説明

単票用紙読取装置、単票用紙読取装置の制御方法

【課題】複数の単票用紙を連続して読み取り可能な単票用紙読取装置において、読み取り処理と並行して印刷処理を実行し、単票用紙毎に異なる印刷データを印刷可能な単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法を提供する。
【解決手段】画像読取制御部61及び磁気インク文字読取制御部62は、1の読取コマンドで複数の小切手Sの画像及び磁気インク文字を連続して読み取り、印刷データ展開部57は、1の展開指示で複数の小切手Sに対して印刷される裏面印刷データの展開処理を実行し、印刷制御部58は、読み取り処理と並行して、展開された印刷データを複数の小切手Sに対して印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気インク文字が印刷された単票用紙に対する読み取り処理を行う単票用紙読取装置、単票用紙読取装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小切手などの単票用紙には、その表面に磁気インク文字を用いて重要な情報が印刷されることがある。例えば、小切手の所定箇所に口座番号や金額等が磁気インク文字で印刷されている。小切手の場合、磁気インク文字を読み取って照会することにより、その有効性を確認することができる。そのため、小切手等の単票用紙を挿入して搬送させながら磁気インク文字を読み取り可能に構成された単票用紙読み取り装置が開発されている。また、磁気インク文字に加えて単票用紙の全体の印刷パターンを光学的に読み取ってイメージデータとして保存することも要望されている。そのため、磁気読み取り処理及び光学読み取り処理の両方を実行可能に構成された単票用紙読取装置(複合処理装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された単票用紙読取装置は、1枚の単票用紙を挿入口から挿入し、搬送機構によって搬送された単票用紙の磁気インク文字を磁気インク文字読取装置で読み取り、単票用紙に印刷されたイメージを光学読取機構によって読み取った後に、通信可能に接続されたホストコンピュータが読み取り結果受信し正しく読み取りが行われたかをチェックするように設定されている。そして、次の単票用紙の読み取りを行う場合には、次の単票用紙を挿入口から挿入して読み取り処理を実行させる。つまり、1単票用紙毎に読み取り処理の結果を解析するように構成されているため、複数の単票用紙を連続して読み取ることが不可能である。このため、複数の単票用紙を連続して読み取ることが可能な単票用紙読取装置が求められている。
【0004】
また、磁気インク文字及びイメージの読み取り後に、単票用紙に文字やイメージの印刷を行うことができるように、印刷機構をそなえた定型帳票処理装置が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
一般に、印刷機構を備えた単票用紙読取装置においては、読み取り処理の実行後に単票用紙に対する印刷を実行するための印字データを印刷バッファ等に展開し、展開された印字データにしたがって印刷機構が印刷処理を実行するように構成されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−229514号公報
【特許文献2】特開2001−026158号公報
【特許文献3】特開平10−217551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように磁気インク文字及びイメージの読み取り処理に加え、印刷処理を実行するタイプの単票用紙読取装置において、複数の単票用紙を連続して読み取る場合には、読み取り処理と並行して印刷処理を実行するため、読み取り処理が実行される前に予め印刷バッファに印字データを展開しておく必要がある。一方、予め印字データを展開しておくと、複数の単票用紙全てに同じ印字データが印刷されてしまうため、単票用紙毎に異なる印刷データを印字することが不可能となってしまう。
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、複数の単票用紙の連続読取処理に合わせて印刷処理を実行し、また単票用紙毎に異なる印刷データを印刷可能な単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 単票用紙を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙が有する情報を読み取る読取装置と、
前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記読取装置による読み取り処理を制御する読取制御部と、
前記単票用紙に印刷される印刷データを展開する印刷データ展開部と、
前記印刷ヘッドによる印刷処理を制御する印刷制御部と、を備えた単票用紙読取装置であって、
前記読取制御部は、1の読取指示で複数の単票用紙の前記情報を連続して読み取り、前記印刷データ展開部は、1の展開指示で前記複数の単票用紙に対して印刷される前記印刷データの展開処理を実行し、前記印刷制御部は、前記読取制御部による読み取り処理に合わせて、展開された前記印刷データを前記複数の単票用紙に対して印刷することを特徴とする単票用紙読取装置。
(2) 前記読取装置は、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙の画像を読み取る画像読取装置または、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に記載された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置の少なくともいずれか一方を備えていることを特徴とする(1)に記載の単票用紙読取装置。
(3) 前記展開指示は、前記印刷ヘッドによって前記単票用紙に印刷される印刷データの展開開始を指示する展開開始指示と、前記印刷データの展開終了を指示する展開終了指示とを有することを特徴とする(1)または(2)に記載の単票用紙読取装置。
(4) 前記印刷データは、前記複数の単票用紙の全てに共通して印刷される固定データ部と、前記単票用紙毎に異なる可変データ部と、を有することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の単票用紙読取装置。
(5) 前記印刷データが展開される記憶部を有し、
前記印刷データ展開部は、前記記憶部に前記単票用紙毎に異なる複数種類の印刷データを展開し、前記印刷制御部は、前記記憶部に展開された前記複数種類の印刷データを順次印刷することを特徴とする(4)に記載の単票用紙読取装置。
(6) 前記固定データ部が記憶される固定データ記憶領域と、前記印刷データが展開される印刷データ記憶領域と、を備え、
前記印刷データ展開部は、前記単票用紙に前記印刷データを印刷する毎に、前記固定データ記憶領域に記憶された前記固定データ部を前記印刷データ記憶領域にコピーしてから、前記可変データ部を前記印刷データ記憶領域に展開することを特徴とする(4)に記載の単票用紙読取装置。
(7) 前記可変データ部は、カウンタ値であって、
前記印刷データ展開部は、カウンタ展開設定指示に応じて前記カウンタ値を展開し、
前記カウンタ展開設定指示は、前記カウンタ値の初期設定、前記カウンタ値の桁数設定、前記カウンタ値の加算値あるいは減算値設定、の少なくとも何れかを有することを特徴とする(4)〜(6)の何れかに記載の単票用紙読取装置。
(8) 前記印刷データ展開部は、前記可変データ部内の前記カウンタ値の展開形式を設定する展開形式設定指示に応じて前記カウンタ値を展開し、
前記展開形式設定指示は、前記カウンタ値の左側にスペース文字を挿入する右寄せ展開指示、前記左側にゼロ文字を挿入するゼロ埋め展開指示および前記カウンタ値を左に寄せて展開する左寄せ展開指示、の何れかを有することを特徴とする(7)に記載の単票用紙読取装置。
(9) 単票用紙を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙が有する情報を読み取る読取装置と、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、を備えた単票用紙読取装置の制御方法であって、
1の展開指示によって、複数の前記単票用紙に対して印刷される印刷データを展開する展開ステップと、
1の読取指示を受信すると、前記複数の単票用紙の前記情報を連続して読み取るとともに、前記展開ステップで展開された前記印刷データを前記複数の単票用紙に印刷する連続読取印刷ステップと、を有することを特徴とする単票用紙読取装置の制御方法。
(10) 前記展開ステップは、前記単票用紙に印刷される印刷データの展開を開始する展開開始ステップと、前記印刷データの展開を終了する展開終了ステップと、を有することを特徴とする(9)に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
(11) 前記印刷データは、前記複数の単票用紙の全てに共通して印刷される固定データ部と、前記単票用紙毎に異なる可変データ部と、を有し、
前記展開開始ステップの後に、
前記固定データ部に前記単票用紙毎に異なる前記可変データ部を付加した複数種類の前記印刷データを所定の記憶部に展開し、展開された前記複数種類の印刷データを順次印刷することを特徴とする(10)に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
(12)
前記展開開始ステップの後であって、前記単票用紙の印刷を実行する毎に、固定データ記憶領域に記憶された前記固定データ部を印刷データ記憶領域にコピーし、
前記可変データ部を前記印刷データ記憶領域に展開することを特徴とする(10)に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
(13) 前記可変データ部は、カウンタ値であって、
前記カウンタ値の初期設定、前記カウンタ値の桁数設定、前記カウンタ値の加算値あるいは減算値設定、の少なくとも何れかを設定するカウンタ展開設定指示に応じて、前記カウンタ値を展開することを特徴とする(11)または(12)に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
(14) 前記可変データ部内の前記カウンタ値の展開形式を設定する展開形式設定指示であって、前記カウンタ値の左側にスペース文字を挿入する右寄せ展開指示、前記左側にゼロ文字を挿入するゼロ埋め展開指示および前記カウンタ値を左に寄せて展開する左寄せ展開指示、の何れかの展開形式設定指示に応じて、前記カウンタ値を展開することを特徴とする(13)に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
【0009】
本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、読取制御部は、1の読取指示で複数の単票用紙の前記情報を連続して読み取り、印刷データ展開部は、1の展開指示で複数の単票用紙に対して印刷される印刷データの展開処理を実行するように構成されている。したがって、従来のように1枚毎に単票用紙の読取データが正しく読み取られたか否かのチェックをしてから印刷処理を実行する場合に比べて、総合的な処理速度を高速化することが可能である。また、印刷制御部は、読取制御部による読み取り処理に合わせて、複数の単票用紙に対して印刷するので、読取結果の成否にかかわらず1の展開指示で展開された印刷データを複数の単票用紙に印刷することが可能である。
【0010】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、画像読取装置または、磁気インク文字読取装置の少なくともいずれか一方を備えているので、例えば、画像を有するスリップ紙や、磁気インク文字を有する小切手、画像及び磁気インク文字の両方を有する小切手等、様々な種類の単票用紙に対して連続読取処理を実行することが可能である。
【0011】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、印刷データの展開開始を指示する展開開始指示と、印刷データの展開終了を指示する展開終了指示とを備えている。したがって、展開開始指示によって、1の読取指示で連続して読み取られる複数の単票用紙に対して印刷される印刷データの展開処理実行させ、展開終了指示によって展開処理を終了させることが可能である。
【0012】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、印刷データは、固定データ部と、可変データ部と、から構成されている。したがって、可変データを単票用紙毎に変化させれば、画像読取装置及び磁気インク文字読取装置によって読み取られた単票用紙毎に異なる一意の印刷を実行することが可能である。そして、可変データ部は常に所定の位置に挿入されるのでカウンタ値の値によらず固定データ部の展開位置を揃えることが可能である。
【0013】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、印刷データ展開部は、記憶部に単票用紙毎に異なる複数種類の印刷データを展開し、展開された複数種類の印刷データを順次印刷するように構成されている。すなわち、1の読取指示で読み取られる複数の単票用紙に対応する数の印刷データが、予め記憶部に展開される。したがって、印刷処理を高速化することが可能である。
【0014】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、印刷データ展開部は、単票用紙に印刷データを印刷する毎に、固定データ記憶領域に記憶された固定データ部を印刷データ記憶領域にコピーしてから、可変データ部を印刷データ記憶領域に展開するように構成されている。したがって、1回の読取指示で読み取られる単票用紙が数多く含まれていた場合でも、実際に印刷される印刷データが展開される領域は単票用紙1枚分の領域ですむので、記憶容量が小さい記憶部を有する単票用紙読取装置に採用することも可能である。
【0015】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、カウンタ値の初期設定、カウンタ値の桁数設定、カウンタ値の加算値あるいは減算値設定、の少なくとも何れかを設定することが可能である。したがって、カウンタ値の自由度が高くなる。さらに、カウンタ値は、桁数を指定することによってその桁数分だけ可変データ部の展開領域が確保されるので、固定データ部と可変データ部とが重なって印刷されることがなくなる。また、1の読取指示で読み取られる複数の単票用紙に対する印刷形式を揃えることができ、美しい印刷を実現することが可能である。
【0016】
また、本発明の単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法によれば、カウンタ値の展開形式を設定することが可能である。具体的には、右寄せ展開、ゼロ埋め展開および左寄せ展開指示、の何れかを設定することができる。したがって、ユーザの使用形態に応じたカウンタ値の設定を細やかに行うことが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の単票用紙を連続して読み取るとともに印刷を実行し、単票用紙毎に異なる印刷データを印刷することが可能な単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る単票用紙読取装置及び単票用紙読取装置の制御方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、単票用紙読取装置としてホストコンピュータと通信可能に接続された複合処理装置を例に挙げ、ホストコンピュータと複合処理装置とによって構成される複合処理システムとして、その構造及び制御動作について具体的に説明する。
【0019】
(複合処理装置の機械的構成)
本実施形態における複合処理装置の機械的構造について図1〜図4を用いて説明する。図1は本実施形態の複合処理装置1を示す斜視図であり、図2は図1に示した複合処理装置1の上面図であり、図3は図1に示した複合処理装置1における用紙搬送路を示す模式図であり、図4は図1に示した複合処理装置1の搬送路に面して設けられた各機械的構成部分を示す上面から見た模式図である。
【0020】
本実施形態の複合処理装置1は、図1〜図4に示すように、給紙部であるASF(Auto Sheet Feeder:オートシートフィーダ)3に装填される小切手Sを筐体1aに形成された用紙搬送路P1に沿って搬送しながら、小切手S上の両面画像の読み取り、小切手S上の磁気インク文字の読み取り、及び小切手Sへの裏書き印刷を実行可能に構成されている。また、複合処理装置1は、カード挿入口20から挿入されるカードCを筐体1aに形成された用紙搬送路P2に沿って搬送しながら、カードC上のオモテ面画像の読み取りを実行可能に構成されている。
【0021】
また、この複合処理装置1は、筐体1aにおいて用紙搬送路P1に囲まれた中央部に設けられたロール紙カバー30の下部にロール紙を収納するロール紙収納部30a(図4参照)が設けられている。ロール紙収納部30aに収納されたロール紙への印刷は、キャリッジ14の搬送方向の移動に伴ってキャリッジ14に搭載された印刷ヘッド19のノズルから吐出されたインクが吹き付けられることによって実行される。印刷されたロール紙は、ロール紙排出口31(図2参照)から複合処理装置1の外部に排出される。
【0022】
さらに、複合処理装置1は、図2に示すように用紙搬送路P1の下流側直線部分の上方に開口したバリデーション挿入口40からバリデーション紙を挿入可能に構成されており、このバリデーション紙に対しても印刷を実行可能に構成されている。
【0023】
すなわち、本実施形態の複合処理装置1は、画像読取機能及び磁気インク文字読取機能を備え、小切手S、ロール紙及びバリデーション紙への印刷が可能な複合型多機能プリンタである。
【0024】
図3に示すように、小切手Sを搬送する用紙搬送路P1は、逆U字型形状を有しており、またカードCを搬送する用紙搬送路P2は、剛性を有するカードCを搬送可能なように直線形状を有している。
【0025】
用紙搬送路P1と用紙搬送路P2は、用紙搬送路P1のU字形状の底の部分に相当する部位で共通となっている。以下の説明では、この共通の部位を中間搬送路Mと呼ぶこととする。この中間搬送路Mには、各種読取装置が設けられている。図2に示すように、この用紙搬送路P1のうち中間搬送路Mの上方は、筐体1aの一部を構成する搬送路カバー1b(図2参照)によって覆われている。この搬送路カバー1bは、中間搬送路Mに沿って配置される各種読取装置を外部から覆い隠すことにより保護している。
【0026】
用紙搬送路P1は、図3に示すように、外側ガイド2aと内側ガイド2bとの間に画成された搬送部2cによって構成されており、この搬送部2cに沿って小切手Sは搬送される。図2及び図4に示すように用紙搬送路P1の上流側には、複数の小切手Sを装填可能なASF3が設けられている。小切手Sは、図4の矢印Aの方向からASF3を介して用紙搬送路P1に挿入され、ASF3に装填された複数の小切手Sは、一枚ずつ分離されて用紙搬送路P1内に送り出される。
【0027】
用紙搬送路P1には、小切手Sの搬送を行う搬送手段として、中間搬送路Mの上流側に用紙搬送ローラ6と、中間搬送路M中に中間搬送ローラ16と、中間搬送路Mの下流側に第2搬送ローラ7と、紙出口の手前に排出ローラ8が設けられている。用紙搬送ローラ6は、駆動ローラ6aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ6aに対向配置された押し付けローラ6bとを有している。また、第2搬送ローラ7は、駆動ローラ7aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ7aに対向配置された押し付けローラ7bとを有している。また、中間搬送ローラ16は、図4に示すように、用紙搬送路P1の下方に配置された下部押えローラ16aと、下部押えローラ16aの上方に配置された上部押えローラ16bと、中間搬送路Mを介して上部押えローラ16a及び下部押えローラ16bと対向配置された駆動ローラ17とを有している。
【0028】
ASF3から用紙搬送路P1内に送り出された小切手Sは、図4に示すように、用紙搬送ローラ6、中間搬送ローラ16、ならびに第2搬送ローラ7によって中間搬送路M内を搬送され、排出ローラ8により矢印Bの方向へ排出口4から排出される。ここで、中間搬送ローラ16に関しては、小切手Sの幅(高さ)が所定長さより短ければ、下部押えローラ16bと駆動ローラ17が小切手Sの搬送に寄与し、一方小切手Sの幅が所定長さ以上であれば上部押えローラ16aと下部押えローラ16bの双方と駆動ローラ17によって小切手Sは搬送される。
【0029】
このように、本実施形態における複合処理装置1は、小切手SをU字型の用紙搬送路P1に搬送し、カードCを、直線状の用紙搬送路P2に搬送するように構成されている。
【0030】
中間搬送路Mには、小切手S等の裏面画像の読み取りを行う裏面画像読取装置11および表面画像を読み取る表面画像読取装置12がそれぞれ中間搬送路Mの両側に搬送方向にずれた状態で設置されている。の裏面画像読取装置11および表面画像読取装置12は、それぞれCIS(Contact Image Sensor)タイプのスキャナである。
【0031】
裏面画像読取装置11および表面画像読取装置12は、中間搬送路Mを搬送される小切手SまたはカードCの一面に光を照射し、小切手SまたはカードC上で反射した光を複数の受光素子(光電変換素子)を介して受光し、受光した光を電気信号に変換して1ライン分の画像を取得する。1ラインずつ順次読み取ることにより、小切手Sの二次元画像を取得する。
【0032】
駆動ローラ17の下方には、磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置(以下、MICR(Magnetic Ink Character Reader)という。)13が設置されている。MICR13は、小切手Sの表面に印刷された磁気インク文字を読み取るためのセンサである。このMICR13は、中間搬送路Mを介してMICR13に対向配置された押付レバーによって小切手SがMICR13の表面に押し付けられた状態で読み取りを実行する。本実施形態では、口座番号などの情報が磁気インク文字で印刷された小切手Sの磁気インク文字記録領域を読み取るように構成されている。
【0033】
また、第2搬送ローラ7と排出ローラ8との間であって、用紙搬送路P1に沿った直線領域には、キャリッジ14が用紙搬送路P1の直線部分に沿って移動可能に配置されている。キャリッジ14には、インクを吐出する複数のインクノズルを有する印刷ヘッド19が設けられており、後述するホストコンピュータ110からの指示に応じて印刷ヘッド19の複数のインクノズルからインクを吐出することにより、小切手Sへの裏書、バリデーション紙への印刷、またはロール紙への印刷を実行する。
【0034】
次に、用紙搬送路P1に設けられた用紙検出器について説明する。
用紙搬送路P1には、ASF検出器(給紙部検出器)9と、TOF(Top Of Form)検出器10と、バリデーション検出器26と、排出検出器28の4つの用紙検出器が設けられている。これらの検出器9,10,26,28は、たとえば光学式の用紙検出器であり、それぞれ検出器前面における用紙の有無を検出可能に構成されている。
【0035】
ASF検出器9は、ASF3の排出口近傍に設けられており、ASF3から送り出される複数の小切手Sを検出する。TOF検出器10は、ASF3と裏面画像読取装置11の中間部位に設けられており、裏面画像読取装置11に送り込まれる小切手Sを検出する。
【0036】
バリデーション検出器26は、第2搬送ローラ7の下流側の直線部位に設けられており、バリデーション挿入口40から挿入されるバリデーション紙の挿入の有無を検出可能に構成されている。排出検出器28は、排出口4近傍に設けられており、排出口4から排出される小切手Sを検出する。
【0037】
また、用紙搬送路P2には、カードCを検出するカード検出器25が設けられている。カード検出器25は、カード挿入口20近傍に設けられており、カード挿入口20から挿入されるカードCを検出する。
【0038】
(複合処理装置の内部処理について)
次に、本実施形態の複合処理システムにおける小切手Sの連続読取処理及び裏面印刷処理について詳細に説明する。図5は、本実施形態の複合処理システム200の制御ブロック図である。
【0039】
複合処理システム200は、ホストコンピュータ110と、ホストコンピュータ110と通信可能に接続された複合処理装置1とによって構成されている。ホストコンピュータ110は、制御中枢である図示せぬ制御部を備え、複合処理システム200の全体動作を制御する。複合処理装置1はASF3に載置された複数の小切手Sを連続して読み取ると同時に裏面印刷を実行する。ホストコンピュータ110では連続して送信される複数の小切手Sの読み取りデータを解析し、MICR13及び裏面画像読取装置11,表面画像読取装置12による読み取りが正常に行われたか否かを判断する。そして、判断結果に応じたコマンドを生成し、複合処理装置1へコマンドを送信するように構成されている。
【0040】
まず、複合処理装置1の内部処理について説明すると、図5に示すように、複合処理装置1内には、ホストコンピュータ110から送信される各種コマンドや印刷データを受信する受信部51と、受信部51が受信した各種コマンドや印刷データを一時的に保持する受信バッファ52が設けられている。受信バッファ52によって受信されたデータは、コマンド解析部53によって解析され、制御コマンドの場合は制御コマンドバッファ54に、印刷データの場合には印刷バッファ55にDMA転送等により転送される。
【0041】
印刷バッファ55に一時保存された印刷データは、印刷データ展開部57によってデータ展開処理が行われてデータ変換され、最終的には印刷ヘッド18のノズル列に対応したドットパターンデータが生成されて印刷バッファに記憶される。固定データ記憶領域56は、印刷データ展開処理において、印刷データを構成する固定データ部が展開されたときに、展開された固定データ部がコピーされる領域であって、複数の小切手Sに対して共通して印刷される固定データ部を保持しておくことができる。印刷データの印刷データの展開処理については後ほど説明する。
【0042】
印刷制御部58は、この印刷バッファ55に記憶されたドットパターンデータを基に印刷ヘッド18を駆動するものであり、小切手S上に画像を形成することにより、小切手Sの裏面印刷を実行する。
【0043】
一方、制御コマンドバッファ54に一時保存された制御コマンドデータは、主制御部63によって読み出されて、画像読取制御部61、磁気インク文字読取制御部62、搬送制御部59、検出器制御部60を介して、画像読取装置11、12による小切手Sの画像読み取り制御、MICR13による磁気インク文字の読み取り制御、複数枚の小切手Sの搬送制御、搬送路に面して設けられた各種用紙検出器による検出制御等の、各種処理が実行される。
【0044】
また、画像読取制御部61、磁気インク文字読取制御部62が読み取った読取データは送信部64を介してホストコンピュータ110に順次送信され、ホストコンピュータ110の図示せぬ制御部によって正常に読み取りが行われたかが解析される。
【0045】
ホストコンピュータ110は、ドライバ111と、送受信部112とを備えており、ドライバ111で生成された読取コマンド(読取指示)、印刷データ展開開始コマンド、印刷データ展開終了コマンド等の各種コマンドが送受信部112を介して複合処理装置1へ送信される。また、読取コマンドに応じて読み取られ、複合処理装置1の送信部1から送信された読取データは送受信部112で受信される。
【0046】
(小切手Sの連続読取処理及び裏面印刷処理の具体的な処理について)
次に、小切手Sの連続読取処理及び裏面印刷処理の具体的な処理について図6を参照して説明する。図6は小切手Sの連続読取処理と裏面印刷処理を説明するフロー図である。
【0047】
まず、概略を説明すると、図6に示すように、複合処理装置1は、ASF3に載置された複数枚の小切手SをASF検出器9によって検出すると、1枚目の小切手Sが送り出され画像読取装置11,12、MICR13による読み取り処理を実行しつつ、小切手Sが印刷ヘッド18を超えると、印刷制御部58が小切手Sの裏面印刷を開始する。このときキャリッジ14は固定されており小切手Sの搬送速度に応じた印刷速度で裏面印刷、いわゆるライン印刷処理が実行される。1枚目の小切手Sの画像読み取りおよび裏書印刷が終わると小切手Sの搬送が停止する。次に、ASF検出器9によって2枚目の小切手Sが検出されると、1枚目の小切手Sの排出に合わせて2枚目の小切手Sが送り出され1枚目の小切手Sと同様に画像読取装置11,12、MICR13による読取処理を実行しつつ、小切手Sが印刷ヘッド18を超えると、印刷制御部58が小切手Sの裏面印刷を開始する。小切手Sの搬送が停止した時、ASF検出器9が次の小切手Sを検出できなかった時は、搬送停止した小切手Sの排出のみを実施し、連続読み取り処理を終了する。このように、複合処理装置1は複数の小切手Sの連続読取処理を実行しつつ、印刷処理も合わせて行うことが可能である。
【0048】
次に、ホストコンピュータ110と複合処理装置1との通信処理に着目して説明する。ユーザから小切手Sの連続読取処理を指示されると(ここでは、アクティブシートとしてチェック紙を選択することによって連続処理が指示される)、送受信部112を介して印刷データ展開開始コマンドが複合処理装置1へ送信される(ステップS41,ステップS42)。次に、実際に印刷される裏面印刷データが送信され、印刷データ展開部57が印刷バッファ55に裏面印刷データを展開し、印刷データ展開終了コマンドを受信すると展開処理を終了する(ステップS43,ステップS44)。
【0049】
このように、画像および磁気インク文字の読取処理を実行する前に、ホストコンピュータ110から裏面印刷データを送信し、予め印刷バッファ55に印刷データを展開しておくことによって、連続読取処理と印刷処理を並行して実行することが可能である。つまり、従来のように1枚毎に小切手Sの読取データをホストコンピュータ110へ送信し、読取データが正しく読み取られたか否かのチェックをしてから印刷データを複合処理装置1へ送信して印刷処理を実行する場合に比べて、本実施形態では読取結果の成否にかかわらず、一連の処理の最初に送信される1回の印刷データで複数枚の小切手Sに対する裏面印刷を実行するので処理の高速化を図ることが可能である。
【0050】
裏面印刷データの展開が終了すると、ホストコンピュータ110からの挿入準備コマンドに応じて読取対象となる複数の小切手SをASF3へ挿入し、ASF検出器9が小切手Sの挿入を検出すると、挿入準備終了コマンドが送信され、読取コマンドの受信を待って、画像及び磁気インク文字の読み取り処理を開始する(ステップS45,ステップS46,ステップS47)。そして、小切手Sが印刷ヘッド18を超えると、印刷制御部58が小切手Sの裏面印刷を開始する(ステップS48)。画像読取制御部61、磁気インク文字読取制御部62は、順次読取データをホストコンピュータ110へ送信し、ホストコンピュータ110は読取データを解析する(ステップS49)。以降、ASF3に載置された全ての小切手Sの読取処理を終了すると、複合処理装置1は読取終了通知をホストコンピュータ110へ送信する(ステップS50)。
【0051】
(裏面印刷データ展開処理について)
次に、図7及び図8を参照して小切手Sの裏面に印刷される裏面印刷データの展開処理について詳細に説明する。図7は、裏面印刷データが印刷バッファ55に展開される状態を示した遷移図であり、図8は、裏面印刷データの展開処理を説明するフローチャートである。ここで、裏面印刷データ展開処理はホストコンピュータ110からの展開開始コマンドによって開始され、展開終了コマンドによって終了する(図6のステップS42,ステップS44)。
【0052】
ここでは、裏面印刷データを構成する固定データ部に印刷される印刷データを"ABCDE BANK"、可変データ部に印刷される印刷データをカウンタ値とし、固定データ"ABC"の後ろにカウンタ値を挿入してから、続きの固定データ"DE BANK"を展開する場合を説明する。なお、カウンタ値は、カウンタ初期値、桁数、加算値あるいは減算値の設定が可能であり、ここでは、カウンタ初期値=00011、桁数=5桁、加算値あるいは減算値=+1と設定する。さらに、カウンタ値は、展開形式を設定することが可能であり、カウンタ値の左側にスペース文字を挿入する右寄せ展開、左側にゼロ文字を挿入するゼロ埋め展開およびカウンタ値を左に寄せて展開する左寄せ展開のうち何れかに設定可能である。ここでは、ゼロ埋め展開を設定することとする。
【0053】
まず、ホストコンピュータ110からの展開開始コマンドに応じて印刷バッファ55に固定データ"ABC"を展開する(ステップS11、図7(a)参照)。なお、図7において"."は次の印刷データの展開開始位置を示している。次に、現在の(カウンタ値を展開する前の)、「展開位置の情報」を保持する。つまり、現在の設定(フォント選択、拡大、ANK文字の右スペース、回転方向)からカウンタ1桁分のサイズを計算する(ステップS12、図7(b)参照)。そして、次の展開開始位置から残りの固定データ"DE BANK"を展開する(ステップS13、図7(c)参照)。
【0054】
ホストコンピュータ110から展開終了コマンドを受信すると、固定データ部の展開を終了し、展開された固定データを固定データ記憶領域にコピーする(ステップS14:Yes,ステップS15、図7(g)参照)。図7(c)の状態でカウンタ値"00011"を上書きして展開する(ステップS16、図7(d)参照)。1枚目の小切手Sが印刷ヘッド18を超えると図7(d)のように展開された裏面印刷データが1枚目の小切手Sの裏面に印刷される(ステップS17)
【0055】
次に、1枚目の小切手Sが排出されると同時に2枚目の小切手Sが送り出され(ASF検出器9による検出あり=ステップS18:No)、ステップS15で固定データ領域にコピーされた固定データ部を印刷バッファ55にコピーする(ステップS19、図7(e)参照)。そして、ステップS16と同様に次のカウンタ値"00012"を上書きして展開する(ステップS20、図7(f)参照)。以降、ASF検出器9によるASF3に載置された小切手Sの検出がなくなるまで、ステップS17〜ステップS20の処理を繰り返す。
【0056】
このように、本実施形態の複合処理装置1における印刷データ展開処理では、裏面印刷データは、印刷データを複数の小切手Sの全てに共通して印刷される固定データ部と、小切手S毎に異なる可変データ部とから構成されている。したがって、画像読取装置11,12及びMICR13によって読み取られた小切手S毎に異なる一意の裏面印刷を実行することが可能である。例えば、1回の読取コマンドで実行された一連の読取処理で読み取られる複数の小切手Sに対して通し番号を印刷することができる。そして、可変データ部は常に所定の位置に挿入されるのでカウンタ値の値によらず固定データ部の展開位置を揃えることが可能である。
【0057】
また、カウンタ値は、カウンタ初期値、加算値あるいは減算値を設定することができるので、カウンタ値の自由度が高くなる。例えば、複数回の読取コマンドを実行した場合でも、複数回の読取コマンドで読み取られた全ての小切手Sに対して通し番号を印刷したり、読取コマンド毎にカウンタ値の形式を変更することも可能である。さらに、カウンタ値は、桁数を指定することによってその桁数分だけ可変データ部の展開領域が確保されるので、固定データ部と可変データ部とが重なって印刷されることがなくなる。例えばカウンタ値"00011"の次にくる固定データ"DE BANK"の印刷を常に所定の位置から開始させることができるので印刷形式を揃えることができ、美しい裏面印刷を実現することが可能である。
【0058】
さらに、本実施形態では、実際に印刷される裏面印刷データが展開される印刷バッファ55の他に固定データ部のみを展開して記憶する固定データ記憶領域56を備えているので、1回の読取コマンドで読み取られる小切手Sが数多く含まれていた場合でも、印刷バッファ55には、実際に印刷される小切手Sの1枚分に相当する印刷データのみが一時的に記憶されるので、記憶容量が小さいメモリが搭載された複合処理装置においても採用することが可能である。
【0059】
<印刷データ展開処理の変形例>
次に図9及び図10を参照して上述した印刷データ展開処理の変形例について説明する。図9は、裏面印刷データが印刷バッファ55に展開された状態を示した図であり、図10は、裏面印刷データの展開処理の変形例を説明するフローチャートである。なお、印刷データを構成する固定データ部及び可変データ部は上述した印刷データ展開処理と同様のもので説明する。
【0060】
ホストコンピュータ110からの展開開始コマンドに応じて印刷バッファ55に固定データ"ABC"を展開する(ステップS31)。現在の(カウンタ値を展開する前の)、「展開位置の情報」を保持する。つまり、現在の設定(フォント選択、拡大、ANK文字の右スペース、回転方向)からカウンタ1桁分のサイズを計算する(ステップS32)。そして、次の展開開始位置から残りの固定データ"DE BANK"を展開する(ステップS33)。
【0061】
次に、展開された固定データを印刷バッファ55に複数枚分展開し、カウンタ値"00011〜00015"をそれぞれ上書きして展開する(ステップS34,ステップS35、図9(a)〜(e)参照)。図9に示すように、小切手Sの裏面印刷データが5枚分印刷バッファ55に展開されて、可変データであるカウンタ値(00011〜00015)のみが異なるデータとなっている。ホストコンピュータ110から印刷データ展開終了コマンドを受信すると印刷データ展開処理を終了し(ステップS36:Yes)、1枚目の小切手Sが印刷ヘッド18を超えると図9(a)のように展開された裏面印刷データが1枚目の小切手Sの裏面に印刷される(ステップS37)。以降、ASF検出器9によるASF3に載置された小切手Sの検出がなくなるまで(ステップS38:Yes)、ステップS37及びステップS38の処理を繰り返し、図9(b)〜(e)に示した印刷データが残り4枚の小切手Sに対して順次印刷される。
【0062】
このように、本変形例では、1回の読取コマンドで読み取られる複数の小切手Sに対応する数の裏面印刷データが、印刷バッファ55に展開される。したがって、実際に印刷される可変データ部を含めた印刷データが予め印刷バッファ55に展開されているので、印刷処理を高速化することが可能である。印刷処理の高速化に重点をおいた複合処理装置に採用したり、1回の読取コマンドで読み取られる小切手Sの枚数が少ない場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態の複合処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示した複合処理装置の上面図である。
【図3】図1に示した複合処理装置における用紙搬送路を示す模式図である。
【図4】図1に示した複合処理装置の内部構造を示す上面から見た模式図である。
【図5】本実施形態の複合処理システムの制御ブロック図である。
【図6】小切手Sの連続読取処理と裏面印刷処理との並行処理を説明するフロー図である。
【図7】裏面印刷データが印刷バッファに展開される状態を示した遷移図である。
【図8】裏面印刷データの展開処理を説明するフローチャートである。
【図9】裏面印刷データが印刷バッファに展開された状態を示した図である。
【図10】裏面印刷データの展開処理の変形例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1:複合処理装置、11,12:画像読取装置、13:MICR、14:キャリッジ、19:印刷ヘッド、55:印刷バッファ、56:固定データ記憶領域、57:印刷データ展開部、58:印刷制御部、61:画像読取制御部、62:磁気インク文字読取制御部、110:ホストコンピュータ、200:複合処理システム、S:小切手、P1,P2:用紙搬送路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単票用紙を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙が有する情報を読み取る読取装置と、
前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記読取装置による読み取り処理を制御する読取制御部と、
前記単票用紙に印刷される印刷データを展開する印刷データ展開部と、
前記印刷ヘッドによる印刷処理を制御する印刷制御部と、を備えた単票用紙読取装置であって、
前記読取制御部は、1の読取指示で複数の単票用紙の前記情報を連続して読み取り、前記印刷データ展開部は、1の展開指示で前記複数の単票用紙に対して印刷される前記印刷データの展開処理を実行し、前記印刷制御部は、前記読取制御部による読み取り処理に合わせて、展開された前記印刷データを前記複数の単票用紙に対して印刷することを特徴とする単票用紙読取装置。
【請求項2】
前記読取装置は、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙の画像を読み取る画像読取装置または、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に記載された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置の少なくともいずれか一方を備えていることを特徴とする請求項1に記載の単票用紙読取装置。
【請求項3】
前記展開指示は、前記印刷ヘッドによって前記単票用紙に印刷される印刷データの展開開始を指示する展開開始指示と、前記印刷データの展開終了を指示する展開終了指示とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の単票用紙読取装置。
【請求項4】
前記印刷データは、前記複数の単票用紙の全てに共通して印刷される固定データ部と、前記単票用紙毎に異なる可変データ部と、を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の単票用紙読取装置。
【請求項5】
前記印刷データが展開される記憶部を有し、
前記印刷データ展開部は、前記記憶部に前記単票用紙毎に異なる複数種類の印刷データを展開し、前記印刷制御部は、前記記憶部に展開された前記複数種類の印刷データを順次印刷することを特徴とする請求項4に記載の単票用紙読取装置。
【請求項6】
前記固定データ部が記憶される固定データ記憶領域と、前記印刷データが展開される印刷データ記憶領域と、を備え、
前記印刷データ展開部は、前記単票用紙に前記印刷データを印刷する毎に、前記固定データ記憶領域に記憶された前記固定データ部を前記印刷データ記憶領域にコピーしてから、前記可変データ部を前記印刷データ記憶領域に展開することを特徴とする請求項4に記載の単票用紙読取装置。
【請求項7】
前記可変データ部は、カウンタ値であって、
前記印刷データ展開部は、カウンタ展開設定指示に応じて前記カウンタ値を展開し、
前記カウンタ展開設定指示は、前記カウンタ値の初期設定、前記カウンタ値の桁数設定、前記カウンタ値の加算値あるいは減算値設定、の少なくとも何れかを有することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の単票用紙読取装置。
【請求項8】
前記印刷データ展開部は、前記可変データ部内の前記カウンタ値の展開形式を設定する展開形式設定指示に応じて前記カウンタ値を展開し、
前記展開形式設定指示は、前記カウンタ値の左側にスペース文字を挿入する右寄せ展開指示、前記左側にゼロ文字を挿入するゼロ埋め展開指示および前記カウンタ値を左に寄せて展開する左寄せ展開指示、の何れかを有することを特徴とする請求項7に記載の単票用紙読取装置。
【請求項9】
単票用紙を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙が有する情報を読み取る読取装置と、前記搬送路に面して設けられ前記単票用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、を備えた単票用紙読取装置の制御方法であって、
1の展開指示によって、複数の前記単票用紙に対して印刷される印刷データを展開する展開ステップと、
1の読取指示を受信すると、前記複数の単票用紙の前記情報を連続して読み取るとともに、前記展開ステップで展開された前記印刷データを前記複数の単票用紙に印刷する連続読取印刷ステップと、を有することを特徴とする単票用紙読取装置の制御方法。
【請求項10】
前記展開ステップは、前記単票用紙に印刷される印刷データの展開を開始する展開開始ステップと、前記印刷データの展開を終了する展開終了ステップと、を有することを特徴とする請求項9に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
【請求項11】
前記印刷データは、前記複数の単票用紙の全てに共通して印刷される固定データ部と、前記単票用紙毎に異なる可変データ部と、を有し、
前記展開開始ステップの後に、
前記固定データ部に前記単票用紙毎に異なる前記可変データ部を付加した複数種類の前記印刷データを所定の記憶部に展開し、展開された前記複数種類の印刷データを順次印刷することを特徴とする請求項10に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
【請求項12】
前記展開開始ステップの後であって、前記単票用紙の印刷を実行する毎に、固定データ記憶領域に記憶された前記固定データ部を印刷データ記憶領域にコピーし、
前記可変データ部を前記印刷データ記憶領域に展開することを特徴とする請求項10に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
【請求項13】
前記可変データ部は、カウンタ値であって、
前記カウンタ値の初期設定、前記カウンタ値の桁数設定、前記カウンタ値の加算値あるいは減算値設定、の少なくとも何れかを設定するカウンタ展開設定指示に応じて、前記カウンタ値を展開することを特徴とする請求項11または12に記載の単票用紙読取装置の制御方法。
【請求項14】
前記可変データ部内の前記カウンタ値の展開形式を設定する展開形式設定指示であって、前記カウンタ値の左側にスペース文字を挿入する右寄せ展開指示、前記左側にゼロ文字を挿入するゼロ埋め展開指示および前記カウンタ値を左に寄せて展開する左寄せ展開指示、の何れかの展開形式設定指示に応じて、前記カウンタ値を展開することを特徴とする請求項13に記載の単票用紙読取装置の制御方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−288371(P2007−288371A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111421(P2006−111421)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】