半導体装置及びその製造方法
【課題】本発明は、半導体素子上に形成される配線の接続性の歩留まりを向上し、支持板に半導体素子をマウントする際に高精度が要求されない半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置において、支持板と、支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、半導体素子の回路素子面を被覆し、複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、支持板の上部と第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、複数の第1電極と電気的に接続される配線層とを備えることを特徴とする。本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、熱的ストレスによる支持板の反りを軽減して配線の接続性の歩留まりを向上させ、開口形成時に要求される高度な半導体素子のマウント精度が不要となる半導体装置を製造することができる。
【解決手段】半導体装置において、支持板と、支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、半導体素子の回路素子面を被覆し、複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、支持板の上部と第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、複数の第1電極と電気的に接続される配線層とを備えることを特徴とする。本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、熱的ストレスによる支持板の反りを軽減して配線の接続性の歩留まりを向上させ、開口形成時に要求される高度な半導体素子のマウント精度が不要となる半導体装置を製造することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、支持板上に載置された半導体素子を樹脂封止する構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂封止構造を有する半導体装置の製造方法としては、支持板に個片化した半導体素子を載置した後、各半導体素子上と支持板上とに絶縁性樹脂を塗布して絶縁層を形成し、半導体素子の回路面上に形成された電極部上の樹脂を除去して開口部を形成するという方法が用いられてきた。
【0003】
このような従来の半導体装置の製造方法の一例として、特許文献1を示す。特許文献1には、複数の個片化されたダイをベースに接着した後、ベース上の複数のダイ間を絶縁性樹脂等からなる第1材料層によって充填し、複数のダイ上及び第1材料層上に第2の材料層を形成し、複数のダイの電極パッド上の第2材料層を部分的にエッチングして開口を形成する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−167191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような製造方法によると、絶縁性樹脂を塗布する製造工程における熱的ストレスによって、支持板と半導体素子との接着面においてCTE(熱膨張率)の差から支持板の反りが発生し、その後に絶縁性樹脂の上に形成される配線接続部の開口位置精度が低下するという問題があった。また、近年の半導体素子サイズの縮小化に伴い、半導体素子回路面上に電極部を露出する微細な開口を形成するためには、個片化された半導体素子を支持板に載置する際に高度なマウント精度が要求されるようになり、かかる開口形成の困難性によって半導体装置製造の歩留まりが低下するという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、支持板の反りによる影響を軽減して開口位置精度を向上させ、開口形成時に要求される高度な半導体素子のマウント精度を必要としない半導体装置の製造方法を実現し、半導体装置製造における歩留まりを向上させることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、支持板と、支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、半導体素子の回路素子面を被覆し、複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、支持板の上部と第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、複数の第1電極と電気的に接続される配線層とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、配線層の上に形成され、配線層の一部を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層を備えてもよい。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、複数の第1電極を含む回路素子面を各々有する複数の半導体素子を半導体基板上に形成し、複数の半導体素子が形成された半導体基板上に第1絶縁層を形成し、第1絶縁層の一部を除去して複数の半導体素子の複数の第1電極を露出する複数の第1開口を形成し、半導体基板を切断して複数の半導体素子を個片化し、個片化した複数の半導体素子の回路素子面を上にして、複数の半導体素子を支持板上に載置し、複数の半導体素子の各側部と支持板上とを被覆する第2絶縁層を形成し、第1絶縁層及び前記第2絶縁層の上部に接して複数の半導体素子の複数の第1電極と電気的に接続される配線層を形成すること、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層の上部に第3絶縁層を形成し、第3絶縁層の一部を除去して前記配線層の一部である複数の第2電極を露出する複数の第2開口を形成し、第3絶縁層に形成した複数の第2開口に複数の第2電極と電気的に接続する複数の外部接続用電極を形成し、支持板を切断して複数の半導体素子を個片化すること、を含む方法であってもよい。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る積層型半導体装置は、半導体装置上に形成され、配線層の一部又は複数の第2電極を露出する複数の第3開口を有する第4絶縁層と、第4絶縁層を介して前記半導体装置上に積層される他の半導体装置と、第4絶縁層の複数の第3開口内に形成され、半導体装置の配線層又は複数の第2電極部と他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、半導体装置と第4絶縁層との間に形成され、少なくとも半導体装置の上面の一部を被覆する金属層と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る積層型半導体装置は、半導体装置と、半導体装置上に形成され、配線層の一部又は複数の第2電極を露出する複数の第3開口を有する第4絶縁層と、第4絶縁層を介して半導体装置上に積層される他の半導体装置と、第4絶縁層の複数の第3開口内に形成され、半導体装置の配線層又は複数の第2電極部と他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、を備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、樹脂封止構造を有する半導体装置において、製造工程における熱的ストレスを低減し、支持板の反りの影響を軽減して高精度の開口を可能とし、かつ開口形成のための高度な半導体素子のマウント精度が不要となることによって半導体装置の製造過程における歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)は本発明の実施形態1に係る半導体装置の概略構成を示す平面図であり、(B)は図1(A)のA―A´線における断面図である。
【図2】(A)は本発明の実施形態2に係る半導体装置の概略構成を示す平面図であり、(B)は図2(A)のB―B´線における断面図である。
【図3A】(A−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(A−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3B】(B−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(B−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3C】(C−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(C−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3D】(D−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(D−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3E】(E−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(E−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3F】(F−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(F−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3G】(G−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(G−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3H】(H−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(H−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3I】(I−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(I−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3J】(J−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(J−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図4】は本発明の実施形態3に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の実施形態4に係る半導体装置の断面図であり、(B)は本発明の実施形態5に係る半導体装置の断面図であり、(C)は本発明の実施形態6に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態の間において重複する説明は省略する。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1に係る本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。
【0017】
[半導体装置の構成]
図1(A)及び図1(B)は実施形態1に係る半導体装置100の概略構成を示す図である。図1(B)は半導体装置100の概略構成を示す平面図、図1(A)は図1(B)に示すA−A´線から見た半導体装置100の断面図である。図1(A)及び図1(B)において、半導体装置100は、支持板1と、支持板1上に載置され、複数の第1電極5が形成された回路素子面を有する半導体素子3と、半導体素子3の回路素子面を被覆し、複数の第1電極5を露出する複数の第1開口9を有する第1絶縁層7と、支持板1の上部と第1絶縁層7が形成された半導体素子3の側部とを被覆する第2絶縁層17と、第1絶縁層7及び第2絶縁層17の上部に接して形成され、複数の第1電極5と電気的に接続される配線層20とを備える。
【0018】
実施形態1に係る半導体装置100の支持板1は、樹脂又は金属からなるものであってもよい。この支持板1の形状及び大きさは特に制限されない。例えば、支持板1の形状は、矩形又は円形でもよい。支持板1の材料としては、例えば樹脂等の有機系材料や平板加工することができる金属(例えばSUS、Cu、Alなど)が適しているが、ガラスやシリコン等を用いてもよい。
【0019】
実施形態1に係る半導体装置100の半導体素子3は、その表面に素子回路面を有する。半導体素子3は、例えば厚み50μm程度のものであってもよいが、半導体素子3の厚みは100μm以下とする。半導体素子3は支持板1の上に接着剤(図示せず)等を介して支持板1に固着されている。接着剤の材料としては、例えばエポキシ系のフィルムやペースト剤を用いてもよいが、その他の材料であっても半導体素子3を支持板1に固着することができる材料であれば足りる。
【0020】
半導体素子3上に形成される第1絶縁層7の材料としては、例えばエポキシ系樹脂、あるいはポリイミド系樹脂等を用いてもよいが、これらに限定するものではなく、半導体素子3上の回路面を保護し絶縁性を有する材料であれば足りる。第1絶縁層7の厚みは5μm〜20μm程度であり、例えば10μmであってもよい。第1絶縁層7に開口を施すことのできる厚みであれば、20μm以上の厚みを有してもよいが、一般的には第1絶縁層7の厚みは30μm以下である。
【0021】
半導体素子3の間及び支持板1の上に形成される第2絶縁層17の高さと第1絶縁層7の高さとの関係については特に問わない。第2絶縁層17の材料としては第1絶縁層7の材料として列挙した材料を用いてもよい。また、第2絶縁層17の材料は第1絶縁層7の材料と同一でもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0022】
配線層20は、半導体素子3上に形成された複数の第1電極5に電気的に接続されている。配線層20の材料としては、例えばCu、銀等を用いてもよいが、これらに限定されるものではなく、導電性を有するものであればその他の材料であってもよい。また、半導体素子3の上に形成される配線構造も図1(B)に示す構造に限定されるものではなく、例えば複数の配線が半導体素子5の上に形成された共通の外部接続端子であるボールランドに接続されるような配線構造であってもよい。
【0023】
本発明の実施形態1によれば、半導体素子上に第1絶縁層を形成する工程が支持板上では行われないため、支持板上で第1絶縁層と第2絶縁層とを形成する従来の製造方法と比較すると、第1絶縁層形成工程で生じる熱応力の影響を受けず、当該工程においては支持板の反りの影響を軽減できるため、高精度に開口を形成することができる。その結果、半導体素子上の電極部を高密度化して接続ピン数を向上することも可能である。さらに、本発明の実施形態1によれば、半導体素子3上の第1絶縁層7と複数の半導体素子3の間の第2絶縁層17とを別工程で製造して各絶縁層の高さをコントロールすることによって絶縁層相互の段差による配線の切断等を防止することができ、接続信頼性のある配線層20を製造することができるという効果を得ることもできる。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2に係る本発明の半導体装置200について図面を参照して説明する。本発明の実施形態2は、前述の実施形態1に係る半導体装置100の上に、さらに複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成される例を説明するものである。
【0025】
図2は実施形態2に係る半導体装置200の概略構成を示す断面図である。なお、実施形態2に係る半導体装置200は、複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成されることに特徴があり、その他の構成は実施形態1において説明した構成と同様であるため、その他の構成に関する説明は省略する。
【0026】
図2(A)に示すように、実施形態2に係る半導体装置200は、配線層20の上に複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成されることを特徴とする。第3絶縁層27の材料は第1絶縁層7の材料として列挙した材料を用いてもよい。また、第3絶縁層17の材料は第1絶縁層7の材料又は第2絶縁層17の材料と全て同一でもよいし、一部のみが同一でもよいし、それぞれ異なる材料を用いてもよい。
【0027】
その他の構成及び製造方法は実施形態1と同様である。本発明の実施形態2によれば、第3絶縁層27によって配線層20が保護されると共に、外部電極を確保することが可能となり、半導体装置と外部装置との接続が可能になるという効果を得ることができる。
【0028】
(実施形態3)
実施形態3に係る本発明の半導体装置300の構造及び製造方法について図面を参照して説明する。本発明の実施形態3は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極15を露出する複数の第2開口19を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置300に個片化された例を説明するものである。
【0029】
図3J(J―1)及び図3J(J―2)は実施形態3に係る半導体装置300の概略構成を示す断面図及び平面図である。なお、実施形態3に係る半導体装置300は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置に個片化されることに特徴があり、その他の構成は実施形態2において説明した構成と同様であるため、その他の構成に関する説明は省略する。
【0030】
図3J(J―1)に示すように、実施形態3に係る半導体装置300は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極15(図3H(H―1)参照)を露出する複数の第2開口19を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置300に個片化されることを特徴とする。外部接続用電極30の材料は、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すような半田ボールであってもよいが、これに限定されるものではなく、導電性の構造物であって第2電極15と電気的に接続される構造物であれば他の形状あるいは材料からなるものであってもよい。
[半導体装置の製造方法]
実施形態3にかかる半導体装置300の製造方法を図面を参照しながら説明する。図3A(A−1)から図3J(J−2)に、それぞれ実施形態3にかかる本発明の半導体装置300の各製造過程を示す。なお、実施形態3に係る半導体装置300を製造する過程において本件発明の実施形態1及び実施形態2に係る半導体装置100、200をそれぞれ製造するため、合わせて実施形態1及び実施形態2に係る半導体装置を製造する方法についてもここで説明する。
【0031】
まず、図3A(A−1)に示すように、シリコン又は化合物半導体等からなる半導体回路及び複数の第1電極5が形成された半導体基板13(半導体ウェハ)の上面全体に、第1絶縁層7の材料となる樹脂等を塗布する。樹脂等を塗布する方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第1絶縁層7が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。次に図3B(B−1)に示すように、半導体基板13上面に塗布された第1絶縁層7のうち、複数の第1電極5上部のみを除去することによって、複数の第1開口9を形成する。このような第1開口9を有する第1絶縁層7の生成方法としては、例えば、感光性の樹脂を複数の第1電極5上を含む半導体基板13上面全体に塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて複数の第1電極5上を部分的に露光して開口する方法を用いてもよい。もっとも、第1の絶縁層7を半導体基板13上面全体に形成した後に複数の第1開口9を形成する方法はこのようなフォトリソグラフィ技術による方法に限られるものではなく、第1絶縁層7上に開口を形成することができる方法であれば他の方法であってもよい。
【0032】
図3A(A−1)及び図3B(B−1)には、最初に第1絶縁層7を複数の第1電極5上を含む半導体基板13上面全体に塗布した後、第1電極5上を露出する複数の第1開口9を形成する製造工程を図示しているが、複数の第1開口9を有する第1絶縁層7の形成方法は、このような製造工程に限定されるものではない。他の第1開口9の形成方法としては、例えば、第1絶縁層7を半導体基板13上に生成する際に、予め複数の第1電極5上部を除いた半導体基板13上面にのみ第1絶縁層7の材料となる樹脂等を塗布し、その後、複数の第1電極5上部を除いた半導体基板13上面に塗布された樹脂等をポストベークして複数の第1電極5上に複数の第1開口9を有する第1絶縁層7を生成してもよい。
【0033】
図3C(C−1)及び図3C(C−2)に示すように、半導体基板13上に複数の第1開口9を有する第1絶縁層7を形成した後に、個々の半導体素子3ごとに半導体基板13をダイサー又はスライサーを用いて個片化する。
【0034】
次に、図3D(D−1)及び図3D(D−2)に示すように、個片化した半導体素子3を支持板1上に搭載する。個片化した半導体素子3は、支持板1上に接着剤等を介してほぼ等間隔に固着される。
【0035】
そして、図3E(E−1)及び図3E(E−2)に示すように、支持板1上に載置された複数の半導体素子3の間を充填し、支持板1上面を覆う第2絶縁層17を形成する。第2絶縁層17の形成方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第2絶縁層17が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。また、第2絶縁層17の製造方法は前記第1絶縁層7の製造方法と同様の方法であってもよいし、異なる方法であってもよい。
【0036】
更に、図3F(F−1)及び図3F(F−2)に示すように、第1絶縁層7及び第2絶縁層17の上部並びに複数の第1電極5上に配線層20が形成される。この配線層20は、例えばメッキ、印刷、あるいはインクジェット方法によって形成されてもよい。配線層20は半導体素子3上の複数の第1電極5と電気的に接続される。以上の製造工程によって、実施形態1に係る本発明の半導体装置100が形成される。
【0037】
次に、図3G(G−1)及び図3G(G−2)に示すように、配線層20上を含む支持板1の上面全体に第3絶縁層27の材料となる樹脂等を塗布する。樹脂等を塗布する方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第3絶縁層27が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。次に図3H(H−1)に示すように、配線層20を含む支持板1上面に塗布された第3絶縁層27のうち、前記配線層20の一部である複数の第2電極15上部のみを除去することによって、複数の第2開口19を形成する。このような第2開口19を有する第3絶縁層27の生成方法としては、例えば、感光性の樹脂を配線層20上を含む支持板1上面全体に塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて複数の第2電極15上を部分的に露光して開口する方法を用いてもよい。もっとも、第3絶縁層27を配線層20を含む支持板1上面全体に形成した後に複数の第2開口19を形成する方法は、このようなフォトリソグラフィ技術による方法に限られるものではなく、第3絶縁層27上に開口を形成することができる方法であれば他の方法であってもよい。以上の製造工程によって、実施形態2に係る本発明の半導体装置200が形成される。
【0038】
さらに、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すように、第3絶縁層27上の複数の第2開口19によって露出される複数の第2電極15上に、それぞれ外部接続用電極30を形成してもよい。外部接続用電極30は、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すような半田ボールであってもよいが、これに限定されるものではなく、導電性を有する構造物であって第2電極15と電気的に接続するものであれば他の形状あるいは材料からなるものであってもよい。外部接続用電極30は、例えば溶接法、メッキ法、印刷用等によって第2電極15上に形成される。
【0039】
次に、図3J(J−1)及び図3J(J−2)に示すように、支持板1上で一括して形成された複数の半導体素子3ごとに、それぞれダイサーあるいはスライサーを用いて切断し、個々の半導体装置を製造する。半導体素子3を切断する間隔は0.1mmから0.5mm程度が一般的であるがこれに限られない。これらの製造過程によって、実施形態3に係る本発明の半導体装置300が製造される。
【0040】
(実施形態4)
実施形態4に係る本発明の半導体装置400について図面を参照して説明する。本発明の実施形態4は、前述の実施形態3に係る半導体装置300において、外部接続用電極40が導電性構造物からなる構成例を説明するものである。
【0041】
図4は実施形態4に係る半導体装置4010の概略構成を示す断面図である。なお、実施形態4に係る半導体装置400は、外部接続用電極40が導電性構造物からなることに特徴があり、その他の構成は実施形態3において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置400の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0042】
図4に示すように、実施形態4に係る半導体装置400は、外部接続用電極40が導電性構造物からなることを特徴とする。本発明に係る半導体装置に配置される外部接続用電極40の形状は、図3Iや図3Hに示すような半田ボール30に限定されるものではなく、図4に示すような円柱形の構造物40であってもよい。また、外部接続用電極40の形状は、他にも柱状、球状、突起形状、針形状等であってもよい。さらに、外部接続用電極40の配置位置は、外部接続用電極40が配線層20の一部である第2電極15と電気的に接続している限り、図4に示すように配線層20の上部であってもよい。
【0043】
本発明の実施形態4によれば、外部接続用電極40として導電性構造物を用いることで、電極相互間の電気的な接続性が向上した半導体装置を得ることができる。
【0044】
(実施形態5)
実施形態5に係る本発明の半導体装置500について図面を参照して説明する。実施形態5に係る本発明の半導体装置500は、前述の実施形態1から4に係る半導体装置を複数個並列に配置することにより、複数の半導体素子3を搭載可能なマルチチップ構造の半導体装置を説明するものである。
【0045】
図5(A)は実施形態5に係る半導体装置500の概略構成を示す図である。なお、実施形態5に係る半導体装置500は、実施形態1から4に係る半導体装置を複数個並列に配置することに特徴があり、その他の構成は実施形態1から4において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置の製造方法に関する説明は省略する。
【0046】
図5(A)に示すように、実施形態5に係る半導体装置には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。図4には、半導体素子3と並んで他の半導体装置13が搭載されている例を図示しているが、実施形態5に係る半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品や電極等の構造物を形成したものであってもよい。
【0047】
本発明の実施形態5によれば、複数の部品を並列に具備するマルチチップ構造の半導体装置を得ることができる。
【0048】
(実施形態6)
実施形態6に係る本発明の積層型半導体装置600について図面を参照して説明する。本発明の実施形態6は、前述の実施形態1から4に係る半導体装置を複数個積層して配置することにより、複数の半導体素子を搭載可能な構造の立体・積層型の半導体装置を説明するものである。なお、実施形態6に係る積層型半導体装置600は、実施形態1から4に係る半導体装置を複数個積層して配置することにより、複数の半導体素子を搭載可能な構造の立体・積層型の半導体装置とすることに特徴があり、その他の構成は実施形態1から4において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置600の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0049】
図5(B)に示すように、実施形態6に係る積層型半導体装置600には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。具体的な積層構造につて説明する。まず、実施形態1に係る半導体装置100の上に第4絶縁層37が形成され、さらに第4絶縁層37には第2電極15又は配線層20の他の一部を露出する複数の第3開口29が形成されている。なお、この複数の第3開口29を有する第4絶縁層37の製造方法としては、第1、第3絶縁層7、27と同様に、予め第3開口29部分以外にのみ第4絶縁層37の材料となる樹脂等を塗布した後、ポストベークして複数の第3開口29を有する第4絶縁層37を形成してもよいし、あるいは第3開口29部を含む半導体装置の上面全体に第4絶縁層37の材料を塗布した後、第3開口29上の第4絶縁層37のみを部分的に除去して複数の第3開口29を形成してもよい。また、第4絶縁層37の材料としては第1乃至第3絶縁層27の材料として列挙したものを用いてもよい。さらに、第1乃至第4絶縁層7、37の各材料は、全て同一でもよいし、一部のみ同一でもよいし、それぞれ異なるものであってもよい。
【0050】
次に、第4絶縁層37の上に他の半導体装置13が載置され、第3開口29内の第2電極15又は配線層20の他の一部に電気的に接続される導電層50が形成されており、導電層50は他の半導体装置上の電極と電気的に接続されている。また、他の半導体装置13と第4絶縁層37との間は樹脂封止されている。この導電層50を製造する方法としては、例えばスルーホールメッキ等のメッキ法を用いることができる。
【0051】
図5(B)には、半導体素子3の上に他の半導体装置13が積層されている例を図示しているが、実施形態6に係る積層型半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品を積層してもよい。
【0052】
本発明の実施形態5によれば、複数の部品を積層して具備する積層構造の半導体装置を得ることができ、実装面積を縮小化することができる。
【0053】
(実施形態7)
実施形態7に係る本発明の積層型半導体装置700について図面を参照して説明する。本発明の実施形態7は、前述の実施形態6に係る積層型半導体装置において、半導体素子3と絶縁層4との間に金属層60を備える例を説明するものである。なお、実施形態7に係る積層型半導体装置700は、実施形態6に係る積層型半導体装置において、半導体素子3と第4絶縁層37との間に金属層60を備えることに特徴があり、その他の構成は実施形態6において説明した構成と同様であるため、その他の構成や積層型半導体装置700の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0054】
図5(C)に示すように、実施形態7に係る半導体装置700には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。具体的な積層構造につて説明する。まず、実施形態1に係る半導体装置100の上に第4絶縁層37が形成され、さらに第4絶縁層37には第2電極15又は配線層20の他の一部を露出する複数の第3開口29が形成されている点は実施形態6と同様である。
【0055】
次に、第4絶縁層37の上に、半導体装置3の上面の少なくとも一部を被覆する金属層60が形成される。その上に他の半導体装置13が載置され、第3開口29内の第2電極15あるいは配線層20の他の一部と電気的に接続する導電層50が形成される。この導電層50は他の半導体装置上の電極と電気的に接続されている。また、他の半導体装置13の上面及び金属層60と、第4絶縁層37との間は樹脂封止されている。
【0056】
図5(C)には、半導体素子3の上に金属層60を介して他の半導体装置13が積層されている例を図示しているが、実施形態7に係る積層型半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品を積層してもよい。
【0057】
本発明の実施形態7によれば、複数の部品を積層して具備する積層構造の半導体装置を得ることができる。さらに、封止樹脂内部に金属層60が具備されることによって、半導体素子3から発生する熱を効果的に外部に放熱することができるので、優れた放熱特性を有する積層型半導体装置を得ることができる。また、金属層60を半導体装置に接続するいずれかの電極と電気的に接続するように形成することによって、金属層60にグラウンド機能を持たせることができ、ノイズ防止効果を有する半導体装置を得ることができる。
【0058】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、第2絶縁層の高さは第1絶縁層の高さ以下であってもよい。
【0059】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2絶縁層の高さは第1絶縁層の高さ以下であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
100、200、300、400、500…半導体装置、1…支持板、3…半導体素子、13…半導体基板、5…第1電極、7…第1絶縁層、9…第1開口、17…第2絶縁層、20…配線層、27…第3絶縁層、15…第2電極、19…第2開口、30、40…外部接続用電極、600、700…積層型半導体装置、23…他の半導体装置、37…第4絶縁層、29…第3開口、50…導電層、60…金属層
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、支持板上に載置された半導体素子を樹脂封止する構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂封止構造を有する半導体装置の製造方法としては、支持板に個片化した半導体素子を載置した後、各半導体素子上と支持板上とに絶縁性樹脂を塗布して絶縁層を形成し、半導体素子の回路面上に形成された電極部上の樹脂を除去して開口部を形成するという方法が用いられてきた。
【0003】
このような従来の半導体装置の製造方法の一例として、特許文献1を示す。特許文献1には、複数の個片化されたダイをベースに接着した後、ベース上の複数のダイ間を絶縁性樹脂等からなる第1材料層によって充填し、複数のダイ上及び第1材料層上に第2の材料層を形成し、複数のダイの電極パッド上の第2材料層を部分的にエッチングして開口を形成する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−167191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような製造方法によると、絶縁性樹脂を塗布する製造工程における熱的ストレスによって、支持板と半導体素子との接着面においてCTE(熱膨張率)の差から支持板の反りが発生し、その後に絶縁性樹脂の上に形成される配線接続部の開口位置精度が低下するという問題があった。また、近年の半導体素子サイズの縮小化に伴い、半導体素子回路面上に電極部を露出する微細な開口を形成するためには、個片化された半導体素子を支持板に載置する際に高度なマウント精度が要求されるようになり、かかる開口形成の困難性によって半導体装置製造の歩留まりが低下するという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、支持板の反りによる影響を軽減して開口位置精度を向上させ、開口形成時に要求される高度な半導体素子のマウント精度を必要としない半導体装置の製造方法を実現し、半導体装置製造における歩留まりを向上させることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、支持板と、支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、半導体素子の回路素子面を被覆し、複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、支持板の上部と第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、複数の第1電極と電気的に接続される配線層とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、配線層の上に形成され、配線層の一部を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層を備えてもよい。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、複数の第1電極を含む回路素子面を各々有する複数の半導体素子を半導体基板上に形成し、複数の半導体素子が形成された半導体基板上に第1絶縁層を形成し、第1絶縁層の一部を除去して複数の半導体素子の複数の第1電極を露出する複数の第1開口を形成し、半導体基板を切断して複数の半導体素子を個片化し、個片化した複数の半導体素子の回路素子面を上にして、複数の半導体素子を支持板上に載置し、複数の半導体素子の各側部と支持板上とを被覆する第2絶縁層を形成し、第1絶縁層及び前記第2絶縁層の上部に接して複数の半導体素子の複数の第1電極と電気的に接続される配線層を形成すること、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層の上部に第3絶縁層を形成し、第3絶縁層の一部を除去して前記配線層の一部である複数の第2電極を露出する複数の第2開口を形成し、第3絶縁層に形成した複数の第2開口に複数の第2電極と電気的に接続する複数の外部接続用電極を形成し、支持板を切断して複数の半導体素子を個片化すること、を含む方法であってもよい。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る積層型半導体装置は、半導体装置上に形成され、配線層の一部又は複数の第2電極を露出する複数の第3開口を有する第4絶縁層と、第4絶縁層を介して前記半導体装置上に積層される他の半導体装置と、第4絶縁層の複数の第3開口内に形成され、半導体装置の配線層又は複数の第2電極部と他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、半導体装置と第4絶縁層との間に形成され、少なくとも半導体装置の上面の一部を被覆する金属層と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る積層型半導体装置は、半導体装置と、半導体装置上に形成され、配線層の一部又は複数の第2電極を露出する複数の第3開口を有する第4絶縁層と、第4絶縁層を介して半導体装置上に積層される他の半導体装置と、第4絶縁層の複数の第3開口内に形成され、半導体装置の配線層又は複数の第2電極部と他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、を備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、樹脂封止構造を有する半導体装置において、製造工程における熱的ストレスを低減し、支持板の反りの影響を軽減して高精度の開口を可能とし、かつ開口形成のための高度な半導体素子のマウント精度が不要となることによって半導体装置の製造過程における歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)は本発明の実施形態1に係る半導体装置の概略構成を示す平面図であり、(B)は図1(A)のA―A´線における断面図である。
【図2】(A)は本発明の実施形態2に係る半導体装置の概略構成を示す平面図であり、(B)は図2(A)のB―B´線における断面図である。
【図3A】(A−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(A−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3B】(B−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(B−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3C】(C−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(C−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3D】(D−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(D−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3E】(E−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(E−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3F】(F−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(F−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3G】(G−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(G−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3H】(H−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(H−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3I】(I−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(I−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図3J】(J−1)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す断面図であり,(J−2)は本発明に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【図4】は本発明の実施形態3に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の実施形態4に係る半導体装置の断面図であり、(B)は本発明の実施形態5に係る半導体装置の断面図であり、(C)は本発明の実施形態6に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態の間において重複する説明は省略する。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1に係る本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。
【0017】
[半導体装置の構成]
図1(A)及び図1(B)は実施形態1に係る半導体装置100の概略構成を示す図である。図1(B)は半導体装置100の概略構成を示す平面図、図1(A)は図1(B)に示すA−A´線から見た半導体装置100の断面図である。図1(A)及び図1(B)において、半導体装置100は、支持板1と、支持板1上に載置され、複数の第1電極5が形成された回路素子面を有する半導体素子3と、半導体素子3の回路素子面を被覆し、複数の第1電極5を露出する複数の第1開口9を有する第1絶縁層7と、支持板1の上部と第1絶縁層7が形成された半導体素子3の側部とを被覆する第2絶縁層17と、第1絶縁層7及び第2絶縁層17の上部に接して形成され、複数の第1電極5と電気的に接続される配線層20とを備える。
【0018】
実施形態1に係る半導体装置100の支持板1は、樹脂又は金属からなるものであってもよい。この支持板1の形状及び大きさは特に制限されない。例えば、支持板1の形状は、矩形又は円形でもよい。支持板1の材料としては、例えば樹脂等の有機系材料や平板加工することができる金属(例えばSUS、Cu、Alなど)が適しているが、ガラスやシリコン等を用いてもよい。
【0019】
実施形態1に係る半導体装置100の半導体素子3は、その表面に素子回路面を有する。半導体素子3は、例えば厚み50μm程度のものであってもよいが、半導体素子3の厚みは100μm以下とする。半導体素子3は支持板1の上に接着剤(図示せず)等を介して支持板1に固着されている。接着剤の材料としては、例えばエポキシ系のフィルムやペースト剤を用いてもよいが、その他の材料であっても半導体素子3を支持板1に固着することができる材料であれば足りる。
【0020】
半導体素子3上に形成される第1絶縁層7の材料としては、例えばエポキシ系樹脂、あるいはポリイミド系樹脂等を用いてもよいが、これらに限定するものではなく、半導体素子3上の回路面を保護し絶縁性を有する材料であれば足りる。第1絶縁層7の厚みは5μm〜20μm程度であり、例えば10μmであってもよい。第1絶縁層7に開口を施すことのできる厚みであれば、20μm以上の厚みを有してもよいが、一般的には第1絶縁層7の厚みは30μm以下である。
【0021】
半導体素子3の間及び支持板1の上に形成される第2絶縁層17の高さと第1絶縁層7の高さとの関係については特に問わない。第2絶縁層17の材料としては第1絶縁層7の材料として列挙した材料を用いてもよい。また、第2絶縁層17の材料は第1絶縁層7の材料と同一でもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0022】
配線層20は、半導体素子3上に形成された複数の第1電極5に電気的に接続されている。配線層20の材料としては、例えばCu、銀等を用いてもよいが、これらに限定されるものではなく、導電性を有するものであればその他の材料であってもよい。また、半導体素子3の上に形成される配線構造も図1(B)に示す構造に限定されるものではなく、例えば複数の配線が半導体素子5の上に形成された共通の外部接続端子であるボールランドに接続されるような配線構造であってもよい。
【0023】
本発明の実施形態1によれば、半導体素子上に第1絶縁層を形成する工程が支持板上では行われないため、支持板上で第1絶縁層と第2絶縁層とを形成する従来の製造方法と比較すると、第1絶縁層形成工程で生じる熱応力の影響を受けず、当該工程においては支持板の反りの影響を軽減できるため、高精度に開口を形成することができる。その結果、半導体素子上の電極部を高密度化して接続ピン数を向上することも可能である。さらに、本発明の実施形態1によれば、半導体素子3上の第1絶縁層7と複数の半導体素子3の間の第2絶縁層17とを別工程で製造して各絶縁層の高さをコントロールすることによって絶縁層相互の段差による配線の切断等を防止することができ、接続信頼性のある配線層20を製造することができるという効果を得ることもできる。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2に係る本発明の半導体装置200について図面を参照して説明する。本発明の実施形態2は、前述の実施形態1に係る半導体装置100の上に、さらに複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成される例を説明するものである。
【0025】
図2は実施形態2に係る半導体装置200の概略構成を示す断面図である。なお、実施形態2に係る半導体装置200は、複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成されることに特徴があり、その他の構成は実施形態1において説明した構成と同様であるため、その他の構成に関する説明は省略する。
【0026】
図2(A)に示すように、実施形態2に係る半導体装置200は、配線層20の上に複数の第2開口19を有する第3絶縁層27が形成されることを特徴とする。第3絶縁層27の材料は第1絶縁層7の材料として列挙した材料を用いてもよい。また、第3絶縁層17の材料は第1絶縁層7の材料又は第2絶縁層17の材料と全て同一でもよいし、一部のみが同一でもよいし、それぞれ異なる材料を用いてもよい。
【0027】
その他の構成及び製造方法は実施形態1と同様である。本発明の実施形態2によれば、第3絶縁層27によって配線層20が保護されると共に、外部電極を確保することが可能となり、半導体装置と外部装置との接続が可能になるという効果を得ることができる。
【0028】
(実施形態3)
実施形態3に係る本発明の半導体装置300の構造及び製造方法について図面を参照して説明する。本発明の実施形態3は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極15を露出する複数の第2開口19を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置300に個片化された例を説明するものである。
【0029】
図3J(J―1)及び図3J(J―2)は実施形態3に係る半導体装置300の概略構成を示す断面図及び平面図である。なお、実施形態3に係る半導体装置300は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置に個片化されることに特徴があり、その他の構成は実施形態2において説明した構成と同様であるため、その他の構成に関する説明は省略する。
【0030】
図3J(J―1)に示すように、実施形態3に係る半導体装置300は、前述の実施形態2に係る半導体装置200において、第2電極15(図3H(H―1)参照)を露出する複数の第2開口19を有する第3絶縁層27の上に外部接続用電極30が形成され、さらに個々の半導体装置300に個片化されることを特徴とする。外部接続用電極30の材料は、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すような半田ボールであってもよいが、これに限定されるものではなく、導電性の構造物であって第2電極15と電気的に接続される構造物であれば他の形状あるいは材料からなるものであってもよい。
[半導体装置の製造方法]
実施形態3にかかる半導体装置300の製造方法を図面を参照しながら説明する。図3A(A−1)から図3J(J−2)に、それぞれ実施形態3にかかる本発明の半導体装置300の各製造過程を示す。なお、実施形態3に係る半導体装置300を製造する過程において本件発明の実施形態1及び実施形態2に係る半導体装置100、200をそれぞれ製造するため、合わせて実施形態1及び実施形態2に係る半導体装置を製造する方法についてもここで説明する。
【0031】
まず、図3A(A−1)に示すように、シリコン又は化合物半導体等からなる半導体回路及び複数の第1電極5が形成された半導体基板13(半導体ウェハ)の上面全体に、第1絶縁層7の材料となる樹脂等を塗布する。樹脂等を塗布する方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第1絶縁層7が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。次に図3B(B−1)に示すように、半導体基板13上面に塗布された第1絶縁層7のうち、複数の第1電極5上部のみを除去することによって、複数の第1開口9を形成する。このような第1開口9を有する第1絶縁層7の生成方法としては、例えば、感光性の樹脂を複数の第1電極5上を含む半導体基板13上面全体に塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて複数の第1電極5上を部分的に露光して開口する方法を用いてもよい。もっとも、第1の絶縁層7を半導体基板13上面全体に形成した後に複数の第1開口9を形成する方法はこのようなフォトリソグラフィ技術による方法に限られるものではなく、第1絶縁層7上に開口を形成することができる方法であれば他の方法であってもよい。
【0032】
図3A(A−1)及び図3B(B−1)には、最初に第1絶縁層7を複数の第1電極5上を含む半導体基板13上面全体に塗布した後、第1電極5上を露出する複数の第1開口9を形成する製造工程を図示しているが、複数の第1開口9を有する第1絶縁層7の形成方法は、このような製造工程に限定されるものではない。他の第1開口9の形成方法としては、例えば、第1絶縁層7を半導体基板13上に生成する際に、予め複数の第1電極5上部を除いた半導体基板13上面にのみ第1絶縁層7の材料となる樹脂等を塗布し、その後、複数の第1電極5上部を除いた半導体基板13上面に塗布された樹脂等をポストベークして複数の第1電極5上に複数の第1開口9を有する第1絶縁層7を生成してもよい。
【0033】
図3C(C−1)及び図3C(C−2)に示すように、半導体基板13上に複数の第1開口9を有する第1絶縁層7を形成した後に、個々の半導体素子3ごとに半導体基板13をダイサー又はスライサーを用いて個片化する。
【0034】
次に、図3D(D−1)及び図3D(D−2)に示すように、個片化した半導体素子3を支持板1上に搭載する。個片化した半導体素子3は、支持板1上に接着剤等を介してほぼ等間隔に固着される。
【0035】
そして、図3E(E−1)及び図3E(E−2)に示すように、支持板1上に載置された複数の半導体素子3の間を充填し、支持板1上面を覆う第2絶縁層17を形成する。第2絶縁層17の形成方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第2絶縁層17が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。また、第2絶縁層17の製造方法は前記第1絶縁層7の製造方法と同様の方法であってもよいし、異なる方法であってもよい。
【0036】
更に、図3F(F−1)及び図3F(F−2)に示すように、第1絶縁層7及び第2絶縁層17の上部並びに複数の第1電極5上に配線層20が形成される。この配線層20は、例えばメッキ、印刷、あるいはインクジェット方法によって形成されてもよい。配線層20は半導体素子3上の複数の第1電極5と電気的に接続される。以上の製造工程によって、実施形態1に係る本発明の半導体装置100が形成される。
【0037】
次に、図3G(G−1)及び図3G(G−2)に示すように、配線層20上を含む支持板1の上面全体に第3絶縁層27の材料となる樹脂等を塗布する。樹脂等を塗布する方法は、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いてもよいが、これらの方法に限定するものではなく、第3絶縁層27が一定の厚みを有するようにコントロールできる方法であれば他の塗布方法であってもよい。次に図3H(H−1)に示すように、配線層20を含む支持板1上面に塗布された第3絶縁層27のうち、前記配線層20の一部である複数の第2電極15上部のみを除去することによって、複数の第2開口19を形成する。このような第2開口19を有する第3絶縁層27の生成方法としては、例えば、感光性の樹脂を配線層20上を含む支持板1上面全体に塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて複数の第2電極15上を部分的に露光して開口する方法を用いてもよい。もっとも、第3絶縁層27を配線層20を含む支持板1上面全体に形成した後に複数の第2開口19を形成する方法は、このようなフォトリソグラフィ技術による方法に限られるものではなく、第3絶縁層27上に開口を形成することができる方法であれば他の方法であってもよい。以上の製造工程によって、実施形態2に係る本発明の半導体装置200が形成される。
【0038】
さらに、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すように、第3絶縁層27上の複数の第2開口19によって露出される複数の第2電極15上に、それぞれ外部接続用電極30を形成してもよい。外部接続用電極30は、図3I(I−1)及び図3I(I−2)に示すような半田ボールであってもよいが、これに限定されるものではなく、導電性を有する構造物であって第2電極15と電気的に接続するものであれば他の形状あるいは材料からなるものであってもよい。外部接続用電極30は、例えば溶接法、メッキ法、印刷用等によって第2電極15上に形成される。
【0039】
次に、図3J(J−1)及び図3J(J−2)に示すように、支持板1上で一括して形成された複数の半導体素子3ごとに、それぞれダイサーあるいはスライサーを用いて切断し、個々の半導体装置を製造する。半導体素子3を切断する間隔は0.1mmから0.5mm程度が一般的であるがこれに限られない。これらの製造過程によって、実施形態3に係る本発明の半導体装置300が製造される。
【0040】
(実施形態4)
実施形態4に係る本発明の半導体装置400について図面を参照して説明する。本発明の実施形態4は、前述の実施形態3に係る半導体装置300において、外部接続用電極40が導電性構造物からなる構成例を説明するものである。
【0041】
図4は実施形態4に係る半導体装置4010の概略構成を示す断面図である。なお、実施形態4に係る半導体装置400は、外部接続用電極40が導電性構造物からなることに特徴があり、その他の構成は実施形態3において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置400の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0042】
図4に示すように、実施形態4に係る半導体装置400は、外部接続用電極40が導電性構造物からなることを特徴とする。本発明に係る半導体装置に配置される外部接続用電極40の形状は、図3Iや図3Hに示すような半田ボール30に限定されるものではなく、図4に示すような円柱形の構造物40であってもよい。また、外部接続用電極40の形状は、他にも柱状、球状、突起形状、針形状等であってもよい。さらに、外部接続用電極40の配置位置は、外部接続用電極40が配線層20の一部である第2電極15と電気的に接続している限り、図4に示すように配線層20の上部であってもよい。
【0043】
本発明の実施形態4によれば、外部接続用電極40として導電性構造物を用いることで、電極相互間の電気的な接続性が向上した半導体装置を得ることができる。
【0044】
(実施形態5)
実施形態5に係る本発明の半導体装置500について図面を参照して説明する。実施形態5に係る本発明の半導体装置500は、前述の実施形態1から4に係る半導体装置を複数個並列に配置することにより、複数の半導体素子3を搭載可能なマルチチップ構造の半導体装置を説明するものである。
【0045】
図5(A)は実施形態5に係る半導体装置500の概略構成を示す図である。なお、実施形態5に係る半導体装置500は、実施形態1から4に係る半導体装置を複数個並列に配置することに特徴があり、その他の構成は実施形態1から4において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置の製造方法に関する説明は省略する。
【0046】
図5(A)に示すように、実施形態5に係る半導体装置には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。図4には、半導体素子3と並んで他の半導体装置13が搭載されている例を図示しているが、実施形態5に係る半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品や電極等の構造物を形成したものであってもよい。
【0047】
本発明の実施形態5によれば、複数の部品を並列に具備するマルチチップ構造の半導体装置を得ることができる。
【0048】
(実施形態6)
実施形態6に係る本発明の積層型半導体装置600について図面を参照して説明する。本発明の実施形態6は、前述の実施形態1から4に係る半導体装置を複数個積層して配置することにより、複数の半導体素子を搭載可能な構造の立体・積層型の半導体装置を説明するものである。なお、実施形態6に係る積層型半導体装置600は、実施形態1から4に係る半導体装置を複数個積層して配置することにより、複数の半導体素子を搭載可能な構造の立体・積層型の半導体装置とすることに特徴があり、その他の構成は実施形態1から4において説明した構成と同様であるため、その他の構成や半導体装置600の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0049】
図5(B)に示すように、実施形態6に係る積層型半導体装置600には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。具体的な積層構造につて説明する。まず、実施形態1に係る半導体装置100の上に第4絶縁層37が形成され、さらに第4絶縁層37には第2電極15又は配線層20の他の一部を露出する複数の第3開口29が形成されている。なお、この複数の第3開口29を有する第4絶縁層37の製造方法としては、第1、第3絶縁層7、27と同様に、予め第3開口29部分以外にのみ第4絶縁層37の材料となる樹脂等を塗布した後、ポストベークして複数の第3開口29を有する第4絶縁層37を形成してもよいし、あるいは第3開口29部を含む半導体装置の上面全体に第4絶縁層37の材料を塗布した後、第3開口29上の第4絶縁層37のみを部分的に除去して複数の第3開口29を形成してもよい。また、第4絶縁層37の材料としては第1乃至第3絶縁層27の材料として列挙したものを用いてもよい。さらに、第1乃至第4絶縁層7、37の各材料は、全て同一でもよいし、一部のみ同一でもよいし、それぞれ異なるものであってもよい。
【0050】
次に、第4絶縁層37の上に他の半導体装置13が載置され、第3開口29内の第2電極15又は配線層20の他の一部に電気的に接続される導電層50が形成されており、導電層50は他の半導体装置上の電極と電気的に接続されている。また、他の半導体装置13と第4絶縁層37との間は樹脂封止されている。この導電層50を製造する方法としては、例えばスルーホールメッキ等のメッキ法を用いることができる。
【0051】
図5(B)には、半導体素子3の上に他の半導体装置13が積層されている例を図示しているが、実施形態6に係る積層型半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品を積層してもよい。
【0052】
本発明の実施形態5によれば、複数の部品を積層して具備する積層構造の半導体装置を得ることができ、実装面積を縮小化することができる。
【0053】
(実施形態7)
実施形態7に係る本発明の積層型半導体装置700について図面を参照して説明する。本発明の実施形態7は、前述の実施形態6に係る積層型半導体装置において、半導体素子3と絶縁層4との間に金属層60を備える例を説明するものである。なお、実施形態7に係る積層型半導体装置700は、実施形態6に係る積層型半導体装置において、半導体素子3と第4絶縁層37との間に金属層60を備えることに特徴があり、その他の構成は実施形態6において説明した構成と同様であるため、その他の構成や積層型半導体装置700の製造方法等に関する図示及び説明は省略する。
【0054】
図5(C)に示すように、実施形態7に係る半導体装置700には少なくとも1つの半導体素子3が搭載されている。具体的な積層構造につて説明する。まず、実施形態1に係る半導体装置100の上に第4絶縁層37が形成され、さらに第4絶縁層37には第2電極15又は配線層20の他の一部を露出する複数の第3開口29が形成されている点は実施形態6と同様である。
【0055】
次に、第4絶縁層37の上に、半導体装置3の上面の少なくとも一部を被覆する金属層60が形成される。その上に他の半導体装置13が載置され、第3開口29内の第2電極15あるいは配線層20の他の一部と電気的に接続する導電層50が形成される。この導電層50は他の半導体装置上の電極と電気的に接続されている。また、他の半導体装置13の上面及び金属層60と、第4絶縁層37との間は樹脂封止されている。
【0056】
図5(C)には、半導体素子3の上に金属層60を介して他の半導体装置13が積層されている例を図示しているが、実施形態7に係る積層型半導体装置の構造はこれに限られるものではなく、例えば他の半導体素子13の代わりに半導体素子以外の電子部品を積層してもよい。
【0057】
本発明の実施形態7によれば、複数の部品を積層して具備する積層構造の半導体装置を得ることができる。さらに、封止樹脂内部に金属層60が具備されることによって、半導体素子3から発生する熱を効果的に外部に放熱することができるので、優れた放熱特性を有する積層型半導体装置を得ることができる。また、金属層60を半導体装置に接続するいずれかの電極と電気的に接続するように形成することによって、金属層60にグラウンド機能を持たせることができ、ノイズ防止効果を有する半導体装置を得ることができる。
【0058】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、第2絶縁層の高さは第1絶縁層の高さ以下であってもよい。
【0059】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2絶縁層の高さは第1絶縁層の高さ以下であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
100、200、300、400、500…半導体装置、1…支持板、3…半導体素子、13…半導体基板、5…第1電極、7…第1絶縁層、9…第1開口、17…第2絶縁層、20…配線層、27…第3絶縁層、15…第2電極、19…第2開口、30、40…外部接続用電極、600、700…積層型半導体装置、23…他の半導体装置、37…第4絶縁層、29…第3開口、50…導電層、60…金属層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持板と、
前記支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、
前記半導体素子の回路素子面を被覆し、前記複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、
前記支持板の上部と前記第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、前記複数の第1電極と電気的に接続される配線層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記配線層の上に形成され、前記配線層の一部を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の第1電極を含む回路素子面を各々有する複数の半導体素子を半導体基板上に形成し、
前記複数の半導体素子が形成された半導体基板上に第1絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層の一部を除去して前記複数の半導体素子の前記複数の第1電極を露出する複数の第1開口を形成し、
前記半導体基板を切断して前記複数の半導体素子を個片化し、
個片化した前記複数の半導体素子の前記回路素子面を上にして、前記複数の半導体素子を支持板上に載置し、
前記複数の半導体素子の各側部と前記支持板上とを被覆する第2絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の上部に接して前記複数の半導体素子の前記複数の第1電極と電気的に接続される配線層を形成すること、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記配線層の上部に第3絶縁層を形成し、
前記第3絶縁層の一部を除去して前記配線層の一部である複数の第2電極を露出する複数の第2開口を形成し、
前記第3絶縁層に形成した前記複数の第2開口に前記複数の第2電極と電気的に接続する複数の外部接続用電極を形成し、
前記支持板を切断して前記複数の半導体素子を個片化すること、を含むことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置上に形成され、前記配線層の一部又は前記複数の第2電極を露出する前記複数の第3開口を有する第4絶縁層と、
前記第4絶縁層を介して前記半導体装置上に積層される他の半導体装置と、
前記第4絶縁層の前記複数の第3開口内に形成され、前記半導体装置の前記配線層又は前記複数の第2電極部と前記他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、
前記半導体装置と前記第4絶縁層との間に形成され、少なくとも前記半導体装置の上面の一部を被覆する金属層と、を備えることを特徴とする積層型半導体装置。
【請求項1】
支持板と、
前記支持板上に載置され、複数の第1電極が形成された回路素子面を有する半導体素子と、
前記半導体素子の回路素子面を被覆し、前記複数の第1電極を露出する複数の第1開口を有する第1絶縁層と、
前記支持板の上部と前記第1絶縁層が形成された半導体素子の側部とを被覆する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層及び第2絶縁層の上部に接して形成され、前記複数の第1電極と電気的に接続される配線層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記配線層の上に形成され、前記配線層の一部を露出する複数の第2開口を有する第3絶縁層を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の第1電極を含む回路素子面を各々有する複数の半導体素子を半導体基板上に形成し、
前記複数の半導体素子が形成された半導体基板上に第1絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層の一部を除去して前記複数の半導体素子の前記複数の第1電極を露出する複数の第1開口を形成し、
前記半導体基板を切断して前記複数の半導体素子を個片化し、
個片化した前記複数の半導体素子の前記回路素子面を上にして、前記複数の半導体素子を支持板上に載置し、
前記複数の半導体素子の各側部と前記支持板上とを被覆する第2絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の上部に接して前記複数の半導体素子の前記複数の第1電極と電気的に接続される配線層を形成すること、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記配線層の上部に第3絶縁層を形成し、
前記第3絶縁層の一部を除去して前記配線層の一部である複数の第2電極を露出する複数の第2開口を形成し、
前記第3絶縁層に形成した前記複数の第2開口に前記複数の第2電極と電気的に接続する複数の外部接続用電極を形成し、
前記支持板を切断して前記複数の半導体素子を個片化すること、を含むことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置上に形成され、前記配線層の一部又は前記複数の第2電極を露出する前記複数の第3開口を有する第4絶縁層と、
前記第4絶縁層を介して前記半導体装置上に積層される他の半導体装置と、
前記第4絶縁層の前記複数の第3開口内に形成され、前記半導体装置の前記配線層又は前記複数の第2電極部と前記他の半導体装置の配線層とを電気的に接続する複数の導電層と、
前記半導体装置と前記第4絶縁層との間に形成され、少なくとも前記半導体装置の上面の一部を被覆する金属層と、を備えることを特徴とする積層型半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−69804(P2012−69804A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214306(P2010−214306)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(507292184)株式会社ジェイデバイス (7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(507292184)株式会社ジェイデバイス (7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
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