印刷システム、情報処理装置、及び情報処理装置の制御方法
【課題】ユーザがネットワークに接続可能な印刷装置または画像入力装置を使用する場合に適切な課金管理を行う。
【解決手段】印刷サーバ或いは印刷装置は、ユーザからインターネットを介し印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、受け付けたデータを保存するデータ保持手段を有する。また、本発明に関わる画像入力サーバ或いは画像入力装置は、画像入力装置により入力したデータを保存するデータ保存手段を有する。また、本発明に関わる課金方法は、これらデータ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を積分する手段と、その結果に応じた課金算出手段を有し、ユーザに課する課金額を適切に算出することを可能とする。
【解決手段】印刷サーバ或いは印刷装置は、ユーザからインターネットを介し印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、受け付けたデータを保存するデータ保持手段を有する。また、本発明に関わる画像入力サーバ或いは画像入力装置は、画像入力装置により入力したデータを保存するデータ保存手段を有する。また、本発明に関わる課金方法は、これらデータ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を積分する手段と、その結果に応じた課金算出手段を有し、ユーザに課する課金額を適切に算出することを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアなどに設置された印刷装置や画像入力装置を利用した印刷システム及び情報処理装置、並びに前記情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンス・ストア(以下コンビニと称す)や文具店等の店舗に設置された印刷装置を使用した印刷サービスが広く普及している。このように店舗に設置された印刷装置を用いて印刷処理を行う場合の課金方法としては、例えば次のような方法が用いられている。
(1)印刷装置に精算機(コインベンダ等)を並設して、この精算機に投入された金額に応じて出力を許可する方法。
(2)店舗で手渡されたカウンタ(計数器)を情報出力装置に接続し、そのカウンタで計数した出力結果によりレジで精算する方法。
(3)手作業で調べた出力結果によりレジで精算する方法。
【0003】
また、コンビニなどの店舗が提供するサービスの一つとして、店舗に設置された印刷装置をインターネット等のネットワークに接続し、この印刷装置を用いてユーザがネットワーク上のサーバから出力用データを取得して印刷するようなサービスが考えられる。このようなサービスは、例えばビジネスユーザが出張先で使う書類を印刷データとしてストレージサーバに保存しておき、この保存した印刷データを、出張先近くのコンビニ等に設置された印刷装置を用いて用紙に印刷する場合などに利用することができる。
【0004】
ストレージサービスの利用にあたっては、契約金額に応じて使用可能データ容量を設定し、そのデータ容量内であればユーザは自由に使用できるものがある。さらには、特定の容量以下の場合には無料で使用を許可し、一定期間が過ぎるとデータが削除されるなどの運用が実施されている。また、課金処理の技術は特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−215368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例で示されるストレージサービスを利用して、契約金額に応じたデータ容量を使用しない場合、不要な出費をユーザが支払うといった問題があった。また、一定容量以下を無料で利用できるシステムの場合、サイズの大きいデータを使用することができなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザがネットワークに接続可能な印刷装置または画像入力装置を使用する場合に、データ使用量に応じた使用料をユーザに課することで適切な課金管理を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するため、地理的に異なる拠点にそれぞれ配置され、ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置を有する印刷システムにおいて、ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがネットワークに接続可能な印刷装置または画像入力装置を使用する場合に、正確なデータ使用量に応じた使用料をユーザに課することで適切な課金管理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【0011】
本実施の形態は、図1に示すネットワークシステムを印刷システムとして使用する。この印刷システムでは、ネットワーク上において、クライアント拠点161、サーバ拠点162、印刷拠点163、及び印刷拠点164の4つの拠点を想定している。クライアント拠点161は、少なくとも1台以上のクライアントPC(ワープロ機器や通信機器を備えたゲーム機等であっても良い)を有している。そして、クライアントPCは、インターネット141に接続するための機能と、サーバ104、印刷装置111或いは印刷装置113に画像データを送信する機能を備えている。
【0012】
本実施の形態において印刷拠点として、拠点163及び164の2つを想定しているが、さらに多数の印刷拠点が存在する場合でも本発明は適用可能である。サーバ拠点162は、少なくとも本実施の形態で使用する印刷サーバ104を有し、印刷サーバ104は、インターネット141を介し特定(或いは不特定)のクライアントPCと接続するための機能を有する。
【0013】
また、印刷サーバ104はインターネット142を介し、特定の印刷装置(例えば111や113)と通信する機能を有する。印刷サーバ104は、必要に応じてデータベース105や認証サーバなど他のシステムと連携可能であるが、これらは必ずしも必要とするシステムでなくても本発明は適用可能である。印刷拠点163及び164はそれぞれ少なくとも1台以上の印刷装置111、113を有する。印刷拠点に設置された印刷装置111,113はネットワークに直接接続可能で、インターネットを介して送信された印刷ジョブを直接処理することができる。なお、インターネット141とインターネット142は同一ネットワークであっても良い。
【0014】
図1において、101はデスクトップPC、102はノートPC、103はワープロ機器である。これら機器101〜103は、上記したクライアントPCに相当するものであり、ブラウザ機能等を有し、印刷サーバ104、印刷装置111及び113に対して、様々なコマンドを発行する通信機器である。ユーザはこのクライアントPCを利用して任意の印刷データを印刷サーバ104にアップロードすることが可能であり、印刷データをアップロードした際に、印刷サーバ104から印刷データを識別するためのIDが発行される。本実施の形態では、印刷装置111、113に印刷データを送信する場合、印刷サーバ104を介して処理を行うこととするが、クライアントPCから直接印刷装置111、113に印刷データを投入可能なシステムであっても良い。
【0015】
印刷サーバ104はインターネット通信網に接続可能な機能を有し、クライアントPCとの接続管理を行う。DB(データベース)105は印刷サーバ104と連携し、様々なリソース(ユーザアカウント情報、ユーザからアップロードされた印刷原稿データ、或いは印刷拠点情報等)を一時保管する。DBが存在しないシステムの場合には、印刷サーバ104がDB機能を有することも可能である。
【0016】
印刷装置111、113は、入力したデータを印刷処理する機能を有する。123、124は印刷拠点に設置されたLANであるが、印刷拠点に設置された印刷装置111、113はLANを介さずに直接インターネット142に接続可能であっても良い。通常、LANとインターネットの接続には、ゲートウェイやファイアウォール、ルータを介して行われる。
【0017】
<PCの内部構成>
図2は、図1中のクライアントPC、印刷サーバ104及びデータベース105の内部構成を示すブロック図である。
【0018】
図2中の201は装置全体の動作を制御するCPUであり、202はCPU201のワークエリアを提供するRAMである。203は本実施の形態における通信プログラムを提供するハードディスク(補助記憶装置:フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等でも良い)である。204はPC使用者にメッセージを通知する目的で使用される画像表示装置(具体的にはCRTディスプレイ、DSTN液晶ディスプレイ等)である。205は、ユーザのコマンドを入力するユーザコマンド入力装置(具体的にはマウス、キーボード等)である。206はLAN220を介して他の情報機器とデータをやり取りするためのネットワークインタフェースカード(NIC)である。209はメインバスである。なお、本実施の形態においては、LAN220は図1におけるLAN121と同じものである。
【0019】
<印刷装置の内部構成>
図3は、図1中の印刷装置111、113の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
図3において301は、クライアントPCなどから受信した印字データを解釈し、印字制御やフィニッシング制御をコントロールするCPUである。302はCPU301のワークエリアの提供、印字データの一時保管を行うためのRAMである。303は印字データの一時保管や、CPU301の判断により、RAM302の変わりに用いられる補助記憶装置(具体的にはハードディスク、CD−ROM等)である。304はタッチパネル等の画像表示装置であって、プリンタ装置の状態やエラーメッセージ等を表示する場合に用いることができる。
【0021】
305はユーザコマンド入力装置(タッチパネル等)であって、コピー部数の指定や、拡大指定、印刷キャンセルをユーザが手動で行うためのものである。306はLAN320を介して、ネットワーク機器と双方向にデータをやり取りするためのNIC(Network Interface Card)である。304、305は単一のUIとして用いることも可能である。
【0022】
307はクライアントPCなどから投入された印字データを実際に用紙に出力するための印字制御装置である。308は原稿上の画像を読み取って、白黒2値(カラーでも良い)のイメージデータを出力する画像読み取り部である。なお、本実施の形態においては、LAN320は図1におけるLAN123、124と同じものである。なお、印刷装置111、113には画像読み取り部308は必要ないが、コンビニ等の用途では印刷装置は複合機として1台の情報機器から形成されることが多いので、説明簡略のため、同一図を用いて説明している。
【0023】
<画像データを送信するまでの処理>
上記構成において、少なくとも一人以上のユーザがインターネットを介し、印刷サーバ104に画像データを送信し、その印刷サーバ104に保持された画像データを印刷装置111,113によって印刷処理する。そして、その際に、画像データのデータ量と保持期間を積分した情報を基に課金管理を行う。このような本実施の形態に特有な処理について、以下、図4〜図13を参照して詳細に説明する。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷システムの全体処理を示すフローチャートである。
【0025】
本実施の形態で提供される印刷サービスを使用する場合、ユーザは予め印刷サーバ104にアカウント作成をし、印刷サーバ104にはこのアカウント情報を管理する機能が必要となる。ユーザアカウントに関しては既に設定済みであり、ユーザはこのアカウント情報を使用して印刷システムにログイン可能であることを前提とする。また、印刷データの入稿において、ユーザはクライアントPCのブラウザ機能を使用して印刷サーバ104に接続し、印刷サーバ104が提供するプログラムにより入稿処理が管理されるものとする。
【0026】
まず、ユーザは印刷システムにログインする(S401)。図5は、ログイン画面の一例を示す表示画面図である。図5において、501〜504は一般的なブラウザのメニュー、URL入力ボックス等を表している。ログインIDをエリア505に入力し、パスワードをエリア506に入力して、ログインボタン507を押下すると、ブラウザは印刷サーバ104にログイン情報を送信する。印刷サーバ104は受信したログイン情報と前記アカウント情報とを比較し、ログイン情報が既存のアカウント情報に合致する場合にはログインを許可し、合致しない場合にはログインを許可しない。
【0027】
図4のS401において、ログインが成功すると、印刷サーバ104はクライアントPCにメニュー情報を送付し、クライアントPCのブラウザには図6で示されるメニュー画面が表示される(S402)。
【0028】
図6は、印刷サーバ104が提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。図中の601〜604は一般的なブラウザのメニューやURL入力ボックス等を表している。606はアップロードするファイル選択機能を実行するためのボタンである。ボタン606を押下すると、クライアントPC内のファイル選択画面が表示され、ファイル選択画面でファイルを選択すると、入力エリア605で入力したファイルパスが表示される。ボタン608は印刷を行う印刷拠点を示すメニューであり、複数の印刷拠点を選択することが可能である。
【0029】
本実施の形態では、単一の印刷拠点を選択した場合には、データは指定された印刷拠点の印刷装置の補助記憶装置303に保存されることとし、複数の印刷拠点を選択した場合には、データは印刷サーバ104の補助記憶装置203に保存されるものとする。本実施の形態は、複数の印刷拠点が選択された場合は、後述の課金算出処理2により、指定された印刷拠点数に応じて課金額を加算することを特徴とする。図6の例の場合では、印刷拠点1のみ印刷先として指定されているので、印刷データは例えば印刷拠点163に設置された印刷装置111の補助記憶装置303に保存される。なお、ユーザが指定した印刷拠点以外から印刷要求があった場合、本実施の形態で実施するシステムはエラーとして処理することが可能である。
【0030】
図6で示す処理メニューでユーザは印刷データを指定し(S403)、さらに印刷拠点を指定し(S404)、アップロードボタン607を押下すると、指定されたファイルが印刷サーバ104にアップロードされる(S405)。印刷データがアップロードされると、印刷サーバ104は、ファイルを一意に特定するためのファイル識別IDを発行する(S406)。このファイル識別IDを使用してファイルを暗号化し(S407)、ユーザが指定した印刷拠点数を判断し(S408)、指定された印刷拠点が複数の場合には、印刷サーバ104内の補助記憶装置203に印刷データとファイルIDが保存される(S409)。
【0031】
印刷データの保存に際しては、印刷データ、ファイルID、及び指定拠点情報が分かるような情報を印刷サーバ104は管理する必要がある。本実施の形態では例えば図7(a)に示すような情報が補助記憶装置203に保存されているものとする。図7(a)の例では、ファイル識別ID、ファイル名、受付日時、指定印刷拠点ID、及び指定印刷拠点数の各ファイル情報が示されている。印刷サーバ104は、任意のタイミングで、このファイル情報を参照することが可能である。
【0032】
S408の判断で、指定された印刷拠点が一つの場合には、指定された印刷拠点の印刷装置に印刷データ及びファイル識別IDを送信する(S410)。印刷データを受け付けると、印刷装置は補助記憶装置303にデータと図7(b)で示されるファイル情報とを保存する(S411)。
【0033】
図7(b)は、印刷装置の補助記憶装置303に保存するファイル情報の一例を示す図である。図7(b)の例では、ファイル情報は、少なくとも、ファイル識別ID、ファイル名、及び受付日時の情報を有するものとする。本実施の形態による印刷システムは、このファイル情報を基に、入稿されたファイルを特定可能とし、さらに、ファイルの受付日時の把握が可能となっている。これら一連のファイル入稿処理が終了すると、印刷サーバ104はクライアントPCに対し、入稿されたファイルを一意に特定するためのファイルIDを通知する(S426)。そして、ユーザは通知されたファイルIDを画面で確認し(S427)、システムからログアウトする(S412)。
【0034】
前記S427におけるファイルID確認画面の一例を図8に示す。図8において、701〜704は、一般的なブラウザのメニューやURL入力ボックス等を表している。705は図4のS406において発行されたファイルIDを示しており、ユーザは印刷拠点の印刷装置からこのIDを指定することで、S405で入稿したファイルの印刷を開始することができる。706は終了ボタンでこのボタンを押下すると、ユーザはシステムからログアウトする。
【0035】
<任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理>
次に、ユーザが任意の印刷拠点、例えば印刷拠点163に設置された印刷装置111を使用して印刷を行う場合の処理について、図9〜図12を参照して説明する。
【0036】
図9は、第1の実施の形態に係る印刷システムにおいて、任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【0037】
図9において、ユーザは印刷装置111に前記ファイルIDを指定してファイル検索依頼を行う(S413)。ファイル検索依頼を受け付けると、印刷装置111は指定されたファイルIDを基にファイルを検索する(S414)。
【0038】
印刷装置内の補助記憶装置303に、指定されたファイルが存在するかを確認し、ファイルが存在していた場合、印刷装置111は、後述の課金算出処理1の手順により課金額を算出する(S415)。S414においてファイルが存在しない場合には、印刷装置111は印刷サーバ104に対し、ファイルIDを通知すると共にファイル検索依頼を行う(S416)。
【0039】
印刷サーバ104は、指定されたファイルIDを基にファイルを検索する(S417)。ファイルが存在していた場合、印刷サーバ104は、後述の課金算出処理2の手順により課金額を算出する(S418)。S417のファイル検索においてファイルが存在しなかった場合には、印刷サーバ104は印刷装置111に対しその旨通知する(S419)。また、S417のファイル検索においてファイルは存在したが、印刷拠点163で処理不可能な場合、印刷サーバは、その旨を通知する(S419)。ここで処理不可能の判断は、図7(a)に保存されているファイル情報から指定されている印刷拠点IDを参照し、対象となる印刷拠点を指定していない場合等が該当する。
【0040】
S417のファイル検索において、ファイルが存在し且つ印刷拠点163で印刷可能であった場合には、印刷サーバ104は印刷装置111に対し、その旨を通知すると共にS418にて算出された課金額を通知する。さらに、印刷サーバ104は、指定されたファイルIDから特定されるファイルを送信する(S419)。
【0041】
印刷装置はS419においてファイルを取得すると、さらに印刷データを解析して(S420)印刷枚数情報を取得し、印刷枚数に応じた額を課金算出処理3の手順により算出する(S421)。そして、印刷装置は、S415或いはS418で算出した課金額と、S421で算出した課金額をユーザのクライアントPCに通知する(S422)。ユーザは課金額を確認した後、その課金額をコインベンダ等の課金装置309に投入すると共に印刷装置111に対し印刷要求を行う。印刷装置111は、印刷要求を受けると(S423)、ファイルIDを基にファイルを複合化し(S424)、印刷処理を行い(S425)、処理を終了する。
【0042】
図10は、前記S413においてユーザが印刷装置111に対しファイル検索依頼を行う際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。この画面は、印刷装置111の画面表示装置304に表示される。図中の801はファイルID入力部位であり、確認ボタン802が押下されると、指定されたIDに対応するファイル検索処理が実行される。
【0043】
図11は、前記S414或いはS417のファイル検索処理に失敗した場合に、その旨をユーザに通知する際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。この画面は、印刷装置111の画面表示装置304に表示される。前記ファイル検索処理に失敗した場合、ユーザは再度ファイル入力部位901にファイルIDを指定し、確認ボタン902を押下することでファイル検索を再実行することが可能である。
【0044】
図12は、前記S414或いはS417においてファイル検索処理に成功した場合の印刷実行画面の一例を示す表示画面図である。
【0045】
図中の1001はファイルIDから特定されたファイルのファイル名称を示し、1002は前記S420で取得したファイルのページ数を示す。1003は前記S421の課金算出処理3で算出したファイルのページ数に応じた印刷代金を示し、1004はデータサイズを示す。1005はデータの保存時間を示し、1006はデータサイズ1004とデータの保存期間1005を基に課金算出処理1或いは課金算出処理2で算出したサービス利用料金を示している。
【0046】
1007は支払額合計を示し、ユーザの支払方法としては、例えば次のようなシステムが考えられる。印刷装置111が持つ課金装置309がコインベンダである場合に、表示エリア1007に表示されている支払額合計にユーザが投入した代金が満たない場合は印刷できないようにする等のシステムが考えられる。
【0047】
<課金算出方法>
次に、サービス利用料金として、例えばファイル保存に関して料金を徴収する場合に、その課金算出方法の一例を説明する。
【0048】
本実施の形態では、印刷サーバ104或いは印刷装置112に保存されている画像データのファイルサイズ及び保存期間に応じた額を課金情報に反映することを特徴としている。印刷装置111に印刷ファイルが保存されている場合の課金算出処理1は、例えば次のように設定する。
【0049】
サービス利用料金[単位:円]=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数)
補助記憶装置303に保存されているファイル情報から、ユーザが指定したファイルを特定し、そのファイルサイズを取得する。また、ファイル保存期間は、ファイル情報から受付日時を取得し、これを現在時刻から減算することで算出する。例えばファイルサイズが10Mバイトで、ファイル保存時間が10時間、任意係数が1の場合には、
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1=100(円)
と計算することができる。上記係数はシステムによって任意に設定可能である。
【0050】
印刷サーバに印刷ファイルが保存されている場合、前記課金算出処理1に加え、さらにユーザが指定した印刷可能な印刷拠点の数に応じて算出する課金算出処理2を実行する。
【0051】
例えば、
サービス利用料金=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数)×(拠点数任意係数)
拠点数任意係数=1+((拠点数−1)×m) 但し、mは任意
と設定する。ここで、拠点数任意係数とは、ユーザが指定した拠点数の増加に応じて、サービス料金を上げるための係数である。拠点数が1の場合は、前記課金算出処理1の算出結果と同じ額を徴収できる算出式とする算出方法が望ましいと考えられる。上記例では、拠点数任意係数は、拠点数の増加に応じて、図13に示すような値になる。
【0052】
ファイルサイズ及びファイル保存期間は、課金算出処理1と同様に、補助記憶装置203に保存されているファイル情報から取得可能である。ファイルサイズが10Mバイト、ファイル保存期間が10時間、任意係数が1、印刷拠点数が3の場合には、サービス利用料金は次のようになる。
【0053】
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1×1.4=140(円)
なお、前記課金算出方法1及び課金算出方法2は、ファイルサイズとファイル保存期間を積分した情報を基に課金する計算式の一例であり、他の計算式であっても良い。また、サービス料金が一定以下の場合には、ユーザに料金を課さないシステムであっても良い。
【0054】
前記課金算出処理1及び課金算出処理2では、サービス料金算出に用いるファイル保存期間の単位として「時間」を使用しているが、この単位は「日数」や「週数」或いは「月数」等の任意の単位であっても良いことは言うまでもない。
【0055】
本実施の形態では、上記課金算出方法1及び課金算出方法2で算出したサービス利用料金の他に、印刷枚数に応じた課金も行う。印刷枚数に応じた課金算出処理3は例えば、図14に示すような印刷サイズに応じた料金設定をシステムが持つことで算出可能である。例えば、図9のS420の解析処理において、印刷データが「A4×10枚」であることを取得した場合、印刷料金は
印刷料金=10×10=100円
となる。
【0056】
<第1の実施の形態の利点>
本実施の形態に係る印刷システムは、インターネットを使用した印刷システムのストレージにファイルをアップロードし、そのファイルの印刷を1以上の任意の印刷拠点から実行することが可能となる。また、ユーザが指定した印刷拠点の数に応じた課金、ファイルサイズとファイル保存期間の積分値に応じた課金を行うことができる。さらに、前記積分値に応じた課金額が一定以下の値の場合には、サービス使用料金を割り引くことも可能である。その場合、ユーザは印刷枚数に応じた料金のみを支払うことで所望の印刷結果を得ることも可能になる。
【0057】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、少なくとも一人以上のユーザが、画像入力拠点に設置された画像入力装置を使用して画像データを読み取り、その画像データを画像入力装置或いは画像入力サーバに保存する。さらに、ユーザは、画像入力装置或いは画像入力サーバに保存された画像データを、インターネットを介してクライアントPCによって取得する。また、システムの利用に際しては、画像データを保存するためのサービス利用料金として、画像データのサイズと保持期間に応じた課金管理を行う。これにより、ユーザは使用した量に応じた適切な支払いが可能となる。
【0058】
<本実施の形態のシステム構成>
本実施の形態では、図1の構成におけるネットワークシステムを画像入力システムとして使用し、ネットワーク上の画像入力用の拠点として、画像入力拠点163及び164の2つを想定している。さらに多数の画像入力拠点が存在する場合でも本発明は適用可能である。サーバ拠点162は、少なくとも本実施の形態で使用する画像入力サーバ104を備えている。上記第1の実施の形態では、サーバ104を印刷サーバとして構成したが、本実施の形態では、画像入力サーバとして構成する。
【0059】
画像入力サーバ104は、インターネット141を介してクライアントPCと接続可能な機能を有する。また、画像入力サーバ104はインターネット142を介し、特定の画像入力装置(例えば112や114)と通信する機能を有する。また、画像入力サーバ104は必要に応じてデータベース105や認証サーバなど他のシステムと連携可能であるが、これらを必要とするシステムでなくても本発明は適用可能である。画像入力拠点163及び164はそれぞれ少なくとも1台以上の画像入力装置112、114を有する。なお、インターネット141とインターネット142は同一ネットワークであっても良い。
【0060】
画像入力装置112、114は、スキャナやデジカメなどから画像を入力する機能を有し、例えばスキャナ機能、印刷機能、FAX機能等を搭載した複合複写機で構成される。123、124は画像入力拠点に設置されたLANであるが、画像入力拠点に設置された画像入力装置112、114はLANを介さずに直接インターネット142に接続可能であっても良い。
【0061】
<画像入力サービスの選択処理>
本実施の形態で提供される画像入力サービスを使用する場合、ユーザは予め画像入力サーバ104にアカウント作成を行う。画像入力サーバ104には、このアカウント情報を管理する機能が必要となるが、ユーザアカウントに関しては既に設定済みであり、ユーザはこのアカウント情報を使用して画像入力システムにログイン可能であることを前提とする。また、本画像入力システムの使用にあたっては、ユーザはクライアントPCのブラウザ機能を使用して画像入力サーバ104に接続し、画像入力サーバ104が提供するプログラムにより本実施の形態に関わる一連の処理を行うものとする。
【0062】
本画像入力サービスにおいて、ユーザは単一の画像入力拠点からのみ画像入力可能なパターンと、不特定多数の画像入力拠点から入力可能なパターンの何れかを選択することができる。図15は、これらパターンを選択する処理(画像入力サービス選択処理)の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザは画像入力サーバ104にログインする(S1401)。ログイン画面としては第1の実施の形態と同様、例えば図5で示されるログイン画面が用いられる。クライアントPCは、ログイン画面を介して入力されたログイン情報を画像入力サーバ104へ送信する。ユーザがログインすると、画像入力サーバ104は図16で示される処理メニューに関する情報をクライアントPCに送信する。クライアントPCは、画像表示装置204に処理メニューを表示する(S1402)。
【0064】
図16は、画像入力サーバ104が提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。この画面により、ユーザは、例えばエリア1505に表示される候補拠点から任意の画像入力拠点を選択することが可能である。本実施の形態において、ユーザは前記エリア1505で選択した画像入力拠点からのみ画像入力を実行することができる。複数の画像入力拠点が選択された場合は、選択された拠点数に応じて課金額を変更可能なことも本実施の形態の特徴であるが、課金算出方法に関しては後述する。
【0065】
ユーザは、図16に示す画面を用いて画像入力拠点を選択する。クライアントPCは、画面を介して入力された画像入力拠点を画像入力サーバに対して送信する(S1403)。画像入力サーバ104は、ユーザのアカウント情報に関連付けてユーザが指定した画像入力拠点情報を補助記憶装置203等に保存管理する(S1404)。その後、クライアントPCからのログアウト指示を受けて(S1405)、処理を終了する。
【0066】
なお、S1404で保存するアカウント情報及び画像入力拠点情報は、例えば図17で示すような情報となる。本実施の形態では、画像入力サーバ104はこの情報を利用してユーザのアカウント管理、使用可能な画像入力拠点を判別することができるものとする。
【0067】
<画像入力処理>
図18は、ユーザが画像入力拠点から画像入力処理を行う場合の処理概要の一例を示すフローチャートである。
【0068】
ユーザは画像入力拠点163に設置された画像入力装置112を使用して画像入力処理を行うこととする。まず画像入力装置112は、ユーザにより入力されたログイン情報を受け付ける(S1601)。ログインに使用する画面としては、例えば図19に示すようなログイン画面が考えられるが、詳細な説明は省略する。
【0069】
画像入力装置112は、ログイン依頼で通知されたユーザIDやパスワード等を画像入力サーバ104に問い合わせてアカウント情報を確認する(S1602)。ここでユーザIDやパスワードが不正であった場合、画像入力装置は、ユーザに対してログインできなかったことを通知する。また、前述の図17で示されるアカウント情報に記載されている画像入力拠点情報に、ユーザがログイン処理を試みた画像入力拠点が記載されていなかった場合にもログインできないものとする。
【0070】
S1602でログイン可能と判断した場合には、画像入力装置112は、そのメニューを画像表示装置304に表示し、ユーザからの処理を待機する(S1603)。ここでは、例えば画像表示装置304には、図20に示すような画面を表示すると分かり易い。ユーザが原稿を読み取り部308にセットし、図20の画面にある読み取りボタン1902を押下する。これによって、画像入力装置112は、1枚以上の原稿を読み込み、画像データとして処理する(S1604)。
【0071】
その後、画像入力装置112は、受け付けた画像データを一意で特定可能なファイルIDを発行し(S1605)、このファイルIDを使用してファイルを暗号化する(S1606)。そして、画像入力装置112は、暗号化したファイルを補助記憶装置303に保存し(S1607)、ファイルIDを画像表示装置304に表示し(S1608)、ユーザはファイルIDを確認した後、ログアウトする(S1609)。
【0072】
ファイルID確認画面の一例を図21に示す。図中の2001は前記S1605で発行されたファイルIDである。ユーザは、クライアントPCから画像入力サーバ104にこのファイルIDを指定することで、所望する画像データをクライアントPCにダウンロードすることが可能になる。2002は終了ボタンであり、この終了ボタン2002によりS1608で示されるログアウト処理がなされる。
【0073】
図18で説明した処理フローは、ユーザが単一の画像入力拠点からのみの画像入力を指定した場合の処理である。この場合、入力した画像データは画像入力装置112内の補助記憶装置303に保存される。図16の画面で複数の拠点からの画像入力をユーザが選択した場合には、入力した画像データは、画像入力サーバ104の補助記憶装置303に保存される。この場合の処理フローの一例を図22に示す。処理内容は図18の処理フローとほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
図22において、画像入力装置112は、ユーザからログイン情報を受け付ける(S1701)。画像入力装置112は、ログイン依頼で通知されたユーザIDやパスワード等を画像入力サーバ104に問い合わせてアカウント情報を確認する(S1702)。S1702でログイン可能と判断した場合、画像入力装置112は、そのメニューを画像表示装置304に表示し、ユーザからの処理を待機する(S1703)。ユーザが原稿を読み取り部308にセットし、図20の画面にある読み取りボタン1902を押下する。これによって、画像入力装置112は、1枚以上の原稿を読み込む(S1704)。
【0075】
その後、画像入力装置112は、入力された画像データを画像入力サーバ104に転送する(S1705)。そして、画像入力サーバ104は、受け付けた画像データを一意で特定可能なファイルIDを発行し(S1706)、このファイルIDを使用してファイルを暗号化する(S1707)。そして、暗号化したファイルを画像入力装置112の補助記憶装置303に保存する(S1708)。さらに、ファイルIDを画像入力装置112の画像表示装置304に表示し(S1709、S1710)、ユーザはファイルIDを確認した後、ログアウトする(S1711)。
【0076】
<保存済みの画像ファイルを取得する処理>
図23は、画像入力装置112或いは画像入力サーバ104に保存済みの画像ファイルを取得する場合の処理を示すフローチャートである。
【0077】
クライアントPCは、画像入力サーバ104にアクセスし、画像入力サーバ104にログイン情報を送信する(S1801)。画像入力サーバ104は、ユーザのアカウント情報を確認した後、ログイン可能ユーザからのログイン要求であった場合、図24で示されるようなファイル取得用画面に関する情報をクライアントPCに通知する(S1802)。
【0078】
図24において、2105はファイルID指定部位であり、2106は画像取得ボタンである。ユーザがファイルID指定部位2105に、図18のS1608或いは図22のS1710で取得したファイルIDを指定し、画像取得ボタン2106を押下する。その結果、クライアントPCは、画像入力サーバ104に対して、図24の画面を介して入力されたファイルIDを送信する(S1803)。
【0079】
画像入力サーバ104は、受信したファイルIDに対応する画像ファイルを、補助記憶装置303、或いは図17に示すアカウント情報に記載されている画像入力拠点に設置された画像入力装置112の補助記憶装置303から検索する(S1804)。さらに、画像入力サーバは、指定されたファイルIDに対応する画像ファイルを複合化し(S1805)、後述する課金算出処理4によりサービス利用料金を算出し(S1806)、クライアントPCにサービス利用料金などを通知する(S1807)。
【0080】
図25は、クライアントPCにおけるサービス利用料金支払い画面の一例を示す表示画面図である。図25に示す画面には、ファイルID2205,ファイルサイズ2206、ファイル保存時間2207及びサービス利用料金2208が表示されている。また、本実施の形態では、料金支払い方法はクレジットカードを使用して行うこととし、クレジットカード番号入力画面2209も設けている。なお、料金支払い方法は、クレジットカードに限定される必要はない。
【0081】
ここで、決定ボタン2210が押下されると、クライアントPCは、決済処理を実施すべく入力されたクレジットカードの番号を画像入力サーバに対して通知する(S1808)。画像入力サーバは、受信したクレジットカードの番号にて正常に決済処理を完遂できると判定した場合、S1805において複合化した画像ファイルをクライアントPCへ送信する(S1809)。そして、ユーザは画像入力サーバ104が提供する画像入力システムからログアウトして、処理が終了する(S1810)。
【0082】
<課金算出方法>
本実施の形態では、画像入力サーバ104或いは画像入力装置112に保存されている画像データのファイルサイズ及び保存期間に応じた額を課金情報に反映することを特徴としている。以下、本実施の形態に係る課金算出処理4について説明する。
【0083】
本実施の形態に係る課金算出処理4では、サービス利用料金の算出に次式を用いる。
【0084】
サービス利用料金[単位:円]=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数N)×(拠点数任意係数M) 但し、任意係数Nはシステムにより任意
拠点数任意係数M=1+((拠点数−1)×m) 但し、mはシステムにより任意
ここで、拠点数任意係数とは、ユーザが指定した拠点数の増加に応じて、サービス料金を上げるための係数である。例えばmを0.2とした場合の拠点数任意係数は図13に示すような値になる。
【0085】
ファイル管理に関しては、第1の実施の形態で使用したファイル情報(図7(b)参照)と同様である。即ち、少なくともファイル識別ID、ファイル名、受付日時を判断可能な情報が画像入力サーバ104或いは画像入力装置112の補助記憶装置303で管理されているものとする。このファイル情報、及び図17で示されるアカウント情報等からサービス利用料金を算出するために必要な情報を取得することが可能である。例えば、ファイルサイズが10Mバイト、ファイル保存期間が10時間、任意係数が1、印刷拠点数が3の場合には、サービス利用料金は次のようになる。
【0086】
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1×1.4=140(円)
前記課金算出処理4ではサービス料金算出に用いるファイル保存期間の単位として「時間」を使用しているが、この単位は「日数」や「週数」或いは「月数」等の任意の単位であっても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態では画像入力が可能な拠点数に応じて課金額を変更できる課金算出手段を使用しているが、拠点数に依存しない課金算出手段であっても良い。
【0087】
本実施の形態では、図16で示される画面を使用して、ユーザが予め画像入力拠点を設定することが前提であるが、ユーザの使用状況に応じて、画像入力サーバ104が自動でユーザが使用する画像拠点数を流動的に判断可能なシステムでも良い。例えば、ユーザが単一拠点の画像入力装置にのみ画像入力データを保存している状態で、別の画像入力拠点から画像入力を行った場合に、図17のアカウント情報の拠点情報を編集し、課金算出処理4を行う際にその情報を反映する。
【0088】
<第2の実施の形態の利点>
本第2の実施の形態によれば、任意の画像入力拠点で入力した画像データを画像入力装置または画像入力サーバ内の補助記憶装置に保存し、ユーザは自宅などの任意のクライアントPCから画像データを取得することが可能となる。そして、サービス利用料金は、保存した画像データのサイズ及び保存期間の積分値に応じた課金を行うことが可能となる。
【0089】
さらに、ユーザが選択した画像入力可能拠点数に応じて、課金額を変更することが可能となる。また、サービス利用料金が一定額以下の場合には、サービスし容量を割り引く等の対応も可能である。また、サービス提供者は、画像入力拠点の指定数の追加に応じて課金額を増算することも可能となり、利益を高めるための仕組みを実現することが可能となる。
【0090】
このように、画像入力装置或いは画像入力サーバが提供する補助記憶装置を使用して、画像入力処理及び画像データ取得サービスを行う際に、補助記憶装置を使用した量に応じた適切な課金管理が可能となる。これにより、一般のストレージサービスと比較して、ストレージ使用料を節約可能なシステムをユーザに提供することができる。また、システム提供者は、コンビニエンスストアなどの印刷サービスの利用機会増大により、利益を高めることが可能となる。
【0091】
なお、前述した課金算出処理1、課金算出処理2及び課金算出処理4は、ファイルサイズとファイル保存期間を積分した情報を基に課金する計算式の一例であり、他の計算式であっても良い。また、サービス料金が一定以下の場合には、ユーザに料金を課さないシステムであっても良い。
【0092】
なお、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記プログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0093】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0094】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば次のようなものが挙げられる。即ち、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CDROM、CDR、CDRW、DVDROM、DVDRAM、DVDRW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしても良い。
【0095】
また、本発明は、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1中のクライアントPC、印刷サーバ4及びデータベースの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1中の印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る印刷システムの全体処理を示すフローチャートである。
【図5】ログイン画面の一例を示す表示画面図である。
【図6】印刷サーバが提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。
【図7】補助記憶装置に保存するファイル情報の一例を示す図である。
【図8】S427におけるファイルID確認画面の一例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る印刷システムにおいて、任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】前記S413においてユーザが印刷装置111に対しファイル検索依頼を行う際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。
【図11】前記S414或いはS417のファイル検索処理に失敗した場合に、その旨をユーザに通知する際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。
【図12】前記S414或いはS417においてファイル検索処理に成功した場合の印刷実行画面の一例を示す表示画面図である。
【図13】拠点数任意係数の一例を示す図である。
【図14】印刷サイズに応じた料金設定を示す図である。
【図15】画像入力サービス選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】画像入力サーバが提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。
【図17】アカウント情報を示す図である。
【図18】ユーザが画像入力拠点から画像入力処理を行う場合の処理概要の一例を示すフローチャートである。
【図19】ログイン画面を示す図である。
【図20】画像表示装置の読み取り画面を示す表示画面図である。
【図21】ファイルID確認画面の一例を示す表示画面図である。
【図22】第2の実施の形態の処理フローを示すフローチャートである。
【図23】画像入力装置或いは画像入力サーバに保存済みの画像ファイルを取得する場合の処理を示すフローチャートである。
【図24】ファイル取得用画面を示す表示画面図である。
【図25】クライアントPCにおけるサービス利用料金支払い画面の一例を示す表示画面図である。
【符号の説明】
【0097】
161 クライアント拠点
162 サーバ拠点
163,164 印刷拠点
111,113 印刷装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアなどに設置された印刷装置や画像入力装置を利用した印刷システム及び情報処理装置、並びに前記情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンス・ストア(以下コンビニと称す)や文具店等の店舗に設置された印刷装置を使用した印刷サービスが広く普及している。このように店舗に設置された印刷装置を用いて印刷処理を行う場合の課金方法としては、例えば次のような方法が用いられている。
(1)印刷装置に精算機(コインベンダ等)を並設して、この精算機に投入された金額に応じて出力を許可する方法。
(2)店舗で手渡されたカウンタ(計数器)を情報出力装置に接続し、そのカウンタで計数した出力結果によりレジで精算する方法。
(3)手作業で調べた出力結果によりレジで精算する方法。
【0003】
また、コンビニなどの店舗が提供するサービスの一つとして、店舗に設置された印刷装置をインターネット等のネットワークに接続し、この印刷装置を用いてユーザがネットワーク上のサーバから出力用データを取得して印刷するようなサービスが考えられる。このようなサービスは、例えばビジネスユーザが出張先で使う書類を印刷データとしてストレージサーバに保存しておき、この保存した印刷データを、出張先近くのコンビニ等に設置された印刷装置を用いて用紙に印刷する場合などに利用することができる。
【0004】
ストレージサービスの利用にあたっては、契約金額に応じて使用可能データ容量を設定し、そのデータ容量内であればユーザは自由に使用できるものがある。さらには、特定の容量以下の場合には無料で使用を許可し、一定期間が過ぎるとデータが削除されるなどの運用が実施されている。また、課金処理の技術は特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−215368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例で示されるストレージサービスを利用して、契約金額に応じたデータ容量を使用しない場合、不要な出費をユーザが支払うといった問題があった。また、一定容量以下を無料で利用できるシステムの場合、サイズの大きいデータを使用することができなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザがネットワークに接続可能な印刷装置または画像入力装置を使用する場合に、データ使用量に応じた使用料をユーザに課することで適切な課金管理を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するため、地理的に異なる拠点にそれぞれ配置され、ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置を有する印刷システムにおいて、ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがネットワークに接続可能な印刷装置または画像入力装置を使用する場合に、正確なデータ使用量に応じた使用料をユーザに課することで適切な課金管理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【0011】
本実施の形態は、図1に示すネットワークシステムを印刷システムとして使用する。この印刷システムでは、ネットワーク上において、クライアント拠点161、サーバ拠点162、印刷拠点163、及び印刷拠点164の4つの拠点を想定している。クライアント拠点161は、少なくとも1台以上のクライアントPC(ワープロ機器や通信機器を備えたゲーム機等であっても良い)を有している。そして、クライアントPCは、インターネット141に接続するための機能と、サーバ104、印刷装置111或いは印刷装置113に画像データを送信する機能を備えている。
【0012】
本実施の形態において印刷拠点として、拠点163及び164の2つを想定しているが、さらに多数の印刷拠点が存在する場合でも本発明は適用可能である。サーバ拠点162は、少なくとも本実施の形態で使用する印刷サーバ104を有し、印刷サーバ104は、インターネット141を介し特定(或いは不特定)のクライアントPCと接続するための機能を有する。
【0013】
また、印刷サーバ104はインターネット142を介し、特定の印刷装置(例えば111や113)と通信する機能を有する。印刷サーバ104は、必要に応じてデータベース105や認証サーバなど他のシステムと連携可能であるが、これらは必ずしも必要とするシステムでなくても本発明は適用可能である。印刷拠点163及び164はそれぞれ少なくとも1台以上の印刷装置111、113を有する。印刷拠点に設置された印刷装置111,113はネットワークに直接接続可能で、インターネットを介して送信された印刷ジョブを直接処理することができる。なお、インターネット141とインターネット142は同一ネットワークであっても良い。
【0014】
図1において、101はデスクトップPC、102はノートPC、103はワープロ機器である。これら機器101〜103は、上記したクライアントPCに相当するものであり、ブラウザ機能等を有し、印刷サーバ104、印刷装置111及び113に対して、様々なコマンドを発行する通信機器である。ユーザはこのクライアントPCを利用して任意の印刷データを印刷サーバ104にアップロードすることが可能であり、印刷データをアップロードした際に、印刷サーバ104から印刷データを識別するためのIDが発行される。本実施の形態では、印刷装置111、113に印刷データを送信する場合、印刷サーバ104を介して処理を行うこととするが、クライアントPCから直接印刷装置111、113に印刷データを投入可能なシステムであっても良い。
【0015】
印刷サーバ104はインターネット通信網に接続可能な機能を有し、クライアントPCとの接続管理を行う。DB(データベース)105は印刷サーバ104と連携し、様々なリソース(ユーザアカウント情報、ユーザからアップロードされた印刷原稿データ、或いは印刷拠点情報等)を一時保管する。DBが存在しないシステムの場合には、印刷サーバ104がDB機能を有することも可能である。
【0016】
印刷装置111、113は、入力したデータを印刷処理する機能を有する。123、124は印刷拠点に設置されたLANであるが、印刷拠点に設置された印刷装置111、113はLANを介さずに直接インターネット142に接続可能であっても良い。通常、LANとインターネットの接続には、ゲートウェイやファイアウォール、ルータを介して行われる。
【0017】
<PCの内部構成>
図2は、図1中のクライアントPC、印刷サーバ104及びデータベース105の内部構成を示すブロック図である。
【0018】
図2中の201は装置全体の動作を制御するCPUであり、202はCPU201のワークエリアを提供するRAMである。203は本実施の形態における通信プログラムを提供するハードディスク(補助記憶装置:フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等でも良い)である。204はPC使用者にメッセージを通知する目的で使用される画像表示装置(具体的にはCRTディスプレイ、DSTN液晶ディスプレイ等)である。205は、ユーザのコマンドを入力するユーザコマンド入力装置(具体的にはマウス、キーボード等)である。206はLAN220を介して他の情報機器とデータをやり取りするためのネットワークインタフェースカード(NIC)である。209はメインバスである。なお、本実施の形態においては、LAN220は図1におけるLAN121と同じものである。
【0019】
<印刷装置の内部構成>
図3は、図1中の印刷装置111、113の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
図3において301は、クライアントPCなどから受信した印字データを解釈し、印字制御やフィニッシング制御をコントロールするCPUである。302はCPU301のワークエリアの提供、印字データの一時保管を行うためのRAMである。303は印字データの一時保管や、CPU301の判断により、RAM302の変わりに用いられる補助記憶装置(具体的にはハードディスク、CD−ROM等)である。304はタッチパネル等の画像表示装置であって、プリンタ装置の状態やエラーメッセージ等を表示する場合に用いることができる。
【0021】
305はユーザコマンド入力装置(タッチパネル等)であって、コピー部数の指定や、拡大指定、印刷キャンセルをユーザが手動で行うためのものである。306はLAN320を介して、ネットワーク機器と双方向にデータをやり取りするためのNIC(Network Interface Card)である。304、305は単一のUIとして用いることも可能である。
【0022】
307はクライアントPCなどから投入された印字データを実際に用紙に出力するための印字制御装置である。308は原稿上の画像を読み取って、白黒2値(カラーでも良い)のイメージデータを出力する画像読み取り部である。なお、本実施の形態においては、LAN320は図1におけるLAN123、124と同じものである。なお、印刷装置111、113には画像読み取り部308は必要ないが、コンビニ等の用途では印刷装置は複合機として1台の情報機器から形成されることが多いので、説明簡略のため、同一図を用いて説明している。
【0023】
<画像データを送信するまでの処理>
上記構成において、少なくとも一人以上のユーザがインターネットを介し、印刷サーバ104に画像データを送信し、その印刷サーバ104に保持された画像データを印刷装置111,113によって印刷処理する。そして、その際に、画像データのデータ量と保持期間を積分した情報を基に課金管理を行う。このような本実施の形態に特有な処理について、以下、図4〜図13を参照して詳細に説明する。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷システムの全体処理を示すフローチャートである。
【0025】
本実施の形態で提供される印刷サービスを使用する場合、ユーザは予め印刷サーバ104にアカウント作成をし、印刷サーバ104にはこのアカウント情報を管理する機能が必要となる。ユーザアカウントに関しては既に設定済みであり、ユーザはこのアカウント情報を使用して印刷システムにログイン可能であることを前提とする。また、印刷データの入稿において、ユーザはクライアントPCのブラウザ機能を使用して印刷サーバ104に接続し、印刷サーバ104が提供するプログラムにより入稿処理が管理されるものとする。
【0026】
まず、ユーザは印刷システムにログインする(S401)。図5は、ログイン画面の一例を示す表示画面図である。図5において、501〜504は一般的なブラウザのメニュー、URL入力ボックス等を表している。ログインIDをエリア505に入力し、パスワードをエリア506に入力して、ログインボタン507を押下すると、ブラウザは印刷サーバ104にログイン情報を送信する。印刷サーバ104は受信したログイン情報と前記アカウント情報とを比較し、ログイン情報が既存のアカウント情報に合致する場合にはログインを許可し、合致しない場合にはログインを許可しない。
【0027】
図4のS401において、ログインが成功すると、印刷サーバ104はクライアントPCにメニュー情報を送付し、クライアントPCのブラウザには図6で示されるメニュー画面が表示される(S402)。
【0028】
図6は、印刷サーバ104が提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。図中の601〜604は一般的なブラウザのメニューやURL入力ボックス等を表している。606はアップロードするファイル選択機能を実行するためのボタンである。ボタン606を押下すると、クライアントPC内のファイル選択画面が表示され、ファイル選択画面でファイルを選択すると、入力エリア605で入力したファイルパスが表示される。ボタン608は印刷を行う印刷拠点を示すメニューであり、複数の印刷拠点を選択することが可能である。
【0029】
本実施の形態では、単一の印刷拠点を選択した場合には、データは指定された印刷拠点の印刷装置の補助記憶装置303に保存されることとし、複数の印刷拠点を選択した場合には、データは印刷サーバ104の補助記憶装置203に保存されるものとする。本実施の形態は、複数の印刷拠点が選択された場合は、後述の課金算出処理2により、指定された印刷拠点数に応じて課金額を加算することを特徴とする。図6の例の場合では、印刷拠点1のみ印刷先として指定されているので、印刷データは例えば印刷拠点163に設置された印刷装置111の補助記憶装置303に保存される。なお、ユーザが指定した印刷拠点以外から印刷要求があった場合、本実施の形態で実施するシステムはエラーとして処理することが可能である。
【0030】
図6で示す処理メニューでユーザは印刷データを指定し(S403)、さらに印刷拠点を指定し(S404)、アップロードボタン607を押下すると、指定されたファイルが印刷サーバ104にアップロードされる(S405)。印刷データがアップロードされると、印刷サーバ104は、ファイルを一意に特定するためのファイル識別IDを発行する(S406)。このファイル識別IDを使用してファイルを暗号化し(S407)、ユーザが指定した印刷拠点数を判断し(S408)、指定された印刷拠点が複数の場合には、印刷サーバ104内の補助記憶装置203に印刷データとファイルIDが保存される(S409)。
【0031】
印刷データの保存に際しては、印刷データ、ファイルID、及び指定拠点情報が分かるような情報を印刷サーバ104は管理する必要がある。本実施の形態では例えば図7(a)に示すような情報が補助記憶装置203に保存されているものとする。図7(a)の例では、ファイル識別ID、ファイル名、受付日時、指定印刷拠点ID、及び指定印刷拠点数の各ファイル情報が示されている。印刷サーバ104は、任意のタイミングで、このファイル情報を参照することが可能である。
【0032】
S408の判断で、指定された印刷拠点が一つの場合には、指定された印刷拠点の印刷装置に印刷データ及びファイル識別IDを送信する(S410)。印刷データを受け付けると、印刷装置は補助記憶装置303にデータと図7(b)で示されるファイル情報とを保存する(S411)。
【0033】
図7(b)は、印刷装置の補助記憶装置303に保存するファイル情報の一例を示す図である。図7(b)の例では、ファイル情報は、少なくとも、ファイル識別ID、ファイル名、及び受付日時の情報を有するものとする。本実施の形態による印刷システムは、このファイル情報を基に、入稿されたファイルを特定可能とし、さらに、ファイルの受付日時の把握が可能となっている。これら一連のファイル入稿処理が終了すると、印刷サーバ104はクライアントPCに対し、入稿されたファイルを一意に特定するためのファイルIDを通知する(S426)。そして、ユーザは通知されたファイルIDを画面で確認し(S427)、システムからログアウトする(S412)。
【0034】
前記S427におけるファイルID確認画面の一例を図8に示す。図8において、701〜704は、一般的なブラウザのメニューやURL入力ボックス等を表している。705は図4のS406において発行されたファイルIDを示しており、ユーザは印刷拠点の印刷装置からこのIDを指定することで、S405で入稿したファイルの印刷を開始することができる。706は終了ボタンでこのボタンを押下すると、ユーザはシステムからログアウトする。
【0035】
<任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理>
次に、ユーザが任意の印刷拠点、例えば印刷拠点163に設置された印刷装置111を使用して印刷を行う場合の処理について、図9〜図12を参照して説明する。
【0036】
図9は、第1の実施の形態に係る印刷システムにおいて、任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【0037】
図9において、ユーザは印刷装置111に前記ファイルIDを指定してファイル検索依頼を行う(S413)。ファイル検索依頼を受け付けると、印刷装置111は指定されたファイルIDを基にファイルを検索する(S414)。
【0038】
印刷装置内の補助記憶装置303に、指定されたファイルが存在するかを確認し、ファイルが存在していた場合、印刷装置111は、後述の課金算出処理1の手順により課金額を算出する(S415)。S414においてファイルが存在しない場合には、印刷装置111は印刷サーバ104に対し、ファイルIDを通知すると共にファイル検索依頼を行う(S416)。
【0039】
印刷サーバ104は、指定されたファイルIDを基にファイルを検索する(S417)。ファイルが存在していた場合、印刷サーバ104は、後述の課金算出処理2の手順により課金額を算出する(S418)。S417のファイル検索においてファイルが存在しなかった場合には、印刷サーバ104は印刷装置111に対しその旨通知する(S419)。また、S417のファイル検索においてファイルは存在したが、印刷拠点163で処理不可能な場合、印刷サーバは、その旨を通知する(S419)。ここで処理不可能の判断は、図7(a)に保存されているファイル情報から指定されている印刷拠点IDを参照し、対象となる印刷拠点を指定していない場合等が該当する。
【0040】
S417のファイル検索において、ファイルが存在し且つ印刷拠点163で印刷可能であった場合には、印刷サーバ104は印刷装置111に対し、その旨を通知すると共にS418にて算出された課金額を通知する。さらに、印刷サーバ104は、指定されたファイルIDから特定されるファイルを送信する(S419)。
【0041】
印刷装置はS419においてファイルを取得すると、さらに印刷データを解析して(S420)印刷枚数情報を取得し、印刷枚数に応じた額を課金算出処理3の手順により算出する(S421)。そして、印刷装置は、S415或いはS418で算出した課金額と、S421で算出した課金額をユーザのクライアントPCに通知する(S422)。ユーザは課金額を確認した後、その課金額をコインベンダ等の課金装置309に投入すると共に印刷装置111に対し印刷要求を行う。印刷装置111は、印刷要求を受けると(S423)、ファイルIDを基にファイルを複合化し(S424)、印刷処理を行い(S425)、処理を終了する。
【0042】
図10は、前記S413においてユーザが印刷装置111に対しファイル検索依頼を行う際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。この画面は、印刷装置111の画面表示装置304に表示される。図中の801はファイルID入力部位であり、確認ボタン802が押下されると、指定されたIDに対応するファイル検索処理が実行される。
【0043】
図11は、前記S414或いはS417のファイル検索処理に失敗した場合に、その旨をユーザに通知する際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。この画面は、印刷装置111の画面表示装置304に表示される。前記ファイル検索処理に失敗した場合、ユーザは再度ファイル入力部位901にファイルIDを指定し、確認ボタン902を押下することでファイル検索を再実行することが可能である。
【0044】
図12は、前記S414或いはS417においてファイル検索処理に成功した場合の印刷実行画面の一例を示す表示画面図である。
【0045】
図中の1001はファイルIDから特定されたファイルのファイル名称を示し、1002は前記S420で取得したファイルのページ数を示す。1003は前記S421の課金算出処理3で算出したファイルのページ数に応じた印刷代金を示し、1004はデータサイズを示す。1005はデータの保存時間を示し、1006はデータサイズ1004とデータの保存期間1005を基に課金算出処理1或いは課金算出処理2で算出したサービス利用料金を示している。
【0046】
1007は支払額合計を示し、ユーザの支払方法としては、例えば次のようなシステムが考えられる。印刷装置111が持つ課金装置309がコインベンダである場合に、表示エリア1007に表示されている支払額合計にユーザが投入した代金が満たない場合は印刷できないようにする等のシステムが考えられる。
【0047】
<課金算出方法>
次に、サービス利用料金として、例えばファイル保存に関して料金を徴収する場合に、その課金算出方法の一例を説明する。
【0048】
本実施の形態では、印刷サーバ104或いは印刷装置112に保存されている画像データのファイルサイズ及び保存期間に応じた額を課金情報に反映することを特徴としている。印刷装置111に印刷ファイルが保存されている場合の課金算出処理1は、例えば次のように設定する。
【0049】
サービス利用料金[単位:円]=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数)
補助記憶装置303に保存されているファイル情報から、ユーザが指定したファイルを特定し、そのファイルサイズを取得する。また、ファイル保存期間は、ファイル情報から受付日時を取得し、これを現在時刻から減算することで算出する。例えばファイルサイズが10Mバイトで、ファイル保存時間が10時間、任意係数が1の場合には、
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1=100(円)
と計算することができる。上記係数はシステムによって任意に設定可能である。
【0050】
印刷サーバに印刷ファイルが保存されている場合、前記課金算出処理1に加え、さらにユーザが指定した印刷可能な印刷拠点の数に応じて算出する課金算出処理2を実行する。
【0051】
例えば、
サービス利用料金=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数)×(拠点数任意係数)
拠点数任意係数=1+((拠点数−1)×m) 但し、mは任意
と設定する。ここで、拠点数任意係数とは、ユーザが指定した拠点数の増加に応じて、サービス料金を上げるための係数である。拠点数が1の場合は、前記課金算出処理1の算出結果と同じ額を徴収できる算出式とする算出方法が望ましいと考えられる。上記例では、拠点数任意係数は、拠点数の増加に応じて、図13に示すような値になる。
【0052】
ファイルサイズ及びファイル保存期間は、課金算出処理1と同様に、補助記憶装置203に保存されているファイル情報から取得可能である。ファイルサイズが10Mバイト、ファイル保存期間が10時間、任意係数が1、印刷拠点数が3の場合には、サービス利用料金は次のようになる。
【0053】
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1×1.4=140(円)
なお、前記課金算出方法1及び課金算出方法2は、ファイルサイズとファイル保存期間を積分した情報を基に課金する計算式の一例であり、他の計算式であっても良い。また、サービス料金が一定以下の場合には、ユーザに料金を課さないシステムであっても良い。
【0054】
前記課金算出処理1及び課金算出処理2では、サービス料金算出に用いるファイル保存期間の単位として「時間」を使用しているが、この単位は「日数」や「週数」或いは「月数」等の任意の単位であっても良いことは言うまでもない。
【0055】
本実施の形態では、上記課金算出方法1及び課金算出方法2で算出したサービス利用料金の他に、印刷枚数に応じた課金も行う。印刷枚数に応じた課金算出処理3は例えば、図14に示すような印刷サイズに応じた料金設定をシステムが持つことで算出可能である。例えば、図9のS420の解析処理において、印刷データが「A4×10枚」であることを取得した場合、印刷料金は
印刷料金=10×10=100円
となる。
【0056】
<第1の実施の形態の利点>
本実施の形態に係る印刷システムは、インターネットを使用した印刷システムのストレージにファイルをアップロードし、そのファイルの印刷を1以上の任意の印刷拠点から実行することが可能となる。また、ユーザが指定した印刷拠点の数に応じた課金、ファイルサイズとファイル保存期間の積分値に応じた課金を行うことができる。さらに、前記積分値に応じた課金額が一定以下の値の場合には、サービス使用料金を割り引くことも可能である。その場合、ユーザは印刷枚数に応じた料金のみを支払うことで所望の印刷結果を得ることも可能になる。
【0057】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、少なくとも一人以上のユーザが、画像入力拠点に設置された画像入力装置を使用して画像データを読み取り、その画像データを画像入力装置或いは画像入力サーバに保存する。さらに、ユーザは、画像入力装置或いは画像入力サーバに保存された画像データを、インターネットを介してクライアントPCによって取得する。また、システムの利用に際しては、画像データを保存するためのサービス利用料金として、画像データのサイズと保持期間に応じた課金管理を行う。これにより、ユーザは使用した量に応じた適切な支払いが可能となる。
【0058】
<本実施の形態のシステム構成>
本実施の形態では、図1の構成におけるネットワークシステムを画像入力システムとして使用し、ネットワーク上の画像入力用の拠点として、画像入力拠点163及び164の2つを想定している。さらに多数の画像入力拠点が存在する場合でも本発明は適用可能である。サーバ拠点162は、少なくとも本実施の形態で使用する画像入力サーバ104を備えている。上記第1の実施の形態では、サーバ104を印刷サーバとして構成したが、本実施の形態では、画像入力サーバとして構成する。
【0059】
画像入力サーバ104は、インターネット141を介してクライアントPCと接続可能な機能を有する。また、画像入力サーバ104はインターネット142を介し、特定の画像入力装置(例えば112や114)と通信する機能を有する。また、画像入力サーバ104は必要に応じてデータベース105や認証サーバなど他のシステムと連携可能であるが、これらを必要とするシステムでなくても本発明は適用可能である。画像入力拠点163及び164はそれぞれ少なくとも1台以上の画像入力装置112、114を有する。なお、インターネット141とインターネット142は同一ネットワークであっても良い。
【0060】
画像入力装置112、114は、スキャナやデジカメなどから画像を入力する機能を有し、例えばスキャナ機能、印刷機能、FAX機能等を搭載した複合複写機で構成される。123、124は画像入力拠点に設置されたLANであるが、画像入力拠点に設置された画像入力装置112、114はLANを介さずに直接インターネット142に接続可能であっても良い。
【0061】
<画像入力サービスの選択処理>
本実施の形態で提供される画像入力サービスを使用する場合、ユーザは予め画像入力サーバ104にアカウント作成を行う。画像入力サーバ104には、このアカウント情報を管理する機能が必要となるが、ユーザアカウントに関しては既に設定済みであり、ユーザはこのアカウント情報を使用して画像入力システムにログイン可能であることを前提とする。また、本画像入力システムの使用にあたっては、ユーザはクライアントPCのブラウザ機能を使用して画像入力サーバ104に接続し、画像入力サーバ104が提供するプログラムにより本実施の形態に関わる一連の処理を行うものとする。
【0062】
本画像入力サービスにおいて、ユーザは単一の画像入力拠点からのみ画像入力可能なパターンと、不特定多数の画像入力拠点から入力可能なパターンの何れかを選択することができる。図15は、これらパターンを選択する処理(画像入力サービス選択処理)の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザは画像入力サーバ104にログインする(S1401)。ログイン画面としては第1の実施の形態と同様、例えば図5で示されるログイン画面が用いられる。クライアントPCは、ログイン画面を介して入力されたログイン情報を画像入力サーバ104へ送信する。ユーザがログインすると、画像入力サーバ104は図16で示される処理メニューに関する情報をクライアントPCに送信する。クライアントPCは、画像表示装置204に処理メニューを表示する(S1402)。
【0064】
図16は、画像入力サーバ104が提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。この画面により、ユーザは、例えばエリア1505に表示される候補拠点から任意の画像入力拠点を選択することが可能である。本実施の形態において、ユーザは前記エリア1505で選択した画像入力拠点からのみ画像入力を実行することができる。複数の画像入力拠点が選択された場合は、選択された拠点数に応じて課金額を変更可能なことも本実施の形態の特徴であるが、課金算出方法に関しては後述する。
【0065】
ユーザは、図16に示す画面を用いて画像入力拠点を選択する。クライアントPCは、画面を介して入力された画像入力拠点を画像入力サーバに対して送信する(S1403)。画像入力サーバ104は、ユーザのアカウント情報に関連付けてユーザが指定した画像入力拠点情報を補助記憶装置203等に保存管理する(S1404)。その後、クライアントPCからのログアウト指示を受けて(S1405)、処理を終了する。
【0066】
なお、S1404で保存するアカウント情報及び画像入力拠点情報は、例えば図17で示すような情報となる。本実施の形態では、画像入力サーバ104はこの情報を利用してユーザのアカウント管理、使用可能な画像入力拠点を判別することができるものとする。
【0067】
<画像入力処理>
図18は、ユーザが画像入力拠点から画像入力処理を行う場合の処理概要の一例を示すフローチャートである。
【0068】
ユーザは画像入力拠点163に設置された画像入力装置112を使用して画像入力処理を行うこととする。まず画像入力装置112は、ユーザにより入力されたログイン情報を受け付ける(S1601)。ログインに使用する画面としては、例えば図19に示すようなログイン画面が考えられるが、詳細な説明は省略する。
【0069】
画像入力装置112は、ログイン依頼で通知されたユーザIDやパスワード等を画像入力サーバ104に問い合わせてアカウント情報を確認する(S1602)。ここでユーザIDやパスワードが不正であった場合、画像入力装置は、ユーザに対してログインできなかったことを通知する。また、前述の図17で示されるアカウント情報に記載されている画像入力拠点情報に、ユーザがログイン処理を試みた画像入力拠点が記載されていなかった場合にもログインできないものとする。
【0070】
S1602でログイン可能と判断した場合には、画像入力装置112は、そのメニューを画像表示装置304に表示し、ユーザからの処理を待機する(S1603)。ここでは、例えば画像表示装置304には、図20に示すような画面を表示すると分かり易い。ユーザが原稿を読み取り部308にセットし、図20の画面にある読み取りボタン1902を押下する。これによって、画像入力装置112は、1枚以上の原稿を読み込み、画像データとして処理する(S1604)。
【0071】
その後、画像入力装置112は、受け付けた画像データを一意で特定可能なファイルIDを発行し(S1605)、このファイルIDを使用してファイルを暗号化する(S1606)。そして、画像入力装置112は、暗号化したファイルを補助記憶装置303に保存し(S1607)、ファイルIDを画像表示装置304に表示し(S1608)、ユーザはファイルIDを確認した後、ログアウトする(S1609)。
【0072】
ファイルID確認画面の一例を図21に示す。図中の2001は前記S1605で発行されたファイルIDである。ユーザは、クライアントPCから画像入力サーバ104にこのファイルIDを指定することで、所望する画像データをクライアントPCにダウンロードすることが可能になる。2002は終了ボタンであり、この終了ボタン2002によりS1608で示されるログアウト処理がなされる。
【0073】
図18で説明した処理フローは、ユーザが単一の画像入力拠点からのみの画像入力を指定した場合の処理である。この場合、入力した画像データは画像入力装置112内の補助記憶装置303に保存される。図16の画面で複数の拠点からの画像入力をユーザが選択した場合には、入力した画像データは、画像入力サーバ104の補助記憶装置303に保存される。この場合の処理フローの一例を図22に示す。処理内容は図18の処理フローとほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
図22において、画像入力装置112は、ユーザからログイン情報を受け付ける(S1701)。画像入力装置112は、ログイン依頼で通知されたユーザIDやパスワード等を画像入力サーバ104に問い合わせてアカウント情報を確認する(S1702)。S1702でログイン可能と判断した場合、画像入力装置112は、そのメニューを画像表示装置304に表示し、ユーザからの処理を待機する(S1703)。ユーザが原稿を読み取り部308にセットし、図20の画面にある読み取りボタン1902を押下する。これによって、画像入力装置112は、1枚以上の原稿を読み込む(S1704)。
【0075】
その後、画像入力装置112は、入力された画像データを画像入力サーバ104に転送する(S1705)。そして、画像入力サーバ104は、受け付けた画像データを一意で特定可能なファイルIDを発行し(S1706)、このファイルIDを使用してファイルを暗号化する(S1707)。そして、暗号化したファイルを画像入力装置112の補助記憶装置303に保存する(S1708)。さらに、ファイルIDを画像入力装置112の画像表示装置304に表示し(S1709、S1710)、ユーザはファイルIDを確認した後、ログアウトする(S1711)。
【0076】
<保存済みの画像ファイルを取得する処理>
図23は、画像入力装置112或いは画像入力サーバ104に保存済みの画像ファイルを取得する場合の処理を示すフローチャートである。
【0077】
クライアントPCは、画像入力サーバ104にアクセスし、画像入力サーバ104にログイン情報を送信する(S1801)。画像入力サーバ104は、ユーザのアカウント情報を確認した後、ログイン可能ユーザからのログイン要求であった場合、図24で示されるようなファイル取得用画面に関する情報をクライアントPCに通知する(S1802)。
【0078】
図24において、2105はファイルID指定部位であり、2106は画像取得ボタンである。ユーザがファイルID指定部位2105に、図18のS1608或いは図22のS1710で取得したファイルIDを指定し、画像取得ボタン2106を押下する。その結果、クライアントPCは、画像入力サーバ104に対して、図24の画面を介して入力されたファイルIDを送信する(S1803)。
【0079】
画像入力サーバ104は、受信したファイルIDに対応する画像ファイルを、補助記憶装置303、或いは図17に示すアカウント情報に記載されている画像入力拠点に設置された画像入力装置112の補助記憶装置303から検索する(S1804)。さらに、画像入力サーバは、指定されたファイルIDに対応する画像ファイルを複合化し(S1805)、後述する課金算出処理4によりサービス利用料金を算出し(S1806)、クライアントPCにサービス利用料金などを通知する(S1807)。
【0080】
図25は、クライアントPCにおけるサービス利用料金支払い画面の一例を示す表示画面図である。図25に示す画面には、ファイルID2205,ファイルサイズ2206、ファイル保存時間2207及びサービス利用料金2208が表示されている。また、本実施の形態では、料金支払い方法はクレジットカードを使用して行うこととし、クレジットカード番号入力画面2209も設けている。なお、料金支払い方法は、クレジットカードに限定される必要はない。
【0081】
ここで、決定ボタン2210が押下されると、クライアントPCは、決済処理を実施すべく入力されたクレジットカードの番号を画像入力サーバに対して通知する(S1808)。画像入力サーバは、受信したクレジットカードの番号にて正常に決済処理を完遂できると判定した場合、S1805において複合化した画像ファイルをクライアントPCへ送信する(S1809)。そして、ユーザは画像入力サーバ104が提供する画像入力システムからログアウトして、処理が終了する(S1810)。
【0082】
<課金算出方法>
本実施の形態では、画像入力サーバ104或いは画像入力装置112に保存されている画像データのファイルサイズ及び保存期間に応じた額を課金情報に反映することを特徴としている。以下、本実施の形態に係る課金算出処理4について説明する。
【0083】
本実施の形態に係る課金算出処理4では、サービス利用料金の算出に次式を用いる。
【0084】
サービス利用料金[単位:円]=(ファイルサイズ)×(ファイル保存期間)×(任意係数N)×(拠点数任意係数M) 但し、任意係数Nはシステムにより任意
拠点数任意係数M=1+((拠点数−1)×m) 但し、mはシステムにより任意
ここで、拠点数任意係数とは、ユーザが指定した拠点数の増加に応じて、サービス料金を上げるための係数である。例えばmを0.2とした場合の拠点数任意係数は図13に示すような値になる。
【0085】
ファイル管理に関しては、第1の実施の形態で使用したファイル情報(図7(b)参照)と同様である。即ち、少なくともファイル識別ID、ファイル名、受付日時を判断可能な情報が画像入力サーバ104或いは画像入力装置112の補助記憶装置303で管理されているものとする。このファイル情報、及び図17で示されるアカウント情報等からサービス利用料金を算出するために必要な情報を取得することが可能である。例えば、ファイルサイズが10Mバイト、ファイル保存期間が10時間、任意係数が1、印刷拠点数が3の場合には、サービス利用料金は次のようになる。
【0086】
サービス利用料金=10(Mバイト)×10(時間)×1×1.4=140(円)
前記課金算出処理4ではサービス料金算出に用いるファイル保存期間の単位として「時間」を使用しているが、この単位は「日数」や「週数」或いは「月数」等の任意の単位であっても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態では画像入力が可能な拠点数に応じて課金額を変更できる課金算出手段を使用しているが、拠点数に依存しない課金算出手段であっても良い。
【0087】
本実施の形態では、図16で示される画面を使用して、ユーザが予め画像入力拠点を設定することが前提であるが、ユーザの使用状況に応じて、画像入力サーバ104が自動でユーザが使用する画像拠点数を流動的に判断可能なシステムでも良い。例えば、ユーザが単一拠点の画像入力装置にのみ画像入力データを保存している状態で、別の画像入力拠点から画像入力を行った場合に、図17のアカウント情報の拠点情報を編集し、課金算出処理4を行う際にその情報を反映する。
【0088】
<第2の実施の形態の利点>
本第2の実施の形態によれば、任意の画像入力拠点で入力した画像データを画像入力装置または画像入力サーバ内の補助記憶装置に保存し、ユーザは自宅などの任意のクライアントPCから画像データを取得することが可能となる。そして、サービス利用料金は、保存した画像データのサイズ及び保存期間の積分値に応じた課金を行うことが可能となる。
【0089】
さらに、ユーザが選択した画像入力可能拠点数に応じて、課金額を変更することが可能となる。また、サービス利用料金が一定額以下の場合には、サービスし容量を割り引く等の対応も可能である。また、サービス提供者は、画像入力拠点の指定数の追加に応じて課金額を増算することも可能となり、利益を高めるための仕組みを実現することが可能となる。
【0090】
このように、画像入力装置或いは画像入力サーバが提供する補助記憶装置を使用して、画像入力処理及び画像データ取得サービスを行う際に、補助記憶装置を使用した量に応じた適切な課金管理が可能となる。これにより、一般のストレージサービスと比較して、ストレージ使用料を節約可能なシステムをユーザに提供することができる。また、システム提供者は、コンビニエンスストアなどの印刷サービスの利用機会増大により、利益を高めることが可能となる。
【0091】
なお、前述した課金算出処理1、課金算出処理2及び課金算出処理4は、ファイルサイズとファイル保存期間を積分した情報を基に課金する計算式の一例であり、他の計算式であっても良い。また、サービス料金が一定以下の場合には、ユーザに料金を課さないシステムであっても良い。
【0092】
なお、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記プログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0093】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0094】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば次のようなものが挙げられる。即ち、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CDROM、CDR、CDRW、DVDROM、DVDRAM、DVDRW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしても良い。
【0095】
また、本発明は、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1中のクライアントPC、印刷サーバ4及びデータベースの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1中の印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る印刷システムの全体処理を示すフローチャートである。
【図5】ログイン画面の一例を示す表示画面図である。
【図6】印刷サーバが提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。
【図7】補助記憶装置に保存するファイル情報の一例を示す図である。
【図8】S427におけるファイルID確認画面の一例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る印刷システムにおいて、任意の印刷拠点で印刷を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】前記S413においてユーザが印刷装置111に対しファイル検索依頼を行う際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。
【図11】前記S414或いはS417のファイル検索処理に失敗した場合に、その旨をユーザに通知する際に使用する画面の一例を示す表示画面図である。
【図12】前記S414或いはS417においてファイル検索処理に成功した場合の印刷実行画面の一例を示す表示画面図である。
【図13】拠点数任意係数の一例を示す図である。
【図14】印刷サイズに応じた料金設定を示す図である。
【図15】画像入力サービス選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】画像入力サーバが提供する処理メニューの一例を示す表示画面図である。
【図17】アカウント情報を示す図である。
【図18】ユーザが画像入力拠点から画像入力処理を行う場合の処理概要の一例を示すフローチャートである。
【図19】ログイン画面を示す図である。
【図20】画像表示装置の読み取り画面を示す表示画面図である。
【図21】ファイルID確認画面の一例を示す表示画面図である。
【図22】第2の実施の形態の処理フローを示すフローチャートである。
【図23】画像入力装置或いは画像入力サーバに保存済みの画像ファイルを取得する場合の処理を示すフローチャートである。
【図24】ファイル取得用画面を示す表示画面図である。
【図25】クライアントPCにおけるサービス利用料金支払い画面の一例を示す表示画面図である。
【符号の説明】
【0097】
161 クライアント拠点
162 サーバ拠点
163,164 印刷拠点
111,113 印刷装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的に異なる拠点にそれぞれ配置され、ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置を有する印刷システムにおいて、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、
前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、
前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記データ保持手段は、特定の拠点の印刷装置内のストレージであって、単一の拠点の印刷装置からのみ印刷処理を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
ネットワークに接続され印刷データを保存可能な印刷サーバを備え、
前記データ保持手段は、前記印刷サーバ内のストレージであり、複数の拠点の印刷装置から印刷処理を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
印刷処理を実行すべき拠点を指定する拠点指定手段を有し、
前記課金手段は、前記拠点指定手段で指定された拠点の数に応じて課金を行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記データ保持手段は、特定の拠点の印刷装置内の第1のストレージ、もしくは前記印刷サーバ内の第2のストレージであり、
前記課金手段は、前記第1のストレージに印刷データを保持する場合と、前記第2のストレージに印刷データを保持する場合とに応じて、異なる課金を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
ネットワークを経由して、前記第1のストレージ及び前記第2のストレージの何れを使用するかを指定するストレージ指定手段を有することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷処理を実行する拠点をネットワークを経由して指定する実行拠点指定手段と、
前記実行拠点指定手段で指定された拠点が単数であれば前記第1のストレージを使用し、複数であれば前記第2のストレージを使用することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項8】
ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置と通信可能な情報処理装置であって、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、
前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、
前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り工程と、
前記データ受け取り工程で受け取った印刷データを保存するデータ保持工程と、
前記データ保存工程で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測工程と、
前記計測工程の計測結果に基づく課金を算出する課金工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項1】
地理的に異なる拠点にそれぞれ配置され、ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置を有する印刷システムにおいて、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、
前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、
前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記データ保持手段は、特定の拠点の印刷装置内のストレージであって、単一の拠点の印刷装置からのみ印刷処理を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
ネットワークに接続され印刷データを保存可能な印刷サーバを備え、
前記データ保持手段は、前記印刷サーバ内のストレージであり、複数の拠点の印刷装置から印刷処理を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
印刷処理を実行すべき拠点を指定する拠点指定手段を有し、
前記課金手段は、前記拠点指定手段で指定された拠点の数に応じて課金を行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記データ保持手段は、特定の拠点の印刷装置内の第1のストレージ、もしくは前記印刷サーバ内の第2のストレージであり、
前記課金手段は、前記第1のストレージに印刷データを保持する場合と、前記第2のストレージに印刷データを保持する場合とに応じて、異なる課金を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
ネットワークを経由して、前記第1のストレージ及び前記第2のストレージの何れを使用するかを指定するストレージ指定手段を有することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷処理を実行する拠点をネットワークを経由して指定する実行拠点指定手段と、
前記実行拠点指定手段で指定された拠点が単数であれば前記第1のストレージを使用し、複数であれば前記第2のストレージを使用することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項8】
ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置と通信可能な情報処理装置であって、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り手段と、
前記データ受け取り手段で受け取った印刷データを保存するデータ保持手段と、
前記データ保存手段で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づく課金を算出する課金手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークを経由して取得した印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
ネットワークを経由して印刷データを受け取るデータ受け取り工程と、
前記データ受け取り工程で受け取った印刷データを保存するデータ保持工程と、
前記データ保存工程で保存したデータに関してデータ量と保存期間を計測する計測工程と、
前記計測工程の計測結果に基づく課金を算出する課金工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−320190(P2007−320190A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153668(P2006−153668)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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