説明

印刷処理装置及びその制御方法と、管理装置及びその制御方法

【課題】画像処理装置において、操作パネルで行う調整処理に多大な工数が必要であった。
【解決手段】操作履歴を適切に取捨選択/マージした後、ジョブ定義ファイル(Aとする)に変換して上流に送信する。ジョブの再送信時には元のジョブ定義ファイルにジョブ適宜ファイルAの指定を追記して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理装置及びその制御方法と、管理装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客から印刷物の作成依頼を受け、それを電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置で印刷物を出力し対価を得るプリントオンデマンド(以下、POD)市場が広がりつつある。POD市場は比較的小ロットのジョブを対象とし、対象物を短納期で取り扱うことを目的としている。これにより、POD市場においては、大掛かりな装置やシステムといった、従来の大規模な印刷機、印刷手法ではなく、比較的小規模な環境及びそれに対応する手法が求められている。
【0003】
PODにおける印刷手法では、画像形成装置内に印刷キューを有し、印刷データを保持することを可能にすることが行われている。印刷オペレータは、印刷キュー上のデータのパラメータを変更し、試し印刷を行い、所望の印刷が得られたかを確認する。もし不具合点があれば、それを解消するためにパラメータを調整し、所望の印刷が得られるまで、パラメータ調整・試し印刷を繰り返し行うことができる。
【0004】
たとえば、特許文献1においては、画像形成装置でのスキャン操作やコピー操作を行うユーザの手間削減のため、画像形成装置上での設定処理において操作履歴を利用する技術の開示がある。
【特許文献1】特開2005-153346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したPODなどの市場においては、小部数印刷が可能な点から、同じあるいは多少変更された印刷データが、期間をおいて(数ヶ月後)印刷されることがある。このような場合、同じような印刷データを用いているのにも関わらず、初回の印刷と二回目以降の印刷では、オペレータの違いにより、印刷結果が異なってくる場合がある。また、オペレータが異なっていても、同じだったとしても、同様にパラメータ調整−試し印刷の繰り返しによる作業手間及び時間がかかってしまう。
【0006】
二回目以降の印刷に関して、前述した特許文献1のように操作履歴を利用することが考えられるが、繰り返し行われたパラメータ調整−試し印刷の操作履歴の何れかを適用すべきかを別のオペレータなどが判断するのは困難であった。
【0007】
また、初回の印刷と二回目以降の印刷では、印刷装置などにおいて異なる状況下での印刷が行われる可能性があるので、操作履歴を利用する際にはそれらを考慮する必要がある。
【0008】
そこで、本発明では、オペレータなどによる印刷処理装置での操作履歴の少なくとも一部の情報を用いて、次回以降のジョブデータの印刷においてフィードバックすべき情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明における印刷処理装置は、管理装置から受信したジョブデータに対応する印刷データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持される印刷データに対する、ユーザによる印刷設定の変更操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けた変更操作の操作履歴を記憶する操作履歴記憶手段と、前記ジョブデータの印刷設定に対してフィードバックを行うためのフィードバックデータを、前記操作履歴記憶手段に記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたフィードバックデータを前記管理装置に送信する送信手段と、前記保持手段に保持される印刷データを印刷する印刷手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明における管理装置は、ジョブデータを管理する管理手段と、前記印刷処理装置から前記ジョブデータに対応する印刷データに対し、ユーザの操作により設定変更された少なくとも一部の印刷設定項目に基づき生成されたフィードバックデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信したフィードバックデータを保持する保持手段と、前記保持手段により保持されるフィードバックデータの少なくとも一部の印刷設定項目およびその設定値を含む情報をユーザに提示する提示手段と、前記提示手段により提示した情報から、ユーザの指示に応じて、フィードバックすべき情報を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段により受け付けた前記フィードバックすべき情報に基づき、フィードバックデータに含まれる印刷設定項目およびその設定値を前記ジョブデータへ反映する反映手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明よれば、オペレータなどによる印刷処理装置での操作履歴の少なくとも一部の情報を用いて、次回以降のジョブデータの印刷においてフィードバックすべき情報を提供することができる。
【0012】
これにより、ユーザの作業工数が減少し、ジョブ投入から印刷完了までの時間を大きく減少させることができる。さらに、印刷オペレータが印刷設定を選択する操作を覚える必要がなくなるため、作業効率が向上すると共に人為ミスを無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[本発明における実施例1]
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
<本発明の実施例におけるMFPのハードウェア構成>
図1は本発明を適用可能なMulti Function Peripheral(以下、MFP)の一例のブロック図である。MFPは複写、印刷、スキャンなど複数の機能を備えたデバイスである。本実施形態では、印刷機能が必須であるが、複写やスキャン機能は必須ではないので、単機能のプリンタを用いることもできる。そこで本実施形態で用いるMFP等のデバイスを印刷処理装置と呼ぶ場合もある。
【0015】
図1において、CPU101(中央処理装置)は、コントローラの制御および演算処理等を行うものである。ROM102(読み出し専用メモリ)は、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。RAM103(ランダムアクセスメモリ)は、使用制限のないデータ記憶領域であり、HD部104は、ハードディスクあるいはSRAMなど不揮発性記憶装置である。RAM103は、オペレーティングシステム(以下、OS)や通信制御およびエンジン制御などのプログラムがロードされ、実行されたり、データが記憶されたりする領域である。
【0016】
コントローラ部105は、上記101〜104を有し、デバイス全体を制御する。スキャナ106は、画像の読み取り処理を行う。プリンタ107は、コントローラ部105の制御のもとで印刷処理を行う。印刷処理の方式として、インクジェット方式、電子写真方式などいくつかの印刷方式がある。電子写真方式では、帯電性を持った微細な粒子であるトナーが、静電気によって紙に転写され、定着器によって定着させることで印刷が行われる。トナーは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色で構成させることが多い。
【0017】
UI(ユーザインタフェース)部108は、ユーザからの指示を受け付けたり、あるいは、表示を行ったりする。通信部109は、ネットワーク通信制御を行う部位であり,他のデバイスやコンピュータとの通信を可能とする。システムバス110は、上述した構成要素間のデータの通路となる部位である。後加工部111は、中綴じ、裁断、パンチ穴開け、くるみ製本など印刷後に必要な加工を行う。
【0018】
<本発明の実施例におけるMFPのソフトウェア構成>
図2は本発明において適用可能なMFPのソフトウェア構成の例を示す図である。本ソフトウェアはROM102あるいはHD部104に保持され、MFP起動時にRAM103にロードされた後、実行される。ソフトウェア200は本発明において適用可能なMFPのソフトウェア全体を示している。
【0019】
OS201は、MFP全体の資源を管理/制御する。API−1(202)は、OS201上で動作するアプリケーションのためのインタフェースである。アプリケーションはAPI−1を通じて、MFP上のリソースにアクセスしたり、コマンドを実行したりすることができる。コントローラ制御部203はOS201上で動作し、スキャナ106、プリンタ107、UI部108などを制御する。
【0020】
リソース管理部204は、コントローラ制御部203、後述する仮想マシン205、仮想マシン205上の全アプリケーションが、メモリ等のMFP内のリソース資源を使用する際、予め決められた以上の資源を使用できないように管理する。仮想マシン205は、特定のアプリケーションを実行するために最適化された実行環境であり、例えば、Java(登録商標)の仮想マシンなどが挙げられる。
【0021】
API−2(206)は、仮想マシン205上で動作するアプリケーションが、コントローラ制御部203、リソース管理部204、API−1(202)などを利用するためのインタフェースである。アプリケーション管理アプリ207は、仮想マシン205上で動作するアプリケーションを管理する。アプリケーションのダウンロード、アップロード、消去、有効化/無効化を行うものである。アプリケーション208は仮想マシン205上で動作するアプリケーションを示す。
【0022】
MFP100には期待される役割に応じて、任意の機能を持つアプリケーションを任意の数だけインストールし、動作させることが可能である。
【0023】
<本発明の実施例におけるユーザインタフェースの例>
図3、図4はUI部(108)が提供するIUの一例である。キー入力部300は、ハードキーによりユーザ操作を受付可能である。ON/OFFボタン301は、MFPの起動/停止を行う際に利用する。節電キー302は、本ボタンを押下されるとMFPは節電モードに移行する。ここでの節電モードとは、機器内部にある一部の部品への電源供給を停止することで機器全体の電力消費を抑える状態のことを示す。カウンタ確認キー303は、本ボタンを押下されるとタッチパネルに課金カウンタの値が表示される。タッチパネルに関しては後述の図4にて説明する。
【0024】
ここでタッチパネルに表示される課金カウンタの表示例を図24に示す。ここでのトータルとは、MFPが設置されてから現在まで、排紙された面数を示す。白黒トータルとはトータルのカウンタ値のうち、白黒印刷の面数であり、カラートータルとはトータルのカウンタ値のうち、白黒印刷以外の面数である。
【0025】
スタートキー304は、押下されることにより、コピー/印刷/スキャン/送信などのMFPが提供するジョブを開始する。ストップキー305は、押下されることにより、スタートキー304により開始したジョブを停止する。テンキー306は、数値情報を入力する。IDキー307は、認証情報の入力を行うことを指示するものである。クリアキー308は、テンキー306によって入力された情報をクリアする。リセットキー309は、ユーザによって処理対象のジョブに指示されたすべてのパラメータをリセットする。
【0026】
ヘルプキー310は、押下することにより、操作方法といったユーザの操作の助けとなる情報を表示する。ユーザモードキー311は、各種設定を開始するためのキーである。UI部108は操作受付手段としてタッチパネルを備えている。タッチパネルはジョブの情報等の表示機能を備えると共に、表示領域が押下されたかどうかを検知することにより、ユーザからの入力を受け付けることができる。
【0027】
図4の400はMFPが操作可能になったときにタッチパネル上に表示される画面の一例である。コピーボタン401は、複写処理の設定を行う場合に押下する。送信ボタン402は、送信処理の設定を行う場合に押下する。ボックスボタン403は、ボックスに関する処理の設定を行う場合に押下する。後述する図8で示されるような画面に遷移する。拡張キー404は、アプリケーション208の画面を表示する場合に押すキーである。色選択リストボックス405は、リストの中から自動選択、カラー、白黒など色に関する設定を選択し変更する。
【0028】
ステータス表示欄406は、ステータスやメッセージなどユーザへの通知情報を表示する。ここでは例として、コピー可否、倍率、用紙選択法、部数を表示している。等倍ボタン407は、押下することで等倍コピーを指定する。倍率ボタン408は押下することで、倍率を指定する。用紙選択ボタン409は、用紙をどこから給紙するかを指定する。
【0029】
仕上げボタン410は、ソート実効有無、フィニッシング、などの設定を指定する。両面ボタン411は、原稿スキャン、印刷をそれぞれ片面または両面のどちらにするかを指定する。割り込みボタン412は、現在実行中のジョブを中断して、新規のジョブを投入できるようにする。
【0030】
部位413は濃度調整のためのスライドバー、ボタンであり、印刷物の印刷濃度を指定する。リスト414は原稿スキャンの特性を指定するものであり、例えば印刷物の原稿に合わせて、文字向けスキャン、写真向けスキャン、といったスキャン方法の切り替えを可能にする。応用モードボタン415は、画像調整、表紙や合紙などの設定、製本の指定、OHP中差しの設定、とじしろの大きさ、など複雑な指示を可能にする。システム状況表示ボタン416は、押下することにより、MFPを構成する各コンポーネントの状態や、MFPに記録しているジョブ履歴情報を表示することができる。
【0031】
以上のように、MFPにおいては、種々の印刷設定について設定の変更操作を行うことができる。変更された印刷設定項目は、その設定値と関連づけられ、操作履歴として保存される。
【0032】
<本発明の実施例におけるシステム構成図>
図5に本システムの構成図を示す。図5のシステムは、MFPを除き、パーソナルコンピュータ等の管理装置により実現されるソフトウェアモジュールの構成を示す。この管理装置はMFPおよび印刷ジョブに関しての管理を行う機能を有する。
【0033】
プリプレスマネージャ501は、印刷対象となる印刷データを編集作成するとともにジョブ定義ファイルを作成する。ここではジョブ定義ファイルとして、JDF(Job Definition Format)(登録商標)ファイルを利用することとする。JDFとは、印刷ワークフローのためのジョブ定義、および工程間の相互情報伝達を可能にするための規約である。印刷データの例としては米国アドビ社のPDF(Portable Document Format)がある。JDFはCIP4(Cooperation for Integration of Processes in Prepress, Press, and Post press)によって定められている。ここでの詳細な説明は割愛する。JDFには印刷処理のための種々の設定情報が含まれる。その点において、JDFのことを印刷設定データと呼ぶ場合もある。
【0034】
ジョブマネージャ502は、ユーザの指示の元、任意のタイミングでMFP100にジョブデータを送信する。通常、ジョブデータの例としては、上述したPDFとJDFの組が挙げられる。JDFパーサ503は、ジョブマネージャ502から受け取ったジョブデータをMFP100が実行するのに最適な形式に変換し、プリントキュー508に変換後のデータを送る。プリントキュー508はMFP100にジョブを送るための待ち行列であり、このプリントキュー508上に保持されているジョブは、任意のタイミングで編集や印刷など各種ユーザの操作が可能である。印刷が指示された場合はプリンタ107にジョブを送信する。
【0035】
ログインマネージャ504は、ユーザがUI部108や通信部109を介してMFP100にアクセスする際にログイン認証を行う。認証に利用するユーザ情報は、ログインマネージャ504がHD部104に記録・管理しても良いし、後述する認証サーバ507に問い合わせても良い。履歴格納部505は、UI部108でユーザが行った操作やプリンタ107が実行したジョブの履歴を保持する操作履歴記憶の機能を有する。履歴管理サーバ506は、履歴格納部505に記憶されている操作履歴やジョブ履歴を定期的に取得し、保持・管理する。操作履歴は、本実施形態では、MFPに保存された操作履歴そのものではなく、操作履歴から選別された印刷設定項目に関する操作履歴を、MFPから設定定義データとして受信し、それを蓄積したデータベースである。
【0036】
認証サーバ507は、プリプレスマネージャ501、ジョブマネージャ502、ログインマネージャ504にログインのためのユーザ情報を提供する。これにより、ユーザを識別可能となる。フィードバック生成部509は、履歴格納部505に記憶された操作履歴をジョブマネージャ502に送信する。フィードバック生成部509における詳細な処理に関しては後述の図13にて説明する。ジョブコネクタ510は、JDFデータをMFP100が実行するのに最適な形式に変換し、プリントキュー508へ送信する。外部コントローラ511は、MFP100の外部に配置され、プリンタ107の制御や、画像データをプリンタ107へ送信する。
【0037】
<本発明における実施例の操作履歴の構成>
図6に操作履歴の構成例を示す。本発明における実施例のMFPでは、ユーザの操作を記憶して保持する履歴格納部505を備えている。履歴格納部505が有する情報は、HD部104に記録される。
【0038】
操作履歴には、“操作ID”、“日時”、“処理”、“処理に関連するデータ(パラメータ)”を記録する。“操作ID”は、操作を一意に特定するための文字列であり、ここでは連続に増加する自然数とする。“日時”は操作を指示した時刻であり、“処理”は行った内容の概要を示し、“パラメータ”は当該処理に関連するデータである。
【0039】
次に図6における操作履歴を用いて具体的に説明する。操作ID:122のレコードは、2008年9月16日10時01分10秒に、ログイン画面700において、ユーザIDテキストボックス701に“1000”及び、パスワードテキストボックス702に入力したユーザIDと対応する正しい暗証番号が入力され、IDキー307を押下の後、ユーザがログインしたことを示す。ログイン画面700については後述の図7にて説明する。図6には明記していないが、以降ログインからログアウトまでが、同一ユーザの一連の操作を意味する。例えば、操作ID:122から操作ID132までの操作はユーザ:1000が行った操作となる。
操作ID:123のレコードは、ジョブ選択画面において、ジョブID:500のジョブが選択されたことを示す。ジョブ選択画面に関しては後述の図8にて説明する。
操作ID:124のレコードはカラー調整画面において、Y:2とするカラー調整が行われたことを示す。カラー調整画面は後述の図9にて説明する。
操作ID:125のレコードは試し印刷が行われたことを示す。試し印刷は、通常一部印刷を示すが、特定ページだけを印刷するよう設定されても良い。印刷が行われるとMFP100はHD部104にジョブの実行の結果であるジョブ実行履歴を記録する。ジョブ実行履歴については後述する。
操作ID:126のレコードはカラー調整画面において、Y:3、M:−1とするカラー調整が行われたことを示す。
操作ID:127のレコードは試し印刷が行われたことを示す。
操作ID:128のレコードはカラー調整画面において、Y:4、M:−2とするカラー調整が行われたことを示す。
操作ID:129のレコードは試し印刷が行われたことを示す。
操作ID:130のレコードはカラー調整画面において、Y:3、M:−2とするカラー調整が行われたことを示す。
操作ID:131のレコードは試し印刷が行われたことを示す。
操作ID:132のレコードでログアウトしたことを示す。
【0040】
操作ID:223から331は、ユーザID:1100のユーザの操作である。ログイン、ジョブ選択、試し印刷処理は上述と同様である。
操作ID:226のレコードは印字位置調整が行われたことを示す。印字位置調整は、用紙内のどの位置に印刷を行うかを標準値に対して相対的に指定するものである。ここでは標準値に対して、X方向に+1mm、Y方向に+3mmの指定がされたことを示す。印字位置調整画面については後述の図10において説明する。
操作ID:228のレコードは操作ID:226と同様の印字位置調整処理であり、ここでは、X方向に+3mm、Y方向に+3mmの指定がされている。
操作ID:555から560は、ユーザID:1200のユーザの操作である。
操作ID:556のレコードは、グラデーションをスムース1に変更したことを示す。グラデーションとは2つの異なる色の間を連続的に変化させるための階調制御であり、本MFPでは、スムース1及び、スムース2と呼ぶ制御パタンを有するものとする。グラデーション指定画面は後述の図11にて説明する。
【0041】
操作ID:558のレコードは、グラデーションをスムース2に変更したことを示す。
操作ID:1600から1603は、ユーザID:2000のユーザの操作である。
操作ID:1602のレコードは、ジョブID:500のジョブを削除したことを示す。ユースケースの例としては、発注を受け設定したジョブについて、顧客からの入金が完了した時点で削除する例がある。
【0042】
図7は上述したログイン画面の一例である。UI700は操作パネル上に表示されるログインダイアログである。ユーザIDテキストボックス701はユーザIDを、パスワードテキストボックス702はパスワードを入力するためのテキストボックスである。ユーザは本画面からログイン操作を行う。ユーザID、パスワードを入力し、IDボタン306を押下する。MFP100はIDボタン306が押下されるとその時点で入力されていたユーザID、パスワードを用いてログイン認証処理を行い、ユーザID、パスワードが正しければ図4に示したような操作画面に移行する。
【0043】
図8は上述したジョブ選択画面の一例である。MFP100はボックスボタン403が押されると、この画面を表示する。ボックス内文書リスト801は、各文書の種類、文書名、用紙サイズ、ページ数、記録日時等の情報を表示する機能を備える。種類欄は保存されている文書の色を示す。例えば、アイコンにて表示する場合、アイコンが白黒であれば白黒文書を、カラーであればカラー文書であることを示す。用紙サイズ欄は用紙サイズを示す。ページ欄はページ数を示す。日付/時刻欄は文書が記録された日時を示す。
【0044】
プリントボタン802が押下されると、ボックス内文書リスト801の中の選択されている文書をプリンタ107が印刷する。プリントボタン802を押下後、試し印刷だけを行うことも可能である。試し印刷の場合、ジョブの部数指定が複数であっても一部だけを印刷する。原稿読込ボタン803は、スキャナ106から原稿データを読み込む際に指定する。カラー調整ボタン804は押下すると、図9にて後述するカラー調整画面を表示する。編集メニュー805は、図10にて後述する印字位置調整画面などその他の文書データに関わる編集処理の設定を指定可能である。
【0045】
図9は上述したカラー調整画面の一例である。ボタン901はイエローの濃度の値を増加させるボタンであり、これに対し、ボタン902は減少させるボタンである。エリア903は指定した濃度の値を表示するエリアである。番号は図示しないが、マゼンタ、シアン、ブラックについても901、902、903と同様の項目を備え、設定変更が可能である。ボタン904を押下することにより、図15にて後述する色相調整画面へ遷移する。ボタン905を押下することにより図11にて後述するグラデーション指定画面へ遷移する。OKボタン906は、指定された値を保存し、設定変更する。設定取消ボタン907は、指定された値を保存せずに前の画面に戻る。
【0046】
図10は上述した印字位置調整画面の一例である。ボタン1001、ボタン1002、ボタン1003、ボタン1004は、移動させたい印字方向を指定するためのボタンであり、それぞれ、上、右、下、左の方向を指定する。それらのうちいずれかの方向が選択された状態で数字キー306を押下することで移動量をmmで指定する。OKボタン1005は、指定された値を保存する。キャンセルボタン1006は、指定された値を保存せずに前の画面に戻る。操作履歴においては、方向の指定をXY軸による平面で保持することとし、右方向をXのプラス方向、上方向をYのプラス方向として記録する。
【0047】
図11は上述したグラデーション指定画面の一例である。ボタン1101はグラデーションしないことを指定する。ボタン1102はグラデーション:スムース1を指定する。ボタン1103はグラデーション:スムース2を指定する。ボタン1104はグラデーションをグラフィックスデータに適用することを指定し、これに対し、ボタン1105は適用しないことを指定する。ボタン1106はイメージデータにグラデーションを適用することを指定し、これに対し、ボタン1107は適用しないことを指定する。OKボタン1008は、指定された値を保存する。キャンセルボタン1109は、指定された値を保存せずに前の画面に戻る。
【0048】
図12は上述したジョブ履歴の一例である。印刷処理を指示したときの操作ID、ジョブ履歴を一意に特定するジョブ履歴記録番号、ジョブID、ジョブの開始終了時刻、ジョブタイプ、ジョブの完了状態を示すステータス、ユーザを特定するーザID、文書属性である文書名/論理面数/用紙サイズ/排紙枚数/印刷面数/ページレイアウト/カラーモード/印刷面などの情報を記録する。
【0049】
<本発明の実施例におけるフィードバック生成に関して>
本発明におけるフィードバックとは、操作履歴を次回以降のユーザの利用において、有効活用するため、操作履歴に基づいて生成したフィードバックデータをユーザに提示する処理である。図13のフローチャートを用いて、本発明の実施例におけるフィードバック生成部509の動作を説明する。フィードバック生成部509におけるフィードバック処理は様々なタイミングで開始可能である。例えば、プリントキュー508に保持されているジョブについて、一定期間操作が無いとき行っても良いし、プリントキュー508からジョブが削除される際に行っても良い。
【0050】
ステップS1301において、対象ジョブのIDを取得する。例えばジョブ削除の処理をフィードバック処理のトリガにする場合は、削除するジョブが対象ジョブとなる。ステップS1302において、フィードバックする操作の集合を格納するための空のリストを作る。ステップS1303において、ステップS1301の対象ジョブに関連するユーザ操作を操作履歴からひとつ読み取る。操作履歴はHD部104に記録されている。
【0051】
ステップS1304において、すべてのユーザ操作を読み取ったか判定し、すべて読み取っていれば再度ステップS1311に戻り、そうでなければステップS1305に進む。ステップS1305において、印刷中の操作か判定し、印刷中あればステップS1303に、そうでなければステップS1306に進む。一般的に、ここでの印刷中の操作は試し印刷であることが多いためフィードバックの対象から外すこととする。ただし、ユーザの設定によっては、この判定による選別はなくしても良い。ステップS1306において、フィードバックすべきか判定する。フィードバックすべきであればステップS1307に、すべきでなければステップステップS1303に進む。この判定は予めフィードバックすべき処理のリストを用意しておき、そのリストに存在するか否かで判定する。
【0052】
ここでリストの例を図14に示す。図14に示した色相調整処理は、色相すなわち色の様相の変更を行う処理である。例えば印刷装置や顧客の求める品質によっては、必ず印刷時に調整が必要と判断する可能性がある。そのような場合は、このリストにあらかじめ入れて定義情報とし、フィードバックの対象から除くこととして、選別する。色相調整処理画面については後述の図15にて説明する。
【0053】
ステップS1307において、当該処理と同じ処理がすでにリストに登録されているかを判定し、登録されていればステップS1308へ、登録されていなければステップS1310に進む。ステップS1308において、読み取った操作と同じ処理がすでにリストに追加されている場合は、これらが集約可能か判定する。
【0054】
集約可能な処理の例としてカラー調整を挙げる。UIの例は前述した図9に示したものである。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色において、カラーを数値で指定可能であり、ボタン901を押すことで印刷物の該当色の濃度が上がり、ボタン902を押すことで濃度が下がる。ユーザは、印刷物が所望のカラーバランスでは無かった場合、いずれかの色の濃度を本UIにて調整して印刷を行い、出力を確認することが可能である。この処理は、ユーザの操作として複数回実施したとしても、結果としてはひとつに集約できる。例えば、図6の操作履歴の例では、結果として有効にすべき設定は各色の最後の処理である操作ID130の設定(イエロー+3、マゼンタ−2)である。
【0055】
対象処理が集約可能の判定は、予め集約可能な処理のリストを保持しておき、対象処理がこの中に存在するかを判定すれば良い。図16に集約可能な処理リストの一例を示す。ここではカラーバランスが集約可能な処理として挙げられている。
【0056】
ステップS1309において、リストに集約追加する。この場合、既存のリスト内要素における同じ処理に対して上書きする。ステップS1310において、リストに追加する。ステップSにおいて、リストにフィードバックすべき処理が蓄積されているので、それをJDFに変換する。図17に、図6の操作ID130に対応するカラー調整の設定(イエロー+3、マゼンタ−2)をJDFに変換した例を示す。ステップS1312において、ジョブ送信元に返信するために、ジョブIDと関連付けた、処理種類、処理日時、変換後JDFデータをジョブマネージャ502に送信する。
【0057】
変換されたJDFデータは管理装置に送り返される。そこで、管理装置で作成されてMFPに送信される印刷設定データとしてのJDFと区別するために、ここではステップS1311で変換されたJDFを設定定義データと呼ぶことにする。
【0058】
図15は上述した色相調整処理を行うダイアログ画面の例である。MFP100では、イエロー、グリーン、シアン、ブルー、マゼンタ、レッドの色生成において、各色の色相を調整可能である。例えば、イエローについては、ボタン1501によりグリーン寄りに、ボタン1502でレッド寄りに指定することができる。グリーン、シアン、ブルー、マゼンタ、レッドについても番号図示はしないが、イエローと同様な色相の指定が可能である。OKボタン1504は、指定された情報を保存する。設定取消ボタン1503は、指定された情報を保存せずにダイアログを閉じる。
【0059】
上述した判定基準のために用いる、図14、図16などの処理のリストは、製造時に適切な初期値がセットされるが、その後、ユーザやサービスパーソンによって、更新することが可能である。また必要に応じて、いずれかのみの定義情報を利用しても良いし、両方を利用しても構わない。
【0060】
<MFPとPJMの連携>
図18において、本発明における実施例に適用可能なコンピュータの構成例を示す。プリプレスマネージャ501、ジョブマネージャ502、履歴管理サーバ506、認証サーバ507、ジョブコネクタ510、外部コントローラ511が動作するコンピュータのブロック図の一例である。
【0061】
CPU(中央処理装置)1801は、このコンピュータ全体の制御および演算処理等を行うものである。ROM(読み出し専用メモリ)1802は、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。RAM(ランダムアクセスメモリ)は、使用制限のないデータ記憶領域であり、オペレーティングシステム、アプリケーション、デバイスドライバおよび、通信制御などのプログラムがロードされ、実行される領域である。KBC(キーボード制御部)1804は、キーボードより入力データを受け取りCPUへ伝達する。CRT部(ディスプレイ制御部)1805は、ディスプレイ装置への表示制御をする。
【0062】
HD部1806は、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、SRAM(不揮発性記憶装置)等の外部記憶装置であり、プログラムおよびデータを記憶、格納しておき、実行時に必要に応じて参照または、RAM1803へロードする。通信部1807は、ネットワーク通信制御を行うものであり、図1で説明したようにネットワークに接続された他のコンピュータや周辺機器との通信が可能とする。システムバス1808は、上述の構成要素間のデータを送受信する際の通路となるべきものである。本実施例において、コンピュータは印刷処理のためのジョブデータを管理する管理装置としての機能を有する。以下、コンピュータをPJM(Print Job Manager)と呼ぶ。
【0063】
図19のフローチャートを用いて、本発明の実施例におけるPJMの動作を説明する。本動作は前述したコンピュータにて実施されるものとする。ステップS1901において、MFPにて行う処理のイベント発生を待つ。ここでのイベントとは、他のプログラムやユーザからの指示などを示す。なんらかのイベントが発生すると、ステップS1902に進む。
【0064】
ステップS1902において、S1901で受信したイベントがプリプレスマネージャ501からのジョブ受信があったか判定する。ジョブ受信があれば、ステップS1903にて、HD部1806にフォルダを作成してジョブを保存する。ここでは、JDFファイル、及びPDFファイルなどがジョブとして保存される。
【0065】
ステップS1904において、S1901で受信したイベントがMFP100からのフィードバックデータであるか判定する。フィードバックデータの受信であれば、ステップS1905にて、元のJDFファイルが保存されているフォルダにそのフィードバックデータを保存する。フィードバックデータは1つ以上のユーザ操作のリストであるので、ここではフィードバックリストと呼ぶ。
【0066】
ステップS1906において、S1901で受信したイベントが、保存されているジョブに対するユーザからの更新指示であるか判定する。ジョブに対する更新指示であればステップS1907に、なければステップS1909に進む。
【0067】
ステップS1907において、更新対象であるジョブに対応するJDFファイルに関するフィードバックデータがあるか判定する。ここで、フィードバックデータがあればステップS1908にて、JDFファイルを退避保存する。ステップS1909において、ユーザからのジョブの更新指示を反映したJDFファイルを保存する。ここでのジョブの更新とは、用紙サイズや用紙種類の変更などが挙げられる。
【0068】
ステップS1910において、S1901で受信したイベントが、ユーザからのジョブ送信指示があるか判定する。ジョブの送信指示であればステップS1911に進み、そうでなければS1901に戻る。
【0069】
ステップS1911において、送信指示されたジョブに対応するJDFファイルに関するフィードバックデータがあるか判定し、あればステップS1912へ、無ければS1920へ進む。
【0070】
ステップS1912において、MFP100から部品交換履歴を取得する。
【0071】
ここで部品交換履歴の例を図20に示す。ここで、部品交換履歴は部品名と交換時期の情報を有する。
【0072】
ステップS1913において、フィードバックデータと部品交換履歴を照合し、無効化すべきフィードバックデータがあるか判定する。この判定は、フィードバックデータと部品交換履歴から求められる交換部品の交換部品照合テーブル(図21)を参照することで行う。
【0073】
図21において、交換部品照合テーブルの例を示す。これは交換部品とこれに対応する無効化すべき処理(設定項目)との対応する定義情報を有している。ここでの無効化とは以前の操作履歴から生成されたフィードバックデータにおいて、対象となる設定情報を削除することを意味する。
【0074】
例えば、部品交換履歴において、イエローのトナーが交換されていた場合、図21の交換部品照合テーブルを参照し、イエローのカラー調整処理を無効化すべきであると判定する。これは、フィードバックデータに含まれている操作の後、対象部品が交換されている場合、その操作を再現することは意味がない可能性が高いとみなし、フィードバックに含まれる操作に対応するデータを無効化する意図である。
【0075】
ステップS1914において、無効化すべきであると判定された処理に対応するユーザ操作をフィードバックリストから削除する。
【0076】
ステップS1915において、ジョブの更新指示があったか判定する。ジョブの更新指示の有無に関しては、例えばステップS1908にて行った退避保存したデータの有無を確認し、判定する。ステップS1916において、ジョブデータの更新に対応して無効化すべき処理があるか判定する。この判定は更新処理と操作処理の対応テーブル(図22)を参照することで行う。
【0077】
図22にジョブ更新に基づき、フィードバックデータの中の無効化すべき処理の対応を示す定義情報テーブルの一例である。この例では、用紙サイズ変更があった場合、印字位置調整処理を無効化すべき処理とみなすことを示している。
【0078】
ステップS1917において、S1916の判断に基づく無効化の処理を踏まえて、フィードバックリストを更新する。
【0079】
ステップS1918において、更新したフィードバックリストに基づくフィードバックすべき内容をダイアログウインドウに表示する。図23にダイアログウインドウの一例を示す。図23に関しての詳細は後述する。
【0080】
ステップS1919において、ユーザからの指示に基づき、フィードバックリストをさらに更新し、それをJDFファイルに反映する。ステップS1920において、送信指示対象となる指示の反映後のジョブをMFP100へ送信する。
【0081】
図23はジョブマネージャ502がMFP100へのジョブ送信指示を受けたときに、ユーザに表示するダイアログウインドウの一例である。これは図6の操作履歴におけるユーザ操作を処理し、フィードバックデータとしてユーザにフィードバックした例である。それぞれの操作は適用、非適用をそれぞれ選択できるようにチェックボックスになっている。
【0082】
項目2301は操作パネルで行われたカラーバランス処理をJDFに反映するかを指定するチェックボックスである。項目2302は操作パネルで行われた印字位置調整処理をJDFに反映するかを指定するチェックボックスである。個別指定ボタン2303は、ボタンの左に表示されている処理をさらに分割して個別の設定として、印刷設定変更を可能にする。例えば項目2302の指示を、印字位置調整X:+3と印字位置調整Y:+3の2つに分割して、それぞれにチェックボックスを設け、個別に指定するダイアログを表示する。
【0083】
上述したプリプレスマネージャ501、ジョブマネージャ502、MFP100間の通信は、TCP/IPなどのプロトコルを用いて実現されても良いし、その他ネットワーク上で情報交換可能な任意のプロトコルでも良い。
【0084】
以上により、PMJが過去の操作履歴から生成されたフィードバックデータをユーザに提示することで、ユーザの操作に関する作業工数が減少し、ジョブ投入から印刷完了までの時間を大きく減少させることができる。さらに、MFP側で効率的な設定の集約を行うことにより、ユーザが不要な印刷設定を選択する操作を行う必要がなくなるため、作業効率が向上すると共に人為ミスを無くすことができる。さらには、PJMとMFPが印刷処理システムとして連携することで、MFP側で管理するジョブの操作履歴が消えるとしても、操作履歴の集約・更新により、以降の処理に有効な設定は保持し続けることが可能となる。
【0085】
[本発明における実施例2]
実施例1では、図13のS1301にて定義したように、MFP100内部にてあらかじめ定めたタイミングをトリガとして、フィードバック生成部509が操作履歴を解析していた。これに対し、MFP100の外部に存在する履歴管理サーバ506が定期的に履歴格納部505から操作履歴を取得して、ジョブマネージャ502に送信しても良い。MFP100に記録可能な操作履歴が少ない場合やMFP100の動作負荷を下げたい場合に効果がある。履歴管理サーバ506は独立したコンピュータ上で動作するので、履歴情報を永続的に蓄積したい場合もこの実施例が好ましい。
【0086】
<備考>
なお本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0087】
また本発明の目的は、前述の実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出された実行可能なプログラム自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体およびプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
また、本発明には、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた場合についても、本発明は適用される。その場合、書き込まれたプログラムの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0089】
また、発明の実施の形態は、本発明を中核として構成される装置又は方法を説明している。このため本実施形態には本発明の本質的部分を加えて付加的な構成要件も記載されている。すなわち発明の実施の形態において説明した装置又は方法の構成要件を備えることは、本発明を成立させるための十分条件ではあるものの、必要条件ではない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】MFPの構成図の例である。
【図2】MFP内のソフトウェアブロック図の例である。
【図3】操作キーの一例を示す模式図である。
【図4】初期画面表示の一例を示す模式図である。
【図5】本発明のシステム構成の一例を示す模式図である。
【図6】操作履歴の一例を示す図である。
【図7】ログイン表示の一例を示す模式図である。
【図8】ジョブ選択画面の一例を示す模式図である。
【図9】カラー調整画面の一例を示す模式図である。
【図10】印字位置調整画面の一例を示す模式図である。
【図11】グラデーション画面の一例を示す模式図である。
【図12】ジョブ履歴(プリント)の一例である。
【図13】MFPにおけるフィードバックデータを作成する処理を示すフローチャートである。
【図14】フィードバックしない処理のリストの一例である。
【図15】色相調整画面の一例を示す模式図である。
【図16】集約可能な処理のリストの一例である。
【図17】JDFへの変換の一例である。
【図18】コンピュータのブロック図の一例である。
【図19】PJMにおけるジョブ送信時の処理を示すフローチャートである。
【図20】部品交換履歴の一例である。
【図21】交換部品と無効化すべき処理の対応を示す交換部品照合テーブルの一例である。
【図22】ジョブ更新と無効化すべき処理の対応を示したテーブルの一例である。
【図23】ジョブ送信時に表示するダイアログ画面の一例である。
【図24】課金カウンタの表示例である。
【符号の説明】
【0091】
100 MFP
107 プリンタ
501 プリプレスマネージャ
502 ジョブマネージャ
503 JDFパーサ
504 ログインマネージャ
505 履歴格納部
506 履歴管理サーバ
507 認証サーバ
508 プリントキュー
509 フィードバック生成部
510 ジョブコネクタ
511 外部コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブデータを管理する管理装置と接続される印刷処理装置であって、
前記管理装置から受信したジョブデータに対応する印刷データを保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される印刷データに対する、ユーザによる印刷設定の変更操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けた変更操作の操作履歴を記憶する操作履歴記憶手段と、
前記ジョブデータの印刷設定に対してフィードバックを行うためのフィードバックデータを、前記操作履歴記憶手段に記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたフィードバックデータを前記管理装置に送信する送信手段と、
前記保持手段に保持される印刷データを印刷する印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、定義情報に従って、前記操作履歴記憶手段に記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき前記フィードバックデータを生成し、
前記定義情報は、フィードバックする際に集約する印刷設定項目の指定、及びフィードバックしない印刷設定項目の指定の何れか、又は両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷処理装置。
【請求項3】
前記定義情報は、ユーザにより指定されることを特徴とする請求項2に記載の印刷処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記印刷データの試し印刷の際に行われた変更操作に対応する操作履歴は前記フィードバックデータの生成に用いないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷処理装置。
【請求項5】
印刷処理装置と接続される管理装置であって、
ジョブデータを管理する管理手段と、
前記印刷処理装置から前記ジョブデータに対応する印刷データに対し、ユーザの操作により設定変更された少なくとも一部の印刷設定項目に基づき生成されたフィードバックデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したフィードバックデータを保持する保持手段と、
前記保持手段により保持されるフィードバックデータの少なくとも一部の印刷設定項目およびその設定値を含む情報をユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段により提示した情報から、ユーザの指示に応じて、フィードバックすべき情報を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段により受け付けた前記フィードバックすべき情報に基づき、フィードバックデータに含まれる印刷設定項目およびその設定値を前記ジョブデータへ反映する反映手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項6】
ユーザの指示に基づき、前記反映手段による印刷設定項目およびその設定値の反映後の前記ジョブデータを、前記印刷処理装置に送信する送信手段を更に有することを特徴とする請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
ユーザのログイン操作を受け付けて認証するログイン認証手段を更に有し、
前記保持手段は、ユーザ情報と前記フィードバックデータを関連付けて保持し、
前記提示手段は、前記ログイン認証手段によりログインを受け付けたユーザに関連付けられたフィードバックデータに対応する情報を提示することを特徴とする請求項5または6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記提示手段は、前記印刷処理装置における部品の交換履歴に基づいて、前記フィードバックデータに含まれる印刷設定項目の中から、提示すべき情報を選別することを特徴とする請求項5及至7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記提示手段は、前記ジョブデータの更新に対応して、前記フィードバックデータに含まれる印刷設定項目の中から、提示すべき情報を選別すること特徴とする請求項5及至8のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
ジョブデータを管理する管理装置と前記ジョブデータに対応する印刷データの印刷を行う印刷処理装置とを含む印刷処理システムであって、
印刷処理装置の保持手段で保持する前記管理装置から受信したジョブデータに対応した印刷データに対し、ユーザによる印刷設定の変更操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けた変更操作の操作履歴を記憶する操作履歴記憶手段と、
前記ジョブデータの印刷設定に対してフィードバックを行うためのフィードバックデータを、前記操作履歴記憶手段に記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたフィードバックデータを前記ジョブデータと関連付けて管理する管理手段と、
前記管理手段により管理されるフィードバックデータに基づき、当該フィードバックデータに含まれる印刷設定項目およびその設定値を前記ジョブデータへ反映する反映手段と、
を有することを特徴とする印刷処理システム。
【請求項11】
前記反映手段による印刷設定項目およびその設定値の前記ジョブデータへの反映は、試し印刷の際の操作履歴、前記印刷処理装置における部品の交換履歴、及びユーザによる前記ジョブデータの更新のうち、少なくとも1つの条件にて選択される操作履歴に対応して行われることを特徴とする請求項10に記載の印刷処理システム。
【請求項12】
ジョブデータを管理する管理装置と接続される印刷処理装置における制御方法であって、
前記管理装置から受信したジョブデータに対応する印刷データを保持する保持工程と、
前記保持工程で保持された印刷データに対する、ユーザによる印刷設定の変更操作を受け付ける操作受付工程と、
前記操作受付工程で受け付けた変更操作の操作履歴を記憶する操作履歴記憶工程と、
前記ジョブデータの印刷設定に対してフィードバックを行うためのフィードバックデータを、前記操作履歴記憶工程で記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき生成する生成工程と、
前記生成工程で生成されたフィードバックデータを前記管理装置に送信する送信工程と、
前記保持工程で保持された印刷データを印刷する印刷工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
前記生成工程では、定義情報に従って、前記操作履歴記憶工程で記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき前記フィードバックデータを生成し、
前記定義情報は、フィードバックする際に集約する印刷設定項目の指定、及びフィードバックしない印刷設定項目の指定の何れか、又は両方を含むことを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記生成工程では、前記印刷データの試し印刷の際に行われた変更操作に対応する操作履歴は前記フィードバックデータの生成に用いないことを特徴とする請求項12または13に記載の制御方法。
【請求項15】
印刷処理装置と接続される管理装置における制御方法であって、
ジョブデータを管理する管理工程と、
前記印刷処理装置から前記ジョブデータに対応する印刷データに対し、ユーザの操作により設定変更された少なくとも一部の印刷設定項目に基づき生成されたフィードバックデータを受信する受信工程と、
前記受信工程で受信したフィードバックデータを保持する保持工程と、
前記保持工程で保持されがフィードバックデータの少なくとも一部の印刷設定項目およびその設定値を含む情報をユーザに提示する提示工程と、
前記提示工程で提示した情報から、ユーザの指示に応じて、フィードバックすべき情報を受け付ける受け付け工程と、
前記受け付け工程で受け付けた前記フィードバックすべき情報に基づき、フィードバックデータに含まれる印刷設定項目およびその設定値を前記ジョブデータへ反映する反映工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
ユーザのログイン操作を受け付けて認証するログイン認証工程を更に有し、
前記保持工程では、ユーザ情報と前記フィードバックデータを関連付けて保持し、
前記提示工程では、前記ログイン認証工程でログインを受け付けたユーザに関連付けられたフィードバックデータに対応する情報を提示することを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記提示工程では、前記印刷処理装置における部品の交換履歴に基づいて、前記フィードバックデータに含まれる印刷設定項目の中から、提示すべき情報を選別することを特徴とする請求項15または16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記提示工程では、前記ジョブデータの更新に対応して、前記フィードバックデータに含まれる印刷設定項目の中から、提示すべき情報を選別すること特徴とする請求項15及至17のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項19】
ジョブデータを管理する管理装置と前記ジョブデータに対応する印刷データの印刷を行う印刷処理装置とを含む印刷処理システムにおける制御方法であって、
前記印刷処理装置の保持手段で保持する前記管理装置から受信したジョブデータに対応した印刷データに対し、ユーザによる印刷設定の変更操作を受け付ける操作受付工程と、
前記操作受付工程で受け付けた変更操作の操作履歴を記憶する操作履歴記憶工程と、
前記ジョブデータの印刷設定に対してフィードバックを行うためのフィードバックデータを、前記操作履歴記憶工程で記憶された操作履歴に含まれる印刷設定項目の少なくとも一部に基づき生成する生成工程と、
前記生成工程で生成されたフィードバックデータを前記ジョブデータと関連付けて管理する管理工程と、
前記管理工程で管理されるフィードバックデータに基づき、当該フィードバックデータに含まれる印刷設定項目およびその設定値を前記ジョブデータへ反映する反映工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項20】
印刷処理装置を請求項1及至4のいずれか1項に記載の印刷処理装置の備える各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項21】
コンピュータを請求項5及至9のいずれか1項に記載の管理装置の備える各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−111075(P2010−111075A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287180(P2008−287180)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】