に対向することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記支持部材と該支持部材が対向する前記発光素子の前記側面との間に間隙が形成されており、
前記間隙に前記発光素子の熱を前記支持部材へと伝熱させる接着剤が注入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記複数の発光素子から伝熱された熱を放熱する放熱性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記各発光素子は、ワイヤボンディングにより、前記基板と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記各発光素子は、該各発光素子の前記支持部材が対向する前記側面または該側面とは異なる側面における側面配線により、前記基板と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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