説明

印刷版、印刷用版胴および印刷装置

【課題】従来よりも厚い塗布膜厚で印刷することが可能な印刷版、印刷用版胴および印刷装置を提供する。
【解決手段】円筒面に多数個の微細な穴を有する円筒状の外管と、前記外管の円筒面の外側表面に前記微細な穴よりも大きな所定パターンをもつ固体層とを有する印刷版、および、前記印刷版と、前記外管の内部に配設された円筒状の内管と、前記内管を支えて固定する内管軸と、前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間に液状体を供給する液状体供給手段と、前記内管軸と前記外管の内壁との間に配置され、前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間から前記液状体が漏れないようにするシール手段とを有することを特徴とする印刷用版胴、およびこの印刷用版胴を用いた印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷対象物の表面に各種インキ、樹脂、導電ペーストなどの各種の塗布材料を、従来よりも厚い塗布膜厚で印刷するための印刷用版胴に関するものである。また、この印刷用版胴を使用した印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建材分野、パッケージ分野、出版分野、エレクトロニクス分野など生活系、電気系、情報系さまざまな分野における工業製品の製造方法として、グラビア印刷法または凹版印刷法が利用されている。これらの工業製品は、より高い機能などを付加することにより、さらに発展する可能性があるが、グラビア印刷法または凹版印刷法は、その高機能性を付加するための手段として注目されている。
【0003】
しかしながら、各種工業製品にそのような高機能性を付加できるようにするためには、グラビア印刷法または凹版印刷法の機能や性能が下記のような面で向上することが必要である。
[1]より高細線の印刷が可能となること
[2]印刷対象物の表面に転写される、各種の塗布材料(水性または油性のインキ、樹脂、導電ペーストなど)の膜の厚さを任意に調節できる(特に従来よりも厚い膜厚の範囲で調節できる)ようにすること。
【0004】
グラビア印刷法または凹版印刷法によって高細線印刷を実現させるためには、印刷対象物の表面に転写される細線の解像度、鋭さ、無断線等の課題を克服する必要がある。すなわち、細線の解像度、鋭さは、グラビア印刷法または凹版印刷法においては、版面上の格子状の仕切りによって所定周期長で分断された穴の大きさ、および、仕切りの太さによって左右されてしまう。
【0005】
無断線を実現するには、この版面上の格子状の仕切りの太さを細くするか、取り払う、穴の深さを深くしてインキの転移量を増やす等の対応が必要になるが、現在のグラビア印刷法または凹版印刷法では、いずれの方法でも限界がある。
【0006】
また、グラビア印刷法や凹版印刷法では、版面に形成される穴の深さがをあまり深くすることができないし、また、用いられるインクの粘度もそれほど高くできない。したがって、印刷される各種塗布材料の膜の厚さを任意に調節する(特に従来よりも厚い膜厚の範囲で調節する)ことは非常に困難である。
【0007】
厚い膜を印刷可能な従来技術としては、孔版印刷法やロータリースクリーン法(特許文献1および特許文献2参照)があるが、これら孔版印刷法やロータリースクリーン法は、高細線印刷の点でグラビア印刷法や凹版印刷法よりも性能が劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−25321号公報
【特許文献2】特開2007−83396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のグラビア印刷法または凹版印刷法で使用する版は、通常、平面または円筒表面に、物理的または化学的に凹、くぼみ、キズ、穴等を形成したものであって、一般に格子状の仕切りによって個々の穴ごとに分割されている。つまり、インキの挿入される部分である画線部分は、直径が約10μm〜300μm、深さが5μm〜100μm程度の凹、くぼみ、キズ、穴の集合によって形成されている。
【0010】
この凹、くぼみ、キズ、穴のなどの格子状等の仕切りがあること、またその凹、くぼみ、キズ、穴の深さに限界があること、塗布材料として粘度の高いもの使用できないこと、という制約があるために、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法で転写できる膜の厚さは10μm前後が上限である。このような制限があることにより、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法を下記のような分野に使用した場合、下記(1)〜(5)のような様々な問題点がある。
【0011】
(1)ICカードのアンテナのコイル状パターンや太陽電池バックシートの配線パターン等を、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法によって、PET、PEN、アクリル等のシートに導電性インキ、導電性ペースト等を直接印刷して形成した場合、導線部分となる画線部の膜厚が薄いため、電気回路として必要な導通能力が足りず電気回路として成立しない恐れがある。
【0012】
(2)ICカードのアンテナのコイル状パターンや太陽電池バックシートの配線パターン等を形成する際に、銅、アルミ、鉄、鉛、SUS、スズ、亜鉛、チタン、金、銀等の導電性シート単体、または銅、アルミ、鉄、鉛、SUS、スズ、亜鉛、チタン、金、銀等の導電性シートをPET、PEN、アクリル等の絶縁性シートに貼り付けたものに、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法によって防腐剤や耐腐食性インキなどで所定パターンを印刷し、塩酸、硫酸、塩化第2鉄、塩化第2銅、王水、硝酸等の薬品を使い、導電性シートの金属が露出している部分(非画線部)を腐食除去することで絶縁部を形成する場合に、導線部となる画線部、絶縁部となる非画線部の間隔が、数μmから200μmの間隔で配置されていると、画線部の防腐剤や耐腐食性インキの膜厚が薄いため、断線、ショートの可能性が高い。
【0013】
(3)グラビア印刷法または凹版印刷法によって、画線部、非画線部の微細な表現意匠を表現する場合、塗布材料の粘度の調整可能範囲がせまいため、塗布材料が印刷対象物の表面で流れたり、付着しなかったりすることがある。
【0014】
(4)既存の孔版印刷、ロータリースクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等のあらゆる印刷法では、高融点のため常温では固体の塗布材料を、印刷対象物の表面に所定のパターンを形成して印刷転写することが難しい。
【0015】
(5)建築部材用の壁紙等を製造する際に、木目模様やその他の所定の絵柄模様を印刷したのち、樹脂コーティングまたは樹脂等で構成されるシートのラミネートを行い、さらに数μmから数10μmの起伏の型押し(いわゆるエンボス加工)を行うことがある。このとき、エンボスの凹凸パターンと予め印刷していた絵柄模様は同調していることが望ましいが、既存のグラビア印刷では、絵柄模様の印刷、樹脂コーティング(または樹脂シートのラミネート)、エンボス加工と、工程を分けざるを得ないためシートの伸縮による影響が大きく、絵柄模様とエンボスの凹凸パターンの同調が困難である。
【0016】
本発明は、上記のような従来のグラビア印刷法または凹版印刷法の問題点に鑑みてなされたものであり、粘度の高い水性または油性のインキ、樹脂、導電ペーストなどを用いることが可能で、かつ、転写する膜の厚さを任意に増減でき、膜厚の厚い画線やパターン等を実現する方法に関するものである。

【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するため本発明の請求項1においては、円筒面に多数個の微細な穴を有する円筒状の外管と、
前記外管の円筒面の外側表面に前記微細な穴よりも大きな所定パターンをもつ固体層と、を有する印刷版であって、
前記外管の円筒面の外側表面に形成された前記固体層は、
導電性樹脂を、前記外管の円筒面の前記微細な穴の内部の所定の深さまで隙間なく入り込むように塗布する導電性樹脂塗布段階と、
前記導電性樹脂の表面を研磨して前記外管の円筒面の外側表面および微細な穴の開口部を露出させる導電性樹脂研磨段階と、
前記外管の円筒面の外側表面全体に金属メッキ層を形成するメッキ層形成段階と、
前記金属メッキ層表面の凹凸を低減するための研磨を行なう仕上げ研磨段階と、
前記金属メッキ層の上に前記所定パターンを有するレジスト層を形成するレジスト層形成段階と、
前記金属メッキ層をエッチングして前記所定パターンを有する固体層を形成するエッチング段階と、
前記レジスト層を除去するレジスト層除去段階と、
前記微細な穴の内部に入り込んでいる前記導電性樹脂を除去する導電性樹脂除去段階と、を有する製造方法により形成されていることを特徴とする印刷版としたものである。
【0018】
また、本発明の請求項2においては、前記レジスト層形成段階が、
前記金属メッキ層表面に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成段階と、
前記感光性樹脂層に前記所定パターンを露光したのち現像して前記所定パターンを有するレジスト層を形成する感光性樹脂層露光現像段階と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の印刷版、としたものである。
【0019】
また、本発明の請求項3においては、前記レジスト層形成段階が、
前記金属メッキ層表面に光反応樹脂を塗布して光反応樹脂層を形成する光反応樹脂塗布段階と、
前記光反応樹脂層に前記所定パターンをレーザー光で描画露光したのち現像して前記所定パターンを有するレジスト層を形成する光反応樹脂層露光現像段階と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の印刷版、としたものである。
【0020】
請求項1〜3に記載の方法で所定パターンを有する固体層を形成することにより、所定パターンを印刷することが可能な印刷版胴を得ることができる。
【0021】
また、本発明の請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷版と、
前記外管の内部に配設された円筒状の内管と、
前記内管を支えて固定する内管軸と、
前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間に液状体を供給する液状体供給手段と、
前記内管軸と前記外管の内壁との間に配置され、前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間から前記液状体が漏れないようにするシール手段と、
を有することを特徴とする印刷用版胴、としたものである。
【0022】
本発明の請求項4の印刷用版胴により、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法よりも粘度の高い塗布材料を用いることが可能となり、かつ、より厚い膜厚での印刷が可能となる。
【0023】
また、本発明の請求項5においては、前記内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部が形成されていることを特徴とする、請求項4記載の印刷用版胴、としたものである。
【0024】
本発明の請求項5の印刷用版胴では、内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部が形成されていることにより、外管と内管が相対的に回転した際に、外管の内壁と内管の外壁で囲まれた空間に供給された液状体を、外管の側面に形成された微細な穴から、より均一に外部へ押し出すことが可能となる。
【0025】
また、本発明の請求項6においては、前記内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部の内部に、温度調整手段を有することを特徴とする請求項5記載の印刷用版胴としたものである。
【0026】
本発明の請求項6の印刷用版胴では、内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部の内部に温度調整手段を有していることにより、融点が高温なため常温では固体の塗布材料を印刷対象物に印刷したり、塗布材料の温度調整によりその粘度を調整して塗布量を調整したりすることが可能となる。
【0027】
また、本発明の請求項7においては、前記内管を前記外管の内部に取り付ける際または取り外す際に使用される、内管付け外し口が前記外管の円筒側面部または円筒底面部に設けられていることを特徴とする請求項4〜6記載の印刷用版胴としたものである。
【0028】
本発明の請求項7の印刷用版胴には、内管付け外し口が外管に設けられていることにより、容易に内管を取り付けたり取り外したりすることができ、メンテナンスしやすくできるという利点がある。
【0029】
また、本発明の請求項8においては、請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴と、
前記印刷用版胴の外管を支えてその円筒面の中心軸周りに回転させる外管駆動軸と、
前記印刷用版胴の内管軸を支えて固定する内管軸支持手段と、
印刷対象物を搬送する印刷対象物搬送手段と、
搬送されている印刷対象物の所定面を前記印刷用版胴の所定位置に接触させる手段と、
前記印刷用版胴の外管の外周面に接するように設けられたスキージー手段と、
前記スキージー手段により外管の外周面から掻き落とされた前記液状体を集める液状体収集手段と、を有することを特徴とする印刷ユニットとしたものである。
【0030】
本発明の請求項8の印刷ユニットにより、請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴を用いた印刷が可能となる。
【0031】
また、本発明の請求項9においては、請求項8載の印刷ユニットが複数個連結されて、各印刷ユニットが同期して動作することを特徴とする印刷装置としたものである。
【0032】
本発明の請求項9の印刷装置により、請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴を用いて複数種類の塗布材料で印刷を行うことが可能となる。
【0033】
また、本発明の請求項10においては、請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴を、グラビア印刷装置または凹版印刷装置の版胴として用いたことを特徴とする印刷装置としたものである。
【0034】
本発明の請求項10の印刷装置により、既存のグラビア印刷装置または凹版印刷装置の版胴以外の機構をそのまま使って、請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴による印刷が可能となるので設備投資にかかる費用を抑えることができるという利点がある。
【発明の効果】
【0035】
本発明によって、従来のグラビア印刷法または凹版印刷法よりも高細線で厚い膜厚の印刷が可能になったことにより、下記(1’)〜(5’)のような効果が得られる。
【0036】
(1’)ICカードのアンテナのコイル状のパターンや太陽電池バックシートの配線パターン等は、PET、PEN、アクリル等のシート上に導電性インキ、導電性ペースト等を、本発明により直接印刷することによって製造することができる。すなわち、導線部分となる画線部の膜厚を、電気回路に必要な導通能力が十分に得られる厚さとすることができるので、所定の機能や性能を持つ電気回路を製造することが可能となる。
【0037】
(2’)ICカードのアンテナのコイル状のパターンや太陽電池バックシートの配線パターン等を形成する際に、銅、アルミ、鉄、鉛、SUS、スズ、亜鉛、チタン、金、銀等の導電性シート単体、または銅、アルミ、鉄、鉛、SUS、スズ、亜鉛、チタン、金、銀等の導電性シートをPET、PEN、アクリル等のシートに貼り付けたものに、本発明により、防腐剤や耐腐食性インキなどで所定パターンを印刷し、塩酸、硫酸、塩化第2鉄、塩化第2銅、王水、硝酸等の薬品を使い、導電性シートの金属が露出している部分(非画線部)を腐食除去することで絶縁部を形成する場合に、画線部の防腐剤や耐腐食性インキの膜厚を調整できるため、導線部である画線部、絶縁部である非画線部の間隔が、数μmから200μmの間隔で配置されている直線、曲線パターンの印刷が可能となり、断線、ショートの可能性を低減できる。
【0038】
(3’)本発明によれば、画線部、非画線部の微細な表現意匠を表現する場合、塗布材料の粘度の調整可能範囲が広いため、塗布材料が印刷対象物の表面で流れないようにすることが可能である。また、塗布材料を印刷対象物の表面に、十分な強さで付着させることが可能である。
【0039】
(4’)本発明によれば、高融点のため常温では固体の塗布材料(水性または油性のインキ、樹脂、導電性ペースト)を、印刷対象物の表面に所定のパターンを形成して印刷転写することも可能になる。
【0040】
(5’)本発明によれば、建築部材用の壁紙等を製造する際に、木目模様やその他の所定の絵柄模様を印刷した直後に、絵柄模様に同調したパターンで凹凸を形成した樹脂を印刷することが可能となる。
【0041】
さらに、本発明によれば、画線部の膜厚を数十μm程度に厚くする事ができるので、下記(6’)〜(7’)のようなことが可能となる。
【0042】
(6’)本発明の印刷装置で、複数種類の塗布材料を所定膜厚および所定パターンで印刷していくことにより、エレクトロニクス分野の積層配線回路を、多色印刷の手法で製造することが可能になる。すなわち、従来のグラビア印刷装置では、塗布材料の膜厚が数μm程度の印刷しか出来ないため、配線層に必要とされる導通能力が不足するが、本発明によれば塗布材料の膜厚が数十μm程度の印刷が可能となるため、十分な導通能力を有する配線層を形成することができる。1台の印刷装置で、配線層と絶縁層を交互に印刷していくことにより、積層配線回路を多色印刷の手法で製造することができる。
【0043】
(7’)本発明の印刷装置によれば、たとえばPETシート上に複数種類の樹脂等を印刷積層して微細な部品を形成し、最後に微細な部品をPETシート上から分離する、というような部品製造工程を構築することが可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の印刷用版胴の構造を示す説明図で、外管を断面図で、内管を側面図で示したものである。
【図2】本発明の印刷用版胴をグラビア印刷システムに使用した場合の概略説明図である。
【図3】本発明の印刷版の形成工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら、本発明の印刷用版胴および印刷装置の実施形態について説明する。
【0046】
図1に、本発明のグラビア印刷機の版胴ロール10の構造を説明する図を示す。図1は、外管100はその回転軸を含む平面で切った断面図で示しており、内管100は側面図として示している。
【0047】
版胴ロール10の版面部分を構成する外管100は、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの金属からなる円筒形状であり、版面部分となる円筒面には微細な穴401が多数個形成されている。また、外管100の一方の端部には、外管100を支えて回転させるための駆動軸110と連結するための外管連結部402が設けられており、また、外管100の一方の端部には、外管100を支え、かつ内管101(後述する)と連結した内管軸107(後述する)を通すための外管連結口403が設けられている。
【0048】
円筒形状の外管100内部には、円筒形状の内管101が、互いの円筒の中心軸が一致する位置に配設されていて、いわゆる2重管のような構造になっている。内管101は、内管101より長く、かつ、内管101の中心軸を通る位置に配置された内管軸107によって支えられて固定されている。
【0049】
内管軸107と、外管連結部402および外管連結口403は、それぞれメカニカルシール等のシール材102およびベアリング104を介して連接している。このベアリング104により、外管100は内管101に対して回転運動することができる。
【0050】
内管軸107は、内管101を支えて固定するとともに、配管部404をその内部に有している。内管軸107の外管連結口403側には液体供給口106Aが設けられ、注入配管106を介して水性または油性のインキ樹脂、導電性ペーストなどの液体状塗布材料を供給すると、配管部404内部に液体状塗布材料を供給することができる。
【0051】
配管部404には、外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内に塗布材料を供給するための塗布材料排出口405が、外管連結口403側と外管連結部402側の2箇所に少なくとも1個ずつ以上設けられている。塗布材料は、この塗布材料排出口405から外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内に供給されて、この空間内を満たし、外管100の版面部分に設けられた多数の微細な穴401から、外部に押し出される。
【0052】
内管101の外周面には、らせん状に巻きついた状態の凸部101Aが設けられている。このらせん状構造の凸部101Aがある状態で、外管100が内管101に対して回転することにより、液体状の塗布材料は外管100の側面の多数の微細な穴401から、より均一に押し出される。
【0053】
つまり、液体状の塗布材料は、外管100の回転にともなって塗布材料排出口405かららせん状構造の凸部101Aの間を伝って移動して、外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内全体に行き渡る。さらに、らせん状構造の凸部101Aは、既存の孔版やロータリースクリーンにおけるスキージーのように、塗布材料を外管100側面の微細な穴401からかき出す役割を果たす。このかき出しの効果により、微細な穴401の穴径や密度が異なる領域においても塗布材料の量を均一にすることができる。
【0054】
また、凸部101Aの内部に電熱線などの加熱手段や各種の冷却手段を設けておけば、外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内に供給された液体状の塗布材料の温度を調整することが可能となる。したがって、その温度調整により塗布材料の粘度を調整して、微細な穴401から外部に押し出される塗布材料の量を調整することができるようになる。
【0055】
このように、外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内には、液体状の塗布材料の内部圧力や高温がかかるし、また、外管100と内管101は相対的に回転運動する。したがって、内管軸107と、外管連結部402および外管連結口403を連接しているメカニカルシール等のシール材102は、内部圧力や高温、摩擦に耐えうるフッ素樹脂やセラミック等で出来たものを選択することが望ましい。また、ベアリング104に対しては絶縁性があることが望ましい。
【0056】
注入配管106と液体供給口106Aを介して、塗布材料を内管軸107内の配管部106に注入するためのポンプとしては、塗布材料が一定の粘度をもつ液体状であれば、スクリューポンプ等の定量ポンプを選択すればよい。あるいは、塗布材料として固体樹脂を加熱溶解して液体状としたものを使用する場合は、固体樹脂を加熱溶解して液体状にして送液できるスクリューポンプ等の定量ポンプを用い、さらにらせん状構造の凸部101A内部の加熱手段により塗布材料を所定温度に保つようにすればよい。
【0057】
図2に示すように、外管100側面の微細な穴401から押し出された塗布材料のうちの余分な分量223は、ドクターブレード220によってかき落とされ、所定量の塗布材料224が印刷対象物222の表面に転写される。印刷速度や塗布材料の圧力を適切な値に設定することにより、転写した塗布材料224の膜厚を調整することができる。
【0058】
また、転写後の印刷対象物222は所定温度に設定された乾燥炉(または冷却炉)221を通され、転写された塗布材料224を印刷対象物222の表面に固着させる。
【0059】
ドクターブレード220によってかき落とされた余分な塗布材料223は、いったんインキパン290上に集められてポンプに送られ、注入配管106と液体供給口106Aを介して、配管部404に再度注入され、循環する。
【0060】
本実施形態の印刷装置においては、微細な穴401は、外管100の版面部分に、略一様な大きさで、かつ、略一様な密度で形成されているものとする。あるいは、塗布材料が微細な穴401のそれぞれから吐出される際の吐出量が略一様になるように、外管100内壁と内管101外壁に囲まれた空間内にかかる圧力分布を考慮して、微細な穴401の大きさや密度に分布を持たせて形成しておいても良い。
【0061】
したがって、転写された塗布材料224は大きなパターンのない一様なものとなる。すなわち、用いられた塗布材料の粘度が低くて微細な穴401の個々から転写された塗布材料224が互いにくっつくとこができるような場合には、一様なベタ塗りの状態となる。また用いられた塗布材料の粘度が高くて微細な穴401の個々から転写された塗布材料224が互いにくっつかない場合には、微小なドット状パターンが一様に形成されている状態となる。
【0062】
ここで、版胴10の外管100の円筒面に、所定パターンを有する印刷版を形成する手順について、図3を使って説明する。
【0063】
図3[a]の200は外管100の円筒面を構成する薄板状の部材であって、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの金属または合金からなる薄い平板の部材に、レーザーまたはエッチング処理によって微細な穴401を形成し、銅、ニッケル、クロムなどの金属メッキを施したものである。あるいは、細かい網目構造を有し表面に銅、ニッケル、クロムなどの金属メッキが施されたロータリースクリーン用の平板を使用してもよい。
【0064】
微細な穴401を有する金属薄板200は、円筒状に湾曲させられて外管100の底面部分201と固定的に接合され、外管100の円筒面を構成する部材になる(図3[b]参照)。この金属薄板200と底面部分201の接合部202は、後の印刷工程で塗布材料が洩れないように、全面溶接やシールを介したネジ止めなどにより接合しておく必要がある。
【0065】
次に、円筒状となった金属薄板200の表面(外管100円筒面の外側の表面)全体に、導電性樹脂203を塗布する。この際、導電性樹脂203が金属薄板200の微細な穴401内部の所定の深さまで入り込むように、かつ、微細な穴401の縁との間に隙間ができないように塗布する(図3[c]参照)ようにする。塗布後、この導電性樹脂203が固化して所定の強度を有するようになるまで乾燥させる。導電性樹脂203としては、カーボン粒子や銅などの各種金属粒子を液状樹脂と混合した導電ペーストや、ポリピロール等の導電性高分子を含む樹脂などを用いることができる。
【0066】
次に、導電性樹脂203塗布後の金属薄板200の表面(外管100円筒面の外側の表面)を、研磨手段214によって研磨する(図3[d]参照)。この研磨は、金属薄板200の微細な穴401がない部分の表面が露出し、微細な穴401中に入り込んだ導電性樹脂203の表面が、露出した金属薄板200表面と同じ高さになるように行われる。研磨手段214としては砥石研磨などを用いることができる。
【0067】
研磨後、金属薄板200の表面(外管100円筒面の外側の表面)に、厚さ数μmの銅メッキ層215Aを形成する(図3[e]参照)。銅メッキ層215Aは、微細な穴401中に入り込んだ導電性樹脂203の表面、および露出した金属薄板200表面の、両方の上に層状に形成される。この銅メッキ層215Aの上に、厚さ10〜30μm程度のクロムメッキ層215Bを形成する(図3[f]参照)。このクロムメッキ層215Bは、できるだけマイクロクラックが少ないメッキ浴で形成することが望ましい。
【0068】
クロムメッキ層215Bの表面に対して、砥石研磨またはラッピングペーパー研磨による仕上げ研磨をおこなった後、感光性樹脂を塗布するかドライフィルムレジストを貼り付けるかする。その後、所定パターンを露光して現像を行い、所定パターンを有するレジスト層207を形成する(図3[g]参照)。感光性樹脂としては、従来のグラビア製版法で使用しているものを用いることができ、また所定パターンの露光は、レーザー光で直接描画したり、所定パターンがあらかじめ形成された銀塩フィルムと露光光源により行ったりすることが可能である。あるいは感光性樹脂のかわりにラッカーを塗布して、レーザー光による直接描画でラッカーを昇華させ、所定パターンを有するレジスト層207を形成してもよい。
【0069】
次に、外管100のレジスト層207およびクロムメッキ層215Bの形成されている面を、温度85℃以上に調整した希塩酸浴、または硝酸第2セリウムアンモニウム20重量%、過塩素酸6重量%の水溶液に、一定の回転をさせながら所定の時間だけ浸漬させる(図3[h]参照)。
【0070】
これにより、クロムメッキ層215Bのうちレジスト層207で覆われていない部分、およびその下の銅メッキ層215Aまで、浸漬溶液によって腐食されてゆく。腐食が金属薄板200表面に達して腐食速度が低減したところで浸漬を終え、外管100の水洗を十分に行う(図3[i]参照)。その後、レジスト層207を除去する(図3[j]参照)。
【0071】
次に、金属薄板200の微細な穴401内部に入り込んでいる導電性樹脂203を、溶剤および加温により溶出させる(図3[k]参照)。溶剤の供給は、金属薄板200の両面から行うようにすれば、効率よく溶出を行うことができる。導電性樹脂203の溶出が完了したら、洗浄を十分に行い、導電性樹脂203の残渣が残らないようにする。なお、この過程で使用する溶剤の種類やその温度は、使用した導電性樹脂203に適したものを適宜選択すればよい。
【0072】
以上の工程により、微細な穴401を有する外管100の円筒面に、クロムメッキ層215Bおよび銅メッキ層215Aからなる固体層215により所定パターンを形成することができる(図3[l]参照)。
【0073】
この外管100を印刷用版胴10として使用した場合、微細な穴401が露出している部分からは塗布材料224が押し出されてくるが、固体層215に覆われた部分からは塗布材料224が押し出されてこない。これによって、塗布材料224は所定パターンを形成した状態で印刷対象物表面に転写される。
【0074】
塗布材料224が所定パターンを形成して印刷対象物表面に転写される際、塗布材料224が転写される箇所と転写されない箇所の境界部分のなめらかさは、微細な穴401の穴径の大きさや周期の長さではなく、固体層215の縁の部分のなめらかさによることになる。これは、固体層215の縁が、ある微細な穴401を部分的に覆っている場合は、その微細な穴401開口部の覆われていない部分の面積や形状に応じて塗布材料224が押し出されることになるからである。
【0075】
したがって、固体層215の縁を、微細な穴401の穴径の大きさや周期の長さよりもなめらかになるよう形成すれば、版面上の格子状の仕切りのサイズや周期により支配されている従来のグラビア印刷法または凹版印刷法よりも、なめらかな転写/非転写領域の境界線を形成することが可能である。
【0076】
以上、説明したように、所定パターンの印刷版を側面部分に形成した外管100を得ることができた。この外管100の内側に内管101などを配設し、内管軸107と、外管連結部402および外管連結口403を連接するなどすれば、版胴10を得ることができる。
【0077】
本発明の印刷装置は、版胴10(および版胴10を支持して駆動する部分)以外の機構は、既存のグラビア輪転印刷機を使うことが出来る。さらに複数ユニットを有する多色グラビア輪転印刷機において本発明の版胴10を用いて、複数種類の塗布材料を塗布するようにすれば、各塗布材料を所定膜厚の所定パターンで塗布することが可能な、印刷装置とすることが可能である。
【実施例】
【0078】
ニッケルを主材とする厚さ350μmの円筒状の部材を用いて、版面部分の円周940mm、面長1400mmの外管100を作成した。また、鉄S45Cを主材とする円筒状の部材を用いて、外径円周640mm、面長1400mmの内管101を作成して、その外周にらせん状構造の凸部101Aを設けて、外管100の内部に配設した。らせん状構造の凸部101Aの、内管101表面からの高さは20mm程度になるようにした。
【0079】
版胴ロール10のその他の部分の構成、および印刷版の形成方法は、本発明の実施形態で説明した通りである。この版胴10を既存の多色グラビア輪転印刷機に取り付けて使用できるようにした。
【0080】
(実施例1)
厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材とし、市販の導電銀ペースト(太陽インキ製造株式会社性 ECM−100)をICカード用のアンテナパターン状に塗布した。得られた導電銀ペーストのアンテナパターン(乾燥後)は、膜厚30μmでありながら30μm幅の高精細な画線を形成している事が確認された。
【0081】
実施例1では、通常のグラビア印刷では扱えない高粘度のシルクスクリーン用の導電性銀ペーストを使用することが可能であった。
【0082】
また、得られたICカード用のアンテナ回路の導電性について調べた結果、抵抗値5×10-5Ω・cmと低抵抗であることが確認できた。
【0083】
(実施例2)
多色グラビア輪転印刷機の1色目の印刷ユニットで、実施例1と同様にして導電銀ペーストでICカード用のアンテナパターンを印刷して、乾燥炉を通して乾燥させた後、2色目の印刷ユニットで、一般にソルダーレジストと呼ばれる絶縁性インキをベタ塗りで印刷した。
【0084】
この結果、導電性銀ペーストによって印刷されたアンテナ回路パターンの上に、絶縁性インキの層を積層することが出来た。
【0085】
乾燥後、アンテナ回路パターンの導通テストを実施した結果、抵抗値は実施例1と同様の5×10-5Ω・cmを示し、回路パターンと絶縁層の積層が可能であることがわかった。さらに印刷ユニット数の多い多色グラビア印刷機を用いることにより、8〜10層の多層回路形成が可能であることが判った。
【産業上の利用可能性】
【0086】
この発明によって、エレクトロニクス用デバイス関連等の配線パターンをよりシャープに、断面積を増加することが可能となり、電気抵抗値の少ない、低発熱回路を形成することができる。
【0087】
この発明によって、エレクトロニクス用デバイス関連等の導線層、絶縁層、から形成される多層回路形成が、容易に短時間で形成できる。
【0088】
この発明によって、建材用化粧シートの繊細パターン、たとえば抽象パターンなどいままで表現することが困難だった意匠を表現することができる。
【0089】
この発明によって、医療分野等の研究用、工業用の幅数μm深さ数μmからなるポリマー基盤に溝が掘られたパターンに再度ポリマーで蓋をした構造をもつマイクロチャンネルまたはマイクロフラスコと結われるチップを大量に安価に製作できる。
これを使って、例えばキレート水溶液と油相をマイクロレベルで混合する事が可能となり油水界面から油相へキレート化合物を溶け出し、分離することができる。
その他、マイクロレベルでの化学反応がこのチャンネルで可能となり、レーザー等によるDNA 分析等も可能となる。
【0090】
この発明によって、この発明のシステム自体の規模をサイズ的に縮小する事で、超微細パターン印刷への応用も可能となる。
【0091】
この発明によって、膜厚のある多色印刷が可能となり、食品加工印刷として多層カラー食品印刷分野への展開が望める。

【符号の説明】
【0092】
10・・・版胴ロール
100・・・外管
101・・・内管
101A・・・電熱線
102・・・シール材
104・・・ベアリング
105・・・電熱線の取り出し部
106・・・塗布材料の注入配管
107・・・内管軸
108・・・液状樹脂の定量送付可能なポンプ
109・・・固形樹脂の加熱による溶融が可能なポンプ
110・・・外管を回転させる駆動軸

200・・・外管の円筒面を構成する金属薄板
201・・・外管の底面部分
202・・・外管の側面を構成する金属薄板と外管の底面部分の接合部
203・・・導電性樹脂
207・・・レジスト層
214・・・導電性樹脂の研磨手段
215A・・銅メッキ層
215B・・クロムメッキ層
215・・・固体層

220・・・ドクターブレード
221・・・適度な温度に設定した乾燥炉または冷却炉
222・・・印刷対象物
223・・・余分な塗布材料
224・・・塗布材料
290・・・インキパン

401・・・外管の円筒面に設けられた微細な穴
402・・・外管連結部
403・・・外管連結口
404・・・配管部
405・・・塗布材料排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒面に多数個の微細な穴を有する円筒状の外管と、
前記外管の円筒面の外側表面に前記微細な穴よりも大きな所定パターンをもつ固体層と、を有する印刷版であって、
前記外管の円筒面の外側表面に形成された前記固体層は、
導電性樹脂を、前記外管の円筒面の前記微細な穴の内部の所定の深さまで隙間なく入り込むように塗布する導電性樹脂塗布段階と、
前記導電性樹脂の表面を研磨して前記外管の円筒面の外側表面および微細な穴の開口部を露出させる導電性樹脂研磨段階と、
前記外管の円筒面の外側表面全体に金属メッキ層を形成するメッキ層形成段階と、
前記金属メッキ層表面の凹凸を低減するための研磨を行なう仕上げ研磨段階と、
前記金属メッキ層の上に前記所定パターンを有するレジスト層を形成するレジスト層形成段階と、
前記金属メッキ層をエッチングして前記所定パターンを有する固体層を形成するエッチング段階と、
前記レジスト層を除去するレジスト層除去段階と、
前記微細な穴の内部に入り込んでいる前記導電性樹脂を除去する導電性樹脂除去段階と、を有する製造方法により形成されていることを特徴とする印刷版。
【請求項2】
前記レジスト層形成段階が、
前記金属メッキ層表面に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成段階と、
前記感光性樹脂層に前記所定パターンを露光したのち現像して前記所定パターンを有するレジスト層を形成する感光性樹脂層露光現像段階と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の印刷版。
【請求項3】
前記レジスト層形成段階が、
前記金属メッキ層表面に光反応樹脂を塗布して光反応樹脂層を形成する光反応樹脂塗布段階と、
前記光反応樹脂層に前記所定パターンをレーザー光で描画露光したのち現像して前記所定パターンを有するレジスト層を形成する光反応樹脂層露光現像段階と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の印刷版。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の印刷版と、
前記外管の内部に配設された円筒状の内管と、
前記内管を支えて固定する内管軸と、
前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間に液状体を供給する液状体供給手段と、
前記内管軸と前記外管の内壁との間に配置され、前記外管の内壁と前記内管の外壁で囲まれた空間から前記液状体が漏れないようにするシール手段と、
を有することを特徴とする印刷用版胴。
【請求項5】
前記内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部が形成されていることを特徴とする、請求項4記載の印刷用版胴。
【請求項6】
前記内管の外周面にらせん状に巻きついた状態の凸部の内部に、温度調整手段を有することを特徴とする請求項5記載の印刷用版胴。
【請求項7】
前記内管を前記外管の内部に取り付ける際または取り外す際に使用される、内管付け外し口が前記外管の円筒側面部または円筒底面部に設けられていることを特徴とする請求項4〜6記載の印刷用版胴。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴と、
前記印刷用版胴の外管を支えてその円筒面の中心軸周りに回転させる外管駆動軸と、
前記印刷用版胴の内管軸を支えて固定する内管軸支持手段と、
印刷対象物を搬送する印刷対象物搬送手段と、
搬送されている印刷対象物の所定面を前記印刷用版胴の所定位置に接触させる手段と、
前記印刷用版胴の外管の外周面に接するように設けられたスキージー手段と、
前記スキージー手段により外管の外周面から掻き落とされた前記液状体を集める液状体収集手段と、を有することを特徴とする印刷ユニット。
【請求項9】
請求項8載の印刷ユニットが複数個連結されて、各印刷ユニットが同期して動作することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項4〜7のいずれかに記載の印刷用版胴を、グラビア印刷装置または凹版印刷装置の版胴として用いたことを特徴とする印刷装置。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−110740(P2011−110740A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267273(P2009−267273)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】