原稿読取装置、原稿読取装置における入力受付方法、及び、プログラム
【課題】原稿読取装置の操作パネルに備え付ける部品点数を削減して、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うための技術を提供する。
【解決手段】原稿読取装置100は、原稿を読み取ることができる。原稿読取装置100は、光を透過する複数の領域(孔)が配置されているスキャナボタン部111と、スキャナボタン部121に照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子303群と、検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部202と、を備える。これにより、原稿読取装置100は、スキャナボタン部121の操作入力を受け付けることができる。
【解決手段】原稿読取装置100は、原稿を読み取ることができる。原稿読取装置100は、光を透過する複数の領域(孔)が配置されているスキャナボタン部111と、スキャナボタン部121に照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子303群と、検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部202と、を備える。これにより、原稿読取装置100は、スキャナボタン部121の操作入力を受け付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取装置に係り、特に、操作パネルに使用する部品点数を減らす技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複合機、ファクシミリ、印刷機、等の原稿を読み取る機能を有する原稿読取装置は、操作パネルを備え、ユーザによって操作パネルが操作されることで指示を受け付ける。近年、多種多様な機能を有する原稿読取装置が開発されるようになり、各機能の設定は多岐にわたる。そのため、各機能の設定を受け付ける操作パネルには、ボタン等を含む多くの部品が備え付けられるようになってきている。
【0003】
しかし、操作パネルに多くの部品を備え付けると、原稿読取装置のコストは高くなる。そこで、例えば、特許文献1には、操作パネルに備え付ける部品点数を減らすために、マークシートを利用して、印刷する写真の選択や、印刷部数の設定を行う技術について記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−324737号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マークシートを利用して設定を行う場合、原稿読取装置は、マークシートに記入された白黒画像を読み取るために、マークシートを搬送させたり、画像を線状に読み取るキャリッジを走査させる必要がある。そのため、原稿読取装置へのユーザからの指示を受け付ける処理に時間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、原稿読取装置の操作パネルに備え付ける部品点数を削減して、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、原稿を読み取る原稿読取装置であって、光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の原稿読取装置によれば、操作パネルに備え付ける部品点数を削減して、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の実施形態に適用される原稿読取装置100の外観の一例を、図1に示す。原稿読取装置100は、原稿を読み取る機能を有する、ファクシミリや、複合機、等である。原稿読取装置100は、図示するように、原稿を読み取るための原稿読取部103と、原稿読取部103を支持するベース102と、原稿読取部103が読み取る原稿を固定するための蓋体101と、を有する。
【0011】
原稿読取部103は、図2(A)に示すように、スキャナボタン部111と、ガラス台112と、キャリッジ113と、入力部115と、を有する。原稿読取部103は、ガラス台112に置かれた原稿を、キャリッジ113を用いて読み取る。また、原稿読取部103は、スキャナボタン部111及びキャリッジ113を用いて、ユーザからの指示を受け付ける。
【0012】
キャリッジ113は、図3(A)に示すように、複数の受光素子303を有する。図3(A)は、原稿読取部103を、図2に示すZ面に垂直な方向からみた図である。各受光素子303は、入射された反射光の強度に応じた電気信号を生成する。キャリッジ113が有する光源(図示せず)は、ガラス台112上の原稿に光を照射し、各受光素子303がその反射光を電気信号に変換することで、原稿を読み取る。原稿読み取り時においては、この変換は、キャリッジ113が原稿に対して水平に移動しているときに、各受光素子303で行われる。このとき、キャリッジ113が平行移動する方向は、図2(A)に示す走査方向(±Xの双方向)である。これにより、原稿読取装置100は、2次元イメージを取り込むことができる。
【0013】
スキャナボタン部111は、ユーザからの指示を原稿読取装置100へ入力する。スキャナボタン部111は、ホームポジション(以下、第1の停止位置という)に位置するキャリッジ113に備わる複数の受光素子303が、スキャナボタン部111に照射した光の反射光を電気信号に変換することで、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、スキャナボタン部111には、図4に示すように、キャリッジ113の光源から出力された光を透過する領域(例えば、孔121)が複数設けられる。孔121は、例えば、10個設けられる。受光素子303は、スキャナボタン部111からの反射光を電気信号に変換する。このとき、スキャナボタン部111の孔121が設けられていない部分の反射光に対して、孔121付近の反射光の強度は弱くなる(このときの、原稿読取部103を、図2(B)に示すZ面に垂直な方向からみた図は、図3(B)に示すようになる)。従って、受光素子303がスキャナボタン部111からの反射光を電気信号に変換して得られる光強度情報150は、図4(左側)に示すようになる。すなわち、孔121付近に対応する光強度情報は、黒を示す値となり、それ以外の部分に対応する光強度情報は、白を示す値となる。このとき、孔121のいずれかを、ユーザが指で覆うと、その部分の反射光の強度は強くなるため、得られる光強度情報は、白を示す値となる。原稿読取装置100は、上記特性を利用して、スキャナボタン部111上の、いずれの孔121をユーザが覆っているかを特定することができる。また、スキャナボタン部111には、ユーザが各孔121を識別可能なように、孔識別番号122が各孔121に対応させて記載される。この孔識別番号122は、例えば、0から9の連続する整数値等でよい。
【0014】
図2(A)に戻って、入力部115は、ユーザからの指示を原稿読取装置100へ入力する。入力部115は、例えば、原稿の読み取り開始、FAXの通信開始、等を指示するためのスタートボタンや、スキャナボタン部111からユーザの指示を受け付ける「スキャン形式ボタンモード」等へのモード切り替えを指示するボタン、から構成される。
【0015】
また、原稿読取部103は、図2(B)に示すように、スキャナボタン部111とガラス台112の間に、複数枚の原稿をセットして自動的に連続読み取りを行うためのADF(Auto Document Feeder)原稿読み取り部114を備えるようにしてもよい。この場合、ADF原稿読み取り部114に送られてきた原稿のスキャン開始時には、キャリッジ113を、ADF原稿読み取り部114の位置(以下、第2の停止位置という)に移動させるようにする。原稿読み取り部114を備える原稿読取部103においても、キャリッジ113を第1の停止位置に停止させた状態で、スキャナボタン部111からのユーザの入力を受け付けることができる。
【0016】
次に、原稿読取装置100の機能構成の一例を、図5のブロック図に示す。図示するように、原稿読取装置100は、制御部200を有する。制御部200は、上述したキャリッジ113を制御するキャリッジ制御部201と、上述した光強度情報150を解析する光強度情報解析部202と、上述した入力部115からの入力信号及び光強度情報解析部202の解析結果に基づいて次処理を決定する処理決定部203と、原稿読取装置100の状態を特定する情報が記憶されている状態記憶部204と、を有する。
【0017】
制御部201のキャリッジ制御部201は、駆動制御部211と、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213と、を有する。
【0018】
駆動制御部211は、キャリッジ113を制御するための制御信号を生成して、生成した制御信号を、キャリッジ113の駆動部301に供給する。例えば、駆動制御部211は、キャリッジ113にスキャン処理を行わせるための制御信号を生成する。また、駆動制御部211は、キャリッジ113にスキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取らせるための制御信号を生成する。
【0019】
A/Dコンバータ212は、キャリッジ113から供給された電気信号をデジタル信号に変換する処理を行う。具体的には、A/Dコンバータ212は、受光素子303が光強度に応じて生成した電気信号が供給されたときに、その電気信号に応じた光強度情報150を生成する。A/Dコンバータ212は、生成した光強度情報150を、光強度情報蓄積部213に供給して記憶させる。
【0020】
光強度情報蓄積部213には、光強度情報150を蓄積するための光強度情報格納テーブル401が格納されている。光強度情報格納テーブル401は、例えば、図6(A)に示すように、受光素子番号欄411と、光強度情報欄412と、を有する。受光素子番号欄411には、各受光素子303を特定するための受光素子番号が格納されている。また、光強度情報欄412には、各受光素子303が生成した電気信号に対応する光強度情報150が、受光素子番号欄411の受光素子番号に対応づけて格納される。
【0021】
また、光強度情報蓄積部213には、スキャナボタン部111における各孔121からの反射光を受光する受光素子303を特定するための受光素子対応テーブル402が格納されている。例えば、受光素子対応テーブル402は、図6(B)に示すように、孔識別番号欄421と、受光素子番号欄422と、を有する。孔識別番号欄421には、スキャナボタン部111の各孔121を特定するための識別番号が格納されている。また、受光素子番号欄422には、各孔121からの反射光を受光する受光素子303を特定するための受光素子番号が、孔識別番号欄421の孔識別番号に対応づけて格納されている。
【0022】
光強度情報解析部202は、光強度情報蓄積部213に格納されている光強度情報格納テーブル401及び受光素子対応テーブル402を参照して、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を特定する。例えば、光強度情報解析部202は、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザの指で覆われたかを特定する。具体的には、光強度情報解析部202は、受光素子対応テーブル402にアクセスして、各孔識別番号に対応づけて格納されている受光素子番号を取得する。図6(B)の例では、光強度情報解析部202は、孔識別番号「0」に対応づけて格納されている受光素子番号「2〜5」、孔識別番号「1」に対応づけて格納されている受光素子番号「8〜11」、といった受光素子番号を取得する。次に、光強度情報解析部202は、光強度情報格納テーブル401にアクセスして、受光素子対応テーブル402から取得した受光素子番号に対応づけて格納されている光強度情報150を取得する。図6(A)の例では、光強度情報解析部202は、受光素子番号「2〜5」に対応づけて格納されている光強度情報「32、11、23、72」を取得する。続いて、光強度情報解析部202は、各孔識別番号ごとに、対応する光強度情報150の平均値を求める。例えば、図6(A)(B)の例では、孔識別番号「0」に対応する光強度情報の平均値は、(32+11+23+72)/4となる。光強度情報解析部202は、求めた光強度情報の平均値が、予め定めた基準値(例えば、50)以下である場合には、その孔識別番号に対応する孔121は、ユーザの指で覆われていると特定する。ここで、基準値以下の孔121が複数ある場合には、複数の孔121がユーザの指で覆われていると特定する。光強度情報解析部202は、上記方法で、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザの指で覆われているかを特定することができるが、本発明は、上記方法に限定するものではない。
【0023】
状態記憶部204は、原稿読取装置100の現時点での状態を特定するための状態情報と、図7に示すような処理決定テーブル500と、を格納している。
【0024】
状態情報は、例えば、FAX通信を行う相手の電話番号の入力を待っている状態、コピーする部数の入力を待っている状態、コピー倍率の入力を待っている状態、等の原稿読取装置100の状態を示す情報である。また、状態情報は、キャリッジ113を第1の停止位置に停止させたままスキャナボタン部111をスキャンする「スキャン形式ボタンモード」の状態、ガラス台112上の原稿をスキャンする「通常モード」の状態を示す情報を含む。
なお、状態情報は、原稿読取装置100の状態が遷移するたびに、後述するCPU701により更新されるようにしておく。そして、原稿読取装置100の状態は、任意に設定可能であり、利用目的等に応じて設定しておけばよい。
【0025】
処理決定テーブル500は、図7に示すように、例えば、状態欄501と、操作欄502と、処理内容欄503と、を有する。状態欄501には、原稿読取装置100の状態を示す情報が格納されている。例えば、状態欄501に格納されている情報は、状態記憶部204に格納されている状態情報と一致する。また、操作欄502には、ユーザによる操作を示す情報が格納されている。例えば、操作欄502には、通信相手の電話番号の入力、コピーする部数の入力、コピー倍率の入力、短縮番号の入力、等の情報が格納されている。さらに、処理内容欄503には、後述する処理決定部203が決定する次処理の内容が格納されている。例えば、処理内容欄503には、FAX通信の開始、倍率入力待ちの処理へ移行、コピー開始、スキャン開始、登録されている相手とFAX通信開始、等の情報が格納されている。なお、処理内容欄503に格納される情報は、次処理の実行プログラムのパスを示す情報であってもよい。
【0026】
各欄(501、502、503)のデータは、1行に対応づけて格納されている。
【0027】
処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115からの通知を受けたとき、状態記憶部204にアクセスして、次処理を決定する。例えば、処理決定部203は、状態記憶部204にアクセスして、原稿読取装置100の状態情報、及び、図7に示す処理決定テーブル500、を参照して次処理を決定する。具体的には、処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115からの通知を受けたときに、まず、状態記憶部204に格納されている状態情報を取得する。次に、処理決定部203は、取得した状態情報と一致する情報を、処理決定テーブル500の状態欄501から抽出する。さらに、処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115から受けた通知に対応する情報を、処理決定テーブル500の操作欄502から抽出する。処理決定部203は、状態欄501及び操作欄502から抽出した両情報に対応づけて格納されている処理内容を処理内容欄503から抽出する。これにより、処理決定部203は、次処理を決定する。
【0028】
また、処理決定部203は、次処理を決定したとき等に、状態記憶部204に格納されている状態情報を変更する。
【0029】
図5に戻って、キャリッジ113は、駆動部301と、受光部302と、を有する。駆動部301は、キャリッジ113を駆動する。例えば、駆動部301は、キャリッジ制御部201から供給された制御信号に従って、キャリッジ113に、ガラス台112上の原稿を読み取らせる。また、駆動部301は、キャリッジ制御部201から供給された制御信号に従って、キャリッジ113に、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取らせる。受光部302は、上述したように複数の受光素子303を備え、入射された反射光の強度に応じた電気信号を生成する処理を行う。受光部302は、各受光素子303で生成した電気信号を、キャリッジ制御部201に供給する処理を行う。
【0030】
以上のように構成される原稿読取装置100は、例えば、図8に示すような、CPU701と、主記憶部702と、ASIC703と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置704と、HDD等の外部記憶装置705と、スキャン機能を有するキャリッジ、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入出力装置706と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0031】
例えば、光強度情報蓄積部213及び状態管理部204は、外部記憶装置705により実現可能であり、制御部200は、外部記憶装置705に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置702にロードしてCPU701で実行することで実現可能であり、入力部115、スキャナボタン部111、キャリッジ113は、入出力装置706で実現可能である。また、制御部200は、ASIC703でも実現可能である。
【0032】
また、制御部200が実行する所定のプログラムは、通信装置704を介してネットワークから、外部記憶装置705にダウンロードされ、それから、主記憶装置702上にロードされてCPU701により実行されるようにしてもよい。また、通信装置704を介してネットワークから、主記憶装置702上に直接ロードされ、CPU701により実行されるようにしてもよい。
【0033】
以上のように、原稿読取装置100は、テンキーのような操作パネルを設ける代わりに、スキャナボタン部111を設けている。このような構成により、原稿読取装置100は、操作パネルの部品点数を削減することができる。また、原稿読取装置100は、スキャナボタン部111からユーザの入力を受け付ける際には、キャリッジ113をホームポジション(第1の停止位置)から移動させずに受け付けるため、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うことができる。
【0034】
図9は、原稿読取装置100のスキャナボタン部111からユーザの指示を受け付ける処理を説明するためのフローチャートである。
【0035】
原稿読取装置100の電源が投入されたときに、制御部200は、通常モードでシステムを起動する。具体的には、制御部200は、状態記憶部204の状態情報を「通常モード」を示す情報にする。このとき、キャリッジ制御部201の駆動制御部211は、キャリッジ113を第1の停止位置(ホームポジション)に移動させるための制御信号をキャリッジ113に供給する。これにより、キャリッジ113は、駆動部301の制御により、第1の位置に停止した状態を維持する。
【0036】
この通常モードの状態で、制御部200は、「通常モード」から「スキャン形式ボタンモード」への切り替えの指示が、ユーザから入力されるまで待機する(ステップS101;No)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が供給されるまで待機する。
【0037】
なお、原稿読取装置100は、モード切り替えの指示を待機している間にも、FAX通信や、コピーといった他の処理を実行することは可能である。例えば、「通常モード」で、ガラス台112上の原稿をスキャンする場合は、キャリッジ113は、図2(A)(B)に示す走査方向に移動しながら、原稿を読み取る処理を行う。
【0038】
制御部200は、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えの指示を受け付けたとき(ステップS101;Yes)、「通常モード」から「スキャン形式ボタンモード」への切り替え処理を実行する(ステップS102)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が供給されたときに、状態記憶部204に格納されている状態情報を「スキャン形式ボタンモード」を示す情報に変更する。そして、処理決定部203は、状態記憶部204に格納されている処理決定テーブル500を参照して、次処理を決定する。例えば、ここで決定する次処理は、キャリッジ113を駆動して、スキャナボタン部111を読み取る準備を行う処理でよい。
【0039】
続いて、制御部200は、キャリッジ113にスキャナボタン部111を読み取らせる(ステップS103)。具体的には、駆動制御部211は、キャリッジ113を駆動する制御信号を駆動部301に供給する。このとき、キャリッジ113の受光部302は、スキャナボタン部111に光を照射して、反射光の光強度を電気信号に変換する。受光部302は、変換した電気信号を、A/Dコンバータ212に供給する。A/Dコンバータ212は、受光部302から供給された電気信号を、デジタル信号の光強度情報150に変換して、これを光強度情報蓄積部213に記憶する。ここで、光強度情報蓄積部213に記憶される光強度情報150は、図6(A)に示すように、受光素子番号に対応づけて光強度情報格納テーブル401の光強度情報欄412に格納される。
【0040】
このとき、制御部200の光強度情報解析部202は、光強度情報蓄積部213に記憶された光強度情報150、及び、受光素子対応テーブル403を参照して、各孔識別情報に対応する孔121から読み取った光強度情報が、それぞれ白を示す光強度情報であるか黒を示す光強度情報であるかを判別する(ステップS104)。具体的には、光強度情報解析部202は、各孔識別番号ごとに、対応する光強度情報150の平均値を求める。そして、光強度情報解析部202は、求めた平均値が、予め定めた基準値(例えば、50)以下である場合には、その孔識別番号に対応する孔121から読み取った光強度情報は白を示していると判別する。一方、光強度情報解析部202は、求めた平均値が、基準値より大きい場合には、その孔識別番号に対応する孔121から読み取った光強度情報は黒を示していると判別する。これにより、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザに指で覆われているかを特定することができる。
【0041】
ここで、制御部200の処理決定部203は、入力部115から、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を決定する指示を受け付けると(ステップS105;Yes)、処理をステップS105に移行させる。一方、所定時間(例えば、1分)、入力部115からの指示を受け付けなかった場合には(ステップS105;No)、処理決定部203は、処理をステップS103に戻す。なお、処理決定部203は、CPU701が有する内部タイマを用いて、ステップS102で「スキャン形式ボタンモード」に切り替えてからの経過時間を計時しておく。ここで、ユーザの操作を決定する指示を受け付けるまで、ステップS103、ステップS104の処理を繰り返すことにより、例えば、電話番号のような数字の連続入力が可能となる。
【0042】
ステップS106では、処理決定部203は、ステップS104で特定したユーザのスキャナボタン部111における操作に基づいて、次処理を決定する処理を行う(ステップS106)。
【0043】
ステップS106で次処理を決定後、制御部200は、「スキャン形式ボタンモード」から「通常モード」への切り替えの指示が、ユーザから入力されたか否かを判別する(ステップS107)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が、所定期間(例えば、1分)経過する前に供給されたか否かで判別する。
【0044】
制御部200は、「通常モード」への切り替えの指示を受け付けたとき(ステップS107;Yes)、「スキャン形式ボタンモード」から「通常モード」への切り替え処理を実行する(ステップS108)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から「通常モード」への切り替えを指示する信号が供給されたときに、状態記憶部204に格納されている状態情報を「通常モード」を示す情報に変更する。そして、処理決定部203は、状態記憶部204に格納されている処理決定テーブル500を参照して、次処理を決定する。例えば、ここで決定する次処理は、キャリッジ113への電力供給を停止させる処理でよい。その後、制御部200は、処理をステップS101に移行させる。
【0045】
一方、ステップS107で、制御部200の処理決定部203は、所定期間、「通常モード」への切り替えの指示を受け付けなかった場合には(ステップS107;No)、処理をステップS103に移行させる。
【0046】
以上の処理により、原稿読取装置100は、キャリッジ113を用いて、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取ることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、制御部200が、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213、を有している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、キャリッジ113が、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213、を有するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、スキャナボタン部111には、複数の孔121が設けられ、ユーザが各孔121を識別するための孔識別番号122が記載されている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、図10(A)に示すように、複数の孔121を、孔識別番号122の形状にしてもよい。
【0050】
さらに、スキャナボタン部111には、図10(B)に示すように、複数のスイッチ123を設けるようにしてもよい。例えば、スイッチ123は、プラスチック成型で作られる。スキャナボタン部111において、各スイッチ123の周囲に、図10(B)に示すような細い孔121を設ける。これにより、スイッチ123は、ユーザの指で押下された方向に可動となる。図10(B)に示すスイッチ123の1つが押下されたときの、原稿読取部103を、図2(A)に示すZ面に垂直な方向からみた図は、図11に示すようになる。スイッチ123の下面(キャリッジ113方向の面)は、図11に示すように、キャリッジ113が照射した光を反射するように平面にしておく。スイッチ123が押下されたとき、キャリッジ113とキャリッジ113との間隙は小さくなる。これにより、押下されていないスイッチ123の下面に反射した光の光強度と比較して、スイッチ123の下面に反射した光の光強度は大きくなる。この特性を利用して、本願の原稿読取装置100は、スキャナボタン部111に設けられたスイッチ123の、いずれのスイッチ123がユーザに押下されているかを特定することができる。なお、スイッチ123とキャリッジ113との間には、ガラス板124が差し込まれ、ユーザによるスイッチ123の押下量を制限している。
【0051】
また、上記実施形態では、光強度情報格納テーブル401に格納する光強度情報150は、白黒データである。しかしながら、本発明は、これに限定されず、RGBデータ等の色データを光強度情報格納テーブル401に格納するようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、スキャナボタン部111に配置されている光を透過する領域は、孔121としている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、光を透過する領域は、光を透過しさえすれば、任意である。例えば、光を透過する領域にガラスを使用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、キャリッジ113に備わる受光素子303の個数は、スキャナボタン部111に配置されている孔121の個数とは無関係である。しかしながら、本発明は、受光素子303の個数と、孔121の個数を同一にしてもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態における光強度情報150は、例えば、照度を示す情報でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿読取装置の外観を説明するための図である。
【図2】(A)原稿読取部の外観を説明するための図である。(B)ADF原稿読み込み部を備える原稿読取部の外観を説明するための図である。
【図3】(A)原稿読み取り時の原稿読取部の内部を説明するための図である。(B)スキャナボタン部読み取り時の原稿読読取部の内部を説明するための図である。
【図4】スキャナボタン部の外観を説明するための図である。
【図5】原稿読取装置の機能構成図である。
【図6】(A)光強度情報格納テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。(B)受光素子対応テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図7】処理決定テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図8】原稿読取装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】スキャナボタン部からユーザの指示を受け付ける処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】(A)スキャナボタン部の孔の形状を数字にした場合の外観を説明するための図である。(B)スキャナボタン部にスイッチを設けた場合の外観を説明するための図である。
【図11】スイッチを設けたスキャナボタン部読み取り時の原稿読取部の内部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
100:原稿読取装置、103:原稿読取部、111:スキャナボタン部、112:ガラス台、113:キャリッジ、115:入力部、121:孔、122:孔識別情報、123:スイッチ、124:ガラス板、150:光強度情報、200:制御部、201:キャリッジ制御部、202:光強度情報解析部、203:処理決定部、204:状態記憶部、211:駆動制御部、212:A/Dコンバータ、213:光強度情報蓄積部、301:駆動部、302:受光部、303:受光素子、401:光強度情報格納テーブル、402:受光素子対応テーブル、411:受光素子番号欄、412:光強度情報欄、421:孔識別番号欄、422:受光素子番号欄、500:処理決定テーブル、501:状態欄、502:操作欄、503:処理内容欄、701:CPU、702:主記憶装置、703:ASIC、704:通信装置、705:外部記憶装置、706:入出力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取装置に係り、特に、操作パネルに使用する部品点数を減らす技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複合機、ファクシミリ、印刷機、等の原稿を読み取る機能を有する原稿読取装置は、操作パネルを備え、ユーザによって操作パネルが操作されることで指示を受け付ける。近年、多種多様な機能を有する原稿読取装置が開発されるようになり、各機能の設定は多岐にわたる。そのため、各機能の設定を受け付ける操作パネルには、ボタン等を含む多くの部品が備え付けられるようになってきている。
【0003】
しかし、操作パネルに多くの部品を備え付けると、原稿読取装置のコストは高くなる。そこで、例えば、特許文献1には、操作パネルに備え付ける部品点数を減らすために、マークシートを利用して、印刷する写真の選択や、印刷部数の設定を行う技術について記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−324737号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マークシートを利用して設定を行う場合、原稿読取装置は、マークシートに記入された白黒画像を読み取るために、マークシートを搬送させたり、画像を線状に読み取るキャリッジを走査させる必要がある。そのため、原稿読取装置へのユーザからの指示を受け付ける処理に時間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、原稿読取装置の操作パネルに備え付ける部品点数を削減して、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、原稿を読み取る原稿読取装置であって、光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の原稿読取装置によれば、操作パネルに備え付ける部品点数を削減して、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の実施形態に適用される原稿読取装置100の外観の一例を、図1に示す。原稿読取装置100は、原稿を読み取る機能を有する、ファクシミリや、複合機、等である。原稿読取装置100は、図示するように、原稿を読み取るための原稿読取部103と、原稿読取部103を支持するベース102と、原稿読取部103が読み取る原稿を固定するための蓋体101と、を有する。
【0011】
原稿読取部103は、図2(A)に示すように、スキャナボタン部111と、ガラス台112と、キャリッジ113と、入力部115と、を有する。原稿読取部103は、ガラス台112に置かれた原稿を、キャリッジ113を用いて読み取る。また、原稿読取部103は、スキャナボタン部111及びキャリッジ113を用いて、ユーザからの指示を受け付ける。
【0012】
キャリッジ113は、図3(A)に示すように、複数の受光素子303を有する。図3(A)は、原稿読取部103を、図2に示すZ面に垂直な方向からみた図である。各受光素子303は、入射された反射光の強度に応じた電気信号を生成する。キャリッジ113が有する光源(図示せず)は、ガラス台112上の原稿に光を照射し、各受光素子303がその反射光を電気信号に変換することで、原稿を読み取る。原稿読み取り時においては、この変換は、キャリッジ113が原稿に対して水平に移動しているときに、各受光素子303で行われる。このとき、キャリッジ113が平行移動する方向は、図2(A)に示す走査方向(±Xの双方向)である。これにより、原稿読取装置100は、2次元イメージを取り込むことができる。
【0013】
スキャナボタン部111は、ユーザからの指示を原稿読取装置100へ入力する。スキャナボタン部111は、ホームポジション(以下、第1の停止位置という)に位置するキャリッジ113に備わる複数の受光素子303が、スキャナボタン部111に照射した光の反射光を電気信号に変換することで、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、スキャナボタン部111には、図4に示すように、キャリッジ113の光源から出力された光を透過する領域(例えば、孔121)が複数設けられる。孔121は、例えば、10個設けられる。受光素子303は、スキャナボタン部111からの反射光を電気信号に変換する。このとき、スキャナボタン部111の孔121が設けられていない部分の反射光に対して、孔121付近の反射光の強度は弱くなる(このときの、原稿読取部103を、図2(B)に示すZ面に垂直な方向からみた図は、図3(B)に示すようになる)。従って、受光素子303がスキャナボタン部111からの反射光を電気信号に変換して得られる光強度情報150は、図4(左側)に示すようになる。すなわち、孔121付近に対応する光強度情報は、黒を示す値となり、それ以外の部分に対応する光強度情報は、白を示す値となる。このとき、孔121のいずれかを、ユーザが指で覆うと、その部分の反射光の強度は強くなるため、得られる光強度情報は、白を示す値となる。原稿読取装置100は、上記特性を利用して、スキャナボタン部111上の、いずれの孔121をユーザが覆っているかを特定することができる。また、スキャナボタン部111には、ユーザが各孔121を識別可能なように、孔識別番号122が各孔121に対応させて記載される。この孔識別番号122は、例えば、0から9の連続する整数値等でよい。
【0014】
図2(A)に戻って、入力部115は、ユーザからの指示を原稿読取装置100へ入力する。入力部115は、例えば、原稿の読み取り開始、FAXの通信開始、等を指示するためのスタートボタンや、スキャナボタン部111からユーザの指示を受け付ける「スキャン形式ボタンモード」等へのモード切り替えを指示するボタン、から構成される。
【0015】
また、原稿読取部103は、図2(B)に示すように、スキャナボタン部111とガラス台112の間に、複数枚の原稿をセットして自動的に連続読み取りを行うためのADF(Auto Document Feeder)原稿読み取り部114を備えるようにしてもよい。この場合、ADF原稿読み取り部114に送られてきた原稿のスキャン開始時には、キャリッジ113を、ADF原稿読み取り部114の位置(以下、第2の停止位置という)に移動させるようにする。原稿読み取り部114を備える原稿読取部103においても、キャリッジ113を第1の停止位置に停止させた状態で、スキャナボタン部111からのユーザの入力を受け付けることができる。
【0016】
次に、原稿読取装置100の機能構成の一例を、図5のブロック図に示す。図示するように、原稿読取装置100は、制御部200を有する。制御部200は、上述したキャリッジ113を制御するキャリッジ制御部201と、上述した光強度情報150を解析する光強度情報解析部202と、上述した入力部115からの入力信号及び光強度情報解析部202の解析結果に基づいて次処理を決定する処理決定部203と、原稿読取装置100の状態を特定する情報が記憶されている状態記憶部204と、を有する。
【0017】
制御部201のキャリッジ制御部201は、駆動制御部211と、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213と、を有する。
【0018】
駆動制御部211は、キャリッジ113を制御するための制御信号を生成して、生成した制御信号を、キャリッジ113の駆動部301に供給する。例えば、駆動制御部211は、キャリッジ113にスキャン処理を行わせるための制御信号を生成する。また、駆動制御部211は、キャリッジ113にスキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取らせるための制御信号を生成する。
【0019】
A/Dコンバータ212は、キャリッジ113から供給された電気信号をデジタル信号に変換する処理を行う。具体的には、A/Dコンバータ212は、受光素子303が光強度に応じて生成した電気信号が供給されたときに、その電気信号に応じた光強度情報150を生成する。A/Dコンバータ212は、生成した光強度情報150を、光強度情報蓄積部213に供給して記憶させる。
【0020】
光強度情報蓄積部213には、光強度情報150を蓄積するための光強度情報格納テーブル401が格納されている。光強度情報格納テーブル401は、例えば、図6(A)に示すように、受光素子番号欄411と、光強度情報欄412と、を有する。受光素子番号欄411には、各受光素子303を特定するための受光素子番号が格納されている。また、光強度情報欄412には、各受光素子303が生成した電気信号に対応する光強度情報150が、受光素子番号欄411の受光素子番号に対応づけて格納される。
【0021】
また、光強度情報蓄積部213には、スキャナボタン部111における各孔121からの反射光を受光する受光素子303を特定するための受光素子対応テーブル402が格納されている。例えば、受光素子対応テーブル402は、図6(B)に示すように、孔識別番号欄421と、受光素子番号欄422と、を有する。孔識別番号欄421には、スキャナボタン部111の各孔121を特定するための識別番号が格納されている。また、受光素子番号欄422には、各孔121からの反射光を受光する受光素子303を特定するための受光素子番号が、孔識別番号欄421の孔識別番号に対応づけて格納されている。
【0022】
光強度情報解析部202は、光強度情報蓄積部213に格納されている光強度情報格納テーブル401及び受光素子対応テーブル402を参照して、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を特定する。例えば、光強度情報解析部202は、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザの指で覆われたかを特定する。具体的には、光強度情報解析部202は、受光素子対応テーブル402にアクセスして、各孔識別番号に対応づけて格納されている受光素子番号を取得する。図6(B)の例では、光強度情報解析部202は、孔識別番号「0」に対応づけて格納されている受光素子番号「2〜5」、孔識別番号「1」に対応づけて格納されている受光素子番号「8〜11」、といった受光素子番号を取得する。次に、光強度情報解析部202は、光強度情報格納テーブル401にアクセスして、受光素子対応テーブル402から取得した受光素子番号に対応づけて格納されている光強度情報150を取得する。図6(A)の例では、光強度情報解析部202は、受光素子番号「2〜5」に対応づけて格納されている光強度情報「32、11、23、72」を取得する。続いて、光強度情報解析部202は、各孔識別番号ごとに、対応する光強度情報150の平均値を求める。例えば、図6(A)(B)の例では、孔識別番号「0」に対応する光強度情報の平均値は、(32+11+23+72)/4となる。光強度情報解析部202は、求めた光強度情報の平均値が、予め定めた基準値(例えば、50)以下である場合には、その孔識別番号に対応する孔121は、ユーザの指で覆われていると特定する。ここで、基準値以下の孔121が複数ある場合には、複数の孔121がユーザの指で覆われていると特定する。光強度情報解析部202は、上記方法で、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザの指で覆われているかを特定することができるが、本発明は、上記方法に限定するものではない。
【0023】
状態記憶部204は、原稿読取装置100の現時点での状態を特定するための状態情報と、図7に示すような処理決定テーブル500と、を格納している。
【0024】
状態情報は、例えば、FAX通信を行う相手の電話番号の入力を待っている状態、コピーする部数の入力を待っている状態、コピー倍率の入力を待っている状態、等の原稿読取装置100の状態を示す情報である。また、状態情報は、キャリッジ113を第1の停止位置に停止させたままスキャナボタン部111をスキャンする「スキャン形式ボタンモード」の状態、ガラス台112上の原稿をスキャンする「通常モード」の状態を示す情報を含む。
なお、状態情報は、原稿読取装置100の状態が遷移するたびに、後述するCPU701により更新されるようにしておく。そして、原稿読取装置100の状態は、任意に設定可能であり、利用目的等に応じて設定しておけばよい。
【0025】
処理決定テーブル500は、図7に示すように、例えば、状態欄501と、操作欄502と、処理内容欄503と、を有する。状態欄501には、原稿読取装置100の状態を示す情報が格納されている。例えば、状態欄501に格納されている情報は、状態記憶部204に格納されている状態情報と一致する。また、操作欄502には、ユーザによる操作を示す情報が格納されている。例えば、操作欄502には、通信相手の電話番号の入力、コピーする部数の入力、コピー倍率の入力、短縮番号の入力、等の情報が格納されている。さらに、処理内容欄503には、後述する処理決定部203が決定する次処理の内容が格納されている。例えば、処理内容欄503には、FAX通信の開始、倍率入力待ちの処理へ移行、コピー開始、スキャン開始、登録されている相手とFAX通信開始、等の情報が格納されている。なお、処理内容欄503に格納される情報は、次処理の実行プログラムのパスを示す情報であってもよい。
【0026】
各欄(501、502、503)のデータは、1行に対応づけて格納されている。
【0027】
処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115からの通知を受けたとき、状態記憶部204にアクセスして、次処理を決定する。例えば、処理決定部203は、状態記憶部204にアクセスして、原稿読取装置100の状態情報、及び、図7に示す処理決定テーブル500、を参照して次処理を決定する。具体的には、処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115からの通知を受けたときに、まず、状態記憶部204に格納されている状態情報を取得する。次に、処理決定部203は、取得した状態情報と一致する情報を、処理決定テーブル500の状態欄501から抽出する。さらに、処理決定部203は、光強度情報解析部202又は入力部115から受けた通知に対応する情報を、処理決定テーブル500の操作欄502から抽出する。処理決定部203は、状態欄501及び操作欄502から抽出した両情報に対応づけて格納されている処理内容を処理内容欄503から抽出する。これにより、処理決定部203は、次処理を決定する。
【0028】
また、処理決定部203は、次処理を決定したとき等に、状態記憶部204に格納されている状態情報を変更する。
【0029】
図5に戻って、キャリッジ113は、駆動部301と、受光部302と、を有する。駆動部301は、キャリッジ113を駆動する。例えば、駆動部301は、キャリッジ制御部201から供給された制御信号に従って、キャリッジ113に、ガラス台112上の原稿を読み取らせる。また、駆動部301は、キャリッジ制御部201から供給された制御信号に従って、キャリッジ113に、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取らせる。受光部302は、上述したように複数の受光素子303を備え、入射された反射光の強度に応じた電気信号を生成する処理を行う。受光部302は、各受光素子303で生成した電気信号を、キャリッジ制御部201に供給する処理を行う。
【0030】
以上のように構成される原稿読取装置100は、例えば、図8に示すような、CPU701と、主記憶部702と、ASIC703と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置704と、HDD等の外部記憶装置705と、スキャン機能を有するキャリッジ、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入出力装置706と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0031】
例えば、光強度情報蓄積部213及び状態管理部204は、外部記憶装置705により実現可能であり、制御部200は、外部記憶装置705に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置702にロードしてCPU701で実行することで実現可能であり、入力部115、スキャナボタン部111、キャリッジ113は、入出力装置706で実現可能である。また、制御部200は、ASIC703でも実現可能である。
【0032】
また、制御部200が実行する所定のプログラムは、通信装置704を介してネットワークから、外部記憶装置705にダウンロードされ、それから、主記憶装置702上にロードされてCPU701により実行されるようにしてもよい。また、通信装置704を介してネットワークから、主記憶装置702上に直接ロードされ、CPU701により実行されるようにしてもよい。
【0033】
以上のように、原稿読取装置100は、テンキーのような操作パネルを設ける代わりに、スキャナボタン部111を設けている。このような構成により、原稿読取装置100は、操作パネルの部品点数を削減することができる。また、原稿読取装置100は、スキャナボタン部111からユーザの入力を受け付ける際には、キャリッジ113をホームポジション(第1の停止位置)から移動させずに受け付けるため、ユーザからの指示を受け付ける処理を高速に行うことができる。
【0034】
図9は、原稿読取装置100のスキャナボタン部111からユーザの指示を受け付ける処理を説明するためのフローチャートである。
【0035】
原稿読取装置100の電源が投入されたときに、制御部200は、通常モードでシステムを起動する。具体的には、制御部200は、状態記憶部204の状態情報を「通常モード」を示す情報にする。このとき、キャリッジ制御部201の駆動制御部211は、キャリッジ113を第1の停止位置(ホームポジション)に移動させるための制御信号をキャリッジ113に供給する。これにより、キャリッジ113は、駆動部301の制御により、第1の位置に停止した状態を維持する。
【0036】
この通常モードの状態で、制御部200は、「通常モード」から「スキャン形式ボタンモード」への切り替えの指示が、ユーザから入力されるまで待機する(ステップS101;No)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が供給されるまで待機する。
【0037】
なお、原稿読取装置100は、モード切り替えの指示を待機している間にも、FAX通信や、コピーといった他の処理を実行することは可能である。例えば、「通常モード」で、ガラス台112上の原稿をスキャンする場合は、キャリッジ113は、図2(A)(B)に示す走査方向に移動しながら、原稿を読み取る処理を行う。
【0038】
制御部200は、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えの指示を受け付けたとき(ステップS101;Yes)、「通常モード」から「スキャン形式ボタンモード」への切り替え処理を実行する(ステップS102)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が供給されたときに、状態記憶部204に格納されている状態情報を「スキャン形式ボタンモード」を示す情報に変更する。そして、処理決定部203は、状態記憶部204に格納されている処理決定テーブル500を参照して、次処理を決定する。例えば、ここで決定する次処理は、キャリッジ113を駆動して、スキャナボタン部111を読み取る準備を行う処理でよい。
【0039】
続いて、制御部200は、キャリッジ113にスキャナボタン部111を読み取らせる(ステップS103)。具体的には、駆動制御部211は、キャリッジ113を駆動する制御信号を駆動部301に供給する。このとき、キャリッジ113の受光部302は、スキャナボタン部111に光を照射して、反射光の光強度を電気信号に変換する。受光部302は、変換した電気信号を、A/Dコンバータ212に供給する。A/Dコンバータ212は、受光部302から供給された電気信号を、デジタル信号の光強度情報150に変換して、これを光強度情報蓄積部213に記憶する。ここで、光強度情報蓄積部213に記憶される光強度情報150は、図6(A)に示すように、受光素子番号に対応づけて光強度情報格納テーブル401の光強度情報欄412に格納される。
【0040】
このとき、制御部200の光強度情報解析部202は、光強度情報蓄積部213に記憶された光強度情報150、及び、受光素子対応テーブル403を参照して、各孔識別情報に対応する孔121から読み取った光強度情報が、それぞれ白を示す光強度情報であるか黒を示す光強度情報であるかを判別する(ステップS104)。具体的には、光強度情報解析部202は、各孔識別番号ごとに、対応する光強度情報150の平均値を求める。そして、光強度情報解析部202は、求めた平均値が、予め定めた基準値(例えば、50)以下である場合には、その孔識別番号に対応する孔121から読み取った光強度情報は白を示していると判別する。一方、光強度情報解析部202は、求めた平均値が、基準値より大きい場合には、その孔識別番号に対応する孔121から読み取った光強度情報は黒を示していると判別する。これにより、スキャナボタン部111に設けられた孔121のうち、どの孔121がユーザに指で覆われているかを特定することができる。
【0041】
ここで、制御部200の処理決定部203は、入力部115から、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を決定する指示を受け付けると(ステップS105;Yes)、処理をステップS105に移行させる。一方、所定時間(例えば、1分)、入力部115からの指示を受け付けなかった場合には(ステップS105;No)、処理決定部203は、処理をステップS103に戻す。なお、処理決定部203は、CPU701が有する内部タイマを用いて、ステップS102で「スキャン形式ボタンモード」に切り替えてからの経過時間を計時しておく。ここで、ユーザの操作を決定する指示を受け付けるまで、ステップS103、ステップS104の処理を繰り返すことにより、例えば、電話番号のような数字の連続入力が可能となる。
【0042】
ステップS106では、処理決定部203は、ステップS104で特定したユーザのスキャナボタン部111における操作に基づいて、次処理を決定する処理を行う(ステップS106)。
【0043】
ステップS106で次処理を決定後、制御部200は、「スキャン形式ボタンモード」から「通常モード」への切り替えの指示が、ユーザから入力されたか否かを判別する(ステップS107)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から、「スキャン形式ボタンモード」への切り替えを指示する信号が、所定期間(例えば、1分)経過する前に供給されたか否かで判別する。
【0044】
制御部200は、「通常モード」への切り替えの指示を受け付けたとき(ステップS107;Yes)、「スキャン形式ボタンモード」から「通常モード」への切り替え処理を実行する(ステップS108)。具体的には、処理決定部203は、入力部115から「通常モード」への切り替えを指示する信号が供給されたときに、状態記憶部204に格納されている状態情報を「通常モード」を示す情報に変更する。そして、処理決定部203は、状態記憶部204に格納されている処理決定テーブル500を参照して、次処理を決定する。例えば、ここで決定する次処理は、キャリッジ113への電力供給を停止させる処理でよい。その後、制御部200は、処理をステップS101に移行させる。
【0045】
一方、ステップS107で、制御部200の処理決定部203は、所定期間、「通常モード」への切り替えの指示を受け付けなかった場合には(ステップS107;No)、処理をステップS103に移行させる。
【0046】
以上の処理により、原稿読取装置100は、キャリッジ113を用いて、スキャナボタン部111におけるユーザの操作を読み取ることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、制御部200が、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213、を有している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、キャリッジ113が、A/Dコンバータ212、光強度情報蓄積部213、を有するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、スキャナボタン部111には、複数の孔121が設けられ、ユーザが各孔121を識別するための孔識別番号122が記載されている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、図10(A)に示すように、複数の孔121を、孔識別番号122の形状にしてもよい。
【0050】
さらに、スキャナボタン部111には、図10(B)に示すように、複数のスイッチ123を設けるようにしてもよい。例えば、スイッチ123は、プラスチック成型で作られる。スキャナボタン部111において、各スイッチ123の周囲に、図10(B)に示すような細い孔121を設ける。これにより、スイッチ123は、ユーザの指で押下された方向に可動となる。図10(B)に示すスイッチ123の1つが押下されたときの、原稿読取部103を、図2(A)に示すZ面に垂直な方向からみた図は、図11に示すようになる。スイッチ123の下面(キャリッジ113方向の面)は、図11に示すように、キャリッジ113が照射した光を反射するように平面にしておく。スイッチ123が押下されたとき、キャリッジ113とキャリッジ113との間隙は小さくなる。これにより、押下されていないスイッチ123の下面に反射した光の光強度と比較して、スイッチ123の下面に反射した光の光強度は大きくなる。この特性を利用して、本願の原稿読取装置100は、スキャナボタン部111に設けられたスイッチ123の、いずれのスイッチ123がユーザに押下されているかを特定することができる。なお、スイッチ123とキャリッジ113との間には、ガラス板124が差し込まれ、ユーザによるスイッチ123の押下量を制限している。
【0051】
また、上記実施形態では、光強度情報格納テーブル401に格納する光強度情報150は、白黒データである。しかしながら、本発明は、これに限定されず、RGBデータ等の色データを光強度情報格納テーブル401に格納するようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、スキャナボタン部111に配置されている光を透過する領域は、孔121としている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、光を透過する領域は、光を透過しさえすれば、任意である。例えば、光を透過する領域にガラスを使用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、キャリッジ113に備わる受光素子303の個数は、スキャナボタン部111に配置されている孔121の個数とは無関係である。しかしながら、本発明は、受光素子303の個数と、孔121の個数を同一にしてもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態における光強度情報150は、例えば、照度を示す情報でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿読取装置の外観を説明するための図である。
【図2】(A)原稿読取部の外観を説明するための図である。(B)ADF原稿読み込み部を備える原稿読取部の外観を説明するための図である。
【図3】(A)原稿読み取り時の原稿読取部の内部を説明するための図である。(B)スキャナボタン部読み取り時の原稿読読取部の内部を説明するための図である。
【図4】スキャナボタン部の外観を説明するための図である。
【図5】原稿読取装置の機能構成図である。
【図6】(A)光強度情報格納テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。(B)受光素子対応テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図7】処理決定テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図8】原稿読取装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】スキャナボタン部からユーザの指示を受け付ける処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】(A)スキャナボタン部の孔の形状を数字にした場合の外観を説明するための図である。(B)スキャナボタン部にスイッチを設けた場合の外観を説明するための図である。
【図11】スイッチを設けたスキャナボタン部読み取り時の原稿読取部の内部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
100:原稿読取装置、103:原稿読取部、111:スキャナボタン部、112:ガラス台、113:キャリッジ、115:入力部、121:孔、122:孔識別情報、123:スイッチ、124:ガラス板、150:光強度情報、200:制御部、201:キャリッジ制御部、202:光強度情報解析部、203:処理決定部、204:状態記憶部、211:駆動制御部、212:A/Dコンバータ、213:光強度情報蓄積部、301:駆動部、302:受光部、303:受光素子、401:光強度情報格納テーブル、402:受光素子対応テーブル、411:受光素子番号欄、412:光強度情報欄、421:孔識別番号欄、422:受光素子番号欄、500:処理決定テーブル、501:状態欄、502:操作欄、503:処理内容欄、701:CPU、702:主記憶装置、703:ASIC、704:通信装置、705:外部記憶装置、706:入出力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る原稿読取装置であって、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の原稿読取装置であって、
前記受光素子群は、
キャリッジに配置され、
前記キャリッジのホームポジションで、前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の原稿読取装置であって、
前記キャリッジ及び前記受光素子群は、
原稿を読み取るときにおいて使用されるものと同一のものである、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載される原稿読取装置であって、
前記パネルに配置されている領域は、該領域を識別するための文字の形状からなる、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原稿読取装置であって、
前記パネルに配置されている領域には、照射された光を反射する平面を有するスイッチが配置され、
前記スイッチは、
押下されたときに、前記キャリッジと前記平面との間隙を小さくすることで、反射光の光強度を強める機構を有する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の原稿読取装置であって、
前記受光素子を特定するための受光素子番号と、各受光素子が検知した光強度を特定する光強度情報と、を対応付けて格納する光強度情報格納テーブルと、
前記パネルに配置された各領域を識別するための識別情報と、該領域に照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子を特定する受光素子番号と、を対応付けて格納している対応テーブルと、
を備え、
前記光強度情報解析部は、
前記対応テーブルに格納されている識別情報に対応する受光素子番号を取得し、光強度情報格納テーブルにアクセスして、取得した受光素子番号に対応づけて格納されている光強度情報の平均値を算出し、算出した平均値が所定の基準値以下である場合に、該受光素子番号に対応づけられている識別情報に対応する領域が操作されたと特定する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項7】
原稿を読み取る原稿読取装置における入力受付方法であって、
前記原稿読取装置は、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
を備え、
前記受光素子群が検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析ステップ、
を有することを特徴とする入力受付方法。
【請求項8】
コンピュータを、原稿を読み取る原稿読取装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータは、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
を備え、
前記受光素子が検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析処理、
を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
原稿を読み取る原稿読取装置であって、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の原稿読取装置であって、
前記受光素子群は、
キャリッジに配置され、
前記キャリッジのホームポジションで、前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の原稿読取装置であって、
前記キャリッジ及び前記受光素子群は、
原稿を読み取るときにおいて使用されるものと同一のものである、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載される原稿読取装置であって、
前記パネルに配置されている領域は、該領域を識別するための文字の形状からなる、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原稿読取装置であって、
前記パネルに配置されている領域には、照射された光を反射する平面を有するスイッチが配置され、
前記スイッチは、
押下されたときに、前記キャリッジと前記平面との間隙を小さくすることで、反射光の光強度を強める機構を有する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の原稿読取装置であって、
前記受光素子を特定するための受光素子番号と、各受光素子が検知した光強度を特定する光強度情報と、を対応付けて格納する光強度情報格納テーブルと、
前記パネルに配置された各領域を識別するための識別情報と、該領域に照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子を特定する受光素子番号と、を対応付けて格納している対応テーブルと、
を備え、
前記光強度情報解析部は、
前記対応テーブルに格納されている識別情報に対応する受光素子番号を取得し、光強度情報格納テーブルにアクセスして、取得した受光素子番号に対応づけて格納されている光強度情報の平均値を算出し、算出した平均値が所定の基準値以下である場合に、該受光素子番号に対応づけられている識別情報に対応する領域が操作されたと特定する、
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項7】
原稿を読み取る原稿読取装置における入力受付方法であって、
前記原稿読取装置は、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
を備え、
前記受光素子群が検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析ステップ、
を有することを特徴とする入力受付方法。
【請求項8】
コンピュータを、原稿を読み取る原稿読取装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータは、
光を透過する複数の領域が配置されているパネルと、
前記パネルに照射した光の反射光の光強度を検知する受光素子群と、
を備え、
前記受光素子が検知した光強度に応じて変換された信号を、予め定めた操作入力として受け付ける光強度情報解析処理、
を行うことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−245091(P2008−245091A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85258(P2007−85258)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]