説明

半導体装置

【課題】冗長メモリを有する半導体装置において、装置面積を削減するとともに、救済情報の転送時間を短縮する。さらに、救済情報の転送制御をより簡略化する。
【解決手段】第1の救済情報格納手段200は不良セルを有する冗長メモリを救済するための救済情報を記臆する。冗長メモリ101,102は第2の救済情報格納手段400−1を共有し、冗長メモリ111,112,113は第2の救済情報格納手段400−5を共有する。第2の救済情報格納手段400−1,…,400−5は同一個数のシフトレジスタを有し、第1の救済情報格納手段200に直列に接続されており、救済情報が転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる冗長メモリを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メモリアレイ内に故障が存在した場合に救済することが可能な冗長救済機能付きメモリ(以下、単に「冗長メモリ」と記載する)に対して、救済情報を効率的に転送する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許第6556490号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
システムLSIの大規模化に伴い、チップ内に搭載される総メモリ容量やメモリ数が増加している。また半導体装置のプロセス歩留まりを向上させるために、冗長メモリが使用される比率が高くなっている。このため、冗長救済を行うための回路や配線の面積も多くなり、チップ面積に対するインパクトも大きくなっている。
【0004】
これを回避するために、例えば特許文献1に示す従来技術では、各冗長メモリの内部にスキャンフリップフロップ等の救済情報の格納手段を設け、これらをデイジーチェーン接続し、それを冗長メモリの外に配置したヒューズボックスと接続している。そして、救済情報をヒューズボックスからシリアルに所定の冗長メモリに対して転送するようにしている。
【0005】
しかしながら、この手法では、救済情報格納手段が冗長メモリの数だけ必要となるため、チップ全体でみると回路面積を増大させてしまうという問題がある。また、ヒューズボックスから冗長メモリに救済情報を転送する際の転送時間は、チェーンに存在するスキャンフリップフロップの個数に比例して長くなってしまう。さらには、各冗長メモリの救済情報を格納するためのスキャンフリップの個数は、各冗長メモリの構成に応じてまちまちであるため、ヒューズボックスから所定の冗長メモリに救済情報を転送するためのシフト動作の制御が複雑になるという問題もある。
【0006】
前記の問題に鑑み、本発明は、冗長メモリを有する半導体装置において、装置面積を削減するとともに、救済情報の転送時間を短縮することを目的とする。さらに、救済情報の転送制御をより簡略化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、半導体装置として、複数のメモリセルを有し、かつ、不良の前記メモリセルである不良セルを救済するための機能を有する、独立で動作可能な複数の冗長メモリと、不良セルを有する前記冗長メモリを救済するための救済情報を記憶する第1の救済情報格納手段と、前記第1の救済情報格納手段から前記救済情報が転送され、転送された救済情報を格納する第2の救済情報格納手段とを備え、前記第2の救済情報格納手段は、前記冗長メモリの外部に配置されており、かつ、前記複数の冗長メモリに共有されており、前記複数の冗長メモリは、前記第2の救済情報格納手段が格納する救済情報を用いて、不良セルの救済処理を実行可能である。
【0008】
本発明によると、第1の救済情報格納手段から救済情報が転送される第2の救済情報格納手段は、冗長メモリの外部に配置され、かつ、複数の冗長メモリに共有されている。このため、第2の救済情報格納手段の個数を大幅に削減することができ、たとえ冗長メモリの搭載数が増加した場合であっても、第2の救済情報格納手段の個数の増加を抑制することができ、装置回路を削減することが可能になる。また、第2の救済情報格納手段の個数が削減されるため、第1の救済情報格納手段から救済情報を転送するための転送サイクルを少なくすることができるので、電源投入後に行う救済情報の転送時間を短縮することができる。
【0009】
そして、前記本発明の半導体装置において、前記第1および第2の救済情報格納手段は、それぞれ、救済情報を格納するためのシフトレジスタを有し、救済情報を前記シフトレジスタのシフト動作によって順次転送可能に構成されているのが好ましい。
【0010】
さらに、前記複数の冗長メモリおよび前記第2の救済情報格納手段の組み合わせが、複数個、設けられており、複数の前記第2の救済情報格納手段は、救済情報が順次転送可能なように、前記第1の救済情報格納手段に直列に接続されているのが好ましい。
【0011】
これにより、複数の第2の救済情報格納手段は、第1の救済情報格納手段に直列に接続されているので、第1の救済情報格納手段から、簡易に、救済情報を転送することが可能になる。
【0012】
さらに、複数の前記第2の救済情報格納手段は、同一個数の前記シフトレジスタを、それぞれ有しているのが好ましい。
【0013】
これにより、複数の第2の救済情報格納手段に救済情報をそれぞれ転送するためのクロック数の設定が容易になり、救済情報を転送するための複雑な制御が不要となる。
【0014】
また、前記本発明の半導体装置において、前記複数の冗長メモリは、ビット構成またはワード構成が互いに異なるものであり、かつ、前記第2の救済情報格納手段が格納する救済情報の一部または全部を共有しているのが好ましい。
【0015】
また、前記本発明の半導体装置において、前記第1の救済情報格納手段は、救済情報を記憶するための電気ヒューズ素子を有するのが好ましい。
【0016】
また、前記本発明の半導体装置において、前記第1の救済情報格納手段は、救済情報を記憶するための不揮発性メモリ素子を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、冗長メモリの搭載数に比例して増加していた第2の救済情報格納手段の個数を大幅に削減することができ、良品数を増加させることができる。
【0018】
また、電源投入後に行う救済情報の転送時間を短縮できるため、チップ動作開始までのオフセット時間を短くすることができる。さらには、救済情報を転送するための複雑な制御が不要であり、制御回路の省面積化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。また図2は本実施形態に係る半導体装置の冗長救済に関連する動作を示すタイミングチャートであり、(a)はテストフェーズ、(b)はチップ実動作フェーズを示す。
【0021】
まず図1において、101,102は複数のメモリセルを有し、かつ、不良のメモリセル(不良セル)を救済するための機能を有する冗長メモリ、200は不良セルを有する冗長メモリ101,102を救済するための救済情報を記憶する第1の救済情報格納手段、400は第1の救済情報格納手段200から救済情報が転送され、転送された救済情報を格納する第2の救済情報格納手段である。第2の救済情報格納手段400は冗長メモリ101,102で共有されており、かつ、冗長メモリ101,102の外部に配置されている。そして冗長メモリ101,102は、第2の救済情報格納手段400が格納する救済情報S4を用いて、不良セルの救済処理を実行可能である。なお、第2の救済情報格納手段400は、3個以上の冗長メモリで共有しても同様の効果が得られるが、簡略化のために図示は省いている。100は冗長メモリ101,102を含む冗長メモリグループである。なお、冗長メモリ101,102はビット構成またはワード構成が互いに異なっていてもよい。この場合、第2の救済情報格納手段400が格納する救済情報S4の一部または全部を共有していればよい。
【0022】
第1の救済情報格納手段200は、シフトレジスタL11,L12,…,L1xと、電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xとを備えている。シフトレジスタL11,L12,…,L1xに格納された救済情報は、電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xのプログラム情報としてそれぞれ用いられる。すなわち、電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xは救済情報を記憶する役割を果たす。なお、電気ヒューズ素子の代わりに、電源をオフした時でも救済情報を保持できる不揮発性メモリ素子を用いてもかまわない。また第2の救済情報格納手段400は、救済情報を格納するためのシフトレジスタLa1,La2,…,Laxを備えている。第1の救済情報格納手段200が有するシフトレジスタL11,L12,…,L1x、および、第2の救済情報格納手段400が有するシフトレジスタLa1,La2,…,Laxは、それぞれ、データすなわち救済情報をそのシフト動作によって順次転送可能なように、シリアルに接続されている。
【0023】
上述した構成によると、第2の救済情報格納手段が複数の冗長メモリに共有されているため、第2の救済情報格納手段の個数を削減でき、装置面積を削減できるという効果が得られる。昨今、システムLSIの大規模化に伴って、冗長メモリの搭載数は増加傾向にある。これに対して、チップに搭載されている冗長メモリのうち、実際に冗長救済が実施される数は極めて少ない。よって、プロセス完成度を予測した上で、第2の救済情報格納手段を複数の冗長メモリで共有する構成を採れば、歩留まり低下を来たすことはない。むしろ、チップ面積が削減されるため、1ウェハあたりの取れ数が増大するので、良品の取れ数を増加させることができる。したがって、本実施形態によると、冗長メモリの搭載数に比例して増加していた第2の救済情報格納手段の個数を大幅に削減することができ、良品数を増加させることができる。
【0024】
なお、図1では、以下に説明するテスト回路30、クロック制御部5およびそれらが入出力する信号線を含めて図示しているが、これらは本実施形態を説明するために記載したものであって、特に本発明の効果をもたらす必須の構成要素ではないことを付け加えておく。
【0025】
テスト回路30は、冗長メモリ101,102の検査を行う検査部31と、不良セルを救済するための救済情報S3を出力する出力部32とを備えている。検査部31は検査外部信号群TEを受け、テスター制御によって、アドレス信号、データ入出力信号および制御信号等からなる検査内部信号群S1を用いて冗長メモリ101,102に対して所望の検査を実施する。そして、パスかフェイルかを判定し、かつフェイルの場合に冗長救済が可能か否かの判定を行い、検査結果情報S2を出力部32に出力する。救済不可の場合は救済不可信号STATUSが出力される。出力部32は、冗長救済が可能か否かの状態に応じて、救済情報S3を第1の救済情報格納手段200に出力する。本実施形態では、救済情報S3を出力する場合は救済情報フラグS6を“H”状態にし、一方それ以外の場合は救済情報フラグS6を“L”状態にするものとする。第1の救済情報格納手段200は、内部に有するシフトレジスタL11,L12,…,L1xへのデータ入力を救済情報フラグS6を用いて制御できる。
【0026】
また本実施形態では、テスト回路30が冗長メモリ毎に検査を行い、かつ、その結果から出力部32が冗長メモリ毎に救済情報フラグS6および救済情報S3を出力するものとする。なお、出力部32が救済情報S3を第1の救済情報格納手段200に出力する際、本実施形態ではパラレル転送する例を示しているが、シリアル転送してもかまわない。また本実施形態では、冗長メモリ101,102の動作およびテスト回路30による冗長メモリ101,102の検査は、第1のクロックCK1に従って実行され、一方、出力部32からの救済情報S3の出力は、第2のクロックCK2に従って実行されるものとする。
【0027】
以下、図1および図2(a)を参照しながら、テストフェーズにおける動作を検査の流れに沿って説明する。
【0028】
まず、検査段階1において、テスト回路30が冗長メモリ101の検査を行い、フェイルと判定したとする。検査結果判定信号は“H”に遷移する。検査が終了後(検査終了信号が“H”状態に遷移した後)、検査部31は冗長メモリ101が冗長救済可能であるかを否か判定する。救済可能であった場合は、出力部32は救済情報フラグS6を“H”状態とし、クロックCK2に同期して、救済情報S3を第1の救済情報格納手段200のシフトレジスタL11,L12,…,L1xにパラレルに転送する。
【0029】
次に、検査段階2において、テスト回路30が冗長メモリ102の検査を行い、パスと判定した(フェイルが存在しなかった)とする。検査が終了後(検査終了信号が“H”状態に遷移した後)も検査結果判定信号は“L”を維持する。検査部31は冗長メモリ102の救済可否判定をすることはなく、出力部32の救済情報フラグS6は“L”状態のままであり、救済情報S3が第1の救済情報格納手段200に転送されることはない。
【0030】
テスト回路30が対象とする全冗長メモリの検査段階が終了した後(本実施形態では検査段階2まで終了した後)、プログラム段階に移行する。すなわち図2(a)のプログラム段階に示すように、第1の救済情報格納手段200において、シフトレジスタL11,L12,…,L1xに格納されている救済情報S3を用いて、一定時間を要して電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xにプログラムする。
【0031】
なおこのとき、多様な制御が半導体装置として考えられる。例えば、第2の救済情報格納手段400を共有する複数の冗長メモリにおいて、フェイルかつ救済可能と判定された冗長メモリが2個以上あり、別々の救済情報を要する場合は、チップとして救済が不可能である。よって、このような場合には、プログラム動作を行わないようにする。
【0032】
さて、一般に半導体装置は、電源投入後にリセット動作を行って回路内部のレジスタ群を初期化した後に、動作を開始する。しかしながら、本実施形態の冗長救済の構成においては、リセットによる初期化後に、さらに第1の救済情報格納手段の電気ヒューズ素子に記憶させておいた救済情報を、救済対象の冗長メモリと接続された第2の救済情報格納手段に転送する必要がある。
【0033】
以下、図2(b)を参照しながら、チップ実動作フェーズにおける救済情報の転送動作について説明する。本実施形態では上述の通り、冗長メモリ101を救済するための救済情報が第1の救済情報格納手段200の電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xに記憶されている。電源投入後のリセット動作後に、電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xに記憶されている救済情報は、同手段内のシフトレジスタL11,L12,…,L1xにセットされる。シフトレジスタL11,L12,…,L1xにセットされた救済情報は、クロックCK2に同期して、第2の救済情報格納手段200のシフトレジスタLa1,La2,…,Laxに順次転送される。なお、救済情報の転送動作をチップ動作上安全に行うために、条件を設けてもよい。本実施形態では、転送制御信号CNを用いて、条件を満たしている場合(“H”状態)に、クロックCK2に同期して転送イネーブル信号S5を形成して、救済情報の転送動作が行なわれるものとしている。転送動作は、図2(b)に示す転送サイクル(A)の期間を必要とする。
【0034】
以上のように本実施形態の構成によると、複数の冗長メモリで第2の救済情報格納手段を共有することによって、第2の救済情報格納手段の個数が削減されるため、第1の救済情報格納手段200から救済情報を転送するための転送サイクルを少なくすることができる(本実施形態では、転送サイクル(A)の1サイクルのみで良い)。これによって、電源投入後に行う救済情報の転送時間を短縮できるため、チップ動作開始までのオフセット時間を短くすることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。また図4は本実施形態に係る半導体装置の冗長救済に関連する動作のうち、救済情報の転送動作を示すタイミングチャートである。
【0036】
図3では、図1で説明した基本構成をベースとして、第2の救済情報格納手段とこれを共有する複数の冗長メモリとの組み合わせが、複数個(図では5個)設けられた構成を示している。すなわち、400−1〜400−5は第2の救済情報格納手段、100は冗長メモリ101,102を含む冗長メモリ共有グループ、110は冗長メモリ111,112,113を含む冗長メモリ共有グループである。第2の救済情報格納手段400−1は冗長メモリ101,102に共有されており、第2の救済情報格納手段400−5は冗長メモリ111,112,113に共有されている。なお、第2の救済情報格納手段400−2〜400−4とこれらを共有する冗長メモリについては図示を省略している。
【0037】
第2の救済情報格納手段400−1〜400−5はそれぞれ、救済情報を格納するためのシフトレジスタを有している。例えば第2の救済情報格納手段400−1はシフトレジスタLa1,La2,…,Laxを有し、第2の救済情報格納手段400−5はシフトレジスタLb1,Lb2,…,Lbxを有している。そして第2の救済情報格納手段400−1〜400−5は、救済情報が順次転送可能なように、第1の救済情報格納手段200に直列に接続されている。そして、接続順に配置番号が付されている。これにより、第1の救済情報格納手段200から第2の救済情報格納手段400−1〜400−5のそれぞれに、単一のクロックCK2によって、簡易に救済情報を転送することができる。
【0038】
さらに特徴的なことは、第1の救済情報格納手段200、および第2の救済情報格納手段400−1〜400−5が各々有するシフトレジスタの個数が、一律m個(m=x)に設定されている点である。一般に、各冗長メモリが必要とする救済情報の個数は、その構成要素であるビット数、ワード数、カラム数によって決まる。よって、その救済情報を格納するために必要とされるシフトレジスタの個数は、おのずとまちまちとなる。しかしながら本実施形態では、第1の救済情報格納手段を起点とする救済情報の転送チェーンを構成する複数の第2の救済情報格納手段は、同一個数のシフトレジスタをそれぞれ有するように構成している。
【0039】
以下、図4を参照しながら、チップ実動作フェーズにおける救済情報の転送動作について説明する。第1の実施形態で説明したとおり、電源投入後のリセット動作後に、第1の救済情報格納手段200の電気ヒューズ素子F11,F12,…,F1xに記憶されている救済情報は、同手段内のシフトレジスタL11,L12,…,L1xにセットされる。その後、シフトレジスタL11,L12,…,L1xにセットされた救済情報は、転送制御信号CNが“H”状態の場合に、クロックCK2に同期して順次転送される。
【0040】
ここで、以降の説明を容易にするために、1つのシフトレジスタに格納される情報を単に救済情報と呼び、任意の冗長メモリを救済するために必要となる複数の救済情報のかたまりを救済情報セットと呼ぶことにする。
【0041】
本実施形態の特徴である、第2の救済情報格納手段が各々有するシフトレジスタの個数を同一にしたことによる効果を得るために、例えば次のような構成をとることがが好ましい。
【0042】
すなわち、まず、第1の救済情報格納手段200に記憶されている救済情報セットを第2の救済情報格納手段400−1〜400−5にそれぞれ転送するために要する、クロックCK2のクロック数を、第2の救済情報格納手段400−1〜400−5が一律に有するシフトレジスタの個数(m個)の整数倍に設定する。次に、第2の救済情報格納手段400−1〜400−5の順番Nを、例えば図4に示すように、最も近い第2の救済情報格納手段400−1は1番<0001>、最も遠い第2の救済情報格納手段400−5は5番<0101>というように設定し、テスト回路30、第1の救済情報格納手段200等に格納する。これによって、配置N番目の第2の救済情報格納手段400−Nに救済情報セットを転送するために要するクロックCK2のクロック数は、m×Nと容易化できる。
【0043】
以上のように本実施形態の構成によると、第1の救済情報格納手段に直列に接続された複数の第2の救済情報格納手段のいずれかに救済情報セットを転送する場合において、第2の救済情報格納手段の配置順の情報を用いることによって、転送クロックのクロック数を簡単に設定することができる。これにより、救済情報を転送するための複雑な制御が不要になり、制御回路の省面積化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明では、冗長メモリを有する半導体装置において、救済情報格納手段の個数を削減できるとともに、救済情報の転送を効率良く実現できるので、例えば、多数のメモリを有する半導体装置の回路面積削減に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の冗長救済に関連する動作を示すタイミングチャートであり、(a)はテストフェーズ、(b)はチップ実動作フェーズである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の冗長救済に関連する動作のうち、救済情報の転送動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0046】
101,102,111,112,113 冗長メモリ
200 第1の救済情報格納手段
400,400−1,400−5 第2の救済情報格納手段
S3,S4 救済情報
L11,L12,…,L1x,La1,La2,…,Lax,Lb1,Lb2,…,Lbx シフトレジスタ
F11,F12,…,F1x 電気ヒューズ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルを有し、かつ、不良の前記メモリセルである不良セルを救済するための機能を有する、独立で動作可能な複数の冗長メモリと、
不良セルを有する前記冗長メモリを救済するための救済情報を記憶する第1の救済情報格納手段と、
前記第1の救済情報格納手段から前記救済情報が転送され、転送された救済情報を格納する第2の救済情報格納手段とを備え、
前記第2の救済情報格納手段は、前記冗長メモリの外部に配置されており、かつ、前記複数の冗長メモリに共有されており、
前記複数の冗長メモリは、前記第2の救済情報格納手段が格納する救済情報を用いて、不良セルの救済処理を実行可能である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2の救済情報格納手段は、それぞれ、救済情報を格納するためのシフトレジスタを有し、救済情報を前記シフトレジスタのシフト動作によって順次転送可能に構成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数の冗長メモリおよび前記第2の救済情報格納手段の組み合わせが、複数個、設けられており、
複数の前記第2の救済情報格納手段は、救済情報が順次転送可能なように、前記第1の救済情報格納手段に直列に接続されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、
複数の前記第2の救済情報格納手段は、同一個数の前記シフトレジスタを、それぞれ有している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記複数の冗長メモリは、ビット構成またはワード構成が互いに異なるものであり、かつ、前記第2の救済情報格納手段が格納する救済情報の一部または全部を共有している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1の救済情報格納手段は、救済情報を記憶するための電気ヒューズ素子を有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1の救済情報格納手段は、救済情報を記憶するための不揮発性メモリ素子を有する
ことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−99186(P2009−99186A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268870(P2007−268870)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】