説明

印刷装置

【課題】
印刷依頼を送信した印刷指示端末に排紙トレイに印刷結果が残っている可能性があることについてメッセージを送信して、印刷結果の間違った持ち帰りを低減させる印刷装置を提供する。
【解決手段】
印刷装置20は、PC10から印刷ジョブを受信する通信I/F部21と、受信した印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行部25と、過去の所定時間内に実行された印刷ジョブ若しくは過去の所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する印刷履歴情報27を備え、PC10−1から印刷ジョブを受信すると、PC10−1に印刷履歴情報27の内容を送信し、印刷履歴情報27に含まれるPC10に対して印刷物の持ち帰りを促す通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、社内に張りめぐらされた通信網によって、1つの印刷装置を複数のパーソナルコンピュータ(印刷指示端末)で共有する技術が存在する。
【0003】
1つの印刷装置が共有されると、複数の印刷ジョブが次々に送られ、印刷装置の排紙トレイに排紙される印刷結果が複数の印刷ジョブによる印刷結果で構成され、印刷結果の区分けが困難となっていた。
【0004】
複数ユーザによって印刷ジョブが送信されると、排紙トレイに複数ユーザの印刷結果が排紙され、他人の印刷結果を間違って持って帰ってしまう問題も生じていた。
【0005】
このような問題の原因の1つは、排紙トレイに排紙された印刷結果が持ち去られないで印刷結果が溜まってしまうということが想到できる。
【0006】
よって、特許文献1では、送信された印刷ジョブの印刷が終了した時にクライアントに印刷終了通知を印刷装置から送信するように設定できる情報通知装置、情報通知方法、コンピュータ読み取り可能なプログラム、及び記憶媒体が提案されている。
【0007】
また、他人の印刷結果を間違って持って帰ってしまう問題の原因の1つは、排紙トレイに存在する印刷結果の詳細が不明であるということも想到できる。
【0008】
この原因に対して、特許文献2では、ネットワークI/F装置に印刷装置からの応答データを解析・選択する応答データ解析部および解析・選択された特定の応答データをリスト登録情報に応じてネットワーク上の各コンピュータに送信する送信プロトコル制御部を備えて、各コンピュータにおいて用紙無しや印刷状況等を確認することおよび印刷装置において印刷履歴を記録することを可能とするネットワーク印刷システム装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−5259号公報
【特許文献2】特開平10−222321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の技術では、クライアントに送信される情報は印刷が終了した時のみに通知されるだけなので、一度印刷結果を取りに行くことを忘れると次に取りに行くきっかけがなくなるという問題がある。
【0010】
また、特許文献2の技術では、印刷依頼を送信する毎に印刷履歴が送信されず、自主的に印刷履歴を取得しなければならない。
【0011】
そこで、この発明は、印刷依頼を送信した印刷指示端末に対して、印刷結果が排紙トレイに残っている可能性がある内容のメッセージを送信して、印刷結果の間違った持ち帰りを低減させる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する為に、請求項1の発明は、印刷装置が、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段とを具備するように構成される。
【0013】
また、請求項2の発明は、印刷装置が、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段とを具備するように構成される。
【0014】
また、請求項3の発明は、印刷装置が、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段とを具備するように構成される。
【0015】
また、請求項4の発明は、印刷制御プログラムが、コンピュータを、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段として機能させるように構成される。
【0016】
また、請求項5の発明は、印刷制御プログラムが、コンピュータを、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段として機能させるように構成される。
【0017】
また、請求項6の発明は、印刷制御プログラムが、コンピュータを、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブ若しくは前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と、前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段として機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、印刷装置は、印刷ジョブを送信した印刷指示端末に印刷履歴情報を送信することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、印刷装置は、印刷指示端末に印刷物の持ち帰りを促す通知を行うことができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、印刷装置は、印刷ジョブを送信した印刷指示端末に印刷履歴情報を送信して、印刷履歴情報に含まれる印刷指示端末に印刷物の持ち帰りを促す通知を行うことができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、印刷制御プログラムは、印刷ジョブを送信した印刷指示端末に印刷履歴情報を送信することができるようにコンピュータを制御することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、印刷制御プログラムは、印刷指示端末に印刷物の持ち帰りを促す通知を行うようにコンピュータを制御することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、印刷制御プログラムは、印刷ジョブを送信した印刷指示端末に印刷履歴情報を送信して印刷履歴情報に含まれる印刷指示端末に印刷物の持ち帰りを促す通知を行うようにコンピュータを制御することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係わる印刷装置の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、印刷装置20で構成される印刷システムの概略を示した構成図である。
【0026】
この印刷システムは、印刷ジョブを送信するパーソナルコンピュータ10、印刷ジョブを受信する印刷装置20が通信回線30で接続されている。
【0027】
通信回線30にはパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)10が複数接続され、それぞれPC10−1、PC10−2、・・・PC10−nと参照番号を記す。
【0028】
PC10は、印刷装置20に送信する印刷ジョブを生成して送信する印刷指示端末としての役割を果たし、印刷装置20から送信されたメッセージを受信してユーザに表示するディスプレイ等の表示装置を有する。
【0029】
印刷装置20は、PC10から送信された印刷ジョブを受信して紙に印刷する機能を有し、印刷ジョブを送信して印刷結果を取り去っていない送信元のPC10や印刷ジョブを直前に送信したPC10に対してメッセージを送信する機能を有する。
【0030】
また、印刷装置20は、内部に印刷履歴情報27を記憶するメモリ23を有する。
【0031】
このように構成される、印刷装置20は、PC10から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブを送信したPC10と印刷履歴情報27に記憶されたPC10とにメッセージを送り、印刷装置20の排紙トレイから印刷物が間違って持って行かれないようにする。
【0032】
次に、印刷装置20の構成について図2を参照して説明を行う。
【0033】
図2は、印刷装置20の構成の概略を示したブロック図である。
【0034】
印刷装置20は、通信回線30に接続されており、通信インタフェース部(以下、通信I/F部と記す)21、制御部22、メモリ23、操作/表示部24、印刷実行部25を備える。
【0035】
通信I/F部21は、通信回線30と接続されており、PC10からの印刷ジョブの受信や、通信回線30に接続されるPC10に対するメッセージの送信などを行う。
【0036】
制御部22は、印刷装置20の統括的な制御を行い、また、機能的な構成として、PC10に送信するメッセージの生成を行うメッセージ生成部26を備える。
【0037】
メモリ23は、受信した印刷ジョブを一時蓄積する処理や、印刷履歴情報27の記憶や、印刷履歴情報27に記憶される印刷履歴の設定の記憶などを行う。
【0038】
印刷履歴情報27には、過去に行われた印刷の履歴が記憶され、所定の時間内に完了した印刷ジョブの印刷履歴或いは所定の数の印刷ジョブの印刷履歴が記憶される。
【0039】
印刷履歴情報27に記憶される印刷履歴の設定とは、上述の所定の時間或いは所定の数のことである。
【0040】
また、メモリ23は、印刷装置20を制御するプログラムが記憶される。
【0041】
操作/表示部24は、ユーザからの指示を受け付けユーザに情報を表示するユーザインタフェースとしての機能を有する。
【0042】
印刷実行部25では、印刷装置20が受信した印刷ジョブを紙に印刷する処理が行われ、印刷実行部25内に備えられる排紙トレイに、印刷された印刷結果が排紙される。
【0043】
次に、印刷履歴情報27について、所定の時間が設定された印刷履歴情報27について図3を参照して説明する。
【0044】
図3は、印刷ジョブが完了してからの時間が所定の時間内にある印刷ジョブの履歴が記録された印刷履歴情報27の内容を示した模式図である。
【0045】
メモリ23に記憶される印刷履歴情報27は、印刷ジョブが完了してからの時間が所定の時間内の印刷ジョブの印刷履歴、或いは、所定の数以下の印刷ジョブの印刷履歴を記憶することができる。
【0046】
そして、図3に示すように、所定の時間内の印刷ジョブが記録された印刷履歴情報27は、印刷完了時間、印刷実行PC、印刷枚数、ユーザ名等の情報が記録される。
【0047】
この場合は所定の時間が20分と設定されて、20分前までに印刷が完了された印刷ジョブの印刷履歴が記憶されている。
【0048】
所定の時間である「n分以内」のnの設定は、ユーザによって自由に行われる。
【0049】
そして、印刷が完了してからの時間がユーザによって設定された所定の時間を過ぎた印刷ジョブに関しては、印刷履歴情報27から削除される。
【0050】
また、所定の時間の設定については、ユーザが印刷装置20の操作/表示部24より所望の時間を入力することで行われる。
【0051】
次に、印刷履歴情報27について、所定の数の印刷ジョブの印刷履歴が記憶されるように設定される印刷履歴情報27について図4を参照して説明する。
【0052】
図4は、所定の数の印刷ジョブの印刷履歴が記憶される印刷履歴情報27の内容を示した模式図である。
【0053】
図4に示すように、所定の数としてN=10が設定された状況で、過去に印刷が行われた印刷ジョブのうち新しい順に10個の印刷ジョブが記録される。
【0054】
この場合はN=10と設定されているので10個の印刷ジョブの印刷履歴が記憶されるが、Nの設定はユーザによって自由に行われ、設定されたNの個数の印刷完了した印刷ジョブの履歴が印刷履歴情報27に記憶される。
【0055】
記録される内容は、番号、印刷実行PC、ユーザ名、印刷枚数等の情報である。
【0056】
また、ユーザに設定された所定の数の印刷ジョブが印刷履歴情報27に記憶された場合には、新しく印刷ジョブが完了次第、印刷履歴情報27に記憶される最も古い印刷ジョブの履歴が削除されて、印刷が完了した印刷ジョブの履歴が印刷履歴情報27に記憶される。
【0057】
また、所定の数の設定については、ユーザが印刷装置20の操作/表示部24より所望の数を入力することで行われる。
【0058】
次に、印刷装置20が印刷ジョブを受信したときに、該印刷ジョブを送信したPC10に対して印刷装置20が送るメッセージについて図5を参照して説明を行う。
【0059】
図5は、印刷装置20が印刷ジョブを受信したときに該印刷ジョブを送信したPC10に対して印刷装置20が送るメッセージであって、PC10の表示部に表示されるメッセージ画面の画面構成図であり、図5(a)は所定の時間が設定された印刷履歴情報27に関するメッセージが送られたメッセージ画面500−1の画面構成図であり、図5(b)は所定の数が設定された印刷履歴情報27に関するメッセージが送られたメッセージ画面500−2の画面構成図である。
【0060】
印刷装置20がPC10から印刷ジョブを受信すると、印刷装置20より印刷ジョブを送信したPC10に対してメッセージが送信される。
【0061】
印刷装置20で記憶する印刷履歴の所定の数が設定された印刷履歴情報27が記憶されたときには、PC10に送信されるメッセージは図5(a)に示すようなメッセージ画面500−1の内容のメッセージである。
【0062】
メッセージ画面500−1には、「送信先の印刷装置で既に以下の印刷が行われています。排紙トレイで印刷結果が混在する可能性があります。」との文面と、メモリ23に記憶されて所定の時間が設定された印刷履歴情報27が表示される。
【0063】
印刷装置20で記憶する印刷履歴の所定の時間が設定された印刷履歴情報27が記憶されたときには、PC10に送信されるメッセージは図5(b)に示すようなメッセージ画面500−2の内容のメッセージである。
【0064】
メッセージ画面500−2には、「送信先の印刷装置で既に以下の印刷が行われています。排紙トレイで印刷結果が混在する可能性があります。」との文面と、メモリ23に記憶されて所定の数が設定された印刷履歴情報27が表示される。
【0065】
このように、新たに印刷ジョブを印刷装置20に送信したPC10に対して、他人の印刷結果と混在するメッセージと印刷履歴情報27を送信することによって、間違って他人の印刷結果を持って帰ってしまう可能性を低減することができる。
【0066】
次に、印刷装置20が印刷ジョブを受信したときに、印刷履歴情報27に記憶されていて、印刷装置20の排紙トレイに印刷結果が残されている可能性のある印刷ジョブを送信したPC10に対して送信されるメッセージについて図6を参照して説明を行う。
【0067】
図6は、印刷履歴情報27に記憶されている印刷履歴の印刷ジョブを送信したPC10に対して印刷装置20から送られるメッセージであって、該PC10の表示部に表示されるメッセージ画面600の画面構成図である。
【0068】
図6に示すように、メッセージ画面600には、「7分前に完了した印刷の5枚の印刷結果は持っていきましたか? YES、NOの返事をして、NOであれば持って行って下さい。」という文面と、それに対する返答であるYESボタン、NOボタンが表示される。
【0069】
このように、過去に印刷ジョブを送信したPC10に対して印刷結果の持ち帰りを促すメッセージを送信することで、新たに印刷ジョブを送信した人が印刷装置20の排紙トレイから印刷結果を間違って持って帰ってしまう可能性を低減させることができる。
【0070】
また、メッセージ画面600よりYESボタン、NOボタンが押下されることで、押下されたボタンに対応する信号が印刷装置20に送信される。
【0071】
YESボタンが押下されると、PC10から印刷装置20に、メッセージ画面600に表示した印刷履歴を示す信号とYESボタンが押下されたことを示す信号とが送信される。
【0072】
信号を受信した印刷装置20では、YESボタンが押下された信号を受信した場合に、共に受信した印刷履歴を示す信号に基づいて、印刷履歴情報27から該当する印刷履歴を削除する。
【0073】
図6に示すメッセージ画面600は、印刷装置20からPC10に送信する時点で印刷履歴情報27に記憶されている印刷履歴に対して、それぞれの印刷履歴の印刷ジョブを送信したPC10に対して送信される。
【0074】
よって、印刷履歴情報27に複数のPC10から送信された印刷ジョブの印刷履歴が記憶されていると、それぞれのPC10に対してそれぞれの印刷履歴に応じたメッセージが送信される。
【0075】
それぞれの印刷履歴に応じたメッセージというのは、それぞれの印刷履歴情報27に記憶される内容が反映されて印刷結果の持ち帰りを促す内容と印刷結果を持って帰ったか否かを尋ねる質問である。
【0076】
次に、印刷履歴情報27に所定の時間が設定された印刷装置20で行われる処理フローについて図7を参照して説明を行う。
【0077】
図7は、印刷履歴情報27に所定の時間が設定された印刷装置20で行われる処理フローについて示したフローチャートである。
【0078】
まず、印刷装置20の操作/表示部24で印刷履歴情報27に記憶される印刷ジョブについての設定が行われる(ステップ701)。
【0079】
この設定は、印刷履歴情報27に記憶させる印刷履歴についての所定の時間の設定である。
【0080】
ユーザは、操作/表示部24に表示される「過去n分以内に印刷を完了した印刷ジョブの履歴を記憶します」という文章にnを入力することで設定を行う。
【0081】
そして、印刷装置20は、印刷ジョブを受信する待ち状態となる(ステップ702)。
【0082】
印刷履歴情報27に、ステップ701で設定された内容から漏れる印刷履歴があると(印刷完了からn分が経過した印刷ジョブの印刷履歴)、印刷ジョブの受信を待っている間にもその印刷履歴は削除される(ステップ702)。
【0083】
なお、ステップ702以外でも、印刷完了からステップ701で設定されたn分が経過した印刷ジョブについては、その印刷履歴は印刷履歴情報27から削除される。
【0084】
そして、PC10より送信された印刷ジョブを受信すると(ステップ703)、印刷装置20は受信した印刷ジョブの印刷を印刷実行部25で開始し(ステップ704)、そして、印刷ジョブを送信したPC10に対して図5(a)を参照して説明したメッセージ画面500−1を送信し(ステップ705)、印刷履歴情報27に記憶されている印刷履歴の印刷ジョブを送信したPC10に対して図6を参照して説明したメッセージ画面600を送信する(ステップ706)。
【0085】
そして、印刷装置20は、印刷結果の持ち帰りを促すメッセージ画面600が送信されたPC10から印刷結果を持ち帰った内容の返信を受信すると(ステップ707でYES)、受信した返信内容に該当する印刷結果が持ち帰られた印刷履歴が印刷履歴情報27より削除される(ステップ708)。
【0086】
そして、ステップ703で受信した印刷ジョブの印刷が完了すると(ステップ709)、完了した印刷ジョブの印刷履歴が印刷履歴情報27に記憶される(ステップ710)。
【0087】
そして、印刷装置20は、印刷ジョブを受け付ける待機状態となる(ステップ702)。
【0088】
次に、印刷履歴情報27に所定の数が設定された印刷装置20で行われる処理フローについて図8を参照して説明を行う。
【0089】
図8は、印刷履歴情報27に所定の数が設定された印刷装置20で行われる処理フローについて示したフローチャートである。
【0090】
まず、印刷装置20の操作/表示部24で印刷履歴情報27に記憶される印刷ジョブについての設定が行われる(ステップ801)。
【0091】
この設定は、印刷履歴情報27に記憶させる印刷履歴の数の設定である。
【0092】
ユーザは、操作/表示部24に表示される「過去に印刷完了したN個の印刷ジョブの履歴を記憶します」という文章のNに任意の自然数を入力することで設定を行う。
【0093】
そして、印刷装置20は、印刷ジョブを受信する待ち状態となる(ステップ802)。
【0094】
そして、PC10より送信された印刷ジョブを受信すると(ステップ803)、印刷装置20は受信した印刷ジョブの印刷を印刷実行部25で開始し(ステップ804)、そして、印刷ジョブを送信したPC10に対して図5(b)を参照して説明したメッセージ画面500−2を送信し(ステップ805)、印刷履歴情報27に記憶されている印刷履歴の印刷ジョブを送信したPC10に対して図6を参照して説明したメッセージ画面600を送信する(ステップ806)。
【0095】
そして、印刷装置20、印刷結果の持ち帰りを促すメッセージ画面600が送信されたPC10から印刷結果を持ち帰った内容の返信を受信すると(ステップ807でYES)、受信した返信内容に該当する印刷結果が持ち帰られた印刷履歴が印刷履歴情報27より削除される(ステップ808)。
【0096】
そして、ステップ803で受信した印刷ジョブの印刷が完了すると(ステップ809)、完了した印刷ジョブの印刷履歴が印刷履歴情報27に記憶される。
【0097】
その際、印刷履歴情報27に記憶されている印刷履歴の数が、既にステップ801で設定された数と同じであれば、印刷が完了して最も時間が経過した印刷ジョブの印刷履歴が削除されて、ステップ809で完了した印刷ジョブの印刷履歴が印刷履歴情報27に記憶されることになる(ステップ810)。
【0098】
そして、印刷装置20は、印刷ジョブを受け付ける待機状態になる(ステップ802)。
【0099】
印刷装置20でこのように処理されることで、印刷ジョブを送信した人には、メッセージ画面500−1或いは500−2により印刷装置20の排紙トレイに残っている印刷結果を知ることができて印刷結果を間違って持って行ってしまう可能性が低減され、また、過去に印刷ジョブを送信して印刷結果を取りに行っていない人は、メッセージ画面600にを受信して印刷結果の持ち出しが促される。
【0100】
なお、印刷装置20でこのような処理を実行するプログラムはメモリ23に記憶される以外に、通信手段に提供されることはもちろん、CDROM等の記録媒体に格納して提供されることも可能である。
【0101】
なお、ステップ707或いは807で説明したPC10からYESボタンが押下された等の信号を受信して行われる処理(ステップ707でYES、708或いはステップ807でYES、808)は、印刷装置20で印刷が行われている間だけではなくそれらの信号を受信した時であればいつの時点で行われても良い。
【0102】
なお、印刷履歴情報27に印刷履歴が記憶されていない場合には、ステップ706或いはステップ806で過去に印刷ジョブを送信したPC10へのメッセージ画面600は送られない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
この発明は、印刷装置において利用可能である。
【0104】
この発明によれば、印刷装置は、印刷依頼を受け付けると、印刷依頼を送信した印刷指示端末に排紙トレイに印刷結果が残っている可能性があることについてメッセージを送信して、排紙トレイで印刷結果が間違って持ち去られることを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】印刷装置20で構成される印刷システムの概略を示した構成図。
【図2】印刷装置20の構成の概略を示すブロック図。
【図3】所定の時間内の印刷履歴が記録される印刷履歴情報27を示す模式図。
【図4】所定の数の印刷履歴が記録される印刷履歴情報27を示す模式図。
【図5】印刷装置20がPC10に送信するメッセージ画面500−1、500−2の画面構成図。
【図6】印刷装置20がPC10に送信するメッセージ画面600の画面構成図。
【図7】所定の時間が設定された印刷履歴情報27を有する印刷装置20の処理フローチャート。
【図8】所定の数が設定された印刷履歴情報27を有する印刷装置20の処理フローチャート。
【符号の説明】
【0106】
10、10−1、10−2、・・・10−n パーソナルコンピュータ
20 印刷装置
21 通信インタフェース
22 制御部
23 メモリ
24 操作/表示部
25 印刷実行部
26 メッセージ生成部
27 印刷履歴情報
30 通信回線
500−1 メッセージ画面
500−2 メッセージ画面
600 メッセージ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と
を具備する印刷装置。
【請求項2】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と
を具備する印刷装置。
【請求項3】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段と
を具備する印刷装置。
【請求項4】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段と
を具備する印刷装置。
【請求項5】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前の所定時間内に実行した印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段と
を具備する印刷装置。
【請求項6】
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブの印刷を実行する印刷実行手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行以前に実行した所定数の印刷ジョブの履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報を前記印刷ジョブの印刷指示端末に送信する送信手段と、
前記印刷実行手段による前記印刷ジョブの実行により前記記憶手段に記憶した前記履歴情報に含まれる印刷ジョブの印刷指示端末に対して印刷物の持ち帰りを促す通知をそれぞれ行う通知手段と
を具備する印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−87364(P2008−87364A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271829(P2006−271829)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】