説明

反射板、発光装置およびその製造方法

【課題】迷光の発生を抑制することが可能な反射板およびその製造方法並びにこのような反射板を用いた発光装置を提供する。
【解決手段】リフレクタ40は、表面に複数の凸部41aを有する基体41と、各凸部41aの側面41a1に形成された反射鏡膜42と、複数の凸部41a同士の間の凹部43aに充填された光吸収層43とを有する。基体41の表面側から光が入射すると、この入射光の一部は、基体41の凸部41aへ先端面41a2から入射し、基体41内部をそのまま直進するか、反射鏡膜42により反射されて、基体41の裏面側から出射する。一方、基体の表面側からの入射光のうち、凹部43aへ入射した光は光吸収層43において吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子などの自発光素子のリフレクタとして用いられる反射板およびその製造方法並びにこれを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子などの自発光素子は、基板に、第1電極,発光層を含む有機層および第2電極を順に有し、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加すると発光層において正孔−電子再結合が起こり、光を発生するものである。発生した光は、例えば第2電極の側から、つまり開口率を上げるためにTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)や配線を含む回路とは反対側から取り出される場合もある。第2電極の側から光を取り出す場合には、第1電極として高反射の金属電極を用いることが一般的である。
【0003】
このような有機EL素子が複数形成された発光装置では、素子内部における屈折率が高い(例えば屈折率1.5以上)ため、空気層(屈折率1.0)との界面において全反射が生じ易い。このため、発光光を外部に十分に取り出すことが困難である。そこで、有機EL素子の光取り出し側に反射板(リフレクタ)を配設した手法が提案されている(例えば、特許文献1,2)。このようなリフレクタは、基体の表面に、有機EL素子の配列に対応して複数の凸部が形成され、各凸部の側面が反射鏡膜によって覆われたものである。
【0004】
【特許文献1】特許第3573393号公報
【特許文献2】特表2005−531102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなリフレクタでは、複数の凸部同士の間隙(凹部)は、封止時の雰囲気(例えば空気や窒素、真空)を有する空間層となっている。この場合、発光層から発せられた光のうち、空間層へ入射する光の一部は、空間層との界面において全反射されてしまう。このような光は迷光となり、表示画質の低下を引き起こす要因となっていた。従って、迷光の発生を抑制するリフレクタの実現が望まれていた。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、迷光の発生を抑制することが可能な反射板およびその製造方法並びにこのような反射板を用いた発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の反射板は、光透過性を有すると共に表面に複数の凸部が形成された基体と、基体の各凸部の側面を覆うように設けられた反射鏡膜と、基体の表面において複数の凸部同士の間隙に形成される凹部の少なくとも一部に設けられた光吸収層とを備えたものである。
【0008】
本発明の反射板の製造方法は、光透過性を有すると共に表面に複数の凸部を有する基体を形成する工程と、基体の表面に各凸部の形状に沿って反射鏡膜を形成する工程と、反射鏡膜を形成した基体の表面側に光吸収層を形成する工程と、反射鏡膜および光吸収層のうち凸部の先端面に対向する領域に開口を形成する工程とを含むものである。
【0009】
本発明の反射板およびその製造方法では、基体の凸部および凹部が形成された側に光が入射すると、この入射光の一部は、基体の凸部へ入射し、基体内部をそのまま直進、あるいは凸部の側面に形成された反射鏡膜により反射されて、基体の裏面側から出射する。一方、複数の凸部同士の間隙に形成される凹部に光吸収層が設けられていることにより、基体の表面側からの入射光のうち、凹部へ入射した光は光吸収層において吸収される。
【0010】
本発明の発光装置は、基板に複数の自発光素子を有する発光パネルの光取り出し側に、上記本発明の反射板とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の反射板およびその製造方法によれば、基体の表面に形成された複数の凸部のそれぞれの側面を覆うように反射鏡膜を設け、複数の凸部同士の間隙に形成される凹部に光吸収層を設けたので、凹部が空間層の場合の界面による全反射を抑制することができる。よって、迷光の発生を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る発光装置1の断面構成を表すものである。発光装置1は、薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものである。この発光装置1では、駆動パネル10と封止パネル20とが、リフレクタ40(反射板)を介して貼り合わせられている。このリフレクタ40と駆動パネル10との間には、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層30が設けられている。
【0014】
駆動パネル10は、駆動用基板11上に、赤色の光を発生する有機発光素子10Rと、緑色の光を発生する有機発光素子10Gと、青色の光を発生する有機発光素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に形成されたものである。駆動用基板11は、例えばTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)などを含んで構成されている。
【0015】
ここで、図2に、駆動用基板11における回路構成の一例を示す。また、図3に、画素駆動回路140の一例を示す。このように、駆動用基板11では、上記有機発光素子10R,10G,10Bからなる表示領域110の周辺に、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられ、表示領域110内には、画素駆動回路140が形成されている。画素駆動回路140は、後述する第1電極12の下層に形成され、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機発光素子10R(または10G,10B)とを有するアクティブ型の駆動回路である。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
【0016】
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、有機発光素子10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
【0017】
有機発光素子10R,10G,10Bは、それぞれ、駆動用基板11の側から、陽極としての第1電極12、絶縁膜13、後述する発光層を含む有機層14、および陰極としての第2電極15がこの順に積層された構成を有し、必要に応じて保護膜16により被覆されている。なお、駆動用基板11には、上述した画素駆動回路140および平坦化層(図示せず)が設けられており、この平坦化層の上に第1電極12が形成されている。
【0018】
第1電極12は、有機発光素子10R,10G,10Bの各々に対応して形成され、絶縁膜13により互いに電気的に分離されている。また、第1電極12は、発光層で発生した光を反射させる反射電極としての機能を有しており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。第1電極12は、例えば、厚みが100nm以上1000nm以下、具体的には50nm程度であり、アルミニウム(Al)あるいはアルミニウム(Al)を含む合金、または、銀(Ag)あるいは銀(Ag)を含む合金により構成されている。また、第1電極12は、クロム(Cr),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),銅(Cu),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt)あるいは金(Au)などの他の金属元素の単体または合金により構成されていてもよい。
【0019】
絶縁膜13は、第1電極12と第2電極15との絶縁性を確保すると共に発光領域を正確に所望の形状にするためのものであり、例えば、感光性のアクリル,ポリイミド,ポリベンズオキサゾールなどの有機材料、または酸化シリコン(SiO2 )などの無機絶縁材料により構成されている。絶縁膜13は、第1電極12の発光領域に対応して開口部を有している。なお、有機層14および第2電極15は、発光領域だけでなく絶縁膜13の上にも連続して設けられていてもよいが、発光が生じるのは絶縁膜13の開口部だけである。
【0020】
有機層14は、例えば、第1電極12の側から順に、正孔注入層,正孔輸送層,発光層および電子輸送層を積層した構成を有するが、これらのうち発光層以外の層は必要に応じて設ければよい。また、有機層14は、有機発光素子10R,10G,10Bの発光色によってそれぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層は、発光層への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。電子輸送層は、発光層への電子輸送効率を高めるためのものである。なお、電子輸送層と第2電極15との間には、LiF,Li2Oなどよりなる電子注入層(図示せず)を設けてもよい。
【0021】
有機発光素子10Rの正孔注入層の構成材料としては、例えば、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)が挙げられる。有機発光素子10Rの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)が挙げられる。有機発光素子10Rの発光層の構成材料としては、例えば、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したものが挙げられる。有機発光素子10Rの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0022】
有機発光素子10Gの正孔注入層の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられる。有機発光素子10Gの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられる。有機発光素子10Gの発光層の構成材料としては、例えば、Alq3にクマリン6(Coumarin6)を3体積%混合したものが挙げられる。有機発光素子10Gの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0023】
有機発光素子10Bの正孔注入層の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられる。有機発光素子10Bの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられる。有機発光素子10Bの発光層の構成材料としては、例えば、スピロ6Φ(spiro6Φ)が挙げられる。有機発光素子10Bの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0024】
第2電極15は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。また、第2電極15は、ITO(インジウム・スズ複合酸化物)またはIZO(インジウム・亜鉛複合酸化物)により構成されていてもよい。
【0025】
保護膜16は、例えば、厚みが500nm以上10000nm以下であり、酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(SiN)などにより構成されている。
【0026】
封止パネル20は、接着層30と共に有機発光素子10R,10G,10Bを封止する封止用基板21を有している。封止用基板21は、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。封止用基板21には、例えば、カラーフィルタ22およびブラックマトリクスとしての遮光膜23が設けられており、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した光を取り出すと共に、有機発光素子10R,10G,10B並びにその間の配線において反射された光を吸収し、コントラストを改善するようになっている。
【0027】
カラーフィルタ22は、封止用基板21のどちら側の面に設けられてもよいが、駆動パネル10の側に設けられることが好ましい。カラーフィルタ22が表面に露出せず、接着層30により保護することができるからである。このカラーフィルタ22は、リフレクタ40の基体41の裏面側に配設され、有機発光素子10R,10G,10Bのそれぞれに対応して、赤色フィルタ22R,緑色フィルタ22Gおよび青色フィルタ22Bを有している。
【0028】
赤色フィルタ22R,緑色フィルタ22Gおよび青色フィルタ22Bは、それぞれ駆動用基板11上の有機層14に対向して形成されている。これら赤色フィルタ22R,緑色フィルタ22Gおよび青色フィルタ22Bは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されており、顔料を選択することにより、目的とする赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
【0029】
遮光膜23は、赤色フィルタ22R,緑色フィルタ22Gおよび青色フィルタ22Bの境界に沿って設けられている。遮光膜23は、例えば黒色の着色剤を混入した黒色の樹脂膜、あるいはクロム(Cr)などの金属,金属窒化物あるいは金属酸化物よりなる薄膜を1層以上積層したものである。
【0030】
リフレクタ40は、駆動パネル10の光取り出し側すなわち第2電極15側に設けられ、有機発光素子10R,10G,10Bからの光取り出し効率を高めるためのものである。リフレクタ40は、基体41、反射鏡膜42および光吸収層43から構成されている。
【0031】
基体41は、光透過性を有すると共に、表面に複数の凸部41aが形成されたものである。この基体41は、例えば紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂材料により構成されている。このような樹脂材料としては、具体的にはスリーボンド製のThreebond3021J(商品名)が挙げられる。なお、基体41は、ガラス基板に上記のような樹脂材料からなる樹脂層を設け、この樹脂層の厚み方向の一部または全部に凸部41aを設けたものでもよい。
【0032】
複数の凸部41aはそれぞれ、有機発光素子10R,10G,10Bに対向するように配置されている。各凸部41aは、その側面41a1が例えば回転対称となる放物面となっており、先端面41a2が平坦面となっている。このように、側面41a1の面形状を回転対称となる放物面とすることにより、全方位に対して均一な放射角特性を発揮させることができる。但し、側面41a1の面形状は、放物面に限らず、その他の球面形状あるいは非球面形状であってもよく、また、側面41a1の断面が直線状であってもよい。また、必ずしも回転対称である必要はなく、互いに直交する2つの方向において形状を変化させるようにしてもよい。これにより、例えば視野角を水平方向において狭める一方、垂直方向において広めるようにして、携帯電話機などの覗き込み防止機能を実現することができる。
【0033】
各凸部41aの側面41a1の表面には、側面41a1を覆うように反射鏡膜42が形成されている。反射鏡膜42は、凸部41aの先端面41a2から入射した光を反射させることにより、外部の空気層との間で全反射が起こらないような角度方向に補正して出射させるものである。この反射鏡膜42は、厚みが例えば50nm〜200nm程度であり、アルミニウム(Al)、銀(Ag)単体あるいはこれらの金属を含む合金により構成されている。
【0034】
凸部41aのピッチ(幅)は、例えば20μm〜100μmであり、厚みは例えばピッチの0.5倍〜1.0倍程度である。この凸部41aのピッチや厚み、あるいは上述した側面41aの面形状は、反射鏡膜42の放射角特性を変化させるものであり、発光装置1の用途に応じて、適宜設定される。例えば、テレビ用途の場合には、広視野角となるように設定され、携帯電話機に用いられる場合には、正面方向の輝度が高くなるように設定される。
【0035】
このような複数の凸部41a同士の間隙に形成される凹部43aには、光吸収層43が完全に埋め込まれて(充填されて)いる。光吸収層43は、例えば黒色の樹脂材料やカーボンを含む材料により構成されている。黒色の樹脂材料としては、具体的には、GT−7(商品名:キャノン化成社製)や、タミヤエナメルカラー(つや消し)フラットブラック(商品名:タミヤ社製)、あるいは他のカーボンブラック系の材料が挙げられる。また、カラーフィルタのブラックマトリクス用の黒色レジストなどを用いることもできる。本実施の形態では、このような光吸収層43が、凹部43a全体に充填されて形成されている。
【0036】
上記発光装置1は、例えば次のようにして製造することができる。
【0037】
まず、駆動用基板11に有機発光素子10R,10G,10Bを形成して駆動パネル10を形成する。すなわち、まず、上述した材料よりなる駆動用基板11の上に画素駆動回路140および平坦化層(図示せず)を形成し、例えばスパッタ法により、上述した材料よりなる第1電極12を形成し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、所定の形状にパターニングする。次いで、駆動用基板11の全面にわたり感光性樹脂を塗布し、露光および現像処理により開口部を設けたのち、焼成して、絶縁膜13を形成する。続いて、例えば蒸着法により、上述した材料よりなる有機層14および第2電極15を成膜し、有機発光素子10R,10G,10Bを形成し、上述した材料よりなる保護膜16で覆う。これにより、駆動パネル10が形成される。
【0038】
一方、封止用基板21に、上述した材料よりなる遮光膜23を成膜し、所定の形状にパターニングする。次いで、封止用基板21の上に、赤色フィルタ22Rの材料をスピンコートなどにより塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングして焼成することにより赤色フィルタ22Rを形成する。続いて、赤色フィルタ22Rと同様にして、青色フィルタ22Bおよび緑色フィルタ22Gを順次形成する。これにより、封止パネル20が形成される。
【0039】
次いで、形成した封止パネル20のカラーフィルタ22上に、リフレクタ40を形成する。この際、まず、図4(A)に示したように、例えばポリカーボネート(PC)などよりなる原盤(スタンパ)41−1の表面に、例えばKrFエキシマレーザを用いたマスクイメージング法により、複数の凸部41aの反転パターン41−2を形成する。これにより、パターン転写用のスタンパ41−1が形成される。
【0040】
続いて、図4(B)に示したように、スタンパ41−1の表面(反転パターン41−2が形成されている面)に、基体41として、例えばアクリル系UV硬化樹脂を塗布形成する。
【0041】
次いで、図5(A)に示したように、封止パネル20と基体41とを、カラーフィルタ22と基体41の裏面(凸部41aが形成されていない面)とが向かい合うように、貼り合わせる。この際、基体41の各凸部41aと、カラーフィルタ22R,22G,22B同士が互いに対向するようにアライメントを行う。続いて、紫外光UVを照射して、基体41を硬化させる。
【0042】
続いて、図5(B)に示したように、スタンパ41−1を剥離する。これにより、カラーフィルタ22上に、凸部41aを有する基体41が一体的にかつ一括して形成される。
【0043】
次いで、図6(A)に示したように、基体41の凸部41aの表面を覆うように、上述した材料よりなる反射鏡膜42を、例えば真空蒸着法、スパッタリング法や塗布法により成膜する。なお、この際、凸部41aの先端面41a2に対向する領域をマスクして、この部分に反射鏡膜42が形成されないようにしてもよい。
【0044】
続いて、図6(B)に示したように、形成した反射鏡膜42の表面に、凹部43aを充填するように、上述した材料よりなる光吸収層43を塗布形成する。
【0045】
次いで、図7に示したように、例えばラッピングにより光吸収層43の表面を研磨し、反射鏡膜42を露出させる。続いて、露出した反射鏡膜42を例えばウェットエッチングなどにより除去することにより、凸部41aの先端面41a2に対向する領域に、開口43bを形成する。なお、上述の反射鏡膜42を成膜する工程において、先端面41a2に対向する領域をマスクして反射鏡膜42を形成した場合には、光吸収層43のラッピングのみを行うようにすればよい。これにより、封止パネル20上にリフレクタ40が一体形成される。
【0046】
最後に、駆動パネル10と封止パネル20とを、リフレクタ40と有機発光素子10R,10G,10Bとが向かい合うようにして、接着層30を用いて貼り合わせる。この際、例えば駆動パネル10の保護膜16上に接着層30を形成し、リフレクタ40における凸部41aの先端面41a2が有機発光素子10R,10G,10Bのそれぞれに対向するように貼り合わせるようにする。以上により、図1に示した発光装置1を完成する。
【0047】
次に、上記のような発光装置1の作用、効果について図1〜11を参照して説明する。図8は、緑色有機層14Gからの発光光の光路について模式的に表すものであり、図11は、本実施の形態のシミュレーションについて説明するためのものである。
【0048】
発光装置1では、走査線駆動回路130から供給される走査信号と、信号線駆動回路120から供給される画像信号に基づいて、各有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流が注入されると、各有機発光素子10R,10G,10Bにおける有機層14において正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、第2電極15の上方へ向けて出射され、リフレクタ40、カラーフィルタ22R,22G,22Bおよび封止パネル20を順に通過して、封止パネル20の上方から取り出される。
【0049】
ここで、図8を参照して、発光装置1における光取り出しについて詳細に説明する。但し、簡便化のため、3つの有機EL素子10R,10G,10Bのうち、有機EL素子10Gを例に挙げて説明する。このように、緑色有機層14Gで発生した光の一部(LG1)は、リフレクタ40の凸部41aの先端面41a2から入射して、基体41内部を進み、カラーフィルタ22Gを通過して、封止用基板21の上方から外部へ取り出される。一方、緑色有機層14Gで発生した緑色光のうち、放射角の大きな光、凸部41aに所定の角度以上の角度で入射する光LG2は、反射鏡膜42により、界面A1に対する入射角が臨界角以下の角度となるように光路変換され、カラーフィルタ22Gへ入射する。これにより、光取り出し効率が向上する。
【0050】
続いて、図9を参照して、比較例1に係る発光装置100について説明する。発光装置100は、TFT(図示せず)等が形成された駆動用基板1011に有機発光素子1010R,1010G,1010Bが形成された駆動パネル1010と、封止用基板1021にカラーフィルタ1022が形成された封止パネル1020とを、接着層1030を間にして貼り合わせた構成を有している。封止パネル1020のカラーフィルタ1022側には、リフレクタ1040が設けられている。
【0051】
有機発光素子1010R,1010G,1010Bは、駆動用基板1011側から順に、第1電極1012,有機層1014および第2電極1015を積層した構成を有し、保護層1016で覆われている。第1電極1012は、各有機発光素子1010R,1010G,1010Bごとにパターニングされており、絶縁膜1013により互いに電気的に分離されている。このような構成において、第2電極1015の側から光が取り出される(L100,101)。封止パネル1020は、封止用基板1021上に、カラーフィルタ1022(赤色フィルタ1022R,緑色フィルタ1022Gおよび青色フィルタ1022B)と、遮光膜1023とが設けられたものである。リフレクタ1040は、複数の凸部を有する基体1041の表面に反射鏡膜1042が形成されたものであり、各凸部が有機発光素子1010R,1010G,1010Bのそれぞれに対向するように配置されている。
【0052】
ところで、上記のような比較例1のリフレクタでは、複数の凸部同士の間隙は、封止時の雰囲気(例えば空気や窒素、真空)を有する空間層1043となっている。この場合、空間層1043側へ発せられた光の一部は、空間層1043との界面における全反射により駆動パネル1010側に戻り(L102)、さらに駆動パネル1010の配線層(例えば、第1電極1012)などで反射する。このような光は迷光となり、表示画質の低下を引き起こしてしまう。
【0053】
また、図10には、比較例2に係る発光装置200の断面構成を示す。但し、図9と同様の構成要素については同一の符号を付している。発光装置200は、リフレクタ1040の凸部同士の間隙に透明樹脂層1044を形成したものである。このように、複数の凸部同士の間隙を透明樹脂層1044により充填する構造も考えられる。しかしながら、この場合には、透明樹脂層1044側へ発せられた光の一部は、透明樹脂層1044内部へ入射し、反射鏡膜1042の裏面において反射され、結局上記のような迷光となってしまう(L103)。
【0054】
これに対し、本実施の形態では、緑色有機層14Gで発生した光のうち、リフレクタ40の凹部43aに入射した光LG3は、凹部43aに充填された光吸収層43によって吸収される。
【0055】
以上のように本実施の形態では、リフレクタ40の複数の凸部41a同士の間隙に形成される凹部43aに光吸収層43を形成するようにしたので、この光吸収層43により、リフレクタ40の凹部43aに入射する光を吸収することができる。これにより、凹部が空気層である場合の界面による全反射や、凹部を透明樹脂層で充填した場合の反射鏡膜裏面での反射を抑制することができる。よって、迷光の発生を抑制することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態の実施例として、図11(A),(B)に示したような評価系を用いたシミュレーションを行った。今回のシミュレーションでは、駆動パネル10に有機発光素子10R,10G,10Bを、図11(A)に示したようなパターンで配列させた発光装置において、有機発光素子10Rから図中の矢印D1の方向に沿って、リフレクタ40の上方へ出射する0次〜3次光の測定を行った。具体的には、図11(B)に示したように、有機発光素子10Rから発光した光のうち、そのまま直上の凸部41a上から出射した光L0を0次光とし、その一つ隣のサイト(有機発光素子10G)における凸部41aから出射した光L1を1次光、そのまた一つ隣のサイト(有機発光素子10B)における凸部41aから出射した光L2を2次光、その更に一つ隣のサイト(有機発光素子10R)における凸部41aから出射した光L3を3次光とした。これらのうち、1次光、2次光および3次光を迷光と定義した。
【0057】
上記のような評価系を用いて、リフレクタ40の凸部41a同士の間の凹部43aを、吸収率100%の黒色樹脂材料で充填した場合(実施例1)、空気層(n=1)とした場合(比較例1)、および透過率100%の透明樹脂材料で充填した場合(比較例2)のそれぞれについて、0〜3次光を測定した。その結果を、発光光に対する割合(発光部比)および0次光に対する割合(0次比)として、表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示したように、凹部43aを黒樹脂材料で充填した実施例1では、空気層で構成した比較例1に比べて、1次光、2次光および3次光、すなわち迷光の割合が低減していることがわかる。また、実施例1では、凹部43aを透明樹脂材料で充填した比較例2よりも、1次光の割合が低減していることがわかる。よって、凹部43aを黒色樹脂材料で充填することにより、迷光の発生を抑制可能であることが示された。
【0060】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態の発光装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0061】
(変形例1)
図12は、変形例1に係る発光装置2の断面構造を表すものである。発光装置2は、リフレクタ40Aにおける光吸収層44の構成以外は、上記実施の形態の発光装置1と同様の構成となっている。すなわち、リフレクタ40Aでは、基体41の複数の凸部41aの側面41a1に反射鏡膜42が形成され、凹部43aにおいて、反射鏡膜42の面形状に沿って反射鏡膜42を覆うように、光吸収層44が形成されている。この光吸収層44は、例えば厚みが1.0μm〜15μmであり、上記実施の形態の光吸収層43と同様の材料により構成されている。但し、光吸収層44の厚みは、構成材料の吸収率によっても異なってくるが、200nm以上であることが好ましい。
【0062】
また、このような発光装置2は、例えば次のようにして製造することができる。例えば、上記実施の形態と同様にして、駆動パネル10を形成する一方、封止パネル10のカラーフィルタ22上に基体41の凸部41aの表面に反射鏡膜42を形成する(図13(A))。この際、成膜装置が多ターゲットを取り付けられる装置である場合には、反射鏡膜42を成膜後、連続的に後段の光吸収層44を成膜することができる。
【0063】
続いて、図13(B)に示したように、光吸収層44を、上述した材料、例えばカーボンを用いて、例えばスパッタリング法などにより成膜する。なお、マスクを用いて、凸部41aの先端面41a2に対向する領域に、反射鏡膜42および光吸収層44の双方が形成されないようにしてもよい。
【0064】
次いで、図14に示したように、上記実施の形態と同様の手法により、各凸部41aの先端面41a2に対向する領域に開口44aを形成する。最後に、上記実施の形態と同様にして、駆動パネル10とリフレクタ40Aを形成した封止パネル20とを貼り合わせることにより、図12に示した発光装置2を完成する。
【0065】
このように、凹部43aにおいて、光吸収層44が反射鏡膜42の裏面を覆うように構成されていてもよい。このように構成した場合であっても、凹部43aへ入射した光は反射鏡膜42の裏面側に設けられた光吸収層44によって吸収される。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0066】
(変形例2)
図15は、変形例2に係る発光装置3の断面構造を表すものである。発光装置3は、リフレクタ40Bにおける光吸収層45の構成以外は、上記実施の形態の発光装置1と同様の構成となっている。すなわち、リフレクタ40Bでは、基体41の複数の凸部41aの側面41a1に反射鏡膜42が形成されており、凹部43aにおいて、反射鏡膜42から離隔して光吸収層45が形成されている。例えば、光吸収層45は、凹部43aにおいて、接着層30の側に設けられている。この光吸収層45は、上記変形例1の光吸収層44と同一の構成材料および厚みにより構成されている。また、このような光吸収層45は、接着層30の表面に、例えばカラーフィルタのブラックマトリクス用の黒色レジストなどを、例えばインクジェット法によりパターニングすることにより形成することができる。
【0067】
このように、凹部43aにおいて、光吸収層45が、反射鏡膜42から離隔して構成されていてもよい。このように構成した場合であっても、凹部43aへ入射しようとする光は、光吸収層45によって吸収される。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。また、上記第1の実施の形態および上記変形例1の場合と比べ、光吸収層45の形成面積が小さく、必要部分にのみパターニングすれば足りるため、使用する黒色樹脂材料が少なくて済むという利点がある。
【0068】
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態および変形例で説明した発光装置の適用例について説明する。上記実施の形態の発光装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0069】
(モジュール)
上記実施の形態等の発光装置は、例えば、図16に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、駆動用基板11の一辺に、封止パネル20および接着層50から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0070】
(適用例1)
図17は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0071】
(適用例2)
図18は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0072】
(適用例3)
図19は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0073】
(適用例4)
図20は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0074】
(適用例5)
図21は、上記実施の形態等の発光装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0075】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態等では、リフレクタ40を形成する際に、ポリカーボネート原盤にマスクイメージング法を用いて凸部41aの反転パターンを形成することにより、転写用のスタンパを形成したが、スタンパの形成方法はこれに限定されない。例えば、以下の(1)〜(4)のような方法を用いることができる。なお、基体41に用いる樹脂材料は、使用するスタンパの材料によって異なるが、例えば以下の(2)のゼオノアスタンパを用いる場合には、樹脂との剥離性が良好であるため、多種のUV硬化樹脂を用いることができる。
(1)ポリカーボネート原盤からニッケル(Ni)電鋳を作成し、Ni電鋳スタンパを得る方法
(2)Ni電鋳スタンパからゼオノアフィルムにパターンを熱転写し、ゼオノアスタンパを得る方法
(3)スタンパとなるポリカーボネートや金属などの基板に、バイト切削や集光レーザなどを用いて直接パターンを形成する方法
(4)スタンパとなる基板に、フォトリソグラフィ技術を用いて直接パターンを形成する方法
【0077】
また、上記実施の形態等では、スタンパにより転写する手法を用いてリフレクタ40の凸部のパターンを形成する場合を例に挙げて説明したが、リフレクタ40をパターン形成する手法はこれに限定されない。例えば、まず、ガラス基板に、フォトレジストを塗布したのち、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより、ガラス基板に凸部の反転パターンを形成した母型を形成する。続いて、母型を用いた電鋳により、ニッケル(Ni)よりなる金型を形成する。このようにして形成した金型を用いて、光インプリントや熱インプリントにより、基体41を形成するようにしてもよい。光インプリントの場合は、まず、ガラス基板に、UV硬化樹脂よりなる樹脂層を形成し、この樹脂層を金型に接触させてUV光を照射する。そののち、金型から離型することにより、表面に凸部41aを有する基体41が形成される。熱インプリントの場合は、まず、金型に、PDMS(Poly-Dimethyl-Siloxane)を注入して、熱硬化させる。そののち、金型から剥離することにより、表面に凸部41aを有する基体41が形成される。
【0078】
また、上記実施の形態等では、リフレクタの裏面側(カラーフィルタ側)に厚みがある構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、厚みがない構成としてもよい。また、各凸部同士の間に平坦な面が設けられた構成を図示したが、これに限定されず、凸部同士が接するように平坦な面が形成されないような構成としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態等では、有機発光素子10R,10B,10Gの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
【0080】
更に、本発明は、有機発光素子のほか、LED(Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)、無機エレクトロルミネッセンス素子などの他の自発光素子を用いた自発光装置にも適用可能である。
【0081】
また、上記実施の形態等では、本発明の発光装置を表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の発光装置は、照明装置など、表示以外の他の目的の発光装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した駆動用基板の回路構成を表す図である。
【図3】図1に示した画素駆動回路の一例を表す等価回路図である。
【図4】図1に示した発光装置の製造方法を工程順に表した断面図である。
【図5】図4に続く工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く工程を表す断面図である。
【図8】有機層からの発光光の光路を模式的に表す図である。
【図9】比較例1に係る発光装置の一例を表す断面図である。
【図10】比較例2に係る発光装置の他の例を表す断面図である。
【図11】実施例に係る評価系を説明するための図である。
【図12】変形例1に係る発光装置の概略構成を表す断面図である。
【図13】図12に示した発光装置の製造方法を工程順に表した断面図である。
【図14】図13に続く工程を表す断面図である。
【図15】変形例2に係る発光装置の概略構成を表す断面図である。
【図16】上記実施の形態の発光装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図17】上記実施の形態の発光装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図18】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図19】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図20】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図21】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【符号の説明】
【0083】
1,2,3…発光装置、10…駆動パネル、10R,10G,10B…有機発光素子、11…駆動用基板、12…第1電極、13…絶縁膜、14…有機層、15…第2電極、16…保護膜、20…封止パネル、21…封止用基板、22…カラーフィルタ、23…遮光膜、30…接着層、40…リフレクタ、41…基体、41a…凸部、42…反射鏡膜、43〜45…光吸収層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有すると共に、表面に複数の凸部が形成された基体と、
前記基体の各凸部の側面を覆うように設けられた反射鏡膜と、
前記基体の表面において、前記複数の凸部同士の間隙に形成される凹部の少なくとも一部に設けられた光吸収層と
を備えた反射板。
【請求項2】
前記光吸収層は、前記凹部に充填されている
請求項1に記載の反射板。
【請求項3】
前記光吸収層は、前記凹部において、前記反射鏡膜の面形状に沿って前記反射鏡膜を覆うように形成されている
請求項1に記載の反射板。
【請求項4】
前記光吸収層は、前記凹部において、前記反射鏡膜から離隔して形成されている
請求項1に記載の反射板。
【請求項5】
前記光吸収層は、黒色の樹脂材料によって構成されている
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の反射板。
【請求項6】
各凸部の側面は、回転対称な放物面となっている
請求項1に記載の反射板。
【請求項7】
光透過性を有すると共に、表面に複数の凸部を有する基体を形成する工程と、
前記基体の表面に、各凸部の形状に沿って反射鏡膜を形成する工程と、
前記反射鏡膜を形成した基体の表面側に、光吸収層を形成する工程と、
前記反射鏡膜および前記光吸収層のうち、前記凸部の先端面に対向する領域に開口を形成する工程と
を含む反射板の製造方法。
【請求項8】
基板に複数の自発光素子を有する発光パネルと、
前記発光パネルの光取り出し側に設けられた反射板とを備え、
前記反射板は、
光透過性を有すると共に、前記発光パネルの複数の自発光素子のそれぞれに対向して凸部を有する基体と、
前記基体の各凸部の側面に沿って形成された反射鏡膜と、
前記基体の表面において、前記複数の凸部同士の間隙に形成される凹部の少なくとも一部に形成された光吸収層と
を備えた発光装置。
【請求項9】
前記反射板の基体の裏面側にカラーフィルタが設けられている
請求項8に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−96882(P2010−96882A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265954(P2008−265954)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】