説明

印刷管理装置および印刷装置

【課題】時間指定の印刷におけるセキュリティの確保と柔軟な印刷制御を実現する。
【解決手段】会議室として使用される居室Rに設置されている複合機20を出力先に指定した時間指定の印刷(予約印刷)を行う場合、詳細には会議の配布資料を会議開始前の印刷指定時間に居室R内の複合機20で印刷開始する場合に、居室Rの在室者を検知する入退室管理装置40が印刷指定時間に会議参加予定者を検知しない場合には、複合機20は入退室管理装置40から会議参加予定者の不在の通知を受けて印刷を開始しない。入退室管理装置40が印刷指定時間に会議参加予定者を検知した場合には、複合機20は入退室管理装置40から会議参加予定者の在室の通知を受けて印刷を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間指定の印刷を管理する印刷管理装置および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
離れた場所に設置されている印刷装置で印刷物を出力する場合は、印刷指示者などがその印刷装置に印刷物を取りに行くまでの間に、印刷物内の情報が他人に見られて漏れたり印刷物が他人に持ち去られたりするおそれがある。このような情報漏洩や印刷物の紛失を防止するために、印刷の開始時間を指定して予約を行い、予約された印刷を指定の開始時間に開始するといった印刷制御技術、すなわち、時間指定の印刷によってセキュリティ性(印刷情報の機密性や印刷物の安全性)を高める印刷制御技術が考案されている。
【0003】
たとえば、会議室に設置されている印刷装置で会議の配布資料を会議開始前に印刷して事前に準備するために、会議室予約システムで受け付けた会議室の予約(会議室予約情報)に基づいて、印刷管理サーバが会議室内の印刷装置を出力先に指定した配布資料の印刷を予約し(印刷予約情報の記憶)、会議室の使用開始時刻前に配布資料の印刷指示を会議室内の印刷装置に送信する。この印刷指示を受信した会議室内の印刷装置が配布資料を印刷して文書保管ラックに出力し、会議室の予約者(もしくは印刷の予約者)によるユーザ認証を経て文書保管ラックから配布資料を取り出せるようにする、もしくは、同予約者のユーザ認証後に配布資料の印刷を開始する技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−301895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザ認証は、ユーザから認証情報を取得して認証した場合にそのユーザ(認証者)に対して装置の使用を許可し、認証中はそのユーザによって装置が占有される技術である。
【0006】
たとえば、ユーザAが予約した印刷(予約印刷)の開始時間に複合機が他のユーザBによって使用されていると、ユーザAは複合機まで行ってもユーザ認証を行うことができず複合機の使用を待たされることなる。仮に複合機が印刷以外の用途(原稿のスキャンや画像データの送信など)でユーザBに使用されていて印刷可能な状態にあり、ユーザAの予約印刷を開始する時間に複合機の周囲にユーザAが居てセキュリティ性が高い状況であっても、複合機はユーザBに占有されているため、ユーザAの予約印刷を開始せずに保留する。ユーザAはユーザBの認証解除(ログオフ)を待つしかなく、印刷物の取得が遅れてしまうことになる。
【0007】
特許文献1に記載されているような会議室の予約と組み合わせた時間指定の印刷(予約印刷)によって、会議室の予約者(もしくは印刷の予約者)であるユーザAが会議室内の複合機で会議の配布資料を会議開始前に出力して準備するような場合は、たとえば会議の参加者であるユーザBが先に複合機の周囲に居るのであれば、複合機から配布資料が出力されてこのユーザBに見られたとしても支障はない。さらに、会議に参加するために会議室内に留まる(可能性の高い)ユーザBの監視によって、複合機から出力された配布資料が部外者に持ち去られる危険性も低くなる。このような状況であれば、配布資料の印刷指示者で直接の取得者でもあるユーザAが複合機の周囲に居なくてもセキュリティ性は高まるので、ユーザAの到着前であっても会議開始までに配布資料の準備を間に合わせることを優先し、指定の時間に印刷を開始してもよいとも考えられる。また、会議に関連する者が複合機の周囲に居ても、関連しない者も近くに居る場合には、複合機から配布資料が出力されるとその部外者に配布資料内の情報を見られてしまう可能性があり、セキュリティ性は低くなる。このような状況では、指定の時間であっても印刷を開始しない方がよいとも考えられる。
【0008】
このように、時間指定の印刷によってセキュリティ性(印刷情報の機密性や印刷物の安全性)を高める場合でも、その指定の時間に印刷装置(複合機)の周囲に居る人の状況に応じてセキュリティの高低は変化する。
【0009】
しかしユーザ認証では、たとえば上述のように装置の周囲に居る人を識別しその状況に応じた(セキュリティの高低に応じた)柔軟な印刷制御を行うことはできない。特許文献1の技術は、時間指定の印刷にユーザ認証を組み合わせることで印刷物を取得できる者や印刷を開始させられる者を特定のユーザ(会議室もしくは印刷の予約者)に限定することによりセキュリティ性を高めてはいるが、その特定のユーザのことしか考慮されておらず印刷制御の柔軟性に乏しい問題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、時間指定の印刷におけるセキュリティの確保と柔軟な印刷制御を実現することができる印刷管理装置および印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0012】
[1]予約印刷の対象となるデータを特定するデータ特定情報と、前記予約印刷を実行する印刷装置を特定する装置特定情報と、前記予約印刷を開始する印刷指定時間と、前記予約印刷に関連する人を示す識別情報とを受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けたデータ特定情報と装置特定情報と印刷指定時間と識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記データ特定情報に対応するデータに係る予約印刷を前記印刷指定時間に開始するか否かを、前記印刷指定時間に前記装置特定情報に対応する印刷装置の周囲に居る人と前記識別情報に対応する人とを比較して判断し、該判断結果に応じた動作を前記印刷装置に行わせる制御部と、
を備えた印刷管理装置。
【0013】
上記発明では、印刷管理装置は予約印刷に係るデータ特定情報(予約印刷の対象となるデータを特定するための情報)と、装置特定情報(予約印刷を実行する印刷装置を特定するための情報)と、印刷指定時間(予約印刷を開始する指定の時間)と、識別情報(予約印刷に関連する人を示す情報)とを受け付け、これらの情報を関連付けて記憶し予約印刷を管理する。これらの情報の受け付けは、印刷管理装置に対する直接的な操作による受け付け、外部装置(端末装置)などからの入力による受け付けなどを含む。
【0014】
印刷管理装置は、管理している予約印刷を印刷指定時間に開始するか否かを、その印刷指定時間に装置特定情報に対応する印刷装置の周囲に居る人と識別情報に対応する人とを比較して判断し、この判断結果に応じた動作を印刷装置に行わせる。すなわち、予約印刷を印刷指定時間に開始するか否かは、予約印刷を実行する印刷装置の周囲にその印刷指定時間に居る人の状況に基づいて切り替える(印刷制御)。
【0015】
印刷指定時間は、時刻でもよく時間帯でもよい。時間帯の場合は、時間帯の開始時刻、終了時刻、開始時刻から終了時刻までの間の任意の時刻や指定の時刻などに、上記の判断と判断結果に応じた印刷制御を行うようにしてもよい。
【0016】
予約印刷に関連する人は、予約印刷を指示した者(印刷指示者)、予約印刷を実行した印刷装置から印刷物を直接取得する者(印刷物取得者)、この者から印刷装置の周辺で印刷物を受け取る者(印刷物受取者)などを含む。印刷指示者本人が印刷物を取得する場合には、印刷指示者と印刷物取得者は同一人物になる。印刷指示者本人が印刷物を取得するのではなく代理の者に依頼する場合には、印刷指示者と印刷物取得者は異なる人物になる。印刷物受取者は必須ではない。
【0017】
印刷装置の周囲に居る人は、たとえば印刷装置の周囲に居る人からその人を識別するための識別情報を取得する機能を備えた識別情報取得装置と印刷管理装置が連携するなどにより識別可能である。識別情報取得装置は、たとえば識別情報が格納された携帯型の情報記憶装置との接触もしくは非接触(無線通信)により情報記憶装置内の識別情報を取得するなどの構成が可能である。情報記憶装置は、たとえば情報記憶媒体を備えたIC(Integrated Circuit)カードや身分証明用のID(IDentification)カードなどを使用することが可能である。
【0018】
識別情報取得装置は、印刷装置の周囲に設置してもよく、印刷装置に備えてもよい。印刷管理装置が印刷装置の周囲に設置される場合には、識別情報取得装置は印刷管理装置に備えてもよい。すなわち、印刷装置の周囲に居る人からの識別情報の取得は、(1)印刷装置の周囲に設置された外部装置(識別情報取得装置)が行ってもよく、(2)印刷装置が行ってもよく、(3)印刷管理装置が行ってもよい。
【0019】
印刷装置の周囲に居る人と、印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人(予約印刷に関連する人)との比較は、たとえば上記の(1)〜(3)などによって印刷装置の周囲に居る人から取得された識別情報と、印刷管理装置が記憶している識別情報とを比較することにより行うことができる。詳細には、(1)の場合は印刷管理装置が外部装置と連携して(外部装置から識別情報を取得して)比較を行う。(2)の場合は印刷管理装置が印刷装置と連携して(印刷装置から識別情報を取得して)比較を行う。(3)の場合は印刷管理装置が単独で(印刷管理装置自身が識別情報を取得して)比較を行う。
【0020】
この比較により、印刷装置の周囲に居る人の状況を把握(確認)することができる。たとえば、印刷装置の周囲に予約印刷に関連する人が居るか否かを把握することができる。さらに、印刷装置の周囲に予約印刷に関連しない人が居るか否かも把握することができる。
【0021】
このように、予約印刷を指定の時間(印刷指定時間)に開始するか否かは、予約印刷を実行する印刷装置の周囲にその指定の時間に居る人の状況に基づいて切り替える。これにより、予約印刷(時間指定の印刷)におけるセキュリティの確保と柔軟な印刷制御を実現できる。この柔軟な印刷制御により、予約印刷における利便性が向上する。
【0022】
[2]前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応する人が居ないことを確認した場合は、前記予約印刷を開始しないと判断する
ことを特徴とする[1]に記載の印刷管理装置。
【0023】
上記発明では、予約印刷を開始する指定の時間に指定の印刷装置の周囲に予約印刷に関連する人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人)が居ないことを確認した場合は予約印刷を開始しないことで、予約印刷に係るセキュリティを確保することができる。
【0024】
[3]前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応しない人が居ることを確認した場合は、前記予約印刷を開始しないと判断する
ことを特徴とする[1]に記載の印刷管理装置。
【0025】
上記発明では、予約印刷を開始する指定の時間に指定の印刷装置の周囲に予約印刷に関連しない人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応しない人)が居ることを確認した場合は予約印刷を開始しないことで、予約印刷に係るセキュリティを確保することができる。なお、この予約印刷に関連しない人が居ることの確認では、予約印刷に関連する人が居るか否かは問わない。予約印刷に関連する人が居ても居なくても、関連しない人が居ることを確認した場合には予約印刷を開始しない制御を行う。
【0026】
[4]前記制御部は、前記予約印刷を開始しないと判断した場合は、前記予約印刷をキャンセルし、前記識別情報に対応する人に前記予約印刷のキャンセルを通知する
ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【0027】
上記発明では、予約印刷を開始する指定の時間に指定の印刷装置でその予約印刷が開始されなければ(開始できなければ)、予約印刷がキャンセルされ、その予約印刷に関連する人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人)は通知を受けて予約印刷がキャンセルされたことを把握することができる。この印刷を行う必要があれば、他の印刷装置で印刷を実行するなどの対応を取ることができ、利便性が向上する。
【0028】
[5]前記制御部は、前記予約印刷を開始しないと判断した場合は、前記識別情報に対応する人に前記印刷装置とは異なる印刷装置で前記予約印刷に対応する印刷を行うよう通知する
ことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【0029】
上記発明では、予約印刷を開始する指定の時間に指定の印刷装置でその予約印刷が開始されなければ(開始できなければ)、その予約印刷に関連する人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人)は通知を受けてその予約印刷に対応する印刷を他の印刷装置で行った方がよいことを把握することができる。この印刷を行う必要があれば、他の印刷装置で印刷を実行するなどの対応を取ることができ、利便性が向上する。
【0030】
[6]前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応する人が居て前記識別情報に対応しない人が居ないことを確認した場合は、前記予約印刷を開始すると判断する
ことを特徴とする[1]に記載の印刷管理装置。
【0031】
上記発明では、予約印刷を開始する指定の時間に指定の印刷装置の周囲に予約印刷に関連する人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人)が居て関連しない人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応しない人)が居ないことを確認した場合は予約印刷を開始する。このように、印刷装置の周囲に予約印刷に関連する人が居ることに加え、関連しない人が居ないことも確認した上で予約印刷を開始することにより、予約印刷に係るセキュリティを強化することができる。
【0032】
[7]前記制御部は、前記印刷装置が設置されている部屋の使用予約時間が前記印刷指定時間に重なることを確認した場合は、前記識別情報に対応する人に前記印刷装置が設置されている部屋の使用予約時間が前記印刷指定時間に重なっていることを通知し前記予約印刷に係る変更を受け付ける
ことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【0033】
上記発明では、部屋に設置されている印刷装置を指定した予約印刷の印刷指定時間にその部屋の使用予約時間が重なる場合は予約印刷に関連する人(印刷管理装置が記憶している識別情報に対応する人)にそのことを通知して予約印刷に係る変更を受け付ける。予約印刷に係る変更は、印刷指定時間の変更、予約印刷の中止などを含む。
【0034】
上記の通知を受けた予約印刷に関連する人は、印刷指定時間に指定の印刷装置が設置されている部屋に予約印刷に関連しない人が居る可能性があること、すなわち、予約印刷に係るセキュリティ性が低下する可能性があることを事前に把握することができ、予約印刷に係る変更を行って対応を取ることができる。これにより、予約印刷に係るセキュリティを確保することができる。
【0035】
[8]前記印刷装置の周囲に居る人は、前記印刷装置が設置されている部屋の在室者を特定する入退室管理装置によって特定され、
前記制御部は、前記比較を、前記特定された在室者を示す在室者特定情報を前記入退室管理装置から取得し前記識別情報と比較することで行う
ことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【0036】
上記発明では、印刷管理装置は印刷装置が設置されている部屋の在室者を特定する入退室管理装置と連携して[1]に記載の比較を行い、その部屋の在室者の状況(印刷装置の周囲に居る人の状況)を把握する。詳細には、印刷管理装置は、予約印刷を開始する指定の時間に、指定の印刷装置が設置されている部屋の在室者を示す在室者特定情報を入退室管理装置から取得し、その在室者特定情報と印刷管理装置が記憶している識別情報とを比較することで、その部屋における予約印刷に関連する人や関連しない人の在室状況を把握する。
【0037】
印刷装置が部屋に設置された構成では、印刷管理装置はその部屋の在室者を特定する入退室管理装置と連携することで、印刷装置の周囲に居る人の状況を簡素な構成で簡単に把握することができる。
【0038】
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載の印刷管理装置と、
前記制御部に制御され前記データ情報に対応するデータに係る印刷を行う印刷部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0039】
上記発明では、印刷装置が[1]〜[8]のいずれか1項に記載の印刷管理装置を備えることで、時間指定の印刷におけるセキュリティの確保と柔軟な印刷制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の印刷管理装置および印刷装置によれば、時間指定の印刷におけるセキュリティの確保と柔軟な印刷制御を実現することができる。これにより、時間指定の印刷における利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る印刷装置としての複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る入退室管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】管理サーバの動作を示す流れ図である。
【図6】入退室管理装置の動作の流れを示す図である。
【図7】複合機の動作の流れを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る管理サーバに登録された会議情報を示すイメージ図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る管理サーバの動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0043】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷管理システム5の概略構成を示す図である。印刷管理システム5は、会議などに利用される居室(部屋)に設置された複合機により、会議の配布資料などを時間指定で印刷するシステムである。本システムにおける複合機の数と、複合機が設置される居室の数は任意である。本実施形態では、2つの居室と各居室に1台ずつ設置された計2台の複合機による構成を例に説明する。
【0044】
なお、「時間指定の印刷」については「予約印刷」とも呼ぶ。ここでは、予約印刷とは開始時間を指定して印刷を実行するために予約が行われる印刷もしくは予約が行われた印刷のことを指す。予約が行われた印刷は実行対象の印刷(印刷処理)となる。
【0045】
印刷管理システム5は、管理サーバ10と、居室Ra(居室1)に設置されている複合機20a(複合機1)、入退室管理装置40a(入退室管理装置1)、検知装置50a(検知装置1)と、居室Rb(居室2)に設置されている複合機20b(複合機2)、入退室管理装置40b(入退室管理装置2)、検知装置50b(検知装置2)とを備えている。
【0046】
管理サーバ10は、居室Raおよび居室Rbに設置されている各装置とLAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて接続されており、更に任意台数の端末装置60(図1の例では端末装置60a〜60eを図示)ともネットワークを通じて接続されている。居室Raでは、複合機20aと入退室管理装置40aが通信可能に接続されており、入退室管理装置40aと検知装置50aが通信可能に接続されている。居室Rbでは、複合機20bと入退室管理装置40bが通信可能に接続されており、入退室管理装置40bと検知装置50bが通信可能に接続されている。
【0047】
複合機20aと複合機20b、入退室管理装置40aと入退室管理装置40b、検知装置50aと検知装置50b、端末装置60a〜60eは、各々が(実質的に)同じ構成とされている。居室Raと居室Rbも実質的には同じ構成の部屋である。以下の説明で各々を区別しない場合には、符号における識別子(「a」など)を省略して記述する。
【0048】
端末装置60は、液晶ディスプレイなどの表示部と、キーボードおよびマウスなどの操作部とを備えたパーソナルコンピュータなどで構成されている。端末装置60は、ユーザから会議情報とその登録指示を受け付け、管理サーバ10に会議情報を送信し登録を依頼する機能と、管理サーバ10から会議情報に関する通知を受信した場合にその通知を表示する機能とを備えている。
【0049】
会議情報は、会議室として使用する居室、会議名、会議室予約時間、会議参加予定者、印刷対象のドキュメント(会議の配布資料など)、印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)、印刷部数などを含む情報である。端末装置60は、この会議情報に含まれる各種の情報を、たとえば表示部に表示した会議情報登録画面などと操作部を通じて選択や入力によって受け付ける。ここでは、会議情報登録画面に選択項目を表示して選択を受け付けたり、会議情報登録画面を通じて入力を受け付けたりする場合を例に、各種の情報の詳細とその選択/入力方法を説明する。
【0050】
会議室については、会議室として使用する居室1(居室Ra)または居室2(居室Rb)を選択によって受け付ける。居室Rと複合機20の対応関係は、後述する管理サーバ10内の関係テーブルに予め登録されている。本実施形態では、居室1(居室Ra)には複合機1(複合機20a)が対応しており、居室2(居室Rb)には複合機2(複合機20b)が対応していることを示す情報が管理サーバ10内の関係テーブルに予め登録されている。この関係テーブルにより、会議室として使用するために選択された居室Rに対応する複合機20が判別される。本実施形態では、選択された居室1または居室2を示す情報(居室情報)が、予約印刷を実行する複合機20(印刷装置)を特定する「装置特定情報」としての機能を有している。
【0051】
会議名については、入力や選択によって受け付ける。会議名を選択する場合は、予め登録されている複数の会議名の中から選択する構成としてもよい。会議室予約時間については、開始予定時刻と終了予定時刻を選択や入力によって受け付ける。たとえば、15時開始で16時終了の会議を予定している場合には、開始予定時刻は15時を選択/入力し、終了予定時刻は16時を選択/入力する。
【0052】
会議参加予定者については、会議に参加する予定の各人の識別情報を選択や入力によって受け付ける。識別情報は、氏名、社員番号、端末装置60を使用するための認証用のユーザIDなど、個人を識別できる各種の情報を用いることができる。会議参加予定者の識別情報は、社員や組織所属員などの識別情報が予め登録されているデータベースなどから選択する構成としてもよく、直接入力する構成としてもよい。本実施形態では、この会議参加予定者が予約印刷に関連する人であり、会議参加予定者の識別情報が、「予約印刷に関連する人を示す識別情報」となっている。
【0053】
端末装置60を通じた会議情報の登録は、会議の主催者や他の参加者が行う他に、会議には参加しないが会議情報の登録を依頼された者が代行して行うこともできる。会議の主催者や他の参加者が会議情報の登録を行う場合には、会議情報の登録者はその会議情報における会議参加予定者(予約印刷に関連する人)に含まれることになる。代行者が会議情報の登録を行う場合には、会議情報の登録者はその会議情報における会議参加予定者(予約印刷に関連する人)に含まれないことになる。
【0054】
印刷対象のドキュメントについては、管理サーバ10内に予め保存されているドキュメントを特定するためのドキュメント特定情報(ドキュメント名など)を端末装置60に表示し選択によって受け付ける。
【0055】
印刷対象のドキュメントは、管理サーバ10内に保存されているもの以外を選択(指定)できるようにしてもよい。たとえば、他のデータサーバ内に保存されているドキュメントや端末装置60内に保存されているドキュメントなどを印刷対象として選択できるようにしてもよい。これらの場合も、データサーバ内に保存されているドキュメントを特定するためのドキュメント特定情報や現在会議情報の登録を受け付けている端末装置60内に保存されているドキュメントを特定するためのドキュメント特定情報を端末装置60に表示し選択によって受け付ける。データサーバ内のドキュメントが選択された場合には、ドキュメント特定情報にそのデータサーバの情報(サーバID、サーバアドレスなど)を付加する。
【0056】
本実施形態では、この印刷対象として選択されたドキュメントを特定するドキュメント特定情報が、「予約印刷の対象となるデータを特定するデータ特定情報」となっている。
【0057】
印刷指定時間は時間帯であり、時間帯の開始時刻と終了時刻を示す2つの印刷指定時刻を含む。印刷指定時間については、所望する最初の印刷指定時刻1(時間帯の開始時刻)と、所望する最後の印刷指定時刻2(時間帯の終了時刻)とを選択や入力によって受け付ける。印刷指定時刻1は、その時刻に印刷を開始すると会議の開始直前もしくは開始前に多少の時間的な余裕を持って印刷が完了する時刻にすることが望ましい。印刷指定時刻2は、その時刻になっても印刷が開始されない場合に印刷をキャンセルする時刻(印刷キャンセル時刻)でもある。本実施形態では、時間帯の開始時刻終了時刻を示すこの2つの印刷指定時刻を含む印刷指定時間が、「予約印刷を開始する印刷指定時間」となっている。
【0058】
たとえば、印刷指定時刻1は会議室予約時間における開始予定時刻(会議の開始予定時刻)よりも所定時間前の時刻とし、印刷指定時刻2は会議室予約時間における終了予定時刻(会議の終了予定時刻)よりも所定時間前の時刻とする。所定時間を10分間とした場合には、開始予定時刻が15時であれば印刷指定時刻1は14時50分とし、終了予定時刻が16時であれば印刷指定時刻2は15時50分とする。
【0059】
印刷指定時刻1は、会議室予約時間の開始予定時刻に基づいて自動で選択/入力される構成としてもよい。たとえば、開始予定時刻が選択/入力されるとその時刻よりも所定時間前の時刻が印刷指定時刻1として自動で選択/入力されるようにしてもよい。印刷指定時刻2は、会議室予約時間の終了予定時刻に基づいて自動で選択/入力される構成としてもよい。たとえば、終了予定時刻が選択/入力されるとその時刻よりも所定時間前の時刻が印刷指定時刻2として自動で選択/入力されるようにしてもよい。
【0060】
また印刷指定時刻2は、会議室予約時間における開始予定時刻(会議の開始予定時刻)と同じ時刻にしたり、その時刻よりも所定時間後の時刻にしたりしてもよい。たとえば、開始予定時刻が15時の場合には、印刷指定時刻2を15時にしたり、15時10分などにしたりしてもよい。これらの場合も、印刷指定時刻2は会議室予約時間の開始予定時刻に基づいて自動で選択/入力される構成としてもよい。たとえば、開始予定時刻が選択/入力されるとその時刻と同じ時刻もしくはその時刻よりも所定時間後の時刻が印刷指定時刻2として自動で選択/入力されるようにしてもよい。
【0061】
印刷部数については、選択や入力によって受け付ける。また印刷部数は、会議参加予定者の人数に基づいて自動で選択/入力される構成としてもよい。たとえば、会議参加予定者の人数が確定すると、その人数と同数(人数分)もしくはその人数に所定数を加算(予備として1部または2部などを加算)した数もしくはその人数から所定数を減算(会議主催者の手持ち分として1部または2部などを減算)した数が印刷部数として自動で選択/入力されるようにしてもよい。
【0062】
端末装置60は、ユーザから会議情報とその登録指示を受け付けると、会議情報を管理サーバ10に送信し登録を依頼する。印刷対象のドキュメントとして端末装置60内のドキュメントが選択されている場合には、端末装置60は会議情報とそのドキュメントのデータ(印刷データ)を管理サーバ10に送信し登録を依頼する。
【0063】
また、会議情報の登録者を後に特定する必要がある場合には、更に登録者識別情報も管理サーバ10に送信する。登録者識別情報は、端末装置60の端末ID、端末装置60を通じて会議情報の登録を行ったユーザのユーザID(端末装置60のログインに使用されたユーザID)などにすることができる。
【0064】
端末装置60は、管理サーバ10にこれらの情報を送信することで、管理サーバ10に対し会議と印刷の予約を行う。詳細には、居室Rを会議で使用するための予約と、居室Rに設置されている複合機20でその会議に関連する時間指定の印刷を実行するための予約とを行う。
【0065】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る管理サーバ10の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
管理サーバ10は、端末装置60から受信して受け付けた会議情報を登録・管理する機能、会議情報に含まれているドキュメント特定情報に対応するドキュメントのデータと会議情報とを複合機20に送信して印刷の予約を行う機能、会議情報に含まれている印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)に印刷指定時間情報を検知装置50に通知する機能などを備えている。また管理サーバ10は、複合機20、入退室管理装置40、および検知装置50と連携し、会議情報に含まれているドキュメント特定情報に対応するドキュメントに係る予約印刷を印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)に開始するか否かを、その印刷指定時間に、会議情報に含まれている居室情報(居室1または居室2)に対応する複合機20(複合機1または複合機2)の周囲に居る人と会議参加予定者(会議情報に含まれている識別情報に対応する人)とを比較して判断し、この判断結果に応じた動作を上記の複合機20に行わせる機能を備えている。本機能は、予約印刷を印刷指定時間に開始するか否かを、予約印刷を実行する複合機20の周囲にその印刷指定時間に居る人の状況に基づいて切り替える印刷制御機能である。
【0067】
また管理サーバ10は、会議情報に含まれている印刷指定時間(印刷指定時刻1および印刷指定時刻2)に上記の複合機20の周囲に会議参加予定者が居ないことを確認した場合は予約印刷をキャンセルし、会議参加予定者に予約印刷のキャンセルを通知する機能を備えている。
【0068】
管理サーバ10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11に、バス12を介してROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、ハードディスク装置15と、ネットワーク通信部16と、会議情報通知部17と、入退室情報取得部18とを接続して構成される。
【0069】
CPU11は、ROM13に格納されているプログラムに基づいて管理サーバ10の動作を制御する。RAM14は、CPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用される。
【0070】
ハードディスク装置15は、各種の保存データを格納するほか、端末装置60から受信した会議情報を保存する。端末装置60から会議情報とドキュメントのデータ(印刷データ)を受信した場合にはそれらが関連付けられて保存される。端末装置60から登録者識別情報(端末ID、ユーザIDなど)も受信した場合には、会議情報に登録者識別情報も関連付けられて保存される。またハードディスク装置15は、識別情報(氏名、社員番号、ユーザIDなど)と端末装置60の情報(端末ID、端末アドレスなど)が対応付けられて登録されているデータベースと、居室Rと居室R内に設置されている各装置との対応関係を示す関係テーブルなども保存している。
【0071】
本実施形態における関係テーブルには、居室Ra(居室1)と複合機20a(複合機1)と入退室管理装置40a(入退室管理装置1)と検知装置50a(検知装置1)とが対応関係にあることを示す情報と、居室Rb(居室2)と複合機20b(複合機2)と入退室管理装置40b(入退室管理装置2)と検知装置50b(検知装置2)とが対応関係にあることを示す情報などが登録されている。
【0072】
ネットワーク通信部16は、ネットワークを通じて複合機20、入退室管理装置40、検知装置50、端末装置60などと通信を行う。会議情報通知部17は、複合機20に会議情報の通知を行う。入退室情報取得部18は、入退室管理装置40から入退室情報の取得を行う。
【0073】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る印刷装置としての複合機20の概略構成を示すブロック図である。
【0074】
複合機20は、原稿の画像を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷して出力するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャン機能、外部装置から受信した印刷データに係る画像や当該複合機20に保存されている画像データに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能、画像データを送受信するファクシミリ機能などを備えている。
【0075】
複合機20は、制御部としてのCPU21に、バス22を介してROM23と、RAM24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置26と、表示部27と、操作部28と、ファクシミリ通信部29と、ネットワーク通信部30と、スキャナ部31と、画像処理部32と、プリンタ部33と、会議情報取得部34と、入退室情報取得部35とを接続して構成される。
【0076】
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機20の動作を制御する。RAM24は、CPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。
【0077】
不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置26は、各種の保存データを格納するほか、入力された画像データ(外部装置から受信した印刷データを含む)なども保存する。
【0078】
表示部27は、液晶ディスプレイなどで構成され、操作画面、設定画面などの各種の画面を表示する。操作部28は、スタートボタン、ストップボタン、テンキーなどの各種のボタン類と、液晶ディスプレイの表面に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルなどで構成され、ユーザが複合機20に対して行う各種の操作を受け付ける。
【0079】
ファクシミリ通信部29は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて画像データを送受信する。ネットワーク通信部30は、ネットワークを通じて管理サーバ10や入退室管理装置40などと通信を行う。
【0080】
スキャナ部31は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する。スキャナ部31は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0081】
画像処理部32は、ラスタライズ処理を行い、画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す。
【0082】
プリンタ部33は、画像データに基づく画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する。プリンタ部33は、たとえば、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、入力される画像データに応じて点灯制御されるLD(Laser Diode)と、LDから射出されたレーザ光を感光体ドラム上で走査させる走査ユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。レーザ光に代えてLED(Light Emitting Diode)で感光体ドラムを照射するLEDプリンタのほか他の方式のプリンタであってもかまわない。
【0083】
会議情報取得部34は、管理サーバ10から会議情報を取得し、会議情報に関連する予約印刷を実行するか否かの判断を行う。入退室情報取得部35は、入退室管理装置40から入退室情報の取得を行う。
【0084】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る入退室管理装置40の概略構成を示すブロック図である。
【0085】
入退室管理装置40は、居室Rへの入室者および居室Rからの退室者を検知し入退室情報として管理する機能を備えている。入退室情報は、たとえば入室者と退室者の履歴を示す情報(入退室履歴情報)などにしてもよい。本実施形態ではこの入退室情報が、居室Rの在室者を示す「在室者特定情報」としての機能を有している。入退室管理装置40による入室者と退室者の検知(入退室検知)は、たとえば無線通信で行う。
【0086】
たとえば、各人が所持する身分証明書としてのIDカードに入退室管理装置40との無線通信機能を備え、IDカード内に識別情報を格納する。入退室管理装置40はIDカードとの無線通信機能を備えた構成とし、交信範囲を居室R内に設定する。IDカードを携帯した人が居室Rに入室した場合には、入退室管理装置40はそのIDカードから無線通信で識別情報を取得し、その識別情報に対応する人の入室を検知する。IDカードを携帯した人が居室Rから退室した場合には、入退室管理装置40はそのIDカードから無線通信で識別情報を取得できなくなり、その識別情報に対応する人の退室を検知する。入退室管理装置40は、この入退室検知を行って生成する入退室情報に、居室Rの在室者の識別情報を含ませる。
【0087】
入退室管理装置40は、制御部としてのCPU41に、バス42を介してROM43と、RAM44と、ハードディスク装置45と、ネットワーク通信部46と、入退室検知部47と、入退室情報通知部48と、時間情報取得部49とを接続して構成される。
【0088】
CPU41は、ROM43に格納されているプログラムに基づいて入退室管理装置40の動作を制御する。RAM44は、CPU41がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用される。ハードディスク装置45は、各種の保存データを格納するほか、入退室情報を保存する。
【0089】
ネットワーク通信部46は、ネットワークを通じて管理サーバ10、複合機20、検知装置50などと通信を行う。入退室検知部47は、居室Rへの入室者および居室Rからの退室者の検知を行う。本実施形態では、この入室者と退室者の検知によって居室Rにおける在室者の検知が行われる。入退室情報通知部48は、管理サーバ10と複合機20に入退室情報(会議参加予定者の在室/不在)の通知を行う。時間情報取得部49は、検知装置50から印刷指定時間情報の取得を行う。
【0090】
次に、印刷管理システム5の動作について説明する。
【0091】
図5は、管理サーバ10の動作を示す流れ図である。
【0092】
管理サーバ10では、ネットワーク通信部16を通じて端末装置60から会議情報を受信すると、CPU11は会議情報をハードディスク装置15に登録し保存する(ステップS101)。端末装置60から会議情報とドキュメントのデータ(印刷データ)を受信した場合には、CPU11は会議情報とドキュメントのデータを関連付けてハードディスク装置15に登録し保存する。端末装置60から更に登録者識別情報(端末ID、ユーザIDなど)も受信した場合には、CPU11は会議情報に登録者識別情報を関連付けてハードディスク装置15に登録し保存する。
【0093】
会議情報通知部17は、会議情報に含まれているドキュメント特定情報から印刷対象のドキュメントを特定する。ドキュメント特定情報が管理サーバ10内に予め保存されているドキュメントを示す場合はそのドキュメントを印刷対象として特定する。ドキュメント特定情報が端末装置60から受信して管理サーバ10内に保存したドキュメントを示す場合はそのドキュメントを印刷対象として特定する。ドキュメント特定情報にデータサーバの情報(サーバID、サーバアドレスなど)が付加されていてドキュメント特定情報がそのデータサーバ内に保存されているドキュメントを示す場合はそのドキュメントを印刷対象として特定し、そのドキュメントのデータをデータサーバから受信する。
【0094】
また会議情報通知部17は、会議情報に含まれている居室情報(居室1または居室2)に対応する複合機20(複合機1または複合機2)を、関係テーブルを参照して特定し、その複合機20に会議情報と印刷対象のドキュメントのデータを送信して予約印刷を通知する。
【0095】
会議情報通知部17は、現在の時刻を定期的に監視し(ステップS102;No)、会議情報に含まれている印刷指定時間の印刷指定時刻1に達したときに(ステップS102;Yes)、会議情報に含まれている居室情報(居室1または居室2)に対応する検知装置50(検知装置1または検知装置2)を、関係テーブルを参照して特定し、その検知装置50に印刷指定時間情報(印刷指定時刻1)を通知する(ステップS103)。またこのときに、会議情報に含まれている居室情報(居室1または居室2)に対応する入退室管理装置40(入退室管理装置1または入退室管理装置2)を、関係テーブルを参照して特定し、その入退室管理装置40に識別情報(会議参加予定者)を通知するようにしてもよい。
【0096】
会議情報通知部17は、再び現在の時刻を定期的に監視し(ステップS104;No)、会議情報に含まれている印刷指定時間の印刷指定時刻2に達したときに(ステップS104;Yes)、会議情報に含まれている居室情報に対応する検知装置50を、関係テーブルを参照して特定し、その検知装置50に印刷指定時間情報(印刷指定時刻2)を通知する(ステップS105/End)。またこのときに、会議情報に含まれている居室情報に対応する入退室管理装置40を、関係テーブルを参照して特定し、その入退室管理装置40に識別情報(会議参加予定者)を通知するようにしてもよい。
【0097】
検知装置50は、管理サーバ10から印刷指定時刻1を示す印刷指定時間情報の通知を受けたときには、接続先の入退室管理装置40に印刷指定時刻1になったことを通知する。管理サーバ10から印刷指定時刻2を示す印刷指定時間情報の通知を受けたときには、接続先の入退室管理装置40に印刷指定時刻2になったことを通知する。
【0098】
図6は、入退室管理装置40の動作を示す流れ図である。
【0099】
入退室管理装置40では、時間情報取得部49はネットワーク通信部46を通じて接続先の検知装置50から印刷指定時刻1になったことの通知を受けるか否かを監視する(ステップS201;No)。通知を受けると(ステップS201;Yes)、入退室検知部47は居室Rの入退室検知(在室者の検知)を行う。CPU41は、入退室検知部47による入退室検知の結果を示す入退室情報(在室者特定情報)を生成しハードディスク装置45に保存する(ステップS202)。
【0100】
入退室情報通知部48(もしくはCPU11)は、管理サーバ10から受信した識別情報と入退室情報を比較し、識別情報に対応する会議参加予定者が在室しているか否かを判断する(ステップS203)。在室していると判断した場合には(ステップS203;Yes)、管理サーバ10と接続先の複合機20に「在室」を通知する(ステップS204/End)。
【0101】
在室していないと判断した場合には(ステップS203;No)、時間情報取得部49はネットワーク通信部46を通じて接続先の検知装置50から印刷指定時刻2になったことの通知を受けるか否かを監視する(ステップS205;No)。通知を受けると(ステップS205;Yes)、入退室検知部47は居室Rの入退室検知(在室者の検知)を行う。CPU41は、入退室検知部47による入退室検知の結果を示す入退室情報(在室者特定情報)を生成しハードディスク装置45に保存する(ステップS206)。
【0102】
入退室情報通知部48(もしくはCPU11)は、管理サーバ10から受信した識別情報と入退室情報を比較し、識別情報に対応する会議参加予定者が在室しているか否かを判断する(ステップS207)。在室していると判断した場合には(ステップS207;Yes)、管理サーバ10と接続先の複合機20に「在室」を通知する(ステップS204/End)。在室していないと判断した場合には(ステップS207;No)、管理サーバ10と接続先の複合機20に「不在」を通知する(ステップS208/End)。
【0103】
図7は、複合機20の動作を示す流れ図である。
【0104】
複合機20では、会議情報取得部34はネットワーク通信部30を通じて管理サーバ10から会議情報とドキュメントのデータを受信(取得)すると、それらを関連付けてハードディスク装置26に保存する(ステップS301)。会議情報に含まれている印刷指定時間の印刷指定時刻1に接続先の入退室管理装置40から入退室情報取得部35が「在室」の通知を受けた場合には(ステップS302;Yes)、会議情報取得部34はその印刷指定時刻1を含む会議情報に関連付けられているドキュメントのデータに係る印刷(会議資料の予約印刷)を実行すると判断し、その判断結果を示す印刷実行をCPU11に通知する。CPU11は、会議情報取得部34から印刷実行の通知を受けると、プリンタ部33を制御しそのドキュメントのデータに係る印刷を開始する(ステップS303/End)。
【0105】
会議情報に含まれている印刷指定時間の印刷指定時刻1に接続先の入退室管理装置40から入退室情報取得部35が「在室」の通知を受けなかった場合には(ステップS302;No)、会議情報取得部34はその印刷指定時刻1を含む会議情報に関連付けられているドキュメントのデータに係る印刷(会議資料の予約印刷)を保留する(ステップS304)。
【0106】
会議情報に含まれている印刷指定時間の印刷指定時刻2に接続先の入退室管理装置40から入退室情報取得部35が在室の通知を受けた場合には(ステップS305;Yes)、会議情報取得部34はその印刷指定時刻2を含む会議情報に関連付けられているドキュメントのデータに係る印刷(会議資料の予約印刷)を実行すると判断し、その判断結果を示す印刷実行をCPU11に通知する。CPU11は、会議情報取得部34から印刷実行の通知を受けると、プリンタ部33を制御しそのドキュメントのデータに係る印刷を開始する(ステップS303/End)。
【0107】
また、接続先の入退室管理装置40から入退室情報取得部35が「不在」の通知を受けた場合には(ステップS305;No)、会議情報取得部34はそのドキュメントのデータに係る印刷をキャンセルし、会議参加予定者に印刷をキャンセルしたことを通知するよう管理サーバ10に依頼する(ステップS306/End)。
【0108】
管理サーバ10は、複合機20から上記通知の依頼を受けると、会議情報に含まれている識別情報に対応する端末装置60を、データベースを参照して特定し、その端末装置60に参加予定の会議で配布される資料の印刷がキャンセルされたことを通知する。なお、複合機20が上記通知を管理サーバ10に依頼するのではなく、管理サーバ10が入退室管理装置40から不在の通知を受けたことで、会議参加予定者に印刷がキャンセルされたことを通知するようにしてもよい。
【0109】
また管理サーバ10は、印刷指定時刻1のときに入退室管理装置40から「在室」の通知を受けた場合には、複合機20で会議資料の予約印刷が開始されたものと判断し、印刷指定時刻2のときに行う検知装置50への印刷指定時間情報の通知(図5のステップS104およびS105)を省略する。
【0110】
複合機20は、実行完了またはキャンセルした予約印刷に係る会議情報とドキュメントのデータを所定のタイミングなどにハードディスク装置26から削除する。管理サーバ10は、複合機20によって実行完了またはキャンセルされた予約印刷に係る会議情報を所定のタイミングなどにハードディスク装置15から削除する。ドキュメントのデータを端末装置60から受信した場合はそのドキュメントのデータが会議情報に関連付けられており、この場合は会議情報と共にそのドキュメントのデータも削除する。入退室管理装置40は、ハードディスク装置45に保存している入退室情報を所定のタイミングなどに削除する。
【0111】
このように、本実施形態に係る印刷管理システム5では、管理サーバ10は、複合機20、入退室管理装置40、および検知装置50と連携し、予約印刷を印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)に開始するか否かを、その印刷指定時間に複合機20の周囲(居室R内)に居る人と予約印刷に関連する人(会議参加予定者)とを比較して(複合機20の周囲に居る人の状況に基づいて)判断し、この判断結果に応じた動作を複合機20に行わせる。具体的には、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居ないことを確認した場合には、複合機20は予約印刷を開始しない。これにより、予約印刷に係るセキュリティが確保される。すなわち、予約印刷に関連する人が複合機20の周囲に居ない状況でその予約印刷を開始すると、印刷物内の情報が他人に見られて漏れたり印刷物が紛失したりするおそれがあるが、そのようなことが回避され、セキュリティ(印刷情報の機密性や印刷物の安全性)が確保される。
【0112】
また、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居ることを確認した場合には、複合機20は予約印刷を開始する。このように、複合機20の周囲に予約印刷に関連の有る人が居る場合は、その人の監視によってセキュリティ性が高まるので、印刷を開始しても差し支えない。これにより、予約印刷に係るセキュリティを確保しつつ柔軟な印刷制御を行うことができ、利便性が高められる。本実施形態のように、印刷指定時刻1に会議の配布資料を印刷開始するような場合には、会議の開始前に配布資料を効率よく準備できるようになる。
【0113】
なお、図5〜図7では、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居るか否かを確認した結果に基づいて予約印刷を開始するか否かを判断するようにしている。本実施形態のように入退室管理装置40を使用する構成であれば、複合機20の周囲(居室R内)に予約印刷に関連しない人が居るか否かも検知することができるため、予約印刷に関連しない人が居るか否かを確認した結果に基づいて予約印刷を開始するか否かを判断するようにしてもよい。
【0114】
たとえば、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居ても関連しない人が居ることを確認した場合には、複合機20は予約印刷を開始しないように動作する。複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居て関連しない人が居ないことを確認した場合に、複合機20は予約印刷を開始するように動作する。これにより、予約印刷に係るセキュリティを強化することができる。
【0115】
また、印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)に複合機20で予約印刷が開始されなければ、予約印刷がキャンセルされ、その予約印刷に関連する人(会議参加予定者)は通知を受けて予約印刷がキャンセルされたことを把握することができる。この印刷を行う必要があれば、他の複合機20などで印刷を実行するなどの対応を取ることができ、利便性が向上する。
【0116】
なお、印刷指定時間(印刷指定時刻1および2)に指定の複合機20で予約印刷が開始されなければ、予約印刷に関連する人に指定の複合機20とは異なる複合機20でその予約印刷に対応する印刷を行うよう通知するようにしてもよい。また、変更先として勧める他の複合機20は予め登録しておいてもよい。これにより、予約印刷に関連する人は通知を受けてその予約印刷に対応する印刷を他の複合機20で行った方がよいことを把握することができる。この印刷を行う必要があれば、他の複合機20で印刷を実行するなどの対応を取ることができ、利便性が向上する。
【0117】
また、予約印刷のキャンセルや出力先変更推奨の通知は、予約印刷に関連する全ての人(会議参加予定者全員)に通知するのではなく、予約印刷の印刷指示者(会議情報の登録者)のみに通知するようにしてもよい。この場合は、管理サーバ10はハードディスク装置15に会議情報と関連付けて保存されている登録者識別情報(端末ID、ユーザIDなど)から会議情報の登録者が使用する端末装置60を特定し、その端末装置60に通知を行うことができる。
【0118】
また、本実施形態のように複合機20が居室Rに設置された構成の場合には、管理サーバ10や複合機20が居室R内の在室者を特定する入退室管理装置40と連携することで、複合機20の周囲に居る人の状況を簡素な構成で簡単に把握することができる。
【0119】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した会議に関連する予約印刷の印刷指定時間が他の会議の会議室予約時間と重なった場合の処理について説明する。
【0120】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る管理サーバ10に登録された会議情報をイメージにて示す図である。
【0121】
本図では、たとえば居室1を使用する会議2が先に登録されている状況で、同じ居室1を使用する会議1が後から登録された例を示している。本例では、先に登録されている会議2の印刷指定時刻1(15:50)に、後から登録された会議1の会議予約時間(15時〜16時)が重なることになる。このような場合には、管理サーバ10は会議2の会議情報の登録者に、印刷指定時刻1に重なる会議1(他の会議)の予約が入ったことを通知して会議情報の変更(予約印刷に係る変更)を受け付ける。
【0122】
上記の通知では、会議2の印刷指定時刻1に重なる会議1の会議予約時間や、印刷指定時刻1の変更もしくは予約印刷の中止を勧める旨のメッセージなどを併せて通知するようにしてもよい。会議情報の変更は、たとえば印刷指定時刻1の変更や予約印刷を中止する変更などを受け付ける。
【0123】
また会議情報の登録者は、端末装置60から会議情報と共に登録者識別情報(端末ID、ユーザIDなど)も受信し、それらを関連付けて登録しておくことにより特定することができる。
【0124】
図9は、会議情報の変更を受け付ける場合の管理サーバ10の動作を示す流れ図である。
【0125】
管理サーバ10では、端末装置60から新規の会議情報を受信して登録すると(ステップS501)、会議情報通知部17は、新規の会議情報に含まれている居室情報(会議に使用される居室1または居室2)と同じ居室情報が含まれている既登録の会議情報を検索し、新規の会議情報における会議予約時間と、検出した既登録の会議情報における印刷指定時刻1を比較する(ステップS502)。これらが重ならない場合、もしくは、比較対象となる既登録の会議情報を検出しなかった場合には(ステップS503;No)、本動作を終了する(End)。重なる場合には(ステップS503;Yes)、会議情報通知部17は、既登録の会議情報の登録者が使用する端末装置60に、その会議情報における印刷指定時間(印刷指定時刻1)に重なる他の会議の予約が入ったことを通知する(ステップS504)。
【0126】
通知先の端末装置60から変更された会議情報を受信しない場合には(ステップS505;No)、本動作を終了する(End)。変更された会議情報を受信した場合には(ステップS505;Yes)、会議情報通知部17は対象となる既登録の会議情報をその変更された会議情報に更新し、会議情報を変更する(ステップS506/End)。
【0127】
このように、本実施形態に係る管理サーバ10は、居室Rに設置されている複合機20を出力先に指定した既登録の予約印刷に対し、同じ居室Rにおける新たな使用予約時間(会議予約時間)として、既登録の予約印刷の印刷指定時間(印刷指定時刻1)に重なる使用予約時間を受け付けた場合には、既登録の予約印刷に関連する人(会議情報の登録者)にその居室Rにおける新たな使用予約時間が予約印刷の印刷指定時間に重なっていることを通知し予約印刷に係る変更を受け付ける。
【0128】
上記の通知を受けた人は、予約印刷を実行する複合機20が設置されている居室Rに、印刷指定時間に関連のない人が居る可能性があること、すなわち、予約印刷に係るセキュリティが低下する可能性があることを事前に把握することができ、予約印刷に係る変更を行って対応を取ることができる。これにより、予約印刷に係るセキュリティを確保することができる。
【0129】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0130】
実施形態では、予約印刷を実行する複合機20は、複合機20が設置されている部屋(居室R)を指定する(会議室としての使用予約を行う)ことで間接的に指定される構成としているが、複合機20を直接的に指定するようにしてもよい。また、会議室として使用される部屋に設置されている複合機20を指定した予約印刷に限らず、事務室、応接室、教室、関係者以外立ち入り禁止でセキュリティが確保されている機密室や倉庫などの各種のスペースに設置されている複合機20を指定した予約印刷も対象にできる。
【0131】
会議以外の予約印刷を対象にする場合には、実施形態で説明した各種の情報を含む会議情報などではなく(図1参照)、予約印刷に係る必要最低限の情報のみを受け付けるようにしてもよい。予約印刷に係る必要最低限の情報は、予約印刷の対象となるデータを特定するデータ特定情報と、予約印刷を実行する印刷装置を特定する装置特定情報と、予約印刷を開始する印刷指定時間と、予約印刷に関連する人を示す識別情報である。
【0132】
識別情報は、個人単位の識別情報に限らない。複数の人が所属しその所属メンバーを特定することができる複数人単位の識別情報、すなわち、組織用やグループ用などの所属単位の識別情報としてもかまわない。このような所属単位(複数人単位)の識別情報を用いる場合は、その識別情報に対応する組織やグループなどに所属している人が予約印刷に関連する人となる。
【0133】
本発明に係る印刷管理装置が備える受付部と記憶部と制御部は、実施形態では印刷管理システム5における各種装置に分散させた構成として説明しているが、この受付部と記憶部と制御部は1つの装置が備えた構成としてもよく、実施形態のように複数の装置に分散させた構成としてもよい。要するに、本発明に係る印刷管理装置の受付部と記憶部と制御部を備えるのであれば、単一の装置やシステムに関わりなく、如何なる構成や組み合わせとしてもかまわない。また、実施形態で説明した印刷管理システム5における各種装置の構成や組み合わせは一例であり、他の構成や組み合わせとしてもかまわない。
【0134】
たとえば、予約印刷に係る情報は、管理サーバ10が端末装置60から受信して受け付ける構成に限らず、管理サーバ10がユーザから操作を受けて受け付ける構成としてもよい。
【0135】
入退室管理装置40が行っている複合機20の周囲(居室R内)に予約印刷に関連する人(会議参加予定者)が居るか否かの判断は、管理サーバ10や複合機20が行うように構成してもよい。この場合は、入退室管理装置40は検知した在室者特定情報(入退室情報)を管理サーバ10や複合機20に送信する。管理サーバ10もしくは複合機20は、ハードディスク装置内に保存している会議情報に含まれている識別情報と入退室管理装置40から受信した在室者特定情報を比較することで、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居るか否かを判断することができる。
【0136】
検知装置50の機能は管理サーバ10や入退室管理装置40が備えるように構成してもよい。管理サーバ10の機能は複合機20が備えるように構成してもよい。無線通信による非接触式の入退室管理装置40に相当する非接触個人識別機能(非接触認証機能)は複合機20が備えるように構成してもよい。また、管理サーバ10が複合機20の周辺に設置される構成であれば、同機能は管理サーバ10が備えるように構成してもよい。
【0137】
入退室管理装置40は、無線通信による非接触式に限らず、接触式でもかまわない。接触式においては、指紋や指静脈パターンなどの生体情報を識別情報として取得し認証する生体認証方式の装置で構成するようにしてもよい。また接触式の場合は、複合機20が設置されているスペース(部屋)の出入口の扉にロック機構を設け、入口側と出口側にそれぞれ入退室検知部47を配置して、扉のロックのオン/オフを入退室検知部47による入退室者の検知(個人識別機能(認証機能))と連動させるようにしてもよい。このようなロック機構付きの扉に代えて、接触式のセキュリティゲートなどを組み合わせて構成するようにしてもよい。また、非接触式の入退室管理装置に代えて、非接触式のセキュリティゲートなどを用いるようにしてもよい。また、汎用の入退室管理装置を用いるようにしてもよい。
【0138】
予約印刷を開始するか否かの判断を行うタイミングは、実施形態で説明した2つの印刷指定時刻(印刷指定時刻1および2)に限らない。たとえば、印刷指定時刻2を省略し印刷指定時刻1のみとしてもよい。また、印刷指定時刻1および2の間の任意の時刻または指定の時刻に、予約印刷を開始するか否かを判断し、その判断結果に応じた動作を複合機20に行わせるようにしてもよい。たとえば、印刷指定時刻1に複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居ない場合は、印刷指定時刻1以降も複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居るか否かの監視を継続し、印刷指定時刻2に達する前でも複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が居ることを確認した場合には予約印刷を開始すると判断し、複合機20にその予約印刷を開始させるようにしてもよい。
【0139】
予約印刷を開始するか否かの判断条件は、実施形態で説明した条件に限らない。たとえば、複合機20の周囲に予約印刷に関連する人が全員揃っていないことを確認した場合は、予約印刷を開始しないと判断するようにしてもよい。
【0140】
予約印刷に係る印刷部数は、印刷指定時間に複合機20の周囲に居る予約印刷に関連する人の状況(人数)に応じて変更するようにしてもよい。たとえば、印刷指定時間が時刻の場合には、その時刻に複合機20の周囲に居る予約印刷に関連する人の人数分の部数を印刷するようにしてもよい。印刷指定時間が時間帯の場合には、その時間帯の開始時刻から終了時刻までの間で複合機20の周囲に予約印刷に関連する人を検知する毎にその人の分の印刷(印刷物の出力)を開始するようにしてもよい。
【0141】
第2の実施形態で説明した予約印刷に係る変更を受け付けるための通知を行う条件は、実施形態で説明した条件に限らない。たとえば、部屋に設置されている複合機20に対する予約印刷を先に登録した人と、その予約印刷に係る印刷指定時間に重なるその部屋の使用予約時間を新たに登録した人との比較に基づいて通知を行うか否かを切り替えるようにしてもよい。たとえば、比較した結果、両者が同じ人である場合は通知を行わず、両者が異なる人である場合は通知を行うようにしてもよい。また、比較した結果、部屋の使用予約時間を新たに登録した人が先に登録されている予約印刷に関連する人である場合は通知を行わず、予約印刷に関連しない人である場合は通知を行うようにしてもよい。
【0142】
また、本発明に係る印刷装置は、実施形態で説明した複合機に限らず、プリンタ機や複写機なども対象にすることができる。
【符号の説明】
【0143】
5…印刷管理システム
10…管理サーバ
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…ハードディスク装置
16…ネットワーク通信部
17…会議情報通知部
18…入退室情報取得部
20(20a、20b)…複合機
21…CPU
22…バス
23…ROM
24…RAM
25…不揮発メモリ
26…ハードディスク装置
27…表示部
28…操作部
29…ファクシミリ通信部
30…ネットワーク通信部
31…スキャナ部
32…画像処理部
33…プリンタ部
34…会議情報取得部
35…入退室情報取得部
40(40a、40b)…入退室管理装置
41…CPU
42…バス
43…ROM
44…RAM
45…ハードディスク装置
46…ネットワーク通信部
47…入退室検知部
48…入退室情報通知部
49…時間情報取得部
50(50a、50b)…検知装置
60(60a〜60e)…端末装置
R(Ra、Rb)…居室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約印刷の対象となるデータを特定するデータ特定情報と、前記予約印刷を実行する印刷装置を特定する装置特定情報と、前記予約印刷を開始する印刷指定時間と、前記予約印刷に関連する人を示す識別情報とを受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けたデータ特定情報と装置特定情報と印刷指定時間と識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記データ特定情報に対応するデータに係る予約印刷を前記印刷指定時間に開始するか否かを、前記印刷指定時間に前記装置特定情報に対応する印刷装置の周囲に居る人と前記識別情報に対応する人とを比較して判断し、該判断結果に応じた動作を前記印刷装置に行わせる制御部と、
を備えた印刷管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応する人が居ないことを確認した場合は、前記予約印刷を開始しないと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応しない人が居ることを確認した場合は、前記予約印刷を開始しないと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記予約印刷を開始しないと判断した場合は、前記予約印刷をキャンセルし、前記識別情報に対応する人に前記予約印刷のキャンセルを通知する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記予約印刷を開始しないと判断した場合は、前記識別情報に対応する人に前記印刷装置とは異なる印刷装置で前記予約印刷に対応する印刷を行うよう通知する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記比較で前記印刷装置の周囲に前記識別情報に対応する人が居て前記識別情報に対応しない人が居ないことを確認した場合は、前記予約印刷を開始すると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記印刷装置が設置されている部屋の使用予約時間が前記印刷指定時間に重なることを確認した場合は、前記識別情報に対応する人に前記印刷装置が設置されている部屋の使用予約時間が前記印刷指定時間に重なっていることを通知し前記予約印刷に係る変更を受け付ける
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項8】
前記印刷装置の周囲に居る人は、前記印刷装置が設置されている部屋の在室者を特定する入退室管理装置によって特定され、
前記制御部は、前記比較を、前記特定された在室者を示す在室者特定情報を前記入退室管理装置から取得し前記識別情報と比較することで行う
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷管理装置と、
前記制御部に制御され前記データ情報に対応するデータに係る印刷を行う印刷部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−186745(P2011−186745A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50822(P2010−50822)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】