説明

原材料が非木材によるパルプ製造方法及びパルプ製造システム装置

【課題】前処理後に水を使用すると、非木材のパルプ化が行えず、また、水を不使用にした場合、多段式パルプ製造機の最上段筒体から中段筒体、最下段筒体を継ぐ連通筒体に原材料がつまり原料を移送できない問題もあったが、その解決方法の提供。
【解決手段】筒体内を貫通する回転軸14の回転により原材料の非木材を水と共に攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う粗ごなし前処理装置4で、非木材の原材料を洗いながら粗ごなしし、この前処理された非木材を水の供給なしに、複数本の筒体間を右行、左行、右行とジグザグに流動させ、各筒体8、10、13をつなぐ第1連通筒体9、第2連通筒体11内全体を覆うように、高分子板16を最上段、中段、最下段の各筒体の螺旋状旋回翼群1、あるいはニーディング刃3の端部を避けた部位まで延長して設けた多段式パルプ製造機1を通し、連続的に非木材をパルプ化できる非木材によるパルプ製造システム装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原材料が非木材によるパルプ製造において、前処理等を加えることによって、連続的に、より短時間、安価に、しかも水の使用量、薬品の使用量を大幅に削減できる非木材によるパルプ製造方法及びパルプ製造システム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、繊維以外の不純物を取り除きパルプ化するためにバッチ式と呼ばれる巨大な蒸気釜に不純物の含まれた原材料を入れ、大量の薬品で長時間煮るなどの処理を行い、不純物を取り除きパルプ化するという処理を行う方法や、原材料が非木材によるパルプ製造システム装置の前処理装置において、原料である非木材が筒体を流動するようにし、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸は独立の駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼群を取付け、さらに、残りの部分に交差状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う、旋回翼群の回転と蒸気を補助的に使って強制的に破砕と、もむ作用によって高発熱させ、少量の薬品で繊維以外の不純物をより効率的に除きパルプ化する前処理装置で非木材を洗いながらこなし、その後、前処理された非木材を複数本の筒体間に流して流動し、該複数本の各筒体内を貫通する各回転軸を設け、該各回転軸は各独立の駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼郡を取付け、さらに残りの部分に交差状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機を通し、漂白剤を投入して漂白を行うことで連続的に、短時間、安価に非木材のパルプ化を行うことができる非木材によるパルプ製造システム装置(例えば、特許文献1参照)が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−64587号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図4を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、巨大な蒸気釜で長時間煮るという時間的な損失、さらに巨大な蒸気釜を使用しなければ大量に処理ができないという場所等の問題、さらに大量の薬品で長時間煮ることによって生じる廃液の処理という問題点があった。
また、原材料が稲、小麦、大麦、ライ麦等の藁、アシ類、バガス、竹、麻、ケナフ、道路に生息する雑草等、非木材であると、葉っぱ、ゴミ、砂、シリカ等、種々雑多な汚れと共に、繊維以外の不純物が存在しているので、これを水分を投入しながら薬品を使用せず、原材料の非木材の汚れを取る必要がある。原料である非木材が筒体内を流動するようにし、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸は独立の駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼群を取り付け、さらに、残りの部分に交差状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う、旋回翼群の回転と蒸気を補助的に使って強制的に破砕ともむ作用によって、高発熱させる粗ごなし前処理装置で処理し、水分と汚れだけ排除し、次段装置の多段式パルプ製造機に汚れを取った非木材の原材料と苛性ソーダを投入してパルプ化するが、水を加えるとパルプ化できないことが判明した。
また、装置内の原材料の送りに関しては、多段式パルプ製造機の最上段筒体から中段筒体、さらに中段筒体から最下段筒体を継ぐ連通筒体は単に垂直か傾斜していて、特に送るための機構はない。このことにより、現実に原材料がつまって送られなくなってしまうことが判明した。
本発明は、このような事情に鑑み、非木材の原材料をパルプ化するための手段として筒体内を貫通する回転軸に約半分に亘り、螺旋状旋回翼群を取り付け、残り後半部分に回転軸の円周方向に対して、適宜角度で傾斜させて回転軸に直交するように一枚毎交互に反転させて取り付けられた破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた筒体を流動するようにした攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う粗ごなし前処理装置と、同様の筒体を複数本有する多段式パルプ製造機に苛性ソーダを少量加え、短時間で安価に非木材のパルプ化を行うことができる非木材によるパルプ製造方法及びパルプ製造システム装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成することができる第1本発明は、請求項1に記載された通りの原材料が非木材によるパルプシステム装置であり、次のようなものである。
原材料である非木材と、水とを筒体に投入して筒体内を流動するようにし、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸は駆動装置を設けると共に、螺旋状旋回翼群を約半分取り付け、さらに残りの部分に交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロック毎に嵌め込み式で交換自在に取り付け、回転軸の回転により原材料の非木材を、水と共に攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う前処理装置によって、非木材の原材料を洗いながら粗ごなしし、その後、前処理された非木材を水の供給なしに筒体内に投入し、複数本の筒体内を流動、例えば、最上段筒体、中段筒体、最下段筒体の3本の筒体間を右行、左行、右行とジグザグに流動させるように、最上段、中段、最下段の各筒体をつなぐ第1連通筒体、第2連通筒対を有し、前記第1連通筒体、第2連通筒体内全体を覆うように、高分子板を設け、その高分子板は最上段、中段、最下段の各筒体の螺旋状旋回翼群、あるいはニーディング刃の端部を避けた部位まで延長して設け、該複数本の各筒体を貫通する各回転軸は駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼群を取り付け、さらに残りの部分に交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロック毎に嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機を通し、漂白剤を投入し連続的に非木材をパルプ化できる構成である。
【0006】
上記の目的を達成することができる第2本発明は、請求項2に記載された通りの原材料が非木材によるパルプ製造方法であり、次のようなものである。
原材料が非木材によるパルプ製造方法において、原料である非木材が水と一緒に筒体内に投入流動させ、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸には螺旋状旋回翼群と、交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃が設けられ、該回転軸を筒体内で回転させることで、原料である非木材を攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕の粗ごなし前処理を行い、その後、前処理された非木材を、水の供給なしに上段筒体、中段筒体、下段筒体という複数本の筒体間を右行、左行、右行とジグザグに流動させるように、上段、中段、下段の各筒体をつなぐ連通筒体を有し、該連通筒体内全体を覆うように高分子板を設け、その高分子板は上段、中段、下段の各筒体の螺旋状旋回翼群、あるいはニーディング刃の端部を避けた部位まで延長して設けることで、原料が絡まったり詰まることを防止し、さらに、該複数本の各筒体内を貫通する各回転軸は各独立の駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼郡を取付け、さらに残りの部分に交差状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機を通し、さらに漂白剤を投入して、非木材のパルプ化を行うことができる構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る原材料が非木材によるパルプ製造方法及びパルプ製造システム装置は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)非木材の原材料に含まれている葉っぱ、ゴミ、砂、シリカ等の種々雑多な汚れ、及び繊維以外の不純物を取り除くために水を加えながら螺旋状旋回翼群、破砕刃を設けたニーディング刃からなる粗ごなし前処理装置で取り除いた非木材の原材料は、水を供給しながらだとパルプ化することができないことをつきとめたので、水を供給しないで螺旋状旋回翼群、破砕刃を設けたニーディング刃を有する多段式パルプ製造機でパルプ化するが、各段の筒体を連絡する連通筒体で原材料が絡まり詰まって移送されなくなるという問題を解決し、連続的にパルプ化をすることができる。
(2)前処理装置を含めた本パルプ製造システム装置を使用することにより、従来の非木材パルプよりも質の良い非木材パルプが製造できる。
(3)薬品の使用を必要最小限にすることができ、それに伴い、排液処理などの問題も解決できる。
(4)パルプ製造システム装置のコンパクト化、ランニングコストの低下につながる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の原料である非木材から繊維以外の不純物を取り除くための前処理装置を示す正面図である。
【図2】本発明の図1における粗ごなし前処理装置及び図4における多段式パルプ製造機の各段筒体の要部である回転軸の構造を示す正面図である。
【図3】本発明の粗ごなし前処理装置及び多段式パルプ製造機に組み込まれた、ブロック毎のニーディング刃を回転軸に取り付けた構成を示す側面図である。
【図4】本発明の原料である非木材によるパルプ製造システムの説明図である。
【図5】本発明の多段式パルプ製造機の各段筒体の原材料を連絡する連通筒体の内壁を高分子板で覆った状態を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の多段式パルプ製造機の一実施例を示す正面図である。
【図7】図6に示す多段式パルプ製造機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
生産地から直接集荷された汚れのついた稲、小麦、大麦、ライ麦等の藁、アシ類、バガス、竹、麻、ケナフ、道路沿いに生息する雑草等の非木材を使用するため、汚れを取り除く必要がある。本発明は、汚れと共に繊維以外の不純物を取り除くため、水を加えながら螺旋状旋回翼群と交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた筒体内に非木材の原材料を投入して、流動するようにして攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う粗ごなし前処理装置を有し、この前処理装置から不純物を取り除いた非木材を多段式パルプ製造機に投入する。この多段式パルプ製造機は、コンパクト化を考慮するために、パルプ製造機を多段式に分け、最上方筒体の右側から入れた非木材を処理しながら左側に送り、中間筒体に移送し、中間筒体内を左から右におくり、さらに同様に最下方筒体の右から左に移動させ、反転を繰り返しながら処理を行うもので、最上段筒体から中段筒体、さらに中段筒体から最下段筒体に原材料を移送させる連通筒体が設けられている。この連通筒体に各段筒体の螺旋状旋回翼群、破砕刃を設けたニーディング刃を避けてなるべく凹部を形成しないように各段筒体から連通筒体に連続してビニール系でない高分子板で覆ったことで原材料の絡まりや詰まりを防止することができ、従来長い距離を必要とするパルプ製造工程を短く構成できるようにした多段式パルプ製造機に送り、そこで処理を行った後、漂白のために、苛性ソーダ等の薬品を加え、非木材によるパルプを製造する製造方法及びパルプ製造システム装置を得たものである。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
先ず、本発明の原料である非木材から葉っぱ、ゴミ、砂、シリカ等の種々雑多な汚れ、及び繊維以外の不純物を取り除く粗ごなし前処理装置について詳細に説明する。
従来の方法としては、バッチ方式と呼ばれる蒸気釜を使用し、大量の薬品と共に非木材を長時間釜で煮る方法が採られている。
しかし、この方法は大量の薬品で長時間釜により煮るために処理途中で非常に濃い排液が出てしまう。
【0011】
そこで、本発明の粗ごなし前処理装置4では水を供給しながら筒体内を貫通する回転軸に約半分に亘り、螺旋状旋回翼群1を取り付け、残り後半部分に回転軸の円周方向に対して、適宜角度で傾斜させて回転軸に直交するように一枚毎交互に反転させて取り付けられた破砕刃2を設けたニーディング刃3をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた筒体を流動するようにした攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行うため、投入された非木材が装置内で洗いながら螺旋状旋回翼群1、ニーディング刃3で強制的に攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕される。この際、摩擦により非木材が熱を発生するため、従来のバッチ式で使用するパルプ化用蒸煮スチームを必要とせず、その際に使用するアルカリ剤等の薬品が従来の十分の一から十五分の一という少量の薬品で、短時間で汚れ、不純物を取り除くものである。
【0012】
次に、粗ごなし前処理装置4を加えた非木材によるパルプ製造システム装置について詳細に説明する。
従来の非木材等のパルプ製造では、まずバッチ方式で長時間蒸気釜で煮て繊維以外の不純物を取り除き、パルプの製造に必要なたくさんの工程を巨大なシステム装置を用いて行う必要があり、非木材等のパルプ製造を行うには、巨大な敷地と、多量のランニングコストが必要であった。
また、前記粗ごなし前処理装置にて前処理された非木材の原材料を次の工程である多段式パルプ製造機でパルプ化する際、水を供給すると、パルプ化することができないことが判明した。
【0013】
理由しては、多段式パルプ製造機の各段の筒体は、前記粗ごなし前処理装置と同様に螺旋状旋回翼群1、破砕刃2を設けたニーディング刃3によって筒体内を攪拌、圧縮、発熱、破砕を行い、移送させる構成になっているが、各段の最上段筒体から中段筒体、中段筒体から最下段筒体へと原材料を移送して連絡する連通筒体は単に筒体で連結しており、この筒体はステンレス筒で形成されているが、水を供給しながらでないため、非木材の原材料が引っかかったように詰まってしまい、次段の筒体に移送されない現象が発生してしまう。
そのため、種々解決手段を試みたところ、例えばビニール系樹脂、カーボンを含有した樹脂では全て原材料が詰まってしまうことが判明した。
そして、本発明では、貼り付け易く、形成し易い厚さの高分子板16で覆うことで詰まりを解消することに成功した。
この高分子板16の貼り付けも、各段における筒体の螺旋状旋回翼群1、破砕刃2を有するニーディング刃3の端部である刃の切れ目近傍17から、刃の回転を邪魔しない程度にできるだけ凹部を形成しないように連通筒体9、11全体と各段の筒体8、10、13に折り返して覆うように貼り付けることで詰まりを無くすことができたものである。
このような構成を採用することで、本発明のパルプ製造システム装置は、非木材の汚れや、繊維以外の不純物を前記本発明の粗ごなし前処理装置4で取り除き、数段からなる筒体内において、右側から入れた非木材を加工しながら左側に圧送し、排出されたものを左から右に圧送するというように、反転を繰り返しながら攪拌、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機5を用いることで、従来の非木材パルプよりも質の良い非木材パルプが製造でき、また、薬品の使用を必要最小限にすることができ、それに伴い、排液処理などの問題も解決し、パルプ製造システム装置のコンパクト化、ランニングコストの低下と、顕著な効果が得られるものである。
【0014】
本発明の一実施例であるパルプ製造システム装置について詳細に説明すると、側面から見て略三角形状になるように配設した3本の筒体からなり、粗ごなし前処理装置により送られる非木材原材料を最上段筒体8の原料投入口7から投入するものである。この3本の筒体は、原料投入口7を一端に備えた最上段筒体8の原料投入口7とは反対側に前記最上段筒体8と連通する第1連通筒体9を備え、この第1連通筒体9を中段筒体10の一端部に連通設置し、さらに、この中段筒体10に連通した第1連通筒体9とは反対側に最下段筒体13に連通するための第2連通筒体11を設け、この第2連通筒体11が最下段筒体13の一端部に連通設置され、製品排出口12が最下段筒体13の第2連通筒体11とは反対側に設けられている。この各筒体8、10、13の連通筒体9、11が、最上段筒体8から中段筒体10、中段筒体10から最下段筒体13に流れる際、流れ方向はその度に反転することになる。この各筒体8、10、13内を貫通する回転軸14が、それぞれ独立の駆動装置5(例えばギャードモータ等)で回転駆動するように設けられている。また、前記各筒体8、10、13の配置は、側面から見て図のようなものだけでなく、縦に垂直に設けたり、正三角形になるようにしたり、横に水平に並べたり、建屋、関連機器との配置の都合により、種々設計変更ができることはいうまでもない。さらに、原料投入口1、各連通筒体9、11、製品排出口12の取り付け位置も効率を考慮した上で適宜の配置ができることはいうまでもない。そして、各筒体の本数も複数本適宜選択できるもので、多段式パルプ製造機5を用いることで非木材等の原料が摩擦により熱を発生するためパルプ化用蒸煮スチームが必要なくなり、さらに安価にパルプを製造することができる。
【0015】
そして、最後にパルプにリグニン等の繊維と繊維をつなぐ接着剤のような物質が含まれている。このリグニンが結果的にパルプに色を着けたり、繊維を硬直化すると共に水和性を失わせることになる。従って、それを除去するために螺旋状旋回翼群により攪拌、さらに漂白筒6を経る際、オゾン及び苛性ソーダ等を投入して白色に漂白し、パルプ製造が完成するというパルプ製造システム装置である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
非木材の原材料だけでなく、通常の製紙材料を使用してパルプ製造を行うこともできる。
【符号の説明】
【0017】
1・・・・螺旋状旋回翼群
2・・・・破砕刃
3・・・・ニーディング刃
4・・・・粗ごなし前処理装置
5・・・・多段式パルプ製造機
6・・・・攪拌、漂白筒
7・・・・原料投入口
8・・・・最上段筒体
9・・・・第1連通筒体
10・・・・中段筒体
11・・・・第2連通筒体
12・・・・製品排出口
13・・・・最下段筒体
14・・・・回転軸
15・・・・駆動装置
16・・・・高分子板
17・・・・刃の切れ目近傍

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原材料である非木材と水とを筒体に投入し、筒体内において原材料が流動するようにし、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸は駆動装置を設けると共に、螺旋状旋回翼群を約半分取り付け、残り後半部分に回転軸の円周方向に対して、適宜角度で傾斜させて回転軸に直交するように一枚毎交互に反転させて取り付けられたさらに残りの部分に交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロック毎に嵌め込み式で交換自在に取り付け、回転軸の回転により原材料の非木材を、水と共に攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う前処理装置によって、非木材の原材料を洗いながら粗ごなしし、その後、前処理された非木材を水の供給なしに筒体内に投入し、複数本の筒体内を流動、例えば、最上段筒体、中段筒体、最下段筒体の3本の筒体間を右行、左行、右行とジグザグに流動させるように、最上段、中段、最下段の各筒体をつなぐ第1連通筒体、第2連通筒体を有し、前記第1連通筒体、第2連通筒体内全体を覆うように、高分子板を設け、その高分子板は最上段、中段、最下段の各筒体の螺旋状旋回翼群、あるいはニーディング刃の端部を避けた部位まで延長して設け、該複数本の各筒体内を貫通する各回転軸は駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼群を取り付け、さらに残りの部分に交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロック毎に嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機を通し、漂白剤を投入し連続的に原材料が非木材をパルプ化できることを特徴とする非木材によるパルプ製造システム装置。
【請求項2】
原材料が非木材によるパルプ製造方法において、原料である非木材が水と一緒に筒体内に投入流動させ、該筒体内を貫通する回転軸を設け、該回転軸には螺旋状旋回翼群と、交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃が設けられ、該回転軸を筒体内で回転させることで、原料である非木材を攪拌、洗浄、圧縮、脱水、発熱、破砕の粗ごなし前処理を行い、その後、前処理された非木材を水の供給なしに上段筒体、中段筒体、下段筒体という複数本の筒体間を右行、左行、右行とジグザグに流動させるように、上段、中段、下段の各筒体をつなぐ連通筒体を有し、該連通筒体内全体を覆うように高分子板を設け、その高分子板は上段、中段、下段の各筒体の螺旋状旋回翼群、あるいはニーディング刃の端部を避けた部位まで延長して設けることで、非木材の原材料が絡まったり詰まることを防止し、さらに、該複数本の各筒体内を貫通する各回転軸は各独立の駆動装置を持つと共に、螺旋状旋回翼郡を取付け、さらに残りの部分に交叉状に破砕刃を設けたニーディング刃をブロックごとに嵌め込み式で交換自在に取り付けた攪拌、圧縮、脱水、発熱、破砕を行う多段式パルプ製造機を通し、さらに漂白剤を投入して、非木材のパルプ化を行うことができることを特徴とする原材料が非木材によるパルプ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−21284(P2011−21284A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165612(P2009−165612)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(391011814)株式会社大善 (9)
【Fターム(参考)】