説明

印刷システム、印刷方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】 印刷要求時に、印刷装置選択用の印刷属性情報をネットワーク上から自動的に収集し、選択した印刷装置で印刷するためのポートを動的に生成できる印刷システムを提供する。
【解決手段】 ネットワーク上の印刷装置を用いて所望の仕様の印刷ができる印刷システムにおいて、アプリケーション部11が設定管理部13を介して印刷設定画面を表示して印刷仕様を指定させ、印刷装置検索部14がネットワーク通信部17によりその仕様の印刷が可能な印刷装置をネットワーク上の印刷装置から検索してその1つを選択し、ポート生成部15がその印刷装置を用いるためのポートを動的に生成し、プリンタドライバ制御部16がその印刷装置用に利用可能なプリンタドライバ18を選択し印刷データを渡し、ネットワーク通信部17がその印刷データをプリンタドライバ18から受け取り、生成されたポートが有している印刷装置情報を用いてその印刷データを送信する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上にある、機能・性能の異なる複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷をパーソナルコンピュータなど情報処理装置から行うことができる印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク化の進展のなかで、パーソナルコンピュータなど情報処理装置はもちろん、プリンタやデジタル複写機など画像を印刷できる装置(以下、印刷装置と称す)などもネットワークに接続されるようになってきている。機能の異なるさまざまな印刷装置がネットワークに接続され、複数の情報処理装置がこれらの印刷装置を共有し、必要に応じて所望の機能の印刷装置を選択し、選択した印刷装置を用いて所望の印刷を行なっている。なお、印刷装置の選択は、通常、オペレーティングシステム(以下、OSと称す)の機能を用いてあらかじめ登録した印刷装置一覧を表示させ、そのなかの一つをマウスなどにより指示させることにより行う。
例えば、プリンタドライバを導入し、印刷装置へデータを送出するためのポートを設定し、プリンタドライバとポートを結びつけた設定を行う。Windows(登録商標)であれば(Windows2000の例)、「コントロールパネル」の「プリンタ」を開き、「プリンタの追加」を実行してこの設定を行う。そして、利用者は、起動されているアプリケーションプログラムを用いて印刷を指示したときに、これらの設定の組(前記Windowsの例では「プリンタ」を開いた際に並んでいる複数のアイコン)から1つを選択し、必要であれば両面印刷やステープルの設定をした後、印刷実行を指示し、所望の印刷を実行させる。
【0003】
以下、特許文献に示された関連従来技術について説明する。
まず、特許文献1だが、この従来技術は、印刷装置に関する印刷のための印刷情報をその印刷装置を用いるコンピュータ側に設定する技術であり、印刷用紙の種類に対応付けて印刷のための各種情報を設定でき、その設定の際、前記各種情報を含むデータファイルを外部記憶装置から読み出し、読み出したデータファイルに基づいて前記各種情報を設定する。各データファイルは個々の利用者が登録でき、各データファイルへアクセスするためのデータテーブルはプリンタドライバ中に設けられ、利用者がこのデータテーブルを参照することにより、登録した利用者以外の利用者も各データファイルに基づいた前記各種情報の設定を行うことができる。
また、特許文献2に示された従来技術では、当該コンピュータから複数のプリンタを用いることができ、複数のプリンタ中から1台を選択する際、プリンタを識別しやすくしたもので、具体的には、まず、プリンタクラスドライバにつながっているすべてのデバイスのリンク名を取り出し、各ポートにつながっているプリンタに対してデバイスIDの返信を要求し、返信されたデバイスIDの中から機種名を抽出する。また、リンク名からシリアル番号を取り出す。そして、そのシリアル番号と機種名とを含むポート名を登録する。
また、特許文献3に示された従来技術では、利用者が選択できるサービス項目セットを含むサービス項目ファイルをクライアントコンピュータに格納しておく。このサービス項目セットのそれぞれは複数の印刷属性の組み合わせから成る印刷属性の特定セットであり、印刷時、利用者は登録されているサービス項目セット中から1つを選択し、選択した印刷属性の特定セットにしたがって印刷ジョブを処理する。
また、特許文献4に示された従来技術は、ネットワーク上の複数のプリンタのいずれで印刷させる場合でも、クライアント装置側では単純な作業で目的とするプリンタで印刷できるようにするものであり、具体的には、プリンタを設定する際、ウェブサーバからその設定のためのGUI情報を取り込み、それをブラウザで表示し、その画面上で設定させる。
【特許文献1】特開2000−185450公報
【特許文献2】特開2000−242454公報
【特許文献3】特開2001−209509公報
【特許文献4】特開2003−76525公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献記載の従来技術を含め前記した従来技術では、印刷装置を選択するための印刷属性情報をネットワーク上の印刷装置から自動的に収集していないし、印刷要求が発生したときに選択された印刷装置を用いた印刷を行うためにその印刷期間中だけ動的にポートを生成することもできない。
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決しようとするものであり、具体的には、印刷装置を選択するための印刷属性情報をネットワーク上の印刷装置から自動的に収集できるし、印刷要求が発生したときに選択された印刷装置を用いた印刷を行うためにその印刷期間中だけ動的にポートを生成できる印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ネットワーク上にある複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷を行うことができる印刷システムにおいて、所望の印刷仕様を指定させる指定手段と、指定された前記印刷仕様の印刷を行うことができる該当印刷装置をネットワーク上にある複数の印刷装置のなかから検索して1つの印刷装置を選択する検索手段と、その検索手段により選択された印刷装置を用いるためのポートを動的に生成するポート生成手段とを備えた。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の印刷システムにおいて、選択された印刷装置用に利用可能なプリンタドライバを自動的に選択して、選択したプリンタドライバに印刷データを渡すドライバ選択手段と、該ドライバ選択手段により選択された印刷データをプリンタドライバから受け取り、前記ポート生成手段により生成されたポートが有している印刷装置情報を用いて当該印刷データを送信する送信手段とを備えた。
また、請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記指定手段による前記印刷仕様の指定をオペレーティングシステムの管理化で設定されている印刷機能一覧情報を用いて行う構成にした。
また、請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、または請求項3記載の発明において、前記プリンタドライバを対応した印刷装置から導入する構成にした。
また、請求項5記載の発明では、ネットワーク上にある複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷を行う印刷方法において、所望の印刷仕様を指定させ、指定された前記印刷仕様の印刷を行うことができる該当印刷装置をネットワーク上にある複数の印刷装置のなかから検索し、検索された該当印刷装置のなかから選択された1つの印刷装置を用いるためのポートを動的に生成する構成にした。
また、請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、選択された印刷装置用に利用可能なプリンタドライバを自動的に選択し、選択したプリンタドライバに印刷データを渡し、その印刷データをそのプリンタドライバが、前記生成されたポートの有している印刷装置情報を用いて送信する構成にした。
また、請求項7記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記印刷仕様の指定をオペレーティングシステムの管理化で設定されている印刷機能一覧情報を用いて行わせる構成にした。
また、請求項8記載の発明では、請求項5、請求項6、または請求項7記載の発明において、前記プリンタドライバを対応した印刷装置から導入する構成にした。
また、請求項9記載の発明では、オペレーティングシステム上で実行されるプログラムにおいて、請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の印刷方法によった印刷を実行させるようにプログラミングされている構成にした。
また、請求項10記載の発明では、プログラムを記憶した記憶媒体において、請求項9記載のプログラムを記憶した。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、請求項1および請求項5記載の発明では、ネットワーク上にある複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷を行う際、所望の印刷仕様を指定させ、指定された印刷仕様の印刷を行うことができる印刷装置をネットワーク上にある複数の印刷装置のなかから検索し、検索された該当印刷装置のなかから選択された1つの印刷装置を用いるためのポートを動的に生成することができるので、手を煩わせずに所望の印刷仕様の印刷ができるし、用意するポートの数が少なくて済む。また、動的にプリンタと結びつくので、モバイル環境においても即座に印刷することができる。
また、請求項2記載の発明では請求項1記載の発明において、請求項6記載の発明では請求項5記載の発明において、選択された印刷装置用に利用可能なプリンタドライバを自動的に選択し、そのプリンタドライバに印刷データを渡し、その印刷データをそのプリンタドライバが生成されたポートの有している印刷装置情報を用いて送信することができるので、請求項1または請求項6記載の発明の効果をプリンタドライバを用いて容易に実現できる。
また、請求項3記載の発明では請求項1記載の発明において、請求項7記載の発明では請求項5記載の発明において、印刷仕様の指定をオペレーティングシステムの管理化で設定されている印刷機能一覧情報を用いて行わせることができるので、印刷仕様を指定させる手段の実現が容易になる。
また、請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、または請求項3記載の発明において、請求項8記載の発明では、請求項5、請求項6、または請求項7記載の発明において、プリンタドライバを対応した印刷装置から導入できるので、あらかじめプリンタドライバを導入しておかなくても印刷することができる。
また、請求項9記載の発明では、請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の印刷方法によった印刷を実行させるようにプログラミングされているプログラムをオペレーティングシステム上で実行させることができるので、オペレーティングシステムを備えたパーソナルコンピュータなど情報処理装置などを用いて請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の効果を容易に得ることができる。
また、請求項10記載の発明では、請求項9記載のプログラムを着脱可能な記憶媒体に記憶できるので、その記憶媒体をこれまで本発明によった印刷を行えなかったパーソナルコンピュータなど情報処理装置に装着することにより、そのような情報処理装置においても請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面により本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対位置などは特定的な記載がない限りこの説明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【実施例1】
【0008】
図1はこの実施例の印刷システムを示す構成ブロック図である。図示したように、この印刷システムは、ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータなど情報処理装置1と印刷装置2から構成され、情報処理装置1には、アプリケーション部11、そのアプリケーション部11からの要求を受けて印刷装置2に対して印刷要求を出すなど、印刷に係る全般的な制御を行う印刷制御部12、OSの管理下で設定されている印刷機能の一覧情報を取得したりする設定管理部13、取得されたネットワーク上の各印刷装置の印刷属性情報から利用者により指定された印刷設定(印刷仕様)情報の印刷が可能な印刷装置を検索して該当する印刷装置に関する印刷装置情報を作成する印刷装置検索部14、その印刷装置情報に基づいてポートを生成するポート生成部15、印刷装置情報に基づいてプリンタドライバ18を選択するとともに、そのプリンタドライバ18を用いて印刷装置へ送出するデータを生成するプリンタドライバ制御部16、ポート情報に基づきそのポートを用いて印刷装置2と通信するネットワーク通信部17などを備えている。なお、前記した印刷設定(印刷仕様)には、カラー印刷、両面印刷、またはステープル打ち、用紙サイズ、用紙種類、用紙の向き、印刷解像度などが含まれている。
また、この実施例では、請求項記載の指定手段がアプリケーション部11、印刷制御部12、および設定管理部13などにより実現され、検索手段が印刷装置検索部14およびネットワーク通信部17により実現され、ポート生成手段がポート生成部15により実現され、ドライバ選択手段がプリンタドライバ制御部16により実現され、送信手段がネットワーク制御部17により実現される。
【0009】
図2に、この実施例の動作フローを示す。以下、図2にしたがって、この動作フローを説明する。
まず、利用者が図示していない操作部により印刷を指示する。そうすると、この印刷の指示を受けたアプリケーション部11は印刷制御部12に対し、あらかじめOSに設定されている印刷設定(印刷仕様)の一覧情報を要求する(S1)。これにより、印刷制御部12は設定管理部13に対してOS管理下に設定されている印刷設定の一覧情報を要求する。こうして、設定管理部13はOS管理下に設定されている印刷設定の一覧情報を取得し、印刷制御部12に返す(S2)。さらに、印刷制御部12はその印刷設定の一覧情報をアプリケーション部11に返し、アプリケーション部11はその印刷設定の一覧情報を図示していない表示装置に表示する(S3)。
続いて、利用者は表示された印刷設定の一覧情報から所望の印刷設定を選択する(S4)。これにより、アプリケーション部11は利用者が選択した印刷設定情報(印刷仕様情報)と印刷データを印刷制御部12に渡し(S5)、印刷制御部12は印刷装置検索部14に対してその印刷設定情報を渡し、その印刷設定(印刷仕様)で印刷できる印刷装置を検索するように指示する。
こうして、印刷装置検索部14はネットワーク通信部17に対し、利用可能な印刷装置とその機能(印刷属性情報)の一覧の取得を要求し、ネットワーク通信部17はブロードキャスト送信などによりネットワークに接続された印刷可能な印刷装置2を検索し、その一覧情報を印刷装置検索部14に返す。これにより、印刷装置検索部14は取得した印刷装置の一覧情報中から利用者の選択した印刷設定の印刷が可能な印刷装置を抽出し、そのなかの1つ(例えば最初に抽出した印刷装置)を選択し、その印刷装置情報(例えば印刷装置のアドレス情報などを含む)を印刷制御部12に返す(S6)。
続いて、印刷制御部12は取得した印刷装置情報をポート生成部15に渡し、その印刷装置情報からその印刷装置へ印刷データを送るためのポートを生成するようにポート生成部15に要求する。これにより、ポート生成部15はその印刷装置情報に基づきポートを生成し(S7)、そのポート情報(例えばポート名とかポート番号)を印刷制御部12に返す。なお、ポートとは、送受信先を区別する情報などを持つ、データ通信の上位層における概念的な送受信口である。
【0010】
次に、印刷制御部12は印刷装置情報とアプリケーション部11から送られてきた印刷データをプリンタドライバ制御部16へ送る。これにより、プリンタドライバ制御部16はその印刷装置情報に基づき適合するプリンタドライバ18を選択し、そのプリンタドライバ18を用いて印刷装置2へ送出する印刷データを生成し(S8)、印刷制御部12に返す。こうして、印刷制御部12は取得したポート情報と印刷データをネットワーク通信部17へ送り、印刷装置2に対して印刷を実行するように指示し、ネットワーク通信部17はポート情報に基づいてそのポートの持つ情報を用いて印刷装置2と通信し、印刷データを送出して印刷させる(S9)。そして、印刷終了後、印刷制御部12がポートを削除する。
こうして、この実施例によれば、印刷装置を選択するための印刷属性情報をネットワーク上の印刷装置から自動的に収集できるし、印刷要求が発生したときに選択された印刷装置を用いた印刷を行うためにその印刷期間中だけ動的にポートを生成できる。
【実施例2】
【0011】
図3はこの実施例の印刷システムを示す構成ブロック図である。図示したように、この印刷システムは、実施例1に示した構成から設定管理部13を外した構成である。なお、この実施例では、請求項記載の指定手段がアプリケーション部11aにより実現され、検索手段が印刷装置検索部14およびネットワーク通信部17により実現され、ポート生成手段がポート生成部15により実現され、ドライバ選択手段がプリンタドライバ制御部16により実現され、送信手段がネットワーク制御部17により実現される。
図4に、この実施例の動作フローを示す。以下、図4にしたがって、この動作フローを説明する。
この実施例では、まず、利用者が図示していない操作部により印刷を指示する。そうすると、この印刷の指示を受けたアプリケーション部11aはあらかじめ登録された印刷設定の一覧情報を画面に表示させ(S11)、利用者は表示された印刷設定の一覧情報から所望の印刷設定を選択する(S12)。これにより、アプリケーション部11aは利用者が選択した印刷設定情報(印刷仕様情報)と印刷データを印刷制御部12aに渡し(S13)、印刷制御部12aは印刷装置検索部14に対してその印刷設定情報を渡し、その印刷設定(印刷仕様)で印刷できる印刷装置を検索するように指示する。
こうして、印刷装置検索部14はネットワーク通信部17に対し、利用可能な印刷装置とその機能(印刷属性情報)の一覧の取得を要求し、ネットワーク通信部17はブロードキャスト送信などによりネットワークに接続された印刷可能な印刷装置2を検索し、その一覧情報を印刷装置検索部14に返す。これにより、印刷装置検索部14は取得した印刷装置の一覧情報中から利用者の選択した印刷設定情報の印刷が可能な印刷装置を抽出し、そのなかの1つ(例えば最初に抽出した印刷装置)を選択し、その印刷装置情報を印刷制御部12aに返す(S14)。
続いて、印刷制御部12aは取得した印刷装置情報をポート生成部15に渡し、その印刷装置情報からその印刷装置へ印刷データを送るためのポートを生成するようにポート生成部15に要求する。これにより、ポート生成部15はその印刷装置情報に基づきポートを生成し(S15)、そのポート情報を印刷制御部12aに返す。
次に、印刷制御部12aは印刷装置情報とアプリケーション部11aから送られてきた印刷データをプリンタドライバ制御部16へ送る。これにより、プリンタドライバ制御部16はその印刷装置情報に基づき適合するプリンタドライバ18を選択し、そのプリンタドライバ18を用いて印刷装置2へ送出する印刷データを生成し(S16)、印刷制御部12aに返す。こうして、印刷制御部12aは取得したポート情報と印刷データをネットワーク通信部17へ送り、印刷装置2に対して印刷を実行するように指示し、ネットワーク通信部17はポート情報に基づいてそのポートの持つ情報を用いて印刷装置2と通信し、印刷データを送出して印刷させる(S17)。そして、印刷終了後、印刷制御部12aがポートを削除する。
こうして、この実施例によっても、印刷装置を選択するための印刷属性情報をネットワーク上の印刷装置から自動的に収集できるし、印刷要求が発生したときに選択された印刷装置を用いた印刷を行うためにその印刷期間中だけ動的にポートを生成できる。
【実施例3】
【0012】
図5は本発明の実施例3を示す印刷システムの構成ブロック図である。図示したように、実施例1と同様の構成であるが、この実施例では、プリンタドライバを対応した印刷装置から導入できる。
図6および図7に、この実施例の動作フローを示す。以下、図6および図7にしたがって、この動作フローを説明する。
まず、利用者が図示していない操作部により印刷を指示する。そうすると、この印刷の指示を受けたアプリケーション部11は印刷制御部12に対してあらかじめ設定されている印刷設定の一覧情報を要求する(S21)。これにより、印刷制御部12は設定管理部13に対してOS管理下に設定されている印刷設定の一覧情報を要求する。こうして、設定管理部13はその印刷設定の一覧情報を取得し、印刷制御部12に返す(S22)。さらに、印刷制御部12はその印刷設定の一覧情報をアプリケーション部11に返し、アプリケーション部11はその印刷設定の一覧情報を図示していない表示装置に表示する(S23)。
続いて、利用者は表示された印刷設定の一覧情報から所望の印刷設定を選択する(S24)。これにより、アプリケーション部11は利用者が選択した印刷設定情報(印刷仕様情報)と印刷データを印刷制御部12に渡し(S25)、印刷制御部12は印刷装置検索部14に対してその印刷設定情報を渡し、その印刷設定(印刷仕様)で印刷できる印刷装置を検索するように指示する。
こうして、印刷装置検索部14はネットワーク通信部17bに対し、利用可能な印刷装置とその機能(印刷属性情報)の一覧の取得を要求し、ネットワーク通信部17bはブロードキャスト送信などによりネットワークに接続された印刷可能な印刷装置2を検索し、その一覧情報を印刷装置検索部14に返す。これにより、印刷装置検索部14は取得した印刷装置の一覧情報中から利用者の選択した印刷設定(印刷仕様)の印刷が可能な印刷装置を抽出し、そのなかの1つ(例えば最初に抽出した印刷装置)を選択し、その印刷装置情報を印刷制御部12に返す(S26)。
続いて、印刷制御部12は取得した印刷装置情報をポート生成部15に渡し、その印刷装置情報からその印刷装置へ印刷データを送るためのポートを生成するようにポート生成部15に要求する。これにより、ポート生成部15はその印刷装置情報に基づきポートを生成し(S27)、そのポート情報を印刷制御部12に返す。
【0013】
次に、印刷制御部12は印刷装置情報とアプリケーション部11から送られてきた印刷データをプリンタドライバ制御部16bへ送る。これにより、プリンタドライバ制御部16bは印刷装置情報に基づいてプリンタドライバ18を選択するが、その際、その印刷装置情報の印刷装置2を使用するためのプリンタドライバがインストールされていない場合(S28でNo)、ネットワーク通信部17bに対してポート情報を送るとともにその印刷装置2からプリンタドライバを取得するように要求する。
こうして、ネットワーク通信部17bはポート情報をもとに当該印刷装置2と通信し、プリンタドライバを取得し、そのプリンタドライバをプリンタドライバ制御部16bに返す(S29)。これにより、プリンタドライバ制御部16bは取得したプリンタドライバをインストールし自動的に使用可能な状態にしてそのプリンタドライバを選択する(S30)。さらに、そのプリンタドライバを用いて印刷装置2へ送出する印刷データを生成し(S31)、印刷制御部12に返す。こうして、印刷制御部12は取得したポート情報と印刷データをネットワーク通信部17bへ送り、印刷装置2に対して印刷を実行するように指示し、ネットワーク通信部17bはポート情報に基づいてそのポートの持つ情報を用いて印刷装置2と通信し、印刷データを送出して印刷させる(S32)。そして、印刷終了後、印刷制御部12がポートを削除する。
こうして、この実施例によれば、実施例1と同じ効果を得ることができるし、該当するプリンタドライバがインストールされていなければ当該印刷装置からプリンタドライバを導入してインストールできるので、該当するプリンタドライバがインストールされていなくて印刷できないという事態を避けることができる。
【実施例4】
【0014】
図8は本発明の実施例4を示す印刷システムの構成ブロック図である。図示したように、実施例2と同様の構成であるが、この実施例では、プリンタドライバを対応した印刷装置から導入できる。
図9にこの実施例の動作フローを示す。以下、図9にしたがって、この動作フローを説明する。
まず、利用者が図示していない操作部により印刷を指示する。そうすると、この印刷の指示を受けたアプリケーション部11aはあらかじめ登録された印刷設定の一覧情報を画面に表示させ(S41)、利用者は表示された印刷設定の一覧情報から所望の印刷設定を選択する(S42)。これにより、アプリケーション部11aは利用者が選択した印刷設定情報(印刷仕様情報)と印刷データを印刷制御部12aに渡し(S43)、印刷制御部12aは印刷装置検索部14に対してその印刷設定情報を渡し、その印刷設定(印刷仕様)で印刷できる印刷装置を検索するように指示する。
こうして、印刷装置検索部14はネットワーク通信部17bに対し、利用可能な印刷装置とその機能(印刷属性情報)の一覧の取得を要求し、ネットワーク通信部17bはブロードキャスト送信などによりネットワークに接続された印刷可能な印刷装置2を検索し、その一覧情報を印刷装置検索部14に返す。これにより、印刷装置検索部14は取得した印刷装置の一覧情報中から利用者の選択した印刷設定情報の印刷が可能な印刷装置を抽出し、そのなかの1つ(例えば最初に抽出した印刷装置)を選択し、その印刷装置情報を印刷制御部12aに返す(S44)。
続いて、印刷制御部12aは取得した印刷装置情報をポート生成部15に渡し、その印刷装置情報からその印刷装置へ印刷データを送るためのポートを生成するようにポート生成部15に要求する。これにより、ポート生成部15はその印刷装置情報に基づきポートを生成し(S45)、そのポート情報を印刷制御部12aに返す。
【0015】
次に、印刷制御部12aは印刷装置情報とアプリケーション部11から送られてきた印刷データをプリンタドライバ制御部16bへ送る。これにより、プリンタドライバ制御部16bは印刷装置情報に基づいてプリンタドライバ18を選択するが、その際、その印刷装置情報の印刷装置2を使用するためのプリンタドライバがインストールされていない場合(S46でNo)、ネットワーク通信部17bに対してポート情報を送るとともにその印刷装置2からプリンタドライバを取得するように要求する。
こうして、ネットワーク通信部17bはポート情報をもとに当該印刷装置2と通信し、プリンタドライバを取得し、そのプリンタドライバをプリンタドライバ制御部16bに返す(S47)。これにより、プリンタドライバ制御部16bは取得したプリンタドライバを自動的にインストールし使用可能な状態にしてそのプリンタドライバを選択する(S48)。さらに、そのプリンタドライバを用いて印刷装置2へ送出する印刷データを生成し(S49)、印刷制御部12aに返す。こうして、印刷制御部12aは取得したポート情報と印刷データをネットワーク通信部17bへ送り、印刷装置2に対して印刷を実行するように指示し、ネットワーク通信部17bはポート情報に基づいてそのポートの持つ情報を用いて印刷装置2と通信し、印刷データを送出して印刷させる(S50)。そして、印刷終了後、印刷制御部12aがポートを削除する。
こうして、この実施例によれば、実施例2と同じ効果を得ることができるし、該当するプリンタドライバがインストールされていなければ当該印刷装置からプリンタドライバを導入してインストールできるので、該当するプリンタドライバがインストールされていなくて印刷できないという事態を避けることができる。
【0016】
なお、前記した各実施例では、図1、図3、図5、および図8に示した情報処理装置1内の各部はプログラムにしたがって動作するCPUおよびそのプログラムやデータを記憶する半導体メモリなどにより実現される。
また、説明したような印刷方法に従ってプログラミングしたプログラムを着脱可能な記憶媒体に記憶し、その記憶媒体をこれまで本発明によった印刷を行えなかったパーソナルコンピュータなど情報処理装置に装着することにより、または、そのようなプログラムをネットワークを介してそのような情報処理装置へ転送することにより、そのような情報処理装置においても本発明によった印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施例を示す印刷システムの構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す印刷システムの動作フロー図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す印刷システムの構成ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す印刷システムの動作フロー図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す印刷システムの構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す印刷システムの動作フロー図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す印刷システムの他の動作フロー図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す印刷システムの構成ブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す印刷システムの動作フロー図である。
【符号の説明】
【0018】
1 情報処理装置
2 印刷装置
11 アプリケーション部
12 印刷制御部
13 設定管理部
14 印刷装置検索部
15 ポート生成部
16 プリンタドライバ制御部
17 ネットワーク通信部
18 プリンタドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上にある複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷を行うことができる印刷システムにおいて、前記所望の印刷仕様を指定させる指定手段と、指定された前記印刷仕様の印刷を行うことができる該当印刷装置をネットワーク上にある複数の印刷装置のなかから検索して1つの印刷装置を選択する検索手段と、その検索手段により選択された印刷装置を用いるためのポートを動的に生成するポート生成手段とを備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1記載の印刷システムにおいて、選択された印刷装置用に利用可能なプリンタドライバを自動的に選択して、選択したプリンタドライバに印刷データを渡すドライバ選択手段と、該ドライバ選択手段により選択された印刷データをプリンタドライバから受け取り、前記ポート生成手段により生成されたポートが有している印刷装置情報を用いて当該印刷データを送信する送信手段とを備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1記載の印刷システムにおいて、前記指定手段による前記印刷仕様の指定をオペレーティングシステムの管理下で設定されている印刷機能一覧情報を用いて行う構成にしたことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1、請求項2、または請求項3記載の印刷システムにおいて、前記プリンタドライバを対応した印刷装置から導入する構成にしたことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
ネットワーク上にある複数の印刷装置のいずれかを用いて所望の印刷仕様の印刷を行う印刷方法において、所望の印刷仕様を指定させ、指定された前記印刷仕様の印刷を行うことができる該当印刷装置をネットワーク上にある複数の印刷装置のなかから検索し、検索された該当印刷装置のなかから選択された1つの印刷装置を用いるためのポートを動的に生成することを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
請求項5記載の印刷方法において、選択された印刷装置用に利用可能なプリンタドライバを自動的に選択し、選択したプリンタドライバに印刷データを渡し、その印刷データをそのプリンタドライバが、前記生成されたポートの有している印刷装置情報を用いて送信することを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
請求項5記載の印刷方法において、前記印刷仕様の指定をオペレーティングシステムの管理化で設定されている印刷機能一覧情報を用いて行わせることを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項5、請求項6、または請求項7記載の印刷方法において、前記プリンタドライバを対応した印刷装置から導入することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
オペレーティングシステム上で実行されるプログラムにおいて、請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の印刷方法によった印刷を実行させるようにプログラミングされていることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
プログラムを記憶した記憶媒体において、請求項9記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−11666(P2006−11666A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185631(P2004−185631)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】