説明

半2重−全2重変換装置

【課題】本発明は、従来の半2重通信装置に変更を加えることなくペア線の区間を光ファイバで延長できるように、事前に半2重通信用送信回路の出力をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替え、電気バースト信号の最初の信号列から通信エラー無しで送信できる半2重−全2重変換装置及び、当該半2重−全2重変換装置を用いた半2重−全2重変換システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明の半2重−全2重変換装置は、電気信号においてnビット以上に相当する連続するHigh状態の後に、Low状態が確認された場合に、半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半2重通信装置において、光ファイバを用いてペア線の区間の延長を行う際に用いられる半2重−全2重変換装置及び半2重−全2重変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のペア線を使用した通信装置である半2重通信装置(図1)において、ペア線の区間を延長するために光ファイバを用いる場合がある。この場合は、通信に用いる信号を電気信号から光信号へ、或いは光信号から電気信号へ変換する必要がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。これらの変換を行う装置は、ペア線から電気信号を受信して、光信号に変換した後、光ファイバに光信号を出力する。逆に光ファイバから光信号を受信して、電気信号に変換した後、ペア線に電気信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2615169号公報
【特許文献2】特許第2940922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半2重通信装置では、電気信号に載っている電気バースト信号の送信タイミングに合わせて、電気バースト信号をペア線に出力する前に半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替えていた。しかし、従来の半2重通信装置に手を加えることなく、ペア線の区間を光ファイバを用いて延長しようとすると、光信号から電気信号への変換の際に電気バースト信号の送信タイミングを事前に得ることはできず、さらに半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替えるには時間を要するため、電気バースト信号の最初の信号列を送信できずに通信エラーを生じてしまう。
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、従来の半2重通信装置に変更を加えることなくペア線の区間を光ファイバで延長できるように、事前に半2重通信用送信回路の出力をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替え、電気バースト信号の最初の信号列から通信エラー無しで送信できる半2重−全2重変換装置及び、当該半2重−全2重変換装置を用いた半2重−全2重変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の半2重−全2重変換装置は、電気信号においてnビット以上に相当する連続するHigh状態の後に、Low状態が確認された場合に、半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替える構成とした。
【0007】
具体的には、本願発明の半2重−全2重変換装置は、ペア線からの電気信号を受信する半2重通信用受信回路と、前記半2重通信用受信回路からの電気信号を光信号に変換し、当該光信号を一方の光ファイバに送信する全2重通信用光送信回路と、他方の光ファイバからの光信号を受信し、電気信号に変換し、当該電気信号を出力する全2重通信用光受信回路と、前記全2重通信用光受信回路からの電気信号を遅延させる遅延回路と、前記遅延回路からの電気信号をペア線に送信する半2重通信用送信回路と、前記全2重通信用光受信回路からの電気信号に含まれるn(nは正整数)ビット以上に相当する連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、前記半2重通信用送信回路の出力を、ハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えるバースト信号検出回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、光ファイバからの光バースト信号を変換した電気バースト信号の先頭を検出し、事前に半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替えることができるので、電気バースト信号の最初の信号列から通信エラー無しで送信できる。
【0009】
また、本願発明の半2重−全2重変換装置の前記半2重通信用受信回路は、前記バースト信号検出回路がnビット以上に相当する連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、接続状態からハイインピーダンス状態に切り替えられることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、電気バースト信号の送信タイミングに合わせて半2重通信用受信回路を接続状態からハイインピーダンス状態に切り替えることができるので、自己の半2重通信用送信回路から送信された電気バースト信号を半2重通信用受信回路が誤って出力してしまうことはない。
【0011】
また、本願発明の半2重−全2重変換装置の前記遅延回路は、前記全2重通信用光受信回路が前記最初のLow状態を出力してから、前記バースト信号検出回路によって前記半2重通信用送信回路が接続状態に切り替わるまでの時間以上の遅延時間を有することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、半2重通信用送信回路をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替える前に、電気バースト信号を半2重通信用送信回路へ先行して出力してしまうことはない。
【0013】
また、本願発明の半2重−全2重変換装置の前記バースト信号検出回路は、前記全2重通信用受信回路からの電気信号に載っている電気バースト信号に含まれる連続するHigh状態のビット数(n−1)よりも長い段数で、電気信号を直列入力並列出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの並列出力の全ビットのうちいずれかがLow状態になると、Low状態を出力するLow状態出力回路と、前記Low状態出力回路の出力及び前記全2重通信用光受信回路からの電気信号のいずれかがLow状態であれば、Low状態であると検出するLow状態検出回路と、を含むことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、光ファイバからの光バースト信号を変換した電気バースト信号の先頭を検出することができる。
【0015】
また、別の発明によれば、半2重−全2重変換システムであって、半2重−全2重変換装置の2組及び両者を結ぶ2本の光ファイバを備え、前記2本の光ファイバはそれぞれ、一方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光送信回路と他方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光受信回路との間を、一方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光受信回路と他方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光送信回路との間を接続することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、半2重−全2重変換装置2組と光ファイバ2本とで半2重−全2重変換システムを構成できるため、従来の半2重通信装置に手を加えることなく光ファイバを利用してペア線の区間を延長できる。
【0017】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来の半2重通信装置に変更を加えることなくペア線の区間を光ファイバで延長できるように、事前に半2重通信用送信回路の出力をハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替え、電気バースト信号の最初の信号列から通信エラー無しで送信できる半2重−全2重変換装置及び、当該半2重−全2重変換装置を用いた半2重−全2重変換システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の半2重通信装置を示す図である。
【図2】本発明に係る半2重−全2重変換装置を示す図である。
【図3】本発明に係る半2重−全2重変換装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
本発明の実施形態に係る半2重−全2重変換装置は、ペア線からの電気信号を受信する半2重通信用受信回路と、半2重通信用受信回路からの電気信号を光信号に変換し、当該光信号を一方の光ファイバに送信する全2重通信用光送信回路と、他方の光ファイバからの光信号を受信し、電気信号に変換し、当該電気信号を出力する全2重通信用光受信回路と、全2重通信用光受信回路からの電気信号を遅延させる遅延回路と、遅延回路からの電気信号をペア線に送信する半2重通信用送信回路と、全2重通信用光受信回路からの電気信号に含まれるnビット以上に相当する連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、半2重通信用送信回路の出力を、ハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えるバースト信号検出回路とを備える。
【0022】
以下、図2、図3を用いて本発明に係る半2重−全2重変換装置30の実施形態を説明する。図2において、11は半2重通信装置、12は半2重通信用送信回路、13は半2重通信用受信回路、14はペア線、21は全2重通信用光送信回路、16は光ファイバ、22は全2重通信用光受信回路、17は遅延回路、23はバースト信号検出回路である。半2重通信装置11は、半2重通信用送信回路12及び半2重通信用受信回路13を搭載し、半2重通信方式により信号を送受信する。半2重通信方式の例としてはRS−422、RS−485がある。半2重通信用送信回路12は、電気信号をペア線14に送信するが、通常は、出力をハイインピーダンス状態に設定して、送信を行わない。電気信号の例としては、HDLCフォーマットが挙げられる。半2重通信用受信回路13は、ペア線14から電気信号を受信する。ペア線14は電気信号を伝達するために用いられる。遅延回路17は、入力される電気信号を所定時間遅延する。全2重通信用光送信回路21は、半2重通信用受信回路13からの電気信号を光信号へ変換して光ファイバ16へ送信する。全2重通信用光受信回路22は、光ファイバ16からの光信号を受信し、電気信号へ変換してバースト信号検出回路23へ出力する。バースト信号検出回路23は、半2重通信用送信回路12の出力をハイインピーダンス状態から接続状態に変更する。光ファイバ16は、光信号を伝達するために用いられる。
【0023】
図3において、17は遅延回路、18は否定論理積回路、19はシフトレジスタ論理積回路、20はシフトレジスタである。なお、バースト信号検出回路23は、シフトレジスタ20、シフトレジスタ論理積回路19、否定論理積回路18によって構成される。シフトレジスタ20は、全2重通信用光受信回路22からの電気信号に載っている直列入力される電気バースト信号を順次記憶し、並列出力する。シフトレジスタ20の段数は、電気信号内ではHigh状態がn−1ビットまで連続する可能性があり、電気バースト信号間ではHigh状態がnビット以上連続する可能性があるため、nビット以上の段数である必要がある。Low状態出力回路としてのシフトレジスタ論理積回路19は、シフトレジスタ20に記憶された全2重通信用光受信回路22からの電気信号の各ビットの論理積演算を行う。すなわち、シフトレジスタ論理積回路19は、シフトレジスタ20の並列出力の全ビットのうちいずれかがLow状態になると、Low状態を出力する。Low状態検出回路としての否定論理積回路18は、シフトレジスタ論理積回路19から得られた論理積演算の結果と、全2重通信用光受信回路22からの電気信号との論理積演算を行う。すなわち、否定論理積回路18は、シフトレジスタ論理積回路19の出力と全2重通信用光受信回路22からの電気信号との論理積演算の結果を出力する。なお、図2において説明された要素については説明を省略する。
【0024】
以下に図2を参照して本発明に係る半2重−全2重変換装置30の動作を説明する。まず、電気信号を光信号に変換して出力する動作について説明する。半2重−全2重変換装置30に備えられた半2重通信用受信回路13は、ペア線14から電気信号を受信し、全2重通信用光送信回路21へ出力する。全2重通信用光送信回路21は入力された電気信号を光信号に変換し、光ファイバ16へ送信する。
【0025】
次に、光信号を電気信号に変換して出力する動作について説明する。全2重通信用光受信回路22が、光ファイバ16から光信号を受信する。全2重通信用光受信回路22は光信号を電気信号に変換し、遅延回路17とバースト信号検出回路23とに分岐して出力する。
【0026】
次に、図3を参照してバースト信号検出回路23の動作について説明する。バースト信号検出回路23へ分岐された電気信号は、シフトレジスタ20と否定論理積回路18とへさらに分岐される。シフトレジスタ20は、入力された電気信号を順次記録する。記録された全てのビットはシフトレジスタ論理積回路19によって論理積演算され、否定論理積回路18へと演算結果が送出される。分岐された否定論理積回路18への電気信号とシフトレジスタ20及びシフトレジスタ論理積回路19における演算結果との論理積演算の結果は、半2重通信用送信回路12へと出力される。
【0027】
否定論理積回路18の演算結果がHigh状態であれば、半2重通信用送信回路12は接続状態となり、電気バースト信号をペア線14へ送信可能となる。つまり、分岐された否定論理積回路18への電気信号又はシフトレジスタ20及びシフトレジスタ論理積回路19における演算結果のいずれかがLow状態になると、否定論理積回路18はHigh状態となって半2重通信用送信回路12を接続状態にする。例えば、シフトレジスタ20への電気信号の入力がnビットのうちいずれかのビットがLow状態であれば、電気バースト信号の先頭であるため、シフトレジスタ20及びシフトレジスタ論理積回路19における演算結果もLow状態となるので、否定論理積回路18はHigh状態となって半2重通信用送信回路12を接続状態にする。同様に、シフトレジスタ20及びシフトレジスタ論理積回路19における演算処理に遅れがあっても、分岐された否定論理積回路18への電気信号がLow状態になると、否定論理積回路18はHigh状態になって半2重通信用送信回路12を接続状態にする。そして、分岐された否定論理積回路18への電気信号が再びHigh状態になっても、シフトレジスタ20に入力された電気信号のnビットのうちいずれかのビットがLow状態であれば、否定論理積回路18はHigh状態のままで半2重通信用送信回路12の接続状態を維持する。つまり、n段のシフトレジスタであれば、電気バースト信号内でnビット以上の連続するHigh状態がないことを利用して、電気バースト信号の期間内は、シフトレジスタ論理積回路19がLow状態を出力する。シフトレジスタ20の最大段数は、電気バースト信号の時間に相当するビット数である。接続状態となった半2重通信用送信回路12に、遅延回路17へ分岐された電気バースト信号が遅延されて入力される。半2重通信用送信回路12は、入力された電気バースト信号をペア線14に送信する。
【0028】
例えば、HDLCフォーマットでは、シフトレジスタ20に入力される電気バースト信号には、開始フラグ又は終了フラグ以外に、5ビット以上に相当する連続するHigh状態はない。電気バースト信号以外では、電気バースト信号のフレーム間の無信号状態、即ちHigh状態がある。電気バースト信号の開始フラグ及び終了フラグには、Low状態1ビットの後にHigh状態が6ビット連続し、その後Low状態1ビットが続く。つまり、電気バースト信号には、High状態が7ビット以上連続することはない。したがって、HDLCフォーマットにおける電気バースト信号の先頭を検出するためには、n=7ビット以上に相当するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すればよい。分岐された否定論理積回路18への電気信号は、いずれかのビットがLow状態になることで、半2重通信用送信回路12を接続状態とする。そして、半2重通信用送信回路12が電気バースト信号を送信している間には、7ビット以上に相当する連続するHigh状態はないため、半2重通信用送信回路12は接続状態を維持する。つまり、7段のシフトレジスタであれば、電気バースト信号内で7ビット以上の連続するHigh状態がないことを利用して、電気バースト信号の期間内は、シフトレジスタ論理積回路19がLow状態を出力する。シフトレジスタの最大段数は電気バースト信号の時間に相当するビット数である。
【0029】
この構成によれば、光ファイバ16からの光バースト信号を変換した電気バースト信号のビットからデータの先頭を検出し、半2重通信用送信回路12を、時間に余裕を持ってハイインピーダンスの状態から接続状態に切り替えることができるので、電気バースト信号を最初の信号列から送信でき、通信エラーを無くすことができる。
【0030】
また、半2重通信用受信回路13は、バースト信号検出回路23がnビット以上の連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、出力が接続状態からハイインピーダンス状態に切り替えられる。半2重通信用受信回路13は通常、接続状態であり電気信号を受信できるため、自己の半2重通信用送信回路12から送信された電気信号を誤って受信してしまい、全2重通信用光送信回路21へ出力してしまう可能性がある。しかし、自己の半2重通信用送信回路12の出力をハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えると同時に、半2重通信用受信回路13の出力を接続状態からハイインピーダンス状態に切り替えることができれば、半2重通信用受信回路13は電気信号を出力できず、全2重通信用光送信回路21は光信号を光ファイバ16へ送信することはない。
【0031】
また、遅延回路17は、全2重通信用光受信回路22が最初のLow状態を出力してから、バースト信号検出回路23によって半2重通信用送信回路12が接続状態に切り替わるまでの時間以上の遅延時間を有する。また、遅延時間は、全2重通信用光受信回路22が電気バースト信号を出力してから、バースト信号検出回路23によって半2重通信用送信回路12が接続状態に切り替わるまでの時間に1ビットの信号に相当する時間を加えた時間以下であればよい。全2重通信用光受信回路22から出力された電気バースト信号は、否定論理積回路18及びシフトレジスタ20へ分岐される。シフトレジスタ20へ分岐された電気バースト信号が、シフトレジスタ20からシフトレジスタ論理積回路19を通じて否定論理積回路18で演算されている間に、シフトレジスタ20へ分岐されなかった電気バースト信号が、先行して出力される。しかし、出力がハイインピーダンス状態である半2重通信用送信回路12は、シフトレジスタ20へ分岐されなかった電気バースト信号をペア線14へ出力できない。このため、通信エラーが生じる。これを防ぐため、遅延回路17は、全2重通信用光受信回路22が電気バースト信号を出力してから、バースト信号検出回路23によって半2重通信用送信回路12が接続状態に切り替わるまでの時間以上、すなわち、電気バースト信号がバースト信号検出回路23へ分岐され、半2重通信用送信回路12の出力がハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えられるまでの時間、入力された電気バースト信号を遅延させることができれば、半2重通信用送信回路12がハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えられたタイミングに合わせて、半2重通信用送信回路12が電気バースト信号をペア線14へ出力することができる。
【0032】
さらに、本発明に係るいずれかの半2重−全2重変換装置30は、半2重−全2重変換装置30の2組及び両者を結ぶ2本の光ファイバ16を備え、前記2本の光ファイバ16はそれぞれ、一方の半2重−全2重変換装置30に搭載された全2重通信用光送信回路21と他方の半2重−全2重変換装置30に搭載された全2重通信用光受信回路22との間を、一方の半2重−全2重変換装置30に搭載された全2重通信用光受信回路22と他方の半2重−全2重変換装置30に搭載された全2重通信用光送信回路21との間を接続する半2重−全2重変換システム40を構成する。
【0033】
半2重−全2重変換システム40は、2組の半2重−全2重変換装置30と2本の光ファイバ16とで構成され、半2重通信装置11のペア線14を半2重−全2重変換装置30にそのまま接続するだけで、電気信号及び光信号の相互変換と半2重通信方式及び全2重通信方式の相互変換とを行う。したがって、従来の半2重通信装置11の通信方式を変更する必要もなく、電気信号及び光信号を相互変換し、かつ、通信エラーは起きないので、容易にペア線14の区間を光ファイバ16を利用して延長することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の半2重−全2重変換装置は、光ファイバを用いて半2重通信装置の通信距離の延長に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
11:半2重通信装置
12:半2重通信用送信回路
13:半2重通信用受信回路
14:ペア線
16:光ファイバ
17:遅延回路
18:否定論理積回路
19:シフトレジスタ論理積回路
20:シフトレジスタ
21:全2重通信用光送信回路
22:全2重通信用光受信回路
23:バースト信号検出回路
30:本発明に係る半2重−全2重変換装置
40:半2重−全2重変換システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペア線からの電気信号を受信する半2重通信用受信回路と、
前記半2重通信用受信回路からの電気信号を光信号に変換し、当該光信号を一方の光ファイバに送信する全2重通信用光送信回路と、
他方の光ファイバからの光信号を受信し、電気信号に変換し、当該電気信号を出力する全2重通信用光受信回路と、
前記全2重通信用光受信回路からの電気信号を遅延させる遅延回路と、
前記遅延回路からの電気信号をペア線に送信する半2重通信用送信回路と、
前記全2重通信用光受信回路からの電気信号に含まれるn(nは正整数)ビット以上に相当する連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、前記半2重通信用送信回路の出力を、ハイインピーダンス状態から接続状態に切り替えるバースト信号検出回路と、
を備えることを特徴とする半2重−全2重変換装置。
【請求項2】
前記半2重通信用受信回路は、前記バースト信号検出回路がnビット以上に相当する連続するHigh状態の後の最初のLow状態を検出すると、接続状態からハイインピーダンス状態に切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の半2重−全2重変換装置。
【請求項3】
前記遅延回路は、前記全2重通信用光受信回路が前記最初のLow状態を出力してから、前記バースト信号検出回路によって前記半2重通信用送信回路が接続状態に切り替わるまでの時間以上の遅延時間を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半2重−全2重変換装置。
【請求項4】
前記バースト信号検出回路は、
前記全2重通信用光受信回路からの電気信号に載っている電気バースト信号に含まれる連続するHigh状態のビット数(n−1)よりも長い段数で、前記電気信号を直列入力並列出力するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタの並列出力の全ビットのうちいずれかがLow状態になると、Low状態を出力するLow状態出力回路と、
前記Low状態出力回路の出力及び前記全2重通信用光受信回路からの電気信号のいずれかがLow状態であれば、Low状態であると検出するLow状態検出回路と、
を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半2重−全2重変換装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の半2重−全2重変換装置の2組及び両者を結ぶ2本の光ファイバを備え、前記2本の光ファイバはそれぞれ、一方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光送信回路と他方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光受信回路との間を、一方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光受信回路と他方の半2重−全2重変換装置に搭載された全2重通信用光送信回路との間を接続することを特徴とする半2重−全2重変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−239313(P2010−239313A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83631(P2009−83631)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】