説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】半導体チップを挟む2枚の配線基板の間隔を一定に保持するとともに、該2枚の配線基板の接合位置を高精度に決めることのできる半導体装置及び半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体チップが実装された第1配線基板10、及び第2の配線基板20に、それぞれ対向する第1の孔部11及び第2の孔部21が設けられ、それらの孔部に金属球30を設置して、前記第1及び第2の配線基板10、20と前記金属球30の接触部分を互いに接合した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーMOSFETやIGBT等を構成する半導体チップは、大電流の制御に使用されることから自己発熱により温度が大きく上昇する場合があり、放熱性の改善が求められている。そのため、2枚の配線基板の向かい合う面をそれぞれ実装面とし、その間に半導体チップが挟まれて配置され、その外側の両面から放熱されるように構成された半導体装置が提案されている。
そのような半導体装置の一例が特開平10−56131号公報に紹介されている。この公報に示された発明では、一方の配線基板の実装面に凸部を設け、他方の配線基板の実装面に上記凸部が嵌合する凹部を設けて、一方の凸部を他方の凹部に接合する。これにより、凸部がスペーサとなり2枚の配線基板の間隔が保持されるとともに、該2枚の配線基板の接合位置が決められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−56131
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップの実装不良を低減するには、該2枚の配線基板の実装面の間に半導体チップを配置する際、高い位置決め精度が要求される。このため、各実装面には、上記凹凸部の形状及び位置を高精度に加工する必要がある。しかしながら、上記特許文献の発明では、その高精度の加工には煩雑な作業を伴うとともに、該配線基板の広い範囲に加工を施す場合があり、製造時のコストが高くなるといったことから、さらに改善すべき課題となっている。
【0005】
そこで、本発明は、半導体チップを挟む2枚の配線基板の間隔を一定に保持するとともに、該2枚の配線基板の接合位置を高精度に決めることのできる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を備える。
請求項1に記載の発明は、第1の孔部を有する第1の配線基板と、前記第1の孔部に対向する位置に第2の孔部を有する第2の配線基板と、前記第1及び第2の孔部の孔径よりも大きい径を有し、前記第1の配線基板と前記第2の配線基板との間、且つ前記第1の孔部及び前記第2の孔部に設置され、前記第1及び第2の配線基板とそれぞれ接合された少なくとも1つの金属球と、前記金属球の隣に間隔をおいて、前記第1の配線基板上に実装された第1の半導体チップとを備えたものである。
請求項2に記載の発明は、前記第1の配線基板上に、さらに第2の半導体チップが実装され、前記金属球は、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとの間に設置されたものである。
請求項3に記載の発明は、前記金属球は、一部が凸又は凹状に変形した略球形、又は端部が曲面を有する円柱形のいずれかを含む形状とするものである。
請求項4に記載の発明は、前記金属球は、銅コア材に半田層をコーティングした銅コア半田ボールからなるものである。
請求項5に記載の発明は、前記半導体装置は放熱部を備えており、前記金属球は、前記第1の配線基板または第2の配線基板を介して、前記放熱部と隣り合う位置に設けられたものである。
請求項6に記載の発明は、回転機器及び前記回転機器の動作を制御する制御部を備えた工作機械又はロボットの駆動装置において、前記制御部には請求項1又は2記載の半導体装置を備えたものである。
請求項7に記載の発明は、直流電力から交流電力を電気的に生成する回路を備えたインバータ装置において、前記回路には請求項1又は2記載の半導体装置を備えたものである。
請求項8に記載の発明は、第1の配線基板及び第2の配線基板を準備する工程と、前記第1及び第2の配線基板にそれぞれ第1の孔部及び第2の孔部を設ける工程と、前記第1又は第2の配線基板のいずれかに半導体チップを実装するとともに、前記第1又は第2の孔部の一方の孔部に金属球を設置して、前記金属球が設置された前記第1又は第2の配線基板の一方の配線基板と前記金属球とを接合材により接合する工程と、前記金属球を他方の孔部に設置することにより、前記第1の孔部と第2の孔部を対向させて前記第1の配線基板及び第2の配線基板の位置を整合する工程と、前記金属球と他方の配線基板とを接合材により接合する工程とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体チップを挟む2枚の配線基板の間隔を一定に保持するとともに、該2枚の配線基板の接合位置を高精度に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るインバータモジュールの模式図
【図2】本発明の実施形態に係るインバータモジュールの電気回路図
【図3】本発明の実施形態に係るインバータモジュールの製造工程を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施例では、パワーMOSFETとなる半導体チップを搭載し、高周波大電流対応の3相インバータ用半導体装置(以下、「インバータモジュール」と称す)に適用した構成について、図1〜図3を用いて説明する。本実施形態で参酌する図面では、発明の理解を容易にするため各要素が模式的に示されており、説明に不要な構成については省略されることもある。また、前出の要素と同じ要素に同一符号を付すことにより、その説明が省略されることもある。
【0010】
図1(a)は、インバータモジュール1の側断面図であり、第1相の構成について示されている。また、図1(b)は、インバータモジュール1の全体を示す上面図である。さらに、図2は、図1のように構成されたインバータモジュール1の第1相における等価回路を示している。
【0011】
インバータモジュール1は、第1の配線基板10と第2の配線基板20との間に挟まれて実装された第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200を有している。さらに、インバータモジュール1は、第1の配線基板10と第2の配線基板20に接合された金属球30を備えており、この金属球30は半導体チップ100と半導体チップ200との間に配置されている。ちなみに、本実施例における第1の配線基板10と第2の配線基板20の間隔は、およそ500μmである。
また、第1の配線基板10の下面及び第2の配線基板20の上面には、第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200で生じた熱を外部の大気または冷却水等の冷却媒体に放散するための放熱部40が設置されている。
なお、第1及び第2の配線基板10、20は、第1及び第2の半導体チップ100、200との間に作用する熱応力の低減と放熱性の向上のために、窒化珪素もしくは窒化アルミニウムなどの低熱膨張係数、且つ、高熱伝導性のものが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0012】
第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200は、第1の配線基板10と第2の配線基板20の間に、次のように接合されている。
公知の方法により矩形板状に形成された第1及び第2の半導体チップ100、200の上面には、ドレイン電極101、201が配置され、下面にはソース電極102、202、及びゲート電極103、203がそれぞれ配置されている。この場合、ドレイン電極101、201、及びソース電極102、202は主電極となり、ゲート電極103、203は制御電極となる。また、ドレイン電極101、201は、第2の配線基板20の電極パターン22、23と半田52で接合され、ソース電極102、202は第1の配線基板10の電極パターン12、13と、ゲート電極103、203は電極パターン14、15と半田50によりそれぞれ接合されている。
【0013】
金属球30は、第1の配線基板10と第2の配線基板20の間に、次のように接合されている。
第1の配線基板10及び第2の配線基板20には、それぞれ第1の孔部11、及び第2の孔部21が設けられており、それらの中心線上に球の中心が位置するように金属球30が設置されている。金属球30は、第1及び第2の配線基板10、20の間隔を一定に保持するスペーサとしての機能を有しており、第1及び第2の孔部11、21の孔径は金属球30の径よりも小さい寸法となっている。また、第1の孔部11及び第2の孔部21の孔径は、同じ寸法であっても異なる寸法であっても支障はない。なお、本実施例では第1及び第2の孔部11、21は、それぞれの配線基板が貫通されて形成されており、該貫通孔の断面形状は円形であるが、金属球30が安定して設置されるのであれば、配線基板が貫通されなくとも、凹状あるいは溝状に形成されても良い。
また、第1及び第2の配線基板10、20における金属球30を挟む側の面において、第1の孔部11及び第2の孔部21の周囲には、電極パターン12と導通する電極パターン16、及び電極パターン23と導通する電極パターン24が設けられている。電極パターン16及び電極パターン24は、金属球30とそれぞれ半田51、53により接合されており、電極パターン12と電極パターン23は電気的に接続されて導通状態となっている。
なお、金属球30は、一部が凸又は凹状に変形した略球形、又は端部が曲面を有する円柱形の略球形状であっても良く、電極パターン16及び電極パターン24と金属球30を半田51、53で接合する際、接合強度を高めるために半田51、53が付着した部分は小さな凹凸ができる場合があるが、所定の接合強度、通電容量、絶縁距離、及び基板間隔が確保されるように接合されていれば特に支障はない。
さらに、金属球30について、銅コア材に半田層をコーティングした銅コア半田ボールは、高精度寸法の銅コア材に高精度の厚さで半田がコーティングされているので、第1の配線基板10と第2の配線基板20との間隔を高い精度で保持することができる。また、半田付けの作業及び半田付着量の調整が容易になるとともに、半田付け性のばらつきが減少し、接合強度が安定する。
【0014】
図1(b)において、3相のインバータモジュールは、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200との間に金属球30を配置した第1相と同様の構成を3列平行に配置することにより第2及び第3相の配置を行う。このように配置することにより、第1の配線基板10及び第2の配線基板20との間隔は一定に保持されるとともにその接合強度は強固になる。また、実装スペースを小さくできるので、インバータモジュールの小型化に寄与することができる。
一方、金属球30は、第1の配線基板10又は第2の配線基板20を介して、温度差の生じ易い放熱部40と隣り合う位置に配置されており、第1及び第2の配線基板10、20が熱によって膨張・収縮する影響を最小限に防止することができる。
なお、本実施例では、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200との間に1個の金属球30を設置しているが、複数の金属球30を設置することにより、第1の配線基板と第2の配線基板20との接合強度がさらに向上し、その間隔を安定して保持することができる。また、電流容量の増加にも対応することができる。
【0015】
図2において、電極パターン22から電極パターン13に至る電気回路が構成されており、上述したようにソース電極102、電極パターン12、16、金属球30、電極パターン24、23、及びドレイン電極201は電気的に同電位である。
また、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200との間の中間電位にあるインバータモジュール1の出力端子60が、同電位であるソース電極102からドレイン電極201のいずれかに接続されている。これは第2及び第3相についても同様である。
【0016】
以下、図1及び図2に示されたインバータモジュールの製造方法について、(1)配線基板の準備工程、(2)孔部の加工工程、(3)半導体の実装・金属球の設置工程、(4)配線基板位置整合工程、及び(5)接合工程を、図3に基づいて各工程毎に説明する。
【0017】
(1)配線基板の準備工程
図3(a)において、第1の配線基板10及び第2の配線基板20は、窒化珪素もしくは窒化アルミニウム等の板材がベースとなり、第1の半導体チップ100、第2の半導体チップ200を実装する側の面に、銅、タングステン、アルミニウム、銀、モリブデン、またはその他の導体からなる電極パターン12、13、14、15、16、22、23、24が施されて配線基板が準備される。
【0018】
(2)孔部の加工工程
図3(b)において、第1の配線基板10及び第2の配線基板20の金属球30が設置される位置にそれぞれ第1の孔部11及び第2の孔部21が設けられる。本実施例では、第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200が設置される中間に金属球30が設置されるため、各半導体チップが所定の位置に実装できるように決められた位置に設定された寸法の孔を設ける。前述したように、それぞれの配線基板を貫通させて形成しても良いが、金属球30が安定して設置されるのであれば、配線基板を貫通しなくとも、凹状あるいは溝状に形成されても良い。
なお、電極パターン16及び24の形状については特に限定しないが、孔の周囲に円形に構成することにより、金属球30との接合面積が広くなり接合強度が向上する。
【0019】
(3)半導体の実装・金属球の設置工程
図3(c)において、第1及び第2の半導体チップ100、200に施されたソース電極102、202、及びゲート電極103、203を、第1の配線基板10の所定の電極パターン12、13、14、15とそれぞれ接合する。この場合、ソース電極102、202、及びゲート電極103、203、もしくは各電極パターン上に予め直径が数十μm程度の半田ボールを用いて半田バンプ(半田50)を形成しておくとこれらを容易に接合することができる。
また、予め電極パターン16に半田ペースト(半田51)を塗布しておき、第1の孔部11に金属球30を設置する。金属球30の一部が第1の孔部11に嵌るように設置されることにより、金属球30の設置位置が決められる。
その後、半田の溶融点を超える温度でリフローを行うことにより、第1及び第2の半導体チップ100、200、及び金属球30は、それぞれ第1の配線基板10と半田50、51により接合される。
上記の金属球30については、本実施例では、各半導体チップの実装高さが500μm程度であり、第1の配線基板10と第2の配線基板20との間隔を同寸法に保持するため、予め、第1及び第2の孔部の径を考慮し、その間隔が保持できる直径を有する金属球30を選定しておく。また、銅コアの周囲に数十μmの鉛フリー半田コーティングが施された銅コア半田ボールのような複合材料を用いることにより、半田ペーストを塗布する作業を省略することができる。
なお、本実施例では、第1及び第2の半導体チップ100、200の実装を金属球30を設置する前に行ったが、作業の効率及び信頼性等を考慮することにおいてその順序は自由に変更することができる。
【0020】
(4)配線基板の位置整合工程
図3(d)において、ドレイン電極101、201の上面、またはそれらと接合される第2の配線基板20の電極パターン22、23にリボン半田(半田52)を配置し、金属球30または第2の配線基板20の電極パターン24に半田ペースト(半田53)を配置する。次に、第2の孔部21に金属球30が設置されるように第2の配線基板20を重ねる。第2の孔部21及び金属球30は、少なくともそれぞれの相ごとに複数設けられているので、各相の第2の孔部21に金属球30が設置されることにより、ドレイン電極101、201の上面と第2の配線基板20の電極パターン22、23はそれぞれ対向する位置に整合される。このように、第1の配線基板10と第2の配線基板20は、容易に高い精度で位置決めが行われる。
なお、上記で用いた半田52、53は、前工程で用いた半田50、51よりも融点の低い半田材を使用することが、その後のリフロー時に前工程の半田の溶融を防止する上で好ましい。
【0021】
(5)接合工程
図3(e)において、半田52、53の溶融点よりも高く、半田50、51の融点よりも低い温度により再度リフローを行う。
以上により、ドレイン電極101、201と電極パターン22、23がそれぞれ接合され、金属球30と電極パターン24が接合されてインバータモジュール1が形成される。
【0022】
(3)の半導体の実装・金属球の設置工程において、金属球30は、第2の孔部21に設置して第2の配線基板20と接合しても良く、この場合は、(4)の配線基板の位置整合工程において、第1の孔部11に金属球30が設置されるように第2の配線基板20を重ねて第1の配線基板10と第2の配線基板20の位置決めを行う。その後、ドレイン電極101、201が第2の配線基板20と接合されるのと同時に、金属球30と第1の配線基板10とが接合される。このときの半田材の選定及びリフロー温度は適宜調整すれば良い。
【0023】
その後、さらにモジュールの補強を行うために、第1の配線基板10と第2の配線基板20との間の空隙に絶縁樹脂を封入することもある。また、第1の配線基板10の下面及び第2の配線基板20の上面に放熱部40を設けることにより、半導体チップから発熱した熱を効率的に外部に放散することができる。さらに、金属球30を、第1の配線基板10又は第2の配線基板20を介して、温度差の生じ易い放熱部40と隣り合う位置に配置することにより、基板の強度がさらに向上する。このため、熱膨張・収縮による配線基板の反り等の形状の変形を最小限に防止することができる。
【0024】
本発明に関する上述の詳細な説明を添付図面と併せて参酌すれば、第1の配線基板10と第2の配線基板20に設けた第1の孔部11及び第2の孔部21に、金属球30を設置するといった単純な形状且つ容易な作業により、半導体チップを挟む2枚の配線基板の間隔を一定に保持するとともに、該2枚の配線基板の接合位置を高精度に決めることができる。各孔部または金属球30のサイズを変更することにより、2枚の配線基板の間隔を容易に調整することもできる。
また、金属球30を電気回路の一部として適用することにより、電流容量の増加にも容易に対応でき、実装スペースを小さくできるので、インバータモジュールの小型化にも寄与することができる。さらに、金属球30は、一部が凸又は凹状に変形した略球形、又は端部が曲面を有する円柱形の略球形状であっても良いので、材料の選定が容易になり、コスト面においても安価になる。なお、金属球30については、銅コア材に半田層をコーティングした銅コア半田ボールを用いることにより、該2枚の配線基板の間隔を高い精度で保持することができるとともに、半田付けの作業及び半田付着量の調整が容易になり、安定した強固な半田接合を行うことができるので、信頼性の向上にも寄与することとなる。
さらに、金属球30を、第1の配線基板10又は第2の配線基板20を介して、温度差の生じ易い放熱部40と隣り合う位置に配置することにより、基板の接合強度が向上し、熱膨張・収縮による配線基板の反り等の形状の変形を最小限に防止することができる。
【0025】
本実施形態では、パワーMOSFETを備えるインバータモジュールを構成する半導体装置について説明した。上述する説明を参酌すれば、IGBTやその他の半導体デバイスにより構成される半導体装置についても同じように構成することができ、同様の効果が得られる。
【0026】
また、本発明により、高発熱環境下における良好な放熱性、配線基板同士の高い接合強度や高い位置決め精度等から得られる高い信頼性、及びコンパクト性等が要求される分野への適用が可能となる。
例えば、高周波大電流対応のインバータへの適用、耐振動性やコンパクトさが要求される車載用インバータへの適用が実現できる。あるいは、耐熱性、耐振動性及びコンパクト性が要求されるロボットアームの内部に制御用の半導体装置として、本発明の半導体装置を搭載することも可能になる。
【0027】
本発明は、工作機械、ロボット、一般産業機械等に使用されるサーボドライブ装置、インバータ装置、または一般的なスイッチング電源等の電力変換装置を構成する半導体装置に適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 インバータモジュール
10 第1の配線基板
20 第2の配線基板
30 金属球
40 放熱部
50 半田
60 出力端子
100 第1の半導体チップ
200 第2の半導体チップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の孔部を有する第1の配線基板と、
前記第1の孔部に対向する位置に第2の孔部を有する第2の配線基板と、
前記第1及び第2の孔部の孔径よりも大きい径を有し、前記第1の配線基板と前記第2の配線基板との間、且つ前記第1の孔部及び前記第2の孔部に設置され、前記第1及び第2の配線基板とそれぞれ接合された少なくとも1つの金属球と、
前記金属球の隣に間隔をおいて、前記第1の配線基板上に実装された第1の半導体チップとを備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の配線基板上に、さらに第2の半導体チップが実装され、前記金属球は、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとの間に設置されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記金属球は、一部が凸又は凹状に変形した略球形、又は端部が曲面を有する円柱形のいずれかを含む形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属球は、銅コア材に半田層をコーティングした銅コア半田ボールからなることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体装置は放熱部を備えており、前記金属球は、前記第1の配線基板または第2の配線基板を介して、前記放熱部と隣り合う位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項6】
回転機器及び前記回転機器の動作を制御する制御部を備えた工作機械又はロボットの駆動装置において、前記制御部には請求項1又は2記載の半導体装置を備えたことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
直流電力から交流電力を電気的に生成する回路を備えたインバータ装置において、前記回路には請求項1又は2記載の半導体装置を備えたことを特徴とするインバータ装置。
【請求項8】
第1の配線基板及び第2の配線基板を準備する工程と、
前記第1及び第2の配線基板にそれぞれ第1の孔部及び第2の孔部を設ける工程と、
前記第1又は第2の配線基板のいずれかに半導体チップを実装するとともに、前記第1又は第2の孔部の一方の孔部に金属球を設置して、前記金属球が設置された前記第1又は第2の配線基板の一方の配線基板と前記金属球とを接合材により接合する工程と、
前記金属球を他方の孔部に設置することにより、前記第1の孔部と第2の孔部を対向させて前記第1の配線基板及び第2の配線基板の位置を整合する工程と、
前記金属球と他方の配線基板とを接合材により接合する工程とを有することを特徴とする半導体装置の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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