説明

印刷システム、プログラム、印刷装置、印刷装置用プログラム、管理装置、及び管理装置用プログラム

【課題】ジャム用紙、サンプルプリント用紙、パージシートなど、流通を防止するべきであるが印刷出力を制限することができない印刷物の不正な流通を防止することが可能な画像形成システム、印刷規制プログラム、画像形成装置、及び管理装置を提供する。
【解決手段】印刷出力を制限すべき事象が発生すると、当該事象によって発生したパージシートやジャム用紙、サンプルプリント用紙などの用紙が廃棄処理されるまで印刷出力を規制し、当該用紙が廃棄された後に規制を変更し、ユーザが所望する印刷物の印刷出力を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、プログラム、印刷装置、印刷装置用プログラム、管理装置、及び管理装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー複写機やカラープリンタなどの高品質化および多機能化に伴って、高画質かつ高速な文書の複製や配信が可能となる一方、機密文書や個人情報などの漏洩が問題となっている。
【0003】
そして、例えば、個人情報が印刷された請求書など、機密性の高い文書の印刷出力回数を制限して、同じ内容の印刷物が際限なく印刷出力されることを防止することにより、このような文書が不正に流通することを可及的に防ぐ印刷装置が知られている。
【0004】
また、印刷出力された画像データと入力された画像データが一致するか否かの判断を行い、一致しない場合は印刷物を細かく裁断して不必要な印刷物の印刷出力を防止する方法(例えば、特許文献1参照)や、印刷物の画像を塗り潰して出力する方法なども知られている。
【特許文献1】特開2005-59248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、ジャム用紙、サンプルプリント用紙、パージシートなど、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することが可能な印刷システム、プログラム、印刷装置、印刷装置用プログラム、管理装置、及び管理装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載の発明における印刷システムは、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段と、前記印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理する廃棄手段と、前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する制御を行う制御手段と、を具備すること特徴とする。
【0007】
また、前記規制は、前記印刷手段による印刷を不可とする規制を行うものであり、前記制御変更手段は、前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制を変更して前記印刷手段による印刷を可とする変更を行うことが望ましい。
【0008】
また、前記制御手段は、前記廃棄手段により廃棄処理された記録媒体の印刷情報に対する前記規制手段による印刷の規制を変更することが望ましい。
【0009】
また、前記印刷手段は、記録媒体に印刷情報を識別する識別情報を付加して印刷し、前記規制手段により記録媒体への印刷を規制するための規制対象事象が発生したか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により規制対象事象の発生を検出した場合に、前記規制対象事象に対応した印刷情報を識別する識別情報を格納する格納手段と、を有し、前記制御手段は、前記格納手段に格納された識別情報が識別する印刷情報に対する前記規制手段による規制を変更する制御を行うことが望ましい。
【0010】
また、前記印刷手段は、前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、該印刷手段による印刷の終了後、前記規制手段による規制が変更された印刷情報の印刷を行うことが望ましい。
【0011】
また、前記廃棄手段は、前記廃棄手段で廃棄処理される記録媒体から印刷情報を識別する識別情報を取得する取得手段を具備し、前記制御手段は、前記格納手段に格納されている識別情報が前記取得手段で取得されると、該識別情報が識別する印刷情報に対応した記録媒体が廃棄されたと判断して前記規制手段による規制を変更することが望ましい。
【0012】
また、前記規制手段による規制の変更指示を受け付ける変更指示受付手段をさらに具備し、前記規制変更手段は、前記規制手段による規制の変更指示を前記変更指示受付手段で受け付けると前記規制手段による規制を変更することが望ましい。
【0013】
また、前記規制手段は、前記印刷手段により印刷が開始されるときに、前記格納手段に格納された識別情報が識別する印刷情報の印刷を規制することが望ましい。
【0014】
また、前記規制対象事象が発生すると、所定の通知先に通知する通知手段をさらに具備することが望ましい。
【0015】
次に、本発明におけるプログラムは、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷ステップと、前記印刷ステップにより行われる印刷情報の印刷を規制する規制ステップと、前記印刷ステップにより印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理する廃棄ステップと、前記廃棄ステップにより記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更ステップと、をコンピュータに実行させること特徴とする。
【0016】
本発明における印刷装置は、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段と、前記印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、を具備すること特徴とする。
【0017】
本発明における印刷装置用プログラムは、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷ステップと、前記印刷ステップにより行われる印刷情報の印刷を規制する規制ステップと、前記印刷ステップにより印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更ステップと、を印刷装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明における管理装置は、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、を具備することを特徴とする。
【0019】
本発明における管理装置用プログラムは、記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、を管理装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願請求項1に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる。
【0021】
本願請求項2に記載の発明では、廃棄処理が行われた場合に、印刷不可の状態から印刷可の状態に変更することにより、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる。
【0022】
本願請求項3に記載の発明では、廃棄処理された記録媒体の印刷情報に対する規制を変更することにより、廃棄処理された記録媒体の印刷情報の印刷を行うことができる。
【0023】
本願請求項4に記載の発明では、簡単な構成で、流通を防止するべきである印刷物と同じ印刷情報の印刷の規制を変更することができる。
【0024】
本願請求項5に記載の発明では、廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、印刷を制限することが容易でない印刷物と同じ内容の印刷情報の印刷を容易に行うことができる。
【0025】
本願請求項6に記載の発明では、簡単な構成で、印刷を制限することが容易でない印刷物が廃棄処理されたことを認識することができる。
【0026】
本願請求項7に記載の発明では、規制手段による規制の変更指示を変更指示受付手段により行うことができることにより、例えば、取得手段により記録媒体の識別情報が取得できない場合に、流通を防止するべきである印刷物と同じ印刷情報の印刷の規制を変更することができる。
【0027】
本願請求項8に記載の発明では、簡単な構成で、流通を防止するべきである印刷物と同じ印刷情報の印刷の規制を行うことができる。
【0028】
本願請求項9に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物と同じ印刷情報の印刷の規制が行われたことを、ユーザに通知することができる。
【0029】
本願請求項10に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができるプログラムを提供できる。
【0030】
本願請求項11に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる印刷装置を提供できる。
【0031】
本願請求項12に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる管理装置用プログラムを提供できる。
【0032】
本願請求項13に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる印刷装置用プログラムを提供できる。
【0033】
本願請求項14に記載の発明では、流通を防止するべきである印刷物の不正な流通を防止することができる管理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す本発明を実施するための形態は、本発明の具体的態様の一例であり、当該形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0035】
図1は、本実施例に係る画像形成システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施例に係る画像形成システムは、画像形成装置10と、廃棄装置20とを具備して構成され、LAN(Local Area Network)などのネットワークやUSB(Universal Serial Bus)、シリアルケーブルなどの、図示しない有線又は無線の通信手段を介して接続されている。
【0036】
また、画像形成装置10は、用紙等の記録媒体に画像情報等の印刷情報の印刷を行う印刷装置として機能し、画像形成部11と、識別子検出部12と、識別子付与部13と、搬出検出部14と、識別子格納部15と、規制変更指示部16と、制御部17と、通信部18とを具備して構成されている。
【0037】
画像形成部11は、紙やプラスチック製のフィルムなど、画像を形成する任意の記録媒体(用紙)を、図示しない給紙トレイから給紙して画像を形成し、画像を形成した用紙を図示しない排紙トレイに排紙する。
【0038】
識別子検出部12は、画像形成部11で画像を形成する用紙から、当該用紙を識別することが可能な情報である識別子を取得する。具体的には、例えば、給紙トレイから画像形成部11に用紙を搬送する搬送路上、又は給紙トレイに設置され、搬送路を通過する用紙をスキャニングして、用紙に印刷されている識別子を示す情報(バーコードや二次元コードなどのコード情報や英数字など)を読み取ると共に、解析処理(コード情報の解析やOCR(Optical Character Reader)処理など)を行って識別子を取得する。また、用紙がRFID(Radio Frequency Identification)や磁気ワイヤなどの無線タグを備えている場合は、無線タグリーダを用いて無線タグから識別子を取得してもよい。
【0039】
識別子付与部13は、画像形成部11で画像を形成する用紙に識別子を付与する。具体的には、例えば、画像形成部11に搬送される用紙に識別子を割り当てると共に、当該用紙に割り当てた識別子を記録するための処理を行う。
【0040】
用紙に識別子を記録する方法としては、例えば、英数字などから識別子や、バーコードや2次元コードなどのコード情報に変換した識別子の印刷を画像形成部11に指示して、用紙の所定の位置に識別子を画像形成する方法など、用紙に付与した識別子を当該用紙に記録することが可能な任意の方法を用いることができ、用紙が無線タグを備えている場合は、無線タグライタを用いて用紙に識別子を記録してもよい。また、搬送路上に識別子を印刷することが可能な画像形成部を設け、当該画像形成部で用紙に識別子を画像形成してもよい。
【0041】
搬出検出部14は、図示しない排紙トレイ(スタッカ)に排出された用紙の識別子を取得する。具体的には、例えば、画像形成部11から排紙トレイに用紙を搬送する搬送路上、又は排紙トレイに設置され、搬送路を通過、又は排紙トレイに排出された用紙をスキャニングして用紙に印刷されている識別子を示す情報を読み取ると共に、解析処理を行って識別子を取得する。また、用紙が無線タグを備えている場合は、無線タグリーダを用いて識別子を取得してもよい。
【0042】
識別子格納部15は、用紙の識別子を格納する。具体的には、例えば、画像形成部11に搬送された用紙の識別子(識別子検出部12で検出した識別子、又は識別子付与部13で付与した識別子)を格納し、排紙トレイに排出された用紙の識別子(搬出検出部14で検出した識別子)を削除する。
【0043】
規制変更指示部16は、規制を変更する権限を備えたユーザ(管理者)から、規制の変更指示を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、図2に示すように、図示しないタッチパネルやディスプレイなどの表示端末にUI(User Interface)を表示し、タッチパネル上で直接、又はキーボードやマウスなどの操作端末を用いてID(識別子)やパスワードなどの情報が入力され、管理者について登録されている情報などを用いて管理者であると判断すると、規制の変更指示を受け付ける。
【0044】
制御部17は、図示しない記憶装置に格納されてプログラムを用いて、画像形成部11、識別子検出部12、搬出検出部14、識別子格納部15、通信部18など、画像形成装置10全体を制御するための処理を行う。具体的には、印刷出力を規制する規制対象事象が発生すると、印刷出力を規制し、規制対象事象によって発生した印刷物(廃棄対象用紙)が廃棄されると規制を変更する。
【0045】
ここで規制対象事象とは、例えば、ジャム用紙やパージシート、サンプルプリント用紙など、不要な印刷物が流通することを防止するためには印刷出力を規制すべきであるが規制できない印刷物が発生するジャムやパージ、サンプルプリントなどの事象であり、例えば、管理者がUIを用いて規制の対象となる事象を選択するなど、制御部17で印刷出力を規制する事象を任意の方法を用いて設定するように構成してもよい。
【0046】
また、印刷出力を規制する方法は、画像形成部11に対する印刷指示を行わないなど、印刷出力自体を妨げる方法に限られるものではなく、例えば、印刷物の塗り潰しを指示する方法や、代わりとなる印刷情報(規制中である旨を表示するものなど)に基づく画像形成を画像形成部11に指示する方法、シュレッダなどの裁断装置を備え、印刷物を自動的に裁断することが可能な場合は、印刷物の裁断を指示する方法など、ユーザが意図する印刷物(請求書など)の情報を容易に認識することが困難な状態で印刷出力する方法であれば、任意の方法を用いて規制を行うことができる。
【0047】
通信部18は、ジャムやパージ、サンプルプリントなどの規制対象事象が発生したことを所定の通知先に通知する。具体的には、例えば、図3に示すように、ユーザから印刷指示を受け付けるUIで、管理者などに通知する情報(規制対象事象)の選択や、通知先に関する情報(管理者のメールアドレスなど)の入力を受け付け、選択された事象(通知情報)が発生すると、当該事象の発生を通知先に通知する。なお、管理者などに通知する項目や通知先の設定は、他のUIを用いて予め設定しておくなど、印刷指示のUI以外で設定するように構成してもよく、また、音声ガイダンスなどで規制対象事象の発生を通知することが可能な場合は、通知先として電話番号を設定するなど、所望の情報を所望の通知先に通知することが可能な任意の方法を用いることができる。
【0048】
なお、画像形成装置10は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置と、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とを備え、識別子付与部13、規制変更指示部16、制御部17は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。また、プログラムは、CDROM(Compact Disk Read Only Memory)などの記憶媒体に格納して提供することや、ネットワークなどの通信手段を介して提供することが可能である。
【0049】
上記構成を用いて本実施例における画像形成装置10は、図示しない操作端末でユーザなどから印刷指示を受け付けると、制御部17は、画像形成部11に印刷出力を指示し、画像形成部11は、給紙トレイから用紙を給紙し、識別子検出部12は、画像形成部11に搬送される用紙から識別子を検出し、制御部17は、識別子検出部12で検出した識別子を識別子格納部15に格納する。
【0050】
ここで、識別子検出部12で識別子を検出することができなかった場合は、識別子付与部13で識別子を付与し、識別子付与部13で付与された識別子を識別子格納部15に格納する。なお、用紙が予め識別子を備えているか否かに関わらず、識別子付与部13で識別子を付与してもよいし、画像情報内に識別子を付与する構成とすることもできる。
【0051】
そして、画像形成部11は、用紙に画像を形成して排紙トレイに排紙し、搬出検出部14は、画像が形成された用紙から識別子を検出し、制御部17は、検出した識別子を排紙管理部15から削除する。
【0052】
一方、印刷出力を規制する規制対象事象が画像形成部11で発生すると、制御部17は、印刷出力の規制をする。そして、制御部17は、廃棄装置20から識別子を受信すると、当該識別子を識別子格納部15から削除し、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除すると、規制を変更して印刷出力を可能とする。
【0053】
なお、印刷出力の規制中に規制変更指示部16で規制の変更指示を受け付けると、制御部17は、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除すると共に、規制を変更して印刷出力を可能とする。
【0054】
つまり、ジャム用紙やパージシートでは、用紙の識別子を取得することが困難な可能性があるため、規制変更指示部16を設けて、強制的に規制を変更して印刷出力を行う手段が必要となる。
【0055】
ここで、規制対象事象の一つであるジャムの発生を検出する方法としては、例えば、プリンタや印刷機などの画像形成装置で紙詰まりの検出に用いられている周知の方法など、任意の方法を用いて検出することが可能である。
【0056】
また、ジャム発生時にジャム用紙とみなす用紙の範囲(ジャム用紙とみなす用紙が存在する位置の範囲)は、識別子検出部12又は識別子付与部13と搬出検出部14との間(搬送路と排紙トレイの間)に限られるものではなく、例えば、用紙に画像を転写する転写部と、用紙に転写された画像を定着させる定着部との間など任意の範囲を設定することが可能である。
【0057】
ジャム用紙とみなす範囲を設定する方法としては、例えば、規制変更指示部16でUIなどを用いて範囲の設定を受け付け、識別子格納部15に通知する方法など、任意の方法を用いることができる。
【0058】
画像形成部11内の用紙の位置を判断する方法としては、例えば、識別子を検出するセンサーなどを画像形成部内に設け、識別子の検出結果に基づいて位置を判断する方法や、用紙を搬送するタイミングに基づいて位置を判断する方法など、任意の方法を用いることができる。
【0059】
規制対象事象の一つであるサンプルプリントの印刷出力を検出する方法としては、例えば、ユーザによるサンプルプリントの印刷指示をきっかけとする方法や、サンプルプリント用紙を排紙するサンプルプリント排紙トレイにセンサなどを設けて検出する方法など、サンプルプリントの印刷出力を検出することが可能な任意の方法を用いることが可能である。
【0060】
また、サンプルプリント排紙トレイに、識別子を検出することが可能なセンサなどを設け、当該トレイに用紙が排紙されると規制を行い、当該トレイに排紙された用紙から検出された識別子を廃棄装置20から受信すると規制を変更するように構成してもよい。
【0061】
規制対象事象であるパージの発生を検出する方法としては、画像形成のタイミングと紙送りのタイミングのズレから印字ズレを判断してパージシート(印字ズレの用紙)の発生を検出する方法や、ジャムの発生をきっかけとして、ジャム用紙の除去後に、定着部などに残っているトナーを除去するために画像形成部内を通過させる所定枚数の用紙をパージして検出する方法、パージシートを排紙するパージトレイにセンサなどを設けて検出する方法など、パージシートの印刷出力を検出することが可能な任意の方法を用いることが可能である。
【0062】
また、パージトレイに、識別子を検出することが可能なセンサなどを設け、当該トレイに用紙が排紙されると規制を行い、当該トレイに排紙された用紙から検出された識別子を廃棄装置20から受信すると規制を変更するように構成してもよい。
【0063】
さらに、識別子検出部12で検出した識別子、又は識別子付与部13で付与した識別子と、搬出検出部14で検出した識別子を時系列順に比較し、識別子の検出順に狂いが発生すると、識別子検出部12で検出、又は識別子付与部13で付与した識別子であって、搬出検出部14で検出されてない識別子をパージシートの識別子と判断してもよい。なお、時系列順に識別子を比較する方法は、パージシートのみならず、ジャム用紙やサンプルプリントなど、規制対象事象の種類に関係なく、発生を検出することができる。
【0064】
廃棄装置20は、用紙を裁断するシュレッダなど、用紙を廃棄処理する機能を備えた廃棄装置であり、廃棄検出部21を具備して構成されている。
【0065】
廃棄検出部21は、用紙の識別子を取得する。具体的には、例えば、用紙を投入する投入部から、用紙を廃棄処理する廃棄処理部に用紙を搬送する搬送路上に設置され、搬送される用紙をスキャニング・解析して識別子を検出する。なお、用紙が無線タグを備えている場合は、無線タグリーダを用いて識別子を検出してもよい。さらに、廃棄処理後の用紙から識別子を検出することが可能な場合は、廃棄処理された用紙から識別子を検出してもよい。
【0066】
上記構成を用いて本実施例における廃棄装置20は、廃棄検出部21で用紙から識別子を取得し、当該用紙を廃棄処理すると共に、廃棄検出部21で取得した識別子を画像形成装置10に通知する。
【0067】
上記構成を用いて本実施例における画像形成システムは、画像形成装置10の画像形成部11でジャムやパージ、サンプルプリントなどの規制対象事象が発生すると、制御部17で印刷出力を規制し、ジャム用紙やパージシート、サンプルプリント用紙など、規制対象事象に伴って発生した印刷物(廃棄対象用紙)が廃棄装置20で廃棄されると、制御部17で規制を変更する。
【0068】
なお、図1では、画像形成装置と廃棄装置をシリアルケーブルなどの有線又は無線の通信手段で接続して画像処理システムを構成しているが、廃棄装置としての機能、すなわち、用紙を廃棄処理する廃棄処理部(図示しない)、及び廃棄検出部を画像形成装置内に設けてもよい(図4参照)。
【0069】
図5は、本実施例における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0070】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ100)と、識別子格納部15を検索して、格納中の識別子があるか否かの判断を行い(ステップ101)、格納中の識別子があると判断する(ステップ101でYES)と、処理を終了し、格納中の識別子がないと判断する(ステップ101でNO)と、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子を検出し(ステップ102でYES)、識別子格納部15に識別子を格納する(ステップ103)。
【0071】
一方、ステップ102で識別子が検出されない(ステップ102でNO)と、識別子付与部13で用紙に識別子を付与すると共に、用紙に識別子を記録するための処理を行い(ステップ104)、用紙に付与した識別子を識別子格納部15に格納する(ステップ103)。
【0072】
次に、画像形成部11で印刷出力を開始して(ステップ105)、規制対象事象の発生を監視し(ステップ106)、規制対象事象(ジャムやパージ、サンプルプリントなど)が発生することなく、印刷出力が行われる(ステップ107)と、搬出検出部14で用紙の識別子を検出し、搬出検出部14で検出した識別子を識別子格納部15から削除する(ステップ108)。
【0073】
そして、引き続いて印刷出力を行う場合(ステップ109でNO)は、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子の検出を行い(ステップ102)、印刷出力が完了した場合(ステップ109でYES)は、処理を終了する。
【0074】
一方、ステップ106でサンプルプリントやパージを検出する(ステップ110)と、サンプルプリントやパージの発生を所定の通知先に通知する通知設定があるか否かの判断を行い(ステップ111)、通知設定がある場合(ステップ111でYES)は、通信部18で所定の通知先にパージの発生などを通知して(ステップ112)、処理を終了し、通知設定がない場合(ステップ111でNO)は、画像形成を停止する(ステップ113)。
【0075】
また、ステップ106でジャムが発生する(ステップ114)と、画像形成を停止する(ステップ113)。
【0076】
そして、規制変更指示部16で規制を変更する旨の指示を受け付ける(ステップ115でYES)と、識別子格納部15に格納されている識別子を削除し(ステップ116)、画像形成停止を解除する(ステップ117)。
【0077】
一方、ステップ115で規制変更指示を受けず(ステップ115でNO)に、廃棄装置20から識別子を受信する(ステップ118)と、廃棄装置20から受信した識別子と、識別子格納部15に格納されている識別子とが一致するか否かの判断を行い(ステップ119)、識別子が一致しないと判断する(ステップ119でNO)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ115)、識別子が一致すると判断する(ステップ119でYES)と、当該識別子を識別子格納部15から削除し(ステップ120)、識別子格納部15に識別子が残っている場合(未処理用紙あり)(ステップ121でYES)は、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ115)、識別子格納部15に識別子が残っていない場合(未処理の用紙がなし)(ステップ121でNO)は、画像形成停止を解除する(ステップ117)。
【0078】
なお、本実施例では、ジャム、パージ、サンプルプリントを用いて、規制対象事象発生時の処理について説明したが、規制対象事象はこれらに限られるものではなく、流通を防止するべきである任意の印刷物の発生を規制対象事象の発生として、パージシート及びサンプルプリント用紙、又はジャム用紙と同様に処理を行うことにより、印刷出力を規制することができる。
【0079】
また、本実施例では、画像形成部11で印刷出力を行う度に、ステップ102で用紙から識別子を検出しているが、複数の用紙から予め識別子を取得して、印刷出力を行うことも可能であり、この際には、ステップ109で印刷出力が完了していない(ステップ109でNO)と判断した後、ステップ106で規制対象事象の発生を監視してもよい。
【0080】
さらに、用紙からの識別子を取得する処理と、画像を形成する処理を同時に行うことが可能な場合は、ステップ102乃至105の処理と、ステップ105以降の処理を並行して行ってもよい。
【0081】
加えて本実施例では、規制対象事象の種類や通知設定に基づいて処理を異ならせているが、例えば、ステップ106で規制対象事象の発生を検出すると、通知設定の有無を判断し(ステップ111)、必要に応じて通知を行い(ステップ112)、印刷出力を規制する(ステップ113)など、規制対象事象の種類や通知設定の有無に関わらず、同様の処理を行ってもよい。
【0082】
図6は、本実施例における廃棄装置(シュレッダ)の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、用紙が挿入される(ステップ200)と、廃棄検出部21で用紙から識別子を取得し(ステップ201)、用紙を細かく裁断するなどの廃棄処理を行う(ステップ202)。
【0084】
次に、ステップ110で識別子を検出している(ステップ203でYES)と、画像形成装置10に識別子を通知し(ステップ204)、ステップ110で識別子を検出していない(ステップ203でNO)と、処理を終了する。
【0085】
なお、廃棄装置20に規制変更指示部16を設けて、当該規制変更指示部16で規制変更指示を受け付けると、画像形成装置10に規制変更を指示するように構成してもよい。
【0086】
ところで実施例1では、規制対象事象の発生後、印刷出力が指示された印刷情報(ファイルなど)の印刷出力完了を待つことなく、画像形成を停止して印刷出力を規制しているが、複数の印刷物を印刷出力する印刷情報では、パージが発生した画像や、サンプルプリントが行われた画像を特定して印刷出力を規制することも可能であり、以下、実施例2を用いて詳細に説明する。
【実施例2】
【0087】
図7は、本実施例における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ300)と、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子を順次検出し(ステップ301でYES)、識別子格納部15に識別子を格納する(ステップ302)。
【0089】
一方、ステップ301で識別子が検出されない(ステップ301でNO)と、識別子付与部13で用紙に識別子を順次付与すると共に、用紙に識別子を記録するための処理を行い(ステップ303)、用紙に付与した識別子を識別子格納部15に格納する(ステップ302)。
【0090】
次に、画像形成部11で印刷出力を開始して(ステップ304)、規制対象事象の発生を監視し(ステップ305)、規制対象事象(ジャムやパージ、サンプルプリントなど)が発生することなく、印刷出力が行われる(ステップ306)と、搬出検出部14で用紙の識別子を検出して、搬出検出部14で検出した識別子を識別子格納部15から削除し(ステップ307)、印刷出力が完了したか否かの判断を行う(ステップ308)。
【0091】
また、ステップ305でサンプルプリントやパージの発生を検出する(ステップ309)と、サンプルプリント用紙やパージシートに画像形成された情報(画像情報)を用紙の識別子と関連付けて識別子格納部15に格納し(ステップ310)、印刷出力が完了したか否かの判断を行う(ステップ308)。
【0092】
そして、印刷出力が完了していないと判断する(ステップ308でNO)と、規制対象事象の発生を制御部17で監視し(ステップ305)、印刷出力が完了したと判断する(ステップ308でYES)と、ステップ310で画像情報と関連付けられた識別子が廃棄装置20から通知されていたか否かの判断を行う(ステップ311)。
【0093】
ここで、識別子が通知されていた場合(ステップ311でYES)は、当該識別子を識別子格納部15から削除すると共に、当該識別子と関連付けられていた画像情報に基づいて印刷出力するための処理を開始し、画像形成部11に搬送される用紙から識別子を検出する(ステップ301)。
【0094】
また、識別子が通知されていない場合(ステップ311でNO)は、識別子格納部15に格納されている識別子があるか否かの判断を行い(ステップ312)、格納中の識別子がない場合(ステップ312でNO)は、処理を終了し、格納中の識別子がある場合(ステップ312でYES)は、画像形成を停止し(ステップ313)、規制対象事象の発生を所定の通知先に通知する通知設定があるか否かの判断を行う(ステップ314)。
【0095】
一方、ステップ305でジャム発生を検出する(ステップ315)と、画像形成を停止し(ステップ313)、通知設定があるか否かの判断を行う(ステップ314)。
【0096】
ここで、通知設定がないと判断する(ステップ314でNO)と、未使用用紙の識別子が識別子格納部15に格納されているか否かの判断を行い(ステップ316)、通知設定があると判断する(ステップ314でYES)と、通信部18で所定の通知先に規制対象事象の発生を通知し(ステップ317)、未使用用紙の識別子が識別子格納部15に格納されているか否かの判断を行う(ステップ316)。
【0097】
そして、未使用用紙の識別子が格納されていないと判断する(ステップ316でNO)と、規制変更指示を待ち(ステップ317)、未使用用紙の識別子が格納されている(ステップ316でYES)と、未使用用紙の識別子を削除して(ステップ318)、規制変更指示を待つ(ステップ317)。
【0098】
規制変更指示部16で規制を変更する旨の指示を受け付ける(ステップ317でYES)と、識別子格納部15に格納されている識別子を削除し(ステップ319)、画像形成停止を解除する(ステップ320)。
【0099】
一方、ステップ317で規制変更指示を受けず(ステップ317でNO)に、廃棄装置20から識別子を受信し(ステップ321)、廃棄装置20から受信した識別子と、識別子格納部15に格納されている識別子とが一致する(ステップ322でYES)と、当該識別子を識別子格納部15から削除し(ステップ323)、識別子が一致しない場合(ステップ322でNO)は、規制変更指示の受け付けを待つ(ステップ317)。
【0100】
ステップ323で識別子を削除した後、識別子格納部15に識別子が残っている(未処理用紙あり)(ステップ324でYES)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ317)、識別子が残っていない(未処理用紙なし)(ステップ324でNO)と、画像形成の停止を解除する(ステップ320)。
【0101】
なお、本実施例では、ステップ301で、画像形成部に搬送される複数の用紙から識別子を順次検出して格納しているが、実施例1と同様に、画像形成部11で印刷出力を行う度に用紙から識別子を検出することも可能であり、この際には、ステップ308で印刷出力が完了していない(ステップ308でNO)と判断した後、ステップ301で用紙から識別子を検出してもよい。
【0102】
また、ステップ310で用紙の識別子と画像情報とを関連付ける方法としては、例えば、画像形成部に用紙を搬送するタイミングと画像形成のタイミングから、用紙に画像形成する画像を特定し、当該画像を特定することが可能な情報を識別子と関連付けて格納するなど、用紙に画像形成された画像情報を特定し、当該用紙と関連付けることが可能な方法であれば、任意の方法を用いることができる。
【0103】
ステップ311では、例えば、印刷出力実施中に廃棄装置20から受信した識別子を順次格納し、印刷出力完了後にステップ310で画像情報と関連付けた識別子と比較するなど、印刷出力実施中に発生したサンプルプリント用紙やジャムシートが既に廃棄されたか否かを判断することが可能な任意の方法を用いることができる。
【0104】
ステップ316で、未使用用紙の識別子を判断する方法としては、例えば、用紙を搬送するタイミングと、画像を形成するタイミングに基づいて、未使用用紙を判断することが可能な任意の方法を用いることができる。
【0105】
上記各実施例では、画像形成を停止し(印刷出力を規制)、ジャム用紙などを廃棄した後、画像形成停止を解除(印刷出力の規制を変更)しているが、画像形成装置における印刷出力自体を規制する方法に限られるものではなく、例えば、規制対象事象が発生した印刷情報(ファイル)単位で印刷出力を規制することも可能であり、以下、実施例3を用いて詳細に説明する。
【実施例3】
【0106】
図8は、本実施例における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ400)と、識別子格納部15を検索し、印刷出力が指示された印刷情報(ファイル)を示す情報(例えば、ファイル名や印刷情報の識別子など)が格納されているか否かの判断を行い(ステップ401)、印刷情報を示す情報(ファイル情報)が格納されていると判断する(ステップ401でYES)と、処理を終了し、ファイル情報が格納されていないと判断する(ステップ401でNO)と、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子を順次検出し(ステップ402でYES)、識別子格納部15に識別子を格納する(ステップ403)。
【0108】
また、ステップ402で識別子が検出されない(ステップ402でNO)と、識別子付与部13で用紙に識別子を付与すると共に、用紙に識別子を記録するための処理を行い(ステップ404)、用紙に付与した識別子を識別子格納部15に格納する(ステップ403)。
【0109】
次に、画像形成部11で印刷出力を開始して(ステップ405)、規制対象事象の発生を監視し(ステップ406)、規制対象事象(ジャムやパージ、サンプルプリントなど)が発生することなく、印刷出力が行われる(ステップ407)と、搬出検出部14で用紙の識別子を検出し、搬出検出部14で検出した識別子を識別子格納部15から削除する(ステップ408)。
【0110】
そして、引き続いて印刷出力を行う場合(ステップ409でNO)は、制御部17で規制対象事象の発生を監視し(ステップ406)、印刷出力が完了した場合(ステップ409でYES)は、処理を終了する。
【0111】
一方、ステップ406でサンプルプリントやパージの発生を検出する(ステップ410)と、サンプルプリントやパージの発生を所定の通知先に通知する通知設定があるか否かの判断を行い(ステップ411)、通知設定がある場合(ステップ411でYES)は、通信部18で所定の通知先に通知し(ステップ412)、印刷出力を実行していたファイルを識別することが可能なファイル情報(例えば、ファイル名やファイルの識別子など)を、規制対象事象が発生した用紙の識別子と関連付けて識別子格納部15に格納して(ステップ413)、処理を終了し、通知設定がない場合(ステップ411でNO)は、画像形成を停止する(ステップ414)。
【0112】
また、ステップ406でジャムが発生する(ステップ415)と、画像形成を停止する(ステップ414)。
【0113】
そして、規制変更指示部16で規制を変更する旨の指示を受け付ける(ステップ416でYES)と、識別子格納部15に格納されている識別子を削除し(ステップ417)、画像形成停止を解除する(ステップ418)。
【0114】
一方、規制変更指示部16で規制変更指示を受けず(ステップ416でNO)に、廃棄装置20から識別子を受信する(ステップ419)と、廃棄装置20から受信した識別子と、識別子格納部15に格納されている識別子とが一致するか否かの判断を行い(ステップ420)、識別子が一致しない(ステップ420でNO)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ416)、識別子が一致する(ステップ420でYES)と、当該識別子、及び識別子と関連付けられたファイル情報を識別子格納部15から削除し(ステップ421)、識別子格納部15に識別子が残っている(未処理用紙あり)(ステップ422でYES)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ416)、識別子が残っていない(未処理用紙なし)(ステップ422でNO)と、画像形成停止を解除する(ステップ418)。
【0115】
なお、本実施例では、ステップ402で、画像形成部に搬送される複数の用紙から識別子を順次検出して格納しているが、実施例1と同様に、画像形成部11で印刷出力を行う度に用紙から識別子を検出することも可能であり、この際には、ステップ409で印刷出力が完了していない(ステップ409でNO)と判断した後、ステップ402で用紙から識別子を検出してもよい。
【0116】
また、ステップ416で規制変更指示を受け付ける際には、例えば、図9に示すように、規制を変更する印刷情報(ファイル)を指定することが可能なUIなどを用いて、規制対象事象が発生した印刷情報毎に規制変更指示を行ってもよい。
【0117】
さらに、正常に印刷出力された用紙(媒体)の識別子を印刷情報と関連付けて格納し、規制対象事象が発生した印刷情報に加えて、正常に印刷出力された印刷情報の印刷出力も規制するように構成してもよい。
【0118】
ところで本実施例では、画像形成装置で、パージやジャム、サンプルプリントなどの規制対象事象の発生や、規制対象事象が発生したパージシートやジャム用紙、サンプルプリント用紙などの廃棄を管理して印刷出力を規制しているが、図10に一例を示すように、画像形成装置10と廃棄装置20との間に、用紙の廃棄などを管理する管理装置30を設けて、印刷出力の規制を行うことも可能であり、以下、実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例4】
【0119】
図10は、本実施例における画像形成システムの一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施例における画像形成システムは、画像形成装置10及び廃棄装置20と、管理装置30をLANやシリアルケーブルなどの有線又は無線の通信手段で接続している。
【0120】
また、画像形成装置10は、画像形成部11と、識別子検出部12と、識別子付与部13と、搬出検出部14と、画像形成装置制御部19とを具備して構成されている。
【0121】
ここで、画像形成装置制御部19は、画像形成装置10全体を制御するための処理を行う。具体的には、例えば、画像形成部11に画像形成を指示し、画像形成部11で規制対象事象が発生すると、管理装置30に通知する。また、識別子検出部12や搬出検出部14で検出、又は識別子付与部13で付与した識別子を管理装置30に送信する。
【0122】
なお、図1と共通な機能を果たす部分には、図1で使用した符号と同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0123】
また、画像形成装置10は、RAMやROM、HDDなどの記憶装置と、CPUなどの演算装置とを備え、識別子付与部13、画像形成装置制御部19は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。さらに、プログラムは、CDROMなどの記憶媒体に格納して提供することや、ネットワークなどの通信手段を介して提供することが可能である。
【0124】
上記構成を用いて本実施例における画像形成装置10は、画像形成装置制御部19で、管理装置30から印刷指示を受信すると、画像形成部11に印刷出力を指示し、画像形成部11は、給紙トレイから用紙を給紙し、識別子検出部12は、画像形成部11に搬送される用紙から識別子を検出し、画像形成装置制御部19は、識別子検出部12で検出した識別子を管理装置30に送信する。
【0125】
ここで、識別子検出部12で識別子を検出することができなかった場合は、識別子付与部13で識別子を付与し、画像形成装置制御部19は、識別子付与部13で付与された識別子を管理装置30に送信する。なお、用紙が予め識別子を備えているか否かに関わらず、識別子付与部13で識別子を付与してもよい。
【0126】
そして、画像形成部11は、用紙に画像を形成して排紙トレイに排紙し、搬出検出部14は、画像が形成された用紙から識別子を検出し、画像形成装置制御部19は、搬出検出部14で検出した識別子を管理装置30に送信する。
【0127】
一方、ジャムやパージ、サンプルプリントなどの規制対象事象が画像形成部11で発生すると、画像形成装置制御部19は、規制対象事象の発生を管理装置30に通知する。
【0128】
管理装置30は、識別子格納部15と、規制変更指示部16と、通信部18と、管理制御部31を具備して構成されている。
【0129】
管理制御部31は、管理装置30全体を制御するための処理を行う。具体的には、例えば、画像形成装置10から受信した識別子を識別子格納部15に格納し、廃棄装置20から受信した識別子を識別子格納部15から削除する。また、規制対象事象が発生した旨が画像形成装置10から通知されると、必要に応じて画像形成の停止を画像形成装置10に指示した後、規制対象事象によって発生した印刷物(用紙)が廃棄装置20で廃棄されるまで、画像形成装置10に対する印刷指示を停止する。
【0130】
なお、管理装置30は、RAMやROM、HDDなどの記憶装置と、CPUなどの演算装置とを備え、規制変更指示部16、管理制御部31は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。また、プログラムは、CDROMなどの記憶媒体に格納して提供することや、ネットワークなどの通信手段を介して提供することが可能である。
【0131】
上記構成を用いて本実施例における管理装置30は、図示しない操作端末を介してユーザなどからの印刷指示を管理制御部31で受け付けると、管理制御部31は、画像形成装置に印刷出力を指示し、識別子検出部12で検出、又は識別子付与部13で付与した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15に格納し、排紙管理部15で検出した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15から削除する。
【0132】
また、画像形成装置10から規制対象事象の発生が通知されると、管理制御部31は、発生した規制対象事象が、サンプルプリントやパージなど、ジャムのように画像形成を中断する必要がない規制対象事象の場合は、印刷中止を画像形成装置10に指示した後、画像形成装置10に対する印刷指示を停止する。
【0133】
そして、廃棄装置20から識別子を受信すると、管理制御部31は、受信した識別子を識別子格納部15から削除し、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除すると、画像形成装置10への印刷指示を再開する。
【0134】
一方、印刷出力の規制中に規制変更指示部16で規制の変更指示を受け付けると、管理制御部31は、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除し、画像形成装置10への印刷通知を再開する。
【0135】
上記構成を用いて本実施例における画像形成システムは、画像形成装置10の画像形成部11でジャムやパージ、サンプルプリントなどの規制対象事象が発生すると、画像形成装置10に対する管理装置30からの印刷指示を停止し、ジャム用紙やパージシート、サンプルプリント用紙など、規制対象事象に伴って発生した印刷物が廃棄装置20で廃棄されると、管理装置30から画像形成装置10への印刷指示を再開する。
【0136】
図11は、本実施例における管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0137】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ500)と、識別子格納部15を検索して、格納中の識別子があるか否かの判断を行い(ステップ501)、格納中の識別子があると判断する(ステップ501でYES)と、処理を終了し、格納中の識別子がないと判断する(ステップ501でNO)と、画像形成部11に印刷出力を指示する(ステップ502)。
【0138】
次に、画像形成部11に搬送される用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待ち(ステップ503)、識別子が通知される(ステップ503でYES)と、識別子格納部15に識別子を格納して(ステップ504)、規制対象事象の発生を監視する(ステップ505)。
【0139】
そして、規制対象事象(ジャムやパージの、サンプルプリントなど)の発生が画像形成装置10から通知されず(ステップ506)に、搬出検出部14で検出した識別子を受信すると、識別子格納部15から削除して(ステップ507)、印刷出力が完了したか否かの判断を行い(ステップ508)、印刷出力が完了している(引き続いて印刷出力を行わない)と判断する(ステップ508でYES)と、処理を終了し、印刷出力が完了していない(引き続いて印刷出力を行う)と判断する(ステップ508でNO)と、画像形成部11に搬送される用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待つ(ステップ503)。
【0140】
一方、ステップ505でサンプルプリントの印刷出力やパージの発生が通知される(ステップ509)と、規制対象事象の発生を所定の通知先に通知する通知設定がある(ステップ510でYES)と、発生した規制対象事象を通信部18で所定の通知先に通知して(ステップ111)、画像形成部11に搬送される用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待ち(ステップ503)、通知設定がない(ステップ510でNO)と、印刷中止を画像形成装置10に指示し(ステップ512)、規制変更指示を待つ(ステップ513)。
【0141】
また、ステップ505でジャムの発生が通知される(ステップ514)と、規制変更指示を待つ(ステップ513)。
【0142】
そして、規制を変更する旨の指示(規制変更指示)を規制変更指示部16で受け付ける(ステップ513でYES)と、識別子格納部15に格納されている識別子を削除して(ステップ515)、処理を終了し、規制変更指示を受け付けず(ステップ513でNO)に、廃棄装置20から識別子を受信する(ステップ516)と、廃棄装置20から受信した識別子と、識別子格納部15に格納されている識別子とが一致するか否かの判断を行い(ステップ517)、識別子が一致しないと判断する(ステップ517でNO)は、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ513)、識別子が一致すると判断する(ステップ517でYES)は、当該識別子を識別子格納部15から削除する(ステップ518)。
【0143】
ここで、識別子格納部15に格納されている識別子が残っている(未処理の用紙がある)(ステップ519でYES)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ513)、識別子格納部15に格納されている識別子が残っていない(未処理の用紙がなし)(ステップ519でNO)と、処理を終了する。
【0144】
なお、本実施例では、ステップ503とステップ507で交互に識別子を受信しているが、ステップ503で受信した識別子を識別子格納部15に順次格納し、ステップ507で受信した識別子を識別子格納部15から順次削除してもよく、この際には、ステップ508で印刷出力が完了していない(ステップ508でNO)と判断した後、ステップ505で規制対象事象の発生を監視する。
【0145】
また、本実施例では、ステップ511で規制対象事象の発生を通知した後、ステップ503で識別子が通知されるのを待って、印刷を継続しているが、図13を用いて後述するように、規制対象事象発生通知後(ステップ511)、印刷中止を画像形成装置10に指示して(ステップ512)、印刷出力を中止してもよい。
【0146】
さらに本実施例では、規制対象事象の種類や通知設定に基づいて処理を異ならせているが、例えば、ステップ505で規制対象事象の発生を検出すると、通知設定の有無を判断し(ステップ510)、必要に応じて通知を行った(ステップ511)後、規制変更指示を待つ(ステップ513)など、規制対象事象の種類や通知設定の有無に関わらず、同様の処理を行ってもよい。
【0147】
加えて本実施例では、管理者などからの規制変更指示を管理装置30の規制変更指示部16で受け付けているが、例えば、画像形成装置10に規制変更指示部16を設け、当該規制変更指示部16で規制変更指示を受け付けて規制変更を管理装置30に指示するなど、画像形成装置10側で規制変更の指示を受け付けるように構成してもよい。
【0148】
図12は、本実施例における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0149】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ600)と、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子を検出し(ステップ601でYES)、管理装置30に通知する(ステップ602)。
【0150】
一方、ステップ601で識別子が検出されない(ステップ601でNO)と、識別子付与部13で用紙に識別子を付与すると共に、用紙に識別子を記録するための処理を行い(ステップ603)、用紙に付与した識別子を管理装置30に通知する(ステップ602)。
【0151】
次に、画像形成部11で印刷出力を開始して(ステップ604)、規制対象事象の発生を監視し(ステップ605)、規制対象事象(ジャムやパージ、サンプルプリントなど)が発生することなく、印刷出力が行われる(ステップ606)と、搬出検出部14で用紙の識別子を検出して、搬出検出部14で検出した識別子を管理装置30に通知する(ステップ607)。
【0152】
そして、印刷出力が完了したか否かの判断を行い(ステップ608)、印刷出力が完了した場合(ステップ608でYES)は、処理を終了し、印刷出力が完了していない場合(ステップ608でNO)は、画像形成部11に搬送される用紙の識別子を検出する(ステップ601)。
【0153】
また、ステップ605でサンプルプリントの印刷出力やパージの発生を検出する(ステップ609)と、検出した規制対象事象の発生を管理装置30に通知し(ステップ610)、印刷中止が指示される(ステップ611でYES)と、画像形成部11の画像形成を中止して(ステップ612)、処理を終了し、印刷中止が指示されない(ステップ611でNO)と、画像形成部11に搬送される用紙から識別子検出部12で識別子を検出する(ステップ601でYES)。
【0154】
一方、ステップ605でジャムの発生を検出する(ステップ613)と、印刷出力を中止し(ステップ614)、ジャム(規制対象事象)の発生を管理装置30に通知して(ステップ615)、処理を終了する。
【0155】
ところで、実施例4では、印刷出力中に規制対象事象が発生すると、印刷出力自体を規制しているが、規制対象事象が発生したファイル(印刷情報)の印刷出力を規制することも可能であり、以下、実施例5を用いて詳細に説明する。
【実施例5】
【0156】
図13は、本実施例における管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0157】
まず、印刷出力の指示を受け付ける(ステップ700)と、識別子格納部15を検索し、印刷出力を実行する印刷情報(ファイル)を示す情報(例えば、ファイル名や、印刷情報の識別子など)が格納されているか否かの判断を行い(ステップ701)、印刷情報を示す情報(ファイル情報)が格納されている(印刷出力が規制されている)場合(ステップ701でYES)は、処理を終了し、ファイル情報が格納されていない(印刷出力が規制されていない)場合(ステップ701でNO)は、画像形成部11に印刷出力を指示する(ステップ702)。
【0158】
次に、画像形成部11に搬送される用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待ち(ステップ703)、識別子が通知される(ステップ703でYES)と、印刷出力するファイル情報と、通知された識別子を関連付けて識別子格納部15に格納し(ステップ704)、規制対象事象の発生を監視する(ステップ705)。
【0159】
そして、規制対象事象(ジャムやパージ、サンプルプリントなど)の発生が画像形成装置10から通知されず(ステップ706)に、搬出検出部14で検出した識別子を受信すると、当該識別子及び当該識別子に関連付けられたファイル情報を識別子格納部15から削除して(ステップ707)、印刷出力が完了したか否かの判断を行い(ステップ708)、印刷出力が完了した場合(ステップ708でYES)は、処理を終了し、印刷出力が完了していない場合(ステップ708でNO)は、画像形成部11に搬送される用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待つ(ステップ703)。
【0160】
一方、ステップ705でサンプルプリントの印刷出力やパージの発生が画像形成装置10から通知される(ステップ709)と、規制対象事象の発生を所定の通知先に通知する通知設定がない(ステップ710でNO)と、印刷中止を画像形成装置10に指示して(ステップ711)、規制変更指示を待ち(ステップ712)、通知設定がある(ステップ710でYES)と、発生した規制対象事象を通信部18で所定の通知先に通知して(ステップ713)、印刷中止を画像形成装置10に指示し(ステップ711)、規制変更指示を待つ(ステップ712)。
【0161】
また、ステップ705でジャムの発生が通知される(ステップ714)と、規制変更指示を待つ(ステップ712)。
【0162】
そして、規制を変更する旨の指示(規制変更指示)を規制変更指示部16で受け付ける(ステップ712でYES)と、識別子格納部15に格納されている識別子及びファイル情報を削除して(ステップ715)、処理を終了し、規制変更指示を受け付けず(ステップ712でNO)に、廃棄装置20から識別子を受信する(ステップ716)と、廃棄装置20から受信した識別子と、識別子格納部15に格納されている識別子とが一致するか否かの判断を行い(ステップ717)、識別子が一致しないと判断する(ステップ717でNO)は、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ712)、識別子が一致すると判断する(ステップ717でYES)は、当該識別子、及び当該識別子と関連付けられたファイル情報を識別子格納部15から削除する(ステップ718)。
【0163】
ここで、識別子格納部15に格納されている識別子が残っている(未処理の用紙がある)(ステップ719でYES)と、規制変更指示の受け付けを待ち(ステップ712)、識別子格納部15に格納されている識別子が残っていない(未処理の用紙がなし)(ステップ719でNO)と、処理を終了する。
【0164】
上記各実施例では、印刷出力を行わせないことによって、印刷出力の規制を行っているが、用紙の塗り潰しや裁断など、用紙に画像形成された領収書などの印刷情報を認識困難な状態で印刷物を出力することで、印刷出力を規制することも可能であり、以下、実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例6】
【0165】
本実施例における画像形成システムは、管理制御部31で印刷出力の規制を画像形成装置10に指示し、画像形成装置制御部19で印刷出力の規制を行う点を除き、図10に示した実施例4の画像形成システムと同様である。
【0166】
上記構成を用いて本実施例における画像形成装置10は、画像形成装置制御部19で、管理装置30から印刷指示を受信すると、画像形成部11に印刷出力を指示し、画像形成部11は、給紙トレイから用紙を給紙し、識別子検出部12は、画像形成部11に搬送される用紙から識別子を検出し、画像形成装置制御部19は、識別子検出部12で検出した識別子を管理装置30に送信する。
【0167】
ここで、識別子検出部12で識別子を検出することができなかった場合は、識別子付与部13で識別子を付与し、画像形成装置制御部19は、識別子付与部13で付与された識別子を管理装置30に送信する。なお、用紙が予め識別子を備えているか否かに関わらず、識別子付与部13で識別子を付与してもよい。
【0168】
そして、画像形成部11は、用紙に画像を形成して排紙トレイに排紙し、搬出検出部14は、画像が形成された用紙から識別子を検出し、画像形成装置制御部19は、搬出検出部14で検出した識別子を管理装置30に送信する。
【0169】
一方、印刷出力を規制する規制対象事象が画像形成部11で発生すると、画像形成装置制御部19は、規制対象事象の発生を管理装置30に通知し、印刷出力の規制が管理装置30から指示されると、画像形成装置制御部19は、規制を開始し、管理装置30から規制の変更が指示されると、実施中の規制を変更する。
【0170】
上記構成を用いて本実施例における管理装置30は、図示しない操作端末を介してユーザなどからの印刷指示を管理制御部31で受け付けると、管理制御部31は、画像形成装置に印刷出力を指示し、識別子検出部12で検出、又は識別子付与部13で付与した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15に格納し、排紙管理部15で検出した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15から削除する。
【0171】
また、画像形成装置10から規制対象事象の発生が通知されると、管理制御部31は、印刷出力の規制を画像形成装置10に指示する。
【0172】
そして、廃棄装置20から識別子を受信すると、管理制御部31は、受信した識別子を識別子格納部15から削除し、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除すると、画像形成装置10に規制の変更を指示する。
【0173】
一方、印刷出力の規制中に規制変更指示部16で規制の変更指示を受け付けると、管理制御部31は、規制対象事象の発生に伴って識別子格納部15から消去されずに格納されたままの識別子を全て削除し、画像形成装置10に規制の変更を指示する。
【0174】
上記構成を用いて本実施例における画像形成システムは、画像形成装置10の画像形成部11でジャムやパージ、サンプルプリントなどの規制対象事象が発生すると、管理装置30から画像形成装置10に印刷出力の規制を指示することにより、画像形成装置木10で印刷出力を規制し、ジャム用紙やパージシート、サンプルプリント用紙など、規制対象事象に伴って発生した印刷物が廃棄装置20で廃棄されると、管理装置30から画像形成装置10に規制の変更を指示することによって印刷出力の規制を変更する。
【0175】
図14は、本実施例において、画像形成装置に印刷出力を指示する際の管理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0176】
まず、ユーザなどから印刷出力の指示を受け付ける(ステップ800)と、画像形成装置10に印刷出力を指示し(ステップ802)、画像を形成する用紙の識別子が画像形成装置10から通知される(ステップ802でYES)と、通知された識別子を識別子格納部15に格納する(ステップ803)。
【0177】
そして、規制対象事象の発生が通知されず(ステップ804でNO)、印刷出力された用紙の識別子が通知されると、通知された識別子を識別子格納部15から削除し(ステップ805)、印刷出力が完了した場合(ステップ806でYES)は、処理を終了し、印刷出力が完了していない場合(ステップ806でNO)は、画像を形成する用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待つ(ステップ802)。
【0178】
一方、ステップ804で規制対象事象の発生が通知される(ステップ804でYES)と、印刷出力の規制を画像形成装置10に指示し(ステップ807)、規制対象事象の発生を通知する通知設定がない場合(ステップ808でNO)は、処理を終了し、通知設定がある場合(ステップ808でYES)は、発生した規制対象事象を所定の通知先に通知する(ステップ809)。
【0179】
図15は、本実施例において、画像形成装置に規制の変更を指示する際の管理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0180】
まず、管理者などによる規制変更指示や、廃棄装置20からの識別子の通知を待ち(ステップ900)、規制変更指示を受け付ける(ステップ901)と、識別子格納部15に格納している識別子を削除し(ステップ902)、画像形成装置10に規制の変更を指示する(ステップ903)。
【0181】
一方、ステップ900で廃棄装置20から識別子を受信する(ステップ904)と、識別子格納部15に格納中の識別子と一致するか否かの判断を行い(ステップ905)、識別子が一致しない場合(ステップ905でNO)は、規制変更指示や識別子の通知を待ち(ステップ900)、識別子が一致する場合(ステップ905でYES)は、一致した識別子を格納中の識別子から削除する(ステップ906)。
【0182】
そして、識別子格納部15に格納中の識別子がある(ステップ907でYES)と、規制変更指示や識別子の通知を待ち(ステップ900)、格納中の識別子がない(ステップ907でNO)と、画像形成装置10に規制の変更を指示する(ステップ903)。
【0183】
図16は、画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0184】
まず、管理装置30から印刷出力の指示を受け付け(ステップ1001)、印刷出力が規制されている(画像形成停止)(ステップ1002でYES)と、処理を終了し、規制が行われていない(ステップ1002でNO)と、画像を形成する用紙から識別子を検出し(ステップ1003でYES)、管理装置30に通知する(ステップ1004)。
【0185】
一方、ステップ1003で識別子が検出されない(ステップ1003でNO)と、用紙に識別子を付与すると共に、用紙に識別子を記録するための処理を行い(ステップ1005)、用紙に付与した識別子を管理装置30に通知する(ステップ1004)。
【0186】
次に、印刷出力を開始して(ステップ1006)、規制対象事象の発生を監視し(ステップ1007)、規制対象事象が発生することなく印刷出力が行われる(ステップ1007でNO)と、画像を形成した用紙から識別子を検出して、管理装置30に通知し(ステップ1008)、印刷出力が完了した場合(ステップ1009でYES)は、処理を終了し、印刷出力が完了していない場合(ステップ1009でNO)は、続いて画像を形成する用紙から識別子を検出する(ステップ1003)。
【0187】
また、ステップ1007で規制対処事象が発生する(ステップ1007でYES)と、規制対象事象の発生を管理装置30に通知し(ステップ1010)、印刷出力の規制が指示される(ステップ1011でYES)と、画像形成装置制御部19は、規制を開始し(ステップ1012)、規制が指示されない(ステップ1011でNO)と、続いて画像を形成する用紙から識別子を検出する(ステップ1003)。
【0188】
なお、規制の変更は、管理装置30から規制変更指示を受信することきっかけとして行うが、画像形成装置10に規制変更指示部16を設けて、規制変更指示を直接受け付けてもよい。
【0189】
ところで図16では、画像形成を停止することで印刷出力を規制しているが、例えば、図17に示すように、用紙に画像を形成した後に印刷出力が記載されているか否かの判断を行い(ステップ1002)、印刷出力が規制中である(ステップ1002でYES)と、画像形成済みの用紙に、塗り潰しや裁断などの規制処理を行って出力する(ステップ1101)など、画像を形成した用紙に塗り潰しや裁断などの処理を施すことで、印刷出力を規制してもよい。
【0190】
また、例えば、印刷出力が規制中である旨など、印刷が指示された印刷情報に代えて印刷出力する印刷情報(代替印刷情報)を格納する代替印刷情報格納部を画像形成装置に設け、図18に示すように、印刷出力規制時に印刷指示を受け付ける(ステップ1002でYES)と、印刷が指示された印刷情報に代えて印刷出力する印刷情報(代替印刷情報)を、代替印刷情報格納部から抽出し(ステップ1201)、代替印刷情報に基づいて画像形成を行う(ステップ1202)ことにより、印刷出力が指示された印刷物の印刷出力を規制してもよい。
【0191】
代替印刷情報を用いた印刷出力の規制は、管理装置側で行うことも可能であり、以下、実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例7】
【0192】
図19は、本実施例における画像形成システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、管理装置30に代替印刷情報格納部32を設けた点を除き、図10に記載した画像形成システムと同様であり、図10と共通な機能を果たす部分には、図10で使用した符号と同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0193】
上記構成を用いて本実施例における管理装置30は、ユーザなどからの印刷指示を管理制御部31で受け付けると、管理制御部31は、識別子格納部15を検索し、格納中の識別子があると、代替印刷情報格納部32から印刷情報を抽出し、印刷出力が指示された印刷情報に代えて画像形成装置に印刷出力を指示し、格納中の識別子がない場合は、印刷出力が指示された印刷情報の印刷出力を画像形成装置10に指示する。
【0194】
そして、識別子検出部12で検出、又は識別子付与部13で付与した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15に格納し、排紙管理部15で検出した識別子を画像形成装置10から受信すると、受信した識別子を識別子格納部15から削除する。
【0195】
また、規制変更指示部16で規制の変更指示を受け付けると、管理制御部31は、識別子格納部15に格納されている識別子を全て削除する。
【0196】
図20は、本実施例において、画像形成装置10に印刷出力を指示する際の管理装置30における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0197】
まず、ユーザなどから印刷出力の指示を受け付ける(ステップ1300)と、識別子格納部15に格納中の識別子があるか否かの判断を行い(ステップ1301)、格納中の識別子がある(ステップ1301でYES)と、代替印刷情報格納部32から印刷情報(代替印刷情報)を抽出し(ステップ1302)、代替印刷情報に基づく印刷出力を画像形成装置10に指示する(ステップ1303)。
【0198】
また、ステップ1301で、識別子格納部15に格納中の識別子がないと判断する(ステップ1301でNO)と、印刷出力が指示された印刷情報に基づく印刷出力を画像形成装置10に指示し(ステップ1304)、画像を形成する用紙の識別子が画像形成装置10から通知される(ステップ1305でYES)と、通知された識別子を識別子格納部15に格納する(ステップ1306)。
【0199】
そして、規制対象事象の発生が通知されず(ステップ1307でNO)、印刷出力された用紙の識別子が画像形成装置10から通知されると、通知された識別子を識別子格納部15から削除し(ステップ1308)、印刷出力が完了した場合(ステップ1309でYES)は、処理を終了し、印刷出力が完了していない場合(ステップ1309でNO)は、画像を形成する用紙の識別子が画像形成装置10から通知されるのを待つ(ステップ1305)。
【0200】
一方、ステップ1307で規制対象事象の発生が通知される(ステップ1307YES)と、規制対象事象の発生を通知する通知設定があるか否かの判断を行い(ステップ1310)、通知設定がないと判断する(ステップ1310でNO)と、処理を終了し、通知設定があると判断する(ステップ1310でYES)と、発生した規制対象事象を所定の通知先に通知する(ステップ1311)。
【0201】
なお、本実施例では、代替となる印刷情報に基づく印刷出力を画像形成装置に指示することで、印刷出力を規制しているが、印刷出力の指示自体を行わないことで、印刷出力を規制してもよい。
【0202】
また、印刷指示を受け付けた際に、識別子が識別子格納部に格納されている場合は、印刷出力が規制されている旨を所定の通知先に通知するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】実施例1における画像形成システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】規制変更指示を受け付ける際のUIの一例を示す図である。
【図3】ユーザから印刷指示を受け付ける際のUIの一例を示す図である。
【図4】画像形成装置内に廃棄装置の機能を設けた画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図5】実施例1における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】実施例1における廃棄装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】実施例2における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例3における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】規制変更指示を受け付ける際のUIの一例を示す図である。
【図10】実施例4における画像形成システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図11】実施例4における管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】実施例4における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】実施例5における管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】実施例6において、画像形成装置に印刷出力を指示する際の管理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】実施例6において、画像形成装置に規制の変更を指示する際の管理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】実施例6における画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図17】画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図19】実施例7における画像形成システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図20】実施例7において、画像形成装置10に印刷出力を指示する際の管理装置30における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0204】
10…画像形成装置
11…画像形成部
12…識別子検出部
13…識別子付与部
14…搬出検出部
15…識別子格納部
16…規制変更指示部
17…制御部
18…通信部
19…画像形成装置制御部
20…廃棄装置
21…廃棄検出部
30…管理装置
31…管理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、
前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理する廃棄手段と、
前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する制御を行う制御手段と、
を具備すること特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記規制手段は、前記印刷手段による印刷を不可とする規制を行うものであり、
前記制御変更手段は、前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制を変更して前記印刷手段による印刷を可とする変更を行う
ことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記廃棄手段により廃棄処理された記録媒体の印刷情報に対する前記規制手段による印刷の規制を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷手段は、記録媒体に印刷情報を識別する識別情報を付加して印刷し、
前記規制手段により記録媒体への印刷を規制するための規制対象事象が発生したか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により規制対象事象の発生を検出した場合に、前記規制対象事象に対応した印刷情報を識別する識別情報を格納する格納手段と、を有し、
前記制御手段は、前記格納手段に格納された識別情報が識別する印刷情報に対する前記規制手段による規制を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷手段は、前記廃棄手段により記録媒体が廃棄処理された場合に、該印刷手段による印刷の終了後、前記規制手段による規制が変更された印刷情報の印刷を行うことを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
【請求項6】
前記廃棄手段は、前記廃棄手段で廃棄処理される記録媒体から印刷情報を識別する識別情報を取得する取得手段を具備し、
前記制御手段は、前記格納手段に格納されている識別情報が前記取得手段で取得されると、該識別情報が識別する印刷情報に対応した記録媒体が廃棄されたと判断して前記規制手段による規制を変更する
ことを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
【請求項7】
前記規制手段による規制の変更指示を受け付ける変更指示受付手段をさらに具備し、
前記規制変更手段は、前記規制手段による規制の変更指示を前記変更指示受付手段で受け付けると前記規制手段による規制を変更する
ことを特徴とする請求項6記載の印刷システム。
【請求項8】
前記規制手段は、前記印刷手段により印刷が開始されるときに、前記格納手段に格納された識別情報が識別する印刷情報の印刷を規制することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項9】
前記規制対象事象が発生すると、所定の通知先に通知する通知手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至11記載の印刷システム。
【請求項10】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷ステップと、
前記印刷ステップにより行われる印刷情報の印刷を規制する規制ステップと、
前記印刷ステップにより印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理する廃棄ステップと、
前記廃棄ステップにより記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、
前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体が廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、
を具備すること特徴とする印刷装置。
【請求項12】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷ステップと、
前記印刷ステップにより行われる印刷情報の印刷を規制する規制ステップと、
前記印刷ステップにより印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更ステップと、
を印刷装置のコンピュータに実行させるための印刷装置用プログラム。
【請求項13】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、
前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、
を具備すること特徴とする管理装置。
【請求項14】
記録媒体に印刷情報の印刷を行う印刷手段により行われる印刷情報の印刷を規制する規制手段と、
前記印刷手段により印刷情報の印刷が行われた記録媒体を廃棄処理された場合に、前記規制手段による規制を変更する規制変更手段と、
を管理装置のコンピュータに実行させるための管理装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−18717(P2008−18717A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159118(P2007−159118)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】