説明

反応性が異なるモノマーの重合

【課題】反応性が異なるモノマーの重合方法を提供する。
【解決手段】(a)添加速度を減少させつつ少なくとも1種の低反応性モノマーを反応容器に添加する工程;(b)反応容器に少なくとも1種の高反応性モノマーを添加する工程、(i)ここで、高反応性モノマーの全重量基準で、高反応性モノマーの全ての1重量%未満の高反応性モノマーが、工程(a)の開始前に反応容器に添加され、および(ii)高反応性モノマーの全重量基準で、高反応性モノマーの全ての重量で少なくとも半分の高反応性モノマーが、工程(a)の完了前に反応容器に添加される;並びに(c)前記工程(a)の完了前に少なくとも1種の鎖調節剤を反応容器に添加する工程:を含み、反応容器での条件が低反応性モノマーと高反応性モノマーの重合を引き起こす間に工程(a)、(b)および(c)が行われる、ポリマーを製造する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年3月4日に出願された米国仮出願60/658,784号の利益を主張する。
互いに異なる反応性を有するモノマーからコポリマーを形成することが望ましいことが多い。
【背景技術】
【0002】
このようなコポリマーを調製することを試みる方法は、次の結果:不均一なポリマー組成、不均一なポリマー分子量、高レベルの残留モノマー、またはその任意の組み合わせ:の1以上をもたらす場合がある。たとえば、米国特許第5,110,883号は、所望のジアリルアンモニウムモノマーの全部および所望のアクリルアミドモノマーの一部が一緒に混合され、開始され;残りのアクリルアミドモノマーが連続段添加により添加され;および重合の完了後に連鎖移動剤が添加される溶液重合法を用いてこれらの問題を取り扱う一方法を提供する。
【特許文献1】米国特許第5,110,883号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
互いに異なる反応性を有するモノマーの共重合法を提供することが望まれる。共重合法の開始前に所望の低反応性モノマーのすべてを反応容器中に入れることを必要としない、このような方法を提供することが望まれる。次のさらなる利点:均一なポリマー組成、均一な分子量、または低レベルの残存モノマーの1以上をもたらす方法を提供することも望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明において、ポリマーを製造する方法であって:
(a)添加速度を減少させつつ、少なくとも1種の低反応性モノマーを反応容器に添加する工程;
(b)反応容器に少なくとも1種の高反応性モノマーを添加する工程、
(i)ここにおいて、前記高反応性モノマーの全重量基準で、前記高反応性モノマーの全ての1重量%未満の高反応性モノマーが、前記工程(a)の開始前に前記反応容器に添加され、および
(ii)前記高反応性モノマーの全重量基準で、前記高反応性モノマーの全ての少なくとも重量で半分の高反応性モノマーが、前記工程(a)の完了前に前記反応容器に添加される;並びに
(c)前記工程(a)の完了前に、少なくとも1種の鎖調節剤を前記反応容器に添加する工程:を含み、
前記反応容器における条件が前記低反応性モノマーおよび前記高反応性モノマーの重合を引き起こす間に、前記工程(a)、(b)、および(c)が行われる;方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書において用いられ、FW Billmeyer,JR.によりTextbook of Polymer Science,第2版、1971年において定義される「ポリマー」は、より小さな化学的繰り返し単位の反応生成物から構成される比較的大きな分子である。通常、ポリマーは11以上の繰り返し単位を有する。ポリマーは、直鎖、分岐鎖、星状、ループ状、超分岐、架橋、またはその組み合わせである構造を有することができ;ポリマーは、1種の繰り返し単位を有していてもよいし(ホモポリマー)あるいは1種より多くの繰り返し単位を有していてもよい(コポリマー)。コポリマーはランダム、シークエンス、ブロック、他の配列、またはその任意の混合物または組み合わせで配列した様々な種類の繰り返し単位を有することができる。互いに反応してポリマーの繰り返し単位を形成する化学物質は、本明細書において「モノマー」と称し、および反応して繰り返し単位を形成するモノマーの「重合単位」からポリマーは構成されるとされる。モノマーが反応してポリマーの重合単位になる化学反応は、ホモポリマーであるか任意のタイプのコポリマーであるかに拘わらず、本明細書において「重合(polymerizingまたはpolymerization)」と称する。
【0006】
本明細書において用いられる場合、「(メタ)アクリル−」なる接頭語は、「メタクリル−またはアクリル−」を意味する。
【0007】
ポリマー分子量は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲル透過クロマトグラフィーとも呼ばれる)または固有粘度などの標準的方法により測定することができる。一般に、ポリマーは1000以上の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0008】
本明細書において用いられる場合、「第一の量の第二の量に対する比」なる語句は、第一の量を第二の量で割ることにより得られる一つの数を意味する。
【0009】
本発明の実施において、少なくとも2種のモノマーが使用され、これらの2種のモノマーは互いに異なる反応性を有する;すなわち、これらは、重合条件下で、各モノマーのホモポリマーが形成される傾向、および2種のモノマーの統計コポリマーはあったとしてもわずかしか形成されない傾向をもたらす反応性を有する。一般に、かかるモノマーの組み合わせからコポリマーを調製することは困難である。通常、組み合わせにおける1種のモノマー(高反応性モノマー)が、当該モノマーが成長するポリマー鎖の活性な末端にある場合に、他のモノマー(低反応性モノマー)ではなく、それ自身のようなもう一つ別のモノマーをが成長するポリマー鎖に付加する傾向にある場合に、このような状況が生じる。このようなモノマーの組み合わせは本発明における使用に好適である。
【0010】
この反応性条件は、たとえば、George Odianにより、Principles of Polymerization、第3版、John Wiley & Sons、1991において定義されるような反応性比を使用して説明することができる。組み合わせにおける各モノマーは、そのモノマーにおいて終わる、成長するポリマー鎖に関連する2つの速度定数の比として定義される反応性比「r」を有する。比「r」は成長するポリマー鎖が同じタイプのモノマーを付加する速度定数の、成長するポリマー鎖が他のタイプのモノマーを付加する速度定数に対する比である。モノマーの組み合わせは、そのr値が互いにまったく異なり、および重合条件下での2種のモノマーの混合物が、モノマー混合物の割合における2種のモノマーの統計分布を有するコポリマーをほとんどまたは全く生成しないように選択することができることはよく知られている。
【0011】
本発明のある態様において、互いに異なる反応性を有するモノマーの組み合わせが、任意に1以上の追加のモノマーとともに使用され、ここにおいて、より高いr値を有するモノマーを本明細書において「高反応性モノマー」と称し、このモノマーのr値を本明細書において「rH」と称する。この組み合わせにおける他方のモノマーは本明細書において「低反応性モノマー」と称し、低反応性モノマーのr値を本明細書において「rL」と称する。かかる態様のいくつかの態様において、rHのrLに対する比は5以上;または10以上である。
【0012】
本発明の方法は、モノマー群が互いに異なる反応性を有する、少なくとも1つの組み合わせのモノマーを含むかぎり、2種のモノマーまたは3種のモノマーまたは3種より多いモノマーを包含しうる任意のモノマー群に関して使用することができると考えられる。
【0013】
3以上のモノマーを含むある態様において、1つのモノマーは低反応性モノマーと特定されることができ、別のモノマーは高反応性モノマーと特定されることができ、残りのモノマーの少なくとも1つは低反応性モノマーまたは高反応性モノマーと同等の反応性を有する。本明細書において用いられる場合、2種のモノマーは、通常の重合条件下でそれらが混合された場合に、主な生成物が統計コポリマーであるという特質を有するならば、「同等の反応性」を有する。前記の定量的基準を使用して、モノマーの組み合わせのr値を調べ、2つのr値のうち高い方の、2つのr値のうち低い方に対する比が4以下であるならば、2種のモノマーは同等の反応性を有する。たとえば、ある態様において、3種のモノマーが使用され:1つは低反応性を有し、1つは高反応性を有し、第三のものは高反応性モノマーと同等の反応性を有する。
【0014】
ある態様において、少なくとも1つの低反応性モノマーはジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物であり、これは構造:
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、各Rはアリル基であり;RおよびRのそれぞれは独立して、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;X2−はアニオンである)
を有する化合物である。いくつかの好適なアニオンは、たとえば、ハライド(たとえば、クロリド、ブロミド、またはヨージドを包含する)、ヒドロキシド、ホスフェート、スルフェート、ヒドロスルフェート、エチルスルフェート、メチルスルフェート、ホルメート、アセテート、またはその任意の混合物である。ある態様において、RおよびRのそれぞれはメチル基である。独立して、ある態様において、X2−はクロリドイオンである。
【0017】
多くの一般的な重合条件下で、ジアリルジアルキルアンモニウム第四モノマーは5員環である重合した単位を形成する。
【0018】
ある態様において、アニオン性モノマーである少なくとも1つの高反応性モノマーが使用される。アニオン性モノマーは、少なくとも1つのアニオンがポリマー主鎖に共有結合している重合単位を形成する化合物である。共有結合したアニオン(単数または複数)に対応するカチオン(単数または複数)は、溶液中にあってもよいし、ポリマー上の他の位置にあるアニオンとの複合体であってもよいし、あるいはその組み合わせであってもよい。ある態様において、ある範囲のpH値で水中に存在する場合、アニオン形態で存在するが、ある他のpH値では中性形態でありうるアニオンを含有する、1以上のアニオン性モノマーが使用される。ある態様において、重合の間、中性形態である少なくとも1種のアニオン性モノマーが使用され;ある態様において、重合後、ポリマーを取り巻く条件(例えば、pH)は、アニオン性モノマーからの重合単位が負電荷を獲得するように変更される。
【0019】
好適なアニオン性モノマーは、例えば、エチレン性不飽和酸モノマーであり、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸モノマー、マレイン酸モノマー、およびエチレン性不飽和スルホン酸モノマーを包含する。好適な不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、およびその混合物が挙げられる。好適なマレイン酸モノマーとしては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、およびその置換体が挙げられる。好適な不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、および4−スルホブチル(メタ)アクリル酸が挙げられる。
【0020】
使用できるかまたは使用できないアニオン性モノマーと独立して、ある態様において、非イオン性モノマーである少なくとも1種の高反応性モノマーが使用される。非イオン性モノマーは、ポリマーの重合単位を形成するモノマーであり、ここにおいて、重合単位は、2〜8の任意のpHで水中で有意な程度にまでイオンを形成する基を有さない。ある好適な非イオン性モノマーは、例えば、エチレン性不飽和非イオン性化合物であり、例えば、1つの二重結合、2つの二重結合、または2より多い二重結合を有する化合物を包含する。好適なエチレン性不飽和非イオン性モノマーとしては、例えば、オレフィン、置換オレフィン(例えば、ビニルハライドおよびビニルカルボキシレートを包含する)、ジエン、(メタ)アクリレート、置換(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、置換(メタ)アクリルアミド、スチレン、置換スチレン、およびその混合物が挙げられる。本明細書において用いられる場合、「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルであり;「置換」とは、任意の置換基を意味し、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、ビニル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、アルキレンオキシド基、ポリアルキレンオキシド基、およびその組み合わせを包含する。ある態様において、(メタ)アクリレートエステル、置換(メタ)アクリレートエステル、(メタ)アクリルアミド、置換(メタ)アクリルアミド、およびその混合物の群から選択される1以上の非イオン性モノマーが使用される。ある態様において、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたはその混合物が使用される。
【0021】
ある態様において、1以上の架橋性モノマーが使用される。他の態様において、架橋性モノマーは使用されない。架橋性モノマーは、重合反応に関与できる2個の官能基を有するモノマーである。ある架橋性モノマーは、たとえば2以上のエチレン性不飽和基を有する。ある架橋性モノマーは、たとえば少なくとも1個のエチレン性不飽和基および重合反応に関与できる少なくとも1個の他の基(たとえばグリシジル基)を有する。
【0022】
ある態様において、1以上の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが使用される。他の態様において、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルは使用されない。1以上の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが使用されるある態様において、アルキル基が4個以上の炭素原子を有する少なくとも1つのかかるエステルが使用される。
【0023】
ある態様において、1以上の(メタ)アクリル酸のエステルが使用され、ここにおいて、エステル基は少なくとも1個のアルキレンオキシド基を含有する。かかるエステル基は1以上の単一アルキレンオキシド基、1以上のポリオキシエチレン基、またはその組み合わせを含有しうる。ある態様において、エステル基が少なくとも1個のアルキレンオキシド基を含有する(メタ)アクリル酸のエステルは使用されない。
【0024】
ある態様において、低反応性モノマーの量は、コポリマー中の低反応性モノマーの重合単位が、前記コポリマーの固形分重量基準で、低反応性モノマーの全ての20重量%〜90重量%であるような量である。
【0025】
ある態様において、高反応性モノマーの量は、コポリマー中の高反応性モノマーの重合単位が、前記コポリマーの固形分重量基準で10重量%〜70重量%であるような量である。
【0026】
ある態様において、すべてのモノマーはフリーラジカル重合可能である。
【0027】
少なくとも1つのジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物が使用され、かつ少なくとも1つのアニオン性モノマーも使用される態様において、本発明の方法により製造されるコポリマーを特徴づけるための有用な一方法は、ジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物の重合単位の、全アニオン性モノマーの重合単位に対する当量比である。アニオン性モノマーからの重合単位の当量値は、この重合単位においてポリマー分子に共有結合されているアニオンの数である。
【0028】
ある態様において、すべてのジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物の重合単位の、すべてのアニオン性モノマーからの重合単位に対する当量比は0.33以上である。ある態様において、当量比は0.5以上;または0.75以上;または0.9以上;または0.95以上である。
【0029】
独立して、ある態様において、ジアリルジアルキルアンモニウム第四第四化合物からの重合単位の、すべてのアニオン性モノマーの重合単位に対する当量比は1.2以下である。ある態様において、当量比は1.1以下;または1.05以下である。
【0030】
ある態様において、本発明の方法により製造されるコポリマーは、50000以下の重量平均分子量を有する。ある態様において、本発明の方法により製造されるコポリマーは40000以下;または30000以下;または20000以下の重量平均分子量を有する。
【0031】
独立して、ある態様において、本発明の方法により製造されるコポリマーは1000以上の重量平均分子量を有する。ある態様において、本発明の方法により製造されるコポリマーは、2000以上;または3000以上;または4000以上の重量平均分子量を有する。
【0032】
本発明は、たとえば、溶液重合、塊状重合、不均一相重合(たとえば、乳化重合、懸濁重合、分散重合、および逆乳化重合を包含する)、ならびにその組み合わせをはじめとする任意の重合法を使用して実施することができる。独立して、たとえば、フリーラジカル重合をはじめとする任意のタイプの重合反応を用いることができる。溶液重合が使用される場合、溶媒は任意の水性溶媒(すなわち、溶媒は溶媒の重量基準で75%重量以上の水である)または有機溶媒(すなわち、水性でない溶媒)であってよい。いくつかの好適な溶媒は、たとえば、水と混合物の重量基準で60重量%までの1以上のOH含有溶媒との混合物を包含し、OH含有溶媒は、C1−C4アルカノール、C2−C10アルキレングリコール(ここにおいて、アルキレン鎖は1以上の隣接しない酸素原子により中断されていてもよい)およびC1−C4アルカノールとC2−C10アルキレングリコールのモノエーテルから選択される。好適なOH含有溶媒の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチルジグリコール、ジプロピレングリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、トリエチレングリコール、前記グリコールのメチルエーテルおよび4〜6個のエチレンオキシド単位を含有するエチレンオキシドのオリゴマー、3〜6個のプロピレンオキシド単位を含有するプロピレンオキシドのオリゴマーおよびポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコオリゴマーである。独立して、水を含有する溶媒は任意に、1以上の他の水混和性溶媒、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどをさらに含有してもよい。
【0033】
ある態様において、少なくとも1種のコポリマーは溶液中フリーラジカル重合により製造される。かかる態様のいくつかにおいて、少なくとも1つのコポリマーは水性溶媒中フリーラジカル溶液重合により製造される。
【0034】
本発明の実施において、重合は反応容器中で行われる。重合が起こっている間に、モノマーの一部または全部が反応容器に添加されることが意図される。たとえば、開始剤をモノマーの前に反応容器に添加することができ、および開始剤がモノマーの添加前に1以上のフリーラジカルを生成するように反応容器の条件(たとえば、温度、放射線、反応性種の存在など)を調節することができる。別の例として、開始剤を1以上のモノマーの全部または一部と同時に添加することができる。開始剤をモノマーの前および1以上のモノマーと同時に添加することができることが意図される。
【0035】
本発明の一態様は、添加の速度であり、これは、各成分が反応容器に添加される速度である。ある態様において、1以上の工程を使用して、成分の全部または成分の一部が反応容器に添加され、ここにおいて、ある工程は成分が反応容器に一定速度(すなわち、単位時間あたり一定値の質量の成分を使用)で添加される期間である。どんな添加速度が使用されても、任意の成分は突然、または連続して、中断(すなわち、成分が反応容器に添加されない期間であり、その後にその成分の反応容器への添加が再開される)の有無にかかわらず添加することができることが意図される。
【0036】
本発明の実施において、添加速度を減少させながら、少なくとも1種の低反応性モノマーを反応容器に添加する。本明細書において「添加速度を減少させる」とは、重合反応の間に添加速度が増大せず、かつ添加の最終速度が添加の初期速度よりも低いことを意味する。たとえば、ある態様において、低反応性モノマーの添加速度は、すべてのモノマーが反応容器に添加されるまで連続して減少し得る。別の例として、2以上の工程を使用して低反応性モノマーを添加することができ、ここにおいて、第一工程後の各工程はその前の工程よりも低い添加速度を有していた。添加速度が連続して減少する工程および時間間隔を使用して低反応性モノマーが添加される添加法も意図される。添加速度と独立して、低反応性モノマーの反応釜への添加は、中断なしに連続して行ってもよいし、あるいは1以上の中断があってもよい。
【0037】
ある態様において、2以上の工程のシーケンスを使用して低反応性モノマーの全量が添加されるような方法で少なくとも1つの低反応性モノマーが反応容器に添加され、ここにおいて各工程はその前の工程よりも低い添加速度を有する。かかる態様のいくつかにおいて、第二工程中の添加速度の第一工程中の添加速度に対する比は0.01以上;または0.05以上;または0.1以上である。独立して、かかる態様のいくつかにおいて、第二工程中の添加速度の第一工程中の添加速度に対する比は、0.8以下;または0.7以下;または0.5以下;または0.2以下である。供給速度の値と独立して、かかる態様のいくつかにおいて、第二工程の期間の第一工程の期間に対する比は、0.5以上;または0.9以上;または1.25以上;または1.75以上;または1.9以上である。独立して、ある態様において、第二工程の期間の第一工程の期間に対する比は10以下;または5以下;または4以下;または3以下である。
【0038】
低反応性モノマーの添加のために3以上の工程を使用する態様のいくつかにおいて、第二の後の任意の工程の、その前の工程に対する添加速度および期間は、第二工程の第一工程に対する関係についてすでに記載した関係と同じ、先行する工程との関係を有し得ることが意図される。低反応性モノマーの添加のために3以上の工程が使用されるならば、添加速度および各工程の期間は、減少する添加速度が使用されるかぎり、他の工程と独立して選択することができることが意図される。
【0039】
低反応性モノマーが反応容器に添加される前に、反応容器に高反応性モノマーはほとんどまたは全く添加されないことが意図される。低反応性モノマーが反応容器に添加される前に反応容器に添加される高反応性モノマーの量は、すべての高反応性モノマーの重量基準で1重量%以下;または0.1重量%以下;または0である。
【0040】
高反応性モノマーは任意の添加速度で反応容器に添加することができる。ある態様において、少なくとも1つの高反応性モノマーが一定の添加速度で完全に添加される。独立して、ある態様において、少なくとも1種の高反応性モノマーが増大する添加速度で添加される。増大する添加速度は、たとえば、添加速度を連続的に増大させることによるか、または一連の2以上の工程であって、第一工程後の各工程が先行する工程における添加速度よりも高い一定の添加速度を有する工程を行うことにより達成することができる。添加速度と独立して、高反応性モノマーの反応釜への添加は、中断なしに連続的に行ってもよいし、あるいは1以上の中断があってもよい。独立して、ある態様において、増大し、次いで減少する反応速度を使用して少なくとも1種の高反応性モノマーが添加される。2以上の高反応性モノマーが使用されるならば、それぞれの添加速度は他の高反応性モノマーの添加速度と独立して決定することができる。ある態様において、2以上の高反応性モノマーが混合され、混合物は反応容器に添加される。
【0041】
ある態様において、本発明の方法は、1以上のフリーラジカル重合反応を使用してコポリマーを形成することを含む。かかる態様のうち、1以上の開始剤の使用を含むものがある。開始剤は、ある条件下で、フリーラジカル重合反応を開始できる少なくとも1種のフリーラジカルを生成させる分子または分子の混合物である。ある開始剤(熱開始剤)は十分高い温度にさらされた場合に分解によりかかるラジカルを生成させる。ある開始剤は、ある複数の分子が一緒に混合されて化学反応を起こし、その結果、少なくとも1種のフリーラジカルが得られるようなラジカルを生成させる(たとえば、少なくとも1種の酸化剤および少なくとも1種の還元剤を含有する「レドックス」開始剤と呼ばれるある組み合わせ)。ある開始剤(光開始剤)は、たとえば、紫外線または電子線などの放射線にさらされた場合にラジカルを生成させる。少なくとも1種の還元剤の存在とともに同時に高温にさらされ得る開始剤も考慮され、かかる開始剤は熱分解、酸化還元反応、またはその組み合わせによりフリーラジカルを生成させることができる。
【0042】
好適な光開始剤の例は、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾインエーテル、ベンジルジアルキルケトンおよびその誘導体である。
【0043】
好適な熱開始剤のうち、あるものは20℃以上;または50℃以上の分解温度を有する。独立して、あるものは180℃以下;または90℃以下の分解温度を有する。好適な熱開始剤の例は、無機ペルオキソ化合物、たとえば、ペルオキソジスルフェート(アンモニウムおよびナトリウムペルオキソジスルフェート)、ペルオキソスルフェート、ペルカーボネートおよび過酸化水素;有機ペルオキソ化合物、たとえば、ジアセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジアミルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(o−トリル)ペルオキシド、スクシニルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルマレエート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペルピバレート、tert−ブチルペルオクテート、tert−ブチルペルネオデカノエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびジイソプロピルペルオキシジカーバメート;アゾ化合物、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、およびアゾビス(2−アミドプロパン)二塩酸塩である。
【0044】
ある態様において、熱開始剤は任意に還元化合物との組み合わせにおいて用いることができる。かかる還元化合物の例は、リン含有化合物、たとえば、リン酸、次亜リン酸塩およびホスフィン酸塩;硫黄含有化合物、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート;およびヒドラジンである。これらの還元化合物は、場合によっては、鎖調節剤としても機能すると考えられる。
【0045】
好適な開始剤の一群は、たとえば、過硫酸ナトリウムをはじめとする過硫酸塩の群である。ある態様において、1以上の過硫酸塩は、たとえば、金属イオン(たとえば、第一鉄イオン)、硫黄含有イオン(たとえば、S(=)、HSO(−)、SO(=)、S(=)、およびその混合物)、並びにその混合物をはじめとする1以上の還元剤の存在下で使用される。
【0046】
開始剤が使用される場合、使用されるすべての開始剤の量は、使用される全モノマーの合計重量基準の重量パーセントとして、0.01%以上;または0.03%以上;または0.1%以上;または0.3%以上である。独立して、開始剤が使用される場合、使用される全開始剤の重量の、使用される全モノマーの合計重量に対する比は、5%以下;または3%以下;または1%以下である。
【0047】
開始剤が使用される場合、これは任意の様式で、プロセスの間の任意の時間に添加することができる。たとえば、開始剤の一部または全部を反応容器に、1以上のモノマーが反応容器に添加されるのと同時に添加することができる。ある態様において、開始剤は一定の添加速度で添加される。他の態様において、開始剤は添加速度を増大させて、たとえば2以上の工程で添加され、ここにおいて、各工程はその前の工程よりも速い添加速度を使用する。ある態様において、開始剤の添加速度は増加し、次いで減少する。
【0048】
本発明の実施は、鎖調節剤の使用も含む。鎖調節剤は成長するポリマー鎖の長さを制限するような働きをする化合物である。いくつかの好適な鎖調節剤は、たとえば、硫黄化合物、たとえば、メルカプトエタノール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、チオグリコール酸、およびドデシルメルカプタンである。他の好適な鎖調節剤は、前記の還元化合物である。ある態様において、鎖調節剤はメタ重亜硫酸ナトリウムを包含する。ある態様において、鎖調節剤の量は、使用した全モノマーの合計重量基準の重量パーセントとして、0.5%以上;または1%以上;または2%以上;または4%以上である。独立して、ある態様において、鎖調節剤の量は、使用した全モノマーの合計重量基準の重量パーセントとして、12%以下;または8%以下;または6%以下である。ある態様において、重合を開始するために必要な量より多い量の開始剤は鎖調節剤として機能できる。
【0049】
他の好適な鎖調節剤は、たとえば、溶媒を形成するために水との混合物での使用に好適であるとすでに記載されているOH含有化合物である。ある態様において、鎖調節剤は溶媒の成分であり、従って鎖調節剤は使用した全モノマーの合計重量基準で12重量%より多い量で存在することができる。
【0050】
鎖調節剤は、反応容器に任意の様式で添加することができる。ある態様において、鎖調節剤は反応容器に一定の添加速度で添加される。ある態様において、鎖調節剤は、増大するかまたは減少するかまたはその組み合わせである添加速度で反応容器に添加される。
【0051】
反応容器に添加される各成分に関して、成分は純粋な形態において添加することができる。別法として、反応容器に添加される成分は、溶媒中溶液の形態として、1以上の他の成分との混合物の形態として、またはその組み合わせ(すなわち、1以上の他の成分との混合物であって、溶媒中に溶解された混合物)として添加することができる。任意の一成分が反応容器に添加される形態は、他の成分が反応容器に添加される形態と独立して選択することができる。
【0052】
本発明の定義についての前記の条件が適合する限り、様々な成分を反応容器に任意の順序、任意の速度で添加することができる。
【0053】
低反応性モノマーの添加の期間は、第一の低反応性モノマーが反応容器に添加される時間(すなわち、任意の低反応性モノマーの第一の量が反応容器に添加される時間)から、最後の低反応性モノマーが反応容器に添加される時間(すなわち、任意の低反応性モノマーの最後の量が反応容器に添加される時間)まで経過した時間である。
【0054】
高反応性モノマーの添加の期間は、第一の高反応性モノマーが反応容器に添加される時間から、最後の高反応性モノマーが反応容器に添加される時間まで経過した時間である。前記のように、高反応性モノマーは連続してまたは中断を伴って;一定の添加速度で、または変化する添加速度で添加することができる。ある態様において、高反応性モノマーの添加期間の、低反応性モノマーの添加期間に対する比は、1.0以上;または1.05以上;または1.1以上;または1.15以上である。独立して、ある態様において、この比は4以下;または2以下である。独立して、ある態様において、比は4以下;または2以下である。独立して、ある態様において、第一の低反応性モノマーは、第一の高反応性モノマーと同時に添加される。
【0055】
本発明のある態様は、次の特性のすべてを有する:高反応性モノマーの反応容器への添加は、低反応性モノマーの反応容器への添加の開始と同時に始まる;高反応性モノマーの添加速度は、任意に添加速度を増大させる一連の工程において、低反応性モノマーの添加が完了するまで増大する;高反応性モノマーの添加は、任意に添加速度が減少する一連の工程において、高反応性モノマーの添加が完了するまで、添加速度が減少しながら継続する。
【0056】
開始剤の添加期間は、第一の開始剤が反応容器に添加される時から、最後の開始剤が反応容器に添加されるときまで経過した時間である。開始剤は、前記のように、連続して、または中断を伴って;一定の添加速度で、または変化する添加速度で添加される。ある態様において、開始剤の添加期間の、高反応性モノマーの添加期間に対する比は、1.0以上;または1.02以上である。独立して、ある態様において、この比は2以下;または1.5以下;または1.2以下である。独立して、ある態様において、第一の開始剤は第一の低反応性モノマーと同時に添加される。
【0057】
ある態様において、鎖調節剤は、任意のモノマーの添加前に反応容器に添加される。独立して、ある態様において、鎖調節剤は、第一の低反応性モノマーが反応容器に添加された後に、または第一の低反応性モノマーが反応容器に添加されるのと同時に、またはその組み合わせにおいて反応容器に添加される。
【0058】
ある態様において、鎖調節剤の第一の部分は、任意のモノマーが添加される前に反応容器に添加され、および鎖調節剤の第二の部分は、第一の低反応性モノマーが反応容器に添加された後に、または第一の低反応性モノマーが反応容器に添加されるのと同時に、またはその組み合わせにおいて反応容器に添加される。このような態様において、鎖調節剤の第二の部分の添加期間は、第一の低反応性モノマーの添加後に第一の鎖調節剤が反応容器に添加された時から、最後の鎖調節剤が反応容器に添加されるまで経過した時間である。第二の部分における鎖調節剤は、前記のように、連続して、または中断を伴って;一定の添加速度で、または変化する添加速度で添加される。ある態様において、鎖調節剤の第二の部分の添加期間の、低反応性モノマーの添加期間に対する比は、0.8以上;または0.9以上;または0.99以上である。独立して、ある態様において、この比は2以下;または1.2以下;または1.05以下;または1.01以下である。独立して、ある態様において、鎖調節剤の第二の部分の添加は、第一の低反応性モノマーが反応容器に添加されるのと同時に始まる。
【0059】
鎖調節剤が反応容器に2つの部分で添加されるある態様において、前記定義のように、第一の部分における鎖調節剤の重量の、第二の部分における鎖調節剤の重量に対する比は0.005以上;または0.01以上;または0.02以上;または0.04以上である。独立して、このような態様のいくつかにおいて、この比は1以下;または0.5以下;または0.2以下;または0.1以下である。
【0060】
本明細書および特許請求の範囲の目的に関して、本明細書において記載される範囲および比率の境界は組み合わせることができると理解されるべきである。さらなる独立した例として、特定のパラメータが1、2、および3の適当な最小値を有すると開示され、このパラメータが9および10の適当な最大値を有すると開示されているならば、次の範囲はすべて意図される:1〜9、1〜10、2〜9、2〜10、3〜9、および3〜10。
【実施例】
【0061】
実施例1
オーバーヘッドスターラー、N2インレット、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、およびモノマー、鎖調節剤および開始剤の添加用インレット、および外部冷却用設備を備えた1リットルの樹脂釜をフード中で準備した。100グラムの脱イオン水および3.96グラムの0.15%硫酸鉄溶液を釜に添加し、88℃に加熱した。釜添加物は0.5グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムおよび5グラムの脱イオン水を用いて調製した。168グラムの65重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロリドの溶液を用いてモノマーコフィード#1を調製した。46.6グラムの氷アクリル酸および90.7グラムのアクリルアミドの50%溶液を用いてモノマーコフィード#2を調製した。1.4グラムの過硫酸ナトリウムおよび30グラムの脱イオン水の開始剤溶液を調製した。11グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムおよび35グラムの脱イオン水を用いて鎖調節剤溶液を調製した。温度が88℃に達したら、釜添加物を装入し、次いですべてのコフィードを開始した。コフィードの速度は次の通りである:
モノマーコフィード#1
1分あたり3.73グラムで30分間
1分あたり0.93グラムで60分間
モノマーコフィード#2
1分あたり0.78グラムで22.5分間
1分あたり1.18グラムで22.5分間
1分あたり1.57グラムで22.5分間
1分あたり1.96グラムで22.5分間
1分あたり1.22グラムで7分間
1分あたり0.61グラムで8分間
開始剤コフィード:1分あたり0.285グラムで110分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0062】
フィードが完了したら、10グラムのすすぎ液を添加し、反応を15分間88℃で保持した。保持期間の間、チェーサー溶液を調製した。チェース#1;2グラムの氷アクリル酸および4グラムの脱イオン水のショットチェースを調製した。チェース溶液#2;2.7グラムの70%tert−ブチルヒドロパーオキシドおよび10グラムの脱イオン水を調製した。チェース溶液#3;0.96グラムのBruggolite(商標)FF6(2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩および2−ヒドロキシ−2−スルホネート酢酸、Bruggeman Chemicalから入手)および10グラムの脱イオン水を調製した。チェーサー溶液#4;1グラムの氷アクリル酸および2グラムの脱イオン水を調製した。チェーサー溶液#5;1.42グラムの2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩および10グラムの脱イオン水を調製した。保持が完了したら、チェース#1を釜に装入し、釜温を78℃に冷却しながら、チェーサー#2および#3を数分にわたって同時に添加した。反応を次いで20分間保持した。チェーサー#4および#5を釜にショットとして添加し、反応をさらに15分間保持した。内容物を次いで冷却し、包装した。
【0063】
実施例2
フィード速度を次のように変えて、前記のように実施例1を繰り返した。
モノマーコフィード#1
1分あたり2.80グラムで30分間
1分あたり1.87グラムで30分間
1分あたり0.93グラムで30分間
モノマーコフィード#2
1分あたり0.78グラムで22.5分間
1分あたり1.18グラムで22.5分間
1分あたり1.57グラムで22.5分間
1分あたり1.96グラムで22.5分間
1分あたり1.22グラムで7分間
1分あたり0.61グラムで8分間
開始剤コフィード:1分あたり0.285グラムで110分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0064】
実施例3
反応温度を60分後に、最高95℃まで上昇させて、前記のように実施例2を繰り返した。
【0065】
実施例4
釜装入物を92℃で添加し、反応温度を88℃にし、供給速度および時間を次のように変えて、実施例1を前記のように繰り返した。
モノマーコフィード#1
1分あたり3.60グラムで30分間
1分あたり0.60グラムで75分間
モノマーコフィード#2
1分あたり0.67グラムで26.25分間
1分あたり1.01グラムで26.25分間
1分あたり1.34グラムで26.25分間
1分あたり1.68グラムで26.25分間
1分あたり1.22グラムで7分間
1分あたり0.61グラムで8分間
開始剤コフィード
1分あたり0.245グラムで105分間
1分あたり0.285グラムで18分間
鎖調節剤:1分あたり0.438グラムで105分間
【0066】
実施例5
釜装入物を92℃で添加し、反応温度を88℃にし、供給速度および時間を次のように変えて、実施例1を前記のように繰り返した。
モノマーコフィード#1
1分あたり4.20グラムで30分間
1分あたり0.70グラムで60分間
モノマーコフィード#2
1分あたり0.78グラムで22.5分間
1分あたり1.18グラムで22.5分間
1分あたり1.57グラムで22.5分間
1分あたり1.96グラムで22.5分間
1分あたり1.22グラムで7分間
1分あたり0.61グラムで8分間
開始剤コフィード:1分あたり0.285グラムで110分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0067】
実施例6
釜装入物を92℃で添加し、反応温度を88℃にし、供給速度および時間を次のように変えて、実施例1を前記のように繰り返した。
モノマーコフィード#1
1分あたり4.85グラムで30分間
1分あたり0.51グラムで60分間
モノマーコフィード#2
1分あたり0.78グラムで22.5分間
1分あたり1.18グラムで22.5分間
1分あたり1.57グラムで22.5分間
1分あたり1.96グラムで22.5分間
1分あたり1.22グラムで7分間
1分あたり0.61グラムで8分間
開始剤コフィード:1分あたり0.285グラムで110分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0068】
比較例C7
次の供給速度および時間で実施例1を繰り返した:
モノマーコフィード#1:1分あたり1.86グラムで90分間
モノマーコフィード#2:1分あたり1.30グラムで105分間
開始剤コフィード:1分あたり0.285グラムで110分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0069】
比較例C8
次の供給速度および時間で実施例1を繰り返した:
モノマーコフィード#1:1分あたり1.86グラムで90分間
モノマーコフィード#2:1分あたり1.05グラムで130分間
開始剤コフィード:1分あたり0.232グラムで135分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0070】
比較例C9
次の供給速度および時間で実施例1を繰り返した:
モノマーコフィード#1:1分あたり1.86グラムで90分間
モノマーコフィード#2:1分あたり0.242グラムで10分間
1分あたり0.462グラムで5分間
1分あたり0.641グラムで5分間
1分あたり0.788グラムで5分間
1分あたり0.914グラムで5分間
1分あたり1.029グラムで5分間
1分あたり1.113グラムで5分間
1分あたり1.197グラムで5分間
1分あたり1.260グラムで5分間
1分あたり1.313グラムで10分間
1分あたり1.407グラムで10分間
1分あたり1.470グラムで10分間
1分あたり1.512グラムで10分間
1分あたり1.544グラムで5分間
1分あたり1.302グラムで5分間
1分あたり1.103グラムで5分間
1分あたり0.788グラムで5分間
1分あたり0.567グラムで10分間
1分あたり0.399グラムで10分間
1分あたり0.294グラムで10分間
開始剤コフィード
1分あたり0.053グラムで10分間
1分あたり0.101グラムで5分間
1分あたり0.140グラムで5分間
1分あたり0.172グラムで5分間
1分あたり0.199グラムで5分間
1分あたり0.224グラムで5分間
1分あたり0.243グラムで5分間
1分あたり0.261グラムで5分間
1分あたり0.275グラムで5分間
1分あたり0.286グラムで10分間
1分あたり0.307グラムで10分間
1分あたり0.321グラムで10分間
1分あたり0.330グラムで10分間
1分あたり0.337グラムで5分間
1分あたり0.284グラムで5分間
1分あたり0.240グラムで5分間
1分あたり0.172グラムで5分間
1分あたり0.124グラムで10分間
1分あたり0.087グラムで10分間
1分あたり0.064グラムで20分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0071】
比較例C10
次の供給速度および時間で実施例1を繰り返した:
モノマーコフィード#1:1分あたり1.86グラムで90分間
モノマーコフィード#2:
1分あたり0.23グラムで10分間
1分あたり0.44グラムで5分間
1分あたり0.61グラムで5分間
1分あたり0.75グラムで5分間
1分あたり0.87グラムで5分間
1分あたり0.98グラムで5分間
1分あたり1.06グラムで5分間
1分あたり1.14グラムで5分間
1分あたり1.20グラムで5分間
1分あたり1.25グラムで10分間
1分あたり1.34グラムで10分間
1分あたり1.40グラムで10分間
1分あたり1.44グラムで10分間
1分あたり1.47グラムで5分間
1分あたり1.24グラムで5分間
1分あたり1.05グラムで10分間
1分あたり0.75グラムで10分間
1分あたり0.54グラムで10分間
1分あたり0.38グラムで10分間
1分あたり0.28グラムで10分間
開始剤コフィード
1分あたり0.053グラムで10分間
1分あたり0.101グラムで5分間
1分あたり0.140グラムで5分間
1分あたり0.172グラムで5分間
1分あたり0.199グラムで5分間
1分あたり0.224グラムで5分間
1分あたり0.243グラムで5分間
1分あたり0.261グラムで5分間
1分あたり0.275グラムで5分間
1分あたり0.286グラムで10分間
1分あたり0.307グラムで10分間
1分あたり0.321グラムで10分間
1分あたり0.330グラムで10分間
1分あたり0.337グラムで5分間
1分あたり0.284グラムで5分間
1分あたり0.240グラムで10分間
1分あたり0.172グラムで10分間
1分あたり0.124グラムで10分間
1分あたり0.087グラムで10分間
1分あたり0.064グラムで30分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0072】
比較例C11
次の供給速度および時間で実施例1を繰り返した:
モノマーコフィード#1:1分あたり1.86グラムで90分間
モノマーコフィード#2:
1分あたり0.23グラムで10分間
1分あたり0.44グラムで5分間
1分あたり0.61グラムで5分間
1分あたり0.75グラムで5分間
1分あたり0.87グラムで5分間
1分あたり0.98グラムで5分間
1分あたり1.06グラムで5分間
1分あたり1.14グラムで5分間
1分あたり1.20グラムで5分間
1分あたり1.25グラムで10分間
1分あたり1.34グラムで10分間
1分あたり1.40グラムで10分間
1分あたり1.44グラムで10分間
1分あたり1.47グラムで5分間
1分あたり1.24グラムで5分間
1分あたり1.05グラムで10分間
1分あたり0.75グラムで10分間
1分あたり0.54グラムで10分間
1分あたり0.38グラムで10分間
1分あたり0.28グラムで10分間
1分あたり0.20グラムで10分間
1分あたり0.14グラムで10分間
開始剤コフィード
1分あたり0.053グラムで10分間
1分あたり0.101グラムで5分間
1分あたり0.140グラムで5分間
1分あたり0.172グラムで5分間
1分あたり0.199グラムで5分間
1分あたり0.224グラムで5分間
1分あたり0.243グラムで5分間
1分あたり0.261グラムで5分間
1分あたり0.275グラムで5分間
1分あたり0.286グラムで10分間
1分あたり0.307グラムで10分間
1分あたり0.321グラムで10分間
1分あたり0.330グラムで10分間
1分あたり0.337グラムで5分間
1分あたり0.284グラムで5分間
1分あたり0.240グラムで5分間
1分あたり0.172グラムで5分間
1分あたり0.124グラムで10分間
1分あたり0.087グラムで10分間
1分あたり0.064グラムで10分間
1分あたり0.046グラムで10分間
1分あたり0.032グラムで10分間
1分あたり0.023グラムで5分間
鎖調節剤:1分あたり0.511グラムで90分間
【0073】
実施例12
前記実施例のそれぞれにおいて、すべてのコフィードの終了後直ちに、保持期間の間にサンプルを取り出した。各サンプルをジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)モノマーの濃度に関してプロトンNMRにより分析した。量はポリマー固形分の合計重量基準のモノマーの重量パーセントとして記載する。ゲル透過クロマトグラフィーによりコポリマーに関して測定された重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および多分散性(PD)も記載する。結果は次の通りである:
【0074】
【表1】

【0075】
本発明の実施例は、比較例よりも低い残留DADMAC、低いMw、および低いPDを有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーを製造する方法であって;
(a)添加速度を減少させつつ、少なくとも1種の低反応性モノマーを反応容器に添加する工程;
(b)反応容器に少なくとも1種の高反応性モノマーを添加する工程、
(i)ここにおいて、高反応性モノマーの全重量基準で、高反応性モノマーの全ての1重量%未満の高反応性モノマーが、前記工程(a)の開始前に反応容器に添加され、および
(ii)高反応性モノマーの全重量基準で、高反応性モノマーの全ての少なくとも重量で半分の高反応性モノマーが、前記工程(a)の完了前に反応容器に添加される;並びに
(c)前記工程(a)の完了前に少なくとも1種の鎖調節剤を反応容器に添加する工程:を含み、
反応容器における条件が低反応性モノマーおよび高反応性モノマーの重合を引き起こす間に、前記工程(a)、(b)、および(c)が行われる、ポリマーを製造する方法。
【請求項2】
高反応性モノマーの添加の期間が、低反応性モノマーの添加の期間よりも長い請求項1記載の方法。
【請求項3】
高反応性モノマーの添加速度が増大し、次いで減少する請求項1記載の方法。
【請求項4】
第一の低反応性モノマーが反応容器に添加された後に、鎖調節剤の一部または全部が反応容器に添加される請求項1記載の方法。
【請求項5】
反応容器における重合を引き起こす前記条件が、低反応性モノマーが反応容器に添加されるのと同時に開始剤を反応容器に添加することを含む方法により確立される請求項1記載の方法。
【請求項6】
低反応性モノマーが少なくとも1種のジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物を含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
ジアリルジアルキルアンモニウム第四化合物がジアリルジメチルアンモニウムクロリドを含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
高反応性モノマーがアクリル酸もしくはメタクリル酸またはその混合物を含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたはその混合物を反応容器に添加する工程をさらに含む請求項8記載の方法。

【公開番号】特開2007−231276(P2007−231276A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−51274(P2007−51274)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】