説明

印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置

【課題】印刷指示を受けた後に、主画像データから少なくとも輪郭画像データを抽出して、それぞれ別々に印刷する記録用紙の選択を行う。
【解決手段】入力された画像データに基づき輪郭を抽出し、かつ当該抽出した輪郭画像データに対して、線種、色、倍率の少なくとも1つを含む編集項目を編集するモードを備えており、主たるGUIに対して、編集するモードの副GUIが設定されたプリンタドライバ。更に、画像データと輪郭画像データのそれぞれに対して給紙トレイを選択することができるプリンタドライバ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工作台紙から、積層したときに互いに表裏層となる模様が印刷された装飾部品と、この表裏層の装飾部品に挟まれて撓み等を補強するために輪郭のみ印刷された補強部品とを生成している内容が記載されている。
【0003】
この特許文献1では、1枚の工作台紙に基準となる枠を複数設けて、印刷対象物の輪郭をその基準枠内に中心に配置して印刷することにより、基準枠に沿って切り取り、重ね合わせて印刷対象物を切り取る際、印刷対象物の輪郭にずれがでることを防止する。
【特許文献1】特開2001−188466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、印刷指示を受けた後に、主画像データから少なくとも輪郭画像データを抽出して、それぞれ別々に印刷する記録用紙の選択を行うことができる印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、印刷指示に基づき生成される印刷ジョブデータを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブデータに含まれる印刷対象である画像データの編集を指示する編集指示手段と、前記編集指示手段により編集指示があった場合に、少なくとも前記主画像データの輪郭画像を抽出する編集処理を実行する編集処理手段と、前記主画像データに基づく印刷が実行される記録用紙の種類と、前記編集処理手段により編集処理された輪郭画像データに基づく印刷が実行される記録用紙の種類と、をそれぞれ別々に指定する記録用紙種指定手段と、前記記録用紙種指定手段で指定されたそれぞれの記録用紙の種類に基づいて、前記主画像データ及び前記輪郭画像データのそれぞれの印刷の実行を指示する印刷実行指示手段と、を有している。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記編集処理手段が、前記輪郭画像データの抽出に加え、当該輪郭画像データに基づく倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを含む編集項目に基づいて編集処理する、ことを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記主画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、相対的に肉厚寸法が薄い表面層となり、前記輪郭画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、当該表面層の記録用紙が撓むことを抑制するように補強する補強層となり得る、ことを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、コンピュータを、請求項1〜請求項3の印刷実行制御装置として機能させることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、少なくとも2種類の記録用紙をそれぞれ装填する装填部と、受け付けた印刷ジョブデータに含まれる主画像データに対する編集の要否を判定する編集要否判定手段と、を有し、前記編集要否判定手段により編集が必要と判定された場合に、少なくとも前記主画像データに対する輪郭画像データを抽出する編集処理を実行する編集処理手段と、前記主画像データに基づいて印刷するときの前記記録用紙の種類と、前記輪郭画像データに基づいて印刷するときの前記記録用紙の種類とを、それぞれ別々に指定する記録用紙種指定手段と、前記画像データ及び前記輪郭画像データに基づく印刷処理を、前記記録用紙種指定手段で指定された記録用紙種に基づいて、前記装填部に装填された記録用紙を選択的に取り出して、時系列に印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記編集処理手段が、前記輪郭画像データの抽出に加え、当該輪郭画像データに基づく倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを含む編集項目に基づいて編集処理する、ことを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記主画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、相対的に肉厚寸法が薄い表面層となり、前記輪郭画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、当該表面層の記録用紙が撓むことを抑制するように補強する補強層となり得る、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、印刷指示を受けた後に、主画像データから少なくとも輪郭画像データを抽出して、それぞれ別々に印刷する記録用紙の選択を行うことができる印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置を得ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを編集することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、印刷する記録用紙を選択することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、印刷指示を受けた後に、主画像データから少なくとも輪郭画像データを抽出して、それぞれ別々に印刷する記録用紙の選択を行うことができる印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置を得ることができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、印刷指示を受けた後に、主画像データから少なくとも輪郭画像データを抽出して、それぞれ別々に印刷する記録用紙の選択を行うことができる印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム、及び印刷装置を得ることができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを編集することができる。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、印刷する記録用紙を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1には、本実施の形態に係る画像形成システム10が示されている。この画像形成システム10は、クライアントPC12と、プリンタ30とが通信回線網28を介して接続されている。
【0020】
図2には、クライアントPC12のハード構成図が示されている。図2に示すように、クライアントPC12の制御装置本体12Aは、CPU14、RAM16、ROM18、I/O(入出力部)20、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス22を有している。
【0021】
I/O20には、キーボード12B、マウス12C、モニタ12Dがそれぞれ接続されている。また、このI/O20には、少なくともRAM16よりも記憶容量が大きい大容量記録媒体であるハードディスク(HDD)24が接続され、複数のジョブデータ(印刷ジョブデータ等)が記憶できるようになっている。また、I/O20は、I/F26を介して通信回線網28に接続されている。
【0022】
図1に示される如く、クライアントPC12では、この通信回線網28を介して、例えば、所定のアプリケーションプログラムを立ち上げることで作成された、印刷するべき画像データを含む印刷ジョブデータをプリンタ30へ送信するようになっている。
【0023】
プリンタ30には画像形成部32が備えられており、それぞれ図示しない感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像器、転写ロール、及び定着ユニットを含んで構成されている。
【0024】
また、感光体ドラムの周囲には、帯電器、露光装置、現像器、及び転写ロールが配置されている。
【0025】
このプリンタ30では、前記アプリケーションプログラムによって作成された画像データに基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成し、トナー現像した後、用紙36へ転写することで画像記録処理を行なっている。
【0026】
ここで、プリンタ30の下方には、前記用紙36(36A、36B)を装填するための複数の給紙トレイ34A、給紙トレイ34Bが設けられている。以下、給紙トレイ34Aと給紙トレイ34Bを特に区別しない場合には、単に「給紙トレイ34」と表記する。
【0027】
給紙トレイ34Aには、用紙36Aが装填されており、一方、給紙トレイ34Bには、用紙36Bが装填されている。
【0028】
本実施の形態では、用紙36Aは、用紙36Bに対して肉厚寸法が薄い用紙である(以下、必要に応じて「薄紙用紙36A」という)。
【0029】
一方、用紙36Bは、用紙36Aに対して肉厚寸法が厚い用紙である(以下、必要に応じて「厚紙用紙36B」という)。
【0030】
薄紙用紙36A及び厚紙用紙36Bは、互いに貼り合わされるようになっており、その際、薄紙用紙36Aは相対的に表紙、厚紙用紙36Bは薄紙用紙を補強する補強紙としての役目を有する(詳細後述)。
【0031】
図1に示される如く、クライアントPC12には、プリンタドライバが予めインストールされている。プリンタドライバは、プリンタ30へ印刷させるための印刷ジョブデータを作成し、プリンタ30の動作を制御する。また、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムで作成された印刷ジョブデータをクライアントPC12からプリンタ30へ送信する役目を有している。
【0032】
前記アプリケーションプログラムでは、広告やPOP等を作成するために画像処理等を行うようになっている。一方、プリンタドライバでは、主として印刷ジョブデータを当該アプリケーションプログラムに基づく処理手順によって、プリンタ30を出力先とする印刷指示に基づいて、データに変換(例えば、ラスタデータに変換等)した後、プリンタ30へ送出する。
【0033】
ここで、本実施の形態では、前述した薄紙用紙36A及び厚紙用紙36Bを用いて、店舗の商品棚に陳列された商品を特徴付けるためのPOP広告を作成するようにしている。このPOP広告は、現状は一枚の紙(薄紙用紙36A)に必要な情報を印字して陳列棚の適宜箇所に貼り付けるようにしている。このとき、貼り付け面積が狭いと一枚の紙では撓む可能性があり、本実施の形態では、アプリケーションプログラムからプリンタドライバへ印刷ジョブデータをいわゆる投げた後において補強となる厚紙用紙36Bへの印刷指示を可能としている。
【0034】
図3には、上記薄紙用紙36A及び厚紙用紙36Bへの印刷を指示するためのプリンタドライバ設定画面40A〜40Cが示されている。なお、以下において、プリンタドライバ設定画面40A、40B、及び40Cを特に区別しない場合には、単に「プリンタドライバ設定画面40」と表記する。
【0035】
図3(A)に示される如く、印刷設定画面40Aは、主画像の画像設定及びプリンタ30へ印刷指示を出すようになっている。
【0036】
印刷設定画面40Aには、プレビュー表示領域A1、印刷設定領域A2、及びあて紙印刷やOKボタン等を含む領域A3が備えられている。
【0037】
領域A3に設けられている「あて紙印刷」ボタン42にポインタを合わせてマウス12Cでクリックする(以下、ポインタを合わせてマウス12Cでクリックすることを、単に「操作」と表記する)ことにより、あて紙印刷画面40Bが表示されるようになっている。
【0038】
図3(B)に示される如く、あて紙印刷画面40Bでは、表面の裏側に紙を貼り付けるためのあて紙画像を設定するようになっている。あて紙をすることにより、表面が補強されるようになっている。
【0039】
あて紙印刷画面40Bには、プレビュー表示領域B1、印刷設定領域B2、OKボタン等を含む領域B3が備えられている。
【0040】
領域B1には、プレビュー画面43が表示されている。プレビュー画面43では、主画像データの画像が表示されるプレビュー画面43Aと、主画像データから輪郭のみを抽出したもので、あて紙画像データとなる副画像データの画像を表示するプレビュー画面43Bとが並列に表示されるようになっている。
【0041】
また、領域B2では、あて紙となる画像データを編集する編集項目が設けられている。
【0042】
領域B2では、あて紙印刷を行う記録用紙を選択するための給紙トレイボタン45、あて紙印刷において手差しトレイを使用するための手差しボタン47、あて紙印刷の部数を決定するあて紙部数ボタン46、あて紙印刷を主画像の印刷よりも拡張するためのあて紙拡張ボタン48、及び副画像の線種を決定する輪郭線種ボタン44を含んでいる。
【0043】
あて紙部数ボタン46により決定されたあて紙枚数を切り取り、表面に貼り付けることにより、表面50Aの裏面にあて紙50Bの分だけ厚みを持った補強広告50を作成することができる(補強広告50)。
【0044】
また、あて紙拡張ボタン48によりあて紙部分画像52Bを表面52Aより倍率を高くして印刷することで、広告等を編集することも可能である(編集広告52)。
【0045】
図3(C)に示される如く、輪郭線種画面40Cは、領域B2にある「輪郭線種」ボタン44を操作することにより表示される。
【0046】
輪郭線種画面40Cでは、あて紙を貼り付けるために抽出する表面の輪郭の線の種類が決定される。
【0047】
また、輪郭線種画面40Cには、輪郭の色を決定する画面を含んだ領域C1、輪郭の線種を決定する画面を含んだ領域C2、及び輪郭の線幅を決定する画面を含んだ領域C3、及びOK又はキャンセルボタンを含んだ領域C4が備えられている。
【0048】
輪郭線種画面40Cにある領域C1、領域C2、及び領域C3で線種の決定を行い、領域C4にあるOKボタンを操作するか、又はキャンセルボタンを操作することにより、あて紙印刷画面40Bに戻る。
【0049】
図4には、プリンタドライバ制御部66における印刷データの生成及び送出手順を機能的に示したブロック図が示されている。なお、この機能ブロック図は、ハード構成を限定するものではない。
【0050】
入力系62(キーボード12B、マウス12C)は、アプリケーションソフト実行制御部60に接続されている。入力系62は、アプリケーションソフト実行制御部60へ所定の指示信号を送信する。
【0051】
アプリケーションソフト実行制御部60では、入力系62から送信された指示信号を受信し、出力系64(モニタ12C)に指示信号の内容を出力させる。
【0052】
更に、入力系62は、プリンタドライバ制御部66の入力信号解析部68と接続されており、入力系62から入力された信号が入力信号解析部68により解析され、ジョブデータ受付部70、印刷実行部74、あて紙用画像データ抽出部76、及び表示画面切替制御部78のそれぞれへ信号が振り分けられる。
【0053】
入力信号解析部68による解析の結果、印刷指示信号の場合は、ジョブデータ受付部70へ印刷指示信号が送信される。また、入力信号解析部68による解析の結果、印刷実行指示信号の場合は、印刷実行部74へは印刷実行指示信号が送信される。さらに、入力信号解析部68による解析の結果、あて紙印刷関連情報の場合は、あて紙用画像データ抽出部76へはあて紙印刷関連情報が送信される。
【0054】
また、表示画面切替制御部78へは、主画像を印刷するためのユーザインタフェース画面である印刷設定画面40Aの起動指示の信号や、あて紙印刷ボタン42、OKボタン(図示せず)等の情報の信号が送信される。
【0055】
表示画面切替部78は、印刷設定画面表示制御部80、及びあて紙印刷画面表示制御部82に接続されている。表示画面切替部78に入力された印刷設定画面起動指示信号は、印刷設定画面表示制御部80へ送出される。この結果、印刷設定画面表示制御部80では、印刷設定画面を表示するように出力系64を制御する。また、印刷設定画面表示制御部80には、表示画面切替部78からOKボタンの操作信号が入力されるようになっている。
【0056】
一方、あて紙印刷画面表示制御部82には、表示画面切替部78からあて紙設定ボタンの操作信号が入力されるようになっている。この結果、あて紙印刷画面表示制御部82では、あて紙印刷画面を表示するように出力系64を制御する。また、あて紙印刷画面表示制御部82は、輪郭線種画面表示部83に接続されている。輪郭線種画面表示部83は、後述するあて紙画像データである輪郭画像の線種等を設定するための輪郭線種画面を表示するように出力系64を制御する。
【0057】
すなわち、印刷設定画面表示制御部80、あて紙印刷画面表示制御部82、及び輪郭線種画面表示制御部83は、図3に示される印刷設定画面40A(図3(A)参照)、あて紙印刷画面40B(図3(B)参照)、輪郭線種画面40C(図3(C)参照)をそれぞれモニタ12D上に表示させるようになっている。
【0058】
印刷設定画面40A上では主画像用の印刷属性の設定が行なわれる。この印刷属性とは、原稿サイズ、出力用紙サイズ、両面カラーモード、倍率等をいう。
【0059】
表示画面切替部78は、印刷設定画面40A上のあて紙印刷ボタン42が操作されることにより、あて紙印刷画面40Bに切り替えるようになっている。
【0060】
あて紙印刷画面40Bでの設定が行われ、OKボタンやキャンセルボタン等が操作されることにより、あて紙画像の印刷に関しての印刷属性の設定が行なわれる。
【0061】
あて紙印刷画面40B上の輪郭線種ボタン44が操作されることにより、輪郭線種画面40Cが表示されるようになっている。
【0062】
この輪郭線種画面40Cでは、領域C1、C2、C3に表示された各項目に従って、あて紙印刷をするための輪郭線種についての設定が行われる。上記あて紙印刷をするための輪郭線種についての設定を終了するには、OKボタン又はキャンセルボタンが操作される必要がある。なお、OKボタンは設定を確定するときに操作され、キャンセルボタンは設定を解除するときに操作される。また、設定内容は、逐次輪郭線種画面40Cの表示内容が変更されることで確認可能となっている。
【0063】
さらに、アプリケーションソフト実行制御部60は、プリンタドライバ制御部66内のジョブデータ受付部70に接続されている。ジョブデータ受付部70では、入力信号解析部68からの印刷指示信号が入力されると同時期に、アプリケーションソフト実行制御部60から出力される印刷ジョブデータが受け付けられる。
【0064】
ジョブデータ受付部70は、RIP処理部72とあて紙用画像データ抽出部76に接続されている。ジョブデータ受付部70は、RIP処理部72及びあて紙用画像データ抽出部76のそれぞれに印刷ジョブデータを送出する。
【0065】
RIP処理部72は、ジョブデータ受付部70から受信した印刷ジョブデータをRIP処理(ページ記述言語に従った例えばビットマップデータ等のラスタデータへの変換処理)して印刷データを生成する。印刷データとは、本実施の形態に適用されるプリンタ30で適用するためのデータである。
【0066】
あて紙用画像データ抽出部76は、ジョブデータ受付部70から受信した印刷ジョブデータに基づいて、あて紙用画像データを生成する。あて紙用画像データとは、本実施の形態では、主画像データの輪郭のみを抽出した輪郭データに相当する。
【0067】
あて紙用画像データ抽出部76は、RIP処理部77に接続されている。あて紙画像データ抽出部76からRIP処理部77へは、RIP処理部77によって抽出されたあて紙画像データが送出される。
【0068】
RIP処理部77は、あて紙用画像データ抽出部76から受信した印刷ジョブデータをRIP処理(ページ記述言語に従った例えばビットマップデータ等のラスタデータへの変換処理)して印刷データを生成する。印刷データとは、本実施の形態に適用されるプリンタ30で適用するためのデータである。
【0069】
ここで、前記入力信号解析部68から印刷実行部74へ印刷実行指示信号が送出された場合、印刷実行部74は、印刷実行のためにデータ統合部84を起動させる信号を出力させる。
【0070】
データ統合部84は、RIP処理部72及びRIP処理部77に接続されている。
【0071】
データ統合部84が起動すると、RIP処理部72から主画像データの印刷データが入力される。
【0072】
データ統合部84が起動すると、RIP処理部77からあて紙用画像データの印刷データが入力される。
【0073】
データ統合部84では、上記受信した主画像データの印刷データ及びあて紙用画像データの印刷データを統合する。
【0074】
データ統合部84は、統合印刷データ出力部86に接続されている。
【0075】
データ統合部84から統合印刷データ出力部86へは、前記統合された主画像データの印刷データ及びあて紙用画像データの印刷データ(統合印刷データ)が送出される。
【0076】
統合印刷データ出力部86は、I/F26を介してプリンタ30へ統合印刷データを送出する。
【0077】
以下に、図5のフローチャートに従い、本実施の形態の作用を説明する。図5は、プリンタドライバ制御部66で実行される印刷指示制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【0078】
ステップ100では、印刷ジョブデータ受付部70が印刷ジョブデータを受け付けたか否かが判定される。印刷ジョブデータを受け付けていないと判定した場合には、処理が終了される。
【0079】
ステップ100で肯定判定されると、ステップ104へ移行し、表示画面切替部78により、画面の表示切り替えが行われる。なお、初期の印刷ジョブデータ受付時は、プリンタドライバに関する画面の非表示状態から図3(A)で示された印刷設定画面40Aが表示される動作を切替えという。ステップ104で40(A)が表示されるとステップ106へ移行する。
【0080】
ステップ106では、印刷設定画面40A上で主画像についての印刷設定が行われ、ステップ108へ移行する。
【0081】
ステップ108では、主画像の画像データにRIP処理等が施され、プリンタ30で印刷するための主画像用の印刷データが生成される。
【0082】
次にステップ110へ移行し、あて紙機能を使用するか否かを判定する。すなわち、図3(A)に示されている印刷設定画面40Aに表示されている、あて紙印刷ボタン42が操作されたか否かを判定する。ステップ110で否定判定の場合、すなわち、あて紙印刷ボタン42が操作されていない場合には、主画像のみを印刷すればよいので、ステップ124へ移行する。
【0083】
ステップ110で肯定判定であった場合、すなわち、あて紙印刷ボタン42が操作された場合は、ステップ112へ移行し、印刷設定画面40Aから、あて紙印刷画面40Bへ画面が切り替わるようになっている。
【0084】
次に、ステップ114へ移行し、主画像データの輪郭部分が抽出され、ステップ116へ移行する。なお、この主画像データからの輪郭部分の抽出は、周知の輪郭自動抽出制御に基づくものであり、例えば、極端な濃度差を境界として輪郭を抽出することが考えられる。
【0085】
ステップ116では、あて紙処理サブルーチンを実行する。このあて紙処理サブルーチンの詳細については後述する。
【0086】
次に、ステップ118へ移行し、あて紙画像の画像データにRIP処理等が施され、プリンタ30で印刷するための印刷データが生成される。
【0087】
次に、ステップ120へ移行し、ステップ108及びステップ118で処理した主画像用の印刷データとあて紙画像用の印刷データとを統合して、統合印刷データを生成し、ステップ124へ移行する。ステップ124では、プリンタ30へ前記統合された印刷データが送信される。
【0088】
次に、図6のフローチャートに従い、本実施の形態にかかるプリンタドライバ制御部66で実行される、あて紙処理サブルーチンを説明する。
【0089】
ステップ152では、あて紙印刷画面40B上で、あて紙印刷のための設定変更が行われたか否かを判定する。ステップ152で否定判定された場合は、ステップ170に移行する。ステップ170では、あて紙印刷画面24B上にあるOKボタンを操作したか否かが判定される。ステップ170で否定判定された場合は、ステップ174へ移行する。ステップ174では、あて紙印刷設定画面24B上にあるデフォルトボタンを操作したか否かを判定する。ステップ174で否定判定された場合は、ステップ178へ移行する。ステップ178では、あて紙印刷設定画面24B上にあるキャンセルボタンを操作したか否かを判定する。ステップ178で否定判定された場合は、ステップ152へ移行する。
【0090】
このように、ステップ152、170、174、178のいずれでも否定判定された場合は、このステップ152、170、174、178を繰り返すことになる。
【0091】
ステップ152で肯定判定の場合は、ステップ154へ移行し、設定した内容は、あて紙印刷画面40Bにある輪郭線種ボタン44の操作であるか否かを判定する。
【0092】
ステップ154で否定判定の場合、すなわち輪郭線種ボタン44が操作されていない場合は、画面の切り替えは行われず、ステップ156へ移行する。
【0093】
ステップ156では、あて紙印刷画面40B上で、あて紙に関しての設定が行われる。具体的には、あて紙の用紙を印刷する給紙トレイ34の選択、あて紙部数の選択、及びあて紙の拡張幅をそれぞれのプルダウンメニューから反転表示させることにより、あて紙の設定が仮決定される。
【0094】
次に、ステップ158へ移行し、ステップ156で仮決定された内容がプレビュー画面43Bに表示され、ステップ152へ戻る。
【0095】
一方、ステップ154で肯定判定であった場合は、ステップ160へ移行し、図3(C)に示されている輪郭線種画面40Cに画面が切り換えられる。
【0096】
次に、ステップ162では、輪郭線種画面40Cで設定する内容を決定する。具体的には、輪郭線の色、輪郭線の幅、及び輪郭線の種類をそれぞれのプルダウンメニューから反転表示させることにより、輪郭線種の設定が仮決定される。
【0097】
次に、ステップ164へ移行し、輪郭線種画面40C上にあるOKボタンを操作したか否かを判定する。
【0098】
ステップ164で肯定判定であれば、ステップ166へ移行し、輪郭線種画面40Cで設定した内容を反映させてステップ169へ移行し、あて紙印刷画面40Bを表示し、ステップ152へ移行する。なお、輪郭画像の大きさや輪郭線種は変更可能であるが、例えば輪郭画像データの一部分のみを大幅に拡張するような変更はできない。
【0099】
一方、ステップ164で否定判定であった場合は、ステップ168へ移行し、輪郭線種画面40C上にあるキャンセルボタンが操作されたか否かを判定し、肯定判定であれば設定した内容は反映されずにステップ169へ移行して、あて紙印刷画面40Bを表示し、ステップ152へ移行する。また、ステップ168で否定判定であった場合は、ステップ164へ戻る。
【0100】
次に、ステップ170で肯定判定された場合は、ステップ172へ移行し、今までの設定内容を反映し、ステップ179へ移行する。ステップ179では、印刷設定画面40aを表示し、このルーチンは終了する。
【0101】
また、ステップ174で肯定判定された場合は、ステップ176へ移行し、設定内容は反映せず(デフォルト設定に戻す)、ステップ179へ移行する。ステップ179では、印刷設定画面40aを表示し、このルーチンは終了する。
【0102】
さらに、ステップ178で肯定判定された場合は、ステップ179へ移行する。ステップ179では、印刷設定画面40aを表示し、このルーチンは終了する。
【0103】
なお、本実施の形態では、クライアントPC12にプリンタドライバ制御部66を設ける説明を行ったが、印刷装置(プリンタ)30にプリンタドライバ制御部66を設けて処理を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。
【図2】本実施の形態に係るクライアントPCのハード構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るプリンタドライバの画面及び広告等のイメージを示す概略図である。
【図4】本実施の形態に係るプリンタドライバでの処理の流れを示す機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係るプリンタドライバでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係るあて紙処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
10 画像形成システム
12 クライアントPC
10 画像形成システム
28 通信回線網
30 プリンタ
32 画像形成部
34 給紙トレイ
36 用紙
40 プリンタドライバ設定画面
40A 印刷設定画面
40B あて紙印刷画面
40C 輪郭線種画面
42 あて紙印刷ボタン
43 プレビュー画面
43A 主画像プレビュー画面
43B あて紙プレビュー画面
44 輪郭線種ボタン
46 あて紙部数ボタン
48 あて紙拡張ボタン
50 補強広告
52 編集画面
60 アプリケーションソフト実行制御部
60 紙印刷画面表示制御部
62 入力系
64 出力系
66 プリンタドライバ制御部
68 入力信号解析部(編集指示手段、記録用紙種指定手段)
70 ジョブデータ受付部(受付手段)
72 主画像データ用RIP処理部
74 印刷実行部
76 あて紙用画像データ抽出部(編集処理手段)
77 あて紙画像データ用RIP処理部
78 示画面切替部
80 印刷設定画面表示制御部
82 あて紙設定画面表示制御部
84 データ統合部
86 統合印刷データ出力部(印刷実行指示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示に基づき生成される印刷ジョブデータを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブデータに含まれる印刷対象である主画像データの編集を指示する編集指示手段と、
前記編集指示手段により編集指示があった場合に、少なくとも前記主画像データの輪郭画像データを抽出する編集処理を実行する編集処理手段と、
前記主画像データに基づく印刷が実行される記録用紙の種類と、前記編集処理手段により編集処理された輪郭画像データに基づく印刷が実行される記録用紙の種類と、をそれぞれ別々に指定する記録用紙種指定手段と、
前記記録用紙種指定手段で指定されたそれぞれの記録用紙の種類に基づいて、前記主画像データ及び前記輪郭画像データのそれぞれの印刷の実行を指示する印刷実行指示手段と、
を有する印刷実行制御装置。
【請求項2】
前記編集処理手段が、
前記輪郭画像データの抽出に加え、当該輪郭画像データに基づく倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを含む編集項目に基づいて編集処理する請求項1記載の印刷実行制御装置。
【請求項3】
前記主画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、相対的に肉厚寸法が薄い表面層となり、前記輪郭画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、当該表面層の記録用紙が撓むことを抑制するように補強する補強層となり得る請求項1又は請求項2記載の印刷実行制御装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1〜請求項3の印刷実行制御装置として機能させるための印刷実行制御プログラム。
【請求項5】
少なくとも2種類の記録用紙をそれぞれ装填する装填部と、
受け付けた印刷ジョブデータに含まれる主画像データに対する編集の要否を判定する編集要否判定手段と、
前記編集要否判定手段により編集が必要と判定された場合に、少なくとも前記主画像データに対する輪郭画像データを抽出する編集処理を実行する編集処理手段と、
前記主画像データに基づいて印刷するときの前記記録用紙の種類と、前記輪郭画像データに基づいて印刷するときの前記記録用紙の種類とを、それぞれ別々に指定する記録用紙種指定手段と、
前記画像データ及び前記輪郭画像データに基づく印刷処理を、前記記録用紙種指定手段で指定された記録用紙種に基づいて、前記装填部に装填された記録用紙を選択的に取り出して、時系列に印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
を有する印刷装置。
【請求項6】
前記編集処理手段が、
前記輪郭画像データの抽出に加え、当該輪郭画像データに基づく倍率変更、線種変更、色変更の少なくとも1つを含む編集項目に基づいて編集処理する請求項5記載の印刷装置。
【請求項7】
前記主画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、相対的に肉厚寸法が薄い表面層となり、前記輪郭画像データに基づいて印刷されるときに選択される記録用紙が、当該表面層の記録用紙が撓むことを抑制するように補強する補強層となり得る請求項5又は請求項6記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−79629(P2010−79629A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247715(P2008−247715)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】