説明

印影印刷装置

【課題】押印欄の枠に対して傾いて押印してしまったり、誤って上下逆さまに押印してしまったり、印刷に所定の印刷時間がかかるために印刷途中で用紙が移動すると印影が崩れたりなどを発生させることのない印影印刷装置を提供する。
【解決手段】印影印刷装置は、印刷手段とされる印刷部9と、撮像手段とされる撮像部27と、押印欄位置検出手段31と、回転角度検出手段32と、印影像回転手段33と、印刷制御手段34と、位置ずれ判断手段35と、印刷中断手段36と、印刷再開手段37とを備え、印影印刷装置にセットされた用紙面を撮像し、その用紙面に表示された押印すべき位置または押印すべき枠線を自動的に判定し、印刷途中に用紙が動くと印刷を途中で停止させ、印刷途中の用紙が再セットされると、残りの印影画像を印刷する位置、回転角度を調整して印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押印欄を有する用紙に印影の印刷を行う印影印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印影印刷装置としては、例えば、特開2000−1032号公報(特許文献1)のように、インクジェットヘッドを備えた装置本体を用紙上にセットし、そのインクジェットヘッドを移動させながら印刷情報に応じてインクを吐出することにより用紙に印影を印刷するものがある。
【0003】
また、他の印影印刷装置としては、印影を印刷すべき用紙を装置本体の所定の位置にセットし、そのセットされた用紙の押印欄に対してその印影印刷装置が備える印刷機構により印影を印刷するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−1032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す従来の印影印刷装置では、用紙上の押印欄の位置に正しく装置本体がセットされないと、印影が押印欄の位置から外れた位置に印刷されたり、押印欄に対して印影が斜めに傾いて印刷されたりする。また、印影の印刷途中で何らかの原因で装置と用紙の間で位置ずれが生じると、綺麗に印影を印刷できないという問題がある。
【0006】
また、上記従来の他の印影印刷装置でも、装置に対して用紙が正しくセットされないと、印影が押印欄の位置から外れた位置に印刷されたり、押印欄に対して印影が斜めに傾いて印刷されたりする。また、印影の印刷途中で何らかの原因で装置に対する用紙のセット位置がずれると、綺麗に印影を印刷できないという問題がある。
【0007】
本発明は、装置本体にセットされた用紙の押印欄の位置に正確に位置合わせし、且つ斜めに傾くことなく印影を印刷することができるとともに、その印影の印刷途中で装置本体に対する用紙のセット位置がずれることがあっても、その印影の印刷に失敗することなく最終的に綺麗な印影の印刷結果を得ることができる印影印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る印影印刷装置は、装置本体にセットされる用紙の押印欄に対して所定の印影を印刷により形成する印影印刷装置であって、前記用紙に印刷を行う印刷手段と、前記印影の印刷情報を記憶する印影情報記憶手段と、前記装置本体にセットされる前記用紙の用紙面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記用紙面の画像情報から前記押印欄の位置を検出する押印欄位置検出手段と、前記撮像手段によって撮像された前記用紙面の画像情報によって表わされる前記押印欄の姿勢の、所定の基準姿勢に対する回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記印影情報記憶手段に記憶された前記印影の印刷情報を、前記回転角度検出手段によって検出された角度だけ回転させる印影像回転手段と、前記印刷手段を動作させることにより前記押印欄位置検出手段によって検出された前記用紙の押印欄の位置に、前記印影像回転手段によって回転処理された印刷情報に基づいて印影を印刷する印刷制御手段と、前記印刷手段の印刷中に前記撮像手段によって撮像される前記用紙面の画像情報に基づいて、印刷中における用紙の位置ずれを判断する位置ずれ判断手段と、前記位置ずれ判断手段によって用紙の位置ずれが判断されたときに、前記印刷手段の印刷動作を中断させるとともに、前記印影の印刷情報の印刷中断位置の情報を記憶する印刷中断手段と、印刷中断後に前記装置本体に用紙が再セットされて印刷再開の指示がされた場合、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報に基づいて前記回転角度検出手段及び前記印影像回転手段を再動作させるとともに、前記印影の印刷情報のうちで少なくとも前記印刷中断位置以降の印刷情報に基づいて前記印刷手段を動作させて、前記押印欄位置検出手段により再検出する前記用紙の押印欄の位置に印影の未印刷部分を印刷中断前の印刷済部分に続けて印刷する印刷再開手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る印影印刷装置における前記印刷中断手段は、前記印刷手段の印刷中に前記位置ずれ判断手段により用紙の位置ずれが判断されない場合、前記印刷手段の印影を印刷する動作を中断させないことを特徴とする。
【0010】
そして、本発明に係る印影印刷装置における前記印影情報記憶手段は、予め複数種類の印影の印刷情報を記憶しており、さらに、前記印影情報記憶手段に記憶される前記複数種類の印影の印刷情報から印刷すべき印影として1つの印影を指定する指定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る印影印刷装置における前記印刷再開手段は、前記印刷中断手段により記憶される前記印刷中断位置の情報に基づいて、その印刷中断位置より手前から前記印影の印刷情報の未印刷部分を印刷することを特徴とする。
【0012】
またさらに、本発明に係る印影印刷装置における前記撮像手段は、前記用紙への印刷可能範囲を含む範囲を撮像可能であることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明に係る印影印刷装置における前記押印欄位置検出手段は、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報から前記押印欄を示す所定の文字及び/又は所定のマークを判定してその用紙上の押印欄の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る印影印刷装置における前記回転角度検出手段は、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報から前記押印欄を示す所定の文字及び/又は所定のマークの傾きを判定して前記押印欄の回転角度を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、用紙の用紙面の画像情報から押印欄の位置を検出するとともに、その画像情報から押印欄の所定の基準姿勢に対する回転角度を検出し、その回転角度だけ印影の印刷情報を回転し、その回転処理した印影の印刷情報を押印欄に位置合わせして用紙上に印刷するように構成したことにより、装置本体にセットされた用紙の押印欄の位置に正確に位置合わせし、且つ印影が斜めに傾いたり上下反対になる等のことがなく所定の基準姿勢で印影を印刷することができる。また、印影の印刷中に用紙の位置ずれを判断し、その位置ずれが判断されると印影の印刷を中断するようにし、印刷再開時に再セットされた用紙について、改めて押印欄の位置の検出、押印欄の基準姿勢に対する回転角度の検出、及び検出した回転角度だけ印影の印刷情報の回転を行い、回転処理した印影の印刷情報のうちの未印刷部分を印刷中断前の印刷済部分に続けて印刷するように構成したことにより、印影の印刷途中で装置本体に対する用紙のセット位置がずれることがあっても、その印影の印刷に失敗することなく最終的に綺麗な印影の印刷結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係る印影印刷装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る印影印刷装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施例における印影印刷装置により印刷される用紙の押印欄に関する説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る印影印刷装置の全体フローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る印影印刷装置の印刷フローチャートである。
【図6】本発明の実施例に係る印影印刷装置の動作説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る印影印刷装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。印影印刷装置1は、装置本体にセットされる用紙40の押印欄41に対して所定の印影を印刷により形成する印影印刷装置1であって、用紙40に印刷を行う印刷手段とされる印刷部9と、印影の印刷情報を記憶する印影情報記憶手段とされる記憶部25とを備える。また、印影印刷装置1は、装置本体にセットされる用紙40の用紙面を撮像する撮像手段とされる撮像部27と、撮像部27によって撮像された用紙面の画像情報から押印欄41の位置を検出する押印欄位置検出手段31とされる制御部23とを備える。
【0018】
さらに、制御部23は、撮像部27によって撮像された用紙面の画像情報から押印欄41の所定の基準姿勢に対する回転角度を検出する回転角度検出手段32としても機能する。そして、制御部23は、記憶部25に記憶された印影の印刷情報を回転角度検出手段32によって検出された回転角度だけ回転させる印影像回転手段としても機能する。そして、制御部23は、印刷部9を動作させることにより押印欄位置検出手段31によって検出された押印欄41の位置に、印影像回転手段33によって回転処理された印影の印刷情報に基づいて印影を印刷する印刷制御手段34としても機能する。また、制御部23は、印刷部9の印刷中に撮像部27によって撮像される用紙面の画像情報に基づいて、その用紙40の位置ずれを判断する位置ずれ判断手段35としても機能する。さらに、制御部23は、位置ずれ判断手段35によって用紙40の位置ずれが判断されると、印刷部9の印影を印刷する動作を中断させるとともに、印影の印刷情報の印刷中断位置の情報を記憶する印刷中断手段36としても機能する。
【0019】
また、制御部23は、印刷中断手段36により印影の印刷が中断された後に、その印影の印刷再開の指示がされた場合、撮像部27により撮像される装置本体に再セットされる用紙40の用紙面の画像情報に基づいて、回転角度検出手段32により押印欄41の所定の基準姿勢からの回転角度を再検出させるとともに、その再検出された回転角度だけ印影像回転手段33により印影の印刷情報を回転処理し、その回転処理された印刷情報のうちで少なくとも印刷中断位置以降の印刷情報に基づいて印刷部9を動作させて、押印欄位置検出手段31により再検出される押印欄41の位置に未印刷部分を印刷中断前の印刷済部分に続けて印刷する印刷再開手段37としても機能する。
【0020】
なお、印影情報記憶手段とされるROM29は、予め複数種類の印影の印刷情報を記憶しており、印影印刷装置1は、さらに、ROM29に記憶される複数種類の印影の印刷情報から印刷すべき印影として1つの印影を指定する指定手段とされる入力操作部17を備える。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の実施例に係る印影印刷装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施例に係る印影印刷装置の機能ブロック図である。
【0022】
図1に示すように、印影印刷装置1は、略立方形状に形成され、印影印刷装置1の下端近傍に底面と平行な間隙となる空間が形成され、その空間の下部に、本装置によって印影が印刷される用紙をその用紙面を上向きにしてセットする紙載置部5が設けられている。また、印影印刷装置1の上面には、撮像された用紙面の画像、印影の印刷位置確認、さらに各警告表示などを表示するための表示部13となるLCDと、入力操作部となる操作ボタン19、実行ボタン21が配置されている。そして、印影印刷装置1の内部で紙載置部5の直上の位置には、セットされた所定の用紙の用紙面に印刷を行うためにインクを吐出するノズル列11を有するインクジェットヘッド(印刷部)9と、セットされた所定の用紙の用紙面を撮像する撮像部27が配置されている。
【0023】
そして、この印影印刷装置1は、回路構成を示すブロック図である図2に示すように、制御部23、記憶部25、撮像部27、印刷部9、入力操作部17、表示部13、時計部15を備える。
【0024】
この制御部23は、マイクロコンピュータとしてのCPUであり、記憶部25であるROM29に記憶されたプログラムにより作動して制御部23に接続された入力操作部17や表示部13、時計部15、記憶部25、撮像部27、印刷部9の動作を制御する。そして、制御部23は、入力操作部17からのキー操作信号に応じて、または、自動で記憶部25のROM29に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、記憶部25のRAM28をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。
【0025】
また、制御部23は、用紙上に備える押印欄の位置を検出する押印欄位置検出手段31、印影印刷装置1にセットされる用紙面の撮像画像から用紙の押印欄について予め定める基準姿勢からの回転角度を検出する回転角度検出手段32、その検出された角度に基づいて印影を押印欄に対して所定の向きで印刷するべく印影の印刷情報を検出された回転角度だけ回転処理する印影像回転手段33、所定の回転角度だけ回転印刷処理された印刷情報に基づいて用紙の押印欄に位置合わせして印影を印刷する印刷制御手段34、その印影の印刷中に印影印刷装置にセットされる用紙の位置ずれを判断する位置ずれ判断手段35、印影の印刷中に位置ずれが判断されたときに印影の印刷を中断する印刷中断手段36、更に、印刷中断後に用紙が再セットされたときに印刷を再開して印影の印刷済み部分に続けて未印刷部分の印刷を行う印刷再開手段37としての機能を有する。以下にそれらの各手段及びその機能について詳述する。
【0026】
本発明の印影印刷装置1によって印影を印刷する所定の用紙には押印欄が設けられており、印影印刷装置1はその押印欄の位置に印刷を行い印影を形成する。その所定の用紙に設けられる押印欄には、押印(印影印刷)位置を示す所定の表記がされている。例えば、図3(A)は、漢字「印」の丸枠囲い文字43によって押印位置を表わすものであり、図3(B)は、押印領域を示す円形枠44を表記するとともに、その円形枠44の中心位置に「印」の1文字を配置して押印位置を表わしている。これらの押印欄41には、漢字「印」の丸枠囲い文字43や円形枠44から上方に所定の距離を置いて、それら丸枠囲い文字43や円形枠44の近傍位置に2個のドットを横並びにしたマークである基準マーク42が表記されている。また、図3(C)は、さらに他の押印欄41を示しており、印影の印刷領域を示す矩形の枠に(領収日付印)などの所定の文字45を付記している。
【0027】
用紙40上の押印欄41の位置を検出する押印欄位置検出手段31として制御部23は、撮像手段によって撮像された用紙面の画像情報に基づいて押印欄41の位置を検出するものであり、用紙面の画像情報から「印」の文字が判定された際に、その「印」の文字が単独で存在し、周辺に文字が存在しなければ、その「印」の文字の中心位置を押印欄41の中心位置として設定し、或いは「領収日付印」等の所定の文字列及び印影の印刷領域となる矩形枠等が検出されれば、その枠の中心位置を押印欄41の中心位置に決定する。また、図3(A)及び図3(B)に示すタイプの押印欄41では、「印」の文字と共にその文字と所定の位置及び所定の距離関係を有する基準マーク42が設けられているため、用紙面の撮像画像からこの基準マーク42を識別して押印欄41の中心位置を求めるようにしてもよい。
【0028】
なお、印影印刷装置1は、印影の印刷途中で印刷継続に不都合が生じた場合に印刷を中断し、後に中断した印刷を再開することができるが、例えば、図3(A)及び図3(B)に示したタイプでは、中断前の印刷動作よって「印」の文字上に印影の一部が印刷がされることにより、その後の印刷再開時に「印」の文字が中断前の印影の印刷部分に隠れてしまい、「印」の文字を目安とした押印欄41の位置検出ができなくなるが、印影が印刷される位置に重ならない位置に基準マーク42を設けておくことで、印刷再開時にその基準マーク42を検出することにより押印欄41の位置を求めることができる。
【0029】
回転角度検出手段32として制御部23は、撮像部27によって撮像された用紙面の例えば「印」等の所定の文字などの画像情報に基づいて押印欄41の回転角度を検出する。このとき、制御部23は、用紙面の撮像画像から前記所定文字の傾きを判定して、用紙が紙載置部5にセットされた際における押印欄41の姿勢の、所定の基準姿勢に対する回転角度を検出する。つまり、制御部23は、用紙が正規の姿勢で紙載置部5にセットされた状態でその用紙面の撮像画像により把握される押印欄41の文字の姿勢(これを押印欄41の基準姿勢とする)に対して、その撮像された押印欄41としての文字が回転している角度を検出することにより回転角度検出手段32として機能する。したがって、用紙40が正規の姿勢で紙載置部5にセットされていれば、用紙面の撮像画像から押印欄41の回転角度がゼロと検出され、用紙40が正規の姿勢に対してある角度だけ回転した姿勢で紙載置部5にセットされる場合には、そのある角度が回転角度として検出されることになる。
【0030】
なお、回転角度検出手段32として制御部23は、印影の印刷が途中で停止された用紙40への印影の印刷再開にあたって、押印欄41の中心位置にある「印」の1文字上に印影の印刷が行われた場合には、図3(A)、図3(B)に示したように「印」の1文字の上部で印影の印刷がされることのない所定の距離を有して設けられた2個の基準マーク42に基づいて、回転角度を検出する。要するに、図3(A)及び図3(B)のタイプの押印欄41では、「印」の文字又は基準マーク42或いはその両者により回転角度を検出してもよい。
【0031】
印影像回転手段33として制御部23は、記憶部25に記憶された印影の印刷情報を前記回転角度検出手段32として検出した回転角度だけ回転させて印影の印刷情報を生成する。
【0032】
印刷制御手段34として制御部23は、押印欄位置検出手段31として検出した押印欄41の中心位置に印影像回転手段33により回転処理した印影の印刷情報の中心位置がかさなるように位置合わせし、その回転処理した印影の印刷情報に基づいて印刷部9を制御して用紙40の押印欄41に対して印刷を行う印刷制御手段34として機能する。
【0033】
位置ずれ判断手段35として制御部23は、印刷部9による印刷中に撮像部27によって常時撮像される用紙面の画像情報に基づいて、用紙40の位置ずれを判断する。この位置ずれ判断手段35として制御部23は、撮像部27によって撮像された用紙面の画像情報における文字又は複数の特徴点を抽出して、その文字又は特徴点が許容量(例えば、印影文字の線幅相当である0.3mm)をこえて移動した場合に位置ずれが発生したと判定する。
【0034】
印刷中断手段36として制御部23は、位置ずれ判断手段35として用紙40の位置ずれが発生したことを検出して位置がずれたと判定したとき、印刷部9の動作を中断させるとともに、中断された印影の未印刷部分を示す印影の印刷情報の印刷中断位置の情報を記憶部25のRAM28に記憶させる。また、制御部23は、位置ずれ判断手段35として用紙40の位置ずれを検出することなく位置ずれがないと判断する場合は印刷部9による印影を印刷する動作を中断させないようにしている。
【0035】
印刷再開手段37として制御部23は、印刷中断手段36として印影の印刷を途中で停止させた場合に用紙40が再度セットされて用紙40への印刷を開始するとき、RAM28に記憶された印刷中断位置の情報を読み込み、印刷中断位置以降の印刷情報の印刷を行う。そして、印刷再開手段37として制御部23は、印影の印刷再開にあたって、撮像部27によって撮像された印影印刷装置1の装置本体に再セットされる用紙40の用紙面の画像情報に基づいて改めて回転角度検出手段32として検出した回転角度だけ印影の印刷情報を回転させ、その回転処理された印刷情報のうち中断位置以降の印刷情報を改めて押印欄位置検出手段31として検出した押印欄41の位置に印刷部9を制御して印刷を行う。また、印刷再開手段37として制御部23は、印刷中断手段36として記憶部25に記憶した印刷中断位置より少し手前の位置から印影の印刷情報の残りの部分を印刷する。
【0036】
記憶部25は、ROM29とRAM28で構成され、ROM29には、押印するための印影の印刷情報が記憶される印影情報記憶手段としての領域を備えている。印影情報記憶手段は、予め複数種類の印影の印刷情報を記憶している。そして、印影情報記憶手段に記憶される複数種類の印影の印刷情報は、入力操作部17における操作ボタン19などによる指定手段によって印刷すべき印影として1つの印影を指定される。また、RAM28には、印刷中断手段36として制御部23が印刷部9の動作を中断したときに、中断された印影の未印刷部分を示す印刷情報の印刷中断位置の情報が記憶される。
【0037】
さらに、記憶部25には、押印欄位置検出手段31として制御部23による押印欄41の位置を検出するべく「印」の文字や所定の文字列、或いは押印領域を示す枠などを識別するためにそれらの文字や枠画像と照合するための画像情報等の情報が記憶される。
【0038】
そして、記憶部25のROM29には、入力操作部17で選択された印影を押印位置に印刷するためのプログラム、印刷用フォント、印刷用データなどが記憶されている。また、記憶部25のRAM28は、入力操作部17から入力された文字などを記憶する入力データメモリ、入力された文字情報の印刷情報に展開されて記憶される印刷情報メモリ、表示部13に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリなどの各領域が確保され、印刷処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタなどが設けられている。
【0039】
撮像部27は、紙載置部5にセットされた用紙40の用紙面を撮像するものであり、撮像部27で撮像された用紙面画像は、記憶部25のRAM28に記憶される。そして、この撮像部27に使用される撮像装置は、電荷結合素子となるCCD又はCMOS素子で形成され、ファクシミリや複写機で用いられるリニアイメージセンサ、又はビデオカメラやデジタルスチルカメラなどで用いられるエリアイメージセンサが使用される。なお、本発明の実施例においては、2次元範囲を撮像するエリアイメージセンサが用いられている。また、撮像部27の撮像する範囲は、後述する印刷部9の印刷可能範囲よりも広くなっている。
【0040】
印刷部9は、印刷制御手段34として制御部23で生成された印影を、紙載置部5にセットされた用紙面に印刷する。この印刷部9は、用紙面に対してインクを吐出するノズル列11を有するインクジェットヘッドで構成されており、図示しないが該インクジェットヘッドを駆動させる駆動機構を備えている。そして、印刷時には、ノズル列11と直角方向にインクジェットヘッドを移動させて、用紙面にインクを吐出して印刷が行われる。なお、実施例においては、ノズル列11を有するインクジェットヘッドを用いてインクを吹き付ける印刷方法の例を説明したが、これに限定されるものでなく熱転写テープを用いた印刷方法や、転写テープにドットを打ち付けて印刷する印刷方法など、どのような印刷方法を用いても構わない。
【0041】
そして、入力操作部17は、印刷を指示及び再開を指示するための実行ボタン21と操作ボタン19で構成され、入力操作部17で入力された信号は、制御部23にキー操作信号として送信される。また、入力操作部17は、複数種類の印影の印刷情報から印刷すべき印影として1つの印影を指定する指定手段でもある。
【0042】
表示部13は、LCDで構成され、撮像された用紙面画像、種々の設定や印刷位置の選択、さらに各警告表示などが表示される。表示部13は、印影の印刷前に撮像された用紙面画像に印影押印範囲を示す画像を合成させて表示させる。また、印影印刷装置1において、印影印刷中に用紙40が移動して印刷を途中で停止させると、制御部23は、表示部13を制御して「用紙が動いたので印影の印刷を中断しました。用紙を改めてセットし、実行ボタンを押してください。」などのメッセージを表示させる。
【0043】
時計部15は、現在の日時情報を保持しており、現在の日付や現在時刻情報を制御部23に送信している。そして、制御部23は、現在の日付情報や、現在の時刻情報に基づいた印影の印刷情報を生成する。
【0044】
そして、この印影印刷装置1は、紙載置部5にセットされた用紙面に記載された押印位置(押印欄41などの位置)に適切に印刷できるように、セットされた用紙40を撮像部27で撮像して、押印すべき位置を自動的に判定し、その判定結果に基づき押印位置、印影の回転角度を調整することによって、印影を正しく印刷することができる。
【0045】
次に、図4及び図5のフローチャートと、図6に示す印影印刷装置1による印影印刷動作の状態遷移を示す説明図と併せて、本実施例の印影印刷装置1の動作フローについて説明する。
【0046】
図6(A)は、紙載置部5に、用紙40がセットされていない状態の撮像部27による撮像範囲を示し、内側の方形状の領域は、印刷可能範囲αであり、外側の方形状の領域は、撮像可能領域βを示している。制御部23は、撮像部27による撮像や、紙載置部5に別途センサを設けることにより、紙載置部5に押印欄41が設けられた用紙40がセットされているか否かを監視する用紙配置監視判定(ステップS101)を行う。
【0047】
次に、図6(B)に示すように撮像部27により撮像された画像に変化があった場合や、センサに反応があった場合には、制御部23は、紙載置部5に用紙40がセットされたと判断し、紙載置部5にセットされた用紙40の撮像を開始する用紙撮像処理(ステップS103)を行う。また、撮像部27により撮像された画像に変化が無かった場合や、センサに反応が無かった場合には、用紙配置監視判定(ステップS101)を繰り返し、紙載置部5に用紙40がセットされるまで待機する。
【0048】
紙載置部5に用紙40がセットされると、制御部23は、撮像部27を制御して用紙面を撮像し、押印欄位置検出手段31として押印欄有無判定(ステップS105)を行う。制御部23は、押印欄有無判定(ステップS105)として、撮像された印刷可能範囲αの用紙面画像に押印欄41を示す単独で存在する「印」の文字、又は押印欄41を示す「印」の文字を含む文字列や文字列と四角形状の枠などが検出されるか否かにより押印欄41の有無判定を行う。押印欄41がないと判断されると、制御部23は、表示部13を制御して、「用紙面に印影押印欄が見つかりません。用紙の押印欄が台の上にくるように用紙を置いてください。」などのメッセージを表示させて、用紙配置監視判定(ステップS101)に戻る。
【0049】
一方、印刷可能範囲αに押印欄41が検出されると、制御部23は、押印欄41の位置及び回転角度を検出するための位置角度検出処理(ステップS107)を行う。
【0050】
制御部23は、位置角度検出処理(ステップS107)において、押印欄位置検出手段31として、用紙面画像に押印欄41の位置を検出すると、次に回転角度検出手段32として押印欄41を示す「印」の文字などの傾きから押印欄41の天地及び押印欄41の回転角度を検出する。例えば、図6(B)に示す状態は、用紙40が紙載置部5に基準姿勢でセットされた状態を示している。図示のように、図の下方向が用紙40の天の方向で押印欄41の上方向であり、図の上方向が用紙40の地の方向で押印欄41の下方向である。このような用紙40のセット状態において用紙面の撮像画像により表される押印欄41の姿勢を基準姿勢としている。図6(D)に示す状態は、紙載置台5にセットされる用紙40が図6(B)の基準姿勢に比べて時計回りにある角度だけ回転してセットされた場合を示している。
【0051】
そして、押印欄41の位置、回転角度が検出されると、制御部23は、印影像回転手段33として、ROM29の印影情報記憶手段に記憶された印影の印刷情報を回転角度検出手段32として検出した回転角度だけ回転させて印影の印刷情報を生成する。すなわち、例えば、図6(D)のように紙載置台5にセットされる用紙40が図6(B)の基準姿勢に比べて時計回りにある角度だけ回転してセットされた場合には、その回転角度だけ印影の印刷情報を回転して印刷用の印刷情報とする。また、制御部23は、表示部13に印影印刷の印刷イメージを表示させる印影印刷範囲表示処理(ステップS109)を行うとともに、表示された位置、回転角度により印影の印刷を実行するか否かを操作者に確認するために、「実行ボタンにより印影印刷を開始します。」などのメッセージを表示させる。
【0052】
なお、制御部23は、表示部13に用紙40の印影印刷範囲を示す画像を表示させる際に、印影像回転手段33として回転させて生成した印影の印刷情報を、用紙40の印影印刷範囲に合成させて正規な位置、正規な回転角度で印影が印刷されることを操作者が確認できるように表示部13に表示させるようにしても構わない。
【0053】
操作者により印刷開始を指示する実行ボタン21が押下されると制御部23は、印影の印刷を開始させる印刷実行処理(ステップS111)を行う。印刷実行処理(ステップS111)については、印刷中断処理及び再印刷の処理に関する図5のフローチャートにより詳細に説明する。
【0054】
制御部23は、印刷実行処理(ステップS111)により印刷部9を制御して印刷を開始すると、図6(C)に示したように印刷を行いながら、用紙40の位置ずれが発生しているか否かを監視するために、撮像部27を制御して用紙面を撮像する用紙撮像処理(ステップS201)を行う。
【0055】
そして制御部23は、印刷途中に用紙40の位置ずれの有無を検出するために位置ずれ判断手段35として、撮像部27によって撮像される用紙面の画像情報に基づいて、用紙40の位置ずれを判断する。制御部23は、位置ずれ判断手段35として、用紙面の画像情報における特徴点を複数抽出して、その特徴点が許容量をこえて移動した場合に位置ずれが発生したと判定する位置ずれ判定(ステップS203)を行う。
【0056】
位置ずれ判定(ステップS203)により、図6(D)に示したように用紙40の位置ずれの発生を検出して位置がずれたと判断すると、印刷中断処理(ステップS207)に進み、用紙40の位置ずれの判断が行われなければ、印刷終了判定(ステップS205)に進む。
【0057】
制御部23は、印刷終了判定(ステップS205)として、印刷部9の印刷状況を監視し、印刷が完了していれば処理を終了する。また、制御部23は、印刷が終了していなければ位置ずれ判定(ステップS203)に戻って、位置ずれ判断手段35として引き続き用紙40の位置ずれが発生しているか否かを監視する。
【0058】
一方、制御部23は、位置ずれ判断手段35として用紙40の位置ずれの発生により位置がずれたと判断すると、印刷中断手段36として印刷中断処理(ステップS207)により、印刷部9による印刷を中断させる。印刷の中断により制御部23は、印刷中断手段36として印影の印刷情報の印刷中断位置の情報を記憶部25のRAM28に記憶させる。
【0059】
そして、制御部23は、表示部13に「用紙が動いたので印影の印刷を中断しました。用紙を改めてセットし、実行ボタンを押してください。」などのメッセージを表示させる用紙再セット依頼処理(ステップS209)を行う。
【0060】
図6(E)に示したように用紙40が紙載置部5に再セットされ、操作者により実行ボタン21を押下されて印刷の再開が指示されると、制御部23は、紙載置部5に再セットされた用紙面の撮像を開始する用紙撮像処理(ステップS211)を行う。
【0061】
そして、制御部23は、印刷再開手段37として「印」の文字などにより押印欄41の位置及び回転角度を検出するための位置角度検出処理(ステップS213)を行う。制御部23は、位置角度検出処理(ステップS213)において、改めて押印欄位置検出手段31として押印欄41の位置を検出し、改めて回転角度検出手段32として押印欄41の回転角度を検出する。なお、押印欄位置検出手段31として制御部23は、印影の印刷が途中で停止された用紙40への印影の印刷再開にあたって、押印欄41の中心位置にある「印」の1文字上に印影の印刷が行われた場合には、図6(E)に示したように「印」の1文字の上部で印影の印刷がされることのない所定の距離を有して設けられた基準マーク42を検出して、押印欄41の中心位置を決定する。また、回転角度検出手段32として制御部23は、、図6(E)に示したように2個の基準マーク42の位置関係を検出して、前記基準姿勢に対して回転している角度を検出する位置角度検出処理(ステップS213)を行う。
【0062】
そして、中断後の印影の継続印刷にあたって、制御部23は、印刷再開手段37として、検出された回転角度に基づいて印影の印刷情報を回転処理する(ステップS215)。
【0063】
制御部23は、表示部13に印影印刷の印刷イメージを示す画像を表示させる印影印刷範囲表示処理(ステップS217)を行うとともに、表示された位置、回転角度により印影の印刷を実行するか否かを操作者に確認するために、「実行ボタンにより印影印刷を開始します。」などのメッセージを表示させる。
【0064】
操作者により実行ボタン21が押下されると、制御部23は、印刷再開手段37として回転処理された印影の印刷情報を前記印刷中断位置の情報に基づいて印刷中断位置から読み出して印刷部9に転送して印影の未印刷部分の印刷を印刷済部分に続けて行う印刷再開処理(ステップS219)を実行する。この印刷再開処理(ステップS219)が完了すると、図6(F)に示すような正確な押印となる。なお、印刷再開時には、印刷中断位置の手前から印刷を再開し、先の印刷中断時の最後の印刷部分と重複するようにしてもよい。
【0065】
なお、図7は、印影印刷装置1により、印刷途中で用紙40が移動することなく、正常に印影の印刷が完了した際の印影印刷動作の状態遷移を示す説明図である。図7(B)に示した押印欄41が記載された用紙40が図7(C)に示したように傾いた状態で紙載置部5にセットされ、印影の印刷が開始された場合でも、押印欄41の位置、回転角度を検出して印刷されることにより、図7(F)に示したように正確な押印となる。
【0066】
以上のように、本実施例によれば、予め所定の印影の印刷情報を記憶保持しておき、印影印刷装置にセットされた用紙40の用紙面を撮像し、用紙面に記載された押印欄41に印影を印刷する位置又は押印欄41に印影を印刷する回転角度を自動的に判定するとともに、印影の印刷途中において用紙40のセット位置がずれた場合であっても、その印刷を中断させ、しかる後に印刷を再開して印影の印刷を完了することができるため、印刷途中で用紙40が装置本体に対してずれることがあっても最終的に印影を綺麗に印刷することができ、印刷の失敗により書類を無駄に損なうことがない。
【0067】
そして、本実施例の印影印刷装置1によれば、印影情報記憶手段は、予め複数種類の印影の印刷情報を記憶しており、さらに、印影情報記憶手段に記憶される複数種類の印影の印刷情報から印刷すべき印影として1つの印影を指定する指定手段を備えることから、各種の印影を押印することができるので、用途に応じた印鑑を複数用意する必要がなくなる。
【0068】
また、本実施例の印影印刷装置1によれば、印刷再開手段37により印刷中断手段36が記憶させた印刷中断位置より手前の位置から印影の印刷情報の残りの部分を印刷することができるため、印影の再印刷による隙間の発生を防止することができる。
【0069】
そして、本実施例の印影印刷装置1によれば、印影を印刷する用紙40の印刷範囲を含む広い範囲を印刷前に撮像しているため、用紙40を慎重に紙載置部5にセットするなどの必要がなく、簡単且つ正確な押印が可能となる。
【0070】
さらに、本実施例の印影印刷装置1によれば、押印欄位置検出手段31により画像情報から押印欄41を示す所定の文字位置を判定して押印欄41の位置を検出することができるため、用紙40を慎重に紙載置部5にセットするなどの必要がなく、簡単且つ正確な押印が可能となる。
【0071】
また、本実施例の印影印刷装置1によれば、回転角度検出手段32により押印欄41を示す所定の文字の傾きを判定して押印欄41の回転角度を検出することができるため、用紙面の向き(天地)を気にすることなく用紙40をセットすれば、簡単且つ正確な押印が可能となる。
【0072】
なお、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 印影印刷装置 5 紙載置部
9 印刷部 11 ノズル列
13 表示部 15 時計部
17 入力操作部 19 操作ボタン
21 実行ボタン 23 制御部
25 記憶部 27 撮像部
28 RAM 29 ROM
31 押印欄位置検出手段 32 回転角度検出手段
33 印影像回転手段 34 印刷制御手段
35 位置ずれ判断手段 36 印刷中断手段
37 印刷再開手段
40 用紙 41 押印欄
42 基準マーク 43 丸枠囲い文字
44 円形枠 45 文字


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体にセットされる用紙の押印欄に対して所定の印影を印刷により形成する印影印刷装置であって、
前記用紙に印刷を行う印刷手段と、
前記印影の印刷情報を記憶する印影情報記憶手段と、
前記装置本体にセットされる前記用紙の用紙面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記用紙面の画像情報から前記押印欄の位置を検出する押印欄位置検出手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記用紙面の画像情報によって表わされる前記押印欄の姿勢の、所定の基準姿勢に対する回転角度を検出する回転角度検出手段と、
前記印影情報記憶手段に記憶された前記印影の印刷情報を、前記回転角度検出手段によって検出された角度だけ回転させる印影像回転手段と、
前記印刷手段を動作させることにより前記押印欄位置検出手段によって検出された前記用紙の押印欄の位置に、前記印影像回転手段によって回転処理された印刷情報に基づいて印影を印刷する印刷制御手段と、
前記印刷手段の印刷中に前記撮像手段によって撮像される前記用紙面の画像情報に基づいて、印刷中における用紙の位置ずれを判断する位置ずれ判断手段と、
前記位置ずれ判断手段によって用紙の位置ずれが判断されたときに、前記印刷手段の印刷動作を中断させるとともに、前記印影の印刷情報の印刷中断位置の情報を記憶する印刷中断手段と、
印刷中断後に前記装置本体に用紙が再セットされて印刷再開の指示がされた場合、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報に基づいて前記回転角度検出手段及び前記印影像回転手段を再動作させるとともに、前記印影の印刷情報のうちで少なくとも前記印刷中断位置以降の印刷情報に基づいて前記印刷手段を動作させて、前記押印欄位置検出手段により再検出する前記用紙の押印欄の位置に印影の未印刷部分を印刷中断前の印刷済部分に続けて印刷する印刷再開手段と、
を備えることを特徴とする印影印刷装置。
【請求項2】
前記印刷中断手段は、前記印刷手段の印刷中に前記位置ずれ判断手段により用紙の位置ずれが判断されない場合、前記印刷手段の印影を印刷する動作を中断させないことを特徴とする請求項1に記載の印影印刷装置。
【請求項3】
前記印影情報記憶手段は、予め複数種類の印影の印刷情報を記憶しており、
さらに、前記印影情報記憶手段に記憶される前記複数種類の印影の印刷情報から印刷すべき印影として1つの印影を指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印影印刷装置。
【請求項4】
前記印刷再開手段は、前記印刷中断手段により記憶される前記印刷中断位置の情報に基づいて、その印刷中断位置より手前から前記印影の印刷情報の未印刷部分を印刷することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の印影印刷装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、前記印刷手段の前記用紙への印刷可能範囲を含む範囲を撮像可能であることを特徴とする請求項1に記載の印影印刷装置。
【請求項6】
前記押印欄位置検出手段は、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報から前記押印欄を示す所定の文字及び/又は所定のマークを判定してその用紙上の押印欄の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の印影印刷装置。
【請求項7】
前記回転角度検出手段は、前記撮像手段により撮像される前記用紙面の画像情報から前記押印欄を示す所定の文字及び/又は所定のマークの傾きを判定して前記押印欄の回転角度を検出することを特徴とする請求項1に記載の印影印刷装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−104831(P2011−104831A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260892(P2009−260892)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】