説明

印刷装置

【課題】最後のラベルを印字発行し、不良ラベルを通知して、二重発行や不良ラベルの発行を防止する。
【解決手段】ファンホールド紙3がプラテン6によって搬送され、RFIDリードライト部10によってファンホールド紙3を構成するラベルに挟み込まれたRFIDタグにデータが書き込まれた後、サーマルヘッド5によって所定の印刷データが印刷され、カッタ12によってカットされた後、発行される。RFIDタグがラベルに挟み込まれていない場合、またはRFIDタグが不良のためデータを書き込むことができない場合、所定のメッセージをラベルに印刷して発行する。ペーパーエンドが発生した場合でも、RFIDタグが検出され、印刷が可能であればRFIDタグにデータを書き込み、印刷した後、発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に関し、特に、RFIDタグ付きラベルを発行するときに用いられる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置としてのプリンタにおいて、ファンホールド紙(折りたたみ連続紙)を使用し、そのファンホールド紙のラベルのピッチ(ラベルの先端とそのラベルと隣接する他のラベルの先端との間の距離)が、ファンホールド紙のラベルの位置を示す識別マークを検出する位置検出センサと、ラベルに対して所定の印刷データを印刷するサーマルヘッドとの間の距離以上である場合に、位置検出センサが紙無しを検出した後、所定の基準となる距離だけ搬送方向にファンホールド紙を搬送してもラベルが無い状態であるとき、ペーパーエンドとしてエラーを発生し、印刷処理を停止させていた。このため、最後のラベルに対しては印刷途中または印刷を行うことなくペーパーエンドとしてエラーが発生し、最後のラベルを無駄にしてしまう場合があった。
【0003】
そこで、例えば、ラベル連続体から供給される最後のラベルをエンドセンサが検出すると、制御部の制御下、印刷ヘッドが最後のラベルに対して所定の印刷データを印刷するとともに、その印刷データを保存しておき、最後のラベルが正常に印刷されたか否かをユーザに問い合わせる。ユーザにより最後のラベルが目視によりチェックされ、最後のラベルが正常に印刷されておらず、使用不可であるとして再印刷が指示されると、制御部の制御下、保存してあった印刷データが読み出され、その印刷データが印刷ヘッドにより新たに装填されたラベル連続体から供給されたラベルに印刷されるようにし、正常に印刷できなかった場合に簡単な操作で迅速に再印刷することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−347284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術では、RFIDタグが挟み込まれたラベルにおいて、最後のラベルにRFIDタグが挟み込まれていない場合、またはRFIDタグに書き込みができない場合には、そのラベルが無効であることを印刷してオペレータに知らせるという機能はなかった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、最後のラベルにRFIDタグが挟み込まれていない場合、またはRFIDタグに書き込みができない場合には、そのラベルが無効であることを印刷するなどしてオペレータに知らせることにより、RFIDが挟み込まれていないラベルまたは書き込みできないRFIDタグが挟み込まれたラベルを無効として二重発行を抑制するとともに、不良ラベルの発行を抑制することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の印刷装置は、所定数だけ連続して供給可能な状態で装填される所定の媒体に対して所定の印刷データを印刷するとともに所定のデータを記録する印刷装置であって、媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送された媒体に印刷データを印刷する印刷手段と、搬送手段によって搬送された媒体にデータを記録するデータ記録手段と、媒体の終端を検出する検出手段と、検出手段によって媒体の終端が検出されたとき、最後の媒体に対してデータの記録が可能であるか否かを判定する第1の判定手段と、最後の媒体に対して印刷データの印刷が可能であるか否かを判定する第2の判定手段と、第1および第2の判定手段による各判定結果に応じて、データ記録手段が最後の媒体に対してデータを記録し、印刷手段が最後の媒体に対して印刷データを印刷するように制御する制御手段と、媒体をカットして発行する発行手段とを備えることを特徴とする。
また、第1の判定手段により、媒体に対してデータの記録が不可能であると判定された場合、印刷手段は、媒体に対して媒体が無効であることを示す所定のメッセージを印刷するようにすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の印刷装置によれば、RFIDタグが挟み込まれていない場合や、RFIDタグに書き込みができない場合に、無効なラベルであることを印刷してオペレータに通知するようにしたので、ラベルの二重発行や不良ラベルの発行を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明が適用されるラベルプリンタの一実施の形態の構成例を示している。同図に示すように、ラベルプリンタ100は、各部を制御する制御部20と、RFID(Radio Frequency-Identification)タグ付きファンホールド紙(以下、ファンホールド紙と記載する)3の印刷面に所定の印刷データを印刷するサーマルヘッド5と、ファンホールド紙3を両面から回転自在に挟持し、サーマルヘッド5に案内する補助ローラ4と、制御部20の制御により駆動される図示しないステッピングモータの回転駆動力によって回転し、ファンホールド紙3を搬送するとともに、ファンホールド紙3をサーマルヘッド5に押圧するプラテンローラ(以下では、適宜単にプラテンと記載する)6と、インクリボンを供給するリボン供給部7と、インクリボンを巻き取るリボン巻取部8と、所定の光を出射する発光部および発光部から出射された光のファンホールド紙3からの反射光を受光し、受光した光の強度(単位時間当たりの受光量)に対応する電気信号を出力する受光部からなり、ファンホールド紙3の裏面の側に発光部と受光部を配し、ファンホールド紙3の裏面に印刷等によって形成された識別マーク(黒の矩形のマーク)を受光部の受光量に基づいて検出する位置検出センサ9と、ファンホールド紙3を構成する各ラベル1に挟み込まれたRFIDタグ2に対してデータの読み出しおよび書き込みを行うRFIDリードライト部10と、所定の光を出射する発光部および発光部から出射された光のファンホールド紙3からの反射光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光部からなり、ファンホールド紙3の裏面の側に発光部と受光部を配し、ファンホールド紙3の裏面に印刷等によって形成された識別マークを受光部の受光量に基づいて検出するカッタセンサ11と、ファンホールド紙3を所定のタイミングで切断してラベル1として発行するカッタ12とを備えている。
【0009】
図2は、図1の実施の形態の電気的な構成例を示すブロック図である。同図に示すように、制御部20は、所定の制御プログラムや各種設定データを記憶するROM(Read Only Memory)22と、ROM22に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)23と、ステッピングモータ25にパルス信号を供給し、ステッピングモータ25を回転させるモータ制御部24と、CPU21から供給される印刷すべき文字、図形、およびバーコードなどの印刷データに対応する制御信号を生成し、この制御信号をサーマルヘッド5に供給し、印刷動作を行わせる印刷制御部26と、CPU21の制御下、位置検出センサ9の発光部を制御し、光を出射させるとともに、受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換して位置検出データとしてCPU21に供給する位置検出センサ制御部27と、CPU21の制御下、カッタセンサ11の発光部を制御し、光を出射させるとともに、受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換して位置検出データとしてCPU21に供給するカッタセンサ制御部28と、カッタ12を制御し、ファンホールド紙3を所定のタイミングで切断させるカッタ制御部29と、RFIDリードライト部10を制御し、ファンホールド紙3に挟み込まれているRFIDタグ2に対してデータの読み出しおよび書き込みを行うRFIDリードライト制御部30と、外部インタフェース31と、インタフェース32とを備えている。
【0010】
また、制御部20には、各種データやコマンドを入力するための入力部33と、入力部33から入力された入力データや、各種情報を表示するための表示部34とがインタフェース32を介して接続されている。入力部33より入力された入力データは、インタフェース32を介してCPU21に供給され、表示部34に表示される各種情報に対応する表示データは、インタフェース32を介してCPU21より供給されるようになっている。また、外部インタフェース31を介して、外部に接続された図示しないパーソナルコンピュータ等の各種機器との間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっている。
【0011】
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態の動作について説明する。図3(a)乃至図3(c)は、ファンホールド紙3の最後のラベル1に正常な(データの読み書きが可能な)RFIDタグ2が挟み込まれている場合の処理手順を示している。図4(d)および図4(e)は、最後のラベル1にRFIDタグ2が挟み込まれているが、そのRFIDタグ2が不良のため書き込みができない場合の処理手順を示している。図4(f)乃至図4(i)は、最後のラベル1にRFIDタグ2が挟み込まれていない場合の処理手順を示している。
【0012】
ここでは、最後のラベル1の識別記号をE、最後から2番目のラベル1の識別記号を(E−1)、最後から3番目のラベル1の識別記号を(E−2)などとする。そして、ファンホールド紙3の終端のラベル1の識別記号を(E+1)とする。この識別記号(E+1)のラベル1は、通常は途中で切断されているため、使用できないものである。
【0013】
また、識別記号(E+1)のラベル1の先端(サーマルヘッド5に近い方の端部)に対応してファンホールド紙3の裏面の所定の位置に形成されている識別マークの識別記号を(M+1)、識別記号(E)のラベル1の先端に対応してファンホールド紙3の裏面の所定の位置に形成されている識別マークの識別記号を(M)、識別記号(E−1)のラベル1の先端に対応してファンホールド紙3の裏面の所定の位置に形成されている識別マークの識別記号を(M−1)、識別記号(E−2)のラベル1の先端に対応してファンホールド紙3の裏面の所定の位置に形成されている識別マークの識別記号を(M−2)などとする。
【0014】
図3(a)に示したように、まず、ファンホールド紙3が搬送方向(図1および図3の左方向)に搬送されると、位置検出センサ9により識別記号Eのラベル1に対応する識別マークMが検出される。その前後の所定のタイミングで、識別記号(E−1)のラベル1に挟み込まれているRFIDタグ2がRFIDリードライト部10の直下に接近し、CPU21の制御下、RFIDリードライト制御部30に制御されたRFIDリードライト部10により識別記号(E−1)に対応するRFIDタグ2との間の通信が試みられ、RFIDタグ2に対してデータの読み出しおよび書き込みが可能であるか否かが判定される。
【0015】
その結果、識別記号(E−1)に対応するRFIDタグ2に対してデータの読み出しおよび書き込みが可能であると判定された場合、RFIDリードライト制御部30の制御下、RFIDリードライト部10により識別記号(E−1)に対応するRFIDタグ2に対する所定のデータの書き込みが行われる。
【0016】
次に、識別記号(E−2)のラベル1を切断するために、CPU21の制御下、モータ制御部24の制御によりステッピングモータ25が回転駆動されてプラテン6が回転し、ファンホールド紙3が搬送方向に搬送され、識別記号(E−2)のラベル1の次の識別記号(E−1)のラベル1の先端に形成された識別記号(M−1)の識別マークがカッタ12の直下まで移動させられる。
【0017】
CPU21は、カッタセンサ11からの出力信号に基づいて識別記号(M−1)の識別マークがカッタセンサ11上に移動したことを認識することができる。従って、カッタセンサ11とカッタ12の間の距離の分だけファンホールド紙3を搬送することにより、カッタ12の直下に識別記号(M−1)の識別マークが位置するようにファンホールド紙3を搬送させことができる。
【0018】
次に、CPU21の制御下、カッタ制御部29の制御によりカッタ12が駆動され、識別記号(E−2)のラベル1が切断される。これにより、RFIDタグ2に対して所定のデータが書き込まれ、ラベル1の印刷面に所定の印刷データが印刷されたラベル1が発行される。識別記号(E−2)のラベル1のRFIDタグ2に対するデータの書き込みおよびラベル1の印刷領域への印刷処理は既に終了しているので、その説明は省略する。
【0019】
次に、識別記号(E−1)のラベル1に印刷を行うための位置決めが行われる。即ち、識別記号(E−1)のラベル1の印刷面の所定の印刷領域の先端がサーマルヘッド5の直下に位置するようにファンホールド紙3が搬送される。
【0020】
この印刷のための位置決めは、例えば次のようにして行うことができる。位置検出センサ9によって識別記号(M−1)の識別マークが検出されてから、ファンホールド紙3が搬送された距離に基づいて識別記号(M−1)の識別マークの現在位置を求め、識別記号(M−1)の現在位置に基づいて、識別記号(E−1)のラベル1の印刷領域の先端をサーマルヘッド5の直下に移動させるための搬送方向および搬送距離を算出する。そして、その搬送方向に算出された距離だけファンホールド紙3を搬送することによって識別記号(E−1)のラベル1の印刷領域の先端をサーマルヘッド5の直下に移動させる。
【0021】
次に、CPU21の制御下、モータ制御部24の制御によりステッピングモータ25が駆動されてファンホールド紙3が搬送されるとともに、印刷制御部26の制御によりサーマルヘッド5が駆動されて識別記号(E−1)のラベル1の印刷領域に対して所定の印刷データの印刷が行われる。その後、印刷処理を行いながらファンホールド紙3を搬送すると、位置検出センサ9により、識別記号(M+1)の識別マークが検出される。
【0022】
図3(b)に示したように、位置検出センサ9により識別記号(M+1)の識別マークが検出される前後の所定のタイミングで、CPU21の制御下、RFIDリードライト制御部30に制御されたRFIDリードライト部10により、識別記号Eのラベル1のRFIDタグ2との間で通信が試みられ、データの読み書きが可能であるか否かが判定される。
【0023】
その結果、データの読み書きが可能であると判定された場合、CPU21の制御下、RFIDリードライト制御部30に制御されたRFIDリードライト部10により、識別記号Eのラベル1のRFIDタグ2に対するデータの書き込みが行われる。
【0024】
次に、識別記号(E−1)のラベル1を切断するために、CPU21の制御下、モータ制御部24によってステッピングモータ25が回転駆動され、プラテン6が回転し、ファンホールド紙3が搬送され、識別記号Mの識別マークがカッタ12の直下のカッタ位置まで移動する。次に、CPU21の制御下、カッタ制御部29の制御によりカッタ12が駆動され、識別記号(E−1)のラベル1が切断され、発行される。
【0025】
次に、識別記号Eのラベル1の印刷面の印刷領域に印刷を行うための位置決めが行われる。この印刷のための位置決めは、例えば次のようにして行うことができる。位置検出センサ9によって識別記号Mの識別マークが検出されてから、ファンホールド紙3が搬送された距離に基づいて識別記号Mの識別マークの現在位置を求め、識別記号Mの現在位置に基づいて、識別記号Eのラベル1の印刷領域の先端をサーマルヘッド5の直下に移動させるための搬送方向および搬送距離を算出する。そして、その搬送方向に算出された距離だけファンホールド紙3を搬送することによって識別記号Eのラベル1の印刷領域の先端をサーマルヘッド5の直下に移動させる。
【0026】
次に、CPU21の制御下、モータ制御部24の制御によりステッピングモータ25が駆動されてプラテン6が回転し、ファンホールド紙3が搬送されるとともに、印刷制御部26の制御によりサーマルヘッド5が駆動されて識別記号Eのラベル1の印刷領域に対して所定の印刷データの印刷が行われる。その後、印刷処理を行いながらファンホールド紙3を搬送すると、位置検出センサ9により、ペーパーエンドが検出される。
【0027】
このとき、RFIDリードライト部10によるRFIDタグ2との間の通信ができず、かつ、識別マークが検出されないため、CPU21により、ペーパーエンドが発生したと判断され、表示部34に対してペーパーエンドエラーが発生したことを示すメッセージに対応する表示データがインタフェース32を介して供給され、表示部34にそのメッセージが表示される。
【0028】
次に、図4(d)および図4(e)を参照して、最後のラベル1にRFIDタグ2が挟み込まれているが、そのRFIDタグ2が不良のため書き込みができない場合の処理手順について説明する。
【0029】
識別記号(E−1)のラベル1に挟み込まれているRFIDタグ2は、正常にデータを書き込むことができたので、識別記号(E−1)のラベル1は、正常に印字発行される(図4(d))。一方、識別記号Eのラベル1に挟み込まれているRFIDタグ2は、正常にデータを書き込むことができないので、CPU21の制御下、印刷制御部26によって制御されたサーマルヘッド5により、RFIDタグ2への書き込みができない不良ラベルであることを示すメッセージが印刷された後、識別記号Eのラベル1が発行される(図4(e))。
【0030】
これにより、オペレータは、この識別記号Eのラベル1がRFIDタグ2への書き込みができない不良ラベルであることを目視により簡単に認識することができる。
【0031】
次に、図4(f)乃至図4(i)を参照して、最後のラベル1にRFIDタグ2が挟み込まれていない場合の処理手順について説明する。
【0032】
図4(f)に示すように、CPU21の制御下、RFIDリードライト制御部30の制御により、RFIDリードライト部10は、識別記号Eのラベル1に挟み込まれているRFIDタグ2に対してデータの書き込みを行う。次に、CPU21の制御下、モータ制御部24の制御によりステッピングモータ25が回転駆動され、プラテン6が回転してファンホールド紙3が搬送されるとともに、印刷制御部26の制御によりサーマルヘッド5が駆動され、所定の印刷データが識別記号Eのラベル1の印刷面の印刷領域に印刷される。
【0033】
その後、図4(h)に示すように、ファンホールド紙3はそのまま搬送され、CPU21の制御下、カッタ制御部29の制御によりカッタ12が駆動されて切断され、識別記号Eのラベル1が発行される。
【0034】
このとき、識別記号(E+1)のラベル1にはRFIDタグ2が挟み込まれていないので、RFIDリードライト部10は、識別記号(E+1)のラベル1との間で通信を行うことができない。CPU21は、識別記号(E+1)のラベル1にはRFIDタグ2が挟み込まれていないかまたはデータの読み書きができない不良なRFIDタグ2が挟み込まれていると判断する。
【0035】
そこで、CPU21の制御下、印刷制御部26によって制御されたサーマルヘッド5により、RFIDタグ2が挟み込まれていないかまたはデータの読み書きができない不良ラベルであることを示すメッセージが識別記号(E+1)のラベル1の印刷面の印刷領域に印刷された後、カッタ12によって切断され、識別記号(E+1)のラベル1が発行される。
【0036】
次に、図5のフローチャートを参照して、終端処理について説明する。まず最初に、ステップS1において、CPU21により、位置検出センサ9より供給される位置検出データに基づいて、ペーパーエンドが発生したか否かが判定される。
【0037】
その結果、ペーパーエンドが発生していないと判定された場合、ステップS2に進む。一方、ペーパーエンドが発生したと判定された場合、ステップS5に進む。
【0038】
ステップS2においては、CPU21により、印刷すべき印刷データがあるか否かが判定される。その結果、印刷データがないと判定された場合、ステップS4に進む。一方、印刷データがあると判定された場合、ステップS3に進む。
【0039】
ステップS3においては、CPU21の制御下、印刷制御部26によって制御されたサーマルヘッド5によりラベル1の印刷面の印刷領域に所定の印刷データが印刷され、RFIDリードライト制御部30によって制御されたRFIDリードライト部10によりラベル1に挟み込まれているRFIDタグ2に対して所定のデータが書き込まれる。その後、CPU21の制御下、カッタセンサ制御部28より供給される検出信号に基づいて所定のタイミングでカッタ制御部29の制御によりカッタ12が駆動され、ラベル1が切断され、発行される。
【0040】
ステップS4においては、全てのラベル1に対して印刷データの印刷およびRFIDタグ2へのデータの書き込みが行われ、全てのラベル1の発行が終了したか否かが判定される。その結果、全てのラベル1の発行が終了していないと判定された場合、ステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。一方、全てのラベル1の発行が終了したと判定された場合、本処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS5においては、RFIDタグ2がラベル1に挟み込まれているか否かが判定される。その結果、RFIDタグ2がラベル1に挟み込まれていると判定された場合、ステップS6に進む。一方、RFIDタグ2がラベル1に挟み込まれていないと判定された場合、ステップS8に進む。
【0042】
ステップS6においては、そのラベル1に対して印刷データを正常に印刷することが可能であるか否かが判定される。即ち、そのラベル1は、途中で千切れていない正常なものであるか否かが判定される。その結果、そのラベル1が正常なものであり、正常に印刷することが可能であると判定された場合、ステップS7に進む。一方、そのラベル1が正常なものではなく、正常に印刷することが不可能であると判定された場合、ステップS8に進む。
【0043】
ステップS7においては、最後のラベル1に対する印刷データの印刷およびRFIDタグ2に対するデータの書き込みが行われる。その後、そのラベル1がカッタ12によって切断され、発行される。
【0044】
一方、ステップS8においては、CPU21の制御下、最後のラベル1にRFIDタグ2が挟み込まれていない場合、印刷制御部26によって制御されたサーマルヘッド5によりそのことを示すメッセージが印刷され、カッタ制御部29によって制御されたカッタ12によってカットされた後、排出される。
【0045】
また、最後のラベル1が途中で千切れているなどして正常に印刷データを印刷することができない場合、最後のラベル1がカットされ、排出されるとともに、ペーパーエンドが発生したことを示すメッセージが表示部34に表示される。その際、不良ラベルであることを示す所定のメッセージ等を最後のラベル1の印刷面の印刷領域に印刷することができる。
【0046】
このように、最後のラベル1が正常なものである場合には、ラベルエンドエラーが発生しても、最後のラベル1に対する印刷およびRFIDタグ2へのデータの書き込みを行った後、ラベル1を切断して発行することができる。これにより、最後のラベル1のRFIDタグ2を無駄にしないようにすることができる。
【0047】
なお、上記実施の形態では、例えば、不良ラベルが目視で分りやすいように、無効なラベルであることを印刷した例で説明したが、これに限定されないことは勿論であり、「無印刷」、すなわち、必要情報を何も印刷しないようにすることでオペレータに不良ラベルであることを認識させることも可能である。
【0048】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】図1の電気的な構成例を示すブロック図である。
【図3】最後のラベルに正常なRFIDタグが挟み込まれている場合の処理手順を示す図である。
【図4】最後のラベルにRFIDタグが挟み込まれているが、そのRFIDタグが不良のため書き込みができない場合、およびRFIDタグが挟み込まれていない場合の処理手順を示す図である。
【図5】終端処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 ラベル
2 RFIDタグ
3 ファンホールド紙(折りたたみ連続紙)
4 補助ローラ
5 サーマルヘッド
6 プラテンローラ(プラテン)
7 リボン供給部
8 リボン巻取部
9 位置検出センサ
10 RFIDリードライト部
11 カッタセンサ
12 カッタ
20 制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 モータ制御部
25 ステッピングモータ
26 印刷制御部
27 位置検出センサ制御部
28 カッタセンサ制御部
29 カッタ制御部
30 RFIDリードライト制御部
31 外部インタフェース
32 インタフェース
33 入力部
34 表示部
100 ラベルプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数だけ連続して供給可能な状態で装填される所定の媒体に対して所定の印刷データを印刷するとともに所定のデータを記録する印刷装置であって、
前記媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記媒体に前記印刷データを印刷する印刷手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記媒体に前記データを記録するデータ記録手段と、
前記媒体の終端を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記媒体の前記終端が検出されたとき、前記最後の媒体に対して前記データの記録が可能であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記最後の媒体に対して前記印刷データの印刷が可能であるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1および第2の判定手段による各判定結果に応じて、前記データ記録手段が前記最後の媒体に対して前記データを記録し、前記印刷手段が前記最後の媒体に対して前記印刷データを印刷するように制御する制御手段と、
前記媒体をカットして発行する発行手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の判定手段により、前記媒体に対して前記データの記録が不可能であると判定された場合、前記印刷手段は、前記媒体に対して前記媒体が無効であることを示す所定のメッセージを印刷する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−272842(P2006−272842A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98059(P2005−98059)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】