印刷配線基板の描画装置、描画方法及びコンピュータプログラム
【課題】印刷配線基板の設計から製造・検査工程において、作業者や検査員の負担を軽減し、作業の効率を向上する。
【解決手段】印刷配線基板を製作するための設計データを入力する設計データ入力部2と、前記入力手段によって入力した設計データに基づいて、設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成部4と、表示データ生成部4で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示処理部6と、を備える。
【解決手段】印刷配線基板を製作するための設計データを入力する設計データ入力部2と、前記入力手段によって入力した設計データに基づいて、設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成部4と、表示データ生成部4で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示処理部6と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷配線基板の描画装置、描画方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多層印刷配線基板設計用CADは、複数の層を同時に扱うために、画面上で色分けしたり、ハッチング方向を変えたりして、オペレータが各層を切替ながら設計する手法を採ってきた。このため、専門者でないと見難かったり、錯覚する場合があった。これを回避すべく、例えば特許文献1のように、立体画像を用いた手法が報告されている。その他、例えば特許文献2乃至4のような印刷配線基板設計を改善する技術がある。
【0003】
特許文献1は、多層の各基板に設計された配線データから、多層基板全体の3次元構造イメージを生成し、立体画像を表示する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2は、プリント配線板の層構成の変更に際して、基板レイアウト設計データの層変更に関係する属性値を直接編集するだけで層変更処理を実現できるプリント配線板図面データ変更装置の技術が記載されている。特許文献2の技術は、プリント配線板の層構成の変更内容を層変更指示部によって指示してそれを層変更指示情報記憶部に記憶しておき、基板レイアウト設計データ記憶部に記憶されている基板レイアウト設計データを、この層変更指示情報記憶部に記憶された層構成の変更内容に基づいて層変更処理部で編集する。
【0005】
特許文献3は、1枚のプリント基板中の任意の領域毎に層数が異なる層構造を有するプリント基板の設計を容易に行うための技術が記載されている。特許文献3の技術は、1つのプリント基板中の複数の領域毎に層構造を設定する第1の段階と、上記第1の段階で設定された層構造の層のそれぞれに、層の外形を示す外形形状データを割り付ける第2の段階と、上記第1の段階で設定された層構造の層のそれぞれに、層の設計ルールを示す設計ルールデータを割り付ける第3の段階とを有する。
【0006】
特許文献4は、プリント基板に形成する回路パターンの微細化のために、多ピンの部品における各ピン単位ごとにはんだ不足が生じたり、溶融はんだが大量にソルダレジスト上を移動する現象を抑えて、高い品質の部品実装を行なうための技術が記載されている。特許文献4の技術は、オペレータがディスプレイに表示される画面を見ながらプリント基板を設計するときに、各導体ランドに対して配線パターンが未接線の場合にクリアランスレジスト方式によりソルダレジストを塗布する方式に変更し、各導体ランドに対して配線パターンが結線される場合にオーバレジスト方式によりソルダレジストを塗布する方式に変更する。
【0007】
印刷配線基板を製造又は検査する工程においては、CADのデータを用いた図面を参照したり、実物又はその写真などを用いて作業の確認及び検査が行われている。
【特許文献1】特開平6−60148号公報
【特許文献2】特開2001−325316号公報
【特許文献3】特開2005−135127号公報
【特許文献4】特開2003−249747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷配線基板の設計では、表面配線パターン、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、表面メタルマスク図、表面部品実装図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図、裏面メタルマスク図、裏面部品実装図、穴開け図、さらに多層のPCBの設計データとしては、内層の配線パターンなどの図から必要なものを重ね合わせた状態で見る。基板を作成するには、多数の図を各層に配置し、必要な者のみを重ね合わせて見ることを行う。その際、相互の図が干渉して見えなくならないように、ベタ塗りの部分は通常、ハッチングを施す。また、裏面については、一方向から基板を見るために、通常は、表から透かして見た状態で描かれる。このように、基板アートワークの作成は、専門的な熟練を有する者でないと作業ができない。
【0009】
多層印刷配線基板設計用CADの情報は、このような設計オペレータのみではなく、広く、印刷配線基板を製造する現場や基板に電子部品を実装する基板組み立て現場でも活用できる。しかし、実際にCADで出力される画像はいずれも基板の配線や実装を設計するためのもので専門性が高く、一目で実際の基板の状態が把握できるものはなかった。
【0010】
設計段階においては、製造された基板が実際にどのような形状、外観になるかを表示することができないので、基板のでき栄えを想像することが困難である。また、特許文献1の方法では、オペレータに特殊な眼鏡を身につけさせたり、見方を教えるなどの煩わしさがあった。
【0011】
そして、印刷配線基板を製造又は検査する現場ではCADの画像を用いるために、実物との対比が困難で、製造を行う作業員や検査員の負担になっていた。また、基板の改造などの指示がCADの図面上に記載されるため、実際の改造作業などを理解するのに熟練を要し、改造作業などの誤りを生じる可能性があった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷配線基板の設計から製造・検査工程において、作業者や検査員の負担を軽減し、作業の効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る印刷配線基板の描画装置は、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、前記表示データ生成手段で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
特に、前記表示データ生成手段は、前記印刷基板の設計データの基板外形図、表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図及び穴開け図のデータのうち、少なくとも1つのデータを用いて、前記表示データを生成することを特徴とする。
【0015】
また、前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面メタルマスク図及び/又は裏面メタルマスク図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、クリームハンダを印刷塗布した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする。
【0016】
なお、前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面部品実装図及び/又は裏面部品実装図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、部品を実装した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の観点に係る印刷配線基板の描画方法は、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成ステップと、前記表示データ生成ステップで生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、前記表示データ生成手段で生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の印刷配線基板の描画装置によれば、基板設計において、設計する印刷配線基板の最終状態を表示してその形状を確認できる。そして、実体に近い画像を表示することにより、基板製造又は検査において、作業効率の向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る印刷配線基板の描画装置の一実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態である描画装置1の構成を示すブロック図である。図2は、図1の描画装置の物理的構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
印刷配線基板は狭義には、電子回路の部品を実装していない状態の基板単体(Printed Wiring Board)を指すことがある。電子回路部品を実装した状態の印刷配線基板を、印刷配線回路ともいう。本発明では、基板単体と電子回路部品を実装した状態を含めて、印刷配線基板(Printed Circuit Board:以下、PCB)という。部品を実装していない基板単体のことをPWB(Printed Wiring Board)ともいう。また、部品を実装した(組み立てた)状態の基板のことをPCA(Printed Circuit Assembly)ということがある。PCBはPWBとPCAの総称である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る描画装置1は、設計データ入力部2と、PCBの設計データを格納する設計データ格納部3と、表示データ生成部4と、PCBの外観模擬表示データを格納する表示データ格納部5と、表示処理部6と、表示装置7と、プリンタ装置8とから構成される。
【0023】
プリンタ装置8は、PCBの外観模擬図(以下、模擬図という)を紙などの媒体に印刷するための装置であって、印刷しない場合にはプリンタ装置8は必須ではない。表示装置7は、模擬図を印刷するだけの場合にはなくてもよいが、印刷する前に画像を確認するためには備えておいた方がよい。模擬図を中間調で表示すればモノクロ表示でも識別は可能であるが、表示装置7はカラー表示できることが望ましい。プリンタ装置8もカラー印刷できることが望ましい。
【0024】
本発明に係るPCBの模擬図の描画装置は、PCBの設計データから、その設計データに基づいて製作されるPCBの実物に近い外観を模擬する画像を生成する。
【0025】
設計データ入力部2は、PCBを製作するための設計データを、設計データ格納部3から入力する。PCBの設計データには、PCBの外形図を表す外形図データ、表面の配線パターン図を表す表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、表面メタルマスク図、表面部品実装図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図、裏面メタルマスク図、裏面部品実装図、穴開け図などがある。多層のPCBの設計データとしては、内層の配線パターン図などがあるが、PCBの外観には現れないので、外観の模擬図を描画する場合には用いない。
【0026】
表面又は裏面の配線パターン図は、PCBの表面又は裏面に現れる配線の導体の形状を表す。表面又は裏面のソルダレジスト図は、部品をハンダ付けするランド以外にハンダが流れて付着しないように、溶融したハンダをはじく物質を塗布する部分の形状を表す。表面又は裏面のシルク印刷図は、実装される部品の番号や部品の外形、又は端子の極性などを示す文字又は記号をソルダレジストの上に印刷する内容を表す。表面又は裏面のメタルマスク図は、表面又は裏面に面実装される部品をハンダ付けするために、PCBに印刷塗布されるクリームハンダの印刷塗布されない(クリームハンダが塗布されないようにマスクする)部分を表す。
【0027】
クリームハンダは、微粉末のハンダと液体のフラックスを混ぜてペースト状に練った組成物である。クリームハンダ印刷機で、基板にクリームハンダを塗布する。具体的には、極めて薄いステンレスの板にハンダを塗布する穴が空けられたメタルマスクを基板に当てて、クリームハンダをメタルマスクの上からなすり付けて、穴の部分にクリームハンダを残す。印刷機で塗布されたクリームハンダの上に、部品を所定の位置に乗せ、リフロー炉に通すと、フラックスが蒸発し、ハンダが溶融して部品は基板にハンダ付けされる。
【0028】
クリームハンダが所定の部分からはみ出ていると、ハンダのブリッジを生じる。また、クリームハンダが所定の部分に塗布されていないと、部品はハンダ付けされない。そのため、クリームハンダを塗布した後に基板を検査する。
【0029】
表面又は裏面の部品実装図は、表面又は裏面に実装される部品の配置と形状を表す平面図である。穴開け図は、PCBに実装される部品のリードを通すスルーホール、PCBに部品や他の基板を取り付けるための穴、又はPCB自体を筐体などに取り付けるための穴などのPCBに形成される穴を示す図である。
【0030】
PCBの外形図は、例えばガラスエポキシなどの絶縁体を板状に形成したPCBの基材の外形を表す。外形図のデータは、その他の設計データ、例えば、表面パターン図、穴開け図などに含まれている場合がある。外形図のデータがその他の設計データに含まれている場合は、外形図のみのデータは必要ではない。
【0031】
前記の各設計データは、相互に位置合わせできるように、それぞれ基準となる座標の原点が定められている。また、各設計データの図には、重ね合わせのトンボと呼ばれる十字形の印がつけられており、印刷した図をその印を合わせて重ねて見ることによって、各層の関係を確認することができる。
【0032】
各設計データの画像形式は、ベクタグラフィックス(vector graphics)又はビットマップグラフィックス(bitmap graphics)で表される。ベクタグラフィックスは、画像を点の集合体ではなく、線や面などの図形の集合体として扱う。例えば、穴開け図は工作機械の制御データにするために、ベクタグラフィックスが用いられる。ビットマップグラフィックスは、画像を色のついた点(ドット)の羅列として表現したデータである。
【0033】
画像を表示装置で表示する場合、又はプリンタ装置で印刷する場合には、最終的にはビットマップグラフィックスのデータ形式に変換する。ビットマップグラフィックスの形式には、例えば、GIF(Graphic Interchange Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、BMP(Bit MaP)、PNG(Portable Network Graphics)などがある。
【0034】
本実施の形態の描画装置が用いる設計データは、ベクタグラフィックス又はビットマップグラフィックスのいずれでもよい。設計データがベクタグラフィックスの場合には、設計データ入力部2、表示データ生成部4又は表示処理部6で、ビットマップグラフィクスの形式に変換する。
【0035】
表示データ生成部4は、設計データ入力部2で入力した設計データから、PCBの外観を模擬する画像のデータ(PCB外観模擬表示データ)を生成する。PCB外観模擬表示データには、部品を実装していない単体のPCBすなわちPWBの外観と、クリームハンダを塗布した状態のPWBの外観と、部品を実装した状態のPCBすなわちPCAの外観の、それぞれ表面と裏面の図のデータがある。
【0036】
表示データ生成部4は、生成したPCB外観模擬表示データに基づいて、模擬図を表示装置に表示したりプリンタ装置で印刷するために、表示データ格納部5に格納する。
【0037】
表示処理部6は、PCB外観模擬表示データに基づいて、PCBの外観を模擬する画像を表示装置7に表示する。また、PCBの外観を模擬する画像をプリンタ装置8で印刷する。表示処理部6は、表示装置7とプリンタ装置8の特性に合わせて、PCB外観模擬表示データを変換する。例えば、ベクタグラフィックスのデータをラスタライズしてビットマップグラフィックスに変換し、各ドットをRGBそれぞれのデータに分解する。また、プリンタ装置8で印刷する場合には、プリンタ装置8の特性に合わせて色補正も行う。
【0038】
図1に示す本発明の描画装置1は、ハードウェアとしては図2に示すように、制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16、送受信部17、表示装置7及びプリンタ装置8から構成される。制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16及び送受信部17はいずれも内部バス10を介して制御部11に接続されている。
【0039】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラムに従って、設計データ入力部2と、表示データ生成部4と、表示処理部6の処理を実行する。設計データ入力部2、表示データ生成部4及び表示処理部6は、制御部11とその上で実行されるプログラムで実現される。
【0040】
主記憶部12はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部11の作業領域として用いられる。表示データ格納部5は、主記憶部12の一部に記憶領域の構造体として記憶保持される。
【0041】
外部記憶部13は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部11に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、制御部11の指示に従って、このプログラムのデータを制御部11に供給し、制御部11から供給されたデータを記憶する。PCBの設計データは、外部記憶部13に格納されている場合がある。
【0042】
操作部14は、オペレータが描画装置1に指令を与えるために、キースイッチ、ジョグダイヤル、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、それらを内部バスに接続するインターフェース装置を備える。操作部14を介して、PCBの設計データの選択、PCB外観模擬表示データの生成、PCB外観模擬画像の表示、PCB外観模擬画像の印刷などの指令が入力され、制御部11に供給される。
【0043】
表示装置7は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、操作部14から入力された指令に応じた制御部11の命令によって、PCB外観模擬画像などを表示する。画像表示部15は、表示装置7に表示する画面のデータを、表示装置7を駆動する信号に変換する。
【0044】
印字出力部16は、プリンタ装置と接続するシリアルインタフェース、パラレルインターフェース又はLAN(Local Area Network)インターフェース等から構成されている。制御部11は印字出力部16を介して、プリンタ装置8へ印刷する画像データを出力する。
【0045】
送受信部17は、モデム又は網終端装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェース又はLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。制御部11は、送受信部17を介して、他の機器と通信を行う。PCBの設計データは、図示しない他のサーバ等に格納されている場合がある。その場合、制御部11は送受信部17を介して、ネットワーク(図示せず)を経由して、サーバ等からPCBの設計データを受信する。
【0046】
次に、図1に示す描画装置1が生成するPCB外観模擬表示データの例について、図を参照して説明する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態に係る配線パターン図の加工例を表す。図3の(a)は表面配線パターンの設計データの例である。配線パターンの設計データは、導体の部分が黒、導体のない部分が白の2値の画像データで表される。本実施の形態では配線パターンはTIFFデータで与えられる。
【0048】
図3(b)は、2値の配線パターン図のデータを8ビットカラーに変換し、カラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を−30%、緑を−30%、青を0%として調整したものである。図3(b)では、配線パターン(導体C)以外の部分(基材B)をハッチングで表しているが、カラーの画像では、紫に近い色になる。
【0049】
図3(c)は、図3(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。配線パターン(導体C)の部分がほぼ白くなっている。さらに、カラーバランスを、例えば、赤を0%、緑を−20%、青を−40%に調整して、図3(d)のような画像を得る。図3(d)は、導体Cの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、導体Cの部分は銅箔に近い色である。また、配線パターン以外の部分(基材B)は、ガラスエポキシの色に近い薄い灰緑色になる。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態に係るソルダレジスト図の加工例を表す。図4(a)は、表面のソルダレジスト図を表す設計データである。ソルダレジストを塗布する部分(ソルダレジストR)が白、ソルダレジストRを塗布しない部分が黒の2値のデータで表されている。実際には、黒い部分がソルダレジストRを塗布するマスクになっている。
【0051】
図4(b)は、2値のソルダレジスト図のデータを8ビットカラーに変換し、カラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を−0%、緑を−100%、青を0%として調整したものである。図4(b)では、ソルダレジストRの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、マゼンタに近い色になる。
【0052】
図4(c)は、図4(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。図4(c)では、ソルダレジストRの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、ソルダレジストRのマスク部分は白色、ソルダレジストRの部分は緑色になる。
【0053】
図5は、本発明の実施の形態に係る穴開け図の加工例を表す。図5(a)は、穴開け図を表す設計データである。穴Hを開ける部分が黒で表されている。図5(b)は、穴Hの部分をそのままにして、基板の外形より外側を黒く塗りつぶしたデータである。図5では、穴開け図にPCBの外形図のデータが含まれている場合を示す。穴開け図に外形データが含まれていない場合は、穴開け図と外形図を重ね合わせて、外形より外側を黒く塗りつぶせば同じ図を得ることができる。
【0054】
図6は、本発明の実施の形態に係るシルク印刷図の加工例を表す。図6(a)は、表面のシルク印刷図を表す設計データである。印刷される文字と図形(シルク印刷S)が黒で表されている。図6(b)は、図6(a)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。シルク印刷Sは通常、ソルダレジストの上に白色で印刷されるので、それを模擬するために、印刷される文字と図形などを白色とする。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態に係る印刷配線基板模擬図の例を表す。図7(a)は、図3(d)の表面パターンを加工したデータと、図4(c)の表面ソルダレジストを加工したデータを合成した図を示す。図7(a)では、配線パターン(導体C)とソルダレジストRをそれぞれハッチング等で表しているが、カラーの画像では、PCBのソルダレジストRが塗布された部分が緑色に、導体Cのソルダレジストが塗布されない部分は銅箔に近い色になっている。その結果、図7(a)は、穴開け加工前のPCBの外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0056】
図7(b)は、図7(a)のデータにさらに、図5(b)の穴開け図を加工したデータを合成した図を示す。図7(b)では、PCBの基材と穴部分を区別できるように、穴部分を白で表している(図7(b)の符号H参照)。カラーの画像では、図5(b)で示されるように穴部分を黒色で表現してもよい。図7(a)の穴開け加工前の図に、さらに穴Hの形状が模擬されて示されている。
【0057】
図7(c)は、図7(b)のデータにさらに、図6(b)の表面シルク印刷図を加工したデータを合成した図を示す。穴開け加工した後に、ソルダレジストRの上に白色でシルク印刷Sを施した様子を表しており、PWB表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0058】
PWBの裏面については、設計データの裏面パターン図、裏面ソルダレジスト図、穴開け図及び裏面シルク印刷図をそれぞれ鏡像に変換して、図3乃至図6と同じように加工して合成することによって、PWBの裏面からみた外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0059】
図8は、本発明の実施の形態に係るメタルマスク図の加工例を表す。図8(a)は、表面のメタルマスクMを表す設計データである。メタルマスクされない部分、すなわちクリームハンダが塗布される部分が黒の2値のデータで表されている。図8(b)は、図8(a)の2値のメタルマスク図のデータを8ビットカラーに変換し、明るさとコントラストを調整したデータを表す。例えば、明るさを150、コントラストを0として調整したものである。図8(b)では、クリームハンダLが塗布される部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、クリームハンダに近い灰色になる。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態に係るハンダ塗布後のPWB外観模擬図の例を表す。図9は、図7(c)のデータにさらに、図8(b)のメタルマスク図を加工したデータを合成した図を示す。PWBにクリームハンダLを塗布した様子を表しており、クリームハンダLを塗布した後のPWB表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0061】
PWBの裏面については、裏面メタルマスクのデータを鏡像に変換して、図8と同じように加工した後、PWBの裏面の画像に合成することによって、図9と同様のクリームハンダを塗布した後のPWB裏面の外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態に係る部品実装図の加工例を表す。図10(a)は、表面に実装される部品Pの配置と形状を表す設計データである。部品Pはその外形を示す線で表されている。図10(b)は、2値の部品実装図のデータを8ビットカラーに変換し、部品Pの外側を黒に塗りつぶして、さらにカラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を0%、緑を0%、青を−100%として調整したものである。図10(b)では、部品Pの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では黄色になる。
【0063】
図10(c)は、図10(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。部品以外の部分が白色になる。図10(c)では、部品Pの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では青紫色になる。部品Pを模擬する色としては、特に限定されるものではないが、PWBの各部の色と見分けやすいように、ここでは青紫色としている。
【0064】
図11は、本発明の実施の形態に係る印刷配線基板組み立て模擬図の例を表す。図11は、図9のデータにさらに、図10(b)の部品実装図を加工したデータを合成した図を示す。PWBに部品Pを実装した様子を表しており、部品Pを実装した後のPWB表面、すなわちPCA表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0065】
PCAの裏面については、裏面部品実装図のデータを鏡像に変換して、図10と同じように加工した後、クリームハンダを塗布した後のPWB裏面の外観図のデータに合成することによって、図11と同様のPCA裏面の外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0066】
次に、図1及び2に示す描画装置1の動作を、図12乃至14を参照して説明する。なお、上述のように、描画装置1の動作は、制御部11が主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16及び送受信部17と協働して行う。
【0067】
図12は、印刷配線基板外観模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されてPWB外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップA1)。例えば、外形図、表面パターン図、表面ソルダレジスト図、穴開け図及び表面シルク印刷図のデータを読み込む。
【0068】
設計データ格納部3は、外部記憶部13に置かれている場合は、制御部11は外部記憶部13から設計データを読み込む。また、設計データ格納部3が、他のサーバなどに格納されている場合は、制御部11は送受信部17を介して、ネットワーク(図示せず)を経由して、サーバ等からPCBの設計データを読み込む。
【0069】
図3について説明したように、表面パターン図を加工する(ステップA2)。同様に図4乃至図6について説明したように、表面ソルダレジスト図を加工し(ステップA3)、穴開け図を加工し(ステップA4)、表面シルク印刷図を加工する(ステップA5)。そして、図7について説明したように、加工した各データを合成して、PWB外観模擬図を生成する(ステップA6)。また、生成したPWB外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0070】
生成したPWB外観模擬図のデータに基づいて、PWB外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップA7)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップA8;Yes)、PWB外観模擬図のデータに基づいて、PWB外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップA9)。画像の印刷が指示されなければ(ステップA8;No)、印刷は行わない。
【0071】
図13は、ハンダ印刷塗布模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されてハンダ塗布後のPWB外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップB1)。例えば、表面メタルマスク図のデータを読み込む。
【0072】
ついで、図8について説明したように、表面メタルマスク図のデータを加工する(ステップB2)。図12の動作で生成されたPWB外観模擬図のデータを、表示データ格納部5から読み込む(ステップB3)。そして、図9について説明したように、PWB外観模擬図のデータと加工した表面メタルマスク図のデータを合成して、クリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図を生成する(ステップB4)。また、生成したクリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0073】
生成したハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータに基づいて、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップB5)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップB6;Yes)、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータに基づいて、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップB7)。画像の印刷が指示されなければ(ステップB6;No)、印刷は行わない。
【0074】
図14は、印刷配線基板組み立て模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されて部品実装後のPWB(すなわちPCA)外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップC1)。例えば、表面部品実装図のデータを読み込む。
【0075】
ついで、図10について説明したように、表面部品実装図のデータを加工する(ステップC2)。図13の動作で生成されたクリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータを、表示データ格納部5から読み込む(ステップC3)。そして、図11について説明したように、クリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータと加工した表面部品実装図のデータを合成して、PCA外観模擬図を生成する(ステップC4)。また、生成したPCA外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0076】
生成したPCA外観模擬図のデータに基づいて、PCA外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップC5)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップC6;Yes)、PCA外観模擬図のデータに基づいて、PCA外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップC7)。画像の印刷が指示されなければ(ステップC6;No)、印刷は行わない。
【0077】
以上説明したとおり、PCBの設計データを加工・合成して、PWBの外観を模擬する画像、クリームハンダを塗布した後のPWBの外観を模擬する画像、又は部品を実装した後のPWBの外観を模擬する画像を得る。さらに、PCBの外観を模擬する画像に、PCBの改造指示などの情報を追加することによって、改造などの作業指示図面とすることができる。
【0078】
本発明の描画装置1によれば、印刷配線基板の設計データから、その設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成し、その表示データに基づいて画像を表示装置7に表示し、また、プリンタ装置8で印刷することができる。その結果、基板設計において、設計する印刷配線基板の最終状態を表示してその形状を確認できる。そして、実体に近い印刷配線基板の画像を表示することにより、基板製造又は検査において、作業効率の向上が期待できる。
【0079】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。例えば、図12から図14のフローチャートの動作を連続に行うことによって、PWB外観を模擬する画像の表示を省略して、PCA外観を模擬する画像のみを表示してもよい。
【0080】
制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16、内部バス10などから構成されるPCB外観模擬図生成処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する描画装置を構成してもよい。基板設計を行うCAD装置に前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムをインストールすることにより、前記の処理を実行する描画装置を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで描画装置1を構成してもよい。
【0081】
また、描画装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0082】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る描画装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る描画装置の物理的構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る配線パターンの加工例を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るソルダレジスト図の加工例を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る穴開け図の加工例を表す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシルク印刷図の加工例を表す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る印刷配線基板模擬図の例を表す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るメタルマスク図の加工例を表す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るハンダ塗布後のPWB外観模擬図の例を表す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る部品実装図の加工例を表す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る印刷配線基板組み立て模擬図の例を表す図である。
【図12】印刷配線基板外観模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【図13】ハンダ印刷塗布模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【図14】印刷配線基板組み立て模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 描画装置
2 設計データ入力部(入力手段)
3 設計データ格納部
4 表示データ生成部(表示データ生成手段)
5 表示データ格納部
6 表示処理部(表示手段)
7 表示装置(表示手段)
8 プリンタ装置(表示手段)
10 内部バス
11 制御部(入力手段、表示データ生成手段)
12 主記憶部
13 外部記憶部
14 操作部
15 画像表示部(表示手段)
16 印字出力部(表示手段)
17 送受信部(入力手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷配線基板の描画装置、描画方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多層印刷配線基板設計用CADは、複数の層を同時に扱うために、画面上で色分けしたり、ハッチング方向を変えたりして、オペレータが各層を切替ながら設計する手法を採ってきた。このため、専門者でないと見難かったり、錯覚する場合があった。これを回避すべく、例えば特許文献1のように、立体画像を用いた手法が報告されている。その他、例えば特許文献2乃至4のような印刷配線基板設計を改善する技術がある。
【0003】
特許文献1は、多層の各基板に設計された配線データから、多層基板全体の3次元構造イメージを生成し、立体画像を表示する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2は、プリント配線板の層構成の変更に際して、基板レイアウト設計データの層変更に関係する属性値を直接編集するだけで層変更処理を実現できるプリント配線板図面データ変更装置の技術が記載されている。特許文献2の技術は、プリント配線板の層構成の変更内容を層変更指示部によって指示してそれを層変更指示情報記憶部に記憶しておき、基板レイアウト設計データ記憶部に記憶されている基板レイアウト設計データを、この層変更指示情報記憶部に記憶された層構成の変更内容に基づいて層変更処理部で編集する。
【0005】
特許文献3は、1枚のプリント基板中の任意の領域毎に層数が異なる層構造を有するプリント基板の設計を容易に行うための技術が記載されている。特許文献3の技術は、1つのプリント基板中の複数の領域毎に層構造を設定する第1の段階と、上記第1の段階で設定された層構造の層のそれぞれに、層の外形を示す外形形状データを割り付ける第2の段階と、上記第1の段階で設定された層構造の層のそれぞれに、層の設計ルールを示す設計ルールデータを割り付ける第3の段階とを有する。
【0006】
特許文献4は、プリント基板に形成する回路パターンの微細化のために、多ピンの部品における各ピン単位ごとにはんだ不足が生じたり、溶融はんだが大量にソルダレジスト上を移動する現象を抑えて、高い品質の部品実装を行なうための技術が記載されている。特許文献4の技術は、オペレータがディスプレイに表示される画面を見ながらプリント基板を設計するときに、各導体ランドに対して配線パターンが未接線の場合にクリアランスレジスト方式によりソルダレジストを塗布する方式に変更し、各導体ランドに対して配線パターンが結線される場合にオーバレジスト方式によりソルダレジストを塗布する方式に変更する。
【0007】
印刷配線基板を製造又は検査する工程においては、CADのデータを用いた図面を参照したり、実物又はその写真などを用いて作業の確認及び検査が行われている。
【特許文献1】特開平6−60148号公報
【特許文献2】特開2001−325316号公報
【特許文献3】特開2005−135127号公報
【特許文献4】特開2003−249747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷配線基板の設計では、表面配線パターン、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、表面メタルマスク図、表面部品実装図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図、裏面メタルマスク図、裏面部品実装図、穴開け図、さらに多層のPCBの設計データとしては、内層の配線パターンなどの図から必要なものを重ね合わせた状態で見る。基板を作成するには、多数の図を各層に配置し、必要な者のみを重ね合わせて見ることを行う。その際、相互の図が干渉して見えなくならないように、ベタ塗りの部分は通常、ハッチングを施す。また、裏面については、一方向から基板を見るために、通常は、表から透かして見た状態で描かれる。このように、基板アートワークの作成は、専門的な熟練を有する者でないと作業ができない。
【0009】
多層印刷配線基板設計用CADの情報は、このような設計オペレータのみではなく、広く、印刷配線基板を製造する現場や基板に電子部品を実装する基板組み立て現場でも活用できる。しかし、実際にCADで出力される画像はいずれも基板の配線や実装を設計するためのもので専門性が高く、一目で実際の基板の状態が把握できるものはなかった。
【0010】
設計段階においては、製造された基板が実際にどのような形状、外観になるかを表示することができないので、基板のでき栄えを想像することが困難である。また、特許文献1の方法では、オペレータに特殊な眼鏡を身につけさせたり、見方を教えるなどの煩わしさがあった。
【0011】
そして、印刷配線基板を製造又は検査する現場ではCADの画像を用いるために、実物との対比が困難で、製造を行う作業員や検査員の負担になっていた。また、基板の改造などの指示がCADの図面上に記載されるため、実際の改造作業などを理解するのに熟練を要し、改造作業などの誤りを生じる可能性があった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷配線基板の設計から製造・検査工程において、作業者や検査員の負担を軽減し、作業の効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る印刷配線基板の描画装置は、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、前記表示データ生成手段で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
特に、前記表示データ生成手段は、前記印刷基板の設計データの基板外形図、表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図及び穴開け図のデータのうち、少なくとも1つのデータを用いて、前記表示データを生成することを特徴とする。
【0015】
また、前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面メタルマスク図及び/又は裏面メタルマスク図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、クリームハンダを印刷塗布した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする。
【0016】
なお、前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面部品実装図及び/又は裏面部品実装図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、部品を実装した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の観点に係る印刷配線基板の描画方法は、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成ステップと、前記表示データ生成ステップで生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、前記表示データ生成手段で生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の印刷配線基板の描画装置によれば、基板設計において、設計する印刷配線基板の最終状態を表示してその形状を確認できる。そして、実体に近い画像を表示することにより、基板製造又は検査において、作業効率の向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る印刷配線基板の描画装置の一実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態である描画装置1の構成を示すブロック図である。図2は、図1の描画装置の物理的構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
印刷配線基板は狭義には、電子回路の部品を実装していない状態の基板単体(Printed Wiring Board)を指すことがある。電子回路部品を実装した状態の印刷配線基板を、印刷配線回路ともいう。本発明では、基板単体と電子回路部品を実装した状態を含めて、印刷配線基板(Printed Circuit Board:以下、PCB)という。部品を実装していない基板単体のことをPWB(Printed Wiring Board)ともいう。また、部品を実装した(組み立てた)状態の基板のことをPCA(Printed Circuit Assembly)ということがある。PCBはPWBとPCAの総称である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る描画装置1は、設計データ入力部2と、PCBの設計データを格納する設計データ格納部3と、表示データ生成部4と、PCBの外観模擬表示データを格納する表示データ格納部5と、表示処理部6と、表示装置7と、プリンタ装置8とから構成される。
【0023】
プリンタ装置8は、PCBの外観模擬図(以下、模擬図という)を紙などの媒体に印刷するための装置であって、印刷しない場合にはプリンタ装置8は必須ではない。表示装置7は、模擬図を印刷するだけの場合にはなくてもよいが、印刷する前に画像を確認するためには備えておいた方がよい。模擬図を中間調で表示すればモノクロ表示でも識別は可能であるが、表示装置7はカラー表示できることが望ましい。プリンタ装置8もカラー印刷できることが望ましい。
【0024】
本発明に係るPCBの模擬図の描画装置は、PCBの設計データから、その設計データに基づいて製作されるPCBの実物に近い外観を模擬する画像を生成する。
【0025】
設計データ入力部2は、PCBを製作するための設計データを、設計データ格納部3から入力する。PCBの設計データには、PCBの外形図を表す外形図データ、表面の配線パターン図を表す表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、表面メタルマスク図、表面部品実装図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図、裏面メタルマスク図、裏面部品実装図、穴開け図などがある。多層のPCBの設計データとしては、内層の配線パターン図などがあるが、PCBの外観には現れないので、外観の模擬図を描画する場合には用いない。
【0026】
表面又は裏面の配線パターン図は、PCBの表面又は裏面に現れる配線の導体の形状を表す。表面又は裏面のソルダレジスト図は、部品をハンダ付けするランド以外にハンダが流れて付着しないように、溶融したハンダをはじく物質を塗布する部分の形状を表す。表面又は裏面のシルク印刷図は、実装される部品の番号や部品の外形、又は端子の極性などを示す文字又は記号をソルダレジストの上に印刷する内容を表す。表面又は裏面のメタルマスク図は、表面又は裏面に面実装される部品をハンダ付けするために、PCBに印刷塗布されるクリームハンダの印刷塗布されない(クリームハンダが塗布されないようにマスクする)部分を表す。
【0027】
クリームハンダは、微粉末のハンダと液体のフラックスを混ぜてペースト状に練った組成物である。クリームハンダ印刷機で、基板にクリームハンダを塗布する。具体的には、極めて薄いステンレスの板にハンダを塗布する穴が空けられたメタルマスクを基板に当てて、クリームハンダをメタルマスクの上からなすり付けて、穴の部分にクリームハンダを残す。印刷機で塗布されたクリームハンダの上に、部品を所定の位置に乗せ、リフロー炉に通すと、フラックスが蒸発し、ハンダが溶融して部品は基板にハンダ付けされる。
【0028】
クリームハンダが所定の部分からはみ出ていると、ハンダのブリッジを生じる。また、クリームハンダが所定の部分に塗布されていないと、部品はハンダ付けされない。そのため、クリームハンダを塗布した後に基板を検査する。
【0029】
表面又は裏面の部品実装図は、表面又は裏面に実装される部品の配置と形状を表す平面図である。穴開け図は、PCBに実装される部品のリードを通すスルーホール、PCBに部品や他の基板を取り付けるための穴、又はPCB自体を筐体などに取り付けるための穴などのPCBに形成される穴を示す図である。
【0030】
PCBの外形図は、例えばガラスエポキシなどの絶縁体を板状に形成したPCBの基材の外形を表す。外形図のデータは、その他の設計データ、例えば、表面パターン図、穴開け図などに含まれている場合がある。外形図のデータがその他の設計データに含まれている場合は、外形図のみのデータは必要ではない。
【0031】
前記の各設計データは、相互に位置合わせできるように、それぞれ基準となる座標の原点が定められている。また、各設計データの図には、重ね合わせのトンボと呼ばれる十字形の印がつけられており、印刷した図をその印を合わせて重ねて見ることによって、各層の関係を確認することができる。
【0032】
各設計データの画像形式は、ベクタグラフィックス(vector graphics)又はビットマップグラフィックス(bitmap graphics)で表される。ベクタグラフィックスは、画像を点の集合体ではなく、線や面などの図形の集合体として扱う。例えば、穴開け図は工作機械の制御データにするために、ベクタグラフィックスが用いられる。ビットマップグラフィックスは、画像を色のついた点(ドット)の羅列として表現したデータである。
【0033】
画像を表示装置で表示する場合、又はプリンタ装置で印刷する場合には、最終的にはビットマップグラフィックスのデータ形式に変換する。ビットマップグラフィックスの形式には、例えば、GIF(Graphic Interchange Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、BMP(Bit MaP)、PNG(Portable Network Graphics)などがある。
【0034】
本実施の形態の描画装置が用いる設計データは、ベクタグラフィックス又はビットマップグラフィックスのいずれでもよい。設計データがベクタグラフィックスの場合には、設計データ入力部2、表示データ生成部4又は表示処理部6で、ビットマップグラフィクスの形式に変換する。
【0035】
表示データ生成部4は、設計データ入力部2で入力した設計データから、PCBの外観を模擬する画像のデータ(PCB外観模擬表示データ)を生成する。PCB外観模擬表示データには、部品を実装していない単体のPCBすなわちPWBの外観と、クリームハンダを塗布した状態のPWBの外観と、部品を実装した状態のPCBすなわちPCAの外観の、それぞれ表面と裏面の図のデータがある。
【0036】
表示データ生成部4は、生成したPCB外観模擬表示データに基づいて、模擬図を表示装置に表示したりプリンタ装置で印刷するために、表示データ格納部5に格納する。
【0037】
表示処理部6は、PCB外観模擬表示データに基づいて、PCBの外観を模擬する画像を表示装置7に表示する。また、PCBの外観を模擬する画像をプリンタ装置8で印刷する。表示処理部6は、表示装置7とプリンタ装置8の特性に合わせて、PCB外観模擬表示データを変換する。例えば、ベクタグラフィックスのデータをラスタライズしてビットマップグラフィックスに変換し、各ドットをRGBそれぞれのデータに分解する。また、プリンタ装置8で印刷する場合には、プリンタ装置8の特性に合わせて色補正も行う。
【0038】
図1に示す本発明の描画装置1は、ハードウェアとしては図2に示すように、制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16、送受信部17、表示装置7及びプリンタ装置8から構成される。制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16及び送受信部17はいずれも内部バス10を介して制御部11に接続されている。
【0039】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラムに従って、設計データ入力部2と、表示データ生成部4と、表示処理部6の処理を実行する。設計データ入力部2、表示データ生成部4及び表示処理部6は、制御部11とその上で実行されるプログラムで実現される。
【0040】
主記憶部12はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部11の作業領域として用いられる。表示データ格納部5は、主記憶部12の一部に記憶領域の構造体として記憶保持される。
【0041】
外部記憶部13は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部11に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、制御部11の指示に従って、このプログラムのデータを制御部11に供給し、制御部11から供給されたデータを記憶する。PCBの設計データは、外部記憶部13に格納されている場合がある。
【0042】
操作部14は、オペレータが描画装置1に指令を与えるために、キースイッチ、ジョグダイヤル、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、それらを内部バスに接続するインターフェース装置を備える。操作部14を介して、PCBの設計データの選択、PCB外観模擬表示データの生成、PCB外観模擬画像の表示、PCB外観模擬画像の印刷などの指令が入力され、制御部11に供給される。
【0043】
表示装置7は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、操作部14から入力された指令に応じた制御部11の命令によって、PCB外観模擬画像などを表示する。画像表示部15は、表示装置7に表示する画面のデータを、表示装置7を駆動する信号に変換する。
【0044】
印字出力部16は、プリンタ装置と接続するシリアルインタフェース、パラレルインターフェース又はLAN(Local Area Network)インターフェース等から構成されている。制御部11は印字出力部16を介して、プリンタ装置8へ印刷する画像データを出力する。
【0045】
送受信部17は、モデム又は網終端装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェース又はLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。制御部11は、送受信部17を介して、他の機器と通信を行う。PCBの設計データは、図示しない他のサーバ等に格納されている場合がある。その場合、制御部11は送受信部17を介して、ネットワーク(図示せず)を経由して、サーバ等からPCBの設計データを受信する。
【0046】
次に、図1に示す描画装置1が生成するPCB外観模擬表示データの例について、図を参照して説明する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態に係る配線パターン図の加工例を表す。図3の(a)は表面配線パターンの設計データの例である。配線パターンの設計データは、導体の部分が黒、導体のない部分が白の2値の画像データで表される。本実施の形態では配線パターンはTIFFデータで与えられる。
【0048】
図3(b)は、2値の配線パターン図のデータを8ビットカラーに変換し、カラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を−30%、緑を−30%、青を0%として調整したものである。図3(b)では、配線パターン(導体C)以外の部分(基材B)をハッチングで表しているが、カラーの画像では、紫に近い色になる。
【0049】
図3(c)は、図3(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。配線パターン(導体C)の部分がほぼ白くなっている。さらに、カラーバランスを、例えば、赤を0%、緑を−20%、青を−40%に調整して、図3(d)のような画像を得る。図3(d)は、導体Cの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、導体Cの部分は銅箔に近い色である。また、配線パターン以外の部分(基材B)は、ガラスエポキシの色に近い薄い灰緑色になる。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態に係るソルダレジスト図の加工例を表す。図4(a)は、表面のソルダレジスト図を表す設計データである。ソルダレジストを塗布する部分(ソルダレジストR)が白、ソルダレジストRを塗布しない部分が黒の2値のデータで表されている。実際には、黒い部分がソルダレジストRを塗布するマスクになっている。
【0051】
図4(b)は、2値のソルダレジスト図のデータを8ビットカラーに変換し、カラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を−0%、緑を−100%、青を0%として調整したものである。図4(b)では、ソルダレジストRの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、マゼンタに近い色になる。
【0052】
図4(c)は、図4(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。図4(c)では、ソルダレジストRの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、ソルダレジストRのマスク部分は白色、ソルダレジストRの部分は緑色になる。
【0053】
図5は、本発明の実施の形態に係る穴開け図の加工例を表す。図5(a)は、穴開け図を表す設計データである。穴Hを開ける部分が黒で表されている。図5(b)は、穴Hの部分をそのままにして、基板の外形より外側を黒く塗りつぶしたデータである。図5では、穴開け図にPCBの外形図のデータが含まれている場合を示す。穴開け図に外形データが含まれていない場合は、穴開け図と外形図を重ね合わせて、外形より外側を黒く塗りつぶせば同じ図を得ることができる。
【0054】
図6は、本発明の実施の形態に係るシルク印刷図の加工例を表す。図6(a)は、表面のシルク印刷図を表す設計データである。印刷される文字と図形(シルク印刷S)が黒で表されている。図6(b)は、図6(a)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。シルク印刷Sは通常、ソルダレジストの上に白色で印刷されるので、それを模擬するために、印刷される文字と図形などを白色とする。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態に係る印刷配線基板模擬図の例を表す。図7(a)は、図3(d)の表面パターンを加工したデータと、図4(c)の表面ソルダレジストを加工したデータを合成した図を示す。図7(a)では、配線パターン(導体C)とソルダレジストRをそれぞれハッチング等で表しているが、カラーの画像では、PCBのソルダレジストRが塗布された部分が緑色に、導体Cのソルダレジストが塗布されない部分は銅箔に近い色になっている。その結果、図7(a)は、穴開け加工前のPCBの外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0056】
図7(b)は、図7(a)のデータにさらに、図5(b)の穴開け図を加工したデータを合成した図を示す。図7(b)では、PCBの基材と穴部分を区別できるように、穴部分を白で表している(図7(b)の符号H参照)。カラーの画像では、図5(b)で示されるように穴部分を黒色で表現してもよい。図7(a)の穴開け加工前の図に、さらに穴Hの形状が模擬されて示されている。
【0057】
図7(c)は、図7(b)のデータにさらに、図6(b)の表面シルク印刷図を加工したデータを合成した図を示す。穴開け加工した後に、ソルダレジストRの上に白色でシルク印刷Sを施した様子を表しており、PWB表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0058】
PWBの裏面については、設計データの裏面パターン図、裏面ソルダレジスト図、穴開け図及び裏面シルク印刷図をそれぞれ鏡像に変換して、図3乃至図6と同じように加工して合成することによって、PWBの裏面からみた外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0059】
図8は、本発明の実施の形態に係るメタルマスク図の加工例を表す。図8(a)は、表面のメタルマスクMを表す設計データである。メタルマスクされない部分、すなわちクリームハンダが塗布される部分が黒の2値のデータで表されている。図8(b)は、図8(a)の2値のメタルマスク図のデータを8ビットカラーに変換し、明るさとコントラストを調整したデータを表す。例えば、明るさを150、コントラストを0として調整したものである。図8(b)では、クリームハンダLが塗布される部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では、クリームハンダに近い灰色になる。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態に係るハンダ塗布後のPWB外観模擬図の例を表す。図9は、図7(c)のデータにさらに、図8(b)のメタルマスク図を加工したデータを合成した図を示す。PWBにクリームハンダLを塗布した様子を表しており、クリームハンダLを塗布した後のPWB表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0061】
PWBの裏面については、裏面メタルマスクのデータを鏡像に変換して、図8と同じように加工した後、PWBの裏面の画像に合成することによって、図9と同様のクリームハンダを塗布した後のPWB裏面の外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態に係る部品実装図の加工例を表す。図10(a)は、表面に実装される部品Pの配置と形状を表す設計データである。部品Pはその外形を示す線で表されている。図10(b)は、2値の部品実装図のデータを8ビットカラーに変換し、部品Pの外側を黒に塗りつぶして、さらにカラーバランスを調整したデータを表す。例えば、赤を0%、緑を0%、青を−100%として調整したものである。図10(b)では、部品Pの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では黄色になる。
【0063】
図10(c)は、図10(b)のデータをネガティブ画像に変換したデータを表す。部品以外の部分が白色になる。図10(c)では、部品Pの部分をハッチングで表しているが、カラーの画像では青紫色になる。部品Pを模擬する色としては、特に限定されるものではないが、PWBの各部の色と見分けやすいように、ここでは青紫色としている。
【0064】
図11は、本発明の実施の形態に係る印刷配線基板組み立て模擬図の例を表す。図11は、図9のデータにさらに、図10(b)の部品実装図を加工したデータを合成した図を示す。PWBに部品Pを実装した様子を表しており、部品Pを実装した後のPWB表面、すなわちPCA表面の外観の形状と色を模擬した図になっている。
【0065】
PCAの裏面については、裏面部品実装図のデータを鏡像に変換して、図10と同じように加工した後、クリームハンダを塗布した後のPWB裏面の外観図のデータに合成することによって、図11と同様のPCA裏面の外観の形状と色を模擬した図を得ることができる。
【0066】
次に、図1及び2に示す描画装置1の動作を、図12乃至14を参照して説明する。なお、上述のように、描画装置1の動作は、制御部11が主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16及び送受信部17と協働して行う。
【0067】
図12は、印刷配線基板外観模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されてPWB外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップA1)。例えば、外形図、表面パターン図、表面ソルダレジスト図、穴開け図及び表面シルク印刷図のデータを読み込む。
【0068】
設計データ格納部3は、外部記憶部13に置かれている場合は、制御部11は外部記憶部13から設計データを読み込む。また、設計データ格納部3が、他のサーバなどに格納されている場合は、制御部11は送受信部17を介して、ネットワーク(図示せず)を経由して、サーバ等からPCBの設計データを読み込む。
【0069】
図3について説明したように、表面パターン図を加工する(ステップA2)。同様に図4乃至図6について説明したように、表面ソルダレジスト図を加工し(ステップA3)、穴開け図を加工し(ステップA4)、表面シルク印刷図を加工する(ステップA5)。そして、図7について説明したように、加工した各データを合成して、PWB外観模擬図を生成する(ステップA6)。また、生成したPWB外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0070】
生成したPWB外観模擬図のデータに基づいて、PWB外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップA7)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップA8;Yes)、PWB外観模擬図のデータに基づいて、PWB外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップA9)。画像の印刷が指示されなければ(ステップA8;No)、印刷は行わない。
【0071】
図13は、ハンダ印刷塗布模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されてハンダ塗布後のPWB外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップB1)。例えば、表面メタルマスク図のデータを読み込む。
【0072】
ついで、図8について説明したように、表面メタルマスク図のデータを加工する(ステップB2)。図12の動作で生成されたPWB外観模擬図のデータを、表示データ格納部5から読み込む(ステップB3)。そして、図9について説明したように、PWB外観模擬図のデータと加工した表面メタルマスク図のデータを合成して、クリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図を生成する(ステップB4)。また、生成したクリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0073】
生成したハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータに基づいて、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップB5)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップB6;Yes)、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータに基づいて、ハンダ塗布後のPWB外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップB7)。画像の印刷が指示されなければ(ステップB6;No)、印刷は行わない。
【0074】
図14は、印刷配線基板組み立て模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。描画装置1は、PCBの設計データが選択されて部品実装後のPWB(すなわちPCA)外観模擬図を生成する指令が与えられると、制御部11は設計データ格納部3から、選択されたPCBの設計データのうち、必要な設計データを読み込む(ステップC1)。例えば、表面部品実装図のデータを読み込む。
【0075】
ついで、図10について説明したように、表面部品実装図のデータを加工する(ステップC2)。図13の動作で生成されたクリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータを、表示データ格納部5から読み込む(ステップC3)。そして、図11について説明したように、クリームハンダ塗布後のPWB外観模擬図のデータと加工した表面部品実装図のデータを合成して、PCA外観模擬図を生成する(ステップC4)。また、生成したPCA外観模擬図のデータを表示データ格納部5に格納する。
【0076】
生成したPCA外観模擬図のデータに基づいて、PCA外観模擬図の画像を表示装置7に表示する(ステップC5)。さらに、画像の印刷が指示されれば(ステップC6;Yes)、PCA外観模擬図のデータに基づいて、PCA外観模擬図の画像をプリンタ装置8で印刷する(ステップC7)。画像の印刷が指示されなければ(ステップC6;No)、印刷は行わない。
【0077】
以上説明したとおり、PCBの設計データを加工・合成して、PWBの外観を模擬する画像、クリームハンダを塗布した後のPWBの外観を模擬する画像、又は部品を実装した後のPWBの外観を模擬する画像を得る。さらに、PCBの外観を模擬する画像に、PCBの改造指示などの情報を追加することによって、改造などの作業指示図面とすることができる。
【0078】
本発明の描画装置1によれば、印刷配線基板の設計データから、その設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成し、その表示データに基づいて画像を表示装置7に表示し、また、プリンタ装置8で印刷することができる。その結果、基板設計において、設計する印刷配線基板の最終状態を表示してその形状を確認できる。そして、実体に近い印刷配線基板の画像を表示することにより、基板製造又は検査において、作業効率の向上が期待できる。
【0079】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。例えば、図12から図14のフローチャートの動作を連続に行うことによって、PWB外観を模擬する画像の表示を省略して、PCA外観を模擬する画像のみを表示してもよい。
【0080】
制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部14、画像表示部15、印字出力部16、内部バス10などから構成されるPCB外観模擬図生成処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する描画装置を構成してもよい。基板設計を行うCAD装置に前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムをインストールすることにより、前記の処理を実行する描画装置を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで描画装置1を構成してもよい。
【0081】
また、描画装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0082】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る描画装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る描画装置の物理的構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る配線パターンの加工例を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るソルダレジスト図の加工例を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る穴開け図の加工例を表す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシルク印刷図の加工例を表す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る印刷配線基板模擬図の例を表す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るメタルマスク図の加工例を表す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るハンダ塗布後のPWB外観模擬図の例を表す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る部品実装図の加工例を表す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る印刷配線基板組み立て模擬図の例を表す図である。
【図12】印刷配線基板外観模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【図13】ハンダ印刷塗布模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【図14】印刷配線基板組み立て模擬図作成の動作の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 描画装置
2 設計データ入力部(入力手段)
3 設計データ格納部
4 表示データ生成部(表示データ生成手段)
5 表示データ格納部
6 表示処理部(表示手段)
7 表示装置(表示手段)
8 プリンタ装置(表示手段)
10 内部バス
11 制御部(入力手段、表示データ生成手段)
12 主記憶部
13 外部記憶部
14 操作部
15 画像表示部(表示手段)
16 印字出力部(表示手段)
17 送受信部(入力手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする印刷配線基板の描画装置。
【請求項2】
前記表示データ生成手段は、前記印刷基板の設計データの基板外形図、表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図及び穴開け図のデータのうち、少なくとも1つのデータを用いて、前記表示データを生成することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
【請求項3】
前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面メタルマスク図及び/又は裏面メタルマスク図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、クリームハンダを印刷塗布した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
【請求項4】
前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面部品実装図及び/又は裏面部品実装図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、部品を実装した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
【請求項5】
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成ステップと、
前記表示データ生成ステップで生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする印刷配線基板の描画方法。
【請求項6】
コンピュータを、
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段で生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段で生成した印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする印刷配線基板の描画装置。
【請求項2】
前記表示データ生成手段は、前記印刷基板の設計データの基板外形図、表面配線パターン図、表面ソルダレジスト図、表面シルク印刷図、裏面配線パターン図、裏面ソルダレジスト図、裏面シルク印刷図及び穴開け図のデータのうち、少なくとも1つのデータを用いて、前記表示データを生成することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
【請求項3】
前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面メタルマスク図及び/又は裏面メタルマスク図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、クリームハンダを印刷塗布した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
【請求項4】
前記表示データ生成手段は、さらに前記設計データの表面部品実装図及び/又は裏面部品実装図のデータに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の、部品を実装した後の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
【請求項5】
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成ステップと、
前記表示データ生成ステップで生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする印刷配線基板の描画方法。
【請求項6】
コンピュータを、
印刷配線基板を製作するための設計データを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した前記設計データに基づいて、前記設計データを用いて製作される印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図の表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段で生成された印刷配線基板の外観を模擬する図の表示データを用いて、前記印刷配線基板の外観の模様と色を模擬する図を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2007−242987(P2007−242987A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65327(P2006−65327)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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