説明

双方向型ゲーム及びそのシステム

【課題】プレーヤーの動作が激し過ぎるか長く持続する際、プレーヤーに注意を促し、運動器の傷害を避けることが可能な双方向型ゲームを提供する。
【解決手段】ゲーム機本体10と指向性のあるリモコン装置30とを備え、そのうちゲーム機本体10はテレビ画面20に電気的に接続することが可能であり、指向性のあるリモコン装置30はゲーム機本体10と連絡することが可能であり、かつ指向性のあるリモコン装置30の加速度を感知可能な第一動作センサーモジュール31と指向性のあるリモコン装置30の加速度に基づいて安全規制を起動する必要があるか否かを判断可能なセンサーモジュール37とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動器の傷害を防止可能な機能を有する双方向型ゲーム及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用者側の三次元動作を感知することにより双方向型ゲームを行うシステムは非常に流行しており、任天堂(登録商標)のWii(登録商標)はそのうちの一例である。このようなゲームはプレーヤーが指向性のあるリモコン装置の三次元移動を操作することにより、システムが反応する。しかし、このようなゲームの現実に近い臨場感のため、プレーヤーはゲームに熱中し、指向性のあるリモコン装置を激しく振り動かすことがよくあり、かつその動作が極めて激しく、長く持続すると運動器の損傷を招く恐れがある。
上述した運動器の損傷は3D双方向型ゲームの進行中に起こりやすいため、このような双方向型ゲームに運動器の損傷を防止可能な機能を提供することが必要である。それに対し、本発明は3D双方向型ゲームの適用に限らず、指向性のあるリモコン装置による任意のゲームにも適用することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、プレーヤーの動作が激し過ぎるか長く持続する際、安全規制を起動する(警告信号を発するまたはそれに対応する保護措置を起動する)ことによりプレーヤーに注意を促し、運動器の損傷を避けることが可能な双方向型ゲームを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、運動器の損傷を防止可能な機能を有する双方向型ゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するために、本発明に係る双方向型ゲームシステムは、ゲーム機本体と指向性のあるリモコン装置とを備え、そのうちゲーム機本体はテレビ画面に電気的に接続することが可能であり、指向性のあるリモコン装置はゲーム機本体と連絡することが可能であり、かつ指向性のあるリモコン装置の加速度を感知可能な動作センサーモジュールと指向性のあるリモコン装置の加速度に基づいて安全規制を起動する必要があるか否かを判断可能なセンサーモジュールとを有する。
【0005】
本発明に係る双方向型ゲームは、プレーヤーにより振り動かされる指向性のあるリモコン装置を提供し、かつ下記の三つの状況のいずれか一つまたはそれ以上を発生する際に安全規制を起動することが可能である。(1)プレーヤーが指向性のあるリモコン装置を過度に振り動かしたという状況。(2)プレーヤーの振り動かした回数の累計が臨界値を超えているという状況。(3)一定の時間内にプレーヤーの振り動かした回数が臨界値を超えているという状況。
【0006】
また本発明に係る双方向型ゲームは、指向性のあるリモコン装置を提供し、かつ指向性のあるリモコン装置の加速度を感知することと、指向性のあるリモコン装置の加速度が所定の臨界値より大きい際に安全規制を起動することとが可能である。
さらに本発明に係る双方向型ゲームは、指向性のあるリモコン装置を提供し、かつ指向性のあるリモコン装置の加速度を感知することと、指向性のあるリモコン装置の加速度が所定の第一加速度の臨界値より大きい際に計算を行うことと、計算値が所定の計算臨界値より大きい際に安全規制を起動することとが可能である。
【0007】
また、所定の時間を計算した後、計算値をゼロにすることが可能である。
また、安全規制は、ゲームが進行中のテレビ画面上に警告パターンまたは警告文字を表示する手段、警告音または警告メッセージを発する手段、テレビ画面を閉じる手段、ゲームを強制中断する手段、双方向型ゲームの進展方法によりプレーヤーに動作の緩和を促す手段などを採用することが可能である。
本発明の目的、技術内容、特徴と達成した効果をより理解していただくために、以下に具体的な実施形態を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第一実施形態)
まず3D双方向型ゲームを例として本発明の第一実施形態を説明する。その前に再び強調したいのは、前述した通り本発明は3D双方向型ゲームまたは別のゲームなどに適用可能であり、以下提示された3D双方向型ゲームのハードウェアを配置する方法と三次元データを計算する方法は本発明が達成した実施の形態を説明するための一例に過ぎないため、本発明を以下のハードウェアの配置方法または実施法に限定することができないことである。
【0009】
図1に示すように、本発明の第一実施形態による3D双方向型ゲームシステムは、まず発光源12(通常940mmの赤外線の光源が好ましい)を提供する。発光源12とゲーム機本体10との間は有線または無線方式で信号交換を達成することが可能である。続いて指向性のあるリモコン装置30上に二つの動作センサーモジュールを配置する。二つの動作センサーモジュールのうちの第一動作センサーモジュール31は加速度計(accelerometer)またはジャイロセンサー(gyro sensor)などのいずれか一つであり、第二動作センサーモジュール32は一般の光学センサーモジュールである。双方向型ゲームシステムは光学センサーモジュールにより発光源12を感知した結果と、第一動作センサーモジュール31から提供された情報とに基づいてプロセッサー34において演算を行い、感知結果を三次元の立体データに変換する。続いて無線送受信モジュール36を介してこの立体データをゲーム機本体10に送信することによりゲームを進行させる。例えばテレビ画面20上に表示された映像において対応する移動や爆破効果などを生じる。以上の設定方法は実現可能な実施形態の一つに過ぎないため、上述した方法のほかに別の設定方法、例えば発光源12を別の位置に配置するとか、プロセッサー34をゲーム機本体10内に配置するとか、有線方式で信号を伝送するなどの方法を採用することが可能である。これらの方法は本発明の重点でないため詳細な説明を省略する。
【0010】
本実施形態は上述のユニットのほかに更にセンサーモジュール37を有する。センサーモジュール37は第一動作センサーモジュール31に生じた加速度または重力変化などの情報に基づいてプレーヤーがゲームを安全に行っているか否かを判断し、そして判断結果に対応する情報を生じる。またセンサーモジュール37は直接第一動作センサーモジュール31から加速度または重力変化などの情報を受け取ったり、プロセッサー34から相関情報を受け取ったりすることが可能である。続いてセンサーモジュール37から出た判断情報をプロセッサー34に送り、処理されればそれに対応する後続作動が生じる。いわゆる「それに対応する後続動作」とはテレビ画面上に警告パターンまたは警告文字を表示する、警告音または警告メッセージを発する、テレビ画面を閉じる、ゲームを強制中断する、双方向型ゲームの進展方法によりプレーヤーに動作の緩和を促す(例えばゲームを指向性のあるリモコン装置30を振り動かす必要ない静態のゲームに切り換える)などである。
【0011】
プレーヤーがゲームを安全に行っているか否かを判断する場合、その判断基準は下記のうちの一つまたはそれらの組合せである。(1)プレーヤーが指向性のあるリモコン装置30を過度に振り動かしていないか否かを判断する。(2)プレーヤーの振り動かした回数の累計が臨界値を超えているか否かを判断する。(3)一定の時間内にプレーヤーが指向性のあるリモコン装置30を過度に頻繁に振り動かしていないか否かを判断する。
【0012】
(第二実施形態)
続いて、図2Aに示すのはシステムが安全判断を進める操作プロセスを説明するために挙げた一例である。まずステップS21においてセンサーモジュール37により加速度(または加速度計またはジャイロセンサーによる重力変化などの情報)が加速度臨界値を超えているか否かを判断する。超えていることが判明した場合、別の状態下(図中未表示)で警告情報が即時出力される。本実施形態は警告情報を即時出力することなく、ステップS22において計算値に1を加える。計算値は過度に振り動かした回数の累計である。計算値が計算臨界値より大きい場合(ステップS23)、警告情報が出力される(ステップS24)。
【0013】
(第三実施形態)
図2Bに示すのは別の操作プロセスを説明するために挙げた例である。本実施形態は前述の警告情報を出力する二種の機制を統合する。詳しく言えばステップS21Aにおいて加速度が比較的低い第一加速度臨界値を超えているか否かを判断する。超えていることが判明した場合、続いて加速度が比較的高い第二加速度臨界値を超えているか否かを判断する(ステップS21B)。超えていることが判明した場合、警告情報が即時出力される。超えていないことが判明した場合、ステップS22における計算値に1を加える。計算値が計算臨界値より大きい場合(ステップS23)、警告情報を出力する(ステップS24)。
【0014】
(第四実施形態)
図3に示すのは別の操作プロセスを説明するために挙げた例である。本実施形態はステップS21からS24を進めると同時にステップS31において計時を起動する。例えば、所定の時間に到るまで計時する(ステップS32)と、計算値をゼロにする(ステップS33)。計算値をゼロにするステップは計算値を増やすステップ(ステップS22)に優先する。つまり回路においてゼロにする指令信号と1を加える指令信号が同時に生成された場合、ゼロにする指令が優先され、1を加える指令は無視される。
【0015】
(第五実施形態)
図4に示すのは順序方式による操作プロセスが図3に示す操作プロセスと同じような効果を達成することを説明するために挙げた例である。本実施形態はまず計時を起動し、計算値を設定し直す(ステップS41)。続いて加速度が加速度臨界値を超えているか否かを判断する(ステップS42)。超えていることが判明した場合、計算値に1を加える(ステップS43)。続いて所定の時間に達しているか(或いはそれを超えているか)を判断する(ステップS44)。所定の時間に達していることが判明した場合、ステップS41に戻る。そうでないことが判明した場合、ステップS45に進み、計算値が計算臨界値より大きいか否かを判断し、計算値が計算臨界値より大きいことが判明した場合、警告情報が出力される(ステップS46)。
【0016】
以上の実施形態は必要に応じ、加速度臨界値、計算臨界値、所定の時間などの設定をプレーヤーに開放するか、或いは「緩やかな使用のみを許可する」、「激しさが中度の使用を許可する」、「激しい使用を許可する」などの簡単な選択肢を提供し、選ばれた選択肢に基づいてそれに対応する臨界値を設定することが可能であるため、大人が年少者を管理するのに便利である。
【0017】
以上は実施形態に基づいて本発明を説明した内容であった。上述したものはこの技術を熟知している人に本発明の内容をより理解させるために挙げた一例に過ぎないため、本発明の請求範囲を限定することができない。またこの技術を熟知している人は本発明の精神下で効果が同等な変更を行うことが可能である。例えば本発明による双方向型ゲームシステムは加速度計またはジャイロセンサーなどにより加速度を感知する必要があるとは限らず、別の方法により指向性のあるリモコン装置の移動速度を感知し、速度変化を計算することも可能である。指向性のあるリモコン装置とゲーム機本体との間は無線方式に限らず、有線方式で連絡することも可能である。提示されたそれぞれのユニットは独立のハードウェア回路であるとは限らず、別の回路と統合するか、或いはソフトウェア方式により実現することも可能である。例えばセンサーモジュール37はプロセッサー34と統合するか(プロセッサー34に内蔵するか)、プロセッサー34の執行プログラムの一部分として書き込むか、或いは第一動作センサーモジュール31と統合することが可能である。またそれぞれのユニットの間に主機能に影響を与えないような付加回路を増設することは可能である。従って、本発明の概念と精神に基づいて効果が同等な変更または修正を行うことは本発明の請求範囲に属すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態による双方向型ゲームシステムを示すブロック図である。
【図2A】本発明の第二実施形態による双方向型ゲームシステムの安全判断を進めるプロセスを示すフローチャートである。
【図2B】本発明の第三実施形態による双方向型ゲームシステムの安全判断を進めるプロセスを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第四実施形態による双方向型ゲームシステムの安全判断を進めるプロセスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第五実施形態による双方向型ゲームシステムの安全判断を進めるプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
10:ゲーム機本体、12:発光源、20:テレビ画面、30:指向性のあるリモコン装置、31:第一動作センサーモジュール、32:第二動作センサーモジュール、34:プロセッサー、36:無線送受信モジュール、37:センサーモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ画面に電気的に接続可能なゲーム機本体と、
前記ゲーム機本体と連絡可能な指向性のあるリモコン装置であって、前記指向性のあるリモコン装置の加速度を感知可能な第一動作センサーモジュールと、前記指向性のあるリモコン装置の加速度に基づいて安全規制を起動する必要があるか否かを判断するセンサーモジュールとを有する指向性のあるリモコン装置と、
を備えることを特徴とする双方向型ゲームシステム。
【請求項2】
前記第一動作センサーモジュールは加速度計またはジャイロセンサーであることを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項3】
前記指向性のあるリモコン装置は無線送受信モジュールを有するため、無線方式で前記ゲーム機本体と連絡可能であることを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項4】
安全規制は、テレビ画面上に警告パターンを表示する手段、テレビ画面上に警告文字を表示する手段、警告音を発する手段、警告メッセージを発する手段、テレビ画面を閉じる手段、ゲームを強制中断する手段、双方向型ゲームの進展方法によりプレーヤーに動作の緩和を促す手段のうち少なくともいずれか一つを有することを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項5】
前記指向性のあるリモコン装置は、前記第一動作センサーモジュールと前記センサーモジュールから提供される情報を受信可能なプロセッサーとを有することを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項6】
前記センサーモジュールは、プロセッサーが執行するプログラムの一部分であることを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項7】
前記センサーモジュールは、プロセッサーに内蔵されることを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項8】
前記指向性のあるリモコン装置は第二動作センサーモジュールを有し、前記第二動作センサーモジュールは光学感知を行うことが可能であることを特徴とする請求項1に記載の双方向型ゲームシステム。
【請求項9】
プレーヤーにより振り動かされる指向性のあるリモコン装置を提供し、かつプレーヤーが指向性のあるリモコン装置を過度に振り動かしているような状況、プレーヤーの振り動かした回数の累計が臨界値を超えているような状況、一定の時間内にプレーヤーの振り動かした回数が臨界値を超えているような状況のうち少なくともいずれか一つの状況が発生する際に安全規制を起動可能であることを特徴とする双方向型ゲーム。
【請求項10】
指向性のあるリモコン装置を提供し、
前記指向性のあるリモコン装置の加速度を感知することと、前記指向性のあるリモコン装置の加速度が所定の臨界値より大きい際に安全規制を起動可能であることを特徴とする双方向型ゲーム。
【請求項11】
指向性のあるリモコン装置を提供し、
前記指向性のあるリモコン装置の加速度を感知することと、前記指向性のあるリモコン装置の加速度が所定の第一加速度臨界値より大きい際に計算を行うことと、計算値が所定の計算臨界値より大きい際に安全規制を起動可能であることを特徴とする双方向型ゲーム。
【請求項12】
前記指向性のあるリモコン装置の加速度が所定の第二加速度臨界値より大きい際に安全規制を起動可能であることを特徴とする請求項11に記載の双方向型ゲーム。
【請求項13】
所定の時間に到るまで計算すると前記計算値をゼロにすることが可能であることを特徴とする請求項11に記載の双方向型ゲーム。
【請求項14】
前記指向性のあるリモコン装置の位置に基づいてテレビ画面上のゲーム映像を変化させることが可能であり、
安全規制はテレビ画面上に警告パターンを表示する手段、テレビ画面上に警告文字を表示する手段、警告音を発する手段、警告メッセージを発する手段、テレビ画面を閉じる手段、ゲームを強制中断する手段、双方向型ゲームの進展方法によりプレーヤーに動作の緩和を促す手段のうち少なくとも一つの手段を有することを特徴とする請求項9、請求項10または請求項11に記載の双方向型ゲーム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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