説明

原料土供給装置および自走式土質改良機

【課題】原料土が粘性土であっても下流の装置に原料土を安定的に供給することができる原料土供給装置およびそれを備える自走式土質改良機を提供する。
【解決手段】原料土が投入されるホッパ13と、このホッパ13に投入された原料土を搬送する原料土搬送ベルトコンベヤ14と、この原料土搬送ベルトコンベヤ14によって搬送される原料土を掻き出す掻き出しロータ15とを備える原料土供給装置4において、掻き出しロータ15に向かって進む原料土を受け止める原料土受止め位置とその原料土受止め位置から原料土を押し返す方向に所定角度回動させた原料土押返し位置との間で揺動自在に揺動板16を設け、この揺動板16を、掻き出しロータ15の回転運動を揺動板16の揺動運動に変換するカム機構49により揺動駆動する。原料土供給装置4を備える自走式土質改良機1は、改良土を安定的に生産することができるものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば土質改良剤との混合が行われる混合機に向けて原料土を供給する原料土供給装置およびそれを備える自走式土質改良機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設工事等に伴い発生する建設発生土を原料土として、この原料土に所定割合の土質改良剤を添加して混合し、支持力の強い土質に改良することが行われている。
原料土に所定割合の土質改良剤を効率的に添加するために、一定量の原料土を混合機に向けて供給すると同時に、この原料土の供給経路途中でその原料土に対し所定割合の土質改良剤を連続的に添加する方法がとられている。
【0003】
一定量の原料土を混合機へと連続的に供給する原料土供給装置としては、原料土が投入されるホッパを備え、このホッパの下方に原料土を搬送する原料土搬送ベルトコンベヤを設置し、この原料土搬送ベルトコンベヤによって搬送される原料土を掻き出す掻き出しロータをそのホッパ内に配置するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−59187号公報
【0005】
この種の従来の原料土供給装置において、掻き出しロータは、円筒状部材の外周面に所要の突起部材が設けられてなるものであり、ホッパ内の原料土を効率良くホッパ外へと掻き出すために、突起部材の形状や配置などに工夫が成されている。
【0006】
ところで、例えば原料土として粘性の高い粘性土がホッパに投入されると、掻き出しロータに向かって進む原料土がその掻き出しロータで堰き止められて滞留し、この掻き出しロータで滞留している原料土が後から搬送されてくる原料土によって圧縮されて強く締め固まってしまう場合がある。このような状態になると、掻き出しロータで原料土を掻き出すことが困難となり、ホッパから掻き出しロータを介して混合機へと切り出される原料土の切り出し量が減少することになる。
【0007】
このため、従来の原料土供給装置は、原料土が粘性土である場合、混合機に向けて原料土を安定的に供給することができなくなるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、原料土が粘性土であっても下流の装置に原料土を安定的に供給することができる原料土供給装置およびそれを備える自走式土質改良機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明による原料土供給装置は、
原料土が投入されるホッパと、このホッパに投入された原料土を搬送する搬送装置と、この搬送装置によって搬送される原料土を掻き出す掻き出しロータとを備える原料土供給装置において、
前記掻き出しロータに向かって進む原料土を受け止める原料土受止め位置とその原料土受止め位置から原料土を押し返す方向に所定角度回動させた原料土押返し位置との間で揺動自在に揺動板を設けるとともに、この揺動板を揺動駆動する駆動手段を設けることを特徴とするものである(第1発明)。
【0010】
本発明において、前記駆動手段は、前記掻き出しロータの回転運動を前記揺動板の揺動運動に変換するカム機構であるのが好ましい(第2発明)。
【0011】
本発明において、前記揺動板の下部には、下方に向かって進むにつれて開口幅が広がるような台形状の切り欠き部が設けられるのが好ましい(第3発明)。
【0012】
本発明において、前記揺動板を前記原料土押返し位置から前記原料土受止め位置に回動させる回動力を常時その揺動板に作用させる付勢手段が設けられるのが好ましい(第4発明)。
【0013】
次に、第5発明による自走式土質改良機は、
第1発明〜第4発明のいずれかの発明に係る原料土供給装置を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の原料土供給装置によれば、原料土受止め位置と原料土押返し位置との間で揺動板が揺動されることによって掻き出しロータに向かう直前の原料土がほぐされるので、掻き出しロータ手前での原料土の滞留や圧密を未然に防ぐことができ、原料土が粘性土であっても下流の装置に原料土を安定的に供給することができる。
【0015】
また、揺動板を揺動駆動する駆動手段として、掻き出しロータの回転運動を揺動板の揺動運動に変換するカム機構を採用することにより、掻き出しロータの駆動源を利用して揺動板を揺動させることができるので、揺動板を揺動させるために別途駆動源を設ける必要がないという利点がある。
【0016】
また、揺動板の下部に、下方に向かって進むにつれて開口幅が広がるような台形状の切り欠き部を設けるものとすることにより、原料土をその切り欠き部から掻き出しロータへと流れるようにしてほぐすことができるので、揺動板の駆動負荷を軽減することができるとともに、原料土を掻き出しロータでより効率良く掻き出すことができる。
【0017】
また、揺動板を原料土押返し位置から原料土受止め位置に回動させる回動力を常時その揺動板に作用させる付勢手段を設けるものとすることにより、揺動板と掻き出しロータとの間に原料土が多少入り込んでも、揺動板を原料土押返し位置から原料土受止め位置に確実に戻すことができ、原料土押返し位置と原料土受止め位置との間における揺動板の揺動運動が滞りなくスムーズに行われるという効果がある。
【0018】
また、本発明の原料土供給装置を備える自走式土質改良機によれば、原料土が粘性土であっても改良土を安定的に生産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明による原料土供給装置および自走式土質改良機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態に係る自走式土質改良機の要部を破断して表わす側面図が示されている。
【0021】
図1に示される自走式土質改良機1は、建設工事等に伴い発生する建設発生土を原料土として、この原料土に所定割合の土質改良剤を添加・混合して改良土を作業現場で生産する土質改良機である。
この自走式土質改良機1は、履帯式足回り装置が装備された下部走行体2を有している。下部走行体2上には、車体フレーム3が固設されている。車体フレーム3の前部には原料土供給装置4が搭載されている。車体フレーム3の中央部には混合機5が、車体フレーム3の後部には機関室6がそれぞれ設置されている。原料土供給装置4と混合機5との間には、土質改良剤添加装置7が配置されている。混合機5の下方位置から後方に延びるように製品搬送ベルトコンベヤ8が車体フレーム3に組み付けられている。
【0022】
原料土供給装置4は、混合機5に向けて原料土を定量供給する。土質改良剤添加装置7は、原料土供給装置4から混合機5に向けて定量供給される原料土に対して所定割合の土質改良剤を添加する。混合機5は、当該混合機5内に入った原料土と土質改良剤とを、ソイルカッタ9およびロータリハンマ10により混合して改良土を生産する。混合機5で生産された改良土は、製品搬送ベルトコンベヤ8により機体後方に向けて搬送され、製品搬送ベルトコンベヤ8の端部に付設のアフタカッタ11で更に細粒化・混合された後に機外に搬出される。
【0023】
次に、原料土供給装置4について、より詳細に説明することとする。
【0024】
原料土供給装置4は、油圧ショベル等の積込機12によって原料土が投入されるホッパ13と、このホッパ13に投入された原料土を混合機5に向けて搬送する搬送装置としての原料土搬送ベルトコンベヤ14と、この原料土搬送ベルトコンベヤ14によって搬送される原料土の切り出し高さを一定としつつ原料土を混合機5側へと掻き出す掻き出しロータ15と、この掻き出しロータ15に向かって進む原料土に立ち向かうようにホッパ13内に配置される揺動板16とを備えている。
【0025】
図2には、図1のA矢視図(a)および(a)のC部を揺動板を一部破断して表わした図(b)が示されている。
図3には、図1のB部拡大図で、揺動板が原料土受止め位置に位置されている状態図が示されている。
図4には、図1のB部拡大図で、揺動板が原料土押返し位置に位置されている状態図が示されている。
【0026】
図2(b)に示されるように、掻き出しロータ15は、円筒状部材20と、この円筒状部材20の両端部における外周面に周方向に所定間隔を存して固着される所要の突起部材21とより構成されている。円筒状部材20の一端部における内周面に形成される図示されない内向きフランジには、軸部材22が組み付けられている。円筒状部材20の他端部における内周面に形成される図示されない内向きフランジには、軸受の機能と油圧モータの機能とを兼備する油圧モータ装置23が組み付けられている。
【0027】
図2(a)に示されるように、掻き出しロータ15は、ホッパ13に着脱可能に取り付けられるロータ支持フレーム24に支持されている。ロータ支持フレーム24は、掻き出しロータ15の円筒状部材20を挟み込むよう配置される一対の側板25,26を備え、これら側板25,26の上部同士が中空状のビーム部材27で結合されて構成されている。一方の側板25には、軸部材22を回転自在に支持する軸受28が組み付けられ、他方の側板26には、油圧モータ装置23が組み付けられ、油圧モータ装置23の作動により、掻き出しロータ15が回転駆動されるようになっている。なお、掻き出しロータ15は、原料土の接する部分が、原料土の移動方向と同一の方向に移動するように回転する。
【0028】
図3に示されるように、揺動板16は、原料土を受け止める原料土受止め板部30と、この原料土受止め板部30の上方に掻き出しロータ15側に傾きが付されて連設される取付用板部31とを有している。この揺動板16の原料土受止め板部30における掻き出しロータ15と向き合う側の板面には、所要のリブ32やローラ取付座部材33が固着されている。
【0029】
また、この揺動板16において、掻き出しロータ15に向かって進む原料土と向き合う側の板面には、原料土受止め板部30から取付用板部31に架け渡されるように側方視ブーメラン形状の縦板51が固着されている。万一、原料土が原料土受止め板部30から取付用板部31へと巻き上げられたとしても、縦板51により、その巻き上げられた原料土をせん断することができる。
【0030】
ロータ支持フレーム24のビーム部材27には、揺動板16に向かって延びる第1ブラケット34が固着されている。第1ブラケット34と揺動板16との間には、中間ブラケット35が配されている。中間ブラケット35と第1ブラケット34とはピン36によって連結されている。中間ブラケット35と揺動板16とは、揺動板16の取付用板部31を貫通して中間ブラケット35に螺合するボルト37によって締結されている。
【0031】
こうして、ピン36を中心として回動自在な中間ブラケット35に揺動板16が取り付けられることにより、揺動板16は、掻き出しロータ15に向かって進む原料土を受け止める図3に示されるような原料土受止め位置と、その原料土受止め位置から原料土を押し返す方向に所定角度回動させた図4に示されるような原料土押返し位置との間で揺動自在となっている。
【0032】
図3に示されるように、ロータ支持フレーム24のビーム部材27には、上方に向かって延びる第2ブラケット38が固着されている。第2ブラケット38と中間ブラケット35との間には、戻しばね装置39(本発明の「付勢手段」に相当する。)が設けられている。この戻しばね装置39は、第2ブラケット38にピン40によって連結されるばねホルダ41と、中間ブラケット35にピン42によって連結されるばねシート43と、これらばねホルダ41とばねシート43との間に組み込まれる圧縮コイルばね44とを備えて構成されている。この戻しばね装置39により、揺動板16を原料土押返し位置(図4参照)から原料土受止め位置(図3参照)に回動させる回動力を常時その揺動板16に作用させることができる。
【0033】
ばねホルダ41とばねシート43とは、ばねホルダ41のフランジ部を貫通してばねシート43のフランジ部に螺合し、圧縮コイルばね44を挟むようにして配置される一対のセット位置調整ボルト45(片側のみ図示)によって連結されている。このセット位置調整ボルト45の締め込み量の調整により、ばねホルダ41に対するばねシート43のセット位置を調整することができる。
【0034】
図2(b)に示されるように、掻き出しロータ15の円筒状部材20における軸線方向中間部の外周面には、その全周に亘って2列の板カム46が固着されている。各板カム46は、図3に示されるように、円筒状部材20の周方向に山部46aと谷部46bとが所定ピッチで繰り返し配置される輪郭を有している。これら2列の板カム46に接触して転動するローラ47がローラサポート部材48を介して揺動板16のローラ取付座部材33に取り付けられている。
【0035】
図3に示されるように、ローラ47が板カム46の谷部46bの底面と接触しているときには、揺動板16が原料土受止め位置に位置される。
図4に示されるように、ローラ47が板カム46の山部46aの頂面と接触しているときには、揺動板16が原料土押返し位置に位置される。
したがって、油圧モータ装置23(図2参照)の作動による掻き取りロータ15の回転(回転方向R)に伴い板カム46が回転されると、板カム46にローラ47を介して接触される揺動板16が図3に示される原料土受止め位置と図4に示される原料土押返し位置との間で揺動されることになる。
板カム46とローラ47とよりなるカム機構49は、掻き出しロータ15の回転運動を揺動板16の揺動運動に変換する役目をする。
【0036】
以上に述べたように構成される原料土供給装置4において、図5(a)〜(b)に示されるように、掻き出しロータ15に向かって進む原料土Gが原料土受止め位置に位置される揺動板16によって受け止められた後に、揺動板16がその原料土受止め位置から掻き出しロータ15の回転に伴い原料土押返し位置まで回動されると、揺動板16の下端の軌跡線に沿って原料土Gがせん断され、このせん断された部分の原料土Gが揺動板16によって押し返されることで掻き出しロータ15に向かう直前の原料土Gがほぐされる。この揺動板16の揺動運動により、掻き出しロータ15で掻き出される直前の原料土Gの高さが、図5(c)に示されるように、掻き出しロータ15にてスムーズに掻き出すことのできる規定高さHとされる。
【0037】
本実施形態の原料土供給装置4によれば、掻き出しロータ15の手前の原料土が揺動板16によってほぐされて掻き出しロータ15の手前での原料土の滞留や圧密を未然に防ぐことができるとともに、掻き出しロータ15の手前の原料土高さが揺動板16によって規定高さHとされて掻き出しロータ15による原料土の掻き出し動作をスムーズに行うことができるので、原料土が粘性土であっても混合機5に向けて原料土を安定的に供給することができる。また、本実施形態の原料土供給装置4を備える自走式土質改良機1は、原料土が粘性土であっても改良土を安定的に生産することができる。
【0038】
さらに、本実施形態の原料土供給装置4は、以下のような作用効果を奏する。
(1)揺動板16を揺動駆動する駆動手段として、掻き出しロータ15の回転運動を揺動板16の揺動運動に変換するカム機構49が用いられているので、掻き出しロータ15の駆動源である油圧モータ装置23を利用して揺動板16を揺動させることができ、揺動板16を揺動させるために別途駆動源を設ける必要がない。
(2)揺動板16を原料土押返し位置(図4参照)から原料土受止め位置(図3参照)に回動させる回動力を常時その揺動板16に作用させる戻しばね装置39が設けられているので、揺動板16と掻き出しロータ15との間に原料土が多少入り込んでも、揺動板16を原料土押返し位置から原料土受止め位置に確実に戻すことができ、原料土押返し位置と原料土受止め位置との間における揺動板16の揺動運動が滞りなくスムーズに行われる。また、板カム46にローラ47が常に押し付けられた状態でカム機構49の作動が成されるので、掻き出しロータ15から揺動板16に動力を確実に伝達することができる。
(3)ばねホルダ41とばねシート43とがセット位置調整ボルト45によって連結されているので、ボルト37の取り外しによって中間ブラケット35から揺動板16を取り外したとしても、セット位置調整ボルト45の締め込み量の調整により、中間ブラケット35を所定の状態位置に保持することができる。したがって、揺動板16が必要でない作業条件、例えば原料土が粘性の低い土砂等であるような場合に、揺動板16を中間ブラケット35から取り外してかかる作業条件に適応した装置形態に容易にすることができる。
(4)掻き出しロータ15や揺動板16等の主要部品、油圧モータ装置23や戻しばね装置39等の周辺機器が、ホッパ13に着脱可能に取り付けられるロータ支持フレーム24に組み付けられているので、それら主要部品や周辺機器を一つのユニットとして着脱することができ、メンテナンスや修理等が行い易い。
【0039】
以上、本発明の原料土供給装置および自走式土質改良機について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0040】
例えば、掻き出しロータ15の駆動源である油圧モータ装置23とは別の駆動源にて揺動板16を揺動駆動するようにしてもよい。
すなわち、図6に示されるように、本実施形態では設けられていたカム機構49を廃止し、戻しばね装置39に代えて油圧シリンダ50を中間ブラケット35と第2ブラケット38との間に組み込み、油圧シリンダ50の伸縮作動により、揺動板16を揺動駆動することができる。
【0041】
また、本実施形態の揺動板16に代えて、図7に示されるような揺動板16Aを用いてもよい。この揺動板16Aは、その下部に、下方に向かって進むにつれて開口幅が広がるような台形状の切り欠き部52を有している。それ以外の構成については本実施形態の揺動板16と同様であり、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略する。
【0042】
図7に示される揺動板16Aにおいて、切り欠き部52は、原料土搬送ベルトコンベヤ14による原料土の搬送方向(図7において読み手側から紙面を鉛直に貫く方向)と直交する方向で水平に延びる切り欠き部上縁52aと、切り欠き部上縁52aの図において左側に連続する切り欠き部左側縁52bと、切り欠き部上縁52aの図において右側に連続する切り欠き部右側縁52cとより構成されている。
ここで、切り欠き部52を通過後の原料土が掻き出しロータ15によって確実に掻き出されるようにするため、切り欠き部上縁52aの高さ位置は、掻き出しロータ15の回転中心の高さ位置以下とされている。また、切り欠き部上縁52aと切り欠き部左側縁52bとの交わりの角部52dは鈍角を成し、切り欠き部上縁52aと切り欠き部右側縁52cとの交わりの角部52eも同様に鈍角を成している。
【0043】
そして、揺動板16Aが揺動駆動されると、原料土受止め板部30で受け止められた原料土の一部が切り欠き部52に巻き込まれるように角部52d,52eによってせん断され、このせん断作用により、原料土が切り欠き部52を通って掻き出しロータ15へと向かう流れが形成される。
この揺動板16Aを備えた原料土供給装置4によれば、原料土を切り欠き部52から掻き出しロータ15へと流れるようにしてほぐすことができるので、油圧モータ装置23の負荷を軽減することができるとともに、原料土を掻き出しロータ15でより効率良く掻き出すことができる。
なお、切り欠き部52の形状は、台形の他に、半楕円形や半円形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係る自走式土質改良機の要部を破断して表わす側面図
【図2】図1のA矢視図(a)および(a)のC部を揺動板を一部破断して表わした図(b)
【図3】図1のB部拡大図で、揺動板が原料土受止め位置に位置されている状態図
【図4】図1のB部拡大図で、揺動板が原料土押返し位置に位置されている状態図
【図5】揺動板による原料土のほぐし動作の説明図
【図6】揺動板の駆動手段の他の態様例を説明する図
【図7】揺動板の他の態様例を説明する図
【符号の説明】
【0045】
1 自走式土質改良機
4 原料土供給装置
13 ホッパ
14 原料土搬送ベルトコンベヤ
15 掻き出しロータ
16,16A 揺動板
39 戻しばね装置
41 ばねホルダ
43 ばねシート
44 圧縮コイルばね
45 セット位置調整ボルト
46 板カム
47 ローラ
49 カム機構
50 油圧シリンダ
52 切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料土が投入されるホッパと、このホッパに投入された原料土を搬送する搬送装置と、この搬送装置によって搬送される原料土を掻き出す掻き出しロータとを備える原料土供給装置において、
前記掻き出しロータに向かって進む原料土を受け止める原料土受止め位置とその原料土受止め位置から原料土を押し返す方向に所定角度回動させた原料土押返し位置との間で揺動自在に揺動板を設けるとともに、この揺動板を揺動駆動する駆動手段を設けることを特徴とする原料土供給装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記掻き出しロータの回転運動を前記揺動板の揺動運動に変換するカム機構である請求項1に記載の原料土供給装置。
【請求項3】
前記揺動板の下部には、下方に向かって進むにつれて開口幅が広がるような台形状の切り欠き部が設けられる請求項1または2に記載の原料土供給装置。
【請求項4】
前記揺動板を前記原料土押返し位置から前記原料土受止め位置に回動させる回動力を常時その揺動板に作用させる付勢手段が設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の原料土供給装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の原料土供給装置を備えることを特徴とする自走式土質改良機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−298501(P2009−298501A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152370(P2008−152370)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】