説明

印刷管理システム、印刷装置、印刷管理方法およびプログラム

【課題】ICカードを用いることにより実現される課金処理、印刷ログの収集および印刷枚数の制御を行うことが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】ユーザ情報とチャージ情報を紐付けて記憶するサーバは、印刷装置より送信されるユーザ情報に従って、当該ユーザ情報に紐付いて記憶されている前記第一のチャージ情報を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されている第二のチャージ情報とを読み取り、ユーザ情報をサーバに送信することにより、前記ユーザ情報に紐付いサーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得し、第一のチャージ情報と、第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付け、前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アイデアは、印刷処理装置の従来の課金管理システムにおいて、ICカードを利用した場合の課金管理システムにて、ICカードにおけるチャージ機能を利用することで課金管理を行う発明に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、印刷枚数を管理するシステムにおいて管理サーバにて、各ユーザの印刷枚数をカウントし制限枚数に到達した際に、以降の印刷を不可とする印刷枚数管理のためシステムがある。
【0003】
このシステムにおいて、情報処理装置と印刷処理装置が同一のネットワークに接続された形で管理されている場合には、定期的に印刷処理装置から管理サーバへ印刷ログ情報を送付し、管理サーバにて管理を行うことが可能である。
【0004】
しかし、遠隔地などのネットワークが接続されていない環境においては、印刷ログ情報をクライアントが収集し、管理サーバへ記憶媒体を用いて管理サーバへ格納する必要がある。
【0005】
よって、管理サーバ上での印刷ログの計上と実際の印刷処理との間にタイムラグが発生し、実際には印刷制限を超えていても、印刷ログの計上が遅れているため、次回以降も印刷ができてしまうという可能性がある。
【0006】
近年、各種システムにて使用されているICカードにおいては、ICカードからの課金情報を引出し、不足分は口座から引出すという仕組みの技術は数多く存在する。

【0007】
特許文献1では、リーダを用いて記憶媒体から読み出された情報に基づいて金額を徴収し、残高不足の場合には、挿入された貨幣の金額との合計額を算出し生産するという技術が開示されている。
【0008】
特許文献2では、課金システムにて課金された金額を電子マネーから引き落とす手段および残高不足の場合には、指定されている口座から引き落とすという技術が開示されている。
【0009】
特許文献3では、画像データを印刷処理する装置にて、利用予定金額を入力し、ICカードを当てるとICカードの情報を書き換え、利用予定金額の範囲内で印刷処理が実行される。印刷処理後にICカードを当てると、利用予定金額よりも発生した利用額の方が少ない場合に、差額を表示するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−99205号公報
【特許文献2】特開2007−299293号公報
【特許文献3】特開2006−58566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1、特許文献2および特許文献3のシステムは、ICカードのチャージ金額と課金情報の精算に関する方法である。
【0012】
しかしながら、特許文献1、特許文献2は、課金情報の引出し先の選択やチャージを行う方法に限りがあり、多様なシステム形態に対応しているとは言い難い。
【0013】
また、特許文献3は、印刷ログを管理サーバへ送信し、また、ICカードに記録して印刷履歴を管理するという点については言及しておらず、印刷管理面で不十分である。
【0014】
特許文献1〜3では、課金情報(チャージ情報)の引出先の選択肢やチャージを行う方法に限りがあるため、例えば、外出先での印刷時に、印刷ログをサーバに送信して印刷履歴を管理することができず印刷管理という点において不都合が生じることがある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、印刷課金システムにICカードを用いることにより課金処理、印刷ログの収集および印刷枚数の制御を行うことが可能な仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は以下の構成により課題を解決する。
【0017】
すなわち、本発明は、印刷を行う印刷装置と、ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバとが相互に通信可能な印刷管理システムであって、前記サーバは、前記ユーザの印刷可能枚数を示す第一のチャージ情報を前記ユーザのユーザ情報に紐付けて記憶する第一のチャージ情報記憶手段と、前記印刷装置より送信されるユーザ情報に従って、当該ユーザ情報に紐付いて記憶されている前記第一のチャージ情報を前記印刷装置に送信するチャージ情報送信手段とを備え、前記印刷装置は、前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記チャージ情報送信手段により送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得手段と、前記第一のチャージ情報取得手段により取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択手段と、前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷課金システムにICカードを用いることにより課金処理、印刷ログの収集および印刷枚数の制御を行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明の印刷管理システムにおいては、管理サーバで逐一ユーザの印刷枚数をカウントする必要がなくなる。
印刷枚数の制限を管理するという点では、印刷ログをもとに管理サーバ上で課金情報を計上するのではなく、ICカードや管理サーバ上のチャージ残数から引出すことにより、ICカードに付与した枚数以外は、システム上印刷枚数制限を越えて印刷されることはなくなる。
【0020】
また、統計情報を集計するという意味では、一定期間毎に印刷ログ情報をカウントすることで、目的を達成することが可能である。
また、管理サーバ、ICカードのチャージ残数に応じたジョブ出力が可能である。
【0021】
また、チャージ情報に応じて、出力可能なジョブのみを自動で選択画面に表示することができ、印刷枚数を制御することが可能である。
【0022】
ネットワークの接続されていない遠隔地で印刷を行った場合にもICカードに印刷ログを保存することができることから、確実に印刷ログを集計することが可能となる。
また、課金の精算についても都度ICカードのチャージ残数から精算することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のICカード課金管理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】ハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ICカード課金管理システムを構成する各ハードウェアの機能構成図である。
【図4】本発明のICカード課金管理システムにおけるICカードチャージ処理(管理サーバからICカードへのチャージ)の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のICカード課金管理システムにおけるICカードチャージ処理(ICカードからICカードへのチャージ)の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブ生成の一例を示すフローチャートである。
【図7A】本発明のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブの排紙および印刷ログの保存の一例を示すフローチャートである。
【図7B】本発明のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブの排紙および印刷ログの保存の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明のICカード課金管理システムにおける印刷ログの送信の一例を示すフローチャートである。
【図9A】本発明のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブ管理情報の一例を示すデータ構成図である。
【図9B】本発明のICカード課金管理システムにおけるICカード内管理情報の一例を示すデータ構成図である。
【図9C】本発明のICカード課金管理システムにおける管理サーバ情報の一例を示すデータ構成図である。
【図10】本発明のICカード課金管理システムにおけるチャージ実行操作画面。
【図11】本発明のICカード課金管理システムにおけるチャージ実行時の各画面遷移。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷管理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0025】
図1において、印刷管理システム100は、情報処理装置101、管理サーバ102、印刷処理装置103、ICカードリーダ/ライタ105がおよびICカードリーダ/ライタ106がネットワーク107を介して相互に接続可能な状態で接続されている。
【0026】
情報処理装置101は、クライアントユーザが、印刷を実行する装置であり、印刷データを用いて印刷を実行し、印刷ジョブを生成することが可能である。
【0027】
管理サーバ102は、ICカードリーダ/ライタ105の接続を可能とし、ICカードリーダ/ライタ105を用いてICカード内の情報の読み込み、ICカード内への情報の書き込みを可能とする。
なお、本実施例中では、ICカードを記憶媒体の前提として説明を進めるが、例えば、管理サーバにUSBポートがあり、そこにUSBメモリを記憶媒体として挿入して、メモリ内の情報読み取るような構成でもよく、記憶媒体は、ICカードに限定されない。
【0028】
管理サーバ102では、後述する図9Cで説明するユーザ情報を管理し、ユーザ認証を行う機能を有するとともに、ユーザ情報と、ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報とを紐付けて記憶している。また、ユーザが保持するICカード情報および印刷ログ情報もユーザ情報に紐付けて記憶管理する。また、管理サーバ102でもICカードリーダ/ライタ105を用いて、ICカードへの印刷枚数をチャージすることができる。
また、管理サーバ102では、
【0029】
印刷処理装置103は、ICカードリーダ/ライタ106との接続を可能とし、ICカードリーダ/ライタ106を用いてICカード内の情報の読み込み、ICカード内への情報の書き込みを可能とする。また、ICカードリーダ/ライタ106を用いて、ICカード内への印刷枚数をチャージすることが可能である。また、印刷を実行した際に、印刷枚数をカウントし、ICカードから出力枚数分をチャージ残数から差し引く機能も併せ持つ。
【0030】
印刷実行時の、チャージ残数の差し引きは、印刷処理装置103に装着されているICカードリーダ/ライタ106に挿入されているICカードからのみでなく、印刷処理装置103は、管理サーバ102と通信する機能を持ち、管理サーバ102に登録されているユーザのチャージ残数からも差し引くことが可能である。また、印刷実行時に印刷ログを生成し、印刷ログをICカード内に保存することが可能である。そして、管理サーバ102と通信可能な場合には、管理サーバ102へ印刷ログを送付する機能を有する。
【0031】
また、ICカードは、カードID、ユーザID、チャージ残数および印刷ログ情報などの本システムにて使用される各種情報を保持する。
【0032】
また、本図においては不図示であるが、管理サーバ102はユーザ情報、ICカード情報および、印刷情報を記憶するためのデータベースに別途接続可能な構成にしてもよい。
【0033】
次に、図2を用いて、図1の印刷管理システム100を構成するハードウェアをブロックごとに説明する。
図2は、印刷管理システム100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
本発明の実施形態に係る印刷管理システム100の印刷処理装置103は、システムバス202、CPU203、RAM204、ROM205、周辺機器インターフェイス206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208から構成されており、ネットワーク214を介して、ICカードリーダ/ライタ106、認証サーバ109、のような外部機器などに接続されている。例えば、パーソナル・コンピュータ、サーバ等の情報処理装置を表している。
【0035】
CPU203は、中央処理演算装置であり、システムバス202に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM205或いは外部メモリ213には、CPU203の制御プログラムであるBIOS(BaSic Input/Output SyStem)やオペレーティングシステムプログラム(OS)、後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0036】
RAM204は、一時記憶装置であり、CPU203の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU203は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM205或いは外部メモリ213からRAM204にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0037】
周辺機器インターフェイス206は、不図示のキーボードやマウス等のポインティングデバイスで構成される操作入力装置210、印刷処理装置211、画像表示装置212等の表示装置との接続を可能とし、入出力のコントロールを行う。
【0038】
メモリコントローラ207は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリ213は、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等で構成される。
【0039】
外部メモリ213には、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等が記憶される。通信I/Fコントローラ208は、LAN等のネットワークを介して外部機器と接続し、通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。
【0040】
例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能であるCPU203は、例えば、RAM204内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、画像表示装置212上での表示を可能としている。また、CPU203は、画像表示装置212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ213に記録されており、必要に応じてRAM204にロードされることにより、CPU203によって実行されるものである。
次に、図3を用いて、本発明の印刷管理システムを制御する各端末の機能構成について説明する。
【0041】
図3は、図1に示した情報処理装置101、管理サーバ102、印刷処理装置103およびICカード(不図示)の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図3の情報処理装置101の印刷処理部301は、印刷データを印刷データアプリケーションから印刷処理を開始する。
印刷ジョブ生成部302は、印刷装置に出力するためのフォーマットに準じた印刷ジョブを生成する。
印刷ジョブ送信部303は、印刷ジョブを印刷装置へ送信する。
印刷処理装置103の印刷ジョブ受信部304は、情報処理装置から印刷ジョブを受信する。
印刷ジョブ記憶部305は、情報処理装置にて生成された印刷ジョブを記憶する。
【0043】
印刷ジョブ解析処理部306は、情報処理装置からの印刷ジョブの解析(カラー、モノクロ、印刷枚数)を行う。
【0044】
印刷実行部307は、印刷ジョブ記憶部に記憶されている印刷ジョブを解析し、印刷を実行し、印刷結果を排紙する。
印刷枚数算出部308は、印刷実行部にて処理された印刷枚数をカウントする。
【0045】
認証情報送受信部309は、挿入されたICカードからカードID、ユーザIDを取得し、管理サーバ102へ送信する。
【0046】
チャージ処理部310は、挿入されたICカードへ印刷枚数をチャージする(ICカードからICカードへチャージを行うことも可能)。
【0047】
チャージ情報記憶部311は、ICカードからICカードへチャージを実施する際に、チャージを提供するユーザ情報およびチャージ枚数を記憶する。
【0048】
課金精算処理部312は、印刷実行枚数をICカード内からチャージ残数から差し引く、もしくは管理サーバ102と通信して管理サーバ102で管理されているチャージ残数から差し引く。
印刷ログ生成部313は、印刷ログを生成する。
【0049】
印刷ログ送信部314は、挿入されたICカード情報から印刷ログ情報を取得し、管理サーバ102へ送信する。
【0050】
管理サーバ102の印刷ログ情報記憶部315は、ユーザIDに関連付けられる印刷ログ情報を記憶する。
ユーザ情報記憶部316は、ユーザIDに関連付けられるユーザ情報を記憶する。
認証情報送受信部317は、印刷装置から送信される認証情報を受信し、結果を送信する。
ユーザチャージ情報記憶部318は、ユーザIDに関連付けられるチャージ情報を記憶する。
ログインユーザ判定部319は、認証処理を実施する。
印刷ログ受信部320は、印刷装置から送信される印刷ログを受信する。
【0051】
チャージ処理部321は、挿入されたICカードへ印刷枚数をチャージする(ICカードからICカードへチャージを行うことも可能)。
ICカードのユーザ情報記憶部322は、ユーザ情報を記憶する。
【0052】
ユーザチャージ情報記憶部323は、チャージ残数を記憶する、仮チャージ残数(ICカードからICカードへチャージする際に、決済は次回カード使用時)を記憶する。
印刷ログ情報記憶部324は、印刷ログを記憶する。
【0053】
以下、図4、図5を参照して、本実施形態のICカード課金管理システムにおけるICカードへの印刷枚数をチャージする処理について説明する。
【0054】
図4ではユーザがユーザ保有のICカードへの印刷枚数をチャージする処理について説明する。本処理は管理サーバ102もしくは印刷処理装置103にて実施される。管理サーバ102では、管理サーバ102のアプリケーション画面上で実行が可能であり、印刷処理装置103にも同様のアプリケーションをインストールしておくことにより、図10のチャージ実行操作画面1001から操作することが可能である。
【0055】
図10のチャージ実行操作画面1001では、チャージ実行、チャージ先選択、接続サーバの設定およびログ送信などの機能を有することが考えられる。
【0056】
S401で、印刷処理装置103は、印刷処理装置103に装着されているICカードリーダ/ライタ106から、ICカード内の情報の読取りを実行し、ICカードからユーザ情報を取得する状態になっている。
【0057】
S402にて、ユーザが印刷処理装置103に装着されているカードリーダライタにICカードを挿入することで、ユーザ情報を読み取ることができる。
ここで読み取ることができるICカードの情報は、図9Bに示す906から912に関する情報である。
【0058】
図9Bは、ICカードで記憶管理するデータに関するデータ構造の一例を示す図である。
【0059】
カードID906は、ICカードを一意に特定するためのIDである。
【0060】
ユーザID907は、ユーザを一意に特定するためのIDである。
【0061】
チャージ残数908は、ICカードにチャージされているチャージ残数(枚数その他、金額などの任意の管理単位)である。
【0062】
仮引出履歴909は、ICカードから仮引出情報されたチャージ情報を特定し、チャージ先カードIDと共に記憶されている。
なお、仮引出履歴909は、仮引出された数だけ、履歴が記憶される。
【0063】
仮引出枚数910は、仮引出しされたチャージ情報のチャージ枚数である。
【0064】
印刷履歴件数911は、ICカードに保存されている印刷ログ情報の件数である。
【0065】
印刷履歴日付912は、排紙出力された日付である。
【0066】
印刷履歴時間913は、排紙出力された時間である。
【0067】
印刷履歴デバイスID914は、排紙出力がされたデバイスを一意に特定するためのIDである。
【0068】
印刷履歴出力方法915は、排紙出力された方法を特定するための情報であり、例えば1ならばコピー、2ならば印刷、3ならばFAXなどの判別をすることができる。
【0069】
印刷履歴出力種別は、カラー出力、モノクロ出力を特定する情報であり、例えば1ならばカラー、2ならばモノクロと判別をすることができる。
【0070】
印刷履歴出力枚数は、排紙出力された枚数である。
引き続き、図4の説明に戻る。
【0071】
S403では、S402にて印刷処理装置103に挿入されたICカードから取得したユーザ情報を用いて、管理サーバ102へユーザ情報の送信を行う。ユーザ認証処理の実施の際には、まず管理サーバ102との接続を試みて管理サーバ102との接続が可能である場合には、カードID906、ユーザID907を送信し、ユーザ認証を実施する。
【0072】
S404では、管理サーバ102にて認証処理を行い、ICカードが登録済みでもので、ICカードの利用者として登録されているユーザIDであるかを確認するとともに、ユーザが存在するユーザであるかを確認する。S403においてユーザ認証が許可されたら、管理サーバ102からユーザIDに紐付いて記憶されているチャージ情報を印刷処理装置103に送信する。
【0073】
ここで、ユーザが存在しているユーザであるかについては、図9Cに示す927から930にある管理サーバ102で記憶管理されている情報を用いて確認することが可能である。
図9Cは、管理サーバ102で記憶管理するデータに関するデータ構造の一例を示す図である。
【0074】
まず、「ユーザログ情報」は、ユーザID917、カードID918、チャージ残数919、チャージ完了情報920、印刷履歴921〜926から構成されている。
【0075】
また、「ユーザ情報」は、ユーザID927、ユーザ名928、カードID929、所属部署930から構成されている。
引き続き、図4の説明に戻る。
【0076】
そして、印刷処理装置103は、ユーザIDおよびカードIDの情報として管理サーバ上のユーザチャージ情報記録部318に登録されている、チャージ残数919、チャージ完了情報920を取得しておく。
ユーザ認証に失敗した場合には、チャージ処理は終了する。
【0077】
ユーザ認証に成功した場合には、S405にて、管理サーバ102より送信される、ユーザ情報に紐付いて記憶されているチャージ情報を受信する。また、ICカード内に保持している仮引出し情報を確認する。ここでいう、仮引出し情報とは、ICカードからICカードへのチャージを実現するために必要な機能である。
【0078】
例えば、装着されるICカードリーダライタのスロットが一つである場合、チャージ元のICカードを挿入後に、そのICカードを抜出してから、ICカードリーダライタにチャージ先のICカードを挿入することになる。この場合、チャージ先に確実にチャージが完了したかを判断することは、再度カードリーダライタへチャージ元ICカードを挿入する以外には、情報を反映させることができない。
【0079】
そこで、まず、チャージ元ICカードが挿入されている状態の時に、仮引出しという形で、チャージ元ICカードにチャージした枚数を仮記憶する。チャージ先に確実にチャージが実現された際には、管理サーバ102で管理されているチャージ元となるカード情報へチャージ完了情報として登録される。
【0080】
その後、チャージ元ICカードを印刷処理装置103や管理サーバ102に装着されているカードリーダライタに挿入し、チャージ等の操作を実施した際には、各ICカードで保持している仮引出情報とサーバで管理されているチャージ完了情報のIDを比較し同一のものがあれば、精算処理(正式にICカード内のチャージ残数からの引出し)が行われる。
【0081】
もし、ICカード内に仮引出し情報があるにも関わらず、管理サーバ102にはチャージ完了情報が存在しない場合には、一定の期間をもってチャージ不成立とみなし、ICカード内のチャージ仮引出し情報は精算されることなく削除されることになる。
【0082】
仮引出し情報としてICカード内に保持されている状態で、印刷処理等を実施した場合には、仮引出し情報としてカウントされているチャージ枚数も既に使用された枚数としてカウントするなどで制限をかけることが可能である。
ここで、図4のステップの説明に戻る。
【0083】
S406は、仮引出し情報が存在している場合であり、仮引出し情報の精算処理として、ICカード内のチャージ枚数から仮引出し情報分の枚数の引き出し処理を実施し、ICカードのチャージ枚数を更新する処理であり、S407にて管理サーバ102で管理されているチャージ完了情報を更新(削除)する。
【0084】
S408では、チャージ可能枚数の算出として、S404の処理で取得した管理サーバ102で管理されているチャージ枚数からICカードへのチャージ可能枚数を算出する。
【0085】
S409では、S408で算出したチャージ可能枚数を表示し、S410にてユーザが必要なチャージ枚数を設定可能にする。
【0086】
図11の1102にあるような設定画面を印刷処理装置103の画面に表示し、ユーザにチャージ枚数を設定させることが可能である。
【0087】
S411では、S410にて設定されたチャージ枚数分のチャージ情報をICカードへ書き込む。同時にS412にて引出されたチャージ枚数分を差し引いたチャージ枚数情報を管理サーバ上に更新することになる。
【0088】
S411、S412の処理が終了後に、ユーザにてS413としてICカードの抜き取り処理が行われる。
【0089】
また、S403にて、ユーザ認証後に印刷ログ件数を確認し、印刷ログが存在する場合には、印刷ログを送信する処理を行うことも可能である。
印刷ログの送信については、後述する図8の説明にて詳細を説明する。
【0090】
なお、同様の処理を管理サーバおよび管理サーバ102に装着されるICカードリーダ/ライタ105の構成で実現することも可能であり、この場合には、管理サーバとの通信が不要になる。
【0091】
次に、図5を用いて、ユーザがユーザ保有のICカードへの印刷枚数をチャージする処理でも、ICカードへのチャージを図4の管理サーバからではなく、他のICカードからチャージを実施する説明である。
【0092】
チャージ元ICカードの処理であるS501からS510の処理においては、先述のS401からS410までと同様の処理を行う。
【0093】
S511は、チャージ元のICカードからチャージ枚数の仮引出しを行う処理である。チャージ元のICカードのユーザチャージ情報記憶部323に記憶されているチャージ情報を仮引出情報として取得し、印刷処理装置103のチャージ情報記憶部311に仮記憶状態として記憶する。
【0094】
S512では、ICカードのユーザチャージ情報記憶部(323)へ記憶し、S526では、仮引出情報としてICカードから引出されたチャージ情報が管理サーバ102で更新される。
S513では、ユーザによりチャージ元ICカードの抜出し処理が行われる。
【0095】
次のS514〜S520のステップは、チャージ先ICカードを挿入し、チャージ元ICカードにて仮引出しされている枚数情報をチャージ先ICカードへチャージする処理である。
S514からS520は、S401からS407と同様の処理を行う。
【0096】
S521は、印刷処理装置103のチャージ情報記憶部311に記憶されているS511にてチャージ元ICカードから記憶されたチャージ枚数をチャージ先のICカードに取得する処理である。
【0097】
S522において、S521で取得したチャージ情報を、カードリーダライタに挿入されているチャージ先ICカードへの書込む処理を実行する。ここでは、既にICカードにチャージされているチャージ枚数と本ステップにおいて加算したチャージ情報とを加算する処理を行い、チャージ先ICカードのチャージ枚数情報を更新する。
【0098】
そして、チャージが完了したら、S523にてチャージ完了情報を管理サーバ102へ送信することにより、管理サーバ102では、S524としてチャージ元ICカード情報へチャージが完了したことを通知するための、チャージ履歴を記録する。
最後に、S525としてチャージ先ICカードの抜き取りを実施する。
【0099】
以下、図6を参照して、本実施形態のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブを生成する処理について説明する。
【0100】
S601において、情報処理装置101の印刷ジョブ生成部302は、印刷ジョブの生成を行う。情報処理装置101の印刷処理部301として構成される印刷データアプリケーションにて印刷処理を実行し、印刷ジョブ生成部302にて印刷処理装置103で解析可能な印刷ジョブを生成する。
【0101】
S602において、印刷ジョブ生成部302にて生成された印刷ジョブを印刷ジョブ送信部303から印刷処理装置103へ送信する。その後、情報処理装置101は、S603で印刷ジョブ送信結果受信待ち処理へと移る。
【0102】
S604では、印刷処理装置103は、情報処理装置101の印刷ジョブ送信部303から送信された印刷ジョブを印刷ジョブ受信部304にて受信する。
【0103】
受信した印刷ジョブは、S605で印刷処理装置103の印刷ジョブ解析処理部306にてカラーおよびモノクロ印刷の枚数をカウントし、図9Aの印刷ジョブ情報(901から905)として、印刷ジョブ名、ジョブ投入日時、カラー、モノクロ印刷の情報が印刷ジョブ記憶部にて印刷ジョブと関連付けられて、S606として印刷ジョブ記憶部305に保存される。
【0104】
その後、S607にて情報処理装置101は、印刷処理装置103にて送信される実施終了ステータスを取得して印刷処理を終了する。
【0105】
図9Aは、S606で印刷処理装置103に保存される印刷ジョブ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【0106】
印刷ジョブ情報は、ジョブID900、ジョブ名901、ジョブ投入日付902、ジョブ投入時刻903、カラー印刷枚数904、モノクロ印刷枚数905から構成されている。
【0107】
以下、図7Aおよび図7Bを参照して、本実施形態のICカード課金管理システムにおける印刷ジョブを出力する処理および印刷ログを保存する処理について説明する。
【0108】
S701では、印刷処理装置103に接続されているICカードリーダ/ライタ106より、ICカード内の情報の読み取りを実行し、ICカードからユーザ情報を取得する。
【0109】
S702にて、ユーザが印刷処理装置103に装着されているカードリーダライタにICカードを挿入することで、ユーザ情報を読み取ることができる。
【0110】
S703では、S702にて挿入されたICカードから取得したユーザ情報を用いて、管理サーバ102へユーザ情報の送信を行う。ユーザ認証処理の実施の際には、まず管理サーバ102との接続を試みて管理サーバ102との接続が可能である場合には、管理サーバ102へユーザ情報、カード情報を送信し、ユーザ認証を実施する。
【0111】
ここで、ユーザ認証に失敗した場合には、管理サーバ102のチャージを利用しての印刷処理を行うことができなくなる。
【0112】
S704では、管理サーバ102にて認証処理を行い、ICカードが登録済みでもので、ユーザが存在するユーザであるかを確認する。そして、印刷処理装置103は、チャージ情報、チャージ完了情報を取得しておく。
【0113】
管理サーバ102での認証が成功した場合には、S705として、S704にて取得した情報の中から、管理サーバ102のチャージ残数を取得しておく。
【0114】
また、S706として管理サーバ102との認証の成功、失敗に関係なく、ICカードのチャージ残数を取得する。例えば、遠隔地にて管理サーバ102との接続ができない環境で管理サーバ102に登録されているユーザ情報とのユーザ認証ができない場合が想定される。その場合にも、ICカードのチャージを利用しての印刷は可能であるため、管理サーバ102との認証に失敗した場合にもICカードのチャージ残数を取得する。
【0115】
S707では、S705で管理サーバ102より取得したチャージ情報と、前記S706でICカードより取得したチャージ情報のどちらを使用して印刷処理を行うかを選択する。
【0116】
例えば、図11の[チャージ先選択時]画面1106のような画面を印刷処理装置103のモニタに表示させて、選択された設定が自動であった場合には(S709)、管理サーバ102またはICカードいずれかのチャージ残数で出力可能なジョブを選択可能にして、図11のような印刷ジョブ選択画面1110(例、ICカード)として表示する。
【0117】
この際にジョブ情報として表示する情報は、S606にて印刷ジョブ記憶部305に保存された情報をもとにジョブの一覧を表することが可能である。
【0118】
一方、管理サーバまたはICカードを選択した場合には(S708)、選択されたチャージ情報を用いて出力可能なジョブを表示することになる。
【0119】
管理サーバ102と、ICカード両方のチャージ情報を用いて印刷ジョブを表示する旨を選択した場合には
【0120】
なお、本実施例では不図示であるが、管理サーバ102に記憶されているチャージ情報と、ICカード内に記憶されているチャージ情報の両方を用いて印刷ジョブを表示させるようにするような構成であってもよい。
【0121】
S710にて、表示されたジョブの中から出力を希望するジョブをユーザがS711で選択すると、S712において、排紙処理が開始される。
【0122】
ここでは、管理サーバ102またはICカードのいずれかのチャージ枚数で出力可能なジョブを選択可能にするとしているが、管理サーバ102およびICカードの残数を加算し、加算したチャージ枚数を利用して出力可能な枚数として選択させることも可能である。
【0123】
また、その場合には、出力後に管理サーバ102およびICカードの双方のチャージ残数から引き出しおよびチャージ残数の更新処理を行うことで対応可能である。
【0124】
S713では、印刷処理装置内のコントローラ部(不図示)より印刷排紙完了ステータスを取得する。ステータスを取得した後に、S714にて印刷ログ情報を生成する。
【0125】
印刷ログ情報のデータ内容は、912から917のとおりである。
【0126】
912、921は、印刷排紙を実行した日付である。
【0127】
913、922は、印刷排紙を実行した時間である。
【0128】
914、923は、出力機器のIDである。出力機器を一意に判別することが可能である。
【0129】
915、924は、出力方法である。印刷の他に、コピーやFAXなども区別することが可能である。
【0130】
916、925は、カラー印刷、モノクロ印刷などの印刷種類を判別することが可能である。
【0131】
917、926は、印刷排紙枚数である。
【0132】
S715にて、印刷ログ送信先を管理サーバ102またはICカードのどちらの記憶媒体に記憶させるかの選択を受け付ける。記憶先は、S707で選択した使用チャージ先と同一となる。
【0133】
印刷ログを記憶する記憶媒体が、管理サーバ102である場合には管理サーバ102へ印刷ログを送信し、S716にて印刷ログを921から926として登録する。印刷ログを登録するとともに、S717にてチャージ残数から排紙枚数を引き出し、チャージ残数を更新する。
【0134】
S717にて管理サーバにてチャージ枚数の引出し処理が失敗した場合などには、失敗したことを印刷処理装置103へ通知し、ICカードのチャージ残数が足りる枚数であればそこからら引出すことで対応可能であり、ICカードのチャージ枚数では不足している場合には、仮引出し処理などを利用することで、後日精算処理を行うなどの方法にて対応可能である。
【0135】
一方、ICカードへ保存する場合には、S718にてICカードのチャージ残数から排紙枚数を引き出し、S719にて印刷ログの書込み、およびチャージ残数の更新を行う。S719にてICカードに書き込まれる印刷ログは図9CのICカード管理情報テーブルのうち、912から917のように印刷履歴が記憶される。
その後、S720としてICカード抜取り処理を行う。
【0136】
なお、S719でICカードへ印刷ログの書き込みを行った後、S703のユーザ認証の処理で、サーバからの認証が許可されていたかどうかを判定し、認証がされている場合であれば、後述の図8のS807〜S814で説明するICカード内に記憶されている印刷ログをサーバに送信する処理を行うような構成であってもよい。
【0137】
S703のユーザ認証の処理で、サーバからの認証が許可されず、ICカードのチャージ情報を用いて印刷を行ってた場合には、図7に示した通り、S719で印刷ログをICカードに書き込んで本処理を終了し、後述の図8で説明する印刷ログの送信処理において、ICカードに記憶した印刷ログをサーバに送信する。
【0138】
以下、図8を参照して、本実施形態のICカード課金管理システムにおけるICカード内に保存されている印刷ログ情報をサーバへ送信する処理について説明する。
S801からS804については、S701からS704と同様である。
【0139】
S803にて、ユーザ認証が成功した場合には、S805にてICカード内にある印刷ログ情報記憶部(324)から、ログ情報件数を取得する。具体的には図9CのICカード管理情報テーブルのうち、911で示される印刷履歴件数を取得する。
【0140】
S806にて取得したログ情報件数にて、ICカード内に印刷ログがあるか否かを判定する。印刷ログが存在する場合には各ログの情報を取得する。(S807)具体的には、図9CのICカード管理情報テーブルのうち、912から917のように記録されている印刷履歴を取得する。
その後、S808にて、印刷ログ送信部(314)より管理サーバ102へ印刷ログを送信する。
【0141】
管理サーバ102は、S809にてログ情報を印刷ログ受信部(320)にて受信し、S811にて印刷ログ情報を管理サーバ102の印刷ログ情報記憶部(315)へ登録する。
【0142】
S808にて管理サーバ102へ印刷ログを送信した印刷処理装置103は、S810にて印刷ログ情報登録待ち状態となり、S812にてログ情報登録結果を受信することになる。
【0143】
その後、S813にてICカード内の印刷ログ件数の更新(送信済のログは削除する)を行う。
ここで、送信に失敗した場合には、S813の印刷ログ件数の更新は行わない。(不図示)
そして、S814としてICカード抜取り処理を行う。
【0144】
ユーザが実操作として、印刷処理装置上で行う例としては、チャージ実行操作画面1001でログ送信を選択するのみである。チャージ実行操作画面1001は、ユーザ認証後に表示され、そこでログ送信を選択された場合には、ログ送信時画面1107が表示され、処理終了時には1108が表示されることになる。
【0145】
また、S803にユーザ認証に失敗した場合にも、管理サーバへアクセスするという動作における点を考慮し、印刷ログの送信は行うことはできない。(考慮しない場合には、ユーザ認証の成否に関わらず、印刷ログの送信を行うことは可能である。)
【0146】
なお、印刷ログの送信については、印刷処理装置に装着されているカードリーダライタからのみではなく、管理サーバに装着されたカードリーダライタからも管理サーバの印刷ログ情報記憶部(315)へ格納することが可能である。
【0147】
以上の処理により、ICカードへの印刷枚数(または金額等の管理する任意の単位)のチャージを行う機能、印刷処理装置が管理サーバとの通信が行えない場合にはICカードへ印刷ログ情報を記憶する機能、印刷処理装置上での管理サーバおよびICカードのチャージ残数に応じた出力可能なジョブの選択機能、ICカード内に記憶されている印刷ログ情報を送信する機能を有する印刷管理システムを提供することが可能になる。
【0148】
本発明では、管理サーバ上ではもちろんのこと、印刷処理装置103にもICカードへのチャージ機能を持ち、ICカードに印刷可能枚数(金額)をチャージすることが可能であり、印刷(排紙)実行時に、課金処理を行うとともに、印刷ログを管理サーバへ送信する機能を有し、かつICカード内へ印刷ログを保存することができる。
【0149】
また、本発明では、印刷処理時にチャージされている印刷可能枚数(金額)をICカード、管理サーバ上のどちらのチャージ情報から課金を引き出すか選択することができる。
【0150】
本機能には、明示的に管理サーバ、ICカードから引き出す指定も可能であるが、自動設定を選択することにより、管理サーバおよびICカードのチャージ残数を確認することにより、いずれかのチャージ残数で出力可能な印刷ジョブ情報を列挙することができる。
【0151】
また、遠隔地などにて管理サーバと通信不可能な場所においては、印刷処理装置でのICカードからの引出しのほかに、印刷ログをICカード内に保持し、ネットワークに接続されている環境にて次回ICカードを利用した際に、印刷ログが管理サーバに送信されることにより、遠隔地において印刷した印刷ログも管理サーバへ集計される。
【0152】
また、管理サーバで逐一印刷枚数をカウントする必要がなくなり、印刷枚数の制限を管理するという点では、印刷ログをもとに管理サーバ上で課金情報を計上するのではなく、ICカードや管理サーバ上のチャージ残数から引出すことにより、ICカードに付与した枚数以外は、システム上印刷枚数制限を越えて印刷されることはなくなる。
【0153】
また、統計情報を集計するという意味では、一定期間毎に印刷ログ情報をカウントすることで達成される。
【0154】
また、管理サーバ、ICカードのチャージ残数に応じたジョブ出力が可能になる。
【0155】
また、チャージ情報に応じて、出力可能なジョブのみを自動で選択画面に表示することができ、印刷枚数を制御することが可能になる。
【0156】
また、ネットワークの接続されていない遠隔地で印刷を行った場合にも、ICカードに印刷ログを保存することができることから、確実に印刷ログを集計することが可能となる。
また、課金の精算についても都度ICカードのチャージ残数から精算することが可能である。
【0157】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0158】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0159】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0160】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0161】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0162】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0163】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0164】
101 情報処理装置
102 管理サーバ
103 印刷処理装置
105 ICカードリーダ/ライタ
106 ICカードリーダ/ライタ
107 ネットワーク
202 システムバス
203 CPU
204 RAM
205 ROM
206 周辺機器インターフェイス
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
210 操作入力装置
212 画像表示装置(モニタ)
213 外部メモリ
214 ネットワーク
215 印刷処理装置
216 カードリーダ/ライタ
200 ハードウェア構成
300 機能構成
400 ICカードチャージ処理(管理サーバからICカード)の各ステップ
500 ICカードチャージ処理(ICカードからICカード)の各ステップ
600 印刷ジョブ生成処理の各ステップ
700 印刷ジョブの排紙および印刷ログの保存処理の各ステップ
800 印刷ログの送信処理の各ステップ
900 印刷ジョブ管理情報、ICカード内管理情報、管理サーバ情報の各データ
1000 チャージ実行操作画面図
1100 チャージ実行時の各画面遷移図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を行う印刷装置と、ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバとが相互に通信可能な印刷管理システムであって、
前記サーバは、
前記ユーザの印刷可能枚数を示す第一のチャージ情報を前記ユーザのユーザ情報に紐付けて記憶する第一のチャージ情報記憶手段と、
前記印刷装置より送信されるユーザ情報に従って、当該ユーザ情報に紐付いて記憶されている前記第一のチャージ情報を前記印刷装置に送信するチャージ情報送信手段とを備え、
前記印刷装置は、
前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記チャージ情報送信手段により送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得手段と、
前記第一のチャージ情報取得手段により取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択手段と、
前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行手段とを備えることを特徴とする印刷管理システム。
【請求項2】
前記ユーザの指示により生成された印刷ジョブの印刷処理を実行したことを示す印刷ログを前記サーバに記憶させるか、前記記憶媒体に記憶させるかの選択を受け付ける記憶媒体選択受付手段と、
前記記憶媒体選択受付手段により前記サーバに前記印刷ログを記憶させることを選択した場合、前記サーバに前記印刷ログを送信する
第一の印刷ログ送信手段と、
前記記憶媒体選択受付手段により前記記憶媒体に前記印刷ログを記憶させることを選択した場合、前記記憶媒体に前記印刷ログを送信する
第二の印刷ログ送信手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷管理システム。
【請求項3】
前記記憶媒体に記憶されている第二のチャージ情報を前記印刷装置に仮記憶して当該第二のチャージ情報を仮引出しする仮引出手段と、
前記仮引出手段により記憶された前記第二のチャージ情報を、第二の記憶媒体へ読み込ませる第二のチャージ情報更新手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷管理装置。
【請求項4】
前記第一の印刷ログ送信手段により送信された前記印刷ログを受信する第一の印刷ログ受信手段と、
前記第一の印刷ログ受信手段により受信した前記印刷ログを用いて、前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を更新する第一のチャージ情報更新手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷管理システム。
【請求項5】
前記第一の印刷ログ送信手段により前記記憶媒体に送信された前記印刷ログに対応する印刷枚数を、前記記憶媒体に記憶されている第二のチャージ情報から引くことで更新する第二のチャージ情報更新手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷管理システム。
【請求項6】
前記読取手段により読み取られた前記記憶媒体に、前記第一の印刷ログ送信手段により書き込まれた前記印刷ログがあることを判定する印刷ログ判定手段と、
前記印刷ログ判定手段により前記印刷ログがあると判定された場合、前記印刷ログを、前記サーバに送信する第二の印刷ログ送信手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷管理システム。
【請求項7】
印刷を行う印刷装置と、ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバとが相互に通信可能な印刷管理システムを制御する印刷管理方法であって、
前記サーバにおいて、
前記サーバの第一の情報記憶手段が、前記ユーザの印刷可能枚数を示す第一のチャージ情報を前記ユーザのユーザ情報に紐付けて記憶する第一のチャージ情報記憶ステップと、
前記サーバのチャージ情報送信手段が、前記印刷装置より送信されるユーザ情報に従って、当該ユーザ情報に紐付いて記憶されている前記第一のチャージ情報を前記印刷装置に送信するチャージ情報送信ステップとを備え、
前記印刷装置において、
前記印刷装置の読取手段が、前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取ステップと、
前記印刷装置の第一のチャージ情報取得手段が、前記読取ステップにより読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記チャージ情報送信ステップにより送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得ステップと、
前記印刷装置のチャージ情報使用選択手段が、前記第一のチャージ情報取得ステップにより取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択ステップと、
前記印刷装置の印刷実行手段が、前記チャージ情報使用選択ステップにより受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行ステップとを備えることを特徴とする印刷管理方法。
【請求項8】
印刷を行う印刷装置と、ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバとが相互に通信可能な印刷管理システムとして機能させるプログラムであって、
前記サーバを、
前記ユーザの印刷可能枚数を示す第一のチャージ情報を前記ユーザのユーザ情報に紐付けて記憶する第一のチャージ情報記憶手段と、
前記印刷装置より送信されるユーザ情報に従って、当該ユーザ情報に紐付いて記憶されている前記第一のチャージ情報を前記印刷装置に送信するチャージ情報送信手段として機能させ、
前記印刷装置を、
前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記チャージ情報送信手段により送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得手段と、
前記第一のチャージ情報取得手段により取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択手段と、
前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行手段して機能させるプログラム。
【請求項9】
ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバと接続可能な、印刷を行う印刷装置であって、
前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記サーバにより送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得手段と、
前記第一のチャージ情報取得手段により取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択手段と、
前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバと接続可能な、印刷を行う印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置の読取手段が、前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取ステップと、
前記印刷装置の第一のチャージ情報取得手段が、前記読取ステップにより読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記サーバより送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得ステップと、
前記印刷装置のチャージ情報使用選択手段が、前記第一のチャージ情報取得ステップにより取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択ステップと、
前記印刷装置の印刷実行手段が、前記チャージ情報使用選択ステップにより受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行ステップとを備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
ユーザの印刷可能枚数を示すチャージ情報を前記ユーザの認証で用いるユーザ情報に紐付けて記憶するサーバと接続可能な、印刷を行う印刷装置を機能させるプログラムであって、
前記ユーザ情報を記憶した記憶媒体から、前記ユーザ情報と当該記憶媒体に記憶されているユーザの印刷可能枚数を示す第二のチャージ情報とを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたユーザ情報を前記サーバに送信することにより、前記サーバより送信される当該ユーザ情報に紐付いて前記サーバに記憶されている第一のチャージ情報を取得する第一のチャージ情報取得手段と、
前記第一のチャージ情報取得手段により取得した前記第一のチャージ情報と、前記読取手段により読み取られた前記第二のチャージ情報のうちのいずれのチャージ情報を使用するかの選択を受け付けるチャージ情報使用選択手段と、
前記チャージ情報使用選択手段により受け付けた選択により特定された前記第一のチャージ情報または前記第二のチャージ情報を用いて、印刷の実行を行う印刷実行手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−187930(P2012−187930A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107844(P2012−107844)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2009−176174(P2009−176174)の分割
【原出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】