説明

印刷データの展開方法及び印刷装置

【課題】既に展開されている印刷データと、新たに受信して展開される印刷データとの「OR」処理に多くの時間がかかることなく、結果的に印刷が遅くならない方法を提供する。
【解決手段】ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、受信した印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断ステップと、初回印刷データではないと判断された場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、初回印刷データであると判断された場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップとを含む印刷データの展開方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプリンターにおけるモード設定として、ページモードに設定された際に当該プリンターに対してホストコンピューターから受信した複数の印刷データをプリントバッファーに展開する印刷データ展開方法及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピューターから受信した複数の印刷データをプリンターのプリントバッファーに展開するモードとして、ページモード及びスタンダードモード(バンドモード)を切り替えて使用するプリンターが知られている。(特許文献1,2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−226517号公報
【特許文献2】特開2001−142771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンターのモードがページモードに設定された際に、ホストコンピューターから順次受信した複数の印刷データのプリンタバッファー上への展開方法を図5を用いて説明する。
【0005】
図5はホストコンピューターから複数の印刷データ(a)及び(b)を受信した際の、ページモードに設定されたプリントバッファーへの展開方法を示す模式図である。
【0006】
ページモードは、1ページ分のプリンタバッファーを備え、当該プリントバッファーに1ページ分の印刷データを展開した後に、印刷処理を実行する。
図5では、プリントバッファーは、座標0,0〜(255,255)のエリアを有し、ホストコンピューターから受信した印刷データが図5(a)又は(b)の如く、1ページに印刷する一括印刷データの場合は、受信した印刷データ(a)又は(b)をそのまま展開すれば良い。
【0007】
図5(a)は、座標0,0〜(255,255)のエリア内で、座標x1,y1を起点とする領域のデータが(1)を含み、でそれ以外の座標は(0)であることを示している。座標(x1,y1)を起点とする領域は印刷データとして「A」を示す複数のドットで構成されている。
図5(b)は、座標0,0〜(255,255)のエリア内で、座標x2,y2を起点とする領域のデータが(1)を含み、でそれ以外の座標は(0)であることを示している。座標(x2,y2)を起点とする領域は印刷データとして「□」を示す複数のドットで構成されている。
【0008】
しかし、ページモードに設定されたプリンターのホストコンピューターから送信される印刷データは、単独の印刷データのみが送信されるとは限らず、複数の印刷データを1ページ内に含めるために、複数の印刷データを順次送信されることがある。
【0009】
図5の(a)及び(b)の如く、ホストコンピューターからを同時に1ページに印刷するために、ホストコンピューターから印刷データ(a)を受信した後に印刷データ(b)を受信した従来のプリンターは、同時に1ページに印刷するために、図5(c)の如くプリントバッファーに印刷データ(a)及び印刷データ(b)を合わせた状態a+b(□の中にAが配置されている。)に展開する必要がある。
しかし、従来のプリンターでは、ページモードに設定されていることのみを認識しているが、現在のプリントバッファーの状態がどのような状態であるのか認識できなかった。
【0010】
したがって、従来のプリンターでは、印刷データ(a)を受信する度に、その印刷データ(例えば、座標0,0〜(255,255)の内の座標x1,y1を起点とする領域のデータが(1)を含み、でそれ以外の座標は(0)である)ので、そのまま、プリントバッファーに展開すると、「A」を示す座標以外は全て(0)になって、プリンタバッファーに既に展開されているデータを上書きしてしまうのを防止するために全ての座標で、「OR」処理を実行せざるを得なかった。
【0011】
そのため、ページモードに設定されたプリンターでは、ホストコンピューターから受信した印刷データのプリントバッファーへの展開に際してプリントバッファーにおける全ての座標(0,0)〜(255,255)で、既に展開されている印刷データと、新たに受信して展開される印刷データとのOR処理に多くの時間が必要で、結果として印刷が遅くなるという問題があった。
【0012】
本発明の課題は、従来のプリンターにおける、既に展開されている印刷データと、新たに受信して展開される印刷データとのOR処理に多くの時間がかかり、印刷が遅くなる問題を解決できるページモードに設定されたプリンにおけるプリントバッファーへの印刷データ展開方法及び印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の印刷データの展開方法は、ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、受信した当該印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データではないと判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データであると判断されした場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
また、ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、前記プリントバッファーにおける当該印刷データの展開領域と、既に前記プリントバッファーに他の前記印刷データが展開されている領域とが重複するか否かを判断する重複領域判断ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複が存在すると判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複がないと判断しされた場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
また、ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、受信した当該印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データではないと判断されした場合には、
更に、前記初回印刷データではないと判断された印刷データを受信した際に、前記プリントバッファー上における当該印刷データの展開領域と、既に前記プリントバッファー上に他の前記印刷データが展開されている領域とが重複するか否かを判断する重複領域判断ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複が存在すると判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データであると判断されした場合、及び、前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複がないと判断されした場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記直接展開ステップは、DMA転送で実行されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の印刷装置は、ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに印刷データを展開する印刷装置であって、
印刷データ受信部と、
前記印刷データが展開されるプリントバッファーと、
受信した前記印刷データの前記プリントバッファーにおける展開領域を演算する印刷データ展開領域演算部と、
前記印刷データ展開領域演算部で新たに演算した展開領域と、既にプリントバッファーに展開された印刷データの展開領域との重なりを判断する重複領域判断部と、
受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々のアドレス毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理部と、
受信した前記印刷データを直接、若しくは前記OR処理された印刷データを前記プリントバッファー上に展開する展開部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、更に、前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断部とを備えたことを特徴とする。
また、更に、受信した前記印刷データを直接プリンタバッファーに展開する際に使用するDMA転送部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ホストコンピューターから印刷データを受信した際に、既にプリントバッファーに展開されている印刷データと、新たに受信して展開される印刷データとの「OR」処理を省略することができる場合があるので、「OR」処理に要する時間を少なくでき、結果として印刷速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明のページモード処理の第1の実施例を説明するフローチャートである。
【図3】本願発明のページモード処理の第2の実施例を説明するフローチャートである。
【図4】本願発明のページモード処理の第3の実施例を説明するフローチャートである。
【図5】ホストコンピューターから複数の印刷データ(a)及び(b)を受信した際の、ページモードに設定されたプリンタバッファーへの展開方法を示す模式図の1例である。
【図6】ホストコンピューターから複数の印刷データ(a)及び(b)を受信した際の、ページモードに設定されたプリンタバッファーへの展開方法を示す模式図の別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を用いて本発明の印刷装置の構成を説明する。
図1において、ホストコンピューター1と印刷装置2は通信回線を介して接続されている。
印刷装置2には、ページモード設定部2a,受信部(受信バッファー)2b,初回印刷データ判断部2c,印刷部2d,搬送演算処理部CPUROM・RAM2e,OR処理部2f,印刷データ展開領域演算部2g,重複領域判断部2h,プリントバッファー展開部2i及びプリントバッファー2j、バス2kが含まれる。
【0022】
前記ページモード設定部2aは、前記ホストコンピューター1からの設定によって、当該画像処理印刷装置をページモード若しくは、スタンダードモードに設定されする。ここで、ページモードでは、少なくとも1ページ分の印刷データを展開可能なバッファーー上に所定の領域を設定し、設定した印刷領域に印刷データを展開してから、印刷開始指示に応じて印刷処理を開始する。また、スタンダードモードでは、印刷開始指示を受信する毎に1行分の印刷を行って、1行分の用紙送りを行い、これを繰り返し1ページ分の印刷結果を取得する。
なお、ページモードの設定は、ホストコンピューターからの設定以外に、印刷装置に設けられたスイッチ等の設定手段で実行することもできる。
【0023】
前記初回印刷データ判断部2cは、前記ホストコンピューターから受信した印刷データが、前記ページモード設定部によるページモードに設定後に、最初に受信した印刷データであるか否かの判断をする。
【0024】
前記OR処理部2fは、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとのドット毎のOR判断(OR処理、論理和演算処理)をする。
【0025】
前記印刷データ展開領域演算部2gは、ホストコンピューター1から受信した印刷データが展開されている領域を演算する。
プリントバッファー2jの座標領域0,0〜(255,255)の内で、印刷データ有り(1)と印刷データ無し(0)とが明確に領域として区別できるか否かの判断をする。(ホストコンピューター1から印刷データの存在する領域が予め設定されて送信される場合を含む。)
【0026】
この例を、図6を用いて説明する。
図6(a)は、座標0,0〜(255,255)のエリア内の、座標x1,y1を起点とする領域のデータが(1)を含み、でそれ以外の座標は(0)であることを示している。座標(x1,y1)は印刷データとして「A」を示す複数のドットで構成されている。
図6(b)は、座標0,0〜(255,255)のエリア内の、座標x2,y2を起点とする領域のデータが(1)を含み、でそれ以外の座標は(0)であることを示している。座標(x2,y2)は印刷データとして「□」を示す複数のドットで構成されている。
【0027】
この状態は、図5の例と類似しているが、図6の例では、(a)の印刷データaにおける「A」の存在するエリアは、座標0,0〜(0,127)であり(図6(a))、(b)の印刷データbにける「□」の存在するエリアは、座標128,128〜(255,255)であるので(図6(b))、エリアとしては重複していない。
【0028】
前記重複領域判断部2hは、前記印刷データ展開領域演算部2gで演算されたホストコンピューター1から受信した印刷データと、既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データ展開領域とが領域として重複しているか否か判断をする。
【0029】
前記プリントバッファー展開部2iは、プリントバッファー2jに、前記OR処理部及び/又は重複領域判断部2hの判断結果に基づいて、ホストコンピューター1から受信した複数の印刷データを展開する。
【0030】
次に、図2のフローチャートを用いて、本願発明のページモード処理の第1の実施例を説明する。
先ず、印刷装置2がページモードに設定されているか否かをページモード設定部2aの設定から判断する。(ステップS1)
前記ステップS1の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から印刷データを受信したか否かの判断をする。(ステップS2)
前記ステップS2の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データが、ページモードに設定後の最初に受信したデータ(初回印刷データ)であるか否かの判断をする。(ステップS3)
【0031】
前記ステップS3での判断が、Noの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既に既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとのドット毎のOR判断をして、判断結果に基づいてプリントバッファー2jに展開する。(ステップS8)
【0032】
前記ステップS3での判断が、Yesの場合、OR処理を省略(ステップS4)して、印刷データをDMA転送するか否かの判断をする。(ステップS5)
前記ステップS5での判断が、Yesの場合、印刷データをDMA転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS6)
前記ステップS5での判断が、Noの場合、印刷データを通常転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS7)
【0033】
前記ステップS1及びステップS2の判断が、Noの場合は、ページモード処理は終了する。
【0034】
次に、図3のフローチャートを用いて、本願発明のページモード処理の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、印刷データの存在するエリアとしては重複していない場合に適用可能なものである。
【0035】
先ず、印刷装置2がページモードに設定されているか否かをページモード設定部2aの設定から判断する。(ステップS11)
前記ステップS11の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から印刷データを受信したか否かの判断をする。(ステップS12)
【0036】
前記ステップS12の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとのプリントバッファーにおける領域が重複しているか否かの判断をする。(ステップS13)
【0037】
前記ステップS13での判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既に既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとのドット毎のOR判断をして、判断結果に基づいてプリントバッファー2jに展開する。(ステップS18)
【0038】
前記ステップS13での判断が、Noの場合、OR処理を省略(ステップS14)して、印刷データをDMA転送するか否かの判断をする。(ステップS15)
前記ステップS15での判断が、Yesの場合、印刷データをDMA転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS16)
前記ステップS15での判断が、Noの場合、印刷データを通常転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS17)
【0039】
前記ステップS11及びステップS12の判断が、Noの場合は、ページモード処理は終了する。
【0040】
次に、図4のフローチャートを用いて、本願発明のページモード処理の第3の実施例を説明する。
第3の実施例は、第1の実施例と第2の実施例とを併用したものである。
【0041】
先ず、印刷装置2がページモードに設定されているか否かをページモード設定部2aの設定から判断する。(ステップS21)
前記ステップS11の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から印刷データを受信したか否かの判断をする。(ステップS22)
【0042】
前記ステップS22の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データが、ページモードに設定後の最初に受信したデータ(初回印刷データ)であるか否かの判断をする。(ステップS23)
【0043】
前記ステップS23の判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとの領域が重複しているか否かの判断をする。(ステップS28)
【0044】
前記ステップS28での判断が、Yesの場合、ホストコンピューター1から受信した印刷データと、既に既にプリントバッファー2jに展開されている印刷データとのドット毎のOR判断をして、判断結果に基づいてプリントバッファー2jに展開する。(ステップS29)
【0045】
前記ステップS23での判断が、Yesの場合、及び前記ステップS28の判断がNoの場合、OR処理を省略(ステップS24)して、印刷データをDMA転送するか否かの判断をする。(ステップS25)
前記ステップS25での判断が、Yesの場合、印刷データをDMA転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS26)
前記ステップS25での判断が、Noの場合、印刷データを通常転送でプリントバッファー2jに直接展開する。(ステップS27)
【0046】
前記ステップS21及びステップS22の判断が、Noの場合は、ページモード処理は終了する。
【0047】
上述の如く、実施例1〜3によれば、ホストコンピューター1から印刷データを受信した際に、既にプリントバッファーに展開されている印刷データと、新たに受信して展開される印刷データとの「OR」処理を省略することができる場合があるので、「OR」処理に要する時間を少なくでき、結果として印刷速度を高めることができる。
【0048】
特に、実施例1の如く、ホストコンピューター1から受信した印刷データが、ページモードに設定後の最初に受信したデータ(初回印刷データ)である場合には、無条件にOR処理を省略できるので、印刷速度を高めることができる。
特に、最初の印刷データが「ロゴ」の可能性が高い場合には特に有効である。
【符号の説明】
【0049】
1:ホストコンピューター,2:印刷装置,2a:ページモード設定部,2b:受信部(受信バッファー),2c:初回印刷データ判断部,2d:印刷部,2e:演算処理部(CPU)・ROM・RAM,2f:OR処理部,2g:印刷データ展開領域演算部,2h:重複領域判断部,2i:プリントバッファー展開部,2j:プリントバッファー,2k:バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、受信した当該印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データではないと判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データであると判断されした場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップと、
を含むことを特徴とする印刷データの展開方法。
【請求項2】
ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、前記プリントバッファーにおける当該印刷データの展開領域と、既に前記プリントバッファーに他の前記印刷データが展開されている領域とが重複するか否かを判断する重複領域判断ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複が存在すると判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複がないと判断されした場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップと、
を含むことを特徴とする印刷データの展開方法。
【請求項3】
ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに対する印刷データの展開方法であって、
前記印刷データを受信した際に、受信した当該印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データではないと判断されした場合には、
更に、前記初回印刷データではないと判断されした印刷データを受信した際に、前記プリントバッファー上における当該印刷データの展開領域と、既に前記プリントバッファー上に他の前記印刷データが展開されている領域とが重複するか否かを判断する重複領域判断ステップと、
前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複が存在すると判断されした場合には、受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々の座標毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理ステップと、
前記OR処理後の印刷データを前記プリントバッファーに展開する展開ステップと、
前記初回印刷データ判断ステップにおける判断で、初回印刷データであると判断されした場合、及び、前記重複領域判断ステップにおける判断で、重複がないと判断されした場合には、受信した前記印刷データを前記プリントバッファーに直接展開する直接展開ステップと、
を含むことを特徴とする印刷データの展開方法。
【請求項4】
前記直接展開ステップは、DMA転送で実行される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷データの展開方法。
【請求項5】
ページモードに設定された印刷装置のプリントバッファーに印刷データを展開する印刷装置であって、
印刷データ受信部と、
前記印刷データが展開されるプリントバッファーと、
受信した前記印刷データの前記プリントバッファーにおける展開領域を演算する印刷データ展開領域演算部と、
前記印刷データ展開領域演算部で新たに演算した展開領域と、既にプリントバッファーに展開された印刷データの展開領域との重なりを判断する重複領域判断部と、
受信した前記印刷データの前記プリントバッファー上に展開すべき個々のアドレス毎に、既に展開されている前記印刷データとのOR処理を実行するOR処理部と、
受信した前記印刷データを直接、若しくは前記OR処理された印刷データを前記プリントバッファー上に展開する展開部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
更に、前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データがページモードに設定後の初回印刷データであるか否かを判断する初回データ判断部と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
更に、受信した前記印刷データを直接プリンタバッファーに展開する際に使用するDMA転送部と、
を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−183789(P2012−183789A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49932(P2011−49932)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】