説明

半導体装置の製造方法及びアンダーフィル形成用の樹脂充填用治具

【課題】アンダーフィルの形成に要する時間を短縮する。
【解決手段】半導体チップ1を配線基板2の実装面に、半導体チップと実装面との間に間隙5が形成されるように実装し、樹脂供給手段6によって間隙の近傍に樹脂7を供給し、供給された樹脂を毛細管力によって少なくとも間隙に充填する。樹脂供給手段は液溜部6aと管部6bとを備えている。樹脂供給手段の液溜部に、少なくとも間隙を充填するのに必要な全量の樹脂を一度に供給し、間隙の近傍に管部の開口6cを位置させ、管部の開口から樹脂を吐出させ、吐出した樹脂を毛細管力によって間隙に充填する。単位時間当たりに毛細管力によって間隙5に充填される樹脂の量をQ1,単位時間当たりに重力作用によって樹脂供給手段から供給される樹脂の量をQ2としたときに、Q1≧Q2の関係が成立するように、樹脂が連続的に吐出させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及びアンダーフィル形成用の樹脂充填用治具に関し、特にフリップチップ実装で設けられる使用されるアンダーフィルの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体チップを配線基板に実装する方法としてフリップチップ実装が知られている。この実装方法によれば、半導体チップの一方の面に突起状の電極バンプが多数設けられ、配線基板の対応する位置に電極パッドが形成される。半導体チップは、電極バンプと電極パッドとが対向し、当接するように配線基板に対して位置決めされる。電極バンプと電極パッドは、導電性の接着剤ないしは電極バンプの溶融によって物理的及び電気的に接続される。このような実装方法によれば、従来のワイヤボンディングと比べて短時間での半導体チップの実装が可能である。
【0003】
フリップチップ実装では電極バンプの頂部と電極パッドとが接触するため、半導体チップと配線基板との間に間隙が生じる。半導体チップと配線基板とは熱膨張係数が異なるため、温度変化が長い時間加わると電極バンプにストレスがかかりクラックが発生するおそれがある。クラックが進行すると電極バンプと電極パッドとの接続不良が起こるおそれがある。そのため、このストレスを緩和する目的で、半導体チップと配線基板との間隙にはエポキシ樹脂等の樹脂が充填される。このような樹脂をアンダーフィルという。樹脂の充填方法としては、間隙の近傍に樹脂供給用のノズルをセットし、ノズルから供給される樹脂を、毛細管力を用いて間隙に充填する方法が知られている(特許文献1)。樹脂の定量には一般にディスペンサーが用いられ、ディスペンサーで計量された所定量の樹脂がノズルから供給される。
【0004】
しかし、単位時間当たりに間隙に充填できる樹脂の量には限界があるため、一度に多量の樹脂を供給すると一部の樹脂が充填されないまま、間隙の外部に残留するおそれがある。特に粘性の高い樹脂ではこのような傾向が高い。このため、確実に間隙の内部に吸い込まれるだけの量の樹脂を供給し、樹脂が吸い込まれるのを待って、2回目の供給を行う方法が一般的に採用されている。
【0005】
図6には、従来技術によるアンダーフィルの形成方法を示している。図6(a)に示すように、半導体チップ1を配線基板2にフリップチップ実装し、図6(b)に示すように、ディスペンサー等の公知の手段で間隙5の付近に樹脂7を供給する(矢印が樹脂の供給を示す。)。一度に大量の樹脂を供給すると上述の問題が生じるため、樹脂7は少量ずつ供給される。樹脂7は図6(c)に示すように毛細管力で間隙5に充填されるが、少量しか供給されないため間隙5の一部にしか充填されない。そこで図6(b)の工程を再度または数回繰り返す。これによって、図6(d)に示すように、間隙が樹脂7で完全に充填され、半導体チップの側方も樹脂7で覆われた状態が得られる。最後に樹脂7を加熱することで、アンダーフィル11が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−63516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、樹脂は毛細管力によって間隙内に徐々に充填されていくが、一度に多量の樹脂を供給すると樹脂の過剰供給の状態が生じ、良好なアンダーフィルの形成は困難である。そこで、良好なアンダーフィルを形成するために、樹脂を数回に分けて供給しているが、このことは作業効率の悪化につながる。
【0008】
本発明は、半導体チップと実装面との間に間隙が形成されるように半導体チップを配線基板に実装した後、アンダーフィルを形成することを含む半導体装置の製造方法において、アンダーフィルの形成に要する時間を短縮することを目的とする。本発明はまた、このような製造方法に適用されるアンダーフィル形成用の樹脂充填用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体チップを配線基板の実装面に、半導体チップと実装面との間に間隙が形成されるように実装することと、樹脂供給手段によって間隙の近傍に樹脂を供給し、供給された樹脂を毛細管力によって少なくとも間隙に充填することと、を有している。樹脂供給手段は液溜部と管部とを備え、液溜部の下端と管部の上端とが樹脂が流通可能に接続され、管部の下端に開口を有している。樹脂を充填することは、樹脂供給手段の液溜部に、少なくとも間隙を充填するのに必要な全量の樹脂を一度に供給することと、間隙の近傍に管部の開口を位置させることと、管部の開口から樹脂を吐出させ、吐出した樹脂を毛細管力によって間隙に充填することと、を有している。本発明の一態様によれば、単位時間当たりに毛細管力によって間隙に充填される樹脂の量をQ1,単位時間当たりに重力作用によって樹脂供給手段から供給される樹脂の量をQ2としたときに、Q1≧Q2の関係が成立するように、管部の開口から樹脂が連続的に吐出させられる。
【0010】
樹脂はQ1≧Q2の関係が成立するように間隙に供給される。これは、樹脂の充填量に対して、樹脂が過剰に供給されないことを意味し、供給された樹脂は直ちに間隙内に吸い込まれる。従って、従来のように滞留した樹脂が吸い込まれるのを待って充填工程を繰り返す必要がなく、全量の樹脂を樹脂供給手段に一度に供給することができるので短時間で充填を終了させることが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様によれば、樹脂が間隙に充填される間、間隙の外に滞留する樹脂の量が増えないように、管部の開口から樹脂が連続的に吐出させられる。
【0012】
本発明の他の態様によれば、アンダーフィル形成用の樹脂充填用治具は、複数の貫通孔が設けられた板材と、各貫通孔の開口に接続した管部と、を有し、通孔は液溜部として樹脂が充填され、管部は、各貫通孔に充填された樹脂が前記管部の下端に設けられた開口から吐出するようされている。
【発明の効果】
【0013】
樹脂は滞留することなく充填量に見合った量だけが自動的に供給される。樹脂の全量を一度に樹脂供給手段の液溜部に供給するだけで樹脂は自動的に間隙に充填されるため、何度も樹脂の供給を行う必要がなく、充填に要する時間を短縮することができる。このように本発明によれば、アンダーフィルの形成に要する時間を短縮することが可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。本発明は、このような製造方法に適用されるアンダーフィル形成用の樹脂充填用治具を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるアンダーフィルの作成方法を示す概念図である。
【図2】樹脂供給手段の外形図である。
【図3】樹脂の供給量Q2を説明する図である。
【図4】本発明の別の実施形態で用いられる樹脂充填用治具の概念図である。
【図5】実施例で用いた半導体チップ及び樹脂供給手段の断面図である。
【図6】従来技術によるアンダーフィルの作成方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1(a)は、半導体チップを配線基板に実装したときの状態を示す半導体チップと配線基板の断面図である。半導体チップ1の一方の面は回路面1aとなっており、回路面1aには複数の電極バンプ3が形成されている。電極バンプ3は金、銀等の導電性金属またははんだで形成することができる。配線基板2の実装面2aには、銅などの導電性金属からなる複数の電極パッド4が形成されている。対応する電極バンプ3と電極パッド4とが当接するように、半導体チップ1の回路面1aと配線基板2の実装面2aとが対向して位置合わせされる。電極バンプ3を金、銀等の導電性金属で形成する場合、電極パッド4には導電性の接着剤(不図示)が設けられ、接着剤を介して電極バンプ3と電極パッド4とが接合される。電極バンプ3としてはんだを用いた場合、はんだを熱融解させることによって電極バンプ3と電極パッド4とが接合される。電極バンプ3は回路面1aから突出して形成されており、実装後には半導体チップ1の回路面1aと配線基板2の実装面2aとの間に間隙5が形成される。
【0017】
この状態から、間隙5に樹脂7を充填しアンダーフィルを形成する。図1(c)は、アンダーフィルが形成された後の半導体チップと配線基板の断面図である。アンダーフィル11にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。アンダーフィル11は間隙5だけでなく、半導体チップ1の側方にも形成され、これによって回路面1aが保護されるとともに、半導体チップ1が配線基板2に強固に接合される。ただし、本発明では最低限間隙5に樹脂が充填されればよい。
【0018】
樹脂供給手段6の構成について述べる。図1(b)及び図2を参照すると、樹脂供給手段6は、液溜部6aと管部6bとを備えている。液溜部6aの下端と管部6bの上端とが樹脂7が流通可能に接続され、管部6bの下端に開口6cが設けられている。液溜部6aの上端は開放されている。液溜部6aの形状は椀状であるが、その形状はこれに限定されず、円錐形、臼状、円筒形などの任意の形状を採用することができる。管部6bは内部に流路が形成された針部材であり、液溜部6aと一体に形成されている。
【0019】
アンダーフィル11を形成するにはまず、樹脂供給手段6の液溜部6aに、間隙5を充填しかつ半導体チップ1の側方を被覆するのに必要な全量の樹脂7を一度に供給する。具体的には図1(c)に示すアンダーフィル11に相当する量の液状の樹脂7を液溜部6aに供給する。供給方法は特に限定されないが、ディスペンサーを用いて所定の量の樹脂7を供給することが望ましい。
【0020】
次に、図1(b)に示すように、間隙5の近傍に、管部6bの開口6cを位置させる。樹脂7は重力による自然落下で開口6cから吐出し、吐出した樹脂7は間隙5の縁部に接触する。樹脂7は毛細管力によって間隙5に充填されていく。管部6bの開口6cは樹脂7中に潜っているか、または樹脂7の表面と接触していることが望ましい。これによって、樹脂7の連続的な供給が可能となる。管部6bの開口6cからは連続的に樹脂7が吐出し、吐出した樹脂7は直ちに間隙5に充填されていく。ある程度の樹脂7が供給されると間隙5内は樹脂7で充填され、間隙5から流出した樹脂7は半導体チップ1の側面を被覆していく。樹脂7の全量が樹脂供給手段6から吐出し終わると、図1(c)に示すように、間隙5が樹脂7で充填されるとともに、半導体チップ1の側方が樹脂7で覆われる。この状態で加熱することによって、樹脂7が熱硬化しアンダーフィル11が形成される。
【0021】
本実施形態ではまず樹脂7を樹脂供給手段6に供給し、その後に樹脂供給手段6の管部6bを間隙5の近傍にセットしているが、先に樹脂供給手段6の管部6bを間隙5の近傍にセットし、その状態で樹脂供給手段6に樹脂7を供給してもかまわない。
【0022】
本発明では樹脂供給手段6から供給される樹脂7の量の調整が重要である。単位時間当たりに毛細管力によって間隙5に充填される樹脂7の量をQ1,単位時間当たりに重力作用によって樹脂供給手段6から供給される樹脂7の量をQ2とする。このとき、Q1≧Q2の関係が成立するように、樹脂7は管部6bの開口6cから連続的に吐出させられる。
【0023】
Q1は実際に充填される樹脂7の量であり、間隙5の大きさ、樹脂7の粘度、間隙5を構成する半導体チップ1の回路面1a及び配線基板2の実装面2aの表面状態、間隙5の近傍における樹脂7の幅(間隙5と接している樹脂7の長さ)等に依存する。Q1はあらかじめ測定しておくことが望ましい。
【0024】
Q2は図3に示すように、平面9上に重力によって樹脂7が吐出していくときの吐出量に等しい。実際は、樹脂7の間隙5内の部分と間隙5外の部分と管部6b内の部分が連続しているため、樹脂7を間隙5内に吸い込もうとする毛細管力に起因する力が管路内の部分にも及び、Q2よりも多い量が管部6bの開口6cから吐出する。定常状態では樹脂7の供給量と充填量はほぼバランスしており、実際の供給量は充填量Q1に等しい。すなわち、Q1とQ2の差分は、毛細管力に起因する樹脂7を間隙5に吸い込もうとする力によって補償される。Q2はこの毛細管力に起因する吸い込み力の影響が含まれていない仮定的な値である。Q2がQ1と等しい場合は、樹脂7を間隙5に吸い込もうとする力がほとんど生じないと考えられる。
【0025】
Q2の値は、様々なパラメータの関数として決定することができる。パラメータの例として、樹脂7の粘性、管部6bの内径及び長さが挙げられる。樹脂7の粘性は樹脂7の種類の他、樹脂7の温度によっても調整可能である。種々のパラメータの影響をあらかじめ測定しておくことで、Q2の値を高い精度で調整することができる。
【0026】
Q1≧Q2の関係が成立するということは、少なくとも樹脂7が間隙5に充填される間、間隙5の外に滞留する樹脂7の量が増えないということである。樹脂7の量が増えないとは、滞留する樹脂7の量が全く変動しない場合の他、多少の変動はあるが、樹脂7の量の増加が一定値以内に収まる場合も含んでいる。樹脂7が間隙5の外に大量に滞留すると、樹脂7が間隙5に充填されないおそれが生じる。例えば、樹脂7と配線基板2との間には表面張力が働いているため、間隙5から離れた位置にある樹脂7は表面張力によって配線基板2に拘束されたままとなる可能性がある。また、樹脂7は連続的に供給されるため、間隙5の外に滞留している樹脂7が新たに供給された樹脂7によって間隙5から離れる方向に拡散していくことも考えられる。これに対して、上記関係が成立していれば、供給された樹脂7が直ちに間隙5に充填されるため、樹脂7の滞留を防止し、樹脂供給手段6に供給された樹脂7の全量を無駄なくアンダーフィル11の形成に用いることができる。
【0027】
また、樹脂供給手段6内にある樹脂7は間隙5内の樹脂7と連続しているため、樹脂7の充填に伴い重力による吐出作用が弱まっても、毛細管力による吸い込み作用によって、樹脂7は自然に樹脂供給手段6から流れ切る。このため、樹脂供給手段6に供給した全量を効率よく吐出させることができる。
【0028】
以上の方法によれば、樹脂供給手段6にアンダーフィル11の形成に必要な樹脂7の全量を一度に供給すれば、後は重力と毛細管力によって自動的に樹脂7の充填が進行する。従って、途中で樹脂7を再供給する工程が不要となる。
【0029】
別の実施形態によれば、複数個の半導体チップ1が配線基板2の実装面2aに実装され、複数の半導体チップ1のアンダーフィル11を同時にまたは連続して形成することができる。図4はこのような実施形態で用いられるアンダーフィル形成用の樹脂充填用治具8を示している。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は断面図、同図(c)は樹脂を充填中の状態を示す拡大断面図である。樹脂充填用治具8は、複数の貫通孔8bが2次元状に設けられた板材8aと、各貫通孔8bの下側開口8fに接続された管部8cと、を有している。貫通孔8bは前述した液溜部として機能し、樹脂7が充填されるようになっている。管部8cは、前述した管部6bと同様の構成を有し、各貫通孔8bに充填された樹脂7が管部8cの下端に設けられた開口8dから吐出するようされている。貫通孔8bの形状は上述した液溜部6aと同様であり、椀状、円錐形、臼状、円筒形などの任意の形状を採用することができる。
【0030】
樹脂7は、複数の貫通孔8bに供給され、複数の管部8cから吐出させられて、複数の半導体チップ1の間隙5に同時にまたは連続的に充填される。複数の貫通孔8bへの樹脂7の供給は上述のディスペンサーを用いてもよいし、スキージによって同時に行ってもよい。図4(b)に示すように、スキージ10を用いる場合は、板材8aの上面8eに樹脂7を塗布し、スキージ10を上面8eに沿って矢印の方向へ動かすことにより、多数の貫通孔8b(液溜部)に一気に樹脂7を充填することができる。各貫通孔8bは対応する半導体チップ1の大きさや間隙の大きさに応じて、互いに異なる容積を有していてもよい。各貫通孔8bと管部8cを合わせた容積をアンダーフィル11の形成に必要な樹脂量に一致させることで、必要かつ十分な量の樹脂7をスキージ10の走査によって容易に確保することができる。
【0031】
板材8aを用いた樹脂充填用治具8は構造が単純であり、上述した漏斗状の樹脂供給手段6を多数配列するのと比べて、作業の手間も削減できる。
【0032】
(実施例)
平面寸法6mm×5mm、厚さ0.3mmの半導体チップを配線基板にフリップチップ実装し、上述の方法を用いてアンダーフィルを形成した。アンダーフィル形成用の樹脂としてはパナソニック電工製のCV5350ASを用いた。樹脂の温度は40〜50℃の間に設定した。このときの樹脂の粘度は約1Pa・sであった。樹脂供給手段及び間隙の寸法は図5に示す通りとした。約4分で充填が完了し、その後樹脂を加熱硬化させて、図1(c)に示すようなアンダーフィルが得られた。
【符号の説明】
【0033】
1 半導体チップ
1a 回路面
2 配線基板
2a 実装面
3 電極バンプ
4 電極パッド
5 間隙
6 樹脂供給手段
6a 液溜部
6b 管部
6c 開口
7 樹脂
Q1 充填される樹脂の量
Q2 重力作用によって樹脂供給手段から供給される樹脂の量
8 樹脂充填用治具
8a 板材
8b 管部
8c 開口
11 アンダーフィル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを配線基板の実装面に、該半導体チップと該実装面との間に間隙が形成されるように実装することと、
樹脂供給手段によって前記間隙の近傍に樹脂を供給し、供給された前記樹脂を毛細管力によって少なくとも前記間隙に充填することと、を有し、
前記樹脂供給手段は液溜部と管部とを備え、前記液溜部の下端と前記管部の上端とが樹脂が流通可能に接続され、前記管部の下端に開口を有しており、
前記樹脂を充填することは、
前記樹脂供給手段の前記液溜部に、少なくとも前記間隙を充填するのに必要な全量の樹脂を一度に供給することと、
前記間隙の近傍に前記管部の前記開口を位置させることと、
前記管部の前記開口から前記樹脂を吐出させ、吐出した前記樹脂を毛細管力によって前記間隙に充填することと、を有し、
単位時間当たりに毛細管力によって前記間隙に充填される前記樹脂の量をQ1,単位時間当たりに重力作用によって前記樹脂供給手段から供給される前記樹脂の量をQ2としたときに、Q1≧Q2の関係が成立するように、前記管部の前記開口から前記樹脂が連続的に吐出させられる、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体チップを配線基板の実装面に、該半導体チップと該実装面との間に間隙が形成されるように実装することと、
樹脂供給手段によって前記間隙の近傍に樹脂を供給し、供給された前記樹脂を毛細管力によって少なくとも前記間隙に充填することと、を有し、
前記樹脂供給手段は液溜部と管部とを備え、前記液溜部の下端と前記管部の上端とが樹脂が流通可能に接続され、前記管部の下端に開口を有しており、
前記樹脂を充填することは、
前記樹脂供給手段の前記液溜部に、少なくとも前記間隙を充填するのに必要な全量の樹脂を一度に供給することと、
前記間隙の近傍に前記管部の前記開口を位置させることと、
前記管部の前記開口から前記樹脂を吐出させ、吐出した前記樹脂を毛細管力によって前記間隙に充填することと、を有し、
前記樹脂が前記間隙に充填される間、前記間隙の外に滞留する前記樹脂の量が増えないように、前記管部の前記開口から前記樹脂が連続的に吐出させられる、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記半導体チップは、前記配線基板の前記実装面に複数個実装され、
前記樹脂供給手段は、各々が前記液溜部として作用する複数の貫通孔が設けられた板材と、前記各貫通孔の下側開口に接続された前記管部と、を有し、
前記樹脂は、前記複数の貫通孔に供給され、複数の前記管部から吐出させられて、複数の前記半導体チップの前記間隙に同時に充填される、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
複数の貫通孔が設けられた板材と、前記各貫通孔の下側開口に接続した管部と、を有し、
前記貫通孔は液溜部として樹脂が充填され、前記管部は、各貫通孔に充填された前記樹脂が前記管部の下端に設けられた開口から吐出するようにされている、アンダーフィル形成用の樹脂充填用治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−15248(P2012−15248A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148899(P2010−148899)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(500393893)新科實業有限公司 (361)
【氏名又は名称原語表記】SAE Magnetics(H.K.)Ltd.
【住所又は居所原語表記】SAE Technology Centre, 6 Science Park East Avenue, Hong Kong Science Park, Shatin, N.T., Hong Kong
【Fターム(参考)】