説明

印字装置

【課題】熱容量の大きい記録媒体への画像形成時に記録媒体間に発生しがちなスティック現像を防止する印字装置を提供する。
【解決手段】熱容量の大きい記録媒体としてOHP用紙を例とする。20枚の連続印字において紙間距離を先行のOHP用紙が印字されてトレイ上に排紙され次のOHP用紙が先行のOHP用紙上に積載されるまでの紙間時間に置き換えた実験データからデータ表50を得る。上段はスティック未発生の印字枚数、下段はそのときの紙間距離(mm)、中段は紙間距離を紙間時間(秒)に置き換えた値を示している。これらのデータの関係をデータテーブルとして制御装置のメモリ装置に記憶し、外部から入力された用紙の種類(例えばOHP用紙)と連側印字枚数を判別し、データテーブルに基づいて紙間距離(mm)を設定し、印字処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばOHP用紙のように熱容量の大きい記録媒体への画像形成時に記録媒体間に発生しがちなスティック(stick:貼り付き)現像を防止する印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばOHP(オーバーヘッドプロジェクター)に用いられる投影用の記録用紙には、透明なプラスチック薄板から成るOHP用紙が専用されている。このOHP用紙は、例えばボリエステルシートにコーティング層を施した印字面が形成されている。その印字面には、プリンタ等の記録装置でも印字することができ、OHP用紙は、その印字内容をOHPを用いてスクリーンに投影表示するのに使用される。
【0003】
ところで、OHP用紙における上述した樹脂シート(ボリエステルシート)のコーティング層は、樹脂シートと記緑材料であるトナーとの接着性、すなわち定着器内における融着状態時のトナーと樹脂シートとの接着性をよくするために施されている。
【0004】
しかし、コーティング層を樹脂シートの片面のみに施すと、定着器で加えられる熱の影響を受けてOHP用紙が巻き上がってしまうことがある。
また、コーティング層を片面のみに施すと、ユーザに印字を正しくコーティング層のある面に行うように、ユーザにコーティング層のある面を知らしめるためのノッチ(notch:切り目)をOHP用紙に形成する等の処理を施しておく必要があり、これではOHP用紙の取り扱いに利便性が欠ける。
【0005】
このような利便性に欠ける不具合を解消する目的で、近年、OHP用紙としては、一般に両面コーティングしたものが使用されている。
ところが、このように両面にコーティング層を有するOHP用紙上に、比較的印字率の高い印字を連続して行うと、先に印字されて十分に熱が冷めていないOHP用紙のトナー層と、定着器より排出されたばかりのOHP用紙の裏面のコーティング層とが貼り付く、いわゆるスティック現象が発生する。
【0006】
これは、近年の印字装置では、印字速度がより高速化されているため、連続印字された印字用紙は排紙部に高速に排紙されて積載され、この積載された用紙には定着器で受けた熱が蓄熱されて容易に冷めないために発生する現象である。
【0007】
このようにスティックしたOHP用紙を引き剥がすと、その印字面のトナー画像が、上に重なって貼り付いているOHP用紙の裏面に付着して印字面から剥がれ、画像欠陥となってしまう。
【0008】
一般に、OHP用紙は普通紙からなる合紙と交互に重ねた積層状態で市販されている。通常は、印字時にはOHP用紙と合紙とが交互に給紙されて、OHP用紙は印字部へ搬送され、合紙はそのまま排紙部に排出される。
【0009】
その合紙を利用して、コーティング層による付着の問題や汚損の発生を解消する技術が提案されている。すなわち、OHP用紙および合紙を交互に重ねた用紙積層体よリ1枚ずつ用紙を供給し、供給された用紙がOHP用紙であるか合紙であるかを判別し、OHP用紙である場合は合紙を供給してOHP用紙と合紙とを重ねて搬送し、印字を行うというものである。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許2558137号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1の技術では、上記の合紙が蓄熱しない十分な薄さをもったものであれば、トナー画像と合紙が付着することは防止できるが、印字したOHP用紙間には合紙が挟まっているため、この印字したOHP用紙をOHPの投影に用いる際には、一々合紙を手作業で取り除かなければならない等の手数が掛かるという新たな問題が発生する。
【0011】
また、OHP用紙が必ずしも合紙と交互に重ねた積層状態で市販されているとは限らないから、上記のトナー画像と合紙が付着することを防止する技法を常に利用できるという保証もない。
【0012】
また、スティック現象は、OHP用紙ばかりでなく、耐水紙や厚紙等の比較的蓄熱し易い、つまり熱容量の大きい用紙で発生しがちであるので、このような用紙の場合には合紙の存在を当てにすることもでもない。
【0013】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、OHP用紙に限ることなく熱容量の大きい記録媒体への画像形成時に記録媒体間に発生しがちなスティック現像を防止する印字装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下に、本発明に係わる印字装置の構成を述べる。
本発明の印字装置は、電子写真方式の印字装置であって、印字に使用される用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であるか否かを判別する用紙種類判別手段と、上記用紙の連続印字枚数を判別する連続印字枚数判別手段と、上記用紙種類判別手段により上記用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であると判別されたとき、上記連続印字枚数判別手段の判別に基づいて、先に排出された印字済み用紙に重ねて排出する印字済み用紙の排出までの重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるように変更する排出時間差変更手段と、を備えて構成される。
【0015】
上記排出時間差変更手段は、例えば連続印字される上記用紙の排紙トレイが一つのみであるとき、上記用紙の連続印字される印字時間の間隔が長くなるように変更することにより上記重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるようにする。
【0016】
この場合、例えば上記用紙の搬送速度を普通紙の場合よりも遅くすることにより上記印字時間の間隔が長くなるように変更してもよく、また、例えば上記用紙の給紙間隔を普通紙の場合よりも延ばすことにより上記印字時間の間隔が長くなるように変更してもよい。
【0017】
また、上記排出時間差変更手段は、例えば連続印字される用紙の排紙トレイが複数であるとき、連続印字される上記用紙を上記複数の排紙トレイに交番に排紙することにより上記重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるようにする。
【0018】
この場合、上記複数の排紙トレイは、例えば印字面を下向きで積載するフェイスダウン排紙トレイと、印字面を上向きで積載するフェイスアップ排紙トレイであってもよく、また、例えば多段式に配置された複数のスタッカであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、連続印字に用いられる用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であるとき、先に排出された印字済み用紙に重ねて排出する印字済み用紙の排出までの重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるように設定するので、先に排出された印字済み用紙に冷却期間を置くことができ、これにより、重ね排紙された用紙間にスティック現像が発生するのを防止することができる。
【0020】
また、用紙の排紙トレイが複数であるときは、連続印字される用紙を複数の排紙トレイに交番に排紙するので、同一トレイ上に先に排出された印字済み用紙に冷却期間を置くことができ、これにより、用紙の搬送速度を遅くしたり印字時間間隔を延ばさなくても重ね排紙された用紙間にスティック現像が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、文字のみに限らず画像等の印刷も含めて全て「印字」として説明している。
(実施形態1)
図1は、第一の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。同図に示す画像形成装置1は、タンデム型のフルカラーの画像形成装置であり、例えばデスクトップ型のパソコン用ラックに載置可能な程度の大きさの画像形成装置である。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置1は、その本体基部2の前面(図の右方)に、給紙用開閉トレイ3を備え、下部には用紙カセット4を着脱自在に備えて、この用紙カセット4に多枚数の用紙を載置・収容している。
【0023】
本体基部2の前方上面の操作部5には、電源スイッチ、上蓋開閉スイッチ、液晶表示装置、複数の入力キー等が配設され、それより後方は、ほぼ全面を覆って上蓋6が配設されている。この上蓋6は、後部が本体基部2の後部上面とともに上部排紙トレイ7を形成して、ヒンジ8を支点にして上下に開閉する。上部排紙トレイ7には、その後部上方の排紙口9から印字(印刷)済みの用紙が排出される。
【0024】
また、本体基部2の内部は、略中央に、前後に偏平なループ状に形成された搬送ベルト11が搬送面を水平にして配置されている。搬送ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13の間に張設され、駆動ローラ12に駆動され、図の反時計回り方向に循環移動する。
【0025】
この搬送ベルト11の上循環部に当接して、4個の感光体ドラム14(14m、14c、14y、14k)が搬送ベルト11の用紙搬送方向(図の右から左方向)に沿って多段式に並設されている。
【0026】
これらの感光体ドラム14の周囲には(以下、感光体ドラム14mの周囲の諸装置のみに番号を付与して説明する)、感光体ドラム14の周面を時計回り方向に取り囲んで、クリーナ15、帯電器16、光書込みヘッド17、現像ユニット18、現像ローラ19、転写器21等の諸装置が配置されている。
【0027】
上記の転写器21は、搬送ベルト11の上循環部の裏面に接し、搬送ベルト11を介して感光体ドラム14の下部周面に圧接している。光書込みヘッド17は、支持部材22を介して上蓋6の裏面に支持されており、上蓋6の開閉に伴って円弧状の軌跡を描いて上下し、上蓋6の閉成によって降下して、所定の位置に位置決めされる。また、上記4個の感光体ドラム14m、14c、14y、及び14kに対応する4個の現像ユニット18の匡体内には、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの色トナーが夫々収容されている。
【0028】
搬送ベルト11の用紙搬送方向上流側(図の右方)には、待機ローラ対24及び用紙センサ25が配設され、その上流は横と下に分岐して、横方向には給紙ローラ26、捌き部材27、及び前述の開閉給紙トレイ3が配設されている。
【0029】
また、下方には2枚のガイド板から成る給送路28が形成され、その上流(下方)端部に搬送ローラ対29が配設され、その下方に、前述した用紙カセット4の給紙端が位置している。その給紙カセット4の給紙端の上方に、断面が半月形の給紙コロ31が配設されている。
【0030】
一方、搬送ベルト11の用紙搬送方向下流では、その端部に当接して用紙分離爪32が配設され、その下流に定着部33が配置される。定着部33は、断熱性の匡体内部に発熱ローラと圧接ローラとからなる熱定着ローラ対、発熱ローラに圧接する定着部分離爪、オイル塗布ローラ等から構成されている。
【0031】
この定着部33の下流には、排紙ローラ対34が配設され、その下流に、上方から前方へ反転する排紙路35が形成されている。排紙路35の終端の前述した排紙口9には排紙ローラ対36が配設されている。
【0032】
そして、搬送ベルト11と用紙カセット4の間には、所定枚数の回路基盤を装着可能な電装部37が配設されている。この電装部37の回路基盤には、複数の電子部品からなる制御装置が搭載されている。
【0033】
図2は、上記の画像形成装置1の制御装置を含む回路ブロック図である。図2に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)40を中心にして、このCPU40に、それぞれデータバスを介して接続されたインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)41、プリンタコントローラ(PR_CONT)42、プリンタ印字部43、ROM(read only memory)44、EEPROM(electrically erasable programable ROM)45、操作部5の操作パネル46等で構成されている。
【0034】
ROM44には、システムプログラムが記憶され、CPU40は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
すなわち、I/F_CONT41は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ47に展開する。フレームメモリ47は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。
【0035】
フレームメモリ47に展開されたデータはPR_CONT42に出力され、PR_CONT42からプリンタ印字部43に出力される。
プリンタ印字部43は、エンジン部であり、PR_CONT42からの制御の下で、図1に示した感光体ドラム14〜転写器21までを含む回転駆動系、帯電、露光等の被駆動部を有する画像形成部、回転駆動される各部からなる搬送機構、発熱駆動及び回転駆動される定着部33などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
【0036】
そして、PR_CONT42から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータは、プリンタ印字部43からそれぞれ対応する図1に示した光書込みヘッド17に供給される。
【0037】
次に、上記の構成における画像形成装置1の基本動作を説明する。先ず、電源が投入され、使用する用紙の枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると印字(印刷)を開始する。
【0038】
先ず、給紙コロ31が一回転して用紙カセット4に収容されている最上部の用紙一枚を取り出し、搬送ローラ対29及び給送路28を介して待機ローラ対24へ給送する。又は、給紙ローラ26が捌き部材27と共同して開閉給紙トレイ3に載置された用紙の最上部の一枚を待機ローラ対24へ給送する。用紙センサ25は、給送されてくる用紙の先端を検出する。
【0039】
待機ローラ対24は回転を一時停止して用紙の進行を制止し搬送タイミングを待機する。駆動ローラ12が反時計回り方向に回転して、搬送ベルト11の循環移動を開始させる。各感光体ドラム14が時計回り方向に回転駆動され、更にその周囲の諸装置が印字タイミングに合わせて順次駆動される。
【0040】
帯電器16が感光体ドラム14周面に圧接・従動しながら、不図示の帯電用電源から供給されるマイナス高電圧を感光体ドラム14に印加する。この高マイナス電荷の付与により、感光体ドラム14の絶縁性被膜からなる周表面が一様にマイナス高電位に帯電して初期化される。
【0041】
光書込みヘッド17は所定の距離を保って感光体ドラム14に対向して配置されており、感光体ドラム14周面に画像信号(印字情報)に応じた露光を行って、その露光部の電位を減衰させる。これにより、上記初期化帯電によるマイナス高電位部と、露光によるマイナス低電位部とからなる静電潜像が感光体ドラム14の周表面上に形成される。
【0042】
現像ローラ19は、現像ユニット18の匡体の下部開口部に回転自在に支持されて感光体ドラム14に圧接し、摩擦による弱いマイナス電位に帯電しているトナーを感光体ドラム14との対向部に回転搬送する。この現像ローラ19は、不図示の現像用バイアス電源からマイナス中間電位の現像バイアスを印加される。
【0043】
これにより、現像ローラ19は、上記静電潜像の低電位部との間にマイナス中間位の電位差を形成する。即ち静電潜像の低電位部は現像ローラ19に対して相対的にプラス極性の電位を形成する。
【0044】
この電位差による電界により、弱マイナス極性に帯電しているトナーが感光体ドラム14の静電潜像のプラス極性の低電位部に転移して(反転現像の場合)トナー像を形成(顕像化、現像)する。
【0045】
この現像された用紙搬送方向最上流の感光体ドラム14m周面上のマゼンタのトナー像の先端が、搬送ベルト11との対向部に回転搬送されてくるタイミングで、その対向部に用紙の印字開始位置が一致するように、待機ローラ対24が回転を開始して用紙を搬送ベルト11へ向けて給送する。用紙は、搬送ベルト11により感光体ドラム14mと転写器21により形成されている最初の転写部へ搬送される。
【0046】
転写器21は、不図示の転写バイアス電源から出力される転写電流を搬送ベルト11を介して用紙に印加して感光体ドラム14m上のマゼンタのトナー像を用紙に転写する。続いて、感光体ドラム14cと転写器21による用紙搬送方向上流から2番目の転写部がシアンのトナー像を転写し、更に感光体ドラム14yと転写器21による3番目の転写部がイエローのトナー像を転写し、そして、感光体ドラム14kと転写器21による最下流の転写部がブラックのトナー像を転写する。
【0047】
4色のトナー像を重ねて転写された用紙は、用紙分離爪32により搬送ベルト11から分離されて定着部33に搬入される。定着部33は、発熱ローラと圧接ローラにより用紙を押圧挟持し、用紙に熱と圧力とを加えてトナー像を紙面に定着させながら後方へ排出する。定着部33から排出された用紙は、排紙ローラ対34により挟持されて搬送を引き継がれ、排紙路35に沿って上方に案内され、終端で更に装置前方に反転して、排紙口9からトナー像を下向きにして上部排紙トレイ7上に排出される。
【0048】
ところで、上記の画像形成装置1の基本動作は、普通紙の場合を例にとって説明しているが、例えばOHP用紙のように蓄熱性が高く、溶融トナーの定着に時間を要する場合は普通紙の場合よりもOHP用紙の搬送速度をやや遅くして熱を加える時間を延ばしてトナー像の定着を行う。あるいは、搬送速度を変更せずに定着部33の温度を高温にする場合もある。
【0049】
いずれにしても、定着部33でOHP用紙に加えられた熱は熱容量の大きいOHP用紙に蓄熱され、通常の印字制御では、複数枚のOHP用紙を連続印字する場合に、給紙用開閉トレイ3上に重ねて排紙されたOHP用紙間に前述したようなスティック現象が発生する。
【0050】
そこで、本例においては、先ずスティック現象がどのような条件のときに発生するかを調べることにした。
図3は、上記調査の結果判明した紙間距離と印字枚数とスティック発生現象との関係を示す図表48である。尚、紙間距離は給紙ローラ26又は給紙コロ31の駆動タイミングを制御することによって達成され、この紙間距離によって各用紙間の印字処理の時間間隔が変化する。すなわち紙間距離が短ければ印字処理の時間間隔が短く、紙間距離が長ければ印字処理の時間間隔も長くなる。
【0051】
本例の装置では、定着部33は、ヒータを通したパイプ上のアルミ芯金の周りにシリコンゴムの被覆を施し、更にPTFEチューブによって表面を覆った発熱ローラと、圧接ローラの間に用紙を通過させることにより、用紙上の未定着トナー像を溶融させるいわゆる発熱ローラタイプの定着器から成る。
【0052】
そして、例えば発熱ローラは表面温度160℃、圧接ローラは表面温度145℃で駆動される。また、搬送ベルト11上を搬送されるOHP用紙の搬送速度は62mm/Secである。
【0053】
図3は、上記の条件で、所定のOHP用紙に、シアン印字率100%且つイエロー印字率100%のグリーン全ベタ画像を20枚連続通紙して印字した場合のスティックの発生具合について、OHP間の搬送間隔すなわち紙間距離を変化させて観察したものである。
【0054】
同図に示す図表48には、左端欄縦に、紙間距離(mm)を、95、200、300、360、及び420と示している。また、その右の印字枚数欄には、連続印字の枚数を左から右へ、1枚目、2枚目、3枚目、・・・、19枚目、及び20枚目として示している。また、右端欄には、紙間距離毎に「○」と「×」の評価のうちの評価「×」の数を示している。
【0055】
同図に示すように、紙間距離95mmでは、3枚目〜18枚目まで、スティック発生の評価が「×」(スティックが発生している)であり、その発生件数は右端欄に示すように16件(16枚)である。
【0056】
また、紙間距離200mmでは、中間に評価「○」が見られるものの、概ね5枚目〜18枚目までの間で、評価「×」のスティックが発生しており、その発生件数は右端欄に示すように11件(11枚)である。
【0057】
また、紙間距離300mmでは、やはり中間に評価「○」が見られるものの、概ね9枚目〜15枚目までの間で、評価「×」のスティックが発生しており、その発生件数は右端欄に示すように5件(5枚)である。
【0058】
そして、紙間距離360mm又は420mmでは、いずれも1枚目〜20枚目まで評価が「○」であり、スティックの発生件数は右端欄に示すように0件(0枚)であり、スティックが全く発生していない。
【0059】
図4は、紙間距離を、先行のOHP用紙が印字されてトレイ(上部排紙トレイ7)上に排紙され次のOHP用紙が先行のOHP用紙上に積載されるまでの時間(給紙間隔でもある)に置き換えて、その他の数値と共に示す図表49である。
【0060】
同図に示す図表49は、左から右へ、紙間距離(mm)、紙間時間(秒)、印字速度(毎秒当たりの印字枚数、ppm)、×計、印字開始からスティック未発生期間の印字枚数、を示している。
【0061】
紙間距離(mm)が95mmの場合、紙間距離(mm)、紙間時間(秒)、印字速度(ppm)、×計、及び印字開始からスティック未発生期間の印字枚数は、それぞれ、1.53秒、12.1ppm、16個、及び2枚目まで、である。
【0062】
また、紙間距離(mm)が200mmでは、それぞれ3.22秒、9.1ppm、11個、及び4枚目から、である。また、紙間距離(mm)が300mmの場合は、それぞれ、4.84秒、7.3ppm、5個、8枚目まで、である。
【0063】
そして、紙間距離(mm)が360mmでは、それぞれ5.81秒、6.6ppm、0個、及び20枚目まで発生なし又は20枚目以上から、である。また、また、紙間距離(mm)が420mmの場合は、それぞれ6.77秒、5.9ppm、0個、及び20枚目まで(又は20枚目以上)である。
【0064】
図5は、上記の図表49から得られるOHP用紙20枚の連続印字におけるスティックの発生枚数及び印字開始からスティック発生までの枚数とOHP用紙の紙間時間(秒)との関係を示す特性図である。同図は縦軸に、スティック発生枚数を黒四角のスポット、印字開始からスティック発生までの枚数を黒丸のスポットでそれぞれ示し、横軸にOHP用紙の紙間時間(秒)を示している。
【0065】
図4及び図5から分かるように、OHP用紙の紙間距離を約360mm以上(OHP用紙の給紙間隔時間約5.81秒以上)と設定すれば、スティック現象は発生しないことが分かる。ただし、給紙間隔時間が遅くなる分だけ全体としての印字速度は遅くなる。
【0066】
スティックの発生を避けるために、常に紙間距離を約360mm以上とすると、定着部33の定着能力からみると12.1ppmの印字速度がある画像形成装置であるにもかかわらず、敢えて6.6ppmで印字することになり能率が損なわれる。
【0067】
また、OHP用紙を連続で20枚以上印字するという機会は少ないと考えられるが、この低頻度の使用機会の場合に合せて全ての設定を、紙間距離約360mm以上とすることは効率的ではない。
【0068】
そこで、印字開始からスティック発生までの印字枚数に注目すると、紙間距離が短いほど印字開始からスティック発生までの時間は早くなる、つまり少ない枚数でスティックが発生する。そして、紙間距離がより長くなるほど印字開始からスティック発生までの時間は長くなる、つまりスティックが発生しない枚数が伸びることが分かる。
【0069】
すなわち、紙間距離95mm(紙間時間1.53秒)では3枚目からスティックが発生し、紙間距離200mm(紙間時間3.22秒)では5枚目からスティックが発生し、紙間距離300mm(紙間時間4.84秒)では9枚目からスティックが発生する。
【0070】
これは、見方を変えると、2枚のみの連続印字の場合であれば紙間距離95mm(紙間時間1.53秒)の設定でもスティックは発生せず、また、4枚の連続印字の場合であれば紙間距離200mm(紙間時間3.22秒)の設定でスティックは発生せず、また、8枚の連続印字の場合であれば紙間距離300mm(紙間時間4.84秒)の設定にすればスティックは発生しないことになる。
【0071】
そして、連続印字が20枚以上のときのみ、紙間距離を360mm(紙間時間5.81秒)とすればよいことになる。すなわち、予め連続印字枚数が判っている場合は、その印字枚数に応じてスティックが発生しない紙間距離(紙間時間)を設定することにより、スティックの発生が無く且つ可及的に高速な印字を行うことができることになる。
【0072】
図6は、そのような考え方に基づいて、OHP連続印字枚数とスティックが発生しない紙間距離(紙間時間)との関係を設定したデータ表50である。同図に示すデータ表50の上段にはOHP連続印字枚数を、2、3、・・・、9、10、及び11〜、として示している。
【0073】
また、中段には、上記のOHP連続印字枚数に対応するスティックが発生しない紙間時間(秒)を、1.67、2.35、2.98、3.55、4.07、4.53、4.95、5.31、5.61、5.81として示している。
【0074】
そして、下段には、上記それぞれの紙間時間に対応する紙間距離(mm)を、104、146、185、220、252、281、307、329、348、及び360として示している。
【0075】
このデータ表50のデータとしては、OHP用紙に限ることなく、耐水紙や厚紙のように普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙に対しても、上述したと同様の実験により、連続印字枚数とスティックが発生しない紙間距離(紙間時間)との関係を割り出して設定することができる。
【0076】
そのようなデータ表50のデータは、用紙の種類ごとにデータテーブルとしてEEPROM45に格納される。印字に用いられる用紙の種類及び連続印字枚数は、操作パネル46からユーザによって入力される。
【0077】
用紙種類判別手段、連続印字枚数判別手段、及び排出時間差変更手段としてのCPU40は、操作パネル46からユーザによって入力される用紙の種類と連続印字枚数を判別し、この判別により使用される用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であると判別されたときは、その判別された用紙の種類に基づいて、先に排出された印字済み用紙に重ねて排出する印字済み用紙の排出までの重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるように変更して、すなわち具体的には、上記のデータ表50から作成されるデータテーブルから適性な紙間距離(紙間時間)を設定して、印字処理を実行する。
【0078】
このように、上記のデータテーブルに則って、或る所定のOHP用紙にシアン印字率100%でイエロー印字率100%のグリーン全ベタ印字を、2枚〜20枚まで、各々連続通紙して印字した場合のスティックの発生具合について観察した結果、全ての場合についてスティック発生の無い印字物が得られることが確認された。
【0079】
このように、連続印字枚数により紙間距離(紙間時間)を調整することにより、スティック現象を防止し且つより良い印字速度を保つことが達成できる。
(実施形態1の変形例)
図7は、予め最低紙間距離(紙間時間)が初期設定されている場合のOHP用紙連続印字枚数とこれに対応して設定される紙間距離(紙間時間)との関係を示すデータテーブルである。
【0080】
尚、本例では、A4判サイズのOHP用紙を横送リして印字した場合を基準として紙間距離210mm(紙間時間3.4秒)が予め初期設定値されている。したがって、ここでOHP用紙連続印字枚数に対応して新たに設定される紙間距離(紙間時間)は、上記予め設定されている初期設定値に加算して設定される値であり、この設定値に基づいて印字処理が実行される。
【0081】
同図に示すデータテーブルは、上段にOHP連続印字枚数を、2、3、・・・、9、10、及び11〜、として示している。
そして、中段には、スティックが発生しない紙間時間(秒)が示されており、上記のOHP連続印字枚数の2、3、4に対しては、任意設定が可能(0秒も可能)となっている。
【0082】
これは、初期設定値の紙間距離210mm(紙間時間3.4秒)が、図6から分かるように、印字開始から4枚目まではスティックが発生しない設定値となっているので、この初期設定値に更に加算すべき値は「0」以上、どのような値でもよいことを示している。
【0083】
また、上段にOHP連続印字枚数の5、6、・・・、9、10、及び11〜、に対応する中段の紙間時間(秒)は、いずれもこれらの値を初期設定値の紙間時間3.4秒に加算した場合に、図6に示したスティックが発生しない値をやや上回る値となるように設定されている。
【0084】
また、図7のデータテーブルの下段には、上記それぞれの紙間時間に対応する紙間距離(mm)が、任意設定が可能(0秒も可能)、10、42、71、97、119、138、及び154として示されている。
【0085】
この場合も、これらの値を初期設定値の紙間距離210mmに加算した場合に、図6に示したスティックが発生しない値をやや上回る値となるように設定されている。
このように、例えばA4判サイズのOHP用紙を横送リして印字した場合を基準として紙間距離210mm(紙間時間3.4秒)が予め初期設定値されている場合は、図7に示すデータテーブルを用いてOHP用紙の印字処理を制御するようにするとよい。これでスティック現象を防止し且つより良い印字速度を保つことが達成できる。
【0086】
(実施形態2)
図8は、第二の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。尚、図8に示す画像形成装置は、図1に示した画像形成装置1を簡略化して示しており、図1では説明を省略した後部側(図の左方側)の開閉排紙トレイ48を後方にほぼ水平に開いた状態を示している。
【0087】
このように開閉排紙トレイ48を後方に開いた場合は、給紙用開閉トレイ3から矢印aに示すように印字部に給紙される用紙を印字したのち、その印字した用紙の搬出先を、フェイスダウンで開閉排紙トレイ48に排紙する矢印b方向と、フェイスアップで上部排紙トレイ7に排紙する矢印c方向の2方向に交互に振り分けることができる。
【0088】
このように排紙を2方向に交互に振り分けることにより、上部排紙トレイ7又は開閉排紙トレイ48の同一トレイ上に積載される用紙の紙間時間を、実際の印字時間の2倍に延ばすことができる。
【0089】
換言すれば、第1の実施形態において示したデータテーブルに則って設定された紙間距離(紙間時間)の値の1/2の設定で、第1の実施形態において示したデータテーブルに則って設定された紙間距離(紙間時間)で印字したと同様のスティック発生の無い印字物を、上部排紙トレイ7及び開閉排紙トレイ48のそれぞれに得ることができる。
【0090】
尚、この場合、ユーザがフェイスダウン排紙されたOHP用紙束を、そのままひっくり返してフェイスアップ状態とし、この用紙束をフェイスアップ排紙されたOHP用紙束の上に重ねてもぺージ順が順不同にならない様に印字する必要がある。これは、フェイスアップ排紙されたOHP用紙束をひっくり返してフェイスダウン状態とし、この用紙束をフェイスダウン排紙されたOHP用紙束の上に重ねる場合も同様である。
【0091】
一般に、このように複数のトレイに振り分けて排紙される用紙のページ順を揃える方法としては例えば特開平5−294014号公報に提案が見られる。
図9は、フェイスダウン排紙された用紙束と、フェイスアップ排紙された用紙束のページ順を揃える方法を簡単に説明する図である。同図は、例えば、フェイスアップ(FU)排紙(図の左)とフェイスダウン(FD)排紙(図の右)の2つのトレイを使う場合の例を示している。
【0092】
例えば印字枚数が8頁だった場合を例に取って説明する。印字1枚目のFD排紙では1頁目を印字、次の印字2枚目のFU排紙では8頁目を印字、更に印字3枚目のFD排紙では2頁目を印字、そして順次、印字4枚目のFU排紙で7頁目、印字5枚目のFD排紙で3頁目、印字6枚目のFU排紙で6頁目、印字7枚目のFD排紙で4頁目、印字8枚目のFU排紙で5頁目の画像順で印字する。
【0093】
FD排紙された4枚の用紙を纏めてひっくり返すと、1頁目〜4頁目がフェイスアップで重なっている。他方、FU排紙された4枚は、5頁目〜8頁目がフェイスアップで重なってトレイ上にある。この上に4枚を纏めてひっくり返したFD排紙の4枚を重ねると、1頁目〜8頁目がフェイスアップで重なっている。
【0094】
(実施形態3)
図10は、第三の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。尚、図10に示す画像形成装置は、図1に示した画像形成装置1とほぼ同様の内部構成を簡略化して示しており、更にその後部側(図の左方側)に4棚52を備えた構成のソーター53を配置した状態を示している。
【0095】
図10は4棚構成のソーター53を示しているが、最低で3棚以上のソーターを使用すればスティックの発生を考慮しなくともよくなる。
例えば3棚のソーターの場合、同一棚上に重ねられる後発の用紙は先発の用紙から数えて4枚目である。したがって、この画像形成装置の紙間距離(紙間時間)の初期設定値を、実施形態1の変形例で示した紙間距離210mm(紙間時間3.4秒)とすると、これは印字開始から4枚目まではスティックが発生しない設定値であるから、スティック発生を考慮して設定値を制限する必要は無くなるという利点がある。
【0096】
また、この場合も排紙される用紙のページ順を揃える必要があるが、このようなソーターに排紙する場合は、ソーターの棚の数だけFD排紙が分割される状態として考えて、第ニの実施形態で説明した方法と同様に、ソーターの棚ごとの印字画像の順を組み合わせていくとよい。また、ソーターとフェイスダウン排紙(フェイスアップ排紙でもよい)を組み合せて同様の動作をしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第一の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。
【図2】画像形成装置の制御装置を含む回路ブロック図である。
【図3】調査の結果判明した紙間距離と印字枚数とスティック発生現象との関係を示す図表である。
【図4】紙間距離を先行のOHP用紙が印字されてトレイ上に排紙され次のOHP用紙が先行のOHP用紙上に積載されるまでの時間に置き換えて他の数値と共に示す図表である。
【図5】OHP用紙20枚の連続印字におけるスティックの発生枚数及び印字開始からスティック発生までの枚数とOHP用紙の紙間時間(秒)との関係を示す特性図である。
【図6】OHP連続印字枚数とスティックが発生しない紙間距離(紙間時間)との関係を設定したデータ表である。
【図7】予め最低紙間距離(紙間時間)が初期設定されている場合のOHP用紙連続印字枚数とこれに対応して設定される紙間距離(紙間時間)との関係を示すデータテーブルである。
【図8】第二の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。
【図9】フェイスダウン排紙された用紙束とフェイスアップ排紙された用紙束のページ順を揃える方法を簡単に説明する図である。
【図10】第三の実施形態における画像形成装置の内部構成を模式的に示す側断面図である。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
2 本体基部
3 給紙用開閉トレイ
4 用紙カセット
5 操作部
6 上蓋
7 上部排紙トレイ
8 ヒンジ
9 排紙口
11 搬送ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
14(14m、14c、14y、14k) 感光体ドラム
15 クリーナ
16 帯電器
17 光書込みヘッド
18 現像ユニット
19 現像ローラ
21 転写器
22 支持部材
24 待機ローラ対
25 用紙センサ
26 給紙ローラ
27 捌き部材
28 給送路
29 搬送ローラ対
31 給紙コロ
32 用紙分離爪
33 定着部
34 排紙ローラ対
35 排紙路
36 排紙ローラ対
37 電装部
40 CPU(central processing unit)
41 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
42 プリンタコントローラ(PR_CONT)
43 プリンタ印字部
44 ROM(read only memory)
45 EEPROM(electrically erasable programable ROM)
46 操作パネル
47 フレームメモリ
48、49 図表
50 データ表
51 開閉排紙トレイ
52 4棚
53 ソーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式の印字装置であって、
印字に使用される用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であるか否かを判別する用紙種類判別手段と、
前記用紙の連続印字枚数を判別する連続印字枚数判別手段と、
前記用紙種類判別手段により前記用紙が普通紙に比べて蓄熱性の高い用紙であると判別されたとき、前記連続印字枚数判別手段の判別に基づいて、先に排出された印字済み用紙に重ねて排出する印字済み用紙の排出までの重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるように変更する排出時間差変更手段と、
を備えたことを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記排出時間差変更手段は、連続印字される前記用紙の排紙トレイが一つのみであるとき、前記用紙の連続印字される印字時間の間隔が長くなるように変更することにより前記重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の印字装置。
【請求項3】
前記排出時間差変更手段は、前記用紙の搬送速度を普通紙の場合よりも遅くすることにより前記印字時間の間隔が長くなるように変更することを特徴とする請求項2記載の印字装置。
【請求項4】
前記排出時間差変更手段は、前記用紙の給紙間隔を普通紙の場合よりも延ばすことにより前記印字時間の間隔が長くなるように変更することを特徴とする請求項2記載の印字装置。
【請求項5】
前記排出時間差変更手段は、連続印字される用紙の排紙トレイが複数であるとき、連続印字される前記用紙を前記複数の排紙トレイに交番に排紙することにより前記重ね排紙の時間間隔が普通紙の場合よりも長くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の印字装置。
【請求項6】
前記複数の排紙トレイは、フェイスダウン排紙トレイと、フェイスアップ排紙トレイである、ことを特徴とする請求項5記載の印字装置。
【請求項7】
前記複数の排紙トレイは、多段式に配置された複数のスタッカである、ことを特徴とする請求項5記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−208458(P2006−208458A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16949(P2005−16949)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】