説明

反射部材、発光装置および表示装置

【課題】反射部材の着脱を容易にする構造を提供する。
【解決手段】反射部材50は平面上に配列される複数の光源30から放射される光を反射する。反射部材50は、隣接する光源30を仕切るように主面側に突出する隔壁52を有し、隔壁52は、その対向する壁面521,522同士を近づけると互いに離れる方向に弾性が生じ、対向する壁面のそれぞれに、反射部材50の主面と反対側に突出する係合突起55が設けられた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源から放射された光を反射する反射部材、該反射部材を備えた発光装置、および該発光装置を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、有底の矩形の枠体の底部中央に、LED(光源)が実装された基板が配置された光源ユニットが開示されている。複数の光源ユニットを行列状に組み合わせてその全体を兼用させて上方に1枚の拡散板を配置することにより、液晶パネル用のバックライトユニットが構成される。枠体の内面は反射手段が施され、枠体自身が光源から放射された光を上方へ反射する反射部材を構成している。
【0003】
このようなバックライトユニットは最終製品である表示装置へのアセンブリを簡便にするために部品化される。そのため、複数の光源ユニットを行列状に組み合わせた状態で何らかの手段を用いて保持することが必要である。例えば、光源ユニットの枠体(反射部材)を板金などから作製されるフレームに固定することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−238420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、枠体(反射部材)をフレームに対してビスなどの異物を用いて固定を行うと、輝度ムラの発生につながる。また、両面テープ等で固定した場合、着脱が難しくなる。
【0006】
この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、反射部材の着脱を容易にする構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の反射部材は、平面上に配列される複数の光源から放射される光を反射する。反射部材は、隣接する前記光源を仕切るように主面側に突出する隔壁を有する。前記隔壁は、その対向する壁面同士を近づけると互いに離れる方向に弾性が生じ、前記対向する壁面のそれぞれに、前記反射部材の主面と反対側に突出する係合突起が設けられている。
【0008】
また、この発明の発光装置は前記反射部材、フレームおよび基板を有する。フレームには前記係合突起が係合される係合孔が開口する。基板には前記係合突起が挿入される取付孔が開口する。
【0009】
この発光装置の構成で、前記基板、前記反射部材の順に積層し、前記係合突起を前記基板の取付孔に挿入すると共に前記フレームの係合孔に係合させることにより、前記反射部材は前記基板と共に前記フレームに固定される。反射部材を取り外すときは、係合突起が設けられた隔壁の対向する壁面同士を近づけることで係合突起と係合孔との係合を解除する。反射部材を取り外せば基板もフリーになるため、基板も同時取り外すことが可能である。
【0010】
そして、この発明の表示装置は、前記発光装置と、前記拡散板に対向配置された表示パネルと、を有した構成である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、反射部材の着脱を容易に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の係る表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】上記表示装置が備える発光装置においてフレームに、反射部材と基板を固定する構造を説明する部分組立図である。
【図3】図3(A)は図2におけるA−A線断面図であって、フレームに反射部材と基板が固定された状態を示す。図3(B)は図2におけるA−A線断面図であって、フレームから反射部材を取り外す操作を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る表示装置の概略構成を図面を参照して説明する。表示装置1は図1に示すように、発光装置100および表示パネル200を備える。発光装置100はフレーム10、基板20、反射部材50および拡散板60を備える。表示パネル200は拡散板60に対向配置される。発光装置100は9×16の行列で配置される都合144個の光源30から放射される光を反射部材50により反射し、拡散板60によってさらに均一に拡散させて表示パネル200の背面から照明する。なお、本実施の形態の光源30の配置および個数は一例である。
【0014】
フレーム10は矩形の板金の4辺を折り曲げ、有底の枠体に加工したものである。フレーム10は発光装置100の筐体であり、このフレーム10に対して基板20および反射部材50が固定される。フレーム10の底部上面の適所には、図2に示すように、基板20の位置決め用の複数の位置決め突起12が設けられている。またフレーム10の適所には後述する反射部材50の係合突起55が係合される複数の係合孔11が開口している。
【0015】
基板20は帯状を呈する。1個の基板20には、9×16の行列で配置される都合144個の光源30の一列(9個)がその長手方向に実装される。9個の光源30を実装した16個の基板20が列方向に平行に配列される。個々の光源30の上面には光源30よりもサイズの大きな円盤形のレンズ40が取付けられる。レンズ40は光源30から放射される光を全方位に均一に散乱させる。光源30には例えばLEDを用いることが出来る。レンズ40には例えばアクリル板を用いることが出来る。なお、レンズ40は本発明の必須の要素ではなく、省略することも可能である。基板20には後述する反射部材50の係合突起55が挿入される複数の取付孔21が長手方向に並んで開口している。また、基板20にはフレーム10の位置決め突起12が嵌合される位置決め孔22も長手方向に並んで開口している。
【0016】
反射部材50はレンズ40により散乱された光源30の光を反射させる。反射部材50は、9×16の行列で配置される都合144個の光源30を1個ごとに正方形の領域に分割(区画)する有底の枠体が9×16の行列で配置された規則的な形状を呈する。反射部材50はポリカーボネートなどの樹脂から成る一体成形品であり、個々の枠体には分離不能である。各枠体の底部51の中央にはレンズ40が挿入される逃がし孔54が開口している。
【0017】
枠体の側壁は反射部材50の底部51から主面側(図1では上方)に突出する。枠体の側壁は反射部材50の全体の外郭をなす壁と、隣接する隣接する光源30を仕切る隔壁と、から構成される。隔壁は9×16の行列で配置される都合144個の光源30を行ごとに仕切る横隔壁52と列ごとに仕切る縦隔壁53とから構成される。図2では縦横が反転して示されているが、両隔壁52,53は底部51から鋭角勾配の斜面で立ち上がり、頂点を稜線とする逆V字状の断面形状を呈する。反射部材50は肉厚の薄い樹脂で出来ているため、隔壁52,53の対向する壁面同士を近づけると互いに離れる方向に弾性が生じることになる。
【0018】
図2、図3に示すように、横隔壁52の対向する壁面521,522にはそれぞれ反射部材50の主面と反対側(同図では下方)に突出する係合突起55が一体に設けられている。係合突起55は個々の枠体の横隔壁52の長さ方向(稜線方向)の中央に配設される。係合突起55は先端が鉤爪になったフックであり、フレーム10の係合孔11に係合される。係合突起55の根本から鉤爪までの高さはフレーム10と基板20を合わせた厚みとほぼ同じである。
【0019】
基板20および反射部材50のフレーム10への着脱について図2、図3を用いて説明する。まず、図2に示すように、フレーム10上に基板20を配置する。このとき図2に示すように、対応するフレーム10の位置決め突起12と基板20の位置決め孔22とを嵌合させることにより、フレーム10上の適切な位置に基板20を位置決めした状態で積層することが出来る。また、対応するフレーム10の係合孔11と基板20の取付孔21とが合致し、フレーム10と基板20を貫通する見かけ上一体の孔が形成される。なお、図2では2個の基板20しか表示していないが、このような作業を16個の基板20のすべてについて行う。
【0020】
次に、反射部材50の係合突起55を、基板20の取付孔21に挿入すると共にフレーム10の係合孔11に係合させる。なお、図2では反射部材50の枠体の一部(2行2列)しか表示していないが、反射部材50のすべての係合突起55に対してこの作業を行う。これにより、反射部材50を基板20上に積層した状態でフレーム10に取付けることが出来る。また、係合突起55の根本から鉤爪までの高さはフレーム10と基板20を合わせた厚みとほぼ同じであるため、図3(A)に示すように、基板20は反射部材50の底部51および係合突起55の鉤爪に挟まれてフレーム10上に固定される。すなわち、反射部材50の係合突起55を兼用して基板20を固定することが出来る。
【0021】
このようにして固定された基板20および反射部材50をフレーム10から取り外すときは、図3(B)に示すように、横隔壁52の対向する壁面521,522を近づけるように摘むことで係合突起55とフレーム10の係合孔11との係合を解除する。これにより、係合突起55の鉤爪がフレーム10の係合孔11と基板20の取付孔21の内側に移動するので、係合突起55をこれらの孔11,21から抜けるようになる。したがって、このようにして反射部材50のすべての箇所で係合突起55を孔11,21から抜けば反射部材50を取り外すことが出来る。この結果、基板20もフリーになるのでフレーム10から容易に取り外すことが出来る。
【0022】
図1は反射部材50がフレーム10に取付けられた状態を示しており、この反射部材50の上方に拡散板60が対向配置されて発光装置100が構成される。さらに、拡散板60の上方に表示パネル200が配置されて表示装置1が構成される。
【0023】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0024】
1…表示装置
10…フレーム
11…係合孔
20…基板
21…取付孔
30…光源
40…レンズ
50…反射部材
51…底部
52…横隔壁
55…係合突起
60…拡散板
100…発光装置
200…表示パネル
521,522…壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面上に配列される複数の光源から放射される光を反射する反射部材であって、
前記反射部材は、隣接する前記光源を仕切るように主面側に突出する隔壁を有し、前記隔壁は、その対向する壁面同士を近づけると互いに離れる方向に弾性が生じ、前記対向する壁面のそれぞれに、前記反射部材の主面と反対側に突出する係合突起が設けられたことを特徴とする反射部材。
【請求項2】
前記係合突起は、前記隔壁の長さ方向の中央に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反射部材。
【請求項3】
前記係合突起は、前記反射部材と一体的に形成されている請求項1または2に記載の反射部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の反射部材と、
前記係合突起が係合される係合孔が開口するフレームと、
前記係合突起が挿入される取付孔が開口し、光源が実装された基板と、
を有し、
前記フレーム、前記基板、前記反射部材の順に積層し、前記係合突起を前記基板の取付孔に挿入すると共に前記フレームの係合孔に係合させることにより、前記反射部材を前記基板と共に前記フレームに固定することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
さらに前記反射部材に対向配置された拡散板を備える請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発光装置と、
前記拡散板に対向配置された表示パネルと、
を有する表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−15768(P2013−15768A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150174(P2011−150174)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】