説明

双極刺激電極

【課題】 手術野の脳表面から深部に存在する錐体路の位置を確認し、錐体路を温存させるばかりでなく、錐体路の虚血の発生を防止するような手術を迅速に行うことができる双極電極を提供する。
【解決手段】 大脳10に電気的な刺激を与え、該刺激により大脳の神経線維のうち主に錐体路15の有無を確認しながら、大脳10の病変の摘出手術を行うための双極刺激電極1であって、該双極刺激電極1は、大脳10に刺入すべく先端21が尖った2つの針状電極体2,2を備えており、該2つの針状電極体2,2は、大脳10に刺入されたときに大脳10に電気的な刺激を与えるべくその先端21の間が通電可能に配置してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大脳の腫瘍などの病変を摘出する際に、大脳白質内にある神経線維を確認するための双極刺激電極に係り、特に、脳表面から深部に存在する錐体路の位置を容易に確認することができる双極刺激電極に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、脳腫瘍等の脳の摘出手術において、患者の大脳白質の神経線維(主に、錐体路)に損傷を与えないように、大脳運動野近傍の病変を摘出することが重要視されてきた。特に、錐体路を切断してしまうと、術後の患者の半身が麻痺したり、患者の視野が狭くなるなど、様々な後遺症が残る可能性があるからである。
【0003】
そこで、このような大脳における病変の摘出を行うときに、大脳皮質または大脳白質部分の表面にOjemann Cortical Stimulator等の双極電極をあて、該電極に電圧を印加し、その表面に電気的な刺激を与えながら、錐体路の有無を確認するような方法が採られてきた。
【0004】
このような双極電極の一例して、図4に示すように、大脳10に電気的な刺激を与え、該刺激により大脳10の神経線維のうち、主に錐体路15の有無を確認しながら、大脳10の病変の摘出手術を行うための錐体路確認装置60の双極電極63が開示されている。この双極電極63は、手術時に大脳皮質または大脳白質に配置され、刺激装置61から出力される電流により通電され、電気的な刺激を与えるものである。そして、腫瘍などの摘出の際に、白質断端(切除表面)12から約2〜3mmの深さに錐体路15がある場合には、この錐体路15は、白質断端12に与えられた電気的な刺激に誘発され、筋電図記録装置62に応答する。このような一連の操作により、錐体路15の有無を確認し、錐体路15に損傷を与えないように、大脳皮質及び大脳白質の病変を少しずつ摘出することが可能となる(非特許文献1参照)。
【0005】
また、この他にも、硬膜下において脳表面に接触して脳表面の電位を検出する電極であって、脳表面に接触する接触部分を可撓性のある複数の導電繊維で構成された硬膜下電極が提案されている(特許文献1)。
【0006】
【非特許文献1】山口文雄、寺本明,電気生理学的モニタリング、術中脳機能モニタリング,CLINICAL NEUROSCIENCE別冊,中外医学社,2002.9.1,Vol.20,No.9,P.1003−1007
【特許文献1】特開平2002−301038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、大脳白質の断端に、電極を配置して病変の摘出手術を行う場合には、白質断端から、約3mmまでの組織しか電気的な刺激を与えることができず、大脳白質の深部の錐体路の有無を確認することは困難であった。そのため、病変摘出の手術時には、白質断端の組織を少しずつ切除し、再度切除面に電極を設置し、錐体路の確認作業を行う必要があり、手術に時間を要し、患者の身体にも負担がかかっていた。
【0008】
さらに、このような手術方法により、大脳白質内にある錐体路に損傷を与えることなく、病変を摘出したとしても、錐体路が虚血状態になる可能性もあった。すなわち、錐体路に充分な量の血液を供給するには、錐体路からおよそ3mm程度の厚みの脳組織を残しておく必要があるが、上述したような錐体路の有無を確認する方法では、仮に錐体路に損傷を与えずに手術を行ったとしても、切除面が錐体路から3mm程度にまで迫ってしまい、錐体路の虚血が引起され、術後の患者に後遺症が残るおそれもあった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、手術野の脳表面から深部に存在する錐体路の位置を確認し、錐体路を温存させるばかりでなく、錐体路の虚血の発生を防止するような手術を迅速に行うことができる双極刺激電極を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、大脳白質の深部に電気的な刺激を与えるためには、白質内に電極を刺入することが有効な方法であると考え、安全かつ効率的に大脳白質に電気的な刺激を与える方法として、脳内に単極の電極を刺入する定位脳手術方法に着眼した。そして、多くの実験と研究を行った結果、大脳白質に一対の針状の電極を刺入することにより、電極先端からおよそ3〜5mmの深さにある錐体路に電気的な刺激を与えることが可能であるとの知見を得た。
【0011】
本発明は、基本的には上記の新たな知見に基づくものであり、本発明に係る双極刺激電極は、大脳に電気的な刺激を与え、該刺激により大脳の神経線維の有無を確認しながら、大脳の病変の摘出手術を行うための双極刺激電極であって、該双極刺激電極は、大脳に刺入すべく先端が尖った2つの針状電極体を備えており、該2つの針状電極体は、大脳に刺入されたときに大脳に電気的な刺激を与えるべくその先端間が通電可能に配置されている。
【0012】
本発明の如き双極刺激電極は、先端が尖った2つの針状電極体を大脳のうち大脳皮質、さらには大脳白質に刺入した状態で、電極の先端間を通電し、電気的な刺激を大脳白質に与えることができる。その結果、病変摘出断端から約30mmの深さまで電気的な刺激を与えることが可能となり、その深さに存在する神経線維の位置を確認することができる。さらに、この針状電極体を刺入することにより、病変摘出前に、特に、大脳白質内にある神経線維からなる錐体路の位置を確認することが可能となる。このように錐体路の位置を事前に確認することができるので、迅速に病変を摘出し、錐体路に損傷を与えることなく、錐体路の虚血発生の防止を図ることができる。
【0013】
このような針状電極体は、先端が尖った円筒形状であり、電極体の刺入時に、大脳皮質及び大脳白質に影響を与えず、電極体の剛性を確保するための円筒棒の直径は0.5mm〜2mm程度であることが好ましいが、刺入時に大脳皮質及び大脳白質に損傷を与えないような形状及び大きさであるならば特に限定されるものではない。
【0014】
また、本発明に係る双極刺激電極の2つ針状電極体は、電極体間が一定距離となるように平行配置されており、各針状電極体は、先端から基端に沿って、所定の間隔毎に目盛りが付されていることが好ましい。このように針状電極体を平行に配置することにより、大脳皮質及び大脳白質を傷つけることなく、その表面に対して同じ方向から2つの針状電極体を同時に刺入することができる。
【0015】
さらに、先端から基端に沿って、所定の間隔毎に目盛りが付されているので、手術者が、この電極を把持しながら大脳皮質内さらには大脳白質内まで、針状電極体を刺入し、その刺入深さを目視により容易に把握することができる。よって、これまでの定位脳手術方法において、移動可能に電極を一方向に固定し、電極の移動距離から電極体の刺入深さを測定するような大掛かりな装置構成は不要となる。さらに、2つの針状電極体が平行な状態で配置され、先端からこのような目盛りが付されているため、手術者は、2つの針状電極体に付された目盛りを見ながら、所望の深さまで2つの針状電極体をバランス良く大脳に刺入することができるので、より正確かつ安全に錐体路の位置を確認することができる。
【0016】
さらに、白質内にある錐体路の存在を広範囲に確認するためには、針状電極体間の距離を大きくした方が良いが、これでは白質内のどこに錐体路が走行しているかを同定することが困難である。錐体路を効率よく電気的な刺激を与え、かつ脳内での空間的位置を確認しながら手術をおこなうには、針状電極間の距離は5mm程度が望ましい。
【0017】
目盛りを付す方法としては、針状電極体と異なる色の目盛りを電極体の胴部の周方向に付すことが好ましく、例えば、針状電極体を黒色にした場合には、容易に目視可能なように目盛りを黄色、白色、又は赤色でマーキングすることが好ましい。さらに、好ましい態様としては、先端から目盛りを1mm間隔毎にある色(例えば白色)でマーキングし、先端から5mm間隔毎に、別の色(例えば赤色)でマーキングすることで、手術者は、針状電極体を刺入した深さを瞬時に把握することができる。別の態様としては、先端から1mm間隔毎に、針状電極体の胴回りの半周に罫書き線を入れ、先端から5mm間隔毎に、針状電極体の全周に罫書き線を入れるようにしてもよい。
【0018】
本発明に係る双極刺激電極の好ましい態様としては、針状電極体の基端側に、針状電極体の先端方向を所望の方向に調整すべく屈曲し、その方向に保持することが可能な方向調整部を備えている。このような、方向調整部を設けることにより、手術者は、この2つの針状電極体の先端を所望の方向に調整し、より手術がし易い安定した体勢で電極体を刺入することができる。
【0019】
より好ましい態様としては、この双極刺激電極は、この電極を手術者が把持するための把持部を備えており、前記方向調整部は、この把持部と針状電極体との間に配設されている。このように、把持部近傍かつ針状電極体の基端近傍に、方向調整部を設けることにより、手術者は、手振れなく針状電極体を正確に刺入することができる。また、このような方向調整部としては、手術者により容易に屈曲でき、その屈曲状態を保持できるような材料又は形状であることが好ましく、例えば、銅またはその合金などのじん性を有した金属材料により製作された棒体などが好ましい。
【0020】
また、各針状電極体は導電性材料からなり、各針状電極体の胴部表面には、絶縁被膜が形成されていることが好ましい。このように、針状電極体の胴部に絶縁被膜を形成することにより、胴部からの電流が漏洩することなく、針状電極体の先端間にのみ、効率的に電気を流すことができる。この結果、少ない電流で錐体路の有無を正確に確認することができ、大脳皮質及び大脳白質にかかる電気的な負荷を軽減することができる。さらに針状電極体の材料としては、例えば、耐腐食性に優れ、電気導電率が高い、金属材料が好ましく、ステンレス鋼、タングステン、白金イリジウムなどの材料が挙げられる。また、絶縁被膜の材料としては、人体に影響を与えない材料が好ましく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などの材料が挙げられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の双極刺激電極によれば、手術野の脳表面から深部に存在する錐体路の位置を確認し、錐体路を傷つけることなく好適に手術を行うことができるので、大脳のうち特に大脳白質の病変を安全に、摘出することが可能となる。その結果として、術後の患者の神経症状の悪化(麻痺の増悪)を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る双極刺激電極の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る双極刺激電極の全体構成図であり、図2は、図1に示す双極刺激電極の断面を説明するための模式図、図3は、図1に示す双極刺激電極の先端近傍の拡大図である。尚、本実施形態に係る双極刺激電極1は、前述した図4の双極電極63の代わりに用いる電極であり、錐体路確認装置60は、電極の構造以外は、従来と原則的には同じ機器を用いるので、これらの機器ついての詳細な説明は省略する。
【0023】
本実施形態に係る双極刺激電極1は、大脳10に電気的な刺激を与え、該刺激により大脳白質の神経線維のうち主に錐体路15の有無を確認しながら、大脳10の病変の摘出手術を行うための電極であり、図1及び図2に示すように、双極刺激電極1は、主に、2つの針状電極体2,2、電極体固定部3、方向調整部4、及び把持部5を備えている。
【0024】
この2つの針状電極体2,2は、大脳10に針状電極体2,2が刺入されたときに、大脳10に電気的な刺激を与えるために通電可能なように配置されている。具体的には、2つの針状電極体2,2は、電極体間に通電することが可能なように、一定距離(5mm程度の距離)を保持して平行に配置されている。さらに、各針状電極体2の基端側は、その相対的な位置関係が変化しないように、図2に示す如く、電極体固定部3の貫通孔31を介して固定されている。さらに、この貫通孔31を貫通した各針状電極体2の基端22は、リード線7が接続されており、刺激装置61(図4参照)により調整された所定電流を針状電極体2の先端21の間に通電可能となっている。
【0025】
また、図2に示すように、各針状電極体2は、直径0.6mm程度の円筒棒状のステンレス鋼からなり、大脳10のうち大脳皮質、さらには大脳白質にまで刺入すべく、先端21が尖っている。さらに、各針状電極体2の胴部23には、エポキシ樹脂からなる絶縁被膜24が形成されている。このように、絶縁被膜24を胴部23に形成することにより、手術時に、この絶縁被膜24が形成されていない電極体の先端間のみに適切に電流を流すことができる。
【0026】
また、図3に示すように、絶縁被膜24の表面には、電極体の先端21から基端22に沿って、1mm間隔毎に目盛り25aが付されており、さらに5mm間隔毎に1mm間隔毎に付した目盛りとは区別可能な目盛り25bが、10mm間隔毎にこれらの目盛りとは区別可能な目盛り25cが、付されている。この目盛り25a〜25cは、図3に示すように、周方向に異なる長さの周線を付して区別してもよく、例えば、各針状電極体2に黒色のエポキシ樹脂を被覆し、目盛り25aを黄色、目盛り25bを赤色、目盛り25cを白色となるように、着色したエポキシ樹脂をさらに周線に沿って被覆してもよい。このように、平行に配置された2つの針状電極体2,2の先端21から基端22に沿って、所定の間隔毎に目盛りが付されているので、手術者が、どの程度の深さまで大脳10内に電極体を刺入したか、その刺入深さを簡単かつ正確に目視確認することができる。
【0027】
このような針状電極体2の材料としては、電気導電性が高く、耐腐食性に優れ、人体影響を与え難い材料が好ましく、ステンレス鋼の他にも、例えば、タングステン、白金イリジウム、などの材料が挙げられ、絶縁被膜24の材料としては、絶縁性に優れ、人体に影響を与えない材料であればよく、エポキシ樹脂の他にも、例えば、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、などの材料が挙げられる。
【0028】
さらに、針状電極体2の基端側には、アクリル樹脂からなる電極体固定部3を介して、方向調整部4が備えられている。この方向調整部4は、針状電極体2の先端方向(基端22から先端21に沿った方向)を手術者が望む方向に調整し、その調製した方向に、針状電極体2を保持することが可能な構成となっており、方向調整部4は、銅棒体41と、シリコーンチューブ42と、を備えている。
【0029】
この銅棒体41は、一端が電極体固定部3の中央に設けられた凹部32に嵌合するように固定されており、他端は、把持部5に設けられた凹部52に嵌合するように固定されている。このように、じん性に富んだ銅金属の棒体41を設けることにより、手術時において、手術者が、この銅棒体41を容易に屈曲させて、電極体2を所望の先端方向に保持することができる。また、このような機能を確保することができるのであれば、針状電極体2と把持部5とに配置される棒体は、鉄、アルミニウム、などの金属材料等からなってもよく、この場合には、その棒径を変えることにより、棒体の剛性を調整することが可能となる。
【0030】
さらに、シリコーンチューブ42は、銅棒体41と、前述したリード線7とを、覆うように配置されており、このチューブ端面は、電極体固定部3及び把持部5に固着されている。また、リード線7は、把持部5の貫通孔51を介して、刺激装置61に接続されている。このように、電気絶縁性があり、可撓性のあるシリコーンチューブ42を設けることにより、より安全に手術者が手術をすることができるばかりでなく、各針状電極体2に接続された銅棒体41の腐食も防止することができる。さらに、手術時において、手術者が方向調整部4を屈曲させたとしても、リード線7がチューブ内に収まっているので、リード線7の弛みにより手術者の作業性を悪化させることはない。
【0031】
前記のように構成された双極刺激電極1の使用方法について、以下に説明する。まず、患者の大脳10にある病変が摘出可能なように、患者の頭部を開頭する。一方、図4に示すように、電気的な刺激による患者の筋電の変化を得るために、筋電図記録装置62に接続された針電極64を患者の末梢筋群11にセットする。
【0032】
そして、手術者は、錐体路確認装置60の刺激装置61の電圧を所定の電圧に設定すると共に、双極刺激電極1の把持部5を持ち、手術者が大脳10の病変に2つの針状電極体2,2を刺入し易いように、図1の破線に示す如く方向調整部4を所望の角度に屈曲させ、その先端方向を調整する。
【0033】
手術者は、2つの針状電極体2,2に付された目盛り25a〜25cを目視により確認しながら、2つの針状電極体2,2が同じ深さになるように、大脳10に2つの針状電極体2,2を刺入する。このように、手術者は、目盛り25a〜25cを確認しながら2つ電極体をバランス良く刺入し、電気的な刺激を与えた位置を正確に把握することができる。なお、ここでは、予め2つの針状電極体2,2に所定の電圧を印加しておいたが、この電極体を大脳10に刺入した際に、電極体間に電圧を印加するようにしてもよい。
【0034】
そして、電圧が付加された針状電極体2,2を大脳10のうち大脳白質にまで刺入するので、絶縁被膜24が被覆されていない電極体2,2の先端間のみに電流が流れ、所望の位置に正確に大脳白質に電気的な刺激が与えられ、大脳白質の深部に錐体路15が存在する場合には、筋電図の波形に反映される。このように、電極体を大脳白質に刺入し、電極体の先端のみに電流を流すことができるので、病変摘出断端から30mmまでの深さにある錐体路15の位置を正確に確認することができる。この確認により、手術者は、大脳白質の錐体路15を傷つけることなく、さらには、錐体路15への血流を温存するように、錐体路の周りの脳組織を残して、迅速に、病変の摘出手術を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係る双極刺激電極の全体構成図。
【図2】図1に示す双極刺激電極の断面を説明するための模式図。
【図3】双極刺激電極の先端近傍の拡大図。
【図4】電極を用いた大脳白質の錐体路の確認を説明するための図。
【符号の説明】
【0036】
1…双極刺激電極、2…針状電極体、3…電極体固定部、4…方向調整部、5…把持部、7・・・リード線、10…大脳、11…末梢筋群、12…白質断端、15…錐体路、21…先端、22…基端、23…胴部、24…絶縁被膜、25a〜25c…目盛り、60…錐体路確認装置、61…刺激装置、62…筋電図記録装置、63…双極電極、64・・・針電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大脳に電気的な刺激を与え、該刺激により大脳の神経線維の有無を確認しながら、大脳の病変の摘出手術を行うための双極刺激電極であって、
該双極刺激電極は、大脳に刺入すべく先端が尖った2つの針状電極体を備えており、該2つの針状電極体は、大脳に刺入されたときに大脳に電気的な刺激を与えるべくその先端間が通電可能に配置されていることを特徴とする双極刺激電極。
【請求項2】
2つ針状電極体は、電極体間が一定距離となるように平行配置されており、各針状電極体は、先端から基端に沿って、所定の間隔毎に目盛りが付されていることを特徴とする請求項1に記載の双極刺激電極。
【請求項3】
双極刺激電極は、針状電極体の基端側に、針状電極体の先端方向を所望の方向に調整すべく屈曲し、その方向に保持することが可能な方向調整部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の双極刺激電極。
【請求項4】
各針状電極体は導電性材料からなり、各針状電極体の胴部表面には、絶縁被膜が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の双極刺激電極。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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