説明

印刷用塗工紙

【課題】本発明の課題は、嵩高で白色度が高く、印刷面感に優れた印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】
本発明の印刷用塗工紙は、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工して製造する塗工紙において、機械パルプを原紙重量当たり50重量%以上含有し、塗工前の原紙中の紙中灰分が10重量%以上でありかつ片面塗工量が0.5〜5g/mであり、密度が0.70g/cm以下であり、好ましくは接着剤として澱粉を顔料100重量部あたり10〜50重量部含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷用塗工紙に関する。特に本発明は、低塗工量で嵩高であり、白色度が高く、印刷面感に優れた印刷用塗工紙を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷用紙においても輸送及び郵送コストの削減などのため軽量化に対する要求が非常に高くなってきている。しかし、単純に軽量化すなわち印刷用紙の坪量を下げると紙の厚さが低下し、冊子のボリューム感が損なわれるため好ましくない。紙ユーザーに求められている軽量化とは、紙重量を低下させながら、紙厚は低下させないこと、より好ましくは紙厚を高くすることであり、紙の軽量嵩高化が近年の重要な技術課題である。
【0003】
一方、印刷物のビジュアル化やカラー化が進み、印刷用非塗工紙に比較し、平滑な塗工層をインキ受理層として有する印刷用塗工紙の需要も年々増加している。しかし、炭酸カルシウムやカオリンなどの無機顔料を主成分とする顔料塗工層は、パルプを主原料とする塗工原紙に比較して比重が重いため、塗工紙の軽量化のためには低塗工量化が有効である。
また、軽量化のためには、塗工原紙を嵩高化するという方法もある。
紙の低密度化(嵩高化)の方法の一つとして製紙用パルプに関しての検討があげられる。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプ(KP)よりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプ(GP)やリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ(RMP)、またはサーモメカニカルパルプ(TMP)のような機械パルプ(MP)の方が繊維は剛直で効果的である。しかし、機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは比較的繊維長が長く、剛度が高いことから製造した紙の平滑度が低下することが知られている。また、機械パルプを使用した場合には化学パルプと比較しパルプの白色度が低いため、全体として紙の白色度が低下するなどの問題があった。
【0004】
また、抄紙の観点から非塗工紙や塗工原紙を嵩高化(低密度化)する手法として、嵩高剤の使用による方法が知られている。公知の嵩高剤として、例えば、特定のアルコール及び/またはそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤(特許文献1)、非イオン界面活性剤(特許文献2)、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献3)、などが知られており、これらの紙用嵩高剤を板紙に応用した技術(特許文献4)、塗被量が片面10〜25g/mである光沢塗被紙(特許文献5)も提案されている。
加えて、顔料100重量部あたり20〜60重量部の澱粉を有する塗工層を、1〜5g/mの量となるように塗工して得た微塗工紙(特許文献6)、機械パルプを含む塗工用原紙に顔料とバインダーからなる塗工層を設けてなる嵩高塗工紙(特許文献7)が開示されているが、原紙が広葉樹木材チップ由来であるとは限定していないし、塗工方式も限定するものではなく、白色度や印刷面感等の特性を向上させることを示唆するものではない。
【0005】
しかし、上記した従来技術では、低塗工量でありながら、嵩高で白色度が高く印刷面感に優れた印刷用塗工紙を製造することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開98/03730号パンフレット
【特許文献2】特開平11−200283号公報
【特許文献3】特許第2971447号公報
【特許文献4】特許第3041294号公報
【特許文献5】特開平4−370298号
【特許文献6】特開2004−124289号公報
【特許文献7】特開2008−261078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明の課題は、低塗工量でありながら、嵩高で、白色度が高く印刷面感に優れた印刷用塗工紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、機械パルプを原紙重量当たり50重量%以上含有し、かつ密度が0.70g/cm以下である原紙に、少なくとも顔料と、接着剤として、澱粉を含有し、かつ澱粉を顔料100重量部あたり10〜50重量部含有する塗工液を、フィルム転写方式を用いて、絶乾重量で片面あたり0.5〜5g/m塗工することにより、嵩高で低塗工量であり、かつ、白色度が高く印刷面感に優れた印刷用塗工紙を得ることを見出した。
また、塗工液はラッテクスを含有し、その含有量に対して澱粉類の含有量を同じかそれ以上としてもよく、具体的には、澱粉類:ラテックス=10:1〜1:1でもよい。
前記機械パルプが、ろ水度100以上300以下である晒針葉樹TMPでもよく、前記澱粉類が、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉でもよく、フィルム転写方式を用いて塗工した後、高温ソフトニップカレンダーにて、線圧1〜50kN/mで処理してもよく、前記原紙中に軽質炭酸カルシウム及び/またはパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有させてもよく、塗工前の原紙中の紙中灰分が10重量%以上でもよく、前記塗工層の顔料として、重質炭酸カルシウムを顔料100重量部あたり50重量部以上含有させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、低塗工量でありながら、嵩高で白色度が高く、印刷面感に優れた印刷用塗工紙を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
嵩高紙は、塗工原紙を嵩高化すると原紙が低密度となり空隙が多くなるので、塗工時に、塗工液が原紙内部へ浸透してしまい、低塗工量で均一に原紙表面を被覆することが難しくなるという性質を備えている。このため、塗工紙の軽量嵩高化のために、軽量嵩高な原紙を用いても、比重の高い無機顔料を主成分とする塗工液を単に塗工しただけでは塗工液の浸透のため塗工量を多くせざるを得ず、また、塗工量を少なくした場合には塗工面に塗工液の被覆ムラが生じ、印刷時のインキの着肉ムラに起因する印刷面感の悪化が起こり、また、塗工量が多い場合と比較し紙の白色度も低くなるため、結局、白色度の高い軽量嵩高化を実現することは難しい。
原紙の空隙量を減らすために塗工前に原紙をカレンダー処理すれば、紙厚が低下するため嵩高低密度紙は得られない。
本発明者らは、上記のような課題を見つけ、それを解決し、嵩高であり、かつ低塗工量である印刷用塗工紙を見いだした。
本発明の印刷用塗工紙はパルプ及び填料を主成分とする特定の原紙に、必要に応じてクリア塗工した後に、顔料と接着剤からなる特定の塗工液をフィルム転写方式により特定量塗工してなるものである。
【0011】
原紙
本発明における印刷用塗工紙の原紙は、パルプ、填料を主成分とするものである。以下にこれらの成分について説明する。
【0012】
パルプ
本発明における印刷用塗工紙の原紙は、パルプ、填料を主成分とするものである。本発明の原紙に配合するパルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることができる。機械パルプは化学パルプ、半化学パルプに比べ、繊維が剛直なので、機械パルプを多く配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく全体として嵩高になる。
本発明では嵩高原紙を製造するために機械パルプを原紙重量当たり50重量%以上含有することが好ましい。原紙中の全パルプ中の機械パルプの含有量は、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
【0013】
その機械パルプは、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの各種機械パルプを用いることができるが、白色度向上の観点から、1つ以上の漂白工程によりパルプを漂白した晒し機械パルプを用いることが好ましい。サーモメカニカルパルプは目的、用途に合わせて広葉樹、針葉樹のどちらを用いることもできる。
サーモメカニカルパルプの漂白処理には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
本発明において、サーモメカニカルパルプ(TMP)を使用する場合には、離解したパルプのろ水度が70ml以上であることが好ましく、より好ましくは100ml〜300ml、さらに好ましくは120〜200mlである。
【0014】
本発明において、上記機械パルプ以外のパルプを配合する場合には、強度発現の観点から針葉樹化学パルプを用いることが好ましく、針葉樹化学パルプの配合量は、嵩高と強度のバランスからパルプ100重量当たり0〜50重量部が好ましく、より好ましくは5〜40重量部である。
【0015】
填料
本発明において、原紙に含有する填料の種類に制限はなく、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等であるが、なかでも軽質炭酸カルシウムが好ましい。
軽質炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良い。ロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子が毬栗状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。その含有量は、全填料を100重量%とした場合、5〜25重量%であることが好ましく、10〜20重量%がより好ましい。5重量%未満では、印刷物のべたつき低減効果は十分ではなく、25重量%を超えた場合は、塗工紙の引張強度が低下する。
その結果、本発明においては、機械パルプを高配合した条件において、ロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いて印刷用塗工紙の原紙を製造した場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果、裏抜け防止、良好な原紙表面性が得られる。
【0016】
また、本発明においては、炭酸カルシウムを含む軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物も使用することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物とは、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆したものであり、填料の全量または一部を代替して使用することが好ましい。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を使用することにより、原紙の密度を低くし、紙厚を上昇させることにより剛度を向上させることができる。さらに別の効果として、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は、印刷物のべたつき低減効果を有する。また、カレンダー処理を行った後でも、低密度であるのに、高平滑度であるという相反する性質を両立することができる。
【0017】
本発明においては、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を紙中填料として用いる場合は、その含有量は、全填料を100重量%とした場合、5〜25重量%であることが好ましく、10〜20重量%がより好ましい。5重量%未満では、印刷物のべたつき低減効果は十分ではなく、25重量%を超えた場合は、塗工紙の引張強度が低下する。
【0018】
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は、印刷物のべたつきとインキ着肉性のバランスをより良好にするために、軽質炭酸カルシウムとシリカとの固形分重量比が、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30が好ましい。
軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70より小さい場合、塗工紙の印刷時の表面強度が劣る傾向にある。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=70/30より多い場合、べたつきの改善効果がより大きくない。
また、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子の軽質炭酸カルシウムは、針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良いが、この中でもロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に裏抜け、不透明度改善効果が向上する。
【0019】
また、上記複合粒子の平均粒子径は、レーザー回折法粒度分布測定器(マルバーン社製マスターサイザー2000)で測定した値で1.0〜10.0μmが好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は塗工時にカレンダー処理を行った後でも、低密度を維持し高平滑度といった相反する性質を発揮することができる。
【0020】
嵩高剤
本発明においては、原紙を低密度化(嵩高化)するために、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である界面活性剤等の嵩高剤(低密度化剤)を使用することができる。嵩高剤を添加することにより、原紙の透気性が向上する。
パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物(以下、結合阻害剤と略称する)とは、疎水基と親水基を持つ化合物で、最近、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)は本発明の結合阻害剤として適しており、例えば、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報、特開2003−96694号、特開2003―96695号公報等に示される化合物等が挙げられる。
具体的には、高級アルコールのエチレンおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物などを使用することができ、これらを単独あるいは2種以上併用することができる。
好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物等である。販売されている嵩高薬品としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、花王(株)のKB−08T、08W、KB110、115、三晶(株)のリアクトペイク、星光PMC(株)のPT−205、日本油脂(株)のDZ2220、DU3605、荒川化学(株)のR21001といった薬品があり、単独あるいは2種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明において、嵩高剤を添加する場合は、嵩高剤をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部添加することが好ましく、特に0.2〜1.0重量部を添加することが好ましい。
本発明の原紙には、パルプや填料以外に、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の製紙用添加剤も必要に応じて添加することができる。
【0022】
抄紙方法
本発明における原紙の抄紙方法については、特に制限されず、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙のいずれの方式で抄紙してもよく、マシンとして従来より抄紙用に用いられている長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーなどのフォーマー部を有するマシン(抄紙機)を用いて抄紙することができる。
本発明において、オントップハイブリッドフォーマーやギャップフォーマーを使用することが好ましい。オントップハイブリッドフォーマーやギャップフォーマーを用いて抄紙することにより、填料をより表層にとどめやすくでき、原紙への塗工液の浸透を防ぐことができる。
本発明の塗工原紙の坪量は、一般に用いられる25〜400g/m程度のもの、好ましくは40〜80g/mのものを使用することができ、密度を0.4〜0.63g/cmとしても良い。また、原紙の白色度は50%〜90%のものを使用することが好ましい。
【0023】
紙中灰分量
本発明の原紙の紙中灰分量は、10重量%以上であることが好ましい。より好ましい原紙灰分量は、原紙中の12重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。また、原紙密度が高くなること、強度が低下することを考慮すると、原紙灰分が40重量%以下であることが好ましい。
本発明の低密度の原紙である場合、原紙灰分が10重量%以下であると、塗工液を塗工した際の原紙への浸透が多く、塗工後の塗工液の被覆ムラが生じ、印刷面感が悪くなることがある。
原紙灰分を10重量%以上にすることにより、填料が原紙表層の空隙を埋め、塗工量が0.5〜5g/mという原紙被覆性が維持しづらい条件においても塗工適性が良化する。
【0024】
クリア塗工
本発明においては、必要に応じて、澱粉などの接着剤をサイズプレスなどにより顔料塗工前の原紙にクリア塗工してもよい。クリア塗工に使用される接着剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉などの澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)等を、単独あるいは混合して使用することができる。また、必要に応じて、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などの助剤を加えてクリア塗工(塗布)を行ってもよい。
本発明のサイズプレス処理で用いる塗布方式および塗布装置は特に限定されるものではなく、公知の塗布装置を用いることができ、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコータ、スプレーコータ、ブレードコータ、カーテンコータなどを用いることが好ましい。
【0025】
塗工液
顔料
原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工層に用いる顔料は、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。
また、顔料の種類としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレーよりも重質炭酸カルシウムのほうが塗工液粘度の上昇を抑えることができ、その結果、塗工液濃度を高くすることが可能であり、そのため嵩高な原紙へも塗工液の浸透を抑制することができるため好ましい。
顔料中の好ましい重質炭酸カルシウム含有量は、顔料100重量部あたり50重量部以上であり、より好ましくは70重量部以上、さらに好ましくは80重量部以上である。また、良好な印刷面感形成の点から平均粒子径は、レーザー回折法粒度分布測定器(マルバーン社製マスターサイザー2000)で測定した値で、0.5〜3μmが好ましく、より好ましくは0.8〜2.5μmである。
【0026】
接着剤
本発明において、原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工層に用いる接着剤としては、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などから、1種以上を適宜選択して使用することができる。
本発明においては、接着剤として澱粉類1種以上を含有する。より好ましくは、塗工液粘度および安定操業性の点からヒドロキシエチルエーテル化澱粉が好ましい。
【0027】
顔料100重量部に対して、澱粉を10〜50重量部添加する。より好ましくは12〜40重量部、より好ましくは、25〜45重量部である。50重量部を超えると、塗工液粘度が上昇し、各種塗工方式における塗工適性が悪化するため好ましくない。また、10重量部未満の場合は、十分な原紙被覆性および表面強度が得られず好ましくない。
【0028】
本発明の接着剤は、ラテックスを含有させなくても良いが、安定操業性、印刷用塗工紙の剛度を強くするために、澱粉類とともに、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体などのラテックスと併用することが好ましい。
ラテックスとしては、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスが好ましい。
ラテックスを併用する場合、澱粉とラテックスの配合比は、澱粉/ラテックス=1/1〜10/1が好ましく。さらに好ましくは6/1〜1/1である。1/1より低い比では剛度が低下する傾向にあり、この比率より高いと塗料粘度が増加し、塗工適性が悪化する。
本発明の顔料および接着剤を含有する塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
【0029】
顔料塗工層の塗工方法
本発明において顔料塗工層の塗工方法は、フィルム転写方式が好ましい。フィルム転写方式としては、メタリングサイズプレスコータまたはゲートロールコータが挙げられる。
フィルム転写方式であれば、低塗工量領域ではブレード塗工方式と比較し、塗工量コントロールが容易で、原紙被覆性が良好であるため、好ましい。
本発明における片面あたりの塗工量は、固形分で0.5〜5g/mであることが好ましい。塗工量が0.5g/m未満であると、塗工液の被覆ムラが生じ、印刷面感の悪化を引き起こすため好ましくない。また、塗工量が5.0g/m以上であると塗工紙の密度が上昇し、嵩高塗工紙を製造するのは困難となり好ましくない。本発明におけるより好ましい片面塗工量は0.5〜4.0g/mであり、より好ましくは1.0〜2.0g/mである。
【0030】
塗工後の湿潤塗工層を乾燥させるドライヤーとしては、一般的なものを使用することができ、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の装置を用いることができる。
塗工乾燥された塗工紙は、カレンダー処理を施さないまま、もしくはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行うことができる。
また、カレンダー処理の観点から紙を嵩高化する方法として、高温でのソフトカレンダー処理による方法が知られている。高温ソフトニップカレンダーによる表面処理は、紙の内層部は比較的低温の状態のまま、ごく表層部のみを高温により可塑化して、金属ロールの表面を紙の表層部に転写するメカニズムに基づいている。そのため、従来のスーパーカレンダー処理と比較して、紙の表層部だけ緻密化して白紙光沢度を向上させ、紙の内層部は温度をかけずに潰れさせないために、高温ソフトニップカレンダーを用いると紙の嵩高さを維持できる。
【0031】
本発明において好ましい方法としては、カレンダー処理を行わないか、カレンダー処理する場合には、印刷品質、作業性に優れ、表面強度が良好でかつ低密度かつ良好な印刷用塗工紙を得るために、高温ソフトニップカレンダー処理をすることが好ましい。
カレンダー処理条件としては、1〜2ニップが好ましく、1ニップがより好ましい。カレンダーニップ数が2ニップを超える場合には塗工紙の密度が上昇し、嵩高塗工紙を製造するのは困難となり好ましくない。
カレンダーの金属ロールの温度条件としては特に制限されるものではないが、作製した嵩高塗工紙の密度の点から30〜250℃が好ましい。また、カレンダーの線圧としては1〜50kN/mが好ましく、より好ましくは2〜30kN/mである。線圧50kN/m以上であると、塗工紙の密度が上昇し、嵩高塗工紙を製造するのは困難となり好ましくない。
【0032】
本発明の印刷用塗工紙の坪量は、各種用途に応じて設定され特に制限されるものではないが、好ましくは25〜200g/mであり、より好ましくは30〜150g/mであり、更に好ましくは、30〜70g/mである。
本発明の印刷用塗工紙の密度は、低密度である方がよく、本発明が最も効果的になる条件として0.70g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.40〜0.60g/cmであり、更に好ましくは0.45〜0.60g/cmである。
本発明の印刷用塗工紙の白色度は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。
【実施例】
【0033】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部および%は重量部及び重量%を示す。
【0034】
(評価方法)
塗工液及び得られたオフセット印刷用塗工紙について、以下に示す評価法に基づいて試験を行った。
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)白色度:JIS P 8148に基づいて測定した。
(3)印刷物面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物の面感(インキの着肉ムラ)を下記の基準で目視にて評価した。
◎:全くムラが見られない ○:ほとんどムラが見られない
△:ややムラが見られる ×:ムラが見られる
(4)平滑度:JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験機で測定した。
(5)表面強度:ローランド製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、藍単色ベタ部の表面剥け状態を目視で評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
【0035】
[実施例1]
(塗工原紙の製造)
NBKP:針葉樹晒化学パルプ(CSF450ml)10部、機械パルプとして、晒針葉樹TMP(CSF130ml)45部および、晒GP(CSF70ml) 45部配合したパルプスラリーに、パルプ重量に対して硫酸バンド1.6%、紙力剤(EX−230、ハリマ化成製)0.2%を添加し、更にパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−115)0.4%、歩留剤(DR−3600、ハイモ株式会社)200ppm、内添填料として軽質炭酸カルシウム(平均粒径4.0μm)を10%となるようそれぞれの割合で原紙重量当たり含有するように添加した紙料を、デュオフォーマーFD型抄紙機にて、800m/分の速度で抄紙して、密度0.45g/cm3で坪量62g/mの、灰分10%の塗工原紙を用いた。
【0036】
(塗工液の調製)
顔料スラリーとして重質炭酸カルシウムスラリー(スラリーの濃度は75%)(ファイマテック社製 FMT-90)100部(固形分)を用い、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)30部を加えた後、さらに水を加えて固形分濃度30%とし、塗工液を調製した。上記塗工液を上記原紙に、片面あたりの塗工量が1.0g/mとなるように塗工速度800m/分でゲートロールコータを用いて両面塗工した後、ショア硬度91°の弾性ロールを有する2ロール1スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、金属ロール表面温度150℃、線圧4kN/mの条件で1ニップのカレンダー処理し、印刷用塗工紙を得た。
【0037】
[実施例2]
原紙のパルプ配合をNBKP(CSF450ml)25部、機械パルプとして晒針葉樹TMP(CSF130ml)40部、晒GP(CSF70ml)35部となるよう変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0038】
[実施例3]
塗工液の調製において、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)の配合部数を30部から50部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0039】
[実施例4]
塗工液の調製において、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)の配合部数を30部から60部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0040】
[実施例5]
塗工液の調製において、ラテックスの配合部数を10部から15部に変更し、澱粉の配合部数を30部から20部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0041】
[実施例6]
塗工液の調製において、ラテックスの配合部数を10部から無配合に変更し、澱粉の配合部数を30部から50部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0042】
[実施例7]
塗工液の調製において、使用する澱粉の種類をヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)から酸化澱粉(敷島スターチ社製 マーメイドM210)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0043】
[実施例8]
片面あたりの塗工量を1.0から2.0g/mとなるよう調製した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0044】
[実施例9]
片面あたりの塗工量を1.0から2.0g/mとなるよう調製した以外は実施例2と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0045】
[実施例10]
片面あたりの塗工量を1.0から4.0g/mとなるよう調製した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0046】
[実施例11]
塗工原紙中の晒針葉樹TMPのフリーネスを130mlから70mlに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0047】
[実施例12]
塗工後の処理において、カレンダー処理線圧を線圧4kN/mから12kN/mと変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0048】
[実施例13]
塗工後の処理において、使用するカレンダーを高温ソフトカレンダーからスーパーカレンダー(2ロール1スタック、金属ロール表面温度70℃、線圧4kN/m)へ変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0049】
[実施例14]
塗工原紙の抄造時に、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−115)を配合しない以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0050】
[実施例15]
塗工液の調製において、微粒クレースラリー50部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)50部(固形分)を添加して顔料スラリーとしたものを使用した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0051】
[実施例16]
塗工液の調製において、顔料スラリーとして重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)100部(固形分)を用いたものを、顔料スラリーとして、微粒クレー(ハイドラグロス、KaMin社製)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度73%の微粒クレースラリーを調製し、得られた微粒クレースラリー70部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)30部(固形分)を添加して顔料スラリーとしたものを使用した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0052】
[実施例17]
実施例1において、塗工用原紙に内添する填料として、軽質炭酸カルシウムのかわりに以下の製造例で調製した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物に変更した中質紙を用いた以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
(製造例1:軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の調製)
反応容器中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名 アルバカー5970 SMI社製)10部を水に分散し、ここにSiO濃度18.0wt/wt%、NaO濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57部加えた後、水を加え、全量を200部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を撹拌しながら添加した。添加方法は、温度一定を保ち、硫酸添加後の最終pHは8.0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加し、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーを得た。このときの軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の平均粒子径は3.4μmであり、軽質炭酸カルシウムとシリカの固形分重量比は、70/30であった。
【0053】
[比較例1]
実施例1において、抄造した原紙上に調製した塗工液を塗工しなかった以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0054】
[比較例2]
原紙のパルプ配合をNBKP(CSF450ml)70部、機械パルプとして、晒針葉樹TMP(CSF130ml)15部、晒GP(CSF70ml)15部となるよう変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0055】
[比較例3]
塗工液の調製において、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)の配合部数を30部から5部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0056】
[比較例4]
実施例1において、塗工液を塗工する方式として、ゲートロールコータをブレードコータに変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
【0057】
[比較例5]
実施例1において、原紙上に調製した塗工液を塗工しなかった代わりに、酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、SK−20)を固形分濃度20%となるようクッキングし、水で希釈して固形分濃度10%のサイズプレス液を片面塗布量が0.5g/mとなるよう両面塗布した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0058】
[比較例6]
片面あたりの塗工量を1.0から6.0g/mとなるよう調製した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【0059】
【表1】

【0060】
表1に示すように、実施例1〜17では、嵩高で白色度が高く、印刷面感に優れた印刷用塗工紙を得ることができた。比較例1〜6は、印刷面感に劣るか、密度が高く嵩高でない。
機械パルプの含有量が少なくなる、または、塗工量が、多くなると、塗工紙の密度が高くなる傾向にある。白色度を上げるという観点からは、顔料は、炭酸カルシウムの配合量を増やす方がよい。
澱粉の配合量を増やすと、表面強度が高くなるが、印刷面感が低下する傾向にある。ラテックス含有量を減らすと、平滑性が低くなる傾向にある。
比較例3及び4のように、塗工液中の澱粉量が少ないか、塗工方式が原紙に圧力がかかる方式であると印刷面感が悪化し、表面強度も小さくなる。もちろん、比較例1のように塗工液を塗工しない場合も同じである。
また比較例2や比較例5のように、原紙の機械パルプ含有量が少ないか、澱粉でサイズプレスした場合には印刷面感が悪化する。
また、比較例2、3及び6のように原紙の機械パルプが少なかったり、澱粉の含有量が少なかったり、あるいは塗工量が多すぎると密度が高くなる。
このように本発明は、原紙中の機械パルプを50重量%以上とし、且つ低密度である原紙と、特定量の澱粉含有塗工液と、特定の塗工方法を組み合わせることにより、嵩高で白色度が高く、印刷面感と表面強度に優れるという顕著な効果を発揮するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械パルプを原紙重量当たり50重量%以上含有し、かつ密度が0.70g/cm以下である原紙に、顔料および顔料に対して澱粉類を顔料100重量部あたり10〜50重量部含有する塗工液を、フィルム転写方式を用いて、絶乾重量で片面あたり0.5〜5g/m塗工することにより得られることを特徴とする印刷用塗工紙。
【請求項2】
前記塗工液がラテックスを含有し、かつ、ラテックスの含有量に対して、澱粉類の含有量が同じかそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
【請求項3】
前記塗工液の澱粉類とラテックスの比率が、澱粉類:ラテックス=10:1〜1:1であることを特徴とする請求項2に記載の印刷用塗工紙。
【請求項4】
前記機械パルプが、ろ水度100以上300以下である晒針葉樹TMPであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
【請求項5】
前記澱粉類が、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
【請求項6】
フィルム転写方式を用いて塗工した後、高温ソフトニップカレンダーにて、線圧1〜50kN/mで処理してなる ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
【請求項7】
前記原紙中に軽質炭酸カルシウム及び/またはパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
【請求項8】
塗工前の原紙中の紙中灰分が10重量%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
【請求項9】
前記塗工層の顔料として、重質炭酸カルシウムを顔料100重量部あたり50重量部以上含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。

【公開番号】特開2011−26751(P2011−26751A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45107(P2010−45107)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】