印刷システム、印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置
【課題】第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換し、第2の文字列に基づいて第2の符号化規則に基づく文字列に対応した印刷機で印刷した印刷物から、文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置を提供する。
【解決手段】印刷システム1は、第1の文字コードを第2の文字コードに変換する変換手段を有する印刷指示装置3と、変換された第2の文字コードに対応する画像を印刷媒体に印刷するプリンタ装置4と、その印刷媒体から画像データを読み取るスキャナ装置5と、その画像データから第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段、及び認識された第3の文字コードと、変換手段が変換対象とした第1の文字コードとを比較し、その比較結果を出力する比較手段を有するメインフレーム2とを備える。
【解決手段】印刷システム1は、第1の文字コードを第2の文字コードに変換する変換手段を有する印刷指示装置3と、変換された第2の文字コードに対応する画像を印刷媒体に印刷するプリンタ装置4と、その印刷媒体から画像データを読み取るスキャナ装置5と、その画像データから第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段、及び認識された第3の文字コードと、変換手段が変換対象とした第1の文字コードとを比較し、その比較結果を出力する比較手段を有するメインフレーム2とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物に印字された印字状態を検査する印刷物検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この印刷物検査装置は、印刷物の検証用データを生成する検証用データ生成手段と、印刷された用紙上の所定位置の印字状態を検出して印字結果データを生成する印字結果検出手段と、印字結果検出手段によって生成された印字結果データに基いて印字状態データを生成する印字状態データ生成手段と、印字状態データ生成手段によって生成された印字状態データと、検証用データ生成手段によって生成された検証用データとを比較して印字品質を判定する印字品質判定手段とを備える。
【特許文献1】特開2001−277676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換し、第2の文字列に基づいて第2の符号化規則に基づく文字列に対応した印刷機で印刷した印刷物から、文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置を提供する。
【0006】
[1]第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷システム。
【0007】
[2]前記印刷媒体は、可変印刷データが有する複数のレコードにおいて指定された前記第1の文字列が、前記変換手段により前記第2の文字列に変換され、その第2の文字列が様式定義データに適用されることにより印刷された前記[1]に記載の印刷システム。
【0008】
[3]前記文字認識手段は、前記文字の印刷態様情報を認識し、前記比較手段は、前記文字認識手段により認識された前記印刷態様情報と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列に割り当てられた印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する前記[1]に記載の印刷システム。
【0009】
[4]第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識ステップと、前記文字認識ステップにより認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較ステップとをコンピュータに実行されるための印刷媒体検査プログラム。
【0010】
[5]第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷媒体検査装置。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4,5に係る発明によれば、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換し、第2の文字列に基づいて第2の符号化規則に基づく文字列に対応した印刷機で印刷した印刷物から、文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、バリアブル印刷によって印刷された印刷物から文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、さらに印刷態様情報を含めて印刷物から誤りを検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る印刷システムは、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備える。
【0015】
上記構成において、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換して印刷された印刷媒体から文字認識手段により認識された第3の文字列と、第2の文字列の変換前の第1の文字列とが比較されて、印刷媒体に第1の文字列が正しく印刷されているか否かが検査されるので、符号化規則の変換時に文字化け等の変換ミスが発生した場合に、印刷媒体の不良が検出される。
【0016】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す全体図である。この印刷システム1は、文字コード体系(文字の符号化規則、すなわち文字のエンコーディング)にレガシーコード系100aを採用するメインフレーム2と、文字コード体系にオープンコード系100bを採用する印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5とを備え、これらメインフレーム2、印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5がネットワーク10により相互に接続されている。
【0017】
なお、図1に例示した印刷システム1では、印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5の数はそれぞれ1つであるが、複数備えられていてもよい。
【0018】
ネットワーク10は、有線通信(電気ケーブル、光ケーブル等)、及び無線通信(電波、赤外線等)等によりデータの送受信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット等の通信網である。
【0019】
レガシーコード系100aは、例えば、メインフレーム2を製造する製造メーカ(ベンダ)等によって定義された文字コード体系であり、例えば、英数字を定義したEBCDICを漢字が扱えるように独自拡張したものが該当する。
【0020】
オープンコード系100bは、Windows(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)等のオペレーション・システム(OS)に依存することなく、取り扱い可能な文字コード体系であり、例えば、ASCII、Shift−JIS、Unicode等が該当する。
【0021】
メインフレーム2は、レガシーコード系100aの文字コードによるレガシーコード系文字情報(第1の符号化規則に基づく第1の文字列)が再利用可能に複数格納されたホストDB23と、ホストDB23のレガシーコード系文字情報への参照先が含まれるオリジナルデータ11Aとを有する。ホストDB23及びオリジナルデータ11Aの詳細は後述する。
【0022】
印刷指示装置3は、オリジナルデータ11Aに対する印刷指示を受け付けると、そのオリジナルデータ11Aに基づいてホストDB23を参照してバリアブルデータ11Bを生成する。そして、印刷指示装置3は、そのバリアブルデータ11Bと、そのバリアブルデータに適用するテンプレート12を指定するテンプレート指定情報等を含む印刷ジョブを生成する。バリアブルデータ11Bの詳細は後述する。
【0023】
プリンタ装置4は、印刷指示装置3から受信した印刷ジョブに含まれるバリアブルデータ(可変印刷データ)11Bが有する複数のレコードにおいて指定されたオープンコード系文字情報を、テンプレート指定情報により指定されたテンプレート(様式定義)12に適用することにより印刷物(印刷媒体)14を印刷する。
【0024】
スキャナ装置5は、印刷物14を1ページずつ供給するADF(自動給紙装置)と、ADFから供給された印刷物14を1ページずつ光学的に読み取って読取画像データを生成する読取部とを備え、読取部により生成した読取画像データをメインフレーム2に送信する。
【0025】
(印刷指示装置の構成)
図2は、印刷指示装置の概略構成の一例を示すブロック図である。印刷指示装置3は、この印刷指示装置3の各部を制御する、例えば、CPU等により実現される制御部30と、各種のプログラム及びデータを記憶する、例えば、ハードディスク、RAM、ROM等により実現される記憶部31と、ネットワーク10に接続された、例えば、ネットワークインタフェースカードにより実現される通信部32と、例えば、キーボード、マウス等により実現される入力部33と、各種画面等を表示する、例えば、液晶ディスプレイ等により実現される表示部34とを備える。このような印刷指示装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話機等により構成されている。
【0026】
記憶部31には、上述のバリアブルデータ11Bの他に、文字情報処理プログラム310が記憶されている。
【0027】
制御部30は、文字情報処理プログラム310に従って動作することにより、コード変換手段(変換手段)300、印刷ジョブ生成手段301、及び指定情報変換手段302等として機能する。
【0028】
コード変換手段300は、オリジナルデータ11Aにより指定されたホストDB23のレガシーコード系文字情報を、オープンコード系100bの文字コードによるオープンコード系文字情報(第2の符号化規則に基づく第2の文字列)に変換し、バリアブルデータ11Bを生成する。
【0029】
印刷ジョブ生成手段301は、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とから印刷ジョブを生成する。
【0030】
指定情報変換手段302は、後述するページ別レコード情報に含まれているバリアブルデータのフィールド指定情報をホストDBのフィールド指定情報に変換する。
【0031】
(プリンタ装置の構成)
図3は、プリンタ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。プリンタ装置4は、印刷指示装置3と同様に構成された制御部40、記憶部41及び通信部42を備えるとともに、可視像を紙等の記録媒体に形成することにより印刷物14を出力する印刷部43を備える。
【0032】
記憶部41には、上述のテンプレート12の他に、印刷制御プログラム410及びイメージデータ13等が記憶されている。
【0033】
イメージデータ13は、印刷物14に印刷される画像データであり、例えば、図表、ロゴ、イラスト及び写真等である。なお、イメージデータ13は、印刷指示装置3を介して編集可能であってもよい。
【0034】
制御部40は、印刷制御プログラム410に従って動作することにより、ジョブ解析手段400、抽出手段401、及びRIP処理手段402等として機能する。
【0035】
ジョブ解析手段400は、印刷ジョブを解析し、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とを取得する。
【0036】
抽出手段401は、テンプレート指定情報により指定されたテンプレート12に、バリアブルデータ11Bの複数のレコードにそれぞれ記録された項目データを適用することにより、複数のレコードに基づいて印刷物14に印刷される印刷内容と、印刷内容が印刷される領域情報と、印刷内容に関する印刷態様情報とをページ単位で抽出し、ページ別レコード情報を生成する。
【0037】
印刷内容は、例えば、項目データにより指定された文字列及びイメージデータ等を示す情報である。領域情報は、印刷内容として文字列及びイメージデータ等が印刷された印刷物14における領域を示す情報である。印刷態様情報は、印刷内容を印刷する際に指定されたフォント、フォントサイズ、色及び背景等を示す情報である。
【0038】
RIP処理手段402は、抽出手段401により抽出された印刷内容、領域情報及び印刷態様情報に基づいて、例えば、ビットマップデータ等のラスタ形式のデータに展開するRIP(Raster Image Processor)処理を行い、画像データをページ単位で生成する。
【0039】
印刷部43は、RIP処理手段402により生成された画像データに基づいて印刷物14を印刷する。印刷部43には、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、感熱転写方式等の画像形成方式が用いるとよい。
【0040】
(メインフレームの構成)
図4は、メインフレームの概略構成の一例を示すブロック図である。メインフレーム2は、印刷指示装置3と同様に構成された制御部20、記憶部21及び通信部22を備えるとともに、レガシーコード系文字情報の管理、検索及び抽出等を行うホストDB23を備える。
【0041】
記憶部21には、上述のオリジナルデータ11Aの他に、検査制御プログラム(印刷媒体検査プログラム)210が記憶されている。
【0042】
制御部20は、検査制御プログラム210に従って動作することにより、検査データ生成手段200、文字認識手段201、及び検査処理手段(比較手段)202等として機能する。なお、文字認識手段201及び検査処理手段202は、印刷媒体検査装置を構成する。
【0043】
検査データ生成手段200は、指定情報変換手段302により変換されたホストDBのフィールド指定情報に基づいて、印刷物14に印刷されたオープンコード系文字情報であってコード変換手段300が変換対象としたレガシーコード系文字情報を取得し、その取得したレガシーコード系文字情報を印刷内容として含む検査データを生成する。
【0044】
文字認識手段201は、スキャナ装置5により印刷物14が読み取られた読取画像データからレガシーコード系で定義された辞書を用いて認識してレガシーコード系で表された印刷内容(第3の文字列)及び印刷態様情報を得る。レガシーコード系で定義された辞書は、各種の文字パターンと、レガシーコード系文字情報とが対応付けられた情報であり、読取画像データから切り出された文字パターンに対して、例えば、パターンマッチング法等によって類似度の高いレガシーコード系文字情報に変換するための情報である。
【0045】
検査処理手段202は、文字認識手段201により認識された印刷内容及び印刷態様情報と、検査データに含まれる印刷内容及び印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する。
【0046】
ホストDB23は、ユーザに関するレガシーコード系文字情報を管理するユーザ管理テーブル230と、例えば、ユーザ等がクレジットカード等で利用した代金の請求に関するレガシーコード系文字情報を管理する請求管理テーブル231とを有する。
【0047】
図5(a)は、ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。このユーザ管理テーブル230は、各行(M1,M2,M3,…)毎に、各列を構成する名前(N1)、郵便番号(N2)、住所(N3)のフィールドが設けられている。各フィールドには、レガシーコード系の文字コードによるレガシーコード系文字情報230aがそれぞれ含まれている。
【0048】
図5(b)は、請求管理テーブルの一例を示す図である。この請求管理テーブル231には、各行(P1,P2,P3,…)毎に、各列を構成する費目(Q1)、購入日(Q2)、請求金額(Q3)のフィールドが設けられている。各フィールドには、レガシーコード系の文字コードによるレガシーコード系文字情報231aがそれぞれ含まれている。
【0049】
(オリジナルデータ及びバリアブルデータのデータ構成)
図6(a)は、オリジナルデータの一例を示す図である。このオリジナルデータ11Aには、複数のレコードが、レコード番号(R1,R2,R3,…)110順に含まれている。各レコードには、印刷様式を指定し、複数の値を取り得る印刷様式指定フラグ(Flag)111と、その印刷様式指定フラグ111の値に対応する複数の項目データ(D1〜D3)112A〜112Cとが含まれている。バリアブルデータ11Bは、印刷様式指定フラグ111及び項目データ112A〜112Cの間をコンマ等の区切り文字により区切られており、例えば、CSV形式により生成されている。
【0050】
項目データ112A〜112Cには、ホストDB23における参照先のフィールドを指定するホストDBのフィールド指定情報113がそれぞれ含まれている。例えば、レコード番号「R1」、項目データ番号「D1」におけるホストDBのフィールド指定情報113には、ユーザ管理テーブル230の1行目で1列目のフィールド「M1N1」が参照先として指定されている。また、レコード番号「R2」、項目データ番号「D2」におけるホストDBのフィールド指定情報113には、請求管理テーブル231の1行目で2列目のフィールド「P1Q2」が参照先として指定されている。
【0051】
図6(b)は、バリアブルデータの一例を示す図である。このバリアブルデータ11Bは、図6(a)に示すオリジナルデータ11Aと同様に、印刷様式指定フラグ111及び複数の項目データ112A〜112Cが含まれる複数のレコードを有するが、項目データ112A〜112Cには、コード変換手段300によりレガシーコード系文字情報113から変換されたオープンコード系文字情報114がそれぞれ含まれている。
【0052】
(テンプレートのデータ構成)
図7は、テンプレートの一例を示す図である。このテンプレート12には、バリアブルデータ11Bの印刷様式指定フラグ111の値に対応してそれぞれ定義された複数の様式定義データ120A〜120Cと、バリアブルデータ11Bに依存しない複数の固定部定義データ121と、改ページ定義データ122とを含んで構成されている。
【0053】
様式定義データ120A〜120Cの各々には、印刷様式指定フラグ111の値に応じて、各項目データ112A〜112Cに基づいて印刷される印刷内容と、印刷内容を配置する領域情報と、印刷する際の色、フォント及び背景等が指定された印刷態様情報等が含まれている。
【0054】
印刷様式指定フラグ111が「1」に対応する様式定義データ120Aには、各項目データ112A〜112Cをそれぞれ配置するバリアブルフィールド123A〜123Cが定義されている。バリアブルフィールド123A〜123Cは、項目データを文字列として印刷するものであり、例えば、項目データとの関連付け情報、項目データを配置する情報、印刷態様情報がそれぞれ指定されている。
【0055】
印刷様式指定フラグ111が「2」に対応する様式定義データ120Bには、印刷様式指定フラグ111に「2」が含まれたレコードが続く限り、各項目データ112A〜112Cを、例えば、表形式の1行分として配置するとともに、その表形式で各レコードを配置した際に記録媒体の余白がなくなったときには改ページを行う明細出力処理124を行う旨が定義されている。
【0056】
印刷様式指定フラグ111が「3」に対応する様式定義データ120Cには、各項目データ112A〜112Cによりクーポンの種類を特定し、その特定した種類のクーポンに対応するイメージデータ13を印刷するクーポン出力処理125を行う旨が定義されている。
【0057】
固定部定義データ121は、バリアブルデータ11Bに依存しない文字列若しくはイメージデータ13等の固定データを印刷するものであり、例えば、その固定データを指定する指定情報、固定データを配置する領域情報、印刷態様情報等が定義されている。
【0058】
改ページ定義データ122には、テンプレート12においてこの位置まで処理が行われた場合に改ページを行う旨が定義されている。
【0059】
(実施の形態の動作)
次に、本発明の実施の形態に係る印刷システム1の動作の一例を図6〜図11を参照し、図10のフローチャート従って説明する。
【0060】
(1)文字コード変換による印刷ジョブ生成
まず、ユーザが、印刷指示装置3の入力部33を操作し、図6(a)に例示したオリジナルデータ11Aと、そのオリジナルデータ11Aに適用する、図7に例示したテンプレート12を指定することにより印刷指示を行うと、制御部30は、入力部33を介してその印刷指示の操作を受け付ける(S1)。
【0061】
次に、コード変換手段300は、印刷指示の対象となるオリジナルデータ11Aにおいてフィールド指定情報113により指定されたホストDB23のフィールドに含まれるレガシーコード系文字情報の送信要求をメインフレーム2に送信する(S2)。
【0062】
次に、メインフレーム2の制御部20は、印刷指示装置3からの送信要求に応じて、ホストDB23が有するユーザ管理テーブル230及び請求管理テーブル231において指定されたフィールドからレガシーコード系文字情報を読み出し、そのレガシーコード系文字情報を印刷指示装置3に送信する(S3)。
【0063】
次に、コード変換手段300は、各項目データに対応したレガシーコード系文字情報を受信すると、そのレガシーコード系文字情報をオープンコード系文字情報に変換し、図6(b)に例示したバリアブルデータ11Bを生成する(S4)。
【0064】
そして、印刷ジョブ生成手段301は、そのバリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とから印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブをプリンタ装置4に送信する(S5)。
【0065】
(2)ページ別レコード情報の抽出及び印刷物の出力
次に、プリンタ装置4のジョブ解析手段400は、印刷指示装置3から印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを解析し、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とを取得する(S10)。
【0066】
抽出手段401は、そのテンプレート指定情報により指定されたテンプレート12に、バリアブルデータ11Bの複数のレコードにそれぞれ記録された項目データを適用することにより、複数のレコードに基づいて印刷される印刷内容と、印刷内容が印刷される領域情報と、印刷内容に関する印刷態様情報とをページ単位で抽出することによりページ別レコード情報を生成する(S11)。
【0067】
図11は、図10におけるステップS11の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。抽出手段401は、そのバリアブルデータ11Bに含まれる各レコードをレコード単位で処理すべく、処理対象のレコードを示すレコードカウンタRを「1」に初期化し、処理対象のページ番号を示すページカウンタPを「1」に初期化する(S101)。
【0068】
次に、抽出手段401は、バリアブルデータ11BからレコードカウンタRが示すR行目のレコードを読み出す(S110)。そして、抽出手段401は、その読み出したレコードの印刷様式指定フラグを取得する(S111)。
【0069】
次に、抽出手段401は、テンプレート12においてその印刷様式指定フラグに応じた様式定義データに従って、R行目のレコードに記録された項目データを処理する(S112)。
【0070】
そして、抽出手段401は、項目データを処理した際に、その項目データによる印刷内容、領域情報及び印刷態様情報を印刷情報として取得し、それら印刷内容、領域情報及び印刷態様情報をページ番号Pに関連付けて記憶部31に一時記憶する(S113)。
【0071】
そして、抽出手段401は、その様式定義データに従って項目データを処理した際に改ページが必要か否かを判定し(S120)、改ページが必要と判定した場合には(S120:Yes)、ページカウンタPに「1」を加算(インクリメント)する(S121)。なお、抽出手段401は、改ページが必要ではないと判定した場合には(S120:No)、上記ステップS121を実行することなく、次のステップS130に進む。
【0072】
次に、抽出手段401は、R行目のレコードが、バリアブルデータ11Bにおいて最終レコードであるか否かを判定し(S130)、最終レコードでないと判定した場合には(S130:No)、レコードカウンタRに「1」を加算し(S131)、ステップS110に戻る。一方、抽出手段401は、最終レコードであると判定した場合には(S130:Yes)、抽出手段401は、上記ステップS114により記憶部31に一時記憶した情報に基づいて、ページ別レコード情報を生成する(S140)。
【0073】
(ページ別レコード情報の具体例)
図8(a)は、ページ別レコード情報の一例を示す図である。このページ別レコード情報15Aには、ページ番号(page)150と、印刷物の左上を原点としたx座標(x)、y座標(y)、幅(width)及び高さ(height)からなる領域情報151と、印刷内容(value)152と、例えば、フォント(Font)、フォントサイズ(Fontsize)等による印刷態様情報153とが含まれている。
【0074】
印刷内容152には、バリアブルデータ11Bの項目データがレコード番号及び項目データ番号により指定されたバリアブルデータのフィールド指定情報154が含まれている。
【0075】
次に、抽出手段401は、そのページ別レコード情報15AをRIP処理手段402と、印刷指示装置3とに送信する。
【0076】
そして、RIP処理手段402は、そのページ別レコード情報15Aに基づいてRIP処理を行うことにより画像データに変換し、その画像データを印刷部43により記録媒体に印刷し、印刷物を印刷する(S13)。
【0077】
(印刷物の具体例)
図9は、印刷物の一例を示す図である。この印刷物14A〜14Cは、図6(b)に例示したバリアブルデータ11Bが、図7に例示したテンプレート12に適用されることにより印刷されたものである。なお、図9に例示した印刷物14A〜14Cは、片面に印刷されているが、両面に印刷されていてもよいし、片面及び両面が混合して印刷されていてもよい。
【0078】
1ページ目と2ページ目の印刷物14A,14Bは、1行目から5行目までのレコードに基づいて印刷されている。1行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「1」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12のバリアブルフィールド123A〜123Cにそれぞれ埋め込まれ、宛先140Aとして印刷されている。
【0079】
2行目から4行目までのレコードは、印刷様式指定フラグ111が「2」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12の明細出力処理124の引数となって明細出力処理124がそれぞれ行われ、1ページ目と2ページ目の印刷物14A,14Bに渡って明細表141Aが印刷されている。
【0080】
5行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「3」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12のクーポン出力処理125の引数となってクーポン出力処理125が行われる。その結果、2ページ目の印刷物14Bの明細表141Aの下に、例えば、イメージデータ13がクーポン券142として印刷されている。
【0081】
3ページ目の印刷物14Cは、6行目及び7行目のレコードに基づいて印刷されている。6行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「1」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、バリアブルフィールドに埋め込まれ、宛先140Bとして印刷されている。また、7行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「2」であるので、明細出力処理124が行われ、明細表141Bが印刷されている。
【0082】
(3)検査データの生成
印刷指示装置3の指定情報変換手段302は、上記ステップS11において抽出手段401により生成されたページ別レコード情報15Aを受信すると、そのページ別レコード情報15Aに含まれているバリアブルデータのフィールド指定情報154をホストDBのフィールド指定情報に変換することにより、変換後のページ別レコード情報を生成する(S20)。
【0083】
(変換後のページ別レコード情報の具体例)
図8(b)は、指定情報変換後のページ別レコード情報の一例を示す図である。このページ別レコード情報15Bには、図8(a)に示すページ別レコード情報15Aと同様に、ページ番号150、領域情報151、印刷内容152及び印刷態様情報153が含まれているが、印刷内容152には、指定情報変換手段302によりバリアブルデータのフィールド指定情報154から変換されたホストDBのフィールド指定情報155が含まれている。
【0084】
そして、指定情報変換手段302は、そのページ別レコード情報15Bをメインフレーム2に送信すると、メインフレーム2の検査データ生成手段200は、ページ別レコード情報15BのホストDBのフィールド指定情報155により指定されたホストDB23のフィールドからレガシーコード系文字情報を取得する。
【0085】
次に、検査データ生成手段200は、ページ別レコード情報15BのホストDBのフィールド指定情報155を、その取得したレガシーコード系文字情報に変更することにより、検査データを生成し、その検査データ16を検査処理手段202に送る(S21)。
【0086】
(検査データの具体例)
図8(c)は、検査データの一例を示す図である。この検査データ16には、図8(b)に示すページ別レコード情報15Bと同様に、ページ番号150、領域情報151、印刷内容152及び印刷態様情報153が含まれているが、印刷内容152には、ホストDB23から取得されたレガシー系文字情報160が含まれている。
【0087】
例えば、図8(c)に示す検査データ16の2行目のレコードは、1ページ目の印刷物14Aに、印刷物14Aの左上を原点とした座標(30,40)から幅「80」、高さ「5」を有する領域に、レガシーコード系文字情報が示す文字「山田一郎」が、フォント「明朝」、フォントサイズ「14」の印刷態様で印刷されているか否かを検査する旨を示す。
【0088】
(4)検査データに基づく印刷物の検査
ユーザは、上記ステップS13により印刷された印刷物14をスキャナ装置5のADFに置くと、スキャナ装置5は、そのADFに置かれた印刷物14を1ページずつ読取部に供給し、読取部によりページ単位の読取画像データを生成し、その読取画像データをメインフレーム2に送信する(S30)。
【0089】
次に、メインフレーム2の文字認識手段201は、スキャナ装置5から受信した読取画像データにおいて、検査データ生成手段200により生成された検査データ16のページ番号150及び領域情報151により特定される領域に対して文字認識処理を行い、レガシーコード系で定義された辞書を用いて印刷物14に印刷された印刷内容及び印刷態様情報を認識する(S40)。
【0090】
次に、検査処理手段202は、文字認識手段201による認識結果としての印刷内容及び印刷態様情報と、検査データ16に含まれている印刷内容152及び印刷態様情報153とを比較することにより、印刷物14に異常があるか否かを検査する(S41)。
【0091】
そして、検査処理手段202は、その検査結果である検査合格又は検査不合格を通知する検査結果通知情報を印刷指示装置3に送信すると、その印刷指示装置3の表示部34に検査結果が表示されることによりユーザが印刷物14の検査結果を把握する。
【0092】
以上のようにして、レガシー系文字情報からオープン系文字情報に変換されて印刷された印刷物14に対して、変換前のレガシー系文字情報が印刷されているか否かについての検査が行われる。
【0093】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々に変形してもよい。例えば、上記実施の形態では、メインフレーム、印刷指示装置、プリンタ装置及びスキャナ装置が有する各手段を、制御部とプログラムとによって実現したが、それらの一部または全部をハードウェアによって実現してもよい。
【0094】
また、上記実施の形態で使用されるプログラムは、CD−ROM等の記録媒体から装置内の記憶部に読み込んでもよく、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。
【0095】
また、上記実施の形態の印刷システムは、メインフレーム、印刷指示装置、プリンタ装置及びスキャナ装置等が有する機能をシステム全体として備えていればよく、例えば、プリンタ装置及びスキャナ装置が1つの装置として構成されていてもよい。また、印刷指示装置が有するコード変換手段が、メインフレームに備えられていてもよい。また、メインフレームが有する文字認識手段及び検査処理手段が、メインフレームとは別のレガシーコード系で動作する検査装置に備えられていてもよい。また、テンプレートやイメージデータ等は、印刷指示装置の記憶部に記憶されていてもよいし、ファイルサーバやデータベースサーバ等の他の管理装置に記憶されていてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態の印刷システムでは、印刷物に対する検査結果は、表示画面上に表示する他に、例えば、検査結果を示す検査結果情報を、印刷指示装置等の他の装置にネットワークを介して送信してもよいし、記憶部に書き込んでもよいし、プリンタ装置で検査結果のレポートとして印刷してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す全体図である。
【図2】図2は、印刷指示装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、プリンタ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、メインフレームの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図5(a)は、ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。図5(b)は、請求管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6(a)は、オリジナルデータの一例を示す図である。図6(b)は、バリアブルデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、テンプレートの一例を示す図である。
【図8】図8(a)は、ページ別レコード情報の一例を示す図である。図8(b)は、指定情報変換後のページ別レコード情報の一例を示す図である。図8(c)は、検査データの一例を示す図である。
【図9】図9は、印刷物の一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ページ別レコード情報抽出処理(図10におけるステップS11)の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1…印刷システム、2…メインフレーム、3…印刷指示装置、4…プリンタ装置、5…スキャナ装置、10…ネットワーク、11A…オリジナルデータ、11B…バリアブルデータ、12…テンプレート、13…イメージデータ、14,14A〜14C…印刷物、15A,15B…ページ別レコード情報、16…検査データ、20…制御部、21…記憶部、22…通信部、23…ホストDB、30…制御部、31…記憶部、32…通信部、33…入力部、34…表示部、40…制御部、41…記憶部、42…通信部、43…印刷部、100a…レガシーコード系、100b…オープンコード系、110…レコード番号、111…印刷様式指定フラグ、112A〜112C…項目データ、113…フィールド指定情報、113…レガシーコード系文字情報、114…オープンコード系文字情報、120A〜120C…様式定義データ、121…固定部定義データ、122…改ページ定義データ、123A〜123C…バリアブルフィールド、124…明細出力処理、125…クーポン出力処理、140A,140B…宛先、141A,141B…明細表、142…クーポン券、150…ページ番号、151…領域情報、152…印刷内容、153…印刷態様情報、154…バリアブルデータのホストフィールド指定情報、155…ホストDBのフィールド指定情報、160…レガシー系文字情報、200…検査データ生成手段、201…文字認識手段、202…検査処理手段、210…検査制御プログラム、230…ユーザ管理テーブル、230a…レガシーコード系文字情報、231…請求管理テーブル、231a…レガシーコード系文字情報、300…コード変換手段、301…印刷ジョブ生成手段、302…指定情報変換手段、310…文字情報処理プログラム、400…ジョブ解析手段、401…抽出手段、402…処理手段、410…印刷制御プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物に印字された印字状態を検査する印刷物検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この印刷物検査装置は、印刷物の検証用データを生成する検証用データ生成手段と、印刷された用紙上の所定位置の印字状態を検出して印字結果データを生成する印字結果検出手段と、印字結果検出手段によって生成された印字結果データに基いて印字状態データを生成する印字状態データ生成手段と、印字状態データ生成手段によって生成された印字状態データと、検証用データ生成手段によって生成された検証用データとを比較して印字品質を判定する印字品質判定手段とを備える。
【特許文献1】特開2001−277676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換し、第2の文字列に基づいて第2の符号化規則に基づく文字列に対応した印刷機で印刷した印刷物から、文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の印刷媒体検査プログラム及び印刷媒体検査装置を提供する。
【0006】
[1]第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷システム。
【0007】
[2]前記印刷媒体は、可変印刷データが有する複数のレコードにおいて指定された前記第1の文字列が、前記変換手段により前記第2の文字列に変換され、その第2の文字列が様式定義データに適用されることにより印刷された前記[1]に記載の印刷システム。
【0008】
[3]前記文字認識手段は、前記文字の印刷態様情報を認識し、前記比較手段は、前記文字認識手段により認識された前記印刷態様情報と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列に割り当てられた印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する前記[1]に記載の印刷システム。
【0009】
[4]第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識ステップと、前記文字認識ステップにより認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較ステップとをコンピュータに実行されるための印刷媒体検査プログラム。
【0010】
[5]第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷媒体検査装置。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4,5に係る発明によれば、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換し、第2の文字列に基づいて第2の符号化規則に基づく文字列に対応した印刷機で印刷した印刷物から、文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、バリアブル印刷によって印刷された印刷物から文字列の符号化規則の変換誤りを検出することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、さらに印刷態様情報を含めて印刷物から誤りを検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る印刷システムは、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備える。
【0015】
上記構成において、第1の符号化規則に基づく第1の文字列を第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換して印刷された印刷媒体から文字認識手段により認識された第3の文字列と、第2の文字列の変換前の第1の文字列とが比較されて、印刷媒体に第1の文字列が正しく印刷されているか否かが検査されるので、符号化規則の変換時に文字化け等の変換ミスが発生した場合に、印刷媒体の不良が検出される。
【0016】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す全体図である。この印刷システム1は、文字コード体系(文字の符号化規則、すなわち文字のエンコーディング)にレガシーコード系100aを採用するメインフレーム2と、文字コード体系にオープンコード系100bを採用する印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5とを備え、これらメインフレーム2、印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5がネットワーク10により相互に接続されている。
【0017】
なお、図1に例示した印刷システム1では、印刷指示装置3、プリンタ装置4及びスキャナ装置5の数はそれぞれ1つであるが、複数備えられていてもよい。
【0018】
ネットワーク10は、有線通信(電気ケーブル、光ケーブル等)、及び無線通信(電波、赤外線等)等によりデータの送受信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット等の通信網である。
【0019】
レガシーコード系100aは、例えば、メインフレーム2を製造する製造メーカ(ベンダ)等によって定義された文字コード体系であり、例えば、英数字を定義したEBCDICを漢字が扱えるように独自拡張したものが該当する。
【0020】
オープンコード系100bは、Windows(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)等のオペレーション・システム(OS)に依存することなく、取り扱い可能な文字コード体系であり、例えば、ASCII、Shift−JIS、Unicode等が該当する。
【0021】
メインフレーム2は、レガシーコード系100aの文字コードによるレガシーコード系文字情報(第1の符号化規則に基づく第1の文字列)が再利用可能に複数格納されたホストDB23と、ホストDB23のレガシーコード系文字情報への参照先が含まれるオリジナルデータ11Aとを有する。ホストDB23及びオリジナルデータ11Aの詳細は後述する。
【0022】
印刷指示装置3は、オリジナルデータ11Aに対する印刷指示を受け付けると、そのオリジナルデータ11Aに基づいてホストDB23を参照してバリアブルデータ11Bを生成する。そして、印刷指示装置3は、そのバリアブルデータ11Bと、そのバリアブルデータに適用するテンプレート12を指定するテンプレート指定情報等を含む印刷ジョブを生成する。バリアブルデータ11Bの詳細は後述する。
【0023】
プリンタ装置4は、印刷指示装置3から受信した印刷ジョブに含まれるバリアブルデータ(可変印刷データ)11Bが有する複数のレコードにおいて指定されたオープンコード系文字情報を、テンプレート指定情報により指定されたテンプレート(様式定義)12に適用することにより印刷物(印刷媒体)14を印刷する。
【0024】
スキャナ装置5は、印刷物14を1ページずつ供給するADF(自動給紙装置)と、ADFから供給された印刷物14を1ページずつ光学的に読み取って読取画像データを生成する読取部とを備え、読取部により生成した読取画像データをメインフレーム2に送信する。
【0025】
(印刷指示装置の構成)
図2は、印刷指示装置の概略構成の一例を示すブロック図である。印刷指示装置3は、この印刷指示装置3の各部を制御する、例えば、CPU等により実現される制御部30と、各種のプログラム及びデータを記憶する、例えば、ハードディスク、RAM、ROM等により実現される記憶部31と、ネットワーク10に接続された、例えば、ネットワークインタフェースカードにより実現される通信部32と、例えば、キーボード、マウス等により実現される入力部33と、各種画面等を表示する、例えば、液晶ディスプレイ等により実現される表示部34とを備える。このような印刷指示装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話機等により構成されている。
【0026】
記憶部31には、上述のバリアブルデータ11Bの他に、文字情報処理プログラム310が記憶されている。
【0027】
制御部30は、文字情報処理プログラム310に従って動作することにより、コード変換手段(変換手段)300、印刷ジョブ生成手段301、及び指定情報変換手段302等として機能する。
【0028】
コード変換手段300は、オリジナルデータ11Aにより指定されたホストDB23のレガシーコード系文字情報を、オープンコード系100bの文字コードによるオープンコード系文字情報(第2の符号化規則に基づく第2の文字列)に変換し、バリアブルデータ11Bを生成する。
【0029】
印刷ジョブ生成手段301は、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とから印刷ジョブを生成する。
【0030】
指定情報変換手段302は、後述するページ別レコード情報に含まれているバリアブルデータのフィールド指定情報をホストDBのフィールド指定情報に変換する。
【0031】
(プリンタ装置の構成)
図3は、プリンタ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。プリンタ装置4は、印刷指示装置3と同様に構成された制御部40、記憶部41及び通信部42を備えるとともに、可視像を紙等の記録媒体に形成することにより印刷物14を出力する印刷部43を備える。
【0032】
記憶部41には、上述のテンプレート12の他に、印刷制御プログラム410及びイメージデータ13等が記憶されている。
【0033】
イメージデータ13は、印刷物14に印刷される画像データであり、例えば、図表、ロゴ、イラスト及び写真等である。なお、イメージデータ13は、印刷指示装置3を介して編集可能であってもよい。
【0034】
制御部40は、印刷制御プログラム410に従って動作することにより、ジョブ解析手段400、抽出手段401、及びRIP処理手段402等として機能する。
【0035】
ジョブ解析手段400は、印刷ジョブを解析し、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とを取得する。
【0036】
抽出手段401は、テンプレート指定情報により指定されたテンプレート12に、バリアブルデータ11Bの複数のレコードにそれぞれ記録された項目データを適用することにより、複数のレコードに基づいて印刷物14に印刷される印刷内容と、印刷内容が印刷される領域情報と、印刷内容に関する印刷態様情報とをページ単位で抽出し、ページ別レコード情報を生成する。
【0037】
印刷内容は、例えば、項目データにより指定された文字列及びイメージデータ等を示す情報である。領域情報は、印刷内容として文字列及びイメージデータ等が印刷された印刷物14における領域を示す情報である。印刷態様情報は、印刷内容を印刷する際に指定されたフォント、フォントサイズ、色及び背景等を示す情報である。
【0038】
RIP処理手段402は、抽出手段401により抽出された印刷内容、領域情報及び印刷態様情報に基づいて、例えば、ビットマップデータ等のラスタ形式のデータに展開するRIP(Raster Image Processor)処理を行い、画像データをページ単位で生成する。
【0039】
印刷部43は、RIP処理手段402により生成された画像データに基づいて印刷物14を印刷する。印刷部43には、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、感熱転写方式等の画像形成方式が用いるとよい。
【0040】
(メインフレームの構成)
図4は、メインフレームの概略構成の一例を示すブロック図である。メインフレーム2は、印刷指示装置3と同様に構成された制御部20、記憶部21及び通信部22を備えるとともに、レガシーコード系文字情報の管理、検索及び抽出等を行うホストDB23を備える。
【0041】
記憶部21には、上述のオリジナルデータ11Aの他に、検査制御プログラム(印刷媒体検査プログラム)210が記憶されている。
【0042】
制御部20は、検査制御プログラム210に従って動作することにより、検査データ生成手段200、文字認識手段201、及び検査処理手段(比較手段)202等として機能する。なお、文字認識手段201及び検査処理手段202は、印刷媒体検査装置を構成する。
【0043】
検査データ生成手段200は、指定情報変換手段302により変換されたホストDBのフィールド指定情報に基づいて、印刷物14に印刷されたオープンコード系文字情報であってコード変換手段300が変換対象としたレガシーコード系文字情報を取得し、その取得したレガシーコード系文字情報を印刷内容として含む検査データを生成する。
【0044】
文字認識手段201は、スキャナ装置5により印刷物14が読み取られた読取画像データからレガシーコード系で定義された辞書を用いて認識してレガシーコード系で表された印刷内容(第3の文字列)及び印刷態様情報を得る。レガシーコード系で定義された辞書は、各種の文字パターンと、レガシーコード系文字情報とが対応付けられた情報であり、読取画像データから切り出された文字パターンに対して、例えば、パターンマッチング法等によって類似度の高いレガシーコード系文字情報に変換するための情報である。
【0045】
検査処理手段202は、文字認識手段201により認識された印刷内容及び印刷態様情報と、検査データに含まれる印刷内容及び印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する。
【0046】
ホストDB23は、ユーザに関するレガシーコード系文字情報を管理するユーザ管理テーブル230と、例えば、ユーザ等がクレジットカード等で利用した代金の請求に関するレガシーコード系文字情報を管理する請求管理テーブル231とを有する。
【0047】
図5(a)は、ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。このユーザ管理テーブル230は、各行(M1,M2,M3,…)毎に、各列を構成する名前(N1)、郵便番号(N2)、住所(N3)のフィールドが設けられている。各フィールドには、レガシーコード系の文字コードによるレガシーコード系文字情報230aがそれぞれ含まれている。
【0048】
図5(b)は、請求管理テーブルの一例を示す図である。この請求管理テーブル231には、各行(P1,P2,P3,…)毎に、各列を構成する費目(Q1)、購入日(Q2)、請求金額(Q3)のフィールドが設けられている。各フィールドには、レガシーコード系の文字コードによるレガシーコード系文字情報231aがそれぞれ含まれている。
【0049】
(オリジナルデータ及びバリアブルデータのデータ構成)
図6(a)は、オリジナルデータの一例を示す図である。このオリジナルデータ11Aには、複数のレコードが、レコード番号(R1,R2,R3,…)110順に含まれている。各レコードには、印刷様式を指定し、複数の値を取り得る印刷様式指定フラグ(Flag)111と、その印刷様式指定フラグ111の値に対応する複数の項目データ(D1〜D3)112A〜112Cとが含まれている。バリアブルデータ11Bは、印刷様式指定フラグ111及び項目データ112A〜112Cの間をコンマ等の区切り文字により区切られており、例えば、CSV形式により生成されている。
【0050】
項目データ112A〜112Cには、ホストDB23における参照先のフィールドを指定するホストDBのフィールド指定情報113がそれぞれ含まれている。例えば、レコード番号「R1」、項目データ番号「D1」におけるホストDBのフィールド指定情報113には、ユーザ管理テーブル230の1行目で1列目のフィールド「M1N1」が参照先として指定されている。また、レコード番号「R2」、項目データ番号「D2」におけるホストDBのフィールド指定情報113には、請求管理テーブル231の1行目で2列目のフィールド「P1Q2」が参照先として指定されている。
【0051】
図6(b)は、バリアブルデータの一例を示す図である。このバリアブルデータ11Bは、図6(a)に示すオリジナルデータ11Aと同様に、印刷様式指定フラグ111及び複数の項目データ112A〜112Cが含まれる複数のレコードを有するが、項目データ112A〜112Cには、コード変換手段300によりレガシーコード系文字情報113から変換されたオープンコード系文字情報114がそれぞれ含まれている。
【0052】
(テンプレートのデータ構成)
図7は、テンプレートの一例を示す図である。このテンプレート12には、バリアブルデータ11Bの印刷様式指定フラグ111の値に対応してそれぞれ定義された複数の様式定義データ120A〜120Cと、バリアブルデータ11Bに依存しない複数の固定部定義データ121と、改ページ定義データ122とを含んで構成されている。
【0053】
様式定義データ120A〜120Cの各々には、印刷様式指定フラグ111の値に応じて、各項目データ112A〜112Cに基づいて印刷される印刷内容と、印刷内容を配置する領域情報と、印刷する際の色、フォント及び背景等が指定された印刷態様情報等が含まれている。
【0054】
印刷様式指定フラグ111が「1」に対応する様式定義データ120Aには、各項目データ112A〜112Cをそれぞれ配置するバリアブルフィールド123A〜123Cが定義されている。バリアブルフィールド123A〜123Cは、項目データを文字列として印刷するものであり、例えば、項目データとの関連付け情報、項目データを配置する情報、印刷態様情報がそれぞれ指定されている。
【0055】
印刷様式指定フラグ111が「2」に対応する様式定義データ120Bには、印刷様式指定フラグ111に「2」が含まれたレコードが続く限り、各項目データ112A〜112Cを、例えば、表形式の1行分として配置するとともに、その表形式で各レコードを配置した際に記録媒体の余白がなくなったときには改ページを行う明細出力処理124を行う旨が定義されている。
【0056】
印刷様式指定フラグ111が「3」に対応する様式定義データ120Cには、各項目データ112A〜112Cによりクーポンの種類を特定し、その特定した種類のクーポンに対応するイメージデータ13を印刷するクーポン出力処理125を行う旨が定義されている。
【0057】
固定部定義データ121は、バリアブルデータ11Bに依存しない文字列若しくはイメージデータ13等の固定データを印刷するものであり、例えば、その固定データを指定する指定情報、固定データを配置する領域情報、印刷態様情報等が定義されている。
【0058】
改ページ定義データ122には、テンプレート12においてこの位置まで処理が行われた場合に改ページを行う旨が定義されている。
【0059】
(実施の形態の動作)
次に、本発明の実施の形態に係る印刷システム1の動作の一例を図6〜図11を参照し、図10のフローチャート従って説明する。
【0060】
(1)文字コード変換による印刷ジョブ生成
まず、ユーザが、印刷指示装置3の入力部33を操作し、図6(a)に例示したオリジナルデータ11Aと、そのオリジナルデータ11Aに適用する、図7に例示したテンプレート12を指定することにより印刷指示を行うと、制御部30は、入力部33を介してその印刷指示の操作を受け付ける(S1)。
【0061】
次に、コード変換手段300は、印刷指示の対象となるオリジナルデータ11Aにおいてフィールド指定情報113により指定されたホストDB23のフィールドに含まれるレガシーコード系文字情報の送信要求をメインフレーム2に送信する(S2)。
【0062】
次に、メインフレーム2の制御部20は、印刷指示装置3からの送信要求に応じて、ホストDB23が有するユーザ管理テーブル230及び請求管理テーブル231において指定されたフィールドからレガシーコード系文字情報を読み出し、そのレガシーコード系文字情報を印刷指示装置3に送信する(S3)。
【0063】
次に、コード変換手段300は、各項目データに対応したレガシーコード系文字情報を受信すると、そのレガシーコード系文字情報をオープンコード系文字情報に変換し、図6(b)に例示したバリアブルデータ11Bを生成する(S4)。
【0064】
そして、印刷ジョブ生成手段301は、そのバリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とから印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブをプリンタ装置4に送信する(S5)。
【0065】
(2)ページ別レコード情報の抽出及び印刷物の出力
次に、プリンタ装置4のジョブ解析手段400は、印刷指示装置3から印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを解析し、バリアブルデータ11Bと、テンプレート指定情報とを取得する(S10)。
【0066】
抽出手段401は、そのテンプレート指定情報により指定されたテンプレート12に、バリアブルデータ11Bの複数のレコードにそれぞれ記録された項目データを適用することにより、複数のレコードに基づいて印刷される印刷内容と、印刷内容が印刷される領域情報と、印刷内容に関する印刷態様情報とをページ単位で抽出することによりページ別レコード情報を生成する(S11)。
【0067】
図11は、図10におけるステップS11の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。抽出手段401は、そのバリアブルデータ11Bに含まれる各レコードをレコード単位で処理すべく、処理対象のレコードを示すレコードカウンタRを「1」に初期化し、処理対象のページ番号を示すページカウンタPを「1」に初期化する(S101)。
【0068】
次に、抽出手段401は、バリアブルデータ11BからレコードカウンタRが示すR行目のレコードを読み出す(S110)。そして、抽出手段401は、その読み出したレコードの印刷様式指定フラグを取得する(S111)。
【0069】
次に、抽出手段401は、テンプレート12においてその印刷様式指定フラグに応じた様式定義データに従って、R行目のレコードに記録された項目データを処理する(S112)。
【0070】
そして、抽出手段401は、項目データを処理した際に、その項目データによる印刷内容、領域情報及び印刷態様情報を印刷情報として取得し、それら印刷内容、領域情報及び印刷態様情報をページ番号Pに関連付けて記憶部31に一時記憶する(S113)。
【0071】
そして、抽出手段401は、その様式定義データに従って項目データを処理した際に改ページが必要か否かを判定し(S120)、改ページが必要と判定した場合には(S120:Yes)、ページカウンタPに「1」を加算(インクリメント)する(S121)。なお、抽出手段401は、改ページが必要ではないと判定した場合には(S120:No)、上記ステップS121を実行することなく、次のステップS130に進む。
【0072】
次に、抽出手段401は、R行目のレコードが、バリアブルデータ11Bにおいて最終レコードであるか否かを判定し(S130)、最終レコードでないと判定した場合には(S130:No)、レコードカウンタRに「1」を加算し(S131)、ステップS110に戻る。一方、抽出手段401は、最終レコードであると判定した場合には(S130:Yes)、抽出手段401は、上記ステップS114により記憶部31に一時記憶した情報に基づいて、ページ別レコード情報を生成する(S140)。
【0073】
(ページ別レコード情報の具体例)
図8(a)は、ページ別レコード情報の一例を示す図である。このページ別レコード情報15Aには、ページ番号(page)150と、印刷物の左上を原点としたx座標(x)、y座標(y)、幅(width)及び高さ(height)からなる領域情報151と、印刷内容(value)152と、例えば、フォント(Font)、フォントサイズ(Fontsize)等による印刷態様情報153とが含まれている。
【0074】
印刷内容152には、バリアブルデータ11Bの項目データがレコード番号及び項目データ番号により指定されたバリアブルデータのフィールド指定情報154が含まれている。
【0075】
次に、抽出手段401は、そのページ別レコード情報15AをRIP処理手段402と、印刷指示装置3とに送信する。
【0076】
そして、RIP処理手段402は、そのページ別レコード情報15Aに基づいてRIP処理を行うことにより画像データに変換し、その画像データを印刷部43により記録媒体に印刷し、印刷物を印刷する(S13)。
【0077】
(印刷物の具体例)
図9は、印刷物の一例を示す図である。この印刷物14A〜14Cは、図6(b)に例示したバリアブルデータ11Bが、図7に例示したテンプレート12に適用されることにより印刷されたものである。なお、図9に例示した印刷物14A〜14Cは、片面に印刷されているが、両面に印刷されていてもよいし、片面及び両面が混合して印刷されていてもよい。
【0078】
1ページ目と2ページ目の印刷物14A,14Bは、1行目から5行目までのレコードに基づいて印刷されている。1行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「1」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12のバリアブルフィールド123A〜123Cにそれぞれ埋め込まれ、宛先140Aとして印刷されている。
【0079】
2行目から4行目までのレコードは、印刷様式指定フラグ111が「2」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12の明細出力処理124の引数となって明細出力処理124がそれぞれ行われ、1ページ目と2ページ目の印刷物14A,14Bに渡って明細表141Aが印刷されている。
【0080】
5行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「3」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、テンプレート12のクーポン出力処理125の引数となってクーポン出力処理125が行われる。その結果、2ページ目の印刷物14Bの明細表141Aの下に、例えば、イメージデータ13がクーポン券142として印刷されている。
【0081】
3ページ目の印刷物14Cは、6行目及び7行目のレコードに基づいて印刷されている。6行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「1」であるので、レコードの項目データ112A〜112Cは、バリアブルフィールドに埋め込まれ、宛先140Bとして印刷されている。また、7行目のレコードは、印刷様式指定フラグ111が「2」であるので、明細出力処理124が行われ、明細表141Bが印刷されている。
【0082】
(3)検査データの生成
印刷指示装置3の指定情報変換手段302は、上記ステップS11において抽出手段401により生成されたページ別レコード情報15Aを受信すると、そのページ別レコード情報15Aに含まれているバリアブルデータのフィールド指定情報154をホストDBのフィールド指定情報に変換することにより、変換後のページ別レコード情報を生成する(S20)。
【0083】
(変換後のページ別レコード情報の具体例)
図8(b)は、指定情報変換後のページ別レコード情報の一例を示す図である。このページ別レコード情報15Bには、図8(a)に示すページ別レコード情報15Aと同様に、ページ番号150、領域情報151、印刷内容152及び印刷態様情報153が含まれているが、印刷内容152には、指定情報変換手段302によりバリアブルデータのフィールド指定情報154から変換されたホストDBのフィールド指定情報155が含まれている。
【0084】
そして、指定情報変換手段302は、そのページ別レコード情報15Bをメインフレーム2に送信すると、メインフレーム2の検査データ生成手段200は、ページ別レコード情報15BのホストDBのフィールド指定情報155により指定されたホストDB23のフィールドからレガシーコード系文字情報を取得する。
【0085】
次に、検査データ生成手段200は、ページ別レコード情報15BのホストDBのフィールド指定情報155を、その取得したレガシーコード系文字情報に変更することにより、検査データを生成し、その検査データ16を検査処理手段202に送る(S21)。
【0086】
(検査データの具体例)
図8(c)は、検査データの一例を示す図である。この検査データ16には、図8(b)に示すページ別レコード情報15Bと同様に、ページ番号150、領域情報151、印刷内容152及び印刷態様情報153が含まれているが、印刷内容152には、ホストDB23から取得されたレガシー系文字情報160が含まれている。
【0087】
例えば、図8(c)に示す検査データ16の2行目のレコードは、1ページ目の印刷物14Aに、印刷物14Aの左上を原点とした座標(30,40)から幅「80」、高さ「5」を有する領域に、レガシーコード系文字情報が示す文字「山田一郎」が、フォント「明朝」、フォントサイズ「14」の印刷態様で印刷されているか否かを検査する旨を示す。
【0088】
(4)検査データに基づく印刷物の検査
ユーザは、上記ステップS13により印刷された印刷物14をスキャナ装置5のADFに置くと、スキャナ装置5は、そのADFに置かれた印刷物14を1ページずつ読取部に供給し、読取部によりページ単位の読取画像データを生成し、その読取画像データをメインフレーム2に送信する(S30)。
【0089】
次に、メインフレーム2の文字認識手段201は、スキャナ装置5から受信した読取画像データにおいて、検査データ生成手段200により生成された検査データ16のページ番号150及び領域情報151により特定される領域に対して文字認識処理を行い、レガシーコード系で定義された辞書を用いて印刷物14に印刷された印刷内容及び印刷態様情報を認識する(S40)。
【0090】
次に、検査処理手段202は、文字認識手段201による認識結果としての印刷内容及び印刷態様情報と、検査データ16に含まれている印刷内容152及び印刷態様情報153とを比較することにより、印刷物14に異常があるか否かを検査する(S41)。
【0091】
そして、検査処理手段202は、その検査結果である検査合格又は検査不合格を通知する検査結果通知情報を印刷指示装置3に送信すると、その印刷指示装置3の表示部34に検査結果が表示されることによりユーザが印刷物14の検査結果を把握する。
【0092】
以上のようにして、レガシー系文字情報からオープン系文字情報に変換されて印刷された印刷物14に対して、変換前のレガシー系文字情報が印刷されているか否かについての検査が行われる。
【0093】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々に変形してもよい。例えば、上記実施の形態では、メインフレーム、印刷指示装置、プリンタ装置及びスキャナ装置が有する各手段を、制御部とプログラムとによって実現したが、それらの一部または全部をハードウェアによって実現してもよい。
【0094】
また、上記実施の形態で使用されるプログラムは、CD−ROM等の記録媒体から装置内の記憶部に読み込んでもよく、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。
【0095】
また、上記実施の形態の印刷システムは、メインフレーム、印刷指示装置、プリンタ装置及びスキャナ装置等が有する機能をシステム全体として備えていればよく、例えば、プリンタ装置及びスキャナ装置が1つの装置として構成されていてもよい。また、印刷指示装置が有するコード変換手段が、メインフレームに備えられていてもよい。また、メインフレームが有する文字認識手段及び検査処理手段が、メインフレームとは別のレガシーコード系で動作する検査装置に備えられていてもよい。また、テンプレートやイメージデータ等は、印刷指示装置の記憶部に記憶されていてもよいし、ファイルサーバやデータベースサーバ等の他の管理装置に記憶されていてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態の印刷システムでは、印刷物に対する検査結果は、表示画面上に表示する他に、例えば、検査結果を示す検査結果情報を、印刷指示装置等の他の装置にネットワークを介して送信してもよいし、記憶部に書き込んでもよいし、プリンタ装置で検査結果のレポートとして印刷してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す全体図である。
【図2】図2は、印刷指示装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、プリンタ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、メインフレームの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図5(a)は、ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。図5(b)は、請求管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6(a)は、オリジナルデータの一例を示す図である。図6(b)は、バリアブルデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、テンプレートの一例を示す図である。
【図8】図8(a)は、ページ別レコード情報の一例を示す図である。図8(b)は、指定情報変換後のページ別レコード情報の一例を示す図である。図8(c)は、検査データの一例を示す図である。
【図9】図9は、印刷物の一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ページ別レコード情報抽出処理(図10におけるステップS11)の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1…印刷システム、2…メインフレーム、3…印刷指示装置、4…プリンタ装置、5…スキャナ装置、10…ネットワーク、11A…オリジナルデータ、11B…バリアブルデータ、12…テンプレート、13…イメージデータ、14,14A〜14C…印刷物、15A,15B…ページ別レコード情報、16…検査データ、20…制御部、21…記憶部、22…通信部、23…ホストDB、30…制御部、31…記憶部、32…通信部、33…入力部、34…表示部、40…制御部、41…記憶部、42…通信部、43…印刷部、100a…レガシーコード系、100b…オープンコード系、110…レコード番号、111…印刷様式指定フラグ、112A〜112C…項目データ、113…フィールド指定情報、113…レガシーコード系文字情報、114…オープンコード系文字情報、120A〜120C…様式定義データ、121…固定部定義データ、122…改ページ定義データ、123A〜123C…バリアブルフィールド、124…明細出力処理、125…クーポン出力処理、140A,140B…宛先、141A,141B…明細表、142…クーポン券、150…ページ番号、151…領域情報、152…印刷内容、153…印刷態様情報、154…バリアブルデータのホストフィールド指定情報、155…ホストDBのフィールド指定情報、160…レガシー系文字情報、200…検査データ生成手段、201…文字認識手段、202…検査処理手段、210…検査制御プログラム、230…ユーザ管理テーブル、230a…レガシーコード系文字情報、231…請求管理テーブル、231a…レガシーコード系文字情報、300…コード変換手段、301…印刷ジョブ生成手段、302…指定情報変換手段、310…文字情報処理プログラム、400…ジョブ解析手段、401…抽出手段、402…処理手段、410…印刷制御プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷システム。
【請求項2】
前記印刷媒体は、可変印刷データが有する複数のレコードにおいて指定された前記第1の文字列が、前記変換手段により前記第2の文字列に変換され、その第2の文字列が様式定義データに適用されることにより印刷された請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記文字認識手段は、前記文字の印刷態様情報を認識し、
前記比較手段は、前記文字認識手段により認識された前記印刷態様情報と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列に割り当てられた印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識ステップと、
前記文字認識ステップにより認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較ステップとをコンピュータに実行されるための印刷媒体検査プログラム。
【請求項5】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷媒体検査装置。
【請求項1】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列を前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列に変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記第2の文字列に対応する画像が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷システム。
【請求項2】
前記印刷媒体は、可変印刷データが有する複数のレコードにおいて指定された前記第1の文字列が、前記変換手段により前記第2の文字列に変換され、その第2の文字列が様式定義データに適用されることにより印刷された請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記文字認識手段は、前記文字の印刷態様情報を認識し、
前記比較手段は、前記文字認識手段により認識された前記印刷態様情報と、前記変換手段が変換対象とした前記第1の文字列に割り当てられた印刷態様情報とを比較し、その比較結果を出力する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の符号化規則に基づく第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識ステップと、
前記文字認識ステップにより認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較ステップとをコンピュータに実行されるための印刷媒体検査プログラム。
【請求項5】
第1の符号化規則に基づく第1の文字列から変換された前記第1の符号化規則とは異なる第2の文字列が印刷媒体に印刷され、その印刷媒体から読み取られた画像データの文字を認識し、前記第1の符号化規則に基づく第3の文字列を得る文字認識手段と、
前記文字認識手段により認識された第3の文字列と、前記第2の文字列の変換前の前記第1の文字列とを比較し、その比較結果を出力する比較手段とを備えた印刷媒体検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−146371(P2010−146371A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324108(P2008−324108)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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