説明

単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチ

【課題】 操作が容易で、コストを低減でき、かつスペースを削減できる単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチを提供する。
【解決手段】 単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチにおいて、揺動動作とプッシュ動作が可能な操作ボタン6と、この操作ボタン6の操作により動作するスイッチ機構と、このスイッチ機構の動作により表示を行う表示モジュール10とを備え、前記操作ボタン6の揺動動作により前記表示モジュール10の表示を選択させ、前記操作ボタン6のプッシュ動作により前記表示モジュール10の表示を次の階層へ移行させる決定動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示付きスイッチ(下記特許文献1,2参照)の特徴は「操作する度に表示が切り替わるツリー検索が可能」なことである。ここで、「ツリー」構造とは、レコード間に親子関係があり、子レコードはただ一つの親レコードをもつデータの構造を言う。
【0003】
図5は従来の液晶表示付きスイッチを示す図、図6はその液晶表示付きスイッチを複数個用いた使用例を示す図である。
【0004】
図5において、101はスイッチ本体、102は操作ボタン、103はスイッチ機構部である。
【0005】
ここでは、4個の液晶表示付きスイッチのいずれかを選択して操作ボタン102を押すことにより、図6に示すように、次の階層へ表示を移行させている。これを繰り返すことにより、目的に対応した検索を実施することができる。
【特許文献1】特開2005−216673号公報
【特許文献2】特開2005−216674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、従来の液晶表示付きスイッチの特徴は「操作する度に表示が切り換わるツリー検索が可能」なことであるが、単体でのツリー検索はできず、ツリー検索を行うには複数個の液晶表示付きスイッチを使用するか、選択用の別のスイッチを組み合わせる必要があった。そのため、操作が面倒であり、かつコスト及びスペースの増大につながっていた。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みて、操作が容易で、コストを低減でき、かつスペースを削減できる単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチにおいて、揺動動作とプッシュ動作が可能な操作ボタンと、この操作ボタンの操作により動作するスイッチ機構と、このスイッチ機構の動作により表示を行う表示モジュールとを備え、前記操作ボタンの揺動動作により前記表示モジュールの表示を選択させ、前記操作ボタンのプッシュ動作により前記表示モジュールの表示を次の階層へ移行させる決定動作を行うようにしたことを特徴とする。
【0009】
〔2〕上記〔1〕記載の単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチにおいて、前記揺動動作の一方の選択で前記表示モジュールの表示を前進させ、前記揺動動作のもう一方の選択で前記表示モジュールの表示を後退させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1個の表示付きスイッチで目的に対応したツリー検索を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチは、揺動動作とプッシュ動作が可能な操作ボタンと、この操作ボタンの操作により動作するスイッチ機構と、このスイッチ機構の動作により表示を行う表示モジュールとを備え、前記操作ボタンの揺動動作により前記表示モジュールの表示を選択させ、前記操作ボタンのプッシュ動作により前記表示モジュールの表示を次の階層へ移行させる決定動作を行う。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの構成図、図2はその単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの選択操作時を示す図、図3はその単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの決定操作時を示す図である。
【0014】
まず、図1において、1はプリント基板、2はスイッチの中央部の下部に配置されるプッシュスイッチ(タクトスイッチ)3を有する基部、4,5はスイッチの両側に配置されるプッシュスイッチ(タクトスイッチ)、6は揺動(選択)動作及びプッシュ(決定)動作が可能な操作ボタン、7は操作ボタン6の支持軸、8は操作ボタン6の支持軸7に巻かれているねじりコイルバネ、9は操作ボタン6のコイルバネである。操作ボタン6の支持軸7は揺動(選択)動作を可能にするように揺動可能であり、かつ、プッシュ(決定)動作を可能にするように上下に移動可能であり、コイルバネ9によりストロークを確保することができる。また、ねじりコイルバネ8により、操作ボタン6による選択操作が解除されると、図1に示されるようなホームポジションに操作ボタン6の位置を復帰できるように構成されている。10はスイッチの中央の内部に配置される液晶表示モジュールであり、後述するように単体にてツリー検索が可能なように、操作ボタン6に開けられた窓に文字や図を表示可能になっている。操作ボタン6の下部には作動板11が配置されている。12は操作ボタン6の上面部が配置される窓13を有するパネルである。
【0015】
そこで、この単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの動作について説明する。
【0016】
図2において、ツリー検索における操作ボタン6の左側が操作されて揺動(選択)動作が行われると、操作ボタン6は反時計回り方向に回転して、プッシュスイッチ(タクトスイッチ)4を動作させることになるので、ツリー検索における液晶表示の選択が行われる。
【0017】
また、図3において、ツリー検索における操作ボタン6の中央部が操作されてプッシュ(決定)動作が行われると、操作ボタン6は下方へ移動し、作動板11が基部2のプッシュスイッチ(タクトスイッチ)3を動作させることにより、ツリー検索における液晶表示の決定がなされる。
【0018】
以下、単体でツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチを用いたツリー検索例について説明する。
【0019】
図4は本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチを用いたツリー検索例を示す図である。
【0020】
今、階層1において、「付属品」と表示されている液晶表示付きスイッチにおいて操作ボタン6の左側の揺動(選択)動作を行うと、表示が「リレー」に切り替わる。更に、操作ボタン6の左側の揺動(選択)動作を行う度に表示は「スイッチ」、「表示灯」と切り替わる。次いで、操作ボタン6の右側の揺動(選択)動作を行うと、表示は「スイッチ」に切り替わる。更に、操作ボタン6の右側の揺動(選択)動作を行う度に表示が「リレー」、「付属品」と切り替わる。つまり、操作ボタン6の左側の揺動(選択)動作により、表示を前進させて切り替えて行き、操作ボタン6の右側の揺動(選択)動作により、逆に表示を後退させて戻すことができる。
【0021】
今、階層1が「スイッチ」と表示されている場合に操作ボタン6の中央部をプッシュすると、決定動作が行われ、階層2へ表示を移行させることができる。その階層2でも、操作ボタン6の左側の揺動(選択)動作を行う度に、スイッチの操作態様を示す「ロッカ」、「トグル」、「ロータリー」が表示される。さらに進むと、「前へ戻る」が表示され、そこで決定動作を行うと階層1へ戻る。
【0022】
同様に、例えば、階層2の「トグル」が表示されている場合に、操作ボタン6の中央部をプッシュして決定動作を行うと、階層3に移行する。階層3ではトグルスイッチの製品群である「Aシリーズ」、「Gシリーズ」、「Bシリーズ」が操作ボタン6の操作により順次表示され、更に「前へ戻る」が表示され、そこで操作ボタン6の中央部をプッシュして決定動作を行うと階層2へ戻ることができる。
【0023】
上記実施例では、液晶表示付きスイッチについて述べたが、以下のような表示付きスイッチとして構成することができる。
【0024】
(1)有機発光表示装置(有機発光ダイオードパネル)表示付きスイッチとする。この場合には、表示は視野角を大きくすることができるとともに、バックライトが不要になり、構造の簡素化と省エネルギー化を図ることができる。
【0025】
(2)プラズマディスプレイ装置による表示付きスイッチとする。この場合には鮮やかな表示を行うことができる。
【0026】
このように、選択動作で表示付きスイッチの表示を両方向に変化させ、決定動作で、次の階層へ表示を移行させることができる。これを繰り返すことにより、目的に応じた検索を実施することができる。
【0027】
本発明によれば、
(1)揺動(選択)動作(波型操作)とプッシュ(決定)動作(押ボタン操作)を組み合わせた複合操作スイッチとすることができる。
【0028】
(2)選択時の揺動動作(波型操作)においては、ねじりコイルバネを用いてストロークを確保するとともに、プッシュスイッチ(タクトスイッチ)を横に配置することにより確かなクリック感を実現することができる。
【0029】
(3)決定時のプッシュ動作(押ボタン操作)では、操作荷重を重くしたプッシュスイッチ(タクトスイッチ)とねじりコイルバネを組み合わせることにより、従来のプッシュスイッチ(タクトスイッチ)にはないストロークを確保することができる。
【0030】
(4)選択操作方向〔揺動動作(波型操作)〕と決定操作方向〔プッシュ動作(押ボタン操作)〕を変えることで誤動作の防止を実現することができる。
【0031】
(5)操作性を考慮したデザインボタンとすることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチは、操作が容易で、コストを低減することができ、かつスペースを削減できる単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの構成図である。
【図2】本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの選択操作時を示す図である。
【図3】本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチの決定操作時を示す図である。
【図4】本発明の単体にてツリー検索が可能な液晶表示付きスイッチを用いたツリー検索例を示す図である。
【図5】従来の液晶表示付きスイッチを示す図である。
【図6】従来の液晶表示付きスイッチを複数個用いた使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 プリント基板
2 基部
3,4,5 プッシュスイッチ(タクトスイッチ)
6 揺動(選択)動作及びプッシュ(決定)動作が可能な操作ボタン
7 操作ボタンの支持軸
8 ねじりコイルバネ
9 コイルバネ
10 液晶表示モジュール
11 作動板
12 パネル
13 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)揺動動作とプッシュ動作が可能な操作ボタンと、
(b)該操作ボタンの操作により動作するスイッチ機構と、
(c)該スイッチ機構の動作により表示を行う表示モジュールとを備え、
(d)前記操作ボタンの揺動動作により前記表示モジュールの表示を選択させ、前記操作ボタンのプッシュ動作により前記表示モジュールの表示を次の階層へ移行させる決定動作を行うようにしたことを特徴とする単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチ。
【請求項2】
請求項1記載の単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチにおいて、前記揺動動作の一方の選択で前記表示モジュールの表示を前進させ、前記揺動動作のもう一方の選択で前記表示モジュールの表示を後退させることを特徴とする単体にてツリー検索が可能な表示付きスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−37999(P2009−37999A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305691(P2007−305691)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】