説明

印刷装置及びプログラム

【課題】 定型文書における定型部分を表す定型書式(フォーム)のデータの登録後に、その定型書式データにおいて指定されている属性データの設定値が書き換えられた場合であっても、定型書式データの登録時における属性データの設定値を用いて印刷を行えるようにする。
【解決手段】 フォームデータ登録部13は、フォーム登録処理に際し、そのフォームデータにおいて構成要素に対して関連付け設定されている属性IDが属性データ記憶部15に登録されている場合には、属性データ登録部12へ属性複製指示とともに該当する属性ID及びフォームIDを送信する。これらの情報を受信した属性データ登録部12は、その属性IDに該当する属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、前記受信したフォームIDと属性IDとを組み合わせた情報を属性IDとして属性データ記憶部15に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、売上明細・請求明細・仕入明細等の定型文書を印刷する場合には、帳票名・罫線・項目タイトル等の定型部分を表す定型書式(フォーム)が予め印刷された専用用紙を用いて行われていた。すなわち、例えば、ホストコンピュータから印字対象となる本体データ(例えば、取引先の名称、商品名、金額)のみをドットプリンタに送信して、ドットプリンタにて、専用用紙の該当箇所に対して本体データに基づく印字を行っていた。
【0003】
近年では、上記のような専用用紙を用いずに、汎用的な用紙(無地の用紙)を用いて定型文書の印刷を行う手法が実現されている。その一例として、印刷・複写・ファクシミリ等の機能を複合的に備えた複合機に、定型文書における定型部分のフォームデータを予め登録しておき、端末装置(アプリケーションソフト)側から印字対象となる本体データを複合機に送信して、複合機にて、本体データの描画内容とフォームデータの描画内容とを合成した文書画像を印刷対象として用紙に対する印刷が行われる。
なお、フォームデータは必ずしも事前登録されている訳ではなく、端末装置側から本体データとともにフォームデータが併せて送信される場合もあり、この場合には、その印刷処理を終えた段階で自動的にフォームデータが削除される。
【0004】
ここで、このようなフォームデータを用いる場合、フォームを構成する文字や図形(例えば線分)といった構成要素の描画コマンドはフォームデータ内に設定されるが、その描画に係る属性データ(文字フォントや線種などの表現形式を表す情報)についてはユーザ定義データとして複合機に予め登録しておき、その識別情報をフォームデータ内で指定することが行われている。
【0005】
なお、フォームデータを用いた印刷に関する先行技術として、例えば特許文献1には、フォームデータを登録する際に、その登録時の装置の諸設定情報も同時に登録することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−091979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、定型文書における定型部分を表す定型書式(フォーム)のデータの登録後に、その定型書式データにおいて指定されている属性データの設定値が書き換えられた場合であっても、定型書式データの登録時における属性データの設定値を用いて印刷を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、文書の定型部分を表す定型書式データ及びその識別情報を記憶する第1記憶手段と、文書の構成要素の描画に係る属性データ及びその識別情報を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に対する追加対象の定型書式データ及びその識別情報を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段により受け付けた定型書式データ及びその識別情報を前記第1記憶手段に追加するに際し、当該定型書式データに前記第2記憶手段に記憶されている属性データの識別情報が含まれる場合には、当該属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、当該定型書式データの識別情報と当該複製元の属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報として前記第2記憶手段に追加する追加手段と、印刷対象となる文書の本体部分を表す本体データと当該文書の定型部分を表す定型書式データの識別情報とを受け付ける第2受付手段と、前記第2受付手段により受け付けた定型書式データの識別情報に該当する定型書式データを前記第1記憶手段から取得し、当該定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データを前記第2記憶手段から取得する取得手段と、前記第2受付手段により受け付けた本体データにより描画される内容と、前記第2受付手段により受け付けた定型書式データの識別情報に基づいて前記取得手段により取得された定型書式データ及び属性データにより描画される内容とを合成した文書画像を印刷対象として生成する合成手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置である。
【0009】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記取得手段は、定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データが前記第2記憶手段に存在しない場合には、前記取得した定型書式データに含まれる属性データの識別情報に該当する属性データを前記第2記憶手段から取得する、ことを特徴とする。
【0010】
第3の本発明は、第1又は第2の本発明において、前記印刷装置は、前記第2記憶手段に対する追加対象の属性データ及びその識別情報を受け付ける第3受付手段を備え、前記第3受付手段による受け付けが許容される属性データの識別情報について、使用可能な文字が限定されており、前記追加手段及び前記取得手段は、定型書式データの識別情報と属性データの識別情報とを組み合わせた情報として、当該定型書式データの識別情報と当該属性データの識別情報情報と前記使用可能な文字以外の文字とを結合したものを用いる、ことを特徴とする。
【0011】
第4の本発明は、文書の定型部分を表す定型書式データ及びその識別情報を記憶する第1記憶手段にアクセスする機能と、文書の構成要素の描画に係る属性データ及びその識別情報を記憶する第2記憶手段にアクセスする機能と、前記第1記憶手段に対する追加対象の定型書式データ及びその識別情報を受け付ける第1受付機能と、前記第1受付機能により受け付けた定型書式データ及びその識別情報を前記第1記憶手段に追加するに際し、当該定型書式データに前記第2記憶手段に記憶されている属性データの識別情報が含まれる場合には、当該属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、当該定型書式データの識別情報と当該複製元の属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報として前記第2記憶手段に追加する追加機能と、印刷対象となる文書の本体部分を表す本体データと当該文書の定型部分を表す定型書式データの識別情報とを受け付ける第2受付機能と、前記第2受付機能により受け付けた定型書式データの識別情報に該当する定型書式データを前記第1記憶手段から取得し、当該定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データを前記第2記憶手段から取得する取得機能と、前記第2受付機能により受け付けた本体データにより描画される内容と、前記第2受付機能により受け付けた定型書式データの識別情報に基づいて前記取得機能により取得された定型書式データ及び属性データにより描画される内容とを合成した文書画像を印刷対象として生成する合成機能と、を印刷装置のコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
第1の本発明によると、定型文書における定型部分を表す定型書式データの登録時に、その定型書式データにおいて指定されている属性データを複製しておくため、定型書式データの登録後に、その定型書式データにおいて指定されている属性データが書き換えられた場合であっても、定型書式データの登録時における属性データを用いて印刷を行える。
【0013】
第2の本発明によると、属性データの複製を行わない方式において登録されていた定型書式データを用いる場合であっても、その定型書式データにおいて指定されている属性データを用いて印刷を続行することができる。
【0014】
第3の本発明によると、登録された定型書式データにおいて指定されている属性データの書き換えを防止することができる。
【0015】
第4の本発明によると、定型文書における定型部分を表す定型書式データの登録後に、その定型書式データにおいて指定されている属性データの設定値が書き換えられた場合であっても、定型書式データの登録時における属性データの設定値を用いて印刷を行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムによる処理の概要を例示する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能ブロックを例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る属性データ及びフォームデータを説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る属性データを例示する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフォーム登録処理のフローを例示する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る印刷装置のハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る印刷システムによる処理の概要を例示してある。
本例の印刷システムでは、印刷・複写・ファクシミリ等の機能を複合的に備えた複合機MFP(Multifunction Peripheral)に、売上明細・請求明細・仕入明細等の定型文書における定型部分d2を表す定型書式(フォーム)のデータを予め登録してあり、この複合機MFPが、定型文書における本体部分d1を表す本体データ及び使用するフォームデータの識別情報を端末装置PC側から受信したことに応じて、当該本体データによる描画内容(本体部分d1の画像)と当該フォームデータによる描画内容(定型部分d2の画像)とを合成した文書画像Dを出力イメージ(印刷対象)として生成して用紙等の記録媒体に記録(印刷)する印刷装置として動作する。
【0018】
図2には、本例に係る複合機MFP(印刷装置)の機能ブロックを例示してある。
本例の複合機MFPは、通信部11、属性データ登録部12、フォームデータ登録部13、データ記憶部14、画像処理部17、印刷処理部21、等の機能部を有している。
通信部11は、有線又は無線通信により端末装置PC等の他の装置との間でデータ送受信を行う。
【0019】
データ記憶部14は、文書を構成する文字や図形(例えば線分)といった構成要素の描画に係る属性データ(文字フォントや線種などの表現形式を表す情報)を記憶する属性データ記憶部15、定型文書における定型部分を表すフォームデータを記憶するフォームデータ記憶部16を有している。
本例では、図3(a)に例示するように、属性データ記憶部15において各属性データにその識別情報として属性IDを付して記憶し、また、図3(b)に例示するように、フォームデータ記憶部16において各フォームデータにその識別情報としてフォームIDを付して記憶している。
【0020】
属性データとしては、例えば、文書の構成要素となる文字のフォントに関し、書体(タイプフェイス)、文字の高さ、文字の横幅等を示す値(フォント属性)が設定され、また例えば、文書に構成要素となる線分(図形の一例)の種別に関し、線の形式(実線、破線、二重線など)、破線の場合における破線パターン(破線の間隔)、線の太さ等の属性を示す値(線種属性)が設定される。
フォームデータとしては、例えば、定型文書に構成要素として含まれる帳票名や項目タイトル等の定型的な文字について、その内容を表す文字データや描画位置を示す座標データ等が設定され、定型文書に構成要素として含まれる罫線等の定型的な図形について、描画位置を示す座標データ等が設定され、更に、このような構成要素の実体データに対して属性IDを関連付け設定することにより、それぞれの構成要素の描画に使用する属性データを指定してある。
【0021】
属性データ登録部12は、通信部11により端末装置PCから属性登録指示を受信したことに応じて、属性登録指示とともに受け付けた属性データ及びその属性IDを属性データ記憶部15の記憶内容に追加する属性登録処理を行う。
フォームデータ登録部13は、通信部11により端末装置PCからフォーム登録指示を受信したことに応じて、フォーム登録指示とともに受け付けたフォームデータ及びそのフォームIDをフォームデータ記憶部16の記憶内容に追加するフォーム登録処理を行う。
【0022】
また、フォームデータ登録部13では、フォーム登録処理の際にそのフォームデータの内容を解析し、当該フォームデータにおいて構成要素に対して関連付け設定されている属性IDについて、その属性IDが属性データ記憶部15に登録(記憶)されている場合には、属性データ登録部12へ属性複製指示とともに該当する属性ID及びフォームIDを送信する。
そして、属性データ登録部12では、フォームデータ登録部13から属性複製指示とともに属性ID及びフォームIDを受信すると、属性データ記憶部15に登録されている属性データのうち前記受信した属性IDが付されている属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、前記受信したフォームID(参照元のフォームデータのフォームID)と前記受信した属性ID(複製元の属性データの属性ID)とを組み合わせた情報を属性IDとして属性データ記憶部15の記憶内容に追加する属性複製処理を行う。
【0023】
具体的には、図4に例示するように、codesize、grset、typeface、fh、fw等の文字フォントに係る属性データが属性ID=“153”として属性データ記憶部15に登録されている場合において、この属性IDがフォーム登録処理の対象のフォームデータ内で指定されている場合には、当該属性データの複製を生成するとともに、その複製元の属性ID(=“153”)に参照元のフォームデータの識別情報(本例では、フォームID(名称)=“form1”)を組み合わせた識別子(=“153%form1”)を生成し、この識別子を属性IDとして、前記生成した属性データを属性データ記憶部15に追加する。
これにより、別の処理によって属性ID=“153”の属性データ(複製元の属性データ)が上書き登録されたとしても、フォームID=“form1”のフォームデータで参照する属性データの内容は影響されなくなる。また、複製元の属性データはそのまま残してあるので、従来仕様(属性複製処理を伴わないフォーム登録処理)との互換性を保つことができる。
【0024】
ここで、本例では、端末装置PCから属性登録指示とともに受け付ける属性IDに関し、その受け付けが許容される属性IDについて使用可能な文字が限定(本例では数字のみ使用可能)されており、これ以外の文字(本例では“%”)を、複製元の属性データの属性IDと参照元のフォームデータのフォームIDとの区切り文字(デリミタ)として含めることで、フォームデータと関連付けて複製登録された属性データが、端末装置PCからの属性登録指示によって書き換え(上書き登録)られてしまうことを防止している。このため、フォームデータと関連付けて複製登録された属性データの内容は不変となる。
【0025】
本例のフォーム登録処理の流れを、図5に例示する処理フローを参照して説明する。
フォームデータ登録部13は、端末装置PCからフォーム登録指示とともに受け付けたフォームデータ及びそのフォームIDをフォームデータ記憶部16の記憶内容に追加する処理を行うと共に、当該フォームデータの内容を解析して以下の処理を行う。
すなわち、フォームデータを構成する文字や図形等の構成要素の描画に関するコマンド文字列を取得し(ステップS11)、このコマンド文字列がパラメータを持つか否か(すなわち、表現形式の指定を伴うか否か)を判定する(ステップS12)。
ステップS12において、フォームデータの構成要素に関するコマンド文字列がパラメータを持つと判定された場合には、そのパラメータを取り込んで設定内容を解析し(ステップS13)、コマンド文字列のパラメータがユーザ定義の属性データを参照しているか否か(すなわち、属性データ記憶部15に登録されている属性IDの指定を含むか否か)を判定する(ステップS14)。
【0026】
そして、ステップS14において、コマンド文字列のパラメータがユーザ定義の属性データを参照していると判定された場合には、属性データ登録部12が、ユーザ定義の属性データを識別する属性IDにそのフォームデータを識別するフォームID(本例ではフォーム名)を付した識別子を生成し(ステップS15)、当該識別子を新たな属性IDとして、オリジナルのユーザ定義の属性データを属性データ記憶部15に複製登録する(ステップS16)。
以上のステップS11〜ステップS16の処理を、フォームデータの構成要素に関するコマンド文字列に対して順番に実行し、全てのコマンド文字列についての処理を終えると、フォーム登録処理を終了する。
【0027】
画像処理部17は、通信部11により端末装置PCから受信した文書印刷指示に応じて、文書印刷指示とともに受け付けた定型文書の本体データ及びフォームIDに基づいて、当該本体データによる描画内容と当該フォームIDに該当するフォームデータによる描画内容とを合成した文書画像を生成する処理を行うものであり、本例では、本体データ処理部18、フォームデータ処理部19、合成画像生成部20を有している。
印刷処理部21は、画像処理部17により印刷対象として生成された文書画像を、用紙等の記録媒体に記録(印刷)する印刷処理を行う。
【0028】
画像処理部17における具体的な処理内容を説明する。
画像処理部17は、文書印刷指示とともに定型文書の本体データ及びフォームIDを受け付けると、本体データ処理部18が、本体データの内容の解析を行うとともに、フォームデータ処理部19が、フォームIDに該当するフォームデータをフォームデータ記憶部16から読み出して取得して、その内容の解析を行う。
【0029】
このとき、本体データ処理部18及びフォームデータ処理部19は、本体データ及びフォームデータに属性IDが含まれる場合には、その属性IDに該当する属性データを属性データ記憶部15から読み出して取得する。なお、フォームデータ処理部19による属性データの取得は、フォームデータに含まれる属性IDをそのまま用いて属性データ記憶部15を検索するのではなく、フォームIDと属性IDとを組み合わせた情報(属性複製処理と同様の手法で得られる識別子)を用いて属性データ記憶部15の検索を行って、該当する属性データを取得する。ただし、従来仕様(属性複製処理を伴わないフォーム登録処理)により登録されたフォームデータについては、フォームIDと属性IDとを組み合わせた情報を用いた検索では該当するフォームデータを取得できないため、この場合には、フォームデータに含まれる属性IDをそのまま用いて検索を行うようにする。
【0030】
その後、本体データ及びフォームデータの解析結果及び取得した属性データに基づいて、合成画像生成部20が、本体データ及び該当する属性データにより描画される内容と、フォームデータ及び該当する属性データにより描画される内容とを合成した文書画像を印刷対象として生成する。
このようにして生成された印刷対象の文書画像は、印刷処理部21に提供されて、印刷処理に用いられる。
【0031】
次に、フォームデータ及び属性データの削除について説明する。
通信部11により端末装置PCからフォーム削除指示を受信した場合には、フォーム削除指示とともに受け付けたフォームIDに該当するフォームデータについてフォームデータ記憶部16から削除するとともに、当該フォームIDと組み合わせた識別子を付された属性データについても属性データ記憶部15から削除する。
通信部11により端末装置PCから属性削除指示を受信した場合には、属性削除指示とともに受け付けた属性IDに該当する属性データについてのみ属性データ記憶部15から削除し、当該属性IDと組み合わせた識別子を付された属性データについては属性データ記憶部15から削除しない。
つまり、フォームデータ及び属性データの削除は、フォームデータ及び属性データの関連を維持して行うようにしている。
【0032】
図6には、本例に係る複合機MFP(印刷装置)を構成するコンピュータの主要なハードウェアを例示している。
本例では、各種演算処理を行うCPU31、CPU31の作業領域となるRAM32、基本的な制御プログラムを記憶するROM33、本発明の一実施形態に係る機能を実現するためのプログラムや各種データを記憶するHDD34、各種情報を表示出力するための表示装置や操作者により入力操作に用いられるキーボードやマウス等の機器とのインターフェースである入出力I/F35、他の装置との間で通信を行うインターフェースである通信I/F36、等のハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。
そして、本発明の一実施形態に係る機能を実現するためのプログラムをHDD34等から読み出してRAM32に展開し、これをCPU31により実行させることで、本発明の一実施形態に係る各機能を実現している。
【0033】
なお、本例では、1台のコンピュータにより印刷装置を実現しているが、各機能部を複数台のコンピュータに分散して設けて印刷装置を実現してもよい。
また、本発明に係るプログラムは、例えば、当該プログラムを記憶したCD−ROM等の外部記憶媒体から読み込む形式や、通信回線等を介して受信する形式などにより、本例に係る印刷装置のコンピュータに設定される。
また、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、それぞれの機能部を専用のハードウエアモジュールで実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
11:通信部、 12:属性データ登録部、 13:フォームデータ登録部、 14:データ記憶部、 15:属性データ記憶部、 16:フォームデータ記憶部、 17:画像処理部、 18:本体データ処理部、 19:フォームデータ処理部、 20:合成画像生成部、 21:印刷処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の定型部分を表す定型書式データ及びその識別情報を記憶する第1記憶手段と、
文書の構成要素の描画に係る属性データ及びその識別情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に対する追加対象の定型書式データ及びその識別情報を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段により受け付けた定型書式データ及びその識別情報を前記第1記憶手段に追加するに際し、当該定型書式データに前記第2記憶手段に記憶されている属性データの識別情報が含まれる場合には、当該属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、当該定型書式データの識別情報と当該複製元の属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報として前記第2記憶手段に追加する追加手段と、
印刷対象となる文書の本体部分を表す本体データと当該文書の定型部分を表す定型書式データの識別情報とを受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により受け付けた定型書式データの識別情報に該当する定型書式データを前記第1記憶手段から取得し、当該定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データを前記第2記憶手段から取得する取得手段と、
前記第2受付手段により受け付けた本体データにより描画される内容と、前記第2受付手段により受け付けた定型書式データの識別情報に基づいて前記取得手段により取得された定型書式データ及び属性データにより描画される内容とを合成した文書画像を印刷対象として生成する合成手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記取得手段は、定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データが前記第2記憶手段に存在しない場合には、前記定型書式データに含まれる属性データの識別情報に該当する属性データを前記第2記憶手段から取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記第2記憶手段に対する追加対象の属性データ及びその識別情報を受け付ける第3受付手段を備え、
前記第3受付手段による受け付けが許容される属性データの識別情報について、使用可能な文字が限定されており、
前記追加手段及び前記取得手段は、定型書式データの識別情報と属性データの識別情報とを組み合わせた情報として、当該定型書式データの識別情報と当該属性データの識別情報情報と前記使用可能な文字以外の文字とを結合したものを用いる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
文書の定型部分を表す定型書式データ及びその識別情報を記憶する第1記憶手段にアクセスする機能と、
文書の構成要素の描画に係る属性データ及びその識別情報を記憶する第2記憶手段にアクセスする機能と、
前記第1記憶手段に対する追加対象の定型書式データ及びその識別情報を受け付ける第1受付機能と、
前記第1受付機能により受け付けた定型書式データ及びその識別情報を前記第1記憶手段に追加するに際し、当該定型書式データに前記第2記憶手段に記憶されている属性データの識別情報が含まれる場合には、当該属性データの複製を生成し、当該生成した属性データを、当該定型書式データの識別情報と当該複製元の属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報として前記第2記憶手段に追加する追加機能と、
印刷対象の文書の本体部分を表す本体データと当該文書の定型部分を表す定型書式データの識別情報とを受け付ける第2受付機能と、
前記第2受付機能により受け付けた定型書式データの識別情報に該当する定型書式データを前記第1記憶手段から取得し、当該定型書式データの識別情報と当該定型書式データに含まれる属性データの識別情報とを組み合わせた情報を識別情報とした属性データを前記第2記憶手段から取得する取得機能と、
前記第2受付機能により受け付けた本体データにより描画される内容と、前記第2受付機能により受け付けた定型書式データの識別情報に基づいて前記取得機能により取得された定型書式データ及び属性データにより描画される内容とを合成した文書画像を印刷対象として生成する合成機能と、
を印刷装置のコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−280111(P2010−280111A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134650(P2009−134650)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】