説明

半導体記憶装置、及び、半導体記憶装置の制御方法

【課題】記憶するデータに対応する情報を表示部に表示する半導体記憶装置において、表示部が表示する情報の正確性を確保することが可能な半導体記憶装置、及び、半導体記憶装置の制御方法を提供する。
【解決手段】データを記憶する記憶部21を備え、パーソナルコンピューター2に着脱自在に取り付けられるとともに、パーソナルコンピューター2と通信可能に接続されるUSBメモリー1において、各種情報を表示する表示部9と、記憶部21に対する処理に応じて表示部9の表示内容を制御する制御部17と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器に対して着脱自在に取り付けられる半導体記憶装置、及び、この半導体記憶装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示手段を備え、この表示手段に、内蔵するメモリーに記憶されたデータに応じた情報を表示するメモリーカードが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のメモリーカードは、ユーザーによって外部機器に設けられたカードスロットなどに取り付けられて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−140677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したメモリーカードのように、表示手段を備え、この表示手段にメモリーに記憶されたデータに応じた情報を表示するメモリーカードでは、メモリーに対して何らかの処理が行われたことに起因して、表示手段が表示する情報と、メモリーに記憶されたデータとが対応しないものとなることがあり、表示手段に表示される情報の正確性に課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記憶するデータに対応する情報を表示部に表示する半導体記憶装置において、表示部が表示する情報の正確性を確保することが可能な半導体記憶装置、及び、半導体記憶装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、データを記憶する記憶部を備え、外部機器に着脱自在に取り付けられるとともに、前記外部機器に取り付けられた場合に前記外部機器と通信可能に接続される半導体記憶装置において、各種情報を表示する表示部と、前記記憶部に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記憶部に対する処理に応じて表示部の表示内容が制御されるため、表示部の表示内容は、記憶部に対する処理を反映したものとなり、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0006】
ここで、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示部は、前記記憶部の特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を表示し、前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御してもよい。
この構成によれば、特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を表示部に表示する半導体記憶装置において、特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、表示部が表示する特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御する。このため、表示部が表示する情報は、特定の記憶領域に対して行われた処理に対応した情報となり、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0007】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に記憶されたデータの書き換え、消去、及び、前記特定の記憶領域への新たなデータの書き込みのいずれかの処理を少なくとも含む処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御してもよい。
この構成によれば、特定の記憶領域に記憶されたデータの書き換え、消去、及び、前記特定の記憶領域への新たなデータの書き込みのいずれかの処理を少なくとも含む処理が行われた場合に、表示部が表示する情報は、これら処理に対応した情報となり、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0008】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報の前記表示部への表示を停止させてもよい。
この構成によれば、特定の記憶領域に対して処理が行われることにより、特定の記憶領域に記憶されたデータと、表示部が表示する情報とが対応しないものとなった場合、表示部への当該情報の表示が停止されるため、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0009】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示部は、前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報として、当該データに係る提供者を示す情報を表示し、前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記提供者を示す情報の前記表示部への表示を停止させてもよい。
ここで、提供者とは、データを半導体記憶装置に記憶した上で、当該データが記憶された半導体記憶装置をユーザーに提供する主体を言い、個人、法人を問わず、また、有償による提供、無償による提供を問わない。提供者として、例えば、当該データが記憶された半導体記憶装置を販売するメーカーが挙げられる。
この構成によれば、特定の記憶領域に対して処理が行われることにより、当該データが信頼性のないデータとなった場合、当該データに係る提供者を示す情報の表示部への表示が停止されるため、提供者への信用の低下を防止することができる。
【0010】
また、上記発明の半導体記憶装置において、表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が通信可能に接続された前記外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報を前記表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、記憶部が記憶するデータを利用した動作が外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報が表示部に表示されるため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、当該動作を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0011】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作の内容を示す情報を前記表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、記憶部が記憶するデータを利用した動作が外部機器によって行われる場合、当該動作の内容を示す情報が表示部に表示されるため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、当該動作の内容を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0012】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報を前記表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、記憶部が記憶するデータを利用した動作が外部機器によって行われる場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報が表示部に表示されるため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、問い合わせ先を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0013】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報を前記表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、記憶部が記憶するデータを利用した動作が外部機器によって行われる場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報が表示部に表示されるため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、ユーザー登録が完了している否かを認識することができる。そして、この認識に基づいて速やかにユーザー登録などの処理をおこなうことができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0014】
また、上記発明の半導体記憶装置において、前記表示制御部は、コピー可能な回数が設定されたデータのコピーに係る動作、又は、インストール可能な回数が設定されたデータのインストールに係る動作が前記外部機器によって行われる場合、前記コピー可能な回数、又は、前記インストール可能な回数を示す情報を前記表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、コピー可能な回数が設定されたデータのコピーに係る動作、又は、インストール可能な回数が設定されたデータのインストールに係る動作が外部機器によって行われる場合、コピー可能な回数、又は、インストール可能な回数を示す情報が表示部に表示される。このため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、コピー可能な回数、又は、インストール可能な回数を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明は、データを記憶する記憶部を備え、外部機器に着脱自在に取り付けられるとともに、前記外部機器に取り付けられた場合に前記外部機器と通信可能に接続される半導体記憶装置の制御方法であって、前記半導体記憶装置が備える表示部に各種情報を表示し、前記記憶部に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御することを特徴とする。
この制御方法によれば、記憶部に対する処理に応じて表示部の表示内容が制御されるため、表示部の表示内容は、記憶部に対する処理を反映したものとなり、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0016】
ここで、上記半導体記憶装置の制御方法において、前記記憶部の特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を前記表示部に表示し、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御してもよい。
この制御方法によれば、特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を表示部に表示する半導体記憶装置において、特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、表示部が表示する特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御する。このため、表示部が表示する情報は、特定の記憶領域に対して行われた処理に対応した情報となり、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0017】
また、上記半導体記憶装置の制御方法において、前記表示部に各種情報を表示し、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が通信可能に接続された前記外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報を前記表示部に表示してもよい。
この制御方法によれば、記憶部が記憶するデータを利用した動作が外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報が表示部に表示されるため、ユーザーは、表示部に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、当該動作を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、記憶するデータに対応する情報を表示部に表示する半導体記憶装置において、表示部が表示する情報の正確性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係るUSBメモリーの実施態様の一例を示す図である。
【図2】USBメモリー及びパーソナルコンピューターの構成のブロック図である。
【図3】記憶部の構成を模式的に示す図である。
【図4】USBメモリーの動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係るUSBメモリーの動作のフローチャートを示す図である。
【図6】USBメモリーの表示部の表示態様を示す図である。
【図7】他の実施形態に係るUSBメモリーの表示部の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るUSBメモリー1(半導体記憶装置)の実施態様の一例を示す図である。
USBメモリー1は、不揮発性の半導体メモリーであるフラッシュメモリーを備え、このフラッシュメモリーに各種データを書き換え可能に記憶する。USBメモリー1は、パーソナルコンピューター2(外部機器)に着脱自在に取り付け可能である。そして、パーソナルコンピューター2に取り付けられた状態において、このパーソナルコンピューター2との間でUSB(Universal Serial Bus)の規格に準拠した通信が可能となるとともに、パーソナルコンピューター2から取り外された状態において、ユーザーによって持ち運びが可能となる。ここで、USBとは、シリアルバス規格の1つであり、USB Implementers Forum, Inc.によってその仕様の策定、管理されており、バージョンとしてUSB1.0、1.1、2.0、3.0が存在する。
図1に示すように、USBメモリー1は、フラッシュメモリーを収納する本体ケース5を備え、この本体ケース5には、メモリー側端子6が設けられている。一方、パーソナルコンピューター2には、外部機器側端子(不図示)を備えるUSBポート7が設けられている。USBメモリー1がパーソナルコンピューター2に取り付けられる場合は、USBメモリー1のメモリー側端子6がUSBポート7の外部機器側端子に直接接続され、または、USBメモリー1のメモリー側端子6が、延長ケーブル8などのケーブルを介してUSBポート7に接続される。
また、USBメモリー1の本体ケース5の表面には、各種情報を表示可能な表示部9が設けられており、図1に示すように、USBメモリー1がパーソナルコンピューター2に取り付けられた状態において、ユーザーは、表示部9が表示する各種情報を視認することができる。
【0021】
本実施形態に係るUSBメモリー1は、以下の態様で提供者によってユーザーに提供され、以下の態様でUSBメモリー1を提供されたユーザーによって使用されるものである。
すなわち、USBメモリー1は、コンピューターウイルス駆除ソフトや、ファイル管理ソフト、ゲームソフトなどのある特定の目的のために作成されたソフトウェアに係るデータ(以下、「特定目的データ」という)が予め記憶された状態で、提供者によってユーザーに提供される。USBメモリー1がユーザーに提供される際は、表示部9には、提供者を示す情報(図1では「○×会社」と表示)が表示され、ユーザーは、表示部9に表示された情報を参照することにより、当該USBメモリー1の提供者を認識することができる。
USBメモリー1を提供されたユーザーは、パーソナルコンピューター2にUSBメモリー1を取り付け、パーソナルコンピューター2によって、USBメモリー1に記憶された特定目的データに係るソフトウェアを実行したり、パーソナルコンピューター2にソフトウェアをインストールし、また、ソフトウェアに係るデータをコピーしたりする。そして、USBメモリー1に記憶されたソフトウェアを利用し終わり、以後、当該ソフトウェアを利用することがなくなった場合、ユーザーは、パーソナルコンピューター2を操作して、USBメモリー1から特定目的データを削除し、USBメモリー1によるデータの記憶可能量を増大した上で、USBメモリー1を汎用の補助記憶装置として使用する。
ここで、提供者とは、特定目的データをUSBメモリー1に記憶した上で、当該データが記憶されたUSBメモリー1をユーザーに提供する主体を言い、個人、法人を問わず、また、有償による提供、無償による提供を問わない。提供者として、例えば、特定目的データが記憶されたUSBメモリー1を製造、販売するメーカーが挙げられる。
また、提供者を示す情報とは、提供者の名称を示す情報のほか、提供者に係るロゴマークを示す情報など、提供者に係る任意の情報でよい。
【0022】
図2は、USBメモリー1、及び、パーソナルコンピューター2の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パーソナルコンピューター2は、外部機器側制御部11と、外部機器側表示部12と、入力部13と、外部機器側記憶部14と、外部機器側インターフェイス部15と、を備えている。
外部機器側制御部11は、パーソナルコンピューター2の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムや、このプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
外部機器側表示部12は、液晶表示パネルを備えて構成されており、外部機器側制御部11の制御の下、各種情報を表示する。なお、外部機器側表示部12は、液晶表示パネルに限らず、有機ELパネルや、CRTなどを備えて構成されていてもよい。
入力部13は、キーボードや、マウスなどの入力デバイスに接続され、ユーザーによる入力デバイスの操作を検出し、検出した操作に対応する操作信号を外部機器が出力する。
外部機器側記憶部14は、磁気的、光学的記憶媒体や、半導体記憶素子などを用いた記憶装置を備え、各種データを記憶する。
外部機器側インターフェイス部15は、外部機器側制御部11の制御の下、USBメモリー1との間でUSBの規格に準拠した通信を行う。
【0023】
また、図2に示すように、USBメモリー1は、制御部17と、表示部9と、表示駆動部18と、インターフェイス部19と、メモリーインターフェイス部20と、記憶部21と、を備えている。
制御部17は、USBメモリー1の各部を中枢的に制御するものであり、外部機器側制御部11と同様、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムや、このプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
表示部9は、制御部17の制御の下、各種情報を表示するものであり、本実施形態では、マイクロカプセル電気泳動方式によって各種情報を表示する電子ペーパーを備えて構成されている。このマイクロカプセル電気泳動方式によって各種情報を利用する電子ペーパーは、非常に薄く形成され、各種情報の表示を変更し、かつ、電力の供給を受けることなく各種情報の表示を維持することができる。
【0024】
このように、電子ペーパーは、非常に薄く形成されるため、本体ケース5における表示部9に該当する部位を突出させたりするなどして表示部9を設ける場合と比較して、USBメモリー1の小型化を実現するとともに、小型化の実現に伴いユーザーによる持ち運びを容易にすることができる。
また、電子ペーパーは、表示する各種情報の変更が可能であるため、例えば、USBメモリー1に記憶されたデータに応じて表示する情報を変更して、USBメモリー1に記憶されているデータに関してユーザーが容易、かつ、確実に認識でき、ユーザーの利便性が向上する。
また、電子ペーパーは、電力の供給を受けることなく各種情報の表示を維持することができるため、パーソナルコンピューター2に取り付けられ、当該パーソナルコンピューター2から電力の供給を受けている場合のみならず、パーソナルコンピューター2から取り外された場合においても各種情報を表示することができる。従って、ユーザーは、パーソナルコンピューター2から取り外されているUSBメモリー1について、当該USBメモリー1の表示部9に表示されている各種情報を参照して、当該USBメモリー1に記憶されているデータを認識することができる。これにより、USBメモリー1に記憶されているデータを確認すべく、USBメモリー1をパーソナルコンピューター2に取り付けるという作業を減らすことができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0025】
なお、表示部9は、マイクロカプセル電気泳動方式によって各種情報を表示する電子ペーパーのみならず、コレステリック型液晶などの液晶を用いた電子ペーパーや、有機ELを用いた電子ペーパー、ツイストボール方式、サーマルリライタブル方式、トナーディスプレイ方式、電子粉粒方式などの各種方式によって各種情報を表示する電子ペーパーなどを備えて構成されていてもよい。
表示駆動部18は、表示部9の電子ペーパーを駆動する回路であり、制御部17の制御の下、表示部9の電子ペーパーに駆動信号を供給して、表示部9上に各種情報を表示する。
インターフェイス部19は、制御部17の制御の下、パーソナルコンピューター2との間でUSBの規格に準拠した通信を行う。
メモリーインターフェイス部20は、制御部17と記憶部21との間のインターフェイス処理を行う。
記憶部21は、フラッシュメモリーを備え、上述した特定の目的のために作成されたソフトウェアに係るデータなどの各種データを記憶する。
【0026】
図3は、記憶部21の記憶領域の構成を模式的に示す図である。
図3に示すように、記憶部21は、記憶領域として、非書換記憶領域23と、書換可能記憶領域24と、の2つの領域を備えている。
非書換記憶領域23は、フラッシュメモリーの制御プログラムなど、記憶部21自体を制御するための情報に係るデータや、フラッシュメモリーの記憶領域を管理するためのデータ、フラッシュメモリーに形成された記憶領域の位置情報を示すデータなど、ユーザーがアクセスして処理することができないデータが記憶された記憶領域である。
書換可能記憶領域24は、USBメモリー1がパーソナルコンピューター2に取り付けられた状態において、パーソナルコンピューター2に対するユーザーの指示によって読み出し、書き換え、消去、及び、書き込みが可能なデータが記憶された記憶領域である。書換可能記憶領域24は、図3に示すように、その記憶領域がブロック25ごとに分割されており、書換可能記憶領域24に記憶されているデータの消去は、これらブロック25単位で行われる。さらに、各ブロック25は、ページに分割されており、データの読み出しや、書き込みは、このページ単位で行われる。
上述した特定目的データは、提供者によって、この書換可能記憶領域24の特定の領域に記憶されている。具体的には、特定目的データは、書換可能記憶領域24のブロック25A、25Bに記憶されている。
【0027】
ところで、USBメモリー1に予め記憶された特定目的データの内容が変更された場合、例えば、ユーザーによって特定目的データが削除された後に新たなデータが記憶された場合、USBメモリー1に記憶されているデータは、もはや提供者がユーザーに提供することを意図して作成、記憶し、その内容について把握しているデータとは異なったデータである。従って、データの内容の変更後に、表示部9に提供者を示す情報が継続して表示された場合、表示部9に表示されている情報とデータの内容とが対応せず、表示部9に表示された情報の正確性が損なわれているといえる。そこで、本実施形態に係るUSBメモリー1は、以下の動作を行うことにより、表示部9に表示された情報の正確性を確保している。
【0028】
図4は、USBメモリー1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示す動作中、制御部17は、表示制御部として機能する。
また、以下の説明では、USBメモリー1がパーソナルコンピューター2に取り付けられているものとし、ユーザーがパーソナルコンピューター2の入力デバイスを操作して、USBメモリー1に記憶されているデータに基づく処理をパーソナルコンピューター2に実行させることができる状態であるものとする。
また、フローチャートの開始時点では、USBメモリー1は、提供者からユーザーに提供されたときの状態、すなわち、特定目的データが記憶されており、かつ、表示部9に提供者を示す情報が表示された状態にあるものとする。
【0029】
まず、USBメモリー1の制御部17は、書換可能記憶領域24の各ブロック25のうち、特定目的データが記憶されているブロック25であるブロック25A、25Bのいずれかに対する処理の開始が指示されたか否かを監視する(ステップSA1)。ここで、ブロック25A、25Bに対する処理とは、ブロック25A、25Bに記憶されているデータの書き換え、消去、又は、ブロック25A、25Bに対する新たなデータの書き込みのうち少なくとも1つの処理を含む処理をいう。これらの処理は、ユーザーによってパーソナルコンピューター2の入力デバイスを用いて指示され、パーソナルコンピューター2は、その旨の信号をUSBメモリー1に対して出力する。特定目的データが記憶されたブロック25A、25Bに対し、データの書き換え、消去、又は、ブロック25A、25Bに対する新たなデータの書き込みのうち少なくとも1つの処理を含む処理が行われた場合、特定目的データの内容に変更があった可能性が高い。
ブロック25A、25Bに対する処理の開始が指示された場合(ステップSA1:YES)、制御部17は、記憶部21を制御して指示された処理を実行する(ステップSA2)。次いで、制御部17は、表示駆動部18を制御して、表示部9に表示された提供者を示す情報の表示を停止させる(ステップSA3)。
【0030】
このように、本実施形態では、特定目的データが記憶されたブロック25A、25Bに対し、データの書き換え、消去、又は、ブロック25A、25Bに対する新たなデータの書き込みのうち少なくとも1つの処理を含む処理が行われた場合、制御部17は、表示部9が表示する情報を制御し、提供者を示す情報の表示部9への表示を停止させる。つまり、ブロック25A、25Bに記憶された特定目的データの内容に変更があった可能性が高い場合は、自動で、表示部9に表示されていた提供者を示す情報が消去される。従って、特定目的データの内容に変更があり、USBメモリーに記憶されたデータが、提供者が記憶したデータと異なるデータとなり、USBメモリー1に記憶されたデータと、提供者とが対応しなくなった場合に、表示部9に提供者を示す情報が継続して表示されることを防止し、表示部9に表示された情報の正確性を確保することができる。
なお、上述した実施形態では、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合、制御部17は、提供者を示す情報の表示部9への表示を停止させているが、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合における制御部17の動作はこれに限らない。例えば、制御部17は、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合、提供者を示す情報に代えて、特定目的データの内容に変更があった旨を示す情報や、USBメモリー1に記憶されたデータの信頼性が低い旨を示す情報などを表示させてもよい。つまり、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合、制御部17は、当該処理に対応した情報を表示させる。この動作によっても、表示部9に表示された情報の正確性を確保できる、という効果を奏する。
【0031】
本実施形態に係るUSBメモリー1は、図4のフローチャートを用いて説明したような動作を行うため、さらに、以下のような効果を奏する。
すなわち、本実施形態に係るUSBメモリー1は、特定目的データが記憶された後、表示部9に提供者を示す情報が表示された状態でユーザーに提供される。従って、ユーザーは、表示部9に表示された提供者が特定目的データを作成するとともに、この特定目的データの信頼性を保証したものとして認識する。
ここで、特定目的データが、ユーザー、その他の第3者によって悪意によって改変されたとする。例えば、パーソナルコンピューター2によって当該データに基づく動作を実行した場合に誤作動が起きるように当該データが含むプログラムに係るデータが改変されたり、コンピューターウイルスに係るデータが付加されたりしたとする。
この場合において、別のユーザーが、パーソナルコンピューター2によって改変されたデータに基づく処理を実行した場合、当該パーソナルコンピューター2が誤作動を起こしたり、コンピューターウイルスに感染したりして、さらに別のユーザーに被害を及ぼしてしまう。その際、表示部9に提供者を示す情報が表示されていると、当該ユーザーは、表示部9に表示された提供者がデータを作成し、そのデータの信頼性を保証したものとして認識するため、当該提供者に対する信用が低下する。
本実施形態では、ブロック25A、25Bに記憶されている特定目的データの書き換え、消去、又は、ブロック25A、25Bに対する新たなデータの書き込みのうち少なくとも1つの処理を含む処理が行われた場合、表示部9に表示された提供者を示す情報が消去される。つまり、特定目的データが、ユーザー、その他の第3者によって悪意によって改変された場合であっても、自動で、確実に、表示部9への提供者を示す情報の表示が停止される。従って、別のユーザーの当該提供者に対する信用の低下を防止することができる。
【0032】
特に、本実施形態では、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合、当該処理によってユーザーに被害を及ぼすか否かを判別することなく、表示部9への提供者を示す情報の表示を停止する。ここで、ブロック25A、25Bに対する処理が、当該処理によってユーザーに被害を及ぼすか否かを判別することは困難であり、判別するためのプログラムを特別に作成する場合、開発にかかる時間の長期化、及び、開発のためにかかるコストの増大を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、ブロック25A、25Bに対する処理が行われた場合は、処理が実際にユーザーに被害を及ぼすような処理であるか否かにかかわらず表示部9への提供者を示す情報の表示が停止されるため、提供者の信用の低下防止に万全が期され、さらに、開発にかかる時間の長期化、及び、開発のためにかかるコストの増大を防止できる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係るUSBメモリー1は、データを記憶する記憶領域を有する記憶部21を備え、パーソナルコンピューター2に着脱自在に取り付けられるとともに、パーソナルコンピューター2に取り付けられた場合にパーソナルコンピューター2とUSBの規格に準拠した通信が可能となる。そして、USBメモリー1は、各種情報を表示する表示部9と、記憶部21に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御する制御部17と、を備えている。
これによれば、記憶部21に対する処理に応じて表示部9の表示内容が制御されるため、表示部9の表示内容は記憶部21に対する処理を反映したものとなり、表示部9が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るUSBメモリー1は、データを記憶する記憶領域を有する記憶部21を備え、パーソナルコンピューター2に着脱自在に取り付けられるとともに、パーソナルコンピューター2に取り付けられた場合にパーソナルコンピューター2とUSBの規格に準拠した通信が可能となる。そして、USBメモリー1は、記憶領域内の書換可能記憶領域24の特定のブロック25A、25Bに記憶された特定目的データに係る情報である提供者を示す情報を表示する表示部9と、ブロック25A、25Bに対して処理が行われた場合、表示部9が表示するブロック25A、25Bに記憶された当該データに係る情報を制御する制御部17と、を備えている。
これによれば、ブロック25A、25Bに対して処理が行われた場合、表示部9が表示する情報を制御するため、表示部9が表示する情報は、当該処理に対応した情報となり、表示部9が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0035】
また、本実施形態では、制御部17は、ブロック25A、25Bに記憶されたデータの書き換え、消去、及び、ブロック25A、25Bへの新たなデータの書き込みのいずれかの処理を少なくとも含む処理が行われた場合、表示部9が表示する情報を制御する。
これによれば、ブロック25A、25Bに記憶されたデータの書き換え、消去、及び、ブロック25A、25Bへの新たなデータの書き込みのいずれかの処理を少なくとも含む処理が行われた場合に、表示部9が表示する情報は、これら処理に対応した情報となり、表示部9が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0036】
また、本実施形態では、ブロック25A、25Bに対して処理が行われた場合、ブロック25A、25Bに記憶されたデータに係る情報の表示部9への表示を停止するようにしてもよい。
これによれば、ブロック25A、25Bに対して処理が行われることにより、ブロック25A、25Bに記憶されたデータと、表示部9が表示する情報とが対応しなくなった場合、表示部9への当該情報の表示が停止されるため、表示部9が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0037】
また、本実施形態では、表示部9は、ブロック25A、25Bに記憶されたデータに係る情報として、提供者を示す情報を表示し、ブロック25A、25Bに対して処理が行われた場合、提供者を示す情報の表示部9への表示を停止する。
これによれば、ブロック25A、25Bに対して処理が行われることにより、当該データが信頼性のないデータとなった場合、当該データに係る提供者を示す情報の表示部9への表示が停止されるため、提供者の信用の低下を防止することができる。
【0038】
また、本実施形態に係るUSBメモリー1は、記憶部21を収容する本体ケース5を有し、表示部9は、パーソナルコンピューター2に取り付けられた場合に、表示部9に表示した情報が視認できる態様で本体ケース5の表面に設けられている。
これによれば、パーソナルコンピューター2にUSBメモリー1を取り付けている状態であっても、ユーザーは、表示部9が表示する情報を視認することができる。そして、表示部9が表示する情報は、正確性を確保した情報であるため、ユーザーは、パーソナルコンピューター2にUSBメモリー1を取り付けて、パーソナルコンピューター2を介してUSBメモリー1に記憶されたデータを利用している場合であっても、正確性を確保した情報を参照することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0039】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るUSBメモリー100の構造的構成は、第1実施形態の図1と同様であり、機能的構成は、第1実施形態の図2及び図3と同様であるため、図1、図2、及び、図3を援用しその説明を省略する。
また、本実施形態に係るUSBメモリー100には、パーソナルコンピューター2にインストールされた上で、当該パーソナルコンピューター2によって実行されるソフトウェアに係るデータが記憶されている。当該データとして、例えば、コンピューターウイルス駆除ソフトや、ファイル管理ソフトなどのユーティリティソフトに係るデータがある。USBメモリー100を所有するユーザーは、USBメモリー100をパーソナルコンピューター2に取り付け、これらパーソナルコンピューター2と、USBメモリー100とを通信可能に接続した上で、USBメモリー100に記憶されたソフトウェアをパーソナルコンピューター2にインストールする。これにより、パーソナルコンピューター2によってインストールしたソフトウェアの実行が可能となる。
【0040】
ところで、パーソナルコンピューター2では、通常、ワープロソフトや、表計算ソフト、メディア再生用のソフトなど、複数種類のアプリケーションソフトウェアが同時並行的に実行されるとともに、実行されているそれぞれのソフトウェアに係る情報が外部機器側表示部12に表示される。このような状況の中、USBメモリー100をパーソナルコンピューター2に通信可能に接続し、USBメモリー100の記憶部21に記憶されているデータを利用した動作をパーソナルコンピューター2が実行した場合、ユーザーが、パーソナルコンピューター2によって記憶部21に記憶されているデータを利用した動作が実際に行われていることを把握することが困難だった。本実施形態では、USBメモリー100が以下の動作を実行することにより、パーソナルコンピューター2によって記憶部21に記憶されているデータを利用した動作が実際に行われていることをユーザーが容易かつ確実に把握できるようにし、ユーザーの利便性を向上している。
【0041】
図5は、USBメモリー100、及び、パーソナルコンピューター2の動作を示すフローチャートである。図5において、(A)は、USBメモリーの動作を示し、(B)は、パーソナルコンピューター2の動作を示している。
なお、図5のフローチャートの開始時点では、パーソナルコンピューター2にUSBメモリー100が通信可能に接続されているものとし、ユーザーがパーソナルコンピューター2の入力部13を操作して、記憶部21に記憶されているデータを利用した動作をパーソナルコンピューター2に実行させることができる状態であるものとする。
なお、図5のフローチャートでは、パーソナルコンピューター2による記憶部21に記憶されているデータを利用した動作として、インストールに係る動作を例にしている。
【0042】
まず、ユーザーによってパーソナルコンピューター2の入力デバイスが操作されて、USBメモリー100に記憶されているソフトウェアのインストールの開始が指示される(ステップSC1)。パーソナルコンピューター2の外部機器側制御部11は、インストールの開始が指示されると、インストールが開始された旨を示す信号をUSBメモリー100に出力する(ステップSC2)。次いで、外部機器側制御部11は、専用のインストーラーの起動や、使用許諾契約書の外部機器側表示部12への表示、インストール先の選択、USBメモリー100からインストールに必要なデータの読み出し、ファイルの展開などを含むインストールに係る動作を実行する(ステップSC3)。外部機器側制御部11は、インストールが終了するまで、インストールに係る動作を実行し(ステップSC3、ステップSC4)、インストールが終了すると(ステップSC4:YES)、インストールが終了した旨を示す信号をUSBメモリー100に出力する(ステップSC5)。
一方、USBメモリー100の制御部17は、パーソナルコンピューター2からインストールが開始されたか否かを監視する(ステップSB1)。パーソナルコンピューター2からインストールを開始した旨の信号が入力されることにより、インストールが開始されたことを検出した場合(ステップSB1:YES)、制御部17は、表示駆動部18を制御して、表示部9に現在インストール中である旨を表示させる(ステップSB2)。
【0043】
図6は、ステップSB2の動作実行時における、表示部9の表示態様の一例を示す図である。
図6に示すように、ステップSB2の動作実行時、表示部9には、インストール中である旨表示される(図6に示す例では、「インストール中・・・」と表示)。ここで、上述したように、本実施形態では、USBメモリー100がパーソナルコンピューター2に取り付けられた状態において、ユーザーは、表示部9が表示する各種情報を視認することができる。従って、ユーザーは、USBメモリー100の表示部9を視認することにより、現在、USBメモリー100に記憶されているソフトウェアのインストール中であることを容易かつ確実に認識することができる。つまり、複数種類のアプリケーションソフトウェアが同時並行的に実行されるとともに、実行されているそれぞれのソフトウェアに係る情報が表示されている外部機器側表示部12の表示画面中から、ソフトウェアがインストール中であることを示す情報を探したり、また、パーソナルコンピューター2の入力デバイスを操作して、意図的にインストール中であることを示す情報を外部機器側表示部12に表示したりすることなく、ユーザーは、容易かつ確実に、現在USBメモリー100に記憶されているソフトウェアのインストール中であることを認識できる。このため、ユーザーの利便性が向上する。換言すると、パーソナルコンピューター2によって記憶部21に記憶されているデータを利用した動作が行われている場合、当該動作の内容を示す情報が表示部9に表示されるため、ユーザーは、容易かつ確実に、当該動作の内容を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0044】
さて、前掲図5に戻り、ステップSB2において表示部9に現在インストール中である旨の表示を行った後、制御部17は、インストールが終了したか否かを監視する(ステップSB3)。パーソナルコンピューター2からインストールが終了した旨の信号が入力されることにより、インストールが終了したことを検出した場合(ステップSB3:YES)、制御部17は、現在インストール中である旨の表示を表示部9から消去させる(ステップSB4)。
なお、上述した実施形態では、記憶部21が記憶するデータを利用した動作として、インストールに係る動作を例にして説明したが、記憶部21が記憶するデータを利用した動作は、これに限らず、例えば、USBメモリー100に、楽曲データや、動画データなどが記憶されている場合は、パーソナルコンピューター2によってこれらデータを再生する動作であってもよい。この場合、データの再生中、制御部17は、表示部9に再生中である旨を示す表示を行わせる。すなわち、本発明は、パーソナルコンピューター2によるUSBメモリー100の記憶部21が記憶するデータを利用した動作全てに適用可能である。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るUSBメモリー100は、データを記憶する記憶領域を有する記憶部21を備え、パーソナルコンピューター2に着脱自在に取り付けられるとともに、パーソナルコンピューター2に取り付けられた場合にパーソナルコンピューター2とUSBの規格に準拠した通信が可能となる。そして、USBメモリー1は、各種情報を表示する表示部9と、記憶部21に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御する制御部17と、を備えている。
これによれば、記憶部21に対する処理に応じて表示部9の表示内容が制御されるため、表示部9の表示内容は記憶部21に対する処理を反映したものとなり、表示部9が表示する情報の正確性を確保することができる。
【0046】
また、本実施形態に係るUSBメモリー100は、データを記憶する記憶部21を備え、パーソナルコンピューター2と通信可能に接続され、接続されたパーソナルコンピューター2によって記憶部21が記憶するデータを利用した動作が行われる。そして、USBメモリー100は、各種情報を表示する表示部9を備え、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作に係る情報を表示部9に表示する。
これによれば、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作に係る情報が表示部9に表示されるため、ユーザーは、表示部9に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、当該動作を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0047】
また、本実施形態では、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作の内容を示す情報を表示部9に表示する。
これによれば、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作の内容を示す情報が表示部9に表示されるため、ユーザーは、表示部9に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、当該動作の内容を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0048】
また、本実施形態では、記憶部21を収容する本体ケース5を有し、表示部9は、パーソナルコンピューター2に取り付けられた場合に、表示部9に表示した情報が視認できる態様で本体ケース5の表面に設けられている。
これによれば、パーソナルコンピューター2にUSBメモリー100を取り付けている状態であっても、ユーザーは、表示部9が表示する情報を視認することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0049】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について図7(A)を用いて説明する。
図7(A)は、本実施形態に係るUSBメモリー100の表示部9の表示態様の一例を示す図である。
本実施形態では、USBメモリー100の記憶部21に記憶されているデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われている場合、当該動作についての問い合せ先を示す情報が表示部9に表示される。
記憶部21に記憶されているデータを利用した動作が、当該データに係るソフトウェアのインストールである場合を例にして説明すると、パーソナルコンピューター2によってインストールが開始され、その旨の信号が入力されると、USBメモリー100の制御部17は、インストール中に発生した不具合や、インストールが正常に終了しなかったこと、インストール後のソフトウェアの実行方法などについてユーザーが問い合わせるべき問い合わせ先を表示部9に表示させる。問い合わせ先に係る情報が示すデータは、例えば、ソフトウェアに係るデータを記憶部21に記憶した者によって、このソフトウェアに係るデータと対応付けて記憶部21に記憶される。
図7(A)では、問い合わせ先として電話番号(図7(A)において、「電話番号:○×□−○×□−○×□」と表示)が表示部9に表示されている。問い合わせ先は、電話番号に限らず、ホームページや、住所などであってもよい。
【0050】
このように、本実施形態では、記憶部21に記憶されているデータを利用した動作をパーソナルコンピューター2が実行している場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報が表示部9に表示される。このため、ユーザーは、USBメモリー100の表示部9を視認することにより、現在、パーソナルコンピューター2によって行われている動作についての問い合わせ先を確実に認識することができる。よって、例えば、パーソナルコンピューター2の動作が異常終了したり、当該動作に不具合が生じたりした場合であっても、ユーザーは、USBメモリー100の説明書を探し、説明書の中から問い合わせ先を見つけたり、パーソナルコンピューター2の入力デバイスを操作して、意図的に問い合わせ先を外部機器側表示部12に表示したり、また、インターネットを利用して問い合わせ先を検索したりすることなく、容易かつ確実に、問い合わせ先を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報が表示部9に表示される。
これよれば、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報が表示部9に表示されるため、ユーザーは、表示部9に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、問い合わせ先を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0052】
<第4実施形態>
次いで、第4実施形態について図7(B)を用いて説明する。
図7(B)は、本実施形態に係るUSBメモリー100の表示部9の表示態様の一例を示す図である。
本実施形態では、記憶部21に記憶されているデータを利用した動作をパーソナルコンピューター2が実行している場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報が表示部9に表示される。
記憶部21に記憶されているデータを利用した動作が、当該データに係るソフトウェアのインストールである場合を例にして説明すると、パーソナルコンピューター2によってインストールが開始され、その旨の信号が入力されると、USBメモリー100の制御部17は、当該インストールに必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報を表示部9に表示させる。例えば、パーソナルコンピューター2から入力される信号にインストールに必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す信号が含まれている場合、USBメモリー100は、入力された信号に基づいて、ユーザー登録が完了しているか否かを判別し、その旨を表示する。
図7(B)では、ユーザー登録が既に完了していることを示す情報(図7(B)では、「ユーザー登録完了済」と表示)が表示部9に表示されている。
【0053】
このように、本実施形態では、記憶部21に記憶されているデータを利用した動作をパーソナルコンピューター2が実行している場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報が表示部9に表示される。このため、ユーザーは、USBメモリー100の表示部9を視認することにより、現在、パーソナルコンピューター2によって行われる動作に必要なユーザー登録が完了しているか否かを容易かつ確実に認識することができる。そして、この認識に基づいて、例えば早急にユーザー登録を完了するなどの処理を行うことができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報が表示部9に表示される。
これによれば、記憶部21が記憶するデータを利用した動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報が表示部9に表示されるため、ユーザーは、表示部9に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、ユーザー登録が完了している否かを認識することができる。そして、この認識に基づいて速やかにユーザー登録を行うなどの処理をおこなうことができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0055】
<第5実施形態>
次いで、第5実施形態について図7(C)を用いて説明する。
図7(C)は、本実施形態に係るUSBメモリー100の表示部9の表示態様の一例を示す図である。
本実施形態では、パーソナルコンピューター2へコピー可能な回数が設定されたデータがUSBメモリー100に記憶されており、当該データのコピーに係る動作をパーソナルコンピューター2が実行している場合、コピー可能な残り回数を示す情報が表示部9に表示される。
例えば、USBメモリー100の記憶部21にデータを記憶する際、制御部17は、当該データをコピー可能な回数を示すデータと対応付けて記憶させる。そして、パーソナルコンピューター2への当該コピーのコピーに係る動作が開始され、その旨の信号が入力されると、USBメモリー100の制御部17は、コピー可能な回数を示すデータを取得するとともに、当該データが示す回数から1を減算した回数を表示部9に表示させる。図7(C)では、コピー可能な回数があと4回である旨を示す情報(図7(C)において「あと4回です」と表示)が表示部9に表示されている。
【0056】
このように、本実施形態では、パーソナルコンピューター2へコピー可能な回数が設定されたデータについて、当該データのコピーに係る動作をパーソナルコンピューター2が実行している場合、コピー可能な残り回数を示す情報が表示部9に表示される。このため、ユーザーは、USBメモリー100の表示部9を視認することにより、コピー可能な残り回数を確実に認識することができる。よって、パーソナルコンピューター2の入力デバイスを操作して、意図的にコピー可能な残り回数を外部機器側表示部12に表示したりすることなく、容易かつ確実に、コピー可能な残り回数を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
なお、本実施形態は、コピー可能な回数を表示する場合を例にして説明したが、コピーではなくインストール可能な回数を表示するものであってもよい。この場合であっても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、コピー可能な回数が設定されたデータのコピーに係る動作、又は、インストール可能な回数が設定されたデータのインストールに係る動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、コピー可能な回数、又は、インストール可能な回数を示す情報が表示部9に表示される。
これによれば、コピー可能な回数が設定されたデータのコピーに係る動作、又は、インストール可能な回数が設定されたデータのインストールに係る動作がパーソナルコンピューター2によって行われる場合、コピー可能な回数、又は、インストール可能な回数を示す情報が表示部9に表示される。このため、ユーザーは、表示部9に表示された情報を視認することにより、容易かつ確実に、コピー可能な回数、又は、インストール可能な回数を認識することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0058】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
上述した実施形態では、半導体記憶装置としてUSBメモリー1を例にして説明したが、本発明は、USBメモリー1に限らず、カード型のメモリーカードなど半導体メモリーを利用した記憶装置に広く適用することができる。
また、USBメモリー1は、特定の目的のために作成されたソフトウェアに係るデータとして、複数のデータを記憶するものであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、100…USBメモリー(半導体記憶装置)、2…パーソナルコンピューター(外部機器)、9…表示部、17…制御部(表示制御部)、21…記憶部、24…書換可能記憶領域(記憶領域)、25A、25B…ブロック(特定の記憶領域)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶部を備え、外部機器に着脱自在に取り付けられるとともに、前記外部機器に取り付けられた場合に前記外部機器と通信可能に接続される半導体記憶装置において、
各種情報を表示する表示部と、前記記憶部に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記記憶部の特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を表示し、
前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に記憶されたデータの書き換え、消去、及び、前記特定の記憶領域への新たなデータの書き込みのいずれかの処理を少なくとも含む処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御することを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報の前記表示部への表示を停止させること、を特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報として、当該データに係る提供者を示す情報を表示し、
前記表示制御部は、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記提供者を示す情報の前記表示部への表示を停止させること、を特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が通信可能に接続された前記外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作の内容を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作についての問い合わせ先を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が前記外部機器によって行われる場合、当該動作を行うために必要なユーザー登録が完了しているか否かを示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、
コピー可能な回数が設定されたデータのコピーに係る動作、又は、インストール可能な回数が設定されたデータのインストールに係る動作が前記外部機器によって行われる場合、
前記コピー可能な回数、又は、前記インストール可能な回数を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
データを記憶する記憶部を備え、外部機器に着脱自在に取り付けられるとともに、前記外部機器に取り付けられた場合に前記外部機器と通信可能に接続される半導体記憶装置の制御方法であって、
前記半導体記憶装置が備える表示部に各種情報を表示し、前記記憶部に対する処理に応じて前記表示部の表示内容を制御することを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。
【請求項12】
前記記憶部の特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を前記表示部に表示し、前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記表示部が表示する前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報を制御することを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項13】
前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報の前記表示部への表示を停止すること、を特徴とする請求項12に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項14】
前記特定の記憶領域に記憶されたデータに係る情報として、当該データに係る提供者を示す情報を表示し、
前記特定の記憶領域に対して処理が行われた場合、前記提供者を示す情報の前記表示部への表示を停止すること、を特徴とする請求項12に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項15】
前記表示部に各種情報を表示し、前記記憶部が記憶するデータを利用した動作が通信可能に接続された前記外部機器によって行われる場合、当該動作に係る情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−182289(P2010−182289A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276526(P2009−276526)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】