説明

印字ラベル作成装置

【課題】ラベル作成時における、搬送力不足による搬送不良の発生を確実に防止する。
【解決手段】テープ送りローラ27の円周長Wの1/4、タグテープ101のテープ搬送方向に沿ったローラ中心Oから切断手段までの距離Zに対し、IC保持体92の搬送方向後端部から切断手段の位置までの距離YをZ+(W/4)>Yが満たされるように、無線タグカートリッジ、カートリッジホルダ、切断手段を構成、配置する。そしてテープ送りローラ27、切断手段を連携して制御し、搬送を停止した切断手段の切断時に、IC保持体92の搬送方向全部がテープ送りローラ27の外周部に沿って円弧状に接触した状態となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ回路素子を備えたタグテープに印字を行い、印字つきの無線タグラベルを作成するための印字ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を記憶する無線タグ回路素子に対し非接触で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
例えば、このような無線タグ回路素子に対し情報の送受信を行い無線タグラベルの作成を行うタグラベル作成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、無線タグラベルを作成する際には、2つのテープロールを備えた無線タグカートリッジ(タグラベル作成装置用カートリッジ)を装着し、2つのテープを貼り合わせた貼り合わせテープ(印字済みタグラベル用テープ)を用いて作成を行う。すなわち、無線タグカートリッジをカートリッジホルダに装着すると、搬送手段による搬送によってタグテープロールからタグテープ(基材テープ)が繰り出されると共に、被印字テープロールから被印字テープ(カバーフィルム)が繰り出される。これらタグテープと被印字テープとは、カートリッジ側に備えられた押圧ローラ(圧着ローラ)によって押圧されて(タグラベル作成装置側のサブローラも協働する)互いに貼り合わされ、貼り合わせテープが形成される。このとき、上記搬送中には、印字手段(印字ヘッド)によって被印字テープに所定の印字が形成される。その後、所定の搬送方向位置まで貼り合わせテープが搬送されたら、貼り合わせテープが切断手段(カッタ)によって切断され(この切断位置が無線タグラベルの搬送方向後端部となる)、これによって所定長さの印字付きの無線タグラベルが連続的に生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−323735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、前述のようにして1つの無線タグラベルが(貼り合わせテープの後端部が切断されることによって)完成したとき、次の無線タグラベルを作成するための貼り合わせテープが、上記切断された箇所を搬送方向先端部として、貼り合わせ前のタグテープ及び被印字テープとともに後続して停止した状態となっている。ここで、前述したように、被印字テープは、搬送時においては、被印字テープロール内に巻回された状態→被印字テープロールから繰り出された状態→押圧ローラで(タグテープと)貼り合わされて貼り合わせテープの一部へ→・・、という挙動となる。同様に、タグテープは、搬送時においては、タグテープロール内に巻回された状態→タグテープロールから繰り出された状態→押圧ローラで(被印字テープと)貼り合わされて貼り合わせテープの一部へ・・、という挙動となる。したがって、上述のように先行する1つの無線タグラベルが完成し停止した状態では、押圧ローラの搬送方向上流側に(貼り合わされる直前の)被印字テープとタグテープとが存在し、押圧ローラの搬送方向下流側には既に貼り合わせ済みの貼り合わせテープが存在することとなる。
【0006】
ここで、タグテープは、貼り合わせの押圧時に押圧ローラの外周部によって方向が変えられる。タグテープには、複数の無線タグ本体がテープ長手方向に所定間隔で配置されている。各無線タグ本体は、上記無線タグ回路素子を保持するためのIC保持体(IC回路保持体)を備えている。IC保持体は、IC回路部とアンテナパターンとを電気的に接続する導電性の接続ランド(接続端子)と、回路を保護する電気絶縁性の保持部材(保護フィルム)とを備えており、この結果ある程度の肉厚を有する構造となっている。したがって、無線タグ本体のうち、IC保持体のある部分は、それ以外の部分に比べて肉厚寸法が大きく、比較的大きな剛性を備えている。したがって、タグテープが上記のように押圧ローラにより方向が変えられる場合には、IC保持体が押圧ローラを通過する際、大きな剛性を備えるIC保持体を押圧ローラの外周部形状に沿って円弧状に変形させつつ、通過させることとなる。この結果、押圧ローラの通過時に上記のIC保持体の剛性によって大きな抵抗(搬送抵抗)が生じることとなる。
【0007】
特に、上述のように先行する1つの無線タグラベルが完成し搬送停止した状態において、IC保持体の途中まで上記押圧ローラの外周部形状による変形が完了した状態(すなわち、IC保持体の搬送方向先端側は押圧ローラの外周部形状に沿った円弧状に変形して当該外周部に接触済みであるものの、残りのIC保持体の搬送方向後端側は押圧ローラの外周部に接触しておらず何ら変形していない状態)となっている場合がありうる。このような場合には、その後、後続の無線タグラベルの作成の際に搬送手段の搬送を開始するとき、上記搬送抵抗が特に大きくなるため、搬送手段の搬送力が不足し、搬送不良が発生するおそれがあった。特に、AC電源ではなくバッテリー駆動のラベル作成装置では、搬送手段の搬送力に制約があるため、上記のような懸念が強かった。
【0008】
本発明の目的は、ラベル作成時における、搬送力不足による搬送不良の発生を確実に防止できる印字ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、シート状のアンテナ基材と、前記アンテナ基材に設けられ情報の送受信を行うタグアンテナと、情報を記憶するIC回路部、及び、前記IC回路部を前記アンテナ基材に対し保持する保持部材を含むIC保持体とをそれぞれ備えた、複数の無線タグ本体がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の無線タグラベルを作成するための印字ラベル作成装置であって、前記タグテープを軸心と直交する方向に巻回したタグテープロール、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープを軸心と直交する方向に巻回した被印字テープロール、及び、前記タグテープロールから繰り出された前記タグテープと前記被印字テープロールから繰り出された前記被印字テープとを押圧し貼り合わせて貼り合わせテープとする押圧ローラ、を有する無線タグカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記タグテープ、前記被印字テープ、及び前記貼り合わせテープを、搬送するための搬送手段と、前記搬送手段による搬送中に前記被印字テープに対し印字を行う印字手段と、前記搬送手段による搬送の停止時に前記貼り合わせテープを厚さ方向に切断する切断手段と、前記押圧ローラと協働して前記タグテープと前記被印字テープとを押圧し前記貼り合わせテープとするサブローラと、前記切断手段による切断動作時において、前記IC保持体の搬送方向全寸法が前記押圧ローラの外周部に沿って円弧状に接触した状態で前記タグテープの搬送が停止するように、前記搬送手段及び前記切断手段を連携して制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明においては、2つのテープロール備えた無線タグカートリッジを装着し、2つのテープを貼り合わせた貼り合わせテープを用いて作成を行う。すなわち、無線タグカートリッジをカートリッジホルダに装着すると、搬送手段による搬送によってタグテープロールからタグテープが繰り出されると共に、被印字テープロールから被印字テープが繰り出される。これらタグテープと被印字テープとは、カートリッジ側に備えられた押圧ローラによって押圧されて(印字ラベル作成装置側のサブローラも協働する)互いに貼り合わされ、貼り合わせテープが形成される。このとき、上記搬送中には、印字手段によって被印字テープに所定の印字が形成される。その後、所定の搬送方向位置まで貼り合わせテープが搬送されたら、貼り合わせテープが切断手段によって切断され(この切断位置がラベルの搬送方向後端部となる)、これによって所定長さの印字つきのラベルが完成する。
【0011】
以上のようにして1つの印字つきのラベル(貼り合わせテープの後端部が切断されることによって)完成したとき、次の印字つきのラベルを作成するための貼り合わせテープが、上記切断された箇所を搬送方向先端部として、貼り合わせ前のタグテープ及び被印字テープとともに後続して停止した状態となっている。ここで、前述したように、被印字テープは、搬送時においては、被印字テープロール内に巻回された状態→被印字テープロールから繰り出された状態→押圧ローラで(タグテープと)貼り合わされて貼り合わせテープの一部へ→・・、という挙動となる。同様に、タグテープは、搬送時においては、タグテープロール内に巻回された状態→タグテープロールから繰り出された状態→押圧ローラで(被印字テープと)貼り合わされて貼り合わせテープの一部へ・・、という挙動となる。したがって、上述のように先行する1つの印字つきのラベル(印字付き無線タグラベル、又は印字ラベル)が完成し停止した状態(あるいは、さらに余剰部分で無線タグ本体のない通常ラベルを作成完了し停止した状態)では、押圧ローラの搬送方向上流側に(貼り合わされる直前の)被印字テープとタグテープとが存在し、押圧ローラの搬送方向下流側には既に貼り合わせ済みの貼り合わせテープが存在することとなる。このとき、被印字テープ及びタグテープは、互いに異なる2つのロール(被印字テープロールとタグテープロール)からそれぞれ繰り出されて搬送され、押圧ローラの位置で合流して貼り合わされる。したがって、これら2つのテープのうち、少なくとも一方のテープは、貼り合わせの押圧時に押圧ローラの外周部によって方向が変えられることとなる。
【0012】
ここで、タグテープには、複数の無線タグ本体がテープ長手方向に所定間隔で配置されている。各無線タグ本体は、アンテナ基材と、タグアンテナと、IC保持体(いわゆるストラップ)とを備えている。IC保持体は、IC回路部とアンテナパターンとを電気的に接続する導電性の接続ランドと、回路を保護する電気絶縁性の保持部材とから構成されており、そのためにある程度の肉厚を有する構造となっている。したがって、無線タグ本体のうち、IC保持体のある部分は、それ以外の部分(IC保持体がなくアンテナ基材やタグアンテナだけの部分)に比べて肉厚寸法が大きく、比較的大きな剛性を備えている。したがって、タグテープが上記のように押圧ローラにより方向が変えられる場合には、IC保持体が押圧ローラを通過する際、大きな剛性を備えるIC保持体を押圧ローラの外周部形状に沿って円弧状に変形させつつ、通過させることとなる。この結果、押圧ローラの通過時に上記のIC保持体の剛性によって大きな抵抗(搬送抵抗)が生じることとなる。
【0013】
特に、上述のように先行する1つの印字つきのラベルが完成し搬送停止した状態(あるいは、さらに余剰部分で無線タグ本体のない通常ラベルを作成完了し停止した状態)において、IC保持体の途中まで上記押圧ローラの外周部形状による変形が完了した状態(すなわち、IC保持体の搬送方向先端側は押圧ローラの外周部形状に沿った円弧状に変形して当該外周部に接触済みであるものの、残りのIC保持体の搬送方向後端側は押圧ローラの外周部に接触しておらず何ら変形していない状態)となっている場合がありうる。このような場合には、その後、後続の印字つきのラベルの作成の際に搬送手段の搬送を開始するとき、上記搬送抵抗が特に大きくなるため、搬送手段の搬送力が不足し、搬送不良が発生するおそれがある。
【0014】
そこで、本願第1発明においては、制御手段が搬送手段と切断手段とを連携して制御することにより、(搬送手段の搬送を停止した)切断手段の切断時に、IC保持体の搬送方向全寸法が押圧ローラの外周部に沿って円弧状に接触した状態となるようにする。これにより、先行する1つの印字つきのラベルが完成し搬送停止した状態において、IC保持体のすべてが上記押圧ローラの外周部形状により変形完了した状態(すなわち、IC保持体の搬送方向全寸法が押圧ローラの外周部形状に沿った円弧状に変形し当該外周部に接触済みの状態)となる。したがって、IC保持体において、押圧ローラの外周部に未接触でまだ変形していない部分は存在しなくなるので、上記のような搬送開始時の著しい搬送抵抗の増大を軽減することができる。この結果、搬送手段の搬送力不足による搬送不良の発生を防止することができる。
【0015】
第2発明は、上記第1発明において、カートリッジホルダは、前記タグテープが前記タグテープロールとして巻回されている状態での前記IC保持体の円弧状反り方向と、前記タグテープが前記押圧ローラの外周部に接触している状態での前記IC保持体の円弧状反り方向とが、逆方向となるように構成されている前記無線タグカートリッジを着脱可能であることを特徴とする。
【0016】
IC保持体が、タグテープロール内において一方側に円弧状に沿っている状態から、押圧ローラの外周部で上記の逆の他方側に円弧状にそるように変形される場合には、反りを逆方向に矯正することとなるため、前述した剛性に基づく搬送抵抗が特に大きくなる。したがって、このような場合に、上記のようにIC保持体のすべてが押圧ローラ外周部に接触した状態で搬送停止するよう制御手段で制御することで、搬送不良発生の防止に特に有効である。
【0017】
第3発明は、上記第2発明において、カートリッジホルダは、前記タグテープの搬送方向に沿った前記押圧ローラ中心から前記切断手段までの距離X、前記押圧ローラ外周の円周長L、前記タグテープにおいて前記切断手段による切断位置から前記IC保持体の前記搬送方向の後端部までの寸法Yとの間において、X+(L/4) > Y が成立するように構成された、前記無線タグカートリッジを着脱可能であることを特徴とする。
【0018】
例えば、被印字テープとタグテープとを押圧ローラの位置で合流させて貼り合わせテープとする際に、押圧ローラより上流側の被印字テープの搬送経路と押圧ローラより下流側の貼り合わせテープの搬送経路とをほぼ一直線上とする場合がある。このような構成では、タグテープの搬送経路は、貼り合わせテープの搬送経路に対し略直角となる(言い換えれば、タグテープを押圧ローラの位置で約90°方向転向する)場合がある。
【0019】
この場合、タグテープは、押圧ローラによって接触される際、概ね、ローラ外周の円周長Lの1/4部分が接触することとなる。この状態では、タグテープのうち上記ローラ外周に巻き付き始めの位置と巻き付き終わりの位置との間の搬送方向に沿った距離はL/4にほぼ等しく、上記ローラ外周への巻き付き終わり位置から切断手段までの距離は、タグテープの搬送方向に沿った押圧ローラ中心から切断手段までの距離Xにほぼ等しい。したがって、タグテープのうち上記ローラ外周に巻き付き始めの位置から、切断手段までの搬送方向に沿った距離は、それら2つの和であるX+(L/4)となる。
【0020】
したがって、搬送停止したときに、IC保持体のすべての部分が押圧ローラの外周部に接触した(IC保持体が距離X部分に位置することも含む)(巻き付いた)状態を実現するためには、タグテープ上において、IC保持体の搬送方向後端部から、切断手段の切断位置までの距離Yが、上記X+(L/4)よりも小さくなること、すなわち、X+(L/4)>Yが満たされればよい。
【0021】
本願第3発明においては、X+(L/4)>Yとなるように無線タグカートリッジが構成され、カートリッジホルダや切断手段が配置されている。これにより、搬送停止したときに、IC保持体のすべての部分が押圧ローラの外周部に接触した状態を確実に実現し、搬送不良の発生を確実に防止することができる。
【0022】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記タグテープのうち前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記無線タグラベルとしての第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記無線タグ回路素子を備えない1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0023】
上記のように、無線タグ回路素子を備えたタグテープに被印字テープを貼り合わせ、そのうち被印字テープに印字を行ってラベルを作成する場合、一般的には、無線タグ回路素子の配置位置に対応したタグテープの長さ方向領域に貼り合わされる被印字テープの領域に対し印字を形成し、印字付きの無線タグラベルとする。このとき、形成する印字としては、IC回路部に記憶される情報に対応した内容の印字(例えばテキストや図像等)を形成するのが通常であり、この結果、上記情報の内容によって印字部分の長さが変化する。これに対し、タグテープにおいては無線タグ本体(無線タグ回路素子を含む)は所定間隔(固定ピッチ)で配置されている。このため、1つの印字付き無線タグラベルにおける印字部分(タグラベル本体)の長さが、上記無線タグ本体の配置のピッチよりも短い場合には、印字部分(タグラベル本体)のテープ長さ方向両側に、2つの非印字部分(余白部分)が生じることとなる。これら2つの非印字部分(余白部分)は、無線タグ本体がなく無線タグラベルとしては使用できないことから、通常は、使用者がラベルを貼りつけるときに印字部分(タグラベル本体)と容易に分離できるような、所定の加工が施される。
【0024】
この加工としては、積層構造のラベルのうち厚さ方向一部分を残して他を切断する(いわゆる半切断手段(ハーフカッタ)による半切断(ハーフカット))を行うが、印字ラベル作成装置にハーフカッタが備えられていない場合には、通常の切断手段(カッタ)による切断(フルカット)を行うことが考えられる。
【0025】
しかしながら、(一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分、の3つからなる)印字付き無線タグラベルにおいて、非印字部分と印字部分との境をフルカットすると、一方側の非印字部分(余白部分)と、印字部分(タグラベル本体)と、他方側の非印字部分(余白部分)の3つに分離される。すなわち、1枚の印字付き無線タグラベルの作成を実行するごとに、上記3つのラベルが互いに分離された状態でそれぞれ排出されることとなる。この際、上記2つの非印字部分(余白部分)の長さは、印字部分(タグラベル本体)に比べると著しく短くなる。このため、切断後の搬送・排出時において、静電気や搬送手段からの遊離等により誤って搬送経路から側方に逸脱し、近傍の各種機構(検出用機構や搬送用機構等)の動作や性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0026】
そこで本願第4発明においては、制御手段が搬送手段、印字手段、切断手段を連携して制御することで、タグテープのうち各第1長さ方向領域ごとに対応して1つの第1ラベル(無線タグ本体を含み、所定の印字を備える)を作成する一方、タグテープのうち(第1長さ方向領域以外の)各第2長さ方向領域ごとに1つの第2ラベル(無線タグ本体を含まない通常のラベル)を作成する。すなわち、上述した3つの小ラベルから構成される印字付き無線タグラベルの作成が搬送方向に沿って複数枚実行されていく(但し必ずしも一括作成とは限らない)場合に、先行するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、次に後続するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、さらに次に後続するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」・・・、と連続していくとき、先行するラベルの他方側の非印字部分と後続するラベルの一方側の非印字部分とを合体させて1つの第2ラベルとする(印字部分については上述と同様それぞれ1つの第1ラベルとする)。これにより、上記の例の、先行するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、次に後続するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、さらに次に後続するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」は、先行する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、次に後続する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、さらに次に後続する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、のように置き換えられる。すなわち、前述のように、1枚の印字付き無線タグラベルの作成を実行するごとに、第1ラベルと第2ラベルとの2つが互いに分離された状態でそれぞれ排出されることとなる。第2ラベルは、上述したように、前述の一方側の非印字部分(余白部分)と他方側の非印字部分(余白部分)とが合体したものに相当するため、その長さは、印字部分(タグラベル本体)に比べるとそれほどは短くならない。この結果、前述のように、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができる。したがって、印字ラベル作成装置の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる。また、前述したように、第2ラベル作成後の搬送停止状態から第1ラベル作成のため搬送開始したときの、著しい搬送抵抗の増大を軽減することができ、搬送手段の搬送力不足による搬送不良の発生を防止することができる。
【0027】
第5発明は、上記第4発明において、前記制御手段は、作成された前記第1タグラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0028】
本願第5発明においては、無線タグラベル作成の際、搬送方向に沿って、第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)/第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)・・のように交互に排出する。第1ラベルと交互に排出される第2ラベルの長さは、前述のように第1ラベルに比べそれほどは短くならない。この結果、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ラベル作成時における、搬送力不足による搬送不良の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態によるタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを示すシステム構成図である。
【図2】タグラベル作成装置の全体構造を示す斜視図である。
【図3】タグラベル作成装置に装着されたカートリッジの要部の構成を概念的に示す概念的構成図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】タグラベル作成装置の制御系を示す機能ブロック図である。
【図6】タグテープにおける無線タグ本体の配置と構成の一例を示す図である。
【図7】図6に示した無線タグ本体のIC回路部の周囲における断面図である。
【図8】タグラベル作成装置による無線タグ回路素子のIC回路部の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図9】印字済みタグラベル用テープの切断が完了し形成された無線タグラベルと付属ラベルの外観の一例を示す上面図と下面図である。
【図10】図9中X−X′断面による断面図である。
【図11】切断しない状態の印字済みタグラベル用テープ(又は印字済みラベル用テープ)における各寸法設定を示す説明図である。
【図12】連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープの識別子、無線タグ回路素子、ラベル印字の印字領域と、装置アンテナ、マークセンサ、切断機構、印字ヘッドとの位置関係を示す説明図である。
【図13】完成した付属ラベル及び無線タグラベル(又は印字ラベル)の例を示す図である。
【図14】ラベル印字が最も長く印字された場合の付属ラベル及び無線タグラベル(又は印字ラベル)の例を示す図である。
【図15】切断による無線タグラベルの完成後に、テープ送りローラによるタグテープの搬送を開始する際の搬送不良を説明する図である。
【図16】切断による無線タグラベルの完成後に、テープ送りローラによるタグテープの搬送を開始する際の搬送不良を防止する説明する図である。
【図17】制御回路によって実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図18】ステップS100の詳細手順を示すフローチャートである。
【図19】ステップS200の詳細手順を示すフローチャートである。
【図20】ステップS400の詳細手順を示すフローチャートである。
【図21】ステップS500の詳細手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2実施形態による印字装置と無線タグ通信装置とを備えた無線タグラベル生成システムを示すシステム構成図である。
【図23】印字装置の内部構造を示す平面図である。
【図24】印字装置の全体構造を概念的に示す概念的構成図である。
【図25】無線タグ通信装置の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。
【図26】図20に示す無線タグラベル生成システムにより印字付きの無線タグラベルを生成する流れを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0032】
本発明の第1実施形態を図1〜図21により説明する。
【0033】
(A)基本構成
図1に、第1実施形態の印字ラベル作成装置であるタグラベル作成装置1を備える無線タグラベル作成システムTSを示す。
【0034】
この無線タグラベル作成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、適宜の通信回線等からなる通信ネットワークNWを介して、ルートサーバRS、情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
【0035】
図2に、タグラベル作成装置1の外観構成を示す。この図2において、タグラベル作成装置1は、カートリッジ(無線タグカートリッジ)3が装着されるカートリッジホルダ31(図3参照)を備えた装置本体2を有している。
【0036】
装置本体2は、上面部、下面部、前面部、背面部、左右の両側面部を備えた全体的に直方体状の筐体2sをその外郭として備えている。上面部には、上蓋4及び上蓋操作ボタン5が設けられている。前面部には、ラベル排出口7、前蓋8、電源ボタン9、及びカッタ駆動ボタン10が設けられている。
【0037】
上蓋4は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持されており、付勢部材(図示省略)により開き方向に付勢される一方で、装置本体2との間がロック可能に構成されている。また、カートリッジ3の着脱の際には、上蓋操作ボタン5が押されることで上記ロックが解除となり、上蓋4が上記付勢部材の付勢作用により開き、その状態でカートリッジ3の装着や取外しを行えるようになっている。なお、上蓋4には、透明カバーなどを嵌め込んだ透視窓6が設けられている。
【0038】
ラベル排出口7は、装置本体2の内部で作成される無線タグラベルTを外部に排出するものである。前蓋8は、下端を支点にした回動で開閉可能とされており、上端部に設けられている押部8pを上方より押し込むことで前方に回動して開く。電源ボタン9は、タグラベル作成装置1の主電源のオン・オフ操作に用いられる。カッタ駆動ボタン10は、後述のカッタ(切断手段)15(図3参照)を操作者が手動で操作して印字済みタグラベル用テープ109を切断し、無線タグラベルTを形成するためのものである。
【0039】
図3に、装置本体2のカートリッジホルダ31に装着されたカートリッジ3の要部の構成を概念的に示す。
【0040】
この図3において、カートリッジ3は、ラベル排出口7から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、図において紙面に略垂直方向となるように、上記カートリッジホルダ31に収納される。カートリッジ3は、筐体3Aと、この筐体3A内に配置され帯状のタグテープ101が巻回された第1ロール(タグテープロール;本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)102と、上記タグテープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム(被印字テープ)103が巻回された第2ロール(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のインクリボン105を巻き取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ3のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ(押圧ローラ)27と、ガイドローラ112とを備えている。なお、タグラベル作成装置1には、上記カートリッジ3のテープ送りローラ27と対をなすサブローラ28が設けられている。
【0041】
テープ送りローラ27は、ローラ駆動軸108(搬送手段)によって駆動されることで対向するサブローラ28と協働して、上記タグテープ101と上記カバーフィルム103とを挟圧し接着させ上記印字済みタグラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとして機能する)。
【0042】
第1ロール102は、リール部材102a(軸)の周りに、長手方向に複数の無線タグ本体90が所定の等間隔で順次形成された上記タグテープ101を巻回している。タグテープ101はこの例では7層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなる粘着層(貼り合わせ用粘着層)101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等からなる色付きの第1ベースフィルム101b、適宜の粘着剤からなる粘着層101c、適宜の粘着剤からなる粘着層101d、PET(ポリエチレンテレフタラート)等からなる第2ベースフィルム101e、適宜の粘着剤からなる粘着層(貼り付け用粘着層)101f、剥離紙(剥離材層)101gの順序で積層され構成されている。
【0043】
第1ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、また第1ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ本体90を内包するように上記粘着層101cが設けられており、これら3層が一体となって第1テープ101Aを構成している。また第2ベースフィルム101eの表側(図3中右側)には、無線タグ本体90を挟んで上記第1テープ101Aの粘着層101cの裏側(図3中左側)と貼り合わされる粘着層101dが形成され、また第2ベースフィルム101eの裏側(図3中左側)には粘着層101fによって上記剥離紙101gが接着されている。このうちの上記の粘着層101d、第2ベースフィルム101e、粘着層101f、及び剥離紙101gの4層が一体となって第2テープ101Bを構成している。
【0044】
無線タグ本体90は、シート状に形成された樹脂製のアンテナ基材91と、このアンテナ基材91の表側(図3中右側)に表出するよう設けられたループコイル形状のタグアンテナ62(ループアンテナ)と、アンテナ基材91の表側(図3中右側)に配置され、情報を記憶するIC回路部80、及びこのIC回路部80を上記アンテナ基材91に対し保持する保持部材95を含むIC保持体92(いわゆるストラップ)とを有している。
【0045】
保持部材95は、回路保護用に電気絶縁性の材料により構成されており、IC回路部80の表側(図3中右側)を覆うことによりIC回路部80を上記アンテナ基材91に対し保持するとともに、タグアンテナ62とIC回路部80とを接続する。なお、情報の送受信を行う上記タグアンテナ62と、情報を記憶するIC回路部80とで無線タグ回路素子Toが構成される。そして、無線タグ本体90を全体で見た場合、略直方体形状に形成されたIC回路部80がアンテナ基材91の表側(図3中右側)の表面に配置され、さらにその表側(図3中右側)を保持部材95が覆っていることから、IC保持体92はアンテナ基材91の第1テープ101A側に突出するように設けられている構成となる(無線タグ本体90とIC回路部80の詳細については後に詳述する)。
【0046】
上記剥離紙101gは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルT(後述の図9参照)が所定の商品等の物品(貼り付け対象)に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101fにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0047】
一方、図3に示すように、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記タグテープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が印字ヘッド23(カートリッジホルダ31側に設けられている)に押圧されることで、インクリボン105が当該カバーフィルム103の裏面に接触させられるようになっている。
【0048】
なお、カートリッジ3をカートリッジホルダ31に装着した際にカートリッジホルダ31側に備えられている印字ヘッド23をインクリボン105とカバーフィルム103に押圧させることができるよう、カートリッジ3の筐体3Aにはカバーフィルム103とインクリボン105の搬送経路の一部を外部に露出させるための切り欠き部3aが形成されている。
【0049】
また、カートリッジホルダ31側で印字ヘッド23に対向する位置には、カバーフィルム103へ押圧力を作用させテープ搬送を行うためのプラテンローラ24が設けられている。
【0050】
さらに、タグラベル作成装置1には、カートリッジ3の排出口に隣接してカッタ15が配設されている。この例ではカッタ15は、固定刃と可動刃(後述の図5参照)とを備えた所謂はさみ方式の切断機で、図示しないソレノイド(図示せず)に接続されている。このソレノイドがソレノイド駆動回路(図示せず)によって励磁されることで、可動刃が作動し、印字済みのタグテープ109を所定の長さに切断し、無線タグラベルTを形成する。
【0051】
さらに、タグラベル作成装置1には、カッタ15のテープ搬送方向下流側に、マークセンサ127(詳細は後述)と、装置アンテナ52とが設けられている。装置アンテナ52は、タグテープ101に配置されている無線タグ回路素子Toに対する情報の読取り又は書込みのための通信を行う。
【0052】
なお、タグラベル作成装置1には、上記装置アンテナ52よりさらにテープ搬送方向下流側で、ラベル排出部より手前側に駆動ローラ51及び押圧ローラ53を有している。
【0053】
図6(a)〜図6(c)に、上記タグテープ101における無線タグ本体90の配置と構成の一例を示す。図6(a)には、図3の矢視B方向からタグテープ101を見た表面側を示し、図6(b)には、表面側より第1テープ101A及び保持部材95を透視した図6(a)中VIb部の抽出拡大図を示し、図6(c)には、図6(b)図VIc部の詳細構造を示している。また、図7(a)に、図6(c)中のVIIa−VIIa断面による断面図を示し、図7(b)に、図6(c)中のVIIb−VIIb断面による断面図を示す。
【0054】
これら図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(b)、及び前述の図3において、タグテープ101は、その長手方向に、所定の間隔を空けて複数の無線タグ本体90を配置している。無線タグ本体90は、テープ厚み方向において第1テープ101Aと第2テープ101Bの間に挟まれている。無線タグ本体90は、前述のようにアンテナ基材91と、タグアンテナ62と、IC回路部80及び保持部材95を含むIC保持体92とを備えている。この例では、適宜な合成樹脂材のシートで略矩形形状に形成されたアンテナ基材91の表側(図7中の上側)に、同じく全体が略矩形形状に形成されたタグアンテナ62のアンテナパターン62Aが配置され、IC保持体92はアンテナ基材91に対して第1テープ101A側に突出するように設けられている。また図示する例では、図6(a)及び図6(b)に示すように、IC保持体92は、略矩形形状のタグアンテナ62の一方の角部に配置されている。
【0055】
上記IC保持体92は、アンテナパターン62Aのループコイル形状の径方向外側の端部に接続された第1接続用ランド93と、他方の径方向内側の端部に接続された第2接続用ランド94とを備えている。これら第1接続用ランド93と第2接続用ランド94はそれぞれ略L字型形状に形成された薄板状の導通部材であり、それぞれの短辺部分がアンテナパターン62Aの端部及びアンテナ基材91とともに表裏両面からかしめられ、圧着部96,97にてそれぞれ圧着固定されている。そしてそれぞれの長辺部分が互いにわずかな距離で離間して平行に配置されており、IC回路部80はこれら2つの接続用ランド93,94の長辺部分のアンテナ基材91側において、各長辺部分に跨る配置で重なるように設けられている。そして各接続用ランド93,94は、それぞれの短辺部分が上記圧着部96,97でアンテナパターン62Aの端部と接続され、またそれぞれの長辺部分が上記の重なり部分でIC回路部80と接続されている。これにより、IC回路部80は、各接続用ランド93,94を介してタグアンテナ62のアンテナパターン62Aの両端部に電気的に接続され、導通されている。
【0056】
また、タグアンテナ62のアンテナパターン62Aは、無線タグラベルTの平面視(表面又は裏面に正対する視野)においてIC回路部80の近傍でIC回路部80を迂回するように曲折して配置された曲折部62Abを備えている。そしてIC回路部80を含めた2つの接続用ランド93,94の配置領域に対してその表面を薄い樹脂製の保持部材95が覆っている。IC回路部80は、この保持部材95と各接続用ランド93,94によってアンテナ基材91の表面に保持されており、つまりこれら保持部材95、IC回路部80、及び2つの接続用ランド93,94が上記IC保持体92を構成している。
【0057】
図4に、無線タグ回路素子Toの機能的構成を示す。図4において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにタグラベル作成装置1の装置アンテナ52と無線通信もしくは電磁誘導により非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ62と、このタグアンテナ62に接続された上記IC回路部80とを有している。
【0058】
IC回路部80は、タグアンテナ62により受信された質問波を整流する整流部81と、この整流部81により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部82と、上記タグアンテナ62により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部83に供給するクロック抽出部84と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部86と、上記タグアンテナ62に接続された変復調部85と、上記メモリ部86、クロック抽出部84、及び変復調部85等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部83とを備えている。
【0059】
変復調部85は、タグアンテナ62により受信された上記タグラベル作成装置1の装置アンテナ52からの質問波の復調を行い、また、上記制御部83からの返信信号を変調し、タグアンテナ62より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0060】
クロック抽出部84は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部83に供給する。
【0061】
制御部83は、上記変復調部85により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部86において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部85により上記タグアンテナ62から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0062】
図5に、タグラベル作成装置1における制御系の機能的な構成を示す。
【0063】
図5において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上に、制御回路110が配置されている。
【0064】
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
【0065】
ROM116には、上記PC118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、カッタモータ43を駆動してカッタ15の上記可動刃41により印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口7から強制的に排出するテープ排出プログラム、無線タグ回路素子Toに対する問いかけ信号や書き込み信号などのアクセス情報を生成して送信回路306に出力する送信プログラム、受信回路307から入力された応答信号などを処理する受信プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0066】
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データや、情報読み取り(取得)が行われた無線タグ回路素子To(前述)のタグ識別情報(タグID)等が記憶される。
【0067】
入出力インターフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、上記ローラ駆動軸108を駆動する搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッタモータ43を駆動するためのカッタモータ駆動回路122と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記装置アンテナ52を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ために、搬送波を発生させるとともに入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調した質問波(送信信号)を出力する上記送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記装置アンテナ52を介して受信された応答信号の復調を行い出力する上記受信回路307と、識別子PMを検出する上記マークセンサ127とが接続されている。
【0068】
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行って上記質問波を出力するとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
【0069】
図8に、上記無線タグラベルTの作成時の端末118aの表示画面における表示の例を示す。この例では、無線タグラベルTの種別(アクセス周波数やタグラベル寸法)、印字ヘッド23で印字される印字文字、無線タグラベルTにおける無線タグ回路素子Toの固有の識別情報であるアクセスID、図1の情報サーバISに格納されている物品情報のアドレス、及び図1のルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレスなどが含まれている。
【0070】
(B)無線タグラベルと付属ラベルとの交互生成
上記構成のタグラベル作成装置1では、前述したように、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し装置アンテナ52により無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、カッタ15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されることで、無線タグラベルTを生成する。この際、本実施形態の1つの特徴として、無線タグ回路素子Toを備えた第1ラベルとしての上記無線タグラベルTと、無線タグ回路素子Toを備えない第2ラベルとしての付属ラベルTi(詳細は後述)とが、上記タグラベル作成装置1による一度の作成動作により1組の対となって作成されるようになっている。
【0071】
図9(a)及び図9(b)に、上記タグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toに対する情報書き込み(又は読み取り)と印字済みタグラベル用テープ109の切断とが完了し、形成された上記無線タグラベルTと、それと対になり作成された上記付属ラベルTiとの外観の一例を示す図である。図9(a)は上面図、図9(b)は下面図である。また図10は図9中X−X′断面による断面図である。なお、図9(a)及び図9(b)中における左側に向かう方向が、上記タグラベル作成装置1内の搬送方向に対応する(後述の図11、図12、図13、図14においても同様)。
【0072】
これら図9(a)、図9(b)、図10において、前述したように、無線タグラベルT及び付属ラベルTiは、上記タグラベル作成装置1による一度の作成動作により1組の対となって作成される(なお、同様の構成である印字ラベルSについては後述の第2実施形態を参照)。この際には、搬送方向に沿って、付属ラベルTiの次に無線タグラベルTとなるような順で作成される。無線タグラベルT及び付属ラベルTiは、それぞれ前述したように図3に示した7層構造にカバーフィルム103が加わった8層構造(無線タグラベルTは無線タグ本体90を含めると9層構造)となっており、カバーフィルム103側(図10中上側)よりその反対側(図10中下側)へ向かって、カバーフィルム103、第1テープ101Aの貼り合せ用粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、第2テープ101Bの粘着層101d、ベースフィルム101e、貼り付け用粘着層101f、剥離紙101gで8層を構成している。
【0073】
そして、無線タグラベルTにおいては、前述のように第1テープ101Aの粘着層101cと第2テープ101Bの粘着層101dとの間に、タグアンテナ62とIC回路部80とを有する無線タグ回路素子Toが備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例ではアルファベットの文字列「ABCDEFGHIJKLMN」の文字)が印字(鏡像印字)されている。無線タグラベルTにおいて、このラベル印字Rが印刷されている無線タグラベルTの長手方向全体(搬送方向上流側の後端etから搬送方向下流側先端ftまで)の領域が、ラベル印字領域PEとなる。なお、無線タグラベルTのうち、このラベル印字領域PEを構成する上記タグテープ101の部分(粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、粘着層101d、ベースフィルム101e、粘着層101f、及び剥離紙101g)が、各請求項記載の(1つの)第1長さ方向領域を構成する。
【0074】
また、付属ラベルTiにおいては、テープ搬送方向上流側の後端et1からテープ搬送方向下流側の先端ft1側に向かって所定距離X1だけ離間する位置に、ピッチ基準線Lp(詳しく後述する)が設定されている。そしてこのピッチ基準線Lpを境に、テープ搬送方向上流側の領域が前余白領域PE1となり、ピッチ基準線Lpよりもテープ搬送方向下流側の領域が後余白領域PE2となっている。なお、付属ラベルTiのうち、前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域を構成する上記タグテープ101の部分(粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、粘着層101d、ベースフィルム101e、粘着層101f、及び剥離紙101g)が、各請求項記載の(1つの)第2長さ方向領域を構成する。
【0075】
タグラベル作成装置1では、既に述べたように、1組のタグテープ101及びカバーフィルム103を用い、これらを貼り合わせた印字済みタグラベル用テープ109によって複数の無線タグラベルTを順次作成する。なお、この例では、この順次作成するときに、各付属ラベルTiの前余白領域PE1に位置するカバーフィルム103に、当該付属ラベルTiよりテープ搬送方向で後続する無線タグラベルTの作成関連情報に対応した後続情報印字R1が印字される。また、各付属ラベルTiの後余白領域PE2には、当該付属ラベルTiよりテープ搬送方向で先行して作成済みとなっている無線タグラベルT(この図9中では特に図示せず)の作成関連情報に対応した先行情報印字R2が印字される。但し、これら後続情報印R1や先行情報印字R2は省略してもよい。
【0076】
一方、図9(a)において、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定される。また、前余白領域PE1のテープ長手方向における寸法(付属ラベルTiのテープ搬送方向後端et1からピッチ基準線Lpまでの距離)X1は、予め所定の値に(この例では固定的に)設定されている。また、後余白領域PE2のテープ長手方向における寸法(付属ラベルTiのテープ搬送方向前端ft1からピッチ基準線Lpまでの距離)X2は、上記無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXの長短に応じて、短くあるいは長く変化する。なお、後余白領域PE2を全く設けず(つまりX2=0)、付属ラベルが前余白領域R1だけで構成する場合があるようにしてもよい。
【0077】
また、付属ラベルTiの剥離紙101gには、上記基準ピッチ線Lpよりテープ搬送方向上流側の近傍位置に前述の識別子PMが設けられている。
【0078】
(C)ラベル作成時の制御挙動
上記したように、タグラベル作成装置1においては、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し装置アンテナ52により無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、カッタ15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて、無線タグラベルTが生成され、併せて上記付属ラベルTiも生成される。以下、その搬送位置に応じた制御の挙動を図11〜図14を用いて説明する。なお、ラベル印字Rが長いか短いかに応じて無線タグラベルTのテープ搬送方向後端側の本切断位置を可変に制御するが、本実施形態では、ラベル印字Rが比較的長い場合を例にとって説明する。
【0079】
まず、図11は、切断しない状態の印字済みタグラベル用テープ109において各寸法設定を説明する図である(なお、同様の構成である印字済みタグラベル用テープ510については後述の第2実施形態を参照)。なお、この例では、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)を印字した無線タグラベルTを作成する場合を例にとって示している。
【0080】
この図11において、印字済みタグラベル用テープ109には、テープ搬送方向に沿ってピッチ基準線Lp、識別子PM、及び無線タグ回路素子Toが互いに同じピッチ間隔Pで周期的に配置されている。つまり、ピッチ間隔Pで等間隔に配置されている複数のピッチ基準線Lpをそれぞれ基準として、対応する識別子PMと無線タグ回路素子Toが同じ相対的位置に配置されている。
【0081】
前述したように、前余白領域PE1のテープ搬送方向長さX1は固定長に設定されており、つまりピッチ基準線Lpからテープ搬送方向上流側にX1だけ離間した位置(図8における後端et1に相当)が、付属ラベルTiとこれに後続する無線タグラベルTとの境界となり、この位置が、カッタ15により切断される前切断位置(前切断線CLf)となる。そして、前述したように、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定され、当該無線タグラベルTのテープ搬送方向上流側の後端(図9における後端etに相当)が、無線タグラベルTとこれに後続する付属ラベルTiとの境界となり、この位置が、カッタ15によって切断される本切断位置(本切断線CLr)となる。そしてこの本切断線CLrから後続の付属ラベルTiのピッチ基準線Lpまでの距離が、後余白領域PE2のテープ搬送方向長さX2となる。
【0082】
上述したように隣り合う2本のピッチ基準線Lpどうしの間のピッチ間隔Pは一定であるため、X1+X+X2=Pの関係が成り立つ。そして、付属ラベルTiの長さは、先行して作成済みの無線タグラベルT(図11中に図示せず)に対応する後余白領域PE2の長さX2と、その後続の無線タグラベルTに対応する前余白領域PE1の長さX1とを合わせた長さ(図中左側に位置するX2+X1)となる。
【0083】
また、本実施形態では、識別子PMのテープ搬送方向先端とこれに対しオフセットされる無線タグ本体90のテープ搬送方向先端までの距離が所定値LAとして設定され(後述の図12参照)、さらに、前切断線CLfの位置からIC保持体92のテープ搬送方向後端までの距離が所定値Yとして設定されている。無線タグラベルの長さXは、この所定値Y以上に長くなるよう設定される。
【0084】
このとき、本実施形態の特徴として、前余白領域PE1の長さX1を比較的長くするとともに、IC保持体92のテープ搬送方向後端から前切断線CLfの位置までの距離Yを短く設定し(図11に示す、前切断線CLfの位置と無線タグ本体90のテープ搬送方向先端との間の間隙gを参照。この間隙gは上記距離Yが短くなれば狭くなる)ている。これにより、切断による付属ラベルTiの完成後、次の無線タグラベルTを作成開始するときにテープ送りローラ27による搬送開始時の搬送不良を防止するようになっている(詳細は後述)。また、前余白領域PE1の長さX1を比較的長くすることにより、上記カッタ15よりテープ搬送方向下流側において、付属ラベルTi単独でも確実に駆動ローラ51と押圧ローラ53に挟持されてラベル排出経路から外れることなく確実に装置外へ排出されるようになっている(図3等参照)。
【0085】
図12(a)〜(l)はそれぞれ、連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープ109の識別子PM、無線タグ回路素子To、ラベル印字Rの印字領域Sと、装置アンテナ52、マークセンサ127、カッタ15、印字ヘッド23との位置関係を示す説明図である。なお、図示のように、本実施形態では、タグテープ101において、識別子PMのテープ搬送方向先端位置から無線タグ本体90のテープ搬送方向先端までの上記距離LAが、マークセンサ127と印字ヘッド23との間のテープ搬送方向距離Loに等しくなるように、予め設定されている。また、図示の煩雑を避けるために、後続情報印字R1及び先行情報印字R2は点線で略記している。
【0086】
まず、図12(a)は、カートリッジ3から印字済みタグラベル用テープ109の繰り出しが開始された直後の状態を表している。図示の状態では、後余白領域PE2に既に先行情報印字R2が印字されており、また識別子PMはマークセンサ127によって検出されていない。
【0087】
この状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送(言い換えればタグテープ101及びカバーフィルム103の搬送。以下同様)が進むと、後続情報印字R1を印字させる領域のテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達し(図12(b))、カバーフィルム103に後続情報印字R1の印刷が開始される(図12(c))。
【0088】
後続情報印字R1の印刷が終了してさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、無線タグ本体90のテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達する(図12(d))。ここで、前述のように、LA=Loとなっていることから、印字済みタグラベル用テープ109の移動により識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき、カバーフィルム103の無線タグ本体90に対応する位置(タグテープ101の無線タグ本体90位置と貼り合わされることとなる位置)が、印字ヘッド23の位置に到達する。これに対応し、識別子PMがマークセンサ127で検出されると、カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図12(e)参照)。この例では、ラベル印字Rとして、前述したように、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)が印字されようになっている。
【0089】
上記図12(e)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された前切断線CLfの位置がカッタ15の位置に到達する(図12(f))。予め設定された前切断線CLfの位置(前述したように、テープ先端から距離(X2+X1)の位置でかつピッチ基準線Lpから距離X1の位置。図11参照)が、カッタ15の位置に到達する(図12(f))。この状態では前述のように既にマークセンサ127によって識別子PMを検出した後であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図12(d)の状態(識別子PM検出開始状態)から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、カッタ15によって前切断線CLfを切断し、付属ラベルTiを分断形成する。
【0090】
その後、搬送を再開することで、上記図12(f)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むとともに、ラベル状に生成された付属ラベルTiがタグラベル作成装置1外へと排出される(図12(g);付属ラベルTiは図示せず)。
【0091】
ここで、前述したように、前余白領域PE1の長さX1が比較的長く設定されているため、それ以上に長く(X1+X2)形成される付属ラベルTiも、タグラベル装置1の排出経路から外れることなく確実に駆動ローラ51と押圧ローラ52に挟持され搬送されて装置外へ排出される。
【0092】
そして、上記図12(g)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、無線タグ本体90が装置アンテナ52の位置に到達する(図12(h))。このとき、この例ではラベル印字Rとして前述のように比較的長い文字(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を行っていることから、この時点ではまだラベル印字Rの印刷が終了していない。このため、印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印刷を一旦停止(中断)させて、その搬送停止状態で装置アンテナ52より無線タグ本体90との無線通信を行う。その後、搬送及び印刷を再開し(図12(i))、最終的にすべての(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を完了させる(図12(j))。
【0093】
上記図12(j)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、先行情報印字R2を印字させる領域のテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達し(図12(k)参照)、カバーフィルム103に先行情報印字R2の印刷が開始される。この位置に来たことの検出は、上記前切断線CLfの位置検出と同様、図12(d)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行えば足りる。
【0094】
上記図12(k)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、ラベル印字Rの長さに対応して可変に設定された各無線タグラベルTのテープ長手方向寸法Xに対応した本切断線CLrの位置が、カッタ15の位置に到達する(なおこの段階では、上記先行情報印字R2の印刷は完了している)。この位置に来たことの検出も、上記同様、図12(d)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行えばよい。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、カッタ15によって本切断線CLrにおいて切断を行い(図12(l))、印字済みタグラベル用テープ109の先端側を切り離して無線タグラベルTとする。
【0095】
図13は、上記のようにして完成した付属ラベルTi及び無線タグラベルTの例を示す図であり、前述した図11の印字済みタグラベル用テープ109を分断したものにほぼ相当する図である(なお、同様の構成の印字ラベルSについては後述の第2実施形態参照)。図13は、事前に1枚以上の無線タグラベルTを作成し、その後に作成した2枚目以降の無線タグラベルTの例を表している。なお、中央に示している無線タグラベルTは、左側に示している付属ラベルTiと組み合わせた対となって生成される。参照として右側に示した付属ラベルTiは、その次に作成される無線タグラベルT(特に図示せず)とともに生成される。
【0096】
このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置1は、付属ラベルTiと無線タグラベルTが交互に生成、排出されるように制御する。そして、左側に示す付属ラベルTiのうちピッチ基準線Lpよりテープ搬送方向下流側の後余白領域PE2には、先行情報印字R2(図示する例では「0123456789」)等が印字されている(拡大図XIIIa参照)。また、同じ付属ラベルTiのうちピッチ基準線Lpより上流側の前余白領域PE1には、後続情報印字R1(図示する例では「ABCDEFGHIJKLMN」)等が印字されている(拡大図XIIIb参照)。また、その次に作成される付属ラベルTi(図中右側のもの)にも同様の先行情報印字R2及び後続情報印字R1が印字される。
【0097】
また、前述したように、ピッチ基準線Lpは固定長のピッチ間隔Pで設けられており、このピッチ間隔P内で固定長の前余白領域PE1(長さX1)と、無線タグラベルT(長さX)と、後余白領域PE2(長さX2)が収まるように配置される。そして、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、印字するラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント数)に応じて可変に設定されるものであり、1区間のピッチ間隔Pから前余白領域PE1と無線タグラベルTの占有領域を差し引いた残りの領域が後余白領域PE2となる。
【0098】
したがって、図14に示すように、無線タグラベルTのラベル印字Rが最も長く印字(図示する例では「ABCDEFGHIJKLMNOPQ」)される場合には、次に作成される付属ラベルTiには後余白領域PE2がなくなる(長さX2=0)ことになり、この場合には先行情報印字R2の印字が省略される(また長さX2=0でなくとも、先行情報印字R2の印字に足りない場合でも省略してもよい)。なお、このように付属ラベルTiが前余白領域PE1のみで構成する場合でも、当該前余白領域PE1の長さX1は、タグラベル装置1の排出経路から外れることなく確実に駆動ローラ51と押圧ローラ52に挟持搬送されて排出されるだけの十分な長さに設定されるため、確実に装置外へ排出される。
【0099】
(D)搬送不良防止のための本実施形態の要部構成
ところで、本実施形態の要部は、上記のような基本構成及び動作により順次実行される無線タグラベルTの作成において、タグテープ101及びカバー103フィルムの搬送開始時の搬送不良を防止することにある。以下、その要部に係わる構成及び作用を図15及び図16により説明する。
【0100】
まず、上記の作用を得るにあたっての比較例として、前述した前切断線CLfの位置と無線タグ本体90のテープ搬送方向先端との間の間隙g(図11参照)を比較的大きくした場合を考える。図15(a)はそのような比較例におけるタグテープ101の概念的構造を表す説明図であり、図15(b)は、当該タグテープ101の第1ロール102からの搬送経路を概念的に表す説明図である。
【0101】
これら図15(a)及び図15(b)において、第1ロール102から繰り出されたタグテープ101は、テープ送りローラ27のローラ外周の一部(この例ではローラ円周長Wの約1/4部分)に接触し、テープ送りローラ27によって搬送経路を貼り合わせ後の搬送経路方向に略直角に曲げられるとともに、テープ送りローラ27とサブローラ28とによりカバーフィルム103(図示省略)が貼り合わされ、印字済みタグラベル用テープ109が形成される。このように貼り合わされて印字済みタグラベル用テープ109に含まれるタグテープ101は、テープ搬送方向前方の前切断線CLfがカッタ15に到達し、その位置でテープ送りローラ27による搬送が停止されカッタ15によって切断されることで、付属ラベルTiが形成される(図12(f)参照)。
【0102】
このように付属ラベルTiを作成した後の搬送停止状態では、印字済みタグラベル用テープ109に含まれるタグテープ101のうち、テープ送りローラ27の外周に対する巻き付き始めの位置と巻き付き終わりの位置との間の搬送方向に沿った距離はW/4にほぼ等しい(図15(b)参照)。また、送りローラ27の外周への巻き付き終わり位置からカッタ15までの距離は、タグテープ101の搬送方向に沿った送りローラ27の中心Oからカッタ15までの距離Zにほぼ等しい。したがって、タグテープ101のうち送りローラ27の外周に巻き付き始めの位置からカッタ15までの搬送方向に沿った距離は、それら2つの和であるZ+(W/4)となる。
【0103】
なお、この比較例の構造では、上記した、前切断線CLfの位置からIC保持体92のテープ搬送方向後端までの距離Y、タグテープ101の搬送方向に沿った送りローラ27の中心Oからカッタ15までの距離Z、及び、ローラ円周長Wの具体的な寸法例として、例えば、Y=20.28mm、Z=9mm、W=31.4mm(テープ送りローラ27の直径10mm、W/4=7.9mm)とすることができる。この場合、上記間隙g=6mmとなる。
【0104】
ところで、IC保持体92は、前述したように、IC回路部80とアンテナパターン62Aを電気的に接続する導電性の接続ランド93,94と、IC回路部80を保護するために電気絶縁性の保持部材95とから構成されている。したがって、IC保持体92はある程度の肉厚がある構造を有し、剛性が大きい。この結果、タグテープ101がテープ送りローラ27を通過する際には、その大きな剛性を備えるIC保持体92をテープ送りローラ27の外周部形状に沿って円弧状に変形させつつ、通過させることとなる(図15(b)参照)。
【0105】
ここで、図15(a)及び図15(b)に示す比較例では、前述したように間隙gが比較的大きく、前切断線CLfが無線タグ本体90のテープ搬送方向先端から比較的離れた位置に設けられている。この結果、上記距離Yが比較的長くなり、Z+(W/4)<Yの関係となる。このため、先行する付属ラベルTiが完成し、テープ送りローラ27による搬送が停止した状態において、IC保持体92の途中までしかテープ送りローラ27の外周部形状による変形が完了していない状態となる。すなわち図15(b)に示すように、IC保持体92のテープ搬送方向先端側部分92fはテープ送りローラ27の外周部形状に沿った円弧状に変形して当該外周部に接触済みであるものの、IC保持体92の残りのテープ搬送方向後端側部分92bはテープ送りローラ27の外周部に接触しておらず何ら変形していない状態となる。この結果、後続する付属ラベルTiの作成の際にテープ送りローラ27による搬送を開始するとき、上記搬送抵抗が特に大きくなるため、テープ送りローラ27の搬送力が不足し、搬送不良が発生するおそれがある。
【0106】
これに対し、図16(a)及び図16(b)に示す本実施形態では、前述したように間隙gが比較的小さく、前切断線CLfが無線タグ本体90のテープ搬送方向前端に比較的近い位置に設けられている。前述と同様の具体例としては、例えば、Y=16.28mm、Z=9mm、W=31.4mm(テープ送りローラ27の直径10mm、W/4=7.9mm)とすることができる。この場合、Z+W/4=16.9mmとなる。この場合、上記間隙g=2mmとなる。このような構造の結果、距離Yが比較的短く、Z+(W/4)>Yの関係となる。このため、先行する付属ラベルTiが完成し、テープ送りローラ27による搬送が停止した状態において、IC保持体92のすべてがテープ送りローラ27の外周部形状により変形完了した状態となる。すなわち図16(b)に示すように、IC保持体92のテープ搬送方向全寸法がテープ送りローラ27の外周部形状に沿った円弧状に変形し、当該外周部に接触済みの状態となる。したがって、IC保持体92において、テープ送りローラ27の外周部に未接触でまだ変形していない部分は存在しなくなるので、上記のような搬送開始時の著しい搬送抵抗の増大を軽減することができる。この結果、テープ送りローラ27の搬送力不足による搬送不良の発生を防止することができる。
【0107】
図17は、このような制御を行うために上記制御回路110によって実行される制御手順を示すフローチャートである。
【0108】
この図17において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS100で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力しこの操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データの設定等を行う準備処理(詳細は後述の図18参照)を実行する。
【0109】
その後、ステップS5に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102からタグテープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これらタグテープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ28により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ3外へ、さらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
【0110】
その後、ステップS10において、印字済みタグラベル用テープ109が、前余白領域PE1における後続情報印字R1の印刷開始位置(以下適宜、前余白印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えれば後続情報印字R1の印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(b)参照)を判定する。このときの判定は、例えば、前回の無線タグラベルTの作成時においてタグテープ101の識別子PMを検出した後からテープ搬送した距離(前回から引き続き記憶保持しておく)を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前余白印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS15に移る。
【0111】
ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した前余白領域PE1に、ステップS100で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等の後続情報印字R1の印刷を開始する(図12(c)参照)。なお、この後続情報印字R1の印刷は、対応する印刷データ分の印刷が終わり次第自動的に終了する。
【0112】
その後、ステップS20において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、印字済みタグラベル用テープ109の上記識別子PMが検出されたかどうか、すなわち印字済みタグラベル用テープ109が、ラベル印字領域PEにおけるラベル印字Rの印刷開始位置(以下適宜、本印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えればラベル印字Rの印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(d)参照)を判定する。識別子PMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS25に移る。
【0113】
ステップS25では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述したラベル印字領域PEに、ステップS100で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する(図12(e)参照)。
【0114】
その後、ステップS30において、印字済みタグラベル用テープ109が前述した前切断位置まで搬送されたかどうか(言い換えればカッタ15の可動刃41がステップS100で設定した前切断線CLfに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。ここで、図16(a)及び図16(b)を用いて既に説明したように、前切断線CLfの位置と無線タグ本体90のテープ搬送方向先端との間の間隙gは例えば約2mmとなっており、図15(a)及び図15(b)の比較例の構造における間隙g=6mmよりも4mm短い。このことは、言い換えれば、前切断線CLfの設定位置が、上記比較例に比べて本実施形態では4mmだけ搬送方向上流側にずれていることに相当し、このステップS30での判定も、当該4mm分だけ、前切断のタイミングが遅くなっていることに相当している。なお、このステップS30での判定は、例えば、上記ステップS20においてタグテープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前切断位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS35に移る。
【0115】
ステップS35では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ3から繰り出された印字済みタグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS100で設定した前切断線CLfにカッタ15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からのタグテープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
【0116】
その後、ステップS40で、入出力インターフェース113を介しカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、可動刃41を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、粘着層101d、ベースフィルム101e、粘着層101f、及び剥離紙101gをすべて前切断線CLfで切断(分断)する前切断処理を行う(図12(f)参照)。このカッタ15による分断によって、印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、前後に作成された(作成される)2つの無線タグラベルT,Tの作成関連情報がそれぞれ印字された付属ラベルTiが生成される。
【0117】
そして、ステップS45に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開する。この搬送再開時において、前述した作用により、著しい搬送抵抗の増大が軽減されるのである。またこの搬送再開ともに、ステップS25と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。また、テープ搬送が再開されることにより、上記ステップS40で(印字済みタグラベル用テープ109から分離され)ラベル状に生成された付属ラベルTiが、ラベル排出口7へ向かって搬送され、ラベル排出口7からタグラベル作成装置1外へと排出される。
【0118】
その後、ステップS200へ移り、印字ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ本体90が装置アンテナ52と正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い(図12(h)参照)、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ(図12(i)及び図12(j)参照)、さらに次の付属ラベルTiにおける先行情報印字R2の印刷を行う(後述の図19参照)。
【0119】
次に、ステップS50に移り(なおこの時点でステップS200において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)、印字済みタグラベル用テープ109が前述した本切断位置まで搬送されたかどうか(言い換えればカッタ15の可動刃41がステップS100で設定した本切断線CLrに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS20においてタグテープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。本切断位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS55に移る。
【0120】
ステップS55では、上記ステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS100で設定した本切断線CLrにカッタ15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からのタグテープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0121】
その後、ステップS55でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、カッタ15の可動刃41を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、粘着層101d、ベースフィルム101e、粘着層101f、及び剥離紙101gをすべて本切断線CLrで切断(分断)する本切断処理を行う(図12(l)参照)。このカッタ15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られ(又は所定のタグ情報が書き込まれ)かつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0122】
その後、ステップS65に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS55でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口7へ向かって搬送され、ラベル排出口7からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
【0123】
図18は、上述したステップS100の詳細手順を示すフローチャートである。図18に示すフローにおいて、まずステップS105で、入出力インターフェース113を介し、PC118から入力操作された操作信号を入力(識別)する。この操作信号には、例えば操作者が指定したラベル印字R(前回印字分と今回印字分の2つ)の文字・図柄・模様等やそのフォント(字体、大きさ、太さ等)あるいは文字や数字等のキャラクタのコードデータなどの印刷情報や作成日時などが含まれ、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行う場合には、当該書き込み情報(少なくとも識別情報としてのタグIDを含む無線タグ情報)も含まれる。また、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ3の種類に関する情報(言い換えれば、タグテープ101内における無線タグ回路素子の配置間隔、タグテープ101のテープ幅等のタグ属性情報)も併せて含まれる。
【0124】
なお、このカートリッジ情報については、カートリッジ3に別途設けた被検出部(例えば凹凸形状等の識別子)を適宜の検出手段(メカニカルスイッチ等の機械的検出を行うものや、光学的検出を行うセンサ、磁気的検出を行うセンサ等)で検出し、この検出信号に基づきカートリッジ3の種類を自動的に検出・検索するようにしてもよい。
【0125】
その後、ステップS110に移り、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記印刷情報に対応した印刷データ(ラベル印字R、後続情報印字R1、先行情報印字R2)を作成する。
【0126】
そして、ステップS115において、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記書き込み情報に対応した通信データを作成する。なお上述したように、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合にはこの手順を実行するが、無線タグ回路素子Toに予め記憶された情報の読み取りのみを行って(情報書き込みを行わず)無線タグラベルTを作成する場合には、この手順は省略してもよい。
【0127】
その後、ステップS120に移り、上述した前切断線CLfの位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記カートリッジ情報に対応した前切断線CLfのテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ3の種類によって、前述したようにタグテープ101内における無線タグ本体90のピッチ間隔P(言い換えればピッチ基準線Lpとピッチ基準線Lpとの距離)が一意的に決まる。また、前切断線CLfの位置は(本切断線CLrとは異なり)ラベル印字Rの内容によらず、印字済みタグラベル用テープ109先端(又は識別子PMの先端)から一定の位置に予め決められている(例えばテーブルの形で制御回路110の適宜の箇所に記憶されている)。但しこのとき、前述したように、タグテープ101の搬送方向に沿った送りローラ27の中心Oからカッタ15までの距離Z、及び、テープ送りローラ27のローラ外周の円周長W、に関し、IC保持体92のテープ搬送方向後端からのカッタ15の切断位置までの距離Yが、Z+(W/4)>Yの条件を満足するように、上記前切断線CLfの位置は設定されている。この手順では、このような前提のもと、上記前切断線CLfの位置を、カートリッジ3ごとに、予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0128】
そして、ステップS125において、上述した無線タグ本体90によるテープ上の通信位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ3の種類によって無線タグ本体90や無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は印字済みタグラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている前提のもと、上記無線タグ本体90の印字済みタグラベル用テープ109における配置位置を、カートリッジ3ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0129】
その後、ステップS130に移り、上記ステップS110で作成された印刷データに基づき、ラベル印字Rの印刷が終了するテープ上の位置(以下適宜、本印刷終了位置という)を算出する。すなわち、ラベル印字Rの内容によって変化し、印字長さが長くなる場合には印刷終了位置はラベル後端部側に(相対的に)近くなり、印字長さが短い場合には印刷終了位置はラベル前端部側に(相対的に)近くなる。
【0130】
そして、ステップS135において、上述した本切断線CLrの位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号と、上記ステップS130で算出された印刷終了位置とに基づき、上記カートリッジ情報に対応した本切断線CLrのテープ上の位置を設定する。すなわち、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ3の種類によって印刷終了位置から本切断線CLrまでの距離は一定に予め決められている前提のもと、上記ステップS130で算出された印刷終了位置に対し当該定められた距離を加える(間に介在させる)形で、テープ上の本切断線CLrの位置を算出する。
【0131】
その後、ステップS140に移り、印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ3の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置をカートリッジ3ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0132】
そして、ステップS145において、上述した無線タグ本体90のテープ上の後端位置を設定する。この設定も、上記と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ3の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は予め決められている前提のもと、上記無線タグ本体90の印字済みタグラベル用テープ109における後端位置を、カートリッジ3ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0133】
そして、ステップS150に移り、ステップS135で設定した本切断線CLrの位置(本切断位置)が、ステップS145の無線タグ本体90の後端位置よりもラベル後端側であるかどうかを判定する。本切断線CLrの位置がラベル後端側に設定されていれば判定が満たされ、ステップS165に移る。
【0134】
本切断線CLrの位置が無線タグ本体90の後端位置よりもラベル前端側に設定されていた場合、判定が満たされず、ステップS155に移る。ステップS155では、このままでは無線タグ本体90の一部を切断してしまう可能性があることから、これを回避するために、本切断線CLrの位置が無線タグ本体90の後端位置よりもラベル後端側となるように位置修正を行い(再設定)、ステップS165に移る。
【0135】
ステップS165では、後続情報印字R1及び先行情報印字R2の印刷位置を設定する。この設定も、前述と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ3の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、例えば印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置を基準として、後続情報印字R1及び先行情報印字R2のそれぞれの印刷を実行する位置をカートリッジ3ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。なお、上記14に示したように先行情報印字R2を印刷する後余白領域PE2が不足する場合には、先行情報印字R2の印刷位置の設定を省略することになる。
【0136】
その後、ステップS170において、後述の装置アンテナ52から無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M,Nを0に初期化設定し、このルーチンを終了する。
【0137】
図19は、上述したステップS200の詳細手順を示すフローチャートである。図19に示すフローにおいて、まずステップS210で、印字済みタグラベル用テープ109が前述した装置アンテナ52との通信位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば上記ステップS125で設定した、装置アンテナ52が無線タグ本体90位置と略正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(h)参照)を判定する。このときの判定も、前述した図17のステップS30と同様、例えば、上記ステップS20においてタグテープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS220に移る。
【0138】
ステップS220では、上記ステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ本体90に装置アンテナ52が略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する(図12(i)参照)。
【0139】
その後、ステップS400に移り、装置アンテナ52と無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部80に対し図18の上記ステップS115で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図20参照)。
【0140】
次に、ステップS230へ移り、図17のステップS45と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
【0141】
その後、ステップS240に移り、印字済みタグラベル用テープ109が前述した本印刷終了位置(上記図18のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS20においてタグテープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS250に移る。
【0142】
ステップS250では、上記図17のステップS35と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、所定の印字領域に対するラベル印字Rの印刷が完了する(図12(j)参照)。
【0143】
その後、ステップS500に移り、後余白領域PE2の長さX2が十分に長い場合にだけ後余白領域PE2に対応する位置に先行情報印字R2の印刷を行う後余白印刷処理を実行し(詳細は後述の図21参照)、このルーチンを終了する。
【0144】
図20は、上述したステップS400の詳細手順を示すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書き込みを例にとって説明する。
【0145】
図20において、まずステップS410で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、タグID読み取りコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、無線タグ回路素子Toの記憶されたID情報を取得するための質問波(この例では問合せ信号としての上記タグID読取コマンド信号)を生成する。そして、このタグID読み取りコマンド信号を、装置アンテナ52を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部86が初期化される。
【0146】
その後、ステップS415において、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)を、装置アンテナ52を介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
【0147】
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
【0148】
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS410に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0149】
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Writeコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該無線タグ回路素子Toのメモリ部86に所望のデータを書き込むための質問波(この例では上記Writeコマンド信号)を生成する。そして、このWriteコマンド信号を、装置アンテナ52を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
【0150】
その後、ステップS445において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Readコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該無線タグ回路素子Toのメモリ部86に記録されたデータを読み出すための質問波(この例では上記Readコマンド信号)を生成する。そして、このReadコマンド信号を装置アンテナ52を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0151】
その後ステップS450において、上記Readコマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号を、装置アンテナ52を介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
【0152】
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき当該無線タグ回路素子Toのメモリ部86内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部86に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0153】
正常に記憶されていない場合は判定が満たされず、ステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0154】
ステップS455において正常に記憶が行われていた場合、判定が満たされ、ステップS470に移る。ステップS470では、送信回路306に制御信号を出力し、ロックコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該無線タグ回路素子Toのメモリ部86に記録されたデータの上書きを禁止するための質問波(この例では上記ロックコマンド信号)を生成する。そして、このロックコマンド信号を、装置アンテナ52を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが完了する。
【0155】
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域に印字されたラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力し、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させる。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
【0156】
図21は、図19で上述したステップS500の詳細手順を示すフローチャートである。
【0157】
図21に示すフローのまずステップS510において、前述のステップS135で設定した本切断線CLrの位置(本切断位置)と、前述のステップS140で設定したピッチ基準線Lpの位置が、予め定められた所定の距離以上(具体的には、先行情報印字R2の印刷に必要な距離以上)であるかどうかを判定する。本切断線CLrの位置とピッチ基準線Lpの位置とが近すぎる場合にはこの判定が満たされず、先行情報印字R2を印刷するのは適当ではないとみなされ、このルーチンを終了する。一方、本切断線CLrの位置とピッチ基準線Lpの位置とが十分に遠ければこの判定が満たされ、ステップS520に移る。
【0158】
ステップS520では、ステップS10と同様、印字済みタグラベル用テープ109が、後余白領域PE2における先行情報印字R2の印刷開始位置(以下適宜、後余白印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えれば、先行情報印字R2の印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(k)参照)を判定する。このときの判定は、前述と同様、上記ステップS20においてタグテープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。後余白印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS530に移る。
【0159】
ステップS530では、前述のステップS15等と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した後余白領域PE2に、上記ステップS110で生成した先行情報印字R2の印刷データに対応した文字、記号、バーコード等の印刷を開始する(図12(l)参照)。なお、この先行情報印字R2の印刷は、対応する印刷データ分の印刷が終わり次第自動的に終了する。そして、このルーチンを終了する。
【0160】
以上において、上記図17〜図21に示すフローの全手順が、各請求項記載の制御手段を構成する。
【0161】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御回路110がテープ送りローラ27とカッタ15とを連携して制御し、搬送を停止したカッタ15の切断時に、IC保持体92の搬送方向全寸法がテープ送りローラ27の外周部に沿って円弧状に接触した状態となるようにする(図16(b)参照)。これにより、先行する付属ラベルTiが完成し搬送停止した時点において、IC保持体92のすべてがテープ送りローラ27の外周部形状により変形完了した状態となる。したがって、IC保持体92において、テープ送りローラ27の外周部に未接触でまだ変形していない部分は存在しなくなるので、搬送開始時の著しい搬送抵抗の増大を軽減することができる。この結果、テープ送りローラ27の搬送力不足による搬送不良の発生を防止することができる。
【0162】
また、本実施形態では特に、前切断線CLfの位置からIC保持体92のテープ搬送方向後端までの距離Y、タグテープ101の搬送方向に沿った送りローラ27の中心Oからカッタ15までの距離Z、及び、ローラ円周長Wに関して、Z+(W/4)>Yとなるように無線タグカートリッジ3が構成され、カートリッジホルダ6やカッタ15が配置されている。これにより、搬送停止したときに、IC保持体92のすべての部分がテープ送りローラ27の外周部に接触した状態を確実に実現し、搬送不良の発生を確実に防止することができる。
【0163】
また、本実施形態は特に、タグテープ101のIC保持体92は、タグテープ101が第1ロール102として巻回されている状態での円弧状反り方向と、タグテープ101がテープ送りローラ27の外周部に接触している状態での円弧状反り方向とが逆方向となる(図16(b)参照)。このため、IC保持体92が、第1ロール102内において一方側に円弧状に沿っている状態から、テープ送りローラ27の外周部で上記の逆の他方側に円弧状にそるように変形される場合には、反りを逆方向に矯正することとなるので、前述したIC保持体92の剛性に基づく搬送抵抗が特に大きくなる。したがって、前述のようにして、IC保持体92のすべてがテープ送りローラ27の外周部に接触した状態で、タグテープ101の搬送停止するよう制御することが、搬送不良発生の防止に特に有効である。
【0164】
また、本実施形態では特に、制御回路110が、テープ送りローラ27、印字ヘッド23、カッタ15を連携して制御し、1枚の印字付き無線タグラベルTを作成するごとに、無線タグラベルTと付属ラベルTiとの2つが互いに分離された状態で交互に排出されることとなる。前述したように、付属ラベルTiは、前述の他方側の後余白領域PE2部分と一方側の前余白領域PE1部分とが合体したものに相当するため、その長さ(X1+X2)は、ラベル印字領域PE部分(無線タグラベルT本体)の長さXに比べるとそれほどは短くならない。この結果、付属ラベルTiを切断した後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱しタグラベル作成装置1内における悪影響を及ぼすのを防止することができる。したがって、タグラベル作成装置1の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる。
【0165】
なお、上記第1実施形態では、一つのタグラベル作成装置1で、無線タグラベルTの印字及び分断形成(つまり印字ラベルの作成)と無線タグ回路素子Toに対する情報の読み取り又は情報の書き込みとの、両方を行わせる構成としていたが、これに限られない。すなわち例えば、印字ラベルの作成と情報送受信をそれぞれ別体の装置(印字装置、無線タグ通信通信装置)で行うようにしてもよい。以下、そのような第2実施形態を図22〜図28により説明する。
【0166】
図22は、本実施形態の印字ラベル作成装置を構成する印字装置と、無線タグ通信装置とを備えた、無線タグラベル生成システムTS2を示すシステム構成図である。この図22は、上記第1実施形態における図1に相当する図であり、図1と同等の構成のものには同じ符号を付し、適宜説明を省略する(以下の図23〜図28においても同様)。
【0167】
図22に示すこの無線タグラベル生成システムTS2において、印字装置402及び無線タグ通信装置403は、有線あるいは無線による通信回線NWを介して情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。
【0168】
図23は、印字装置402内の内部構造を示す平面図であり、図24は、印字装置の全体構造を概念的に示す概念的構成図である。これら図23及び図24において、印字装置402は、カートリッジホルダ405を有する装置本体408を備え、カートリッジホルダ405に印字ラベル用カートリッジ407が、タグテープ101の幅方向が図において紙面に略垂直方向となるように収納される。
【0169】
印字ラベル用カートリッジ407は、上記実施形態と同様の態様で無線タグ本体90(図示省略)が配置された帯状のタグテープ101が巻回された第1ロール(タグテープロール)502と、上記タグテープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム(被印字テープ)103が巻回された第2ロール504と、インクリボン505を繰り出すリボン供給側ロール511と、印字後のインクリボン505を巻取るリボン巻取りローラ506と、タグテープ101とカバーフィルム103とを押圧し貼り合わせて印字済みラベル用テープ510としつつ矢印で示す方向に搬送し、印字ラベル用カートリッジ407から繰り出すテープ送りローラ507とを備える。
【0170】
一方、装置本体408は、上記カバーフィルム103に所定の印字(上記第1実施形態と同様のラベル印字R、後続情報印字R1、及び先行情報印字R2の印刷)を行う印字ヘッド(印字手段)410と、この印字ヘッド410への通電を制御する印刷駆動回路425と、上記リボン巻取りローラ506を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸411と、上記テープ送りローラ507を駆動するテープ送りローラ駆動軸(搬送手段)412と、上記テープ送りローラ507と対をなすサブローラ509と、プラテンローラ508と、上記テープ送りローラ駆動軸412及び上記リボン巻取りローラ駆動軸411を駆動する例えばパルスモータである印字ラベルカートリッジ用モータ423と、この印字ラベルカートリッジ用モータ423の駆動を制御する印字ラベルカートリッジ駆動回路424と、印字済みラベル用テープ510を所定のタイミングで所定の長さに切断し印字ラベルSを生成するカッタ(切断手段)415と、このカッタ415を駆動して切断動作を行わせるカッタ用ソレノイド426と、このソレノイド426を制御するソレノイド駆動回路427とを有している。なお、詳細な説明及び図示を省略するが、本実施形態の印字ラベル用カートリッジ407及び装置本体408においても、上記実施形態と同様、前切断線CLfの位置からIC保持体92のテープ搬送方向後端までの距離Y、タグテープ101の搬送方向に沿った送りローラ57の中心Oからカッタ415までの距離Z、及び、ローラ円周長Wに関して、Z+(W/4)>Yとなるように構成されている(詳細は後述)。
【0171】
上記の印字ラベルカートリッジ駆動回路424、印刷駆動回路425、ソレノイド駆動回路427等は、制御回路430によって制御される。この制御回路430は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路430は、入出力インターフェース431を介し例えば通信回線NWに接続され、この通信回線NWに接続された前述の端末118a、汎用コンピュータ118b及び情報サーバIS等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0172】
上記構成において、上記印字ラベルカートリッジ用モータ423の駆動力によってリボン巻取りローラ506及びテープ送りローラ507が矢印で示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、上記テープ送りローラ駆動軸412とサブローラ509及びプラテンローラ508とはギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸412の駆動に伴いテープ送りローラ507、サブローラ509、及びプラテンローラ508が回転する。この結果、第1ロール502から前述した7層構造のタグテープ101が繰り出されテープ送りローラ507へ供給されるとともに、第2ロール504よりカバーフィルム103が繰り出される。
【0173】
この繰り出されたカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記タグテープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール511及びリボン巻取りローラ506で駆動されるリボン505とともに印字ヘッド410とプラテンローラ508との間に狭持され、上記印字ヘッド410に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に接触させられる。このとき、上記印刷駆動回路425により印字ヘッド410の複数の発熱素子が通電され、カバーフィルム103の裏面の所定の領域に所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等のラベル印字Rが印刷される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン505は、リボン巻取りローラ駆動軸411の駆動によりリボン巻取りローラ506に巻き取られる。
【0174】
印字後のカバーフィルム103は、上記タグテープ101とともにテープ送りローラ507及びサブローラ509との間に狭持され、押圧によって互いに貼り合わされ一体化し、印字済みラベル用テープ510として形成される。そして、その印字済みラベル用テープ510がカッタ415によって所定の長さに切断されることで、無線タグ回路素子Toを含む印字ラベルSが生成され、その印字ラベルSが搬出口408B(図22参照)から搬出される。
【0175】
図25は、上記無線タグ通信装置403の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。図25において、無線タグ通信装置403の装置本体409には、上記の印字装置402により生成された印字ラベルSが(例えば操作者の手操作により)搬入口409A(図22参照)から搬入されるようになっている。
【0176】
装置本体409は、搬入口409Aから搬入された印字ラベルSを矢印で示す方向に搬送するラベル送りローラ517と、このラベル送りローラ517を駆動するラベル送りローラ駆動軸518と、このラベル送りローラ駆動軸518を駆動する例えばパルスモータであるラベル送りローラ用モータ519と、このラベル送りローラ用モータ519の駆動を制御するラベル送りローラ駆動回路520と、印字ラベルSに備えられる上記無線タグ回路素子Toとの間で高周波を用いて無線通信により信号の授受を行う装置アンテナ414(通信手段)と、この装置アンテナ414を介し上記印字ラベルSの無線タグ本体90に備えられた無線タグ回路素子To(後述の図26参照)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ことで、印字付きの無線タグラベルTを完成させるための高周波回路421と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路422と、印字付きの無線タグラベルTを搬出口409B(図22参照)へと案内するための搬送ガイド413とを有している。
【0177】
さらに装置本体409は、上記の高周波回路421、信号処理回路422、ラベル送りローラ駆動回路520等を介し、無線タグ通信装置403全体の動作を制御する制御回路530と、この制御回路530と接続され表示機能及び操作入力機能をもった表示・操作部(この例ではタッチパネル)540とを有している。制御回路530は、上記の制御回路430と同様に、いわゆるマイクロコンピュータである。また制御回路530は、入出力インターフェース531を介し通信回線NWに接続され、この通信回線NWに接続された前述の端末118a、汎用コンピュータ118b、及び情報サーバIS等との間で情報のやりとりが可能である。タッチパネル540には、無線タグ回路素子Toに対しアクセスを行うべき印字ラベルSに対応する印字情報が表示される(必要に応じその他の情報を表示してもよい)。
【0178】
次に、以上のように構成した本実施形態の動作の一例について、図26により説明する。
【0179】
この無線タグラベル生成システムTS2においては、まず操作者が、無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)とこれに対応する印字情報(印字文字等)と付加情報とを端末118aにより操作入力する。すると、これらの識別情報、印字情報及び付加情報が印字装置402に送られ、印字装置402により対応するパケット情報(特に図示せず)が生成される。そして、そのパケット情報が、印字装置402から無線タグ通信装置403及び情報サーバISにそれぞれ送られる。
【0180】
このとき、印字装置402では、印字ヘッド410によって印字情報に対応した印字Rがカバーフィルム103に対して行われ、さらに印字後のカバーフィルム103とタグテープ101とが一体化されてなる印字済みラベル用テープ510をカッタ415で切断することで、無線タグ回路素子Toを備えた無線タグ本体90を含む印字ラベルSが生成されて搬出される(このとき、上記第1実施形態と同様、付属ラベルTiと印字ラベルSとが交互に作成される。前述の図9、図11、図13、図14を参照)。
【0181】
また、無線タグ通信装置403のタッチパネル540には、印字装置402により生成された印字ラベルSに対応する印字情報が表示される。操作者は、タッチパネル540の表示を見て、タッチパネル540に表示されている印字情報に対応する印字ラベルSを無線タグ通信装置403の搬入口409Aから差し込んで無線タグ通信装置403内に供給する。すると、印字ラベルSに備えられた無線タグ回路素子Toに識別情報に対応するデータが書き込まれ、印字付きの無線タグラベルTが完成されることになる。なお、タッチパネル540に印字情報が複数表示されている場合には、操作者は、タッチパネル540によりいずれか1つの印字情報を選択操作した後、その選択された印字情報に対応する印字ラベルSを無線タグ通信装置403に供給する。
【0182】
本実施形態の無線タグラベル生成システムTS2の特徴は、上記印字装置402での印字ラベルSの作成時に、第1実施形態のタグラベル作成装置1での無線タグラベルTの作成時と同様の構成及び制御態様としたことにある(情報送受信に関連する制御は除く)。すなわち、第2実施形態において、先に図16を用いて説明したのと同様、テープ送りローラ507の外周の円周長W、タグテープ101のテープ搬送方向に沿ったテープ送りローラ507の中心Oからカッタ415までの距離Zに対し、IC保持体92の搬送方向後端部からカッタ415の切断位置までの距離Yが、Z+(W/4)>Yの関係を満足するように、印字ラベル用カートリッジ407を構成し、またカートリッジホルダ405やカッタ415が配置されている。そして、印字装置402の制御回路430がテープ送りローラ507及びカッタ415を前述の各フローにと同様の制御内容(但し通信に関する制御事項を除く)により連携して制御する(=各請求項記載の制御手段としての機能)ことにより、搬送を停止したカッタ415の切断時に、IC保持体92の搬送方向全寸法がテープ送りローラ507の外周部に沿って円弧状に接触した状態となるようにしている。これにより、先行する1つの付属ラベルTiが完成し搬送停止した時点で、IC保持体92のすべてがテープ送りローラ507の外周部形状により変形完了した状態とし、搬送開始時の著しい搬送抵抗の増大を軽減することができる。この結果、上記第1実施形態のタグラベル作成装置1と同様、テープ送りローラ507の搬送力不足による搬送不良の発生を防止することができる。
【0183】
また、制御回路430が、テープ送りローラ507(ローラ駆動軸412)、印字ヘッド23、カッタ15を連携して制御して、各ラベル印字領域PEを構成するタグテープ101(第1長さ方向領域)ごとに対応して1つの印字ラベルSを作成する一方、前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域を構成するタグテープ101(第2長さ方向領域)ごとに、1つの付属ラベルTiを作成する。これにより、前述のように、1枚の印字ラベルSを作成するごとに、印字ラベルSと付属ラベルTiとの2つが互いに分離された状態で交互に排出されることとなる。そして上述したように、付属ラベルTiは、前述の他方側の後余白領域PE2部分と一方側の前余白領域PE1部分とが合体したものに相当するため、その長さ(X1+X2)は、ラベル印字領域PE部分(印字ラベル本体)の長さXに比べるとそれほどは短くならない。この結果、付属ラベルTiを切断した後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し印字装置402内における悪影響を及ぼすのを防止することができる。したがって、印字装置402の動作信頼性を向上し、信頼性の高い印字ラベルSの作成、ひいては無線タグラベルTの作成を行うことができるのである。
【0184】
なお、以上においては、タグテープ101等を所定位置で停止させて上記印字や読み取り・書き込みを行う例を示したが、これに限られず、移動中のタグテープ101に対して無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行うようにしてもよい。
【0185】
また、無線タグ回路素子ToのIC回路部80から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行う一方で、印字ヘッド23,410によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0186】
また、カートリッジ3,407のようなタグラベル作成装置1や印字装置402側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102,502を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0187】
なお、以上において、図6、図24、図25、図26等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0188】
また、図17〜図21等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0189】
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0190】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0191】
1 タグラベル作成装置(印字ラベル作成装置)
15 切断手段
23 印字ヘッド(印字手段)
27 テープ送りローラ
28 サブローラ
52 装置アンテナ(通信手段)
62 タグアンテナ
80 IC回路部
90 無線タグ本体
92 IC回路保持体
101 タグテープ
103 カバーフィルム(被印字テープ)
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
402 印字装置(印字ラベル作成装置)
403 無線タグ通信装置
410 印字ヘッド(印字手段)
412 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
414 装置アンテナ(通信手段)
415 カッタ(切断手段)
PM 識別子
R ラベル印字
R1 後続情報印字
R2 先行情報印字
PE ラベル印字領域
PE1 前余白領域
PE2 後余白領域
Lp ピッチ基準線
CLf 前切断線
CLr 本切断線
S 印字ラベル(第1ラベル)
T 無線タグラベル(第1ラベル)
Ti 付属ラベル(第2ラベル)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のアンテナ基材と、前記アンテナ基材に設けられ情報の送受信を行うタグアンテナと、情報を記憶するIC回路部、及び、前記IC回路部を前記アンテナ基材に対し保持する保持部材を含むIC保持体とをそれぞれ備えた、複数の無線タグ本体がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の無線タグラベルを作成するための印字ラベル作成装置であって、
前記タグテープを軸心と直交する方向に巻回したタグテープロール、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープを軸心と直交する方向に巻回した被印字テープロール、及び、前記タグテープロールから繰り出された前記タグテープと前記被印字テープロールから繰り出された前記被印字テープとを押圧し貼り合わせて貼り合わせテープとする押圧ローラ、を有する無線タグカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
前記タグテープ、前記被印字テープ、及び前記貼り合わせテープを、搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段による搬送中に前記被印字テープに対し印字を行う印字手段と、
前記搬送手段による搬送の停止時に前記貼り合わせテープを厚さ方向に切断する切断手段と、
前記押圧ローラと協働して前記タグテープと前記被印字テープとを押圧し前記貼り合わせテープとするサブローラと、
前記切断手段による切断動作時において、前記IC保持体の搬送方向全寸法が前記押圧ローラの外周部に沿って円弧状に接触した状態で前記タグテープの搬送が停止するように、前記搬送手段及び前記切断手段を連携して制御する制御手段と
を有することを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の印字ラベル作成装置において、
カートリッジホルダは、
前記タグテープが前記タグテープロールとして巻回されている状態での前記IC保持体の円弧状反り方向と、前記タグテープが前記押圧ローラの外周部に接触している状態での前記IC保持体の円弧状反り方向とが、逆方向となるように構成されている前記無線タグカートリッジを着脱可能である
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載の印字ラベル作成装置において、
カートリッジホルダは、
前記タグテープの搬送方向に沿った前記押圧ローラ中心から前記切断手段までの距離X、前記押圧ローラ外周の円周長L、前記タグテープにおいて前記切断手段による切断位置から前記IC保持体の前記搬送方向の後端部までの寸法Yとの間において、
X+(L/4) > Y
が成立するように構成された、前記無線タグカートリッジを着脱可能である
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段は、
前記タグテープのうち前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記無線タグラベルとしての第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記無線タグ回路素子を備えない1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項5】
請求項4記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段は、
作成された前記第1タグラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−211634(P2010−211634A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58536(P2009−58536)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】