印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法
【課題】 受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置において、ユーザがテスト印刷データを生成することなく容易にテスト印刷を行うことができる印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法を提供することをその課題とする。
【解決手段】 不要データの削除行数に関する値を含む設定値を設定する設定手段と、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたものである。
【解決手段】 不要データの削除行数に関する値を含む設定値を設定する設定手段と、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピュータによって生成された印刷データを受信し、レシート上に印刷する印刷装置において、レシートの装飾や販売促進を目的として、販売店のマーク、店名、住所、クーポン券等の画像データを、レシートの先頭や末尾、若しくは、受信した印刷データの特定の文字列に対応した位置に付加して印刷する印刷方法が知られている。この画像データを付加して印刷データを印刷する印刷方法を新たに導入する場合、ホストコンピュータの変更を必要とせずに、画像データを付加して印刷することができる印刷装置が開示されている。(特許文献1参照)。
【0003】
上記の印刷装置において、受信した印刷データと付加する画像データとの情報が重複してしまうといった問題の解決策として、受信した印刷データから、画像データと情報が重複する部分を予め設定した設定値に基づき削除する方法が知られている。この設定において、行単位で受信した印刷データの先頭行を削除開始行として削除行数を設定したり、上記の特定文字列行の次行を削除開始行として削除行数を設定することが想定できる。
【特許文献1】特開2004−58323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した印刷データ削除処理が正常に行われるかを確認するために、テスト印刷データを作成し、印刷物の印刷結果を確認するテスト印刷が必要不可欠であるが、テスト印刷データは、設定した削除行数以上の行数から成る印刷データが必要なことから、ユーザはテスト印刷データ作成時において、設定した削除行数を参照する必要があり面倒である。また、仮に設定可能な最大削除行数から成るテスト印刷データを作成したとしても、設定可能な最大削除行数が変更になった場合は、ユーザはテスト用印刷データを作成し直さなければならない。
【0005】
上記の問題に鑑み、本発明は、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置において、ユーザがテスト印刷データを生成することなく容易にテスト印刷を行うことができる印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷制御装置は、行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置であって、不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定手段と、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の印刷制御装置のテスト印刷方法は、行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置のテスト印刷方法であって、不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定工程と、設定工程において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成工程と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信する印刷データ送信工程と、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データがテスト印刷データとして生成されるので、ユーザがテスト印刷データを生成する手間を省くことが可能であるとともに、設定した削除行数分の印刷データが削除されているかを確実に確認することができる。また、設定可能な最大削除行数が変更になった場合にも、テスト印刷データを再度作成する必要がないので、さらにユーザの負担を軽減させることができる。なお、最大削除行数と等しい行数からなる行データを生成したときに、行データが全て削除され出力データがなくなるような場合には、行データを最大削除行数を超える行数で構成してもよい。
【0009】
この場合、行データは、その行数を示す数字を含むことが好ましい。
【0010】
この構成によれば、削除処理を行わずに出力したテスト印刷データと、削除処理を行って出力したテスト印刷データとを比較しなくても、行数を示す数字が表示されていることにより、削除処理後のテスト印刷データの出力結果を確認するだけで、削除開始行と削除行数とが一目瞭然である。すなわち、テスト印刷に要する時間を短縮させるとともに、テスト印刷に用いる用紙の節約にもなる。
【0011】
また、これらの場合、印刷装置は、受信印刷データに予め記憶した特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列の次行を削除開始行として不要データを削除するものであり、設定手段は、設定値として特定文字列を設定し、テスト印刷データ生成手段は、特定文字列に行データを付加してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、予め記憶した特定文字列の次行を削除開始行として削除処理を行う場合にも、特定文字列に、設定した削除行数を超える行データを付加してテスト印刷データを生成するので、特定文字列の次行から、設定した削除行数分のテスト印刷データが削除されているかどうかを確実に確認することができる。
【0013】
この場合、設定手段は、設定値として複数の特定文字列を設定し、テスト印刷データ生成手段は、設定値に含まれる複数の特定文字列全てに対し、特定文字列毎に行データを付加してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、テスト印刷データに含まれた複数の特定文字列のうち、1の特定文字列に対しての削除処理によって他の特定文字列が削除されてしまう虞がない。すなわち、設定した複数の特定文字列全てに対して、削除処理を確認するためのテスト印刷を一括して行うことができる。これにより、テスト印刷を効率的に行うことができる。
【0015】
この場合、設定手段は、設定値として特定文字列毎に削除行数を設定し、テスト印刷データ生成手段は、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データに代えて、設定した削除行数以上の行データを各特定文字列に付加して、前記テスト印刷データを生成することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、例えば行データを設定された削除行数と等しい行数で生成することで、テスト印刷データおよび印刷結果を必要最小限に抑えることが可能である。これにより、用紙を節約することができるとともに、印刷結果の確認もさらに容易である。
【0017】
また、これらの場合、テスト印刷データ生成手段は、行データに特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列が含まれる行を、代替用に記憶しておいた他のキャラクタ列に置換してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、本来削除処理によって削除対象となる行データに含まれる文字列が、設定した特定文字列として処理されることを防止することができる。
【0019】
本発明のプログラムは、上記のいずれか1に記載の印刷制御装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置において、ユーザがテスト印刷データを生成することなく容易にテスト印刷を行うためのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明の印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法の実施形態について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態における印刷装置50は、スーパーやコンビニエンス・ストア等の店舗にて利用され、オペレータによって入力された商品販売に関する入力情報に基づいてレシートを発行するPOSシステムにおいて、POSアプリケーション41aを備えたPOS端末装置40において生成された決済情報印刷データを受信してレシート上に印刷するものである。また、印刷装置50は、予め記憶している設定値に基づいて、POS端末装置40から受信した決済情報印刷データに画像データを付加して印刷するレシート装飾処理(詳細は後述する)を行うことが可能であり、レシート装飾処理に関する設定値の設定は、印刷装置50と接続して用いる印刷制御装置10によって行う。
【0023】
POS端末装置40は、印刷装置50とインターフェースを介して有線又は無線で接続され、キーボード43による入力またはバーコードリーダ44によるバーコードの読み取りによって商品に関する入力情報を取得する。また、カードリーダ45によって顧客60のクレジットカードや会員カードを読み取り、クレジット清算に関する情報や会員番号等の会員に関する情報を取得する。さらに、後述するPOSサーバ30から送信された商品データを元に生成した商品情報を表示するディスプレイ42を有し、顧客60に対して購入商品の金額等を掲示する。これらの制御は、POS端末装置40内のPOSアプリケーション41aによって行われ、POSアプリケーション41aは、POSサーバ30から送信される商品データや入力情報に基づいてレシート上に印刷するための決済情報印刷データを生成し、印刷装置50へプリンタドライバ41bを経由して送信する。
【0024】
POSサーバ30は、制御装置(CPU31)の他、ROM32やRAM33等のメモリを有し、ROM32内に記憶された制御プログラムにしたがって、RAM33内のバッファ39等に記憶された情報の処理を行う。特にRAM33内には商品コードブロック35、商品名ブロック36、金額ブロック37、在庫ブロック38等からなる商品マスタを有しており、CPU31は、POS端末装置40から送信された入力情報に基づいて、商品マスタから商品コード、商品名、金額に関する情報を抽出し、レシートRへの印刷およびPOS端末装置40のディスプレイ42の表示に用いる商品データを生成する。
【0025】
一方印刷装置50は、レシートプリンタであり、POS端末装置40から各種制御コマンドや決済情報印刷データを受信するデータ受信部100の他、搬送部110、印刷部120、切断部130、当該印刷部120および切断部130を駆動する駆動部140、印刷装置50全体を制御する制御部200等を備えている。制御部200は、レシートに付加して印刷するための画像データや、画像データに関する各種設定値(図3参照)を記憶するメモリ(RAM230,図2参照)を備えており、当該各種設定値に従って、画像データをロゴとしてレシートに付加するレシート装飾処理(詳細は後述する)の制御を行う。
【0026】
印刷制御装置10は、例えばパーソナルコンピュータであり、レシートRに付加して印刷するための画像データの編集や印刷装置50への画像データの登録、並びに上記したレシート装飾処理に関する設定値の設定や取得、印刷装置50のテスト印刷を行う印刷制御プログラム24を備え、ユーザは、マウス12やキーボード11を含む入力手段およびディスプレイ13を介して、印刷装置50のレシート装飾処理に関する設定値の設定やテスト印刷を行うことができる。また、印刷制御装置10と印刷装置50とはインターフェースを介して有線又は無線で接続されている。なお、印刷制御装置10は、画像データの編集や登録、およびレシート装飾処理に関する設定値の設定や取得、並びにテスト印刷時に、印刷装置50と接続して用いられるものであり、印刷装置50と常時接続されるものではない。
【0027】
ここで、図2を参照して印刷制御装置10および印刷装置50の制御構成について詳細に説明する。
同図に示すように、印刷制御装置10は、印刷装置50とデータの送受信を行うためのインターフェース21の他、CPU25、ROM26、RAM27、キーボード11、マウス12、ディスプレイ13、ハードディスク22を備え、これらはシステムバス28を介して互いに接続されている。
ハードディスク22は、オペレーティング・システム(以下OSと記載)および印刷装置50に関する設定やテスト印刷を行うための印刷制御プラグラム24に加え、他のアプリケーションプログラムを記憶しており、また、印刷制御プログラム24および他のアプリケーションプログラムの環境設定や起動時の表示に関する設定ファイル等を記憶している。また、OS23は、マウス12およびキーボード11からの入力の受付やディスプレイ13への表示等、それぞれのアプリケーションに共通する処理を提供するものであり、印刷制御装置10を動作させるための基本となるソフトウェアである。
【0028】
CPU25は、OS23のプログラムや印刷制御プログラム24、並びに他のアプリケーションプログラムに基づいて各種演算処理を行い印刷制御装置10の制御を行う。ROM26は、キーボード11、ディスプレイ13、ハードディスク22といったデバイスをコントロールするプログラムであるBIOS等が記憶されており、OS23はBIOSに命令を出すことでこれらのデバイスを制御する。RAM27は、ハードディスク22や他の記憶媒体(CD―ROMやCD−R等)から一時的に読み出されたOS23のプログラムおよびアプリケーションプログラムが、CPU25の制御の下に実行される作業領域として使用される。
【0029】
一方、印刷装置50は、POS端末装置40や印刷制御装置10とのデータの送受信を行うインターフェース51と、レシート送りモータ111を有し、レシートRの搬送を行う搬送部110と、印刷ヘッド121を有し、レシートRの搬送に同期してレシート上に各種印刷データの印刷を行う印刷部120を備えている。
さらに、印刷装置50は、レシートカッタ132およびこれを駆動するカッタモータ131を有し、印刷済みレシートRの後端を切断する切断部130と、送りモータドライバ141、ヘッドドライバ142およびカッタモータドライバ143を有し、各部を駆動する駆動部140と、各部と接続され、印刷装置50全体を制御する制御部200と、によって構成されている。
【0030】
制御部200は、CPU210、ROM220、RAM230および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)240を備え、互いにシステムバス250により接続されている。ROM220は、印刷や後述するレシート装飾処理を含む制御をCPU210が実行するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック221と、受信した印刷データに基づく印刷や後述するレシート装飾処理のための制御データや各種テーブル等を記憶する制御データブロック222と、を有している。
【0031】
RAM230は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック231の他、データ受信部100(図1参照)によって受信した印刷データを一時的に記憶する受信バッファ232、印刷部120により印刷可能な状態に展開したデータを記憶するプリントバッファ233、レシートRの任意の位置にロゴとして印刷するための複数の画像データを記憶する画像データブロック234を備えている。
【0032】
また、レシートの先頭に付加する画像データすなわちトップロゴTLに関する設定値を記憶するトップロゴブロック235、レシートの末尾に付加する画像データすなわちボトムロゴBLに関する設定値を記憶するボトムロゴブロック236、レシートにウォーターマークとして印刷するウォーターマークWMに関する設定値を記憶するウォーターマークブロック237、および特定の文字列に対応してレシートに付加する画像データすなわちキーワードロゴKLに関する設定値を記憶するキーワードロゴブロック238を有しており、CPU210は、これらの設定値に基づいて受信した印刷データの展開処理を行う。また、RAM230は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。なお、画像データブロック234、トップロゴブロック235、ボトムロゴブロック236、ウォーターマークブロック237、およびキーワードロゴブロック238は、不揮発性のメモリを用いてもよい。
【0033】
IOC240には、CPU210の機能を補うと共に各種周辺回路とのインターフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC240は、POS端末装置40および印刷制御装置10から受信した印刷データや制御データをそのまま或いは加工してシステムバス250に取り込むと共に、CPU210と連動して、CPU210からシステムバス250に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して印刷部120等各部に出力する。
【0034】
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、IOC240を介して印刷装置50内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいてRAM230内の各種データを処理し、IOC240を介して印刷装置50内の各部に各種信号・データを出力することにより、印刷処理の制御を行う。
【0035】
ここで、印刷装置50が備えたレシート装飾機能について説明する。まず、レシート装飾処理に用いる画像データに関する設定値について図3の〈設定値〉欄を参照して説明する。トップロゴブロック235に記憶している設定値には、トップロゴTLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、トップロゴTLの位置揃え(左よせ、中央よせ、右よせの何れかに設定)に加えて、受信した決済情報印刷データの情報とトップロゴTLの情報が重複することを防ぐため、受信した決済情報印刷データの不要部分を削除するために設定する、受信した決済情報印刷データの先頭行からの削除行数、が含まれている。
【0036】
また、ボトムロゴブロック236に記憶している設定値には、ボトムロゴBLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、ボトムロゴBLの位置揃えが含まれている。
【0037】
また、ウォーターマークブロック237に記憶している設定値には、ウォーターマークWMとして印刷する画像データを識別するためのIDと、レシート先端から先頭のウォーターマークの印刷位置までの長さとなる上余白L1、ウォーターマーク間の長さとなる印刷間隔L2、並びに位置揃えが含まれている。
【0038】
さらに、キーワードロゴブロック238に記憶している設定値には、キーワードロゴKLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、キーワードロゴ印刷のトリガとなる特定文字列(受信した決済情報印刷データにこの特定文字列が含まれる場合、特定文字列の位置に基づきキーワードロゴが印刷される)と、位置揃えに加えて、トップロゴTLと同様の理由で設定する、特定文字列行の次行を削除開始行とした削除行数、が含まれている。さらに、キーワードロゴKLの設定値には印刷位置が含まれており、この印刷位置として、特定文字列行と置き換えて挿入するか、特定文字列行の次行に挿入するか、並びに特定文字列行の前行に挿入するか、を選択することができる。具体的な設定値を図3下部に示す。
【0039】
図4に示すレシートRは、図3に下部に示す設定値に基づいてレシート装飾処理が行われたレシートRを示している。このレシートRには、トップロゴTLとしてID「2020」の画像データが設定され、レシート先頭に「中央よせ」の位置で印刷されている。また、トップロゴTLの削除行数「3」の設定値に基づき決済情報印刷データの先頭行(1行目)から3行目が削除行とみなされ印刷が行われていない。また、ボトムロゴBLとしてID「2021」の画像データが設定され、レシート末尾に「中央よせ」の位置で印刷されている。
【0040】
また、キーワードロゴKLとしてID「2025」の画像データが設定され、特定文字列として設定された「いちご」を含む特定文字列行(図では9行目)の次行に位置して「中央よせ」で印刷されている。また、キーワードロゴKLの削除行数(正確には特定文字列「いちご」に対する削除行数;詳細は後述する)は「0」に設定されているので特定文字列行以降の決済情報印刷データは削除されることなく印刷されている。さらに、ウォーターマークWMとして設定されたID「2022」の画像データがレシートRにウォーターマークとして「中央よせ」の位置で印刷されている。また、先頭のウォーターマークWMは、設定値に基づきレシート先端から40dotの位置に印刷され、ウォーターマークWMの間隔は、設定値に基づき20dotの長さに設定されている。なお、本実施形態ではウォーターマークの上余白L1および印刷間隔L2の指定としてドット単位を想定しているが、これに限るものではない。例えばインチおよびミリ単位で表してもよい。
【0041】
ここで、レシート装飾処理に用いる画像データの登録および設定値の設定方法について図5〜図7を参照して説明する。この処理は印刷制御装置10の印刷制御プログラム24により行われるものである。図5に示す画面は、印刷制御装置10において、印刷装置50へ画像データを登録する登録画面300を示している。この登録画面300では、印刷制御装置10の所定の場所に格納された、若しくは印刷制御装置10から参照可能なネットワーク上に格納された画像データのファイル名がリスト301に表示される。
【0042】
ユーザはリスト301のなかから印刷装置50へ登録する画像データのファイル名を選択し、画面右下部に配置した画像登録ボタン302をクリックすることによって画像データを登録することができる。画像データ登録の際には、登録画像情報として、画像データと、画像データを識別するためのIDと、が設定値として印刷装置50の画像データブロック234へ格納される。また、登録画面300では、画像データの濃度(明るさ)を変更することが可能である。ユーザは濃度調整用のカーソル303を左右に移動させ、登録画面右部に配置したプレビュー画面304を参照しながら画像データの濃度(明るさ)を調整する。この処理は、RGBの加算若しくは減算を行うことで実現される。なお、編集前オプションボタン305aを選択すると、濃度調整前の画像データが、編集後オプションボタン305bを選択すると、濃度調整が反映された画像データがプレビュー画面304に表示される。この濃度調整処理は、ウォーターマークWMとして用いる画像データを登録する際に特に有効である。
【0043】
図6および図7に示す画面は、図3に示す設定値を設定する設定画面310,320である。設定画面上部には、リスト311,321が配置し、印刷装置50の画像データブロック234に格納された画像データを識別するIDや現在の設定値が表示される。そして、設定画面下部のウォーターマーク設定部312(同6参照)、トップロゴ設定部322a、ボトムロゴ設定部322b、キーワードロゴ設定部322c(図7(a)および(b)参照)において、所望の設定値をそれぞれ設定することにより、レシート装飾処理に関する各種設定を行う。設定画面311,321において設定された設定値は印刷制御装置10から印刷装置50へ送信され、印刷装置50のトップロゴブロック235、ボトムロゴブロック236、ウォーターマークブロック237、キーワードロゴブロック238にそれぞれ格納される。なお、印刷装置50に登録する画像データと、レシート装飾処理に関する各種設定値とを、一度の操作で印刷装置50へ送信する構成でもよい。
【0044】
キーワードロゴKLの設定値についてさらに説明する。図7の設定画面320に示すように、キーワードロゴKLとして複数の画像データを設定することが可能であり、設定した各キーワードロゴKLに対してキーワードとなる特定文字列を設定することができる。そして、設定した特定文字列に対して、削除行数を設定する。例えば、キーワードロゴKLとして設定されたID「2023」の画像データには、特定文字列「ビール」が設定され、設定された特定文字列「ビール」に対して削除行数「2」行が設定されている(同図(a)322c参照)。一方、ID「2024」の画像データには、特定文字列「コーラ」が設定され、設定された特定文字列「コーラ」に対して削除行数「4」行が設定されている(同図(b)322c参照)。また、削除行数の他に、位置揃えや印刷位置といった設定も特定文字列毎に設定することが可能である。なお、設定画面下部に示す「追加」、「変更」、「削除」ボタンは、特定文字列の追加や変更および削除に用いるものである。また、1つの画像データに対して複数の特定文字列を設定することも可能である。
【0045】
ところで、上述したレシート装飾処理が設定値どおりに正常に処理されるかどうかを確認することが必要不可欠であるが、本実施形態の印刷制御装置10は、印刷制御プログラム24によって、レシート装飾処理が設定値通りに処理され印刷されるかどうかを確認するためのテスト印刷を行うことができる。このテスト印刷は、印刷制御装置10においてテスト印刷データを生成し、生成したテスト印刷データを印刷装置50が印刷することにより行われ、図8に示すテスト印刷画面330のテスト印刷実行ボタン331をクリックすると、印刷制御装置10によるテスト印刷データ生成処理が開始される。また、テスト印刷画面上部にはリスト332が配置し、画像データのIDおよび現在の設定値を表示する。これにより、ユーザはテスト印刷実行時の設定状況を確認することができる。
【0046】
印刷制御装置10が生成するテスト印刷データは、トップロゴTLやキーワードロゴKL等に対する設定を確認するためのロゴテストデータと、ウォーターマークWMの印刷濃度(明るさ)を確認するためのウォーターマークテストデータにより構成される。まず、トップロゴTLやキーワードロゴKLに対する設定、特にロゴ挿入に伴う決済情報印刷データ削除処理を確認するためのロゴテストデータについて図9〜図13を参照して説明する。
【0047】
図9は、印刷装置50のトップロゴブロック235およびキーワードロゴブロック238に格納されている、トップロゴTLおよびキーワードロゴKLに関する設定値を示している。そして、この設定値に基づいて印刷制御装置10が生成するロゴテストデータを図10(a)に示す。ロゴテストデータは、複数のキーワードロゴKLそれぞれに設定された特定文字列に、設定可能な最大削除行数以上の行数から構成された行データG(G2、G3、G4)を付加したものである。さらに、トップロゴTLに対する削除処理の確認のため、先頭に行データG1が挿入されて生成されている。なお、本実施例では、最大削除行数は「4」行に基づき(図9参照)行データG1〜G4は「5」行分生成されている。さらに、行データGはその行数を表す数字が配列して構成されている。なお、行データG全てを数字で構成するのではなく、各行に数字が含まれる構成でもよい。
【0048】
印刷装置50によってレシート装飾処理を行い、図10(a)に示すテスト印刷データ(ロゴテストデータ)を出力したときの印刷結果を同図(b)に示す。まず、トップロゴTLの設定値に基づき、レシート先頭にトップロゴTLとしてID「2020」の画像データが印刷され、設定された削除行数「3」行に基づき、行データG1のうち1行目から3行目までが削除されていることがわかる。また、ロゴテストデータに含まれた特定文字列「ビール」は、図9に示す設定値に基づきキーワードロゴKL(ID「2023」の画像データ)に置換され、設定された削除行数「2」行に基づき、行データG2のうち、1行目から2行目までが削除されている。また、同様に特定文字列「コーラ」は、キーワードロゴKL(ID「2024」の画像データ)に置換され、特定文字列「コーラ」に対して設定された削除行数「4」行に基づき、行データG3のうち、1行目から4行目までが削除されている。さらに、特定文字列「いちご」は、キーワードロゴKL(ID「2025」の画像データ)に置換され、特定文字列「いちご」に対して設定された削除行数「3」行に基づき、行データG4のうち、1行目から3行目までが削除されていることが確認できる。
【0049】
このように、ロゴテストデータには、先頭および各特定文字列に、設定可能な最大削除行数を超える行数分の行データG1〜G4が付加されているので、トップロゴ挿入に伴う行データ削除処理や1の特定文字列に対しての行データ削除処理によって、他の特定文字列が削除される虞がない。例えば、図11に示すように、トップロゴTL挿入に伴う削除処理によって、特定文字列「ビール」、「コーラ」、および「いちご」が削除されてしまったり(同図(a)参照)、トップロゴTLに挿入に伴う削除処理が行われない場合でも、特定文字列「ビール」に対しての削除処理によって、他の特定文字列「コーラ」および「いちご」が削除されてしまったり(同図(b)参照)といった事態を防止することができる。また、行データGには、その行数を示す数字が配列していることから、図10(a)に示すレシート装飾処理が行われていないロゴテストデータと、同図(b)に示すレシート装飾処理後の印刷結果との双方を出力して比較しなくても、設定値通りに削除行数分の行データGが削除されているかどうかを、同図(b)に示す印刷結果を参照するだけで容易に確認することができる。
【0050】
また、図12(a)に示すように、行データG1〜G4を、設定された削除行数に基づき生成する構成でもよい。例えば、図9に示す設定値に基づき行データGを設定された削除行数と等しい行数で構成すると、行データG1の行数は3行、行データG2の行数は2行、行データG3の行数は4行、行データG4の行数は3行となる。そして、レシート装飾処理が行われると、同図(b)に示すように、全ての行データG1〜G4が削除され、トップロゴTLおよびロゴテストデータに含まれる特定文字列と対応したキーワードロゴKLのみが印刷される。これにより、ユーザは行データG1〜G4が印刷されないことと、全てのキーワードロゴKLが印刷されたことから削除処理が正常に行われたことを確認できる。なお、行データG1〜G4を設定された削除行数+1行の行数で生成してもよい。
【0051】
また、行データGに特定文字列が含まれることにより、削除対象となる行データに対して、キーワードロゴKLの置換処理が行われてしまい、目的に即したテスト印刷結果を得ることができないことが想定できる。このような事態を防ぐために、印刷制御装置10は、テスト印刷データ生成時に特定文字列が行データGに含まれるか否かを判別し、特定文字列が含まれる場合は、特定文字列が含まれる行の行データを予め代替用に記憶していた他のキャラクタに置換する処理を行う。
【0052】
例えば、図9に示す設定値において、特定文字列「ビール」に代えて文字列「44」が特定文字列として設定された場合、ロゴテストデータは図13(a)に示すように生成される。すなわち、行データGのなかで、文字列「44」が含まれる行を全て代替用のキャラクタに置換して行データGを生成する(本実施例では、代替用のキャラクタとして“マイナス”「−」を使用している)。このように、行データGのうち、特定文字列を含む行を他のキャラクタに置換してロゴテストデータを生成するので、たとえ行データGに特定文字列が含まれている場合でも、目的に即したテスト印刷結果を得ることができる(同図(b)参照)。また、代替用のキャラクタに置換した行に、その行数を表す数字を例えば1文字含ませてもよい(同図(a′)参照)。これにより、特定文字列を含む行がどのようなキャラクタで置換されても、その行数を容易に確認することができる。
【0053】
次に、ウォーターマークWMの印刷濃度(明るさ)を確認するためのウォーターマークテストデータについて説明する。
ウォーターマークWMに重ねて印刷するウォーターマークテストデータは、複数のキャラクタの集合体であるキャラクタ群Cが分散配置する配置パターンで構成されている。配置パターンの一例として、キャラクタ群Cが千鳥格子状に配置される配置パターンを例に挙げ、図14を参照して説明する。
【0054】
図14に示す配置パターンでは、キャラクタ群Cが文字列Sとして構成しており、文字列Sと、文字列Sと略等しい長さの空白Pとが列方向に交互に配置している。そして、改行毎に文字列Sと空白Pとの位置が相互に入れ替わることにより、さらに行方向に文字列Sと空白Pとが交互に配置している。言い換えれば、文字列Sが千鳥格子状に分散配置されるパターンである。このように、文字列Sを千鳥格子状に配置した配置パターンでウォーターマークテストデータを作成することにより、1つのウォーターマークWMに対し、ウォーターマークWMと文字列Sとが重なる重複部分XとウォーターマークWMと文字列Sとが重ならない非重複部分Yとが、略1:1の割合で形成される。
【0055】
これにより、ウォーターマークWMが適切な濃度(明るさ)、つまり重ねて印刷した印刷データが判読可能であるとともにウォーターマーク自体が判読可能であるかどうか、を確認するための最適なウォーターマークWMと文字列Sとの重なり具合を実現することができる。すなわち、ウォーターマークWMのサイズや、印刷間隔がどのようなものであっても、図15(a)に示すように、ウォーターマークWM全体に印刷データの印刷部分が重なりウォーターマークWMが認識しづらくなったり、同図(b)に示すように、印刷データの印刷部分とウォーターマークWMが重複しないことにより、重なり具合を認識できないといった虞がない。
【0056】
さらに、文字列Sには、その行数を表す数字が配列していることにより、設定した上余白の長さL1(図14参照)、すなわちレシート先端から先頭のウォーターマークWMの長さ、および印刷間隔の長さL2(図14参照)を行単位で認識することができる。これにより、図6に示す設定画面310において、ドット単位で設定した上余白の長さL1および印刷間隔の長さL2を、ユーザが実際に何行分の長さになるかどうかを把握することが可能となり、長さを設定する際にも参考にすることができる。なお、上余白の長さL1とは、レシートRの先端から最初のウォーターマークWMの印刷位置(前端位置)までの長さであり、印刷間隔の長さL2とは、レシート搬送方向における任意のウォーターマークWMの後端位置からこれに続くウォーターマークWMの前端位置までの長さを指すものである。
【0057】
もちろんキャラクタ群Cは、図16(a)に示すように、数字が配列する文字列Sではなく記号や線から成るキャラクタで構成してもよい。また、キャラクタの一部に数字を含ませてもよい。さらに、同図(b)のように、複数のキャラクタが所定の形状で集合しキャラクタ群Cを構成してもよい。この場合、複数のキャラクタ群Cは、それぞれ異なる形状でもよい。さらに、ウォーターマークテストデータを印刷装置50自身で生成し、印刷装置50が備えたテストボタン等の押下によってテスト印刷を開始する構成でもよい。これにより、ウォーターマークWMに関するテスト印刷を、印刷装置1台の構成で行うことが可能となる。
【0058】
また、ロゴテストデータおよびウォーターマークテストデータを連結してテスト印刷データを生成してもよい。これにより、ウォーターマークWMに関するテスト印刷の印刷結果と、トップロゴやキーワードロゴに対する設定、特にロゴ挿入に伴う印刷データ削除処理に関するテスト印刷の印刷結果とが連結して一枚の用紙に出力されるので、印刷結果の確認がさらに容易となる。
【0059】
また、図8に示すテスト印刷画面330では、レシート装飾処理を行ってテスト印刷を実行するか、レシート装飾処理を行わずにテスト印刷を実行するかを選択するチェックボックス333を配置している。これにより、必要に応じて同じ出力データに対する、レシート装飾処理を行わない場合の印刷結果を確認することができる。さらに、テスト印刷データ、特にロゴテストデータ生成において、全ての特定文字列に対してロゴテストデータを生成するか、指定した1の特定文字列に対してのみロゴテストデータを生成するかをオプションボタン334により選択することができる。これにより、新たに特定文字列を追加したときなど、所望の特定文字列を指定してテスト印刷を行うことができる。このように、本発明の印刷制御装置10は、様々な条件の下でテスト印刷を行うことが可能である。
【0060】
また、本実施形態では、レシート印刷データを生成するPOSアプリケーション41aを備えたPOS端末装置40と、印刷制御プログラム24を備えた印刷制御装置10とを互いに独立した別の装置として構成しているが、これらを1つの装置として構成することも当然可能である。この構成によれば、通常のレシート発行処理と、レシート装飾処理のための設定処理やテスト印刷とを、1つの装置で行うことが可能となるので、装置構成が簡易となり、且つレシート発行処理とレシート装飾処理のための設定処理やテスト印刷との切換えが容易となる。
【0061】
なお、上記の例に示した印刷制御装置10の各部(各機能)をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係るPOSシステムの構成図である。
【図2】印刷制御装置および印刷装置の制御ブロック図である。
【図3】印刷装置が記憶する設定値を示す図である。
【図4】レシート装飾処理の一例を示す説明図である。
【図5】印刷装置が記憶する画像データの登録画面である。
【図6】画像データをウォーターマークとして設定するための設定画面である。
【図7】画像データをロゴとして設定するための設定画面である。
【図8】印刷制御装置によるテスト印刷の画面である。
【図9】テスト印刷実行時の設定値を示す説明図である。
【図10】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図11】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図12】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図13】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図14】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【図15】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【図16】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
10 印刷制御装置 50 印刷装置
14 印刷制御プログラム 234 画像データブロック
235 トップロゴブロック 237 ウォーターマークブロック
238 キーワードロゴブロック R レシート
TL トップロゴ WM ウォーターマーク
KL キーワードロゴ G 行データ
C キャラクタ群 X 重複部分
Y 非重複部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピュータによって生成された印刷データを受信し、レシート上に印刷する印刷装置において、レシートの装飾や販売促進を目的として、販売店のマーク、店名、住所、クーポン券等の画像データを、レシートの先頭や末尾、若しくは、受信した印刷データの特定の文字列に対応した位置に付加して印刷する印刷方法が知られている。この画像データを付加して印刷データを印刷する印刷方法を新たに導入する場合、ホストコンピュータの変更を必要とせずに、画像データを付加して印刷することができる印刷装置が開示されている。(特許文献1参照)。
【0003】
上記の印刷装置において、受信した印刷データと付加する画像データとの情報が重複してしまうといった問題の解決策として、受信した印刷データから、画像データと情報が重複する部分を予め設定した設定値に基づき削除する方法が知られている。この設定において、行単位で受信した印刷データの先頭行を削除開始行として削除行数を設定したり、上記の特定文字列行の次行を削除開始行として削除行数を設定することが想定できる。
【特許文献1】特開2004−58323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した印刷データ削除処理が正常に行われるかを確認するために、テスト印刷データを作成し、印刷物の印刷結果を確認するテスト印刷が必要不可欠であるが、テスト印刷データは、設定した削除行数以上の行数から成る印刷データが必要なことから、ユーザはテスト印刷データ作成時において、設定した削除行数を参照する必要があり面倒である。また、仮に設定可能な最大削除行数から成るテスト印刷データを作成したとしても、設定可能な最大削除行数が変更になった場合は、ユーザはテスト用印刷データを作成し直さなければならない。
【0005】
上記の問題に鑑み、本発明は、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置において、ユーザがテスト印刷データを生成することなく容易にテスト印刷を行うことができる印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷制御装置は、行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置であって、不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定手段と、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の印刷制御装置のテスト印刷方法は、行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置のテスト印刷方法であって、不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定工程と、設定工程において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成工程と、生成したテスト印刷データを印刷装置へ送信する印刷データ送信工程と、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データがテスト印刷データとして生成されるので、ユーザがテスト印刷データを生成する手間を省くことが可能であるとともに、設定した削除行数分の印刷データが削除されているかを確実に確認することができる。また、設定可能な最大削除行数が変更になった場合にも、テスト印刷データを再度作成する必要がないので、さらにユーザの負担を軽減させることができる。なお、最大削除行数と等しい行数からなる行データを生成したときに、行データが全て削除され出力データがなくなるような場合には、行データを最大削除行数を超える行数で構成してもよい。
【0009】
この場合、行データは、その行数を示す数字を含むことが好ましい。
【0010】
この構成によれば、削除処理を行わずに出力したテスト印刷データと、削除処理を行って出力したテスト印刷データとを比較しなくても、行数を示す数字が表示されていることにより、削除処理後のテスト印刷データの出力結果を確認するだけで、削除開始行と削除行数とが一目瞭然である。すなわち、テスト印刷に要する時間を短縮させるとともに、テスト印刷に用いる用紙の節約にもなる。
【0011】
また、これらの場合、印刷装置は、受信印刷データに予め記憶した特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列の次行を削除開始行として不要データを削除するものであり、設定手段は、設定値として特定文字列を設定し、テスト印刷データ生成手段は、特定文字列に行データを付加してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、予め記憶した特定文字列の次行を削除開始行として削除処理を行う場合にも、特定文字列に、設定した削除行数を超える行データを付加してテスト印刷データを生成するので、特定文字列の次行から、設定した削除行数分のテスト印刷データが削除されているかどうかを確実に確認することができる。
【0013】
この場合、設定手段は、設定値として複数の特定文字列を設定し、テスト印刷データ生成手段は、設定値に含まれる複数の特定文字列全てに対し、特定文字列毎に行データを付加してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、テスト印刷データに含まれた複数の特定文字列のうち、1の特定文字列に対しての削除処理によって他の特定文字列が削除されてしまう虞がない。すなわち、設定した複数の特定文字列全てに対して、削除処理を確認するためのテスト印刷を一括して行うことができる。これにより、テスト印刷を効率的に行うことができる。
【0015】
この場合、設定手段は、設定値として特定文字列毎に削除行数を設定し、テスト印刷データ生成手段は、設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データに代えて、設定した削除行数以上の行データを各特定文字列に付加して、前記テスト印刷データを生成することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、例えば行データを設定された削除行数と等しい行数で生成することで、テスト印刷データおよび印刷結果を必要最小限に抑えることが可能である。これにより、用紙を節約することができるとともに、印刷結果の確認もさらに容易である。
【0017】
また、これらの場合、テスト印刷データ生成手段は、行データに特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列が含まれる行を、代替用に記憶しておいた他のキャラクタ列に置換してテスト印刷データを生成することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、本来削除処理によって削除対象となる行データに含まれる文字列が、設定した特定文字列として処理されることを防止することができる。
【0019】
本発明のプログラムは、上記のいずれか1に記載の印刷制御装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、受信した印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置において、ユーザがテスト印刷データを生成することなく容易にテスト印刷を行うためのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明の印刷制御装置、プログラム、および印刷制御装置のテスト印刷方法の実施形態について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態における印刷装置50は、スーパーやコンビニエンス・ストア等の店舗にて利用され、オペレータによって入力された商品販売に関する入力情報に基づいてレシートを発行するPOSシステムにおいて、POSアプリケーション41aを備えたPOS端末装置40において生成された決済情報印刷データを受信してレシート上に印刷するものである。また、印刷装置50は、予め記憶している設定値に基づいて、POS端末装置40から受信した決済情報印刷データに画像データを付加して印刷するレシート装飾処理(詳細は後述する)を行うことが可能であり、レシート装飾処理に関する設定値の設定は、印刷装置50と接続して用いる印刷制御装置10によって行う。
【0023】
POS端末装置40は、印刷装置50とインターフェースを介して有線又は無線で接続され、キーボード43による入力またはバーコードリーダ44によるバーコードの読み取りによって商品に関する入力情報を取得する。また、カードリーダ45によって顧客60のクレジットカードや会員カードを読み取り、クレジット清算に関する情報や会員番号等の会員に関する情報を取得する。さらに、後述するPOSサーバ30から送信された商品データを元に生成した商品情報を表示するディスプレイ42を有し、顧客60に対して購入商品の金額等を掲示する。これらの制御は、POS端末装置40内のPOSアプリケーション41aによって行われ、POSアプリケーション41aは、POSサーバ30から送信される商品データや入力情報に基づいてレシート上に印刷するための決済情報印刷データを生成し、印刷装置50へプリンタドライバ41bを経由して送信する。
【0024】
POSサーバ30は、制御装置(CPU31)の他、ROM32やRAM33等のメモリを有し、ROM32内に記憶された制御プログラムにしたがって、RAM33内のバッファ39等に記憶された情報の処理を行う。特にRAM33内には商品コードブロック35、商品名ブロック36、金額ブロック37、在庫ブロック38等からなる商品マスタを有しており、CPU31は、POS端末装置40から送信された入力情報に基づいて、商品マスタから商品コード、商品名、金額に関する情報を抽出し、レシートRへの印刷およびPOS端末装置40のディスプレイ42の表示に用いる商品データを生成する。
【0025】
一方印刷装置50は、レシートプリンタであり、POS端末装置40から各種制御コマンドや決済情報印刷データを受信するデータ受信部100の他、搬送部110、印刷部120、切断部130、当該印刷部120および切断部130を駆動する駆動部140、印刷装置50全体を制御する制御部200等を備えている。制御部200は、レシートに付加して印刷するための画像データや、画像データに関する各種設定値(図3参照)を記憶するメモリ(RAM230,図2参照)を備えており、当該各種設定値に従って、画像データをロゴとしてレシートに付加するレシート装飾処理(詳細は後述する)の制御を行う。
【0026】
印刷制御装置10は、例えばパーソナルコンピュータであり、レシートRに付加して印刷するための画像データの編集や印刷装置50への画像データの登録、並びに上記したレシート装飾処理に関する設定値の設定や取得、印刷装置50のテスト印刷を行う印刷制御プログラム24を備え、ユーザは、マウス12やキーボード11を含む入力手段およびディスプレイ13を介して、印刷装置50のレシート装飾処理に関する設定値の設定やテスト印刷を行うことができる。また、印刷制御装置10と印刷装置50とはインターフェースを介して有線又は無線で接続されている。なお、印刷制御装置10は、画像データの編集や登録、およびレシート装飾処理に関する設定値の設定や取得、並びにテスト印刷時に、印刷装置50と接続して用いられるものであり、印刷装置50と常時接続されるものではない。
【0027】
ここで、図2を参照して印刷制御装置10および印刷装置50の制御構成について詳細に説明する。
同図に示すように、印刷制御装置10は、印刷装置50とデータの送受信を行うためのインターフェース21の他、CPU25、ROM26、RAM27、キーボード11、マウス12、ディスプレイ13、ハードディスク22を備え、これらはシステムバス28を介して互いに接続されている。
ハードディスク22は、オペレーティング・システム(以下OSと記載)および印刷装置50に関する設定やテスト印刷を行うための印刷制御プラグラム24に加え、他のアプリケーションプログラムを記憶しており、また、印刷制御プログラム24および他のアプリケーションプログラムの環境設定や起動時の表示に関する設定ファイル等を記憶している。また、OS23は、マウス12およびキーボード11からの入力の受付やディスプレイ13への表示等、それぞれのアプリケーションに共通する処理を提供するものであり、印刷制御装置10を動作させるための基本となるソフトウェアである。
【0028】
CPU25は、OS23のプログラムや印刷制御プログラム24、並びに他のアプリケーションプログラムに基づいて各種演算処理を行い印刷制御装置10の制御を行う。ROM26は、キーボード11、ディスプレイ13、ハードディスク22といったデバイスをコントロールするプログラムであるBIOS等が記憶されており、OS23はBIOSに命令を出すことでこれらのデバイスを制御する。RAM27は、ハードディスク22や他の記憶媒体(CD―ROMやCD−R等)から一時的に読み出されたOS23のプログラムおよびアプリケーションプログラムが、CPU25の制御の下に実行される作業領域として使用される。
【0029】
一方、印刷装置50は、POS端末装置40や印刷制御装置10とのデータの送受信を行うインターフェース51と、レシート送りモータ111を有し、レシートRの搬送を行う搬送部110と、印刷ヘッド121を有し、レシートRの搬送に同期してレシート上に各種印刷データの印刷を行う印刷部120を備えている。
さらに、印刷装置50は、レシートカッタ132およびこれを駆動するカッタモータ131を有し、印刷済みレシートRの後端を切断する切断部130と、送りモータドライバ141、ヘッドドライバ142およびカッタモータドライバ143を有し、各部を駆動する駆動部140と、各部と接続され、印刷装置50全体を制御する制御部200と、によって構成されている。
【0030】
制御部200は、CPU210、ROM220、RAM230および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)240を備え、互いにシステムバス250により接続されている。ROM220は、印刷や後述するレシート装飾処理を含む制御をCPU210が実行するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック221と、受信した印刷データに基づく印刷や後述するレシート装飾処理のための制御データや各種テーブル等を記憶する制御データブロック222と、を有している。
【0031】
RAM230は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック231の他、データ受信部100(図1参照)によって受信した印刷データを一時的に記憶する受信バッファ232、印刷部120により印刷可能な状態に展開したデータを記憶するプリントバッファ233、レシートRの任意の位置にロゴとして印刷するための複数の画像データを記憶する画像データブロック234を備えている。
【0032】
また、レシートの先頭に付加する画像データすなわちトップロゴTLに関する設定値を記憶するトップロゴブロック235、レシートの末尾に付加する画像データすなわちボトムロゴBLに関する設定値を記憶するボトムロゴブロック236、レシートにウォーターマークとして印刷するウォーターマークWMに関する設定値を記憶するウォーターマークブロック237、および特定の文字列に対応してレシートに付加する画像データすなわちキーワードロゴKLに関する設定値を記憶するキーワードロゴブロック238を有しており、CPU210は、これらの設定値に基づいて受信した印刷データの展開処理を行う。また、RAM230は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。なお、画像データブロック234、トップロゴブロック235、ボトムロゴブロック236、ウォーターマークブロック237、およびキーワードロゴブロック238は、不揮発性のメモリを用いてもよい。
【0033】
IOC240には、CPU210の機能を補うと共に各種周辺回路とのインターフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC240は、POS端末装置40および印刷制御装置10から受信した印刷データや制御データをそのまま或いは加工してシステムバス250に取り込むと共に、CPU210と連動して、CPU210からシステムバス250に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して印刷部120等各部に出力する。
【0034】
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、IOC240を介して印刷装置50内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいてRAM230内の各種データを処理し、IOC240を介して印刷装置50内の各部に各種信号・データを出力することにより、印刷処理の制御を行う。
【0035】
ここで、印刷装置50が備えたレシート装飾機能について説明する。まず、レシート装飾処理に用いる画像データに関する設定値について図3の〈設定値〉欄を参照して説明する。トップロゴブロック235に記憶している設定値には、トップロゴTLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、トップロゴTLの位置揃え(左よせ、中央よせ、右よせの何れかに設定)に加えて、受信した決済情報印刷データの情報とトップロゴTLの情報が重複することを防ぐため、受信した決済情報印刷データの不要部分を削除するために設定する、受信した決済情報印刷データの先頭行からの削除行数、が含まれている。
【0036】
また、ボトムロゴブロック236に記憶している設定値には、ボトムロゴBLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、ボトムロゴBLの位置揃えが含まれている。
【0037】
また、ウォーターマークブロック237に記憶している設定値には、ウォーターマークWMとして印刷する画像データを識別するためのIDと、レシート先端から先頭のウォーターマークの印刷位置までの長さとなる上余白L1、ウォーターマーク間の長さとなる印刷間隔L2、並びに位置揃えが含まれている。
【0038】
さらに、キーワードロゴブロック238に記憶している設定値には、キーワードロゴKLとして印刷する画像データを識別するためのIDと、キーワードロゴ印刷のトリガとなる特定文字列(受信した決済情報印刷データにこの特定文字列が含まれる場合、特定文字列の位置に基づきキーワードロゴが印刷される)と、位置揃えに加えて、トップロゴTLと同様の理由で設定する、特定文字列行の次行を削除開始行とした削除行数、が含まれている。さらに、キーワードロゴKLの設定値には印刷位置が含まれており、この印刷位置として、特定文字列行と置き換えて挿入するか、特定文字列行の次行に挿入するか、並びに特定文字列行の前行に挿入するか、を選択することができる。具体的な設定値を図3下部に示す。
【0039】
図4に示すレシートRは、図3に下部に示す設定値に基づいてレシート装飾処理が行われたレシートRを示している。このレシートRには、トップロゴTLとしてID「2020」の画像データが設定され、レシート先頭に「中央よせ」の位置で印刷されている。また、トップロゴTLの削除行数「3」の設定値に基づき決済情報印刷データの先頭行(1行目)から3行目が削除行とみなされ印刷が行われていない。また、ボトムロゴBLとしてID「2021」の画像データが設定され、レシート末尾に「中央よせ」の位置で印刷されている。
【0040】
また、キーワードロゴKLとしてID「2025」の画像データが設定され、特定文字列として設定された「いちご」を含む特定文字列行(図では9行目)の次行に位置して「中央よせ」で印刷されている。また、キーワードロゴKLの削除行数(正確には特定文字列「いちご」に対する削除行数;詳細は後述する)は「0」に設定されているので特定文字列行以降の決済情報印刷データは削除されることなく印刷されている。さらに、ウォーターマークWMとして設定されたID「2022」の画像データがレシートRにウォーターマークとして「中央よせ」の位置で印刷されている。また、先頭のウォーターマークWMは、設定値に基づきレシート先端から40dotの位置に印刷され、ウォーターマークWMの間隔は、設定値に基づき20dotの長さに設定されている。なお、本実施形態ではウォーターマークの上余白L1および印刷間隔L2の指定としてドット単位を想定しているが、これに限るものではない。例えばインチおよびミリ単位で表してもよい。
【0041】
ここで、レシート装飾処理に用いる画像データの登録および設定値の設定方法について図5〜図7を参照して説明する。この処理は印刷制御装置10の印刷制御プログラム24により行われるものである。図5に示す画面は、印刷制御装置10において、印刷装置50へ画像データを登録する登録画面300を示している。この登録画面300では、印刷制御装置10の所定の場所に格納された、若しくは印刷制御装置10から参照可能なネットワーク上に格納された画像データのファイル名がリスト301に表示される。
【0042】
ユーザはリスト301のなかから印刷装置50へ登録する画像データのファイル名を選択し、画面右下部に配置した画像登録ボタン302をクリックすることによって画像データを登録することができる。画像データ登録の際には、登録画像情報として、画像データと、画像データを識別するためのIDと、が設定値として印刷装置50の画像データブロック234へ格納される。また、登録画面300では、画像データの濃度(明るさ)を変更することが可能である。ユーザは濃度調整用のカーソル303を左右に移動させ、登録画面右部に配置したプレビュー画面304を参照しながら画像データの濃度(明るさ)を調整する。この処理は、RGBの加算若しくは減算を行うことで実現される。なお、編集前オプションボタン305aを選択すると、濃度調整前の画像データが、編集後オプションボタン305bを選択すると、濃度調整が反映された画像データがプレビュー画面304に表示される。この濃度調整処理は、ウォーターマークWMとして用いる画像データを登録する際に特に有効である。
【0043】
図6および図7に示す画面は、図3に示す設定値を設定する設定画面310,320である。設定画面上部には、リスト311,321が配置し、印刷装置50の画像データブロック234に格納された画像データを識別するIDや現在の設定値が表示される。そして、設定画面下部のウォーターマーク設定部312(同6参照)、トップロゴ設定部322a、ボトムロゴ設定部322b、キーワードロゴ設定部322c(図7(a)および(b)参照)において、所望の設定値をそれぞれ設定することにより、レシート装飾処理に関する各種設定を行う。設定画面311,321において設定された設定値は印刷制御装置10から印刷装置50へ送信され、印刷装置50のトップロゴブロック235、ボトムロゴブロック236、ウォーターマークブロック237、キーワードロゴブロック238にそれぞれ格納される。なお、印刷装置50に登録する画像データと、レシート装飾処理に関する各種設定値とを、一度の操作で印刷装置50へ送信する構成でもよい。
【0044】
キーワードロゴKLの設定値についてさらに説明する。図7の設定画面320に示すように、キーワードロゴKLとして複数の画像データを設定することが可能であり、設定した各キーワードロゴKLに対してキーワードとなる特定文字列を設定することができる。そして、設定した特定文字列に対して、削除行数を設定する。例えば、キーワードロゴKLとして設定されたID「2023」の画像データには、特定文字列「ビール」が設定され、設定された特定文字列「ビール」に対して削除行数「2」行が設定されている(同図(a)322c参照)。一方、ID「2024」の画像データには、特定文字列「コーラ」が設定され、設定された特定文字列「コーラ」に対して削除行数「4」行が設定されている(同図(b)322c参照)。また、削除行数の他に、位置揃えや印刷位置といった設定も特定文字列毎に設定することが可能である。なお、設定画面下部に示す「追加」、「変更」、「削除」ボタンは、特定文字列の追加や変更および削除に用いるものである。また、1つの画像データに対して複数の特定文字列を設定することも可能である。
【0045】
ところで、上述したレシート装飾処理が設定値どおりに正常に処理されるかどうかを確認することが必要不可欠であるが、本実施形態の印刷制御装置10は、印刷制御プログラム24によって、レシート装飾処理が設定値通りに処理され印刷されるかどうかを確認するためのテスト印刷を行うことができる。このテスト印刷は、印刷制御装置10においてテスト印刷データを生成し、生成したテスト印刷データを印刷装置50が印刷することにより行われ、図8に示すテスト印刷画面330のテスト印刷実行ボタン331をクリックすると、印刷制御装置10によるテスト印刷データ生成処理が開始される。また、テスト印刷画面上部にはリスト332が配置し、画像データのIDおよび現在の設定値を表示する。これにより、ユーザはテスト印刷実行時の設定状況を確認することができる。
【0046】
印刷制御装置10が生成するテスト印刷データは、トップロゴTLやキーワードロゴKL等に対する設定を確認するためのロゴテストデータと、ウォーターマークWMの印刷濃度(明るさ)を確認するためのウォーターマークテストデータにより構成される。まず、トップロゴTLやキーワードロゴKLに対する設定、特にロゴ挿入に伴う決済情報印刷データ削除処理を確認するためのロゴテストデータについて図9〜図13を参照して説明する。
【0047】
図9は、印刷装置50のトップロゴブロック235およびキーワードロゴブロック238に格納されている、トップロゴTLおよびキーワードロゴKLに関する設定値を示している。そして、この設定値に基づいて印刷制御装置10が生成するロゴテストデータを図10(a)に示す。ロゴテストデータは、複数のキーワードロゴKLそれぞれに設定された特定文字列に、設定可能な最大削除行数以上の行数から構成された行データG(G2、G3、G4)を付加したものである。さらに、トップロゴTLに対する削除処理の確認のため、先頭に行データG1が挿入されて生成されている。なお、本実施例では、最大削除行数は「4」行に基づき(図9参照)行データG1〜G4は「5」行分生成されている。さらに、行データGはその行数を表す数字が配列して構成されている。なお、行データG全てを数字で構成するのではなく、各行に数字が含まれる構成でもよい。
【0048】
印刷装置50によってレシート装飾処理を行い、図10(a)に示すテスト印刷データ(ロゴテストデータ)を出力したときの印刷結果を同図(b)に示す。まず、トップロゴTLの設定値に基づき、レシート先頭にトップロゴTLとしてID「2020」の画像データが印刷され、設定された削除行数「3」行に基づき、行データG1のうち1行目から3行目までが削除されていることがわかる。また、ロゴテストデータに含まれた特定文字列「ビール」は、図9に示す設定値に基づきキーワードロゴKL(ID「2023」の画像データ)に置換され、設定された削除行数「2」行に基づき、行データG2のうち、1行目から2行目までが削除されている。また、同様に特定文字列「コーラ」は、キーワードロゴKL(ID「2024」の画像データ)に置換され、特定文字列「コーラ」に対して設定された削除行数「4」行に基づき、行データG3のうち、1行目から4行目までが削除されている。さらに、特定文字列「いちご」は、キーワードロゴKL(ID「2025」の画像データ)に置換され、特定文字列「いちご」に対して設定された削除行数「3」行に基づき、行データG4のうち、1行目から3行目までが削除されていることが確認できる。
【0049】
このように、ロゴテストデータには、先頭および各特定文字列に、設定可能な最大削除行数を超える行数分の行データG1〜G4が付加されているので、トップロゴ挿入に伴う行データ削除処理や1の特定文字列に対しての行データ削除処理によって、他の特定文字列が削除される虞がない。例えば、図11に示すように、トップロゴTL挿入に伴う削除処理によって、特定文字列「ビール」、「コーラ」、および「いちご」が削除されてしまったり(同図(a)参照)、トップロゴTLに挿入に伴う削除処理が行われない場合でも、特定文字列「ビール」に対しての削除処理によって、他の特定文字列「コーラ」および「いちご」が削除されてしまったり(同図(b)参照)といった事態を防止することができる。また、行データGには、その行数を示す数字が配列していることから、図10(a)に示すレシート装飾処理が行われていないロゴテストデータと、同図(b)に示すレシート装飾処理後の印刷結果との双方を出力して比較しなくても、設定値通りに削除行数分の行データGが削除されているかどうかを、同図(b)に示す印刷結果を参照するだけで容易に確認することができる。
【0050】
また、図12(a)に示すように、行データG1〜G4を、設定された削除行数に基づき生成する構成でもよい。例えば、図9に示す設定値に基づき行データGを設定された削除行数と等しい行数で構成すると、行データG1の行数は3行、行データG2の行数は2行、行データG3の行数は4行、行データG4の行数は3行となる。そして、レシート装飾処理が行われると、同図(b)に示すように、全ての行データG1〜G4が削除され、トップロゴTLおよびロゴテストデータに含まれる特定文字列と対応したキーワードロゴKLのみが印刷される。これにより、ユーザは行データG1〜G4が印刷されないことと、全てのキーワードロゴKLが印刷されたことから削除処理が正常に行われたことを確認できる。なお、行データG1〜G4を設定された削除行数+1行の行数で生成してもよい。
【0051】
また、行データGに特定文字列が含まれることにより、削除対象となる行データに対して、キーワードロゴKLの置換処理が行われてしまい、目的に即したテスト印刷結果を得ることができないことが想定できる。このような事態を防ぐために、印刷制御装置10は、テスト印刷データ生成時に特定文字列が行データGに含まれるか否かを判別し、特定文字列が含まれる場合は、特定文字列が含まれる行の行データを予め代替用に記憶していた他のキャラクタに置換する処理を行う。
【0052】
例えば、図9に示す設定値において、特定文字列「ビール」に代えて文字列「44」が特定文字列として設定された場合、ロゴテストデータは図13(a)に示すように生成される。すなわち、行データGのなかで、文字列「44」が含まれる行を全て代替用のキャラクタに置換して行データGを生成する(本実施例では、代替用のキャラクタとして“マイナス”「−」を使用している)。このように、行データGのうち、特定文字列を含む行を他のキャラクタに置換してロゴテストデータを生成するので、たとえ行データGに特定文字列が含まれている場合でも、目的に即したテスト印刷結果を得ることができる(同図(b)参照)。また、代替用のキャラクタに置換した行に、その行数を表す数字を例えば1文字含ませてもよい(同図(a′)参照)。これにより、特定文字列を含む行がどのようなキャラクタで置換されても、その行数を容易に確認することができる。
【0053】
次に、ウォーターマークWMの印刷濃度(明るさ)を確認するためのウォーターマークテストデータについて説明する。
ウォーターマークWMに重ねて印刷するウォーターマークテストデータは、複数のキャラクタの集合体であるキャラクタ群Cが分散配置する配置パターンで構成されている。配置パターンの一例として、キャラクタ群Cが千鳥格子状に配置される配置パターンを例に挙げ、図14を参照して説明する。
【0054】
図14に示す配置パターンでは、キャラクタ群Cが文字列Sとして構成しており、文字列Sと、文字列Sと略等しい長さの空白Pとが列方向に交互に配置している。そして、改行毎に文字列Sと空白Pとの位置が相互に入れ替わることにより、さらに行方向に文字列Sと空白Pとが交互に配置している。言い換えれば、文字列Sが千鳥格子状に分散配置されるパターンである。このように、文字列Sを千鳥格子状に配置した配置パターンでウォーターマークテストデータを作成することにより、1つのウォーターマークWMに対し、ウォーターマークWMと文字列Sとが重なる重複部分XとウォーターマークWMと文字列Sとが重ならない非重複部分Yとが、略1:1の割合で形成される。
【0055】
これにより、ウォーターマークWMが適切な濃度(明るさ)、つまり重ねて印刷した印刷データが判読可能であるとともにウォーターマーク自体が判読可能であるかどうか、を確認するための最適なウォーターマークWMと文字列Sとの重なり具合を実現することができる。すなわち、ウォーターマークWMのサイズや、印刷間隔がどのようなものであっても、図15(a)に示すように、ウォーターマークWM全体に印刷データの印刷部分が重なりウォーターマークWMが認識しづらくなったり、同図(b)に示すように、印刷データの印刷部分とウォーターマークWMが重複しないことにより、重なり具合を認識できないといった虞がない。
【0056】
さらに、文字列Sには、その行数を表す数字が配列していることにより、設定した上余白の長さL1(図14参照)、すなわちレシート先端から先頭のウォーターマークWMの長さ、および印刷間隔の長さL2(図14参照)を行単位で認識することができる。これにより、図6に示す設定画面310において、ドット単位で設定した上余白の長さL1および印刷間隔の長さL2を、ユーザが実際に何行分の長さになるかどうかを把握することが可能となり、長さを設定する際にも参考にすることができる。なお、上余白の長さL1とは、レシートRの先端から最初のウォーターマークWMの印刷位置(前端位置)までの長さであり、印刷間隔の長さL2とは、レシート搬送方向における任意のウォーターマークWMの後端位置からこれに続くウォーターマークWMの前端位置までの長さを指すものである。
【0057】
もちろんキャラクタ群Cは、図16(a)に示すように、数字が配列する文字列Sではなく記号や線から成るキャラクタで構成してもよい。また、キャラクタの一部に数字を含ませてもよい。さらに、同図(b)のように、複数のキャラクタが所定の形状で集合しキャラクタ群Cを構成してもよい。この場合、複数のキャラクタ群Cは、それぞれ異なる形状でもよい。さらに、ウォーターマークテストデータを印刷装置50自身で生成し、印刷装置50が備えたテストボタン等の押下によってテスト印刷を開始する構成でもよい。これにより、ウォーターマークWMに関するテスト印刷を、印刷装置1台の構成で行うことが可能となる。
【0058】
また、ロゴテストデータおよびウォーターマークテストデータを連結してテスト印刷データを生成してもよい。これにより、ウォーターマークWMに関するテスト印刷の印刷結果と、トップロゴやキーワードロゴに対する設定、特にロゴ挿入に伴う印刷データ削除処理に関するテスト印刷の印刷結果とが連結して一枚の用紙に出力されるので、印刷結果の確認がさらに容易となる。
【0059】
また、図8に示すテスト印刷画面330では、レシート装飾処理を行ってテスト印刷を実行するか、レシート装飾処理を行わずにテスト印刷を実行するかを選択するチェックボックス333を配置している。これにより、必要に応じて同じ出力データに対する、レシート装飾処理を行わない場合の印刷結果を確認することができる。さらに、テスト印刷データ、特にロゴテストデータ生成において、全ての特定文字列に対してロゴテストデータを生成するか、指定した1の特定文字列に対してのみロゴテストデータを生成するかをオプションボタン334により選択することができる。これにより、新たに特定文字列を追加したときなど、所望の特定文字列を指定してテスト印刷を行うことができる。このように、本発明の印刷制御装置10は、様々な条件の下でテスト印刷を行うことが可能である。
【0060】
また、本実施形態では、レシート印刷データを生成するPOSアプリケーション41aを備えたPOS端末装置40と、印刷制御プログラム24を備えた印刷制御装置10とを互いに独立した別の装置として構成しているが、これらを1つの装置として構成することも当然可能である。この構成によれば、通常のレシート発行処理と、レシート装飾処理のための設定処理やテスト印刷とを、1つの装置で行うことが可能となるので、装置構成が簡易となり、且つレシート発行処理とレシート装飾処理のための設定処理やテスト印刷との切換えが容易となる。
【0061】
なお、上記の例に示した印刷制御装置10の各部(各機能)をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係るPOSシステムの構成図である。
【図2】印刷制御装置および印刷装置の制御ブロック図である。
【図3】印刷装置が記憶する設定値を示す図である。
【図4】レシート装飾処理の一例を示す説明図である。
【図5】印刷装置が記憶する画像データの登録画面である。
【図6】画像データをウォーターマークとして設定するための設定画面である。
【図7】画像データをロゴとして設定するための設定画面である。
【図8】印刷制御装置によるテスト印刷の画面である。
【図9】テスト印刷実行時の設定値を示す説明図である。
【図10】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図11】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図12】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図13】テスト印刷データおよび印刷結果の一例を示す図である。
【図14】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【図15】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【図16】テスト印刷結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
10 印刷制御装置 50 印刷装置
14 印刷制御プログラム 234 画像データブロック
235 トップロゴブロック 237 ウォーターマークブロック
238 キーワードロゴブロック R レシート
TL トップロゴ WM ウォーターマーク
KL キーワードロゴ G 行データ
C キャラクタ群 X 重複部分
Y 非重複部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置であって、
前記不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、
生成した前記テスト印刷データを前記印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記行データは、その行数を示す数字を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記受信印刷データに予め記憶した特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列の次行を削除開始行として不要データを削除するものであり、
前記設定手段は、前記設定値として前記特定文字列を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記特定文字列に前記行データを付加して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記設定値として複数の前記特定文字列を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記設定値に含まれる前記複数の特定文字列全てに対し、特定文字列毎に前記行データを付加して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記設定値として前記特定文字列毎に削除行数を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データに代えて、設定した前記削除行数以上の行データを各特定文字列に付加して、前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記テスト印刷データ生成手段は、前記行データに前記特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列が含まれる行を、代替用に記憶しておいた他のキャラクタ列に置換して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の印刷制御装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置のテスト印刷方法であって、
前記不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定工程と、
前記設定工程において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成工程と、
生成した前記テスト印刷データを前記印刷装置へ送信する印刷データ送信工程と、を実行することを特徴とする印刷制御装置のテスト印刷方法。
【請求項1】
行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置であって、
前記不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成手段と、
生成した前記テスト印刷データを前記印刷装置へ送信するテスト印刷データ送信手段と、を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記行データは、その行数を示す数字を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記受信印刷データに予め記憶した特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列の次行を削除開始行として不要データを削除するものであり、
前記設定手段は、前記設定値として前記特定文字列を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記特定文字列に前記行データを付加して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記設定値として複数の前記特定文字列を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記設定値に含まれる前記複数の特定文字列全てに対し、特定文字列毎に前記行データを付加して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記設定値として前記特定文字列毎に削除行数を設定し、
前記テスト印刷データ生成手段は、前記設定手段において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データに代えて、設定した前記削除行数以上の行データを各特定文字列に付加して、前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記テスト印刷データ生成手段は、前記行データに前記特定文字列が含まれる場合、当該特定文字列が含まれる行を、代替用に記憶しておいた他のキャラクタ列に置換して前記テスト印刷データを生成することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の印刷制御装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
行単位で受信した受信印刷データから、予め記憶した設定値に基づき不要データを削除する印刷装置と接続して用いられ、当該印刷装置のテスト印刷を行う印刷制御装置のテスト印刷方法であって、
前記不要データの削除行数に関する値を含む前記設定値を設定する設定工程と、
前記設定工程において設定可能な最大削除行数以上の行数から成る行データを、テスト印刷データとして生成するテスト印刷データ生成工程と、
生成した前記テスト印刷データを前記印刷装置へ送信する印刷データ送信工程と、を実行することを特徴とする印刷制御装置のテスト印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−76163(P2006−76163A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263368(P2004−263368)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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