説明

反転式測定ベルトコンベア

ベルト移動方向に進むコンベアベルト上で物品を測定するためのコンベアおよび方法。ベルトの物品支持ローラが、上流加速ゾーンを画定する静止支持表面によって作動され、物品をコンベアベルトに沿って前方に加速する。コンベアベルトよりも速い速度でベルト移動方向に進む起動ベルトが、下流減速ゾーンにおいてベルト移動方向と反対に回転するようにベルトローラを作動する可動支持表面を提供する。コンベアベルトはまた、規則的に離間された格納可能なフライトを有し、フライトは、加速ゾーンでの静止支持表面との接触によって格納され、減速ゾーンでの可動支持表面との接触によりブロック位置に延出する。減速ゾーンの物品は、フライトの前面に対して測定位置までローラの上で後方に押される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に動力駆動式コンベアに関し、詳細には、選択的に上げられかつ規則的に離間されたフライトに対して、搬送される物品を後方に移動させて位置決めするように作動可能なローラを備えたコンベアベルトを使用するコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアベルト上で物品を規則的なまたは既知の位置に離して離間し、物品の一定した規則的な供給を提供することがしばしば必要である。搬送される物品を離して離間する装置の一例が、2008年10月30日に公開されたMatthew L.Fourneyの米国特許出願公開第2008/0264757A1号明細書「Systems and Methods for Providing an Improved Timing Conveyorに記載されている。この装置において、コンベアベルトは、ベルト上の規則的な間隔で配置された格納可能なフライトの後面に物品が到達するまで、ローラ上の搬送物品を前方に加速するように作動可能なローラを使用する。この方法において、物品は各々フライトの背後でローラに載った状態でベルト上で離され規則的に離間される。しかし、このコンベアにおいて、物品を前方に押す唯一の力は、ローラによって与えられる。物品に、特定の加工を経る時にかかり得るような、前進運動に対する十分な抵抗がかかる場合、物品はローラ上で滑り、速度を落とし、さらには止まる可能性さえあり、それは規則的な離間に影響を及ぼし、また加工工程の精度を落としかねない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具現化するコンベアの1つの変形は、上流端部から下流端部までベルト移動方向に第1の速度で運搬経路に沿って進むコンベアベルトを備える。コンベアベルトは、外側搬送側と、反対の内側とを含む。外側搬送側および反対の内側の外方に延在する物品支持ローラが、ベルト移動方向と垂直な軸を中心に回転するように配置されている。フライトが、コンベアベルトの長さに沿って離間された地点に配置されている。各フライトは、コンベアベルトの内側の外方に延在する作動要素と、ストッパとを備える。ストッパは、外側搬送側の外方に延在するローラの高さ以下の格納位置と、ローラの高さを越える高さまで外側搬送側から外方に延在するブロック位置との間で動くことができる。運搬経路の部分においてコンベアベルトの下に横たわる起動ベルトが、コンベアベルトの内側でローラおよびフライトの作動要素と接触する可動支持表面を提供する。起動ベルトは第1の速度よりも速い第2の速度でベルト移動方向に進む。これにより、フライトはブロック位置に動かされ、かつ、ローラは搬送側においてベルト移動方向と反対に回転させられ、ローラの上に支持されている物品を、ブロック位置にあるストッパに対してベルト移動方向と反対に押す。
【0004】
本発明の別の態様において、物品をコンベアベルト上で測定する方法が、(a)ベルト移動方向に運搬経路に沿って進むコンベアベルトの長さに沿って離間された地点において、ストッパを、運搬経路の下流部分において、下げられた格納位置からブロック位置に上げるステップと、(b)コンベアベルトがベルト移動方向に進む時、ベルト移動方向と反対にコンベアベルトのローラを回転させることによって、ブロック位置にあるストッパに対して物品をコンベアベルトのローラの上で後方に押すステップとを含む。
【0005】
本発明のこれら態様および特徴は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照することによってさらによく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の特徴を具現化するコンベアの1つの変形の側面図である。
【図2】図2は、図1のコンベアで使用可能なコンベアベルトの1つの変形の一部の等角図である。
【図3】図3は、図1のようなコンベアの上流加速ゾーンの拡大側面図である。
【図4】図4は、図1のようなコンベアの下流減速ゾーンの拡大側面図である。
【図5】図5は、減速ゾーンの下流に第2加速ゾーンを有する、本発明の特徴を具現化するコンベアの別の変形の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を具現化する測定コンベアが図1に示される。コンベア10は、下流端部14で駆動スプロケットの周囲に、および上流端部15で従動スプロケットの周囲に巻かれるエンドレスコンベアベルト12を備える。スプロケットは、矢印16、17で示される方向にシャフト(図示せず)を中心に回転し、ベルトをベルト移動方向20に上側運搬経路18に沿って第1の速度で駆動する。
【0008】
コンベアベルトは、ベルト移動方向20に対して垂直な軸を中心に回転するように配置された複数のローラ22を備える。ローラは、ベルト12の外側搬送側24および反対の内側25の外方に突出する。コンベアベルトはまた、その長さに沿って規則的な間隔28にフライト26を備える。各フライトは格納可能であり、ストッパ30を含む。ストッパ30は、ベルトの搬送側においてローラから外方に出るブロック位置と、ローラの高さよりも低い、下げられた格納位置との間で動くことができる。各フライトはまた、ストッパ30の反対側でコンベアベルトの内側の外方に延在する作動要素32を含む。
【0009】
図1のようなコンベアで使用可能なベルトの一例を図2に示す。示されているベルトの部分は、米国のIntralox,L.L.C(Harahan,Louisiana)によって製造・販売されているINTRALOX(登録商標)900シリーズ・事前結合モジュラープラスチックコンベアベルトである。示されているベルト部分34は、3つのベルトモジュール列36を含み、それらは隣接する列の交互に配置されたヒンジ要素39に挿入されるヒンジピン38によって、ヒンジジョイント37において連結されている。この例において、ローラ22がヒンジピンに取り付けられており、ヒンジピンがローラの回転軸40を定めている。フライト26の作動要素32が、列の間のヒンジロッドに回転可能に取り付けられている。作動要素は、ローラ22と構造が同じで同一の半径を有する回転表面42を有する。作動要素は、横方向においてフライトの底側43に当接しており、低トルク起動システムで作動要素によってフライトを回転させる。図2の格納可能なフライト26は、下げられた格納位置で示されている。フライトのストッパ部分30の窓44が、ベルト移動方向20においてフライト前方のローラを収容する。この方法において、ローラは、完全に格納されたストッパ30よりもさらに外方へ搬送側24から延在している。フライトは、フライトの構造とベルトの構造との間で妨害することによって、ストッパがベルトの搬送側平面に対して概ね垂直である起き上がったブロック位置を越えて回転しないようにされる。
【0010】
図2のコンベアベルトは、図1のコンベアで使用可能なベルトの適正な一例を表している。しかし、他のベルト構造を使用してもよい。例えば、回転軸は、ヒンジピンの代わりに専用の軸で定めてもよい。そして、ローラは図2のように細長い必要はなく、ベルト幅を越えた長さにわたり取り付けてもよい。作動要素は、図1のような一体構造でストッパと一緒に形成してもよい。さらに、フライトは、窓が形成されない状態で格納される時にローラを妨害しないようにサイズ決めされて配置されてもよい。
【0011】
図1において示されるフライト26のストッパ30は、下側戻り経路19から従動スプロケットを周って運搬経路18の上流端部15へ前進する時、延出したブロック位置にある。コンベアの上流部分でコンベアベルト12の下に横たわる静止した摩擦床46が、静止した支持表面48を提供し、コンベアベルトがベルト移動方向20に進む時に、支持表面上をベルトローラ22が回転する。図3にも示されるように、静止支持表面上に乗る物品支持ローラ22が、矢印50によって示されるように、それらの軸を中心に回転する。これにより、ローラ上に支持されている物品52が、運搬経路に沿ってコンベアベルトの速度Vの2倍である速度Vで前方に加速される。(速度は、本明細書で使用する際、静止した、接地した観察者に相対的である。)この上流加速ゾーンにおいて、コンベアベルトに送給された先行物品は、後続物品からの距離間隔を増大する。摩擦床の支持表面は、フライト26の作動要素32とも係合する。ローラと同様、作動要素は、コンベアベルトの内側25の外方に延在する。回転またはカム表面42が、静止した支持表面48と接触する時、フライトは矢印54で示されるようにその軸の周りを前方へ、下げられた格納位置まで回動する。ストッパ30は、ローラ22の最上地点の接線によって定められるローラ高さ58以下である高さ56にある。この方法において、ストッパは、上流加速ゾーンでの物品52の前方への加速を妨害しない。
【0012】
起動ベルト60は、図1に示すように、運搬経路18の下流ゾーンにおいて、ローラ22およびフライト26の作動要素32に対する可動支持表面62を提供する。起動ベルトは、上流の静止した摩擦床なしで使用してもよい。コンベアベルト12と同様に、起動ベルト60はその上側走行においてベルト移動方向20を進む。(用語「可動」は、本明細書において、支持表面がベルト移動方向に沿って進むことができることを意味するものとして使用され、反対に「静止」は支持表面がベルト移動方向に進めないことを意味する。)フラットトップ形モジュラープラスチックベルトまたは高摩擦外側表面を有するフラットベルトとして実現されてもよい起動ベルトは、たとえば、両端において矢印64、65で示されるように、駆動および従動プーリ、スプロケット、またはドラムの周囲に巻かれる。図4にも図示されるように、起動ベルトは、コンベアベルトの速度Vよりも速い、例えば50%速い速度Vで上側走行に沿って駆動される。これにより、可動支持表面62に乗っているベルト内のローラ22は、矢印66によって示されるように、ベルト移動方向20と反対に回転させられる。(本明細書を通して使用される際、ローラ回転方向とは、運搬経路に沿った最上地点68におけるローラの接線速度の方向を呼ぶ。)加速ゾーンのローラが、起動ベルトと接触するローラと反対に回転するために、それらは物品を減速する。その結果、起動ベルトが減速ゾーンを画定する。フライト26の作動要素32と、ベルト移動方向に進む可動支持表面との間の接触が、矢印70で示されるようにフライトも回転させ、ストッパ30をローラ高さ58よりも上のブロック位置に上げる。後方に回転するローラ22が、ブロック位置にある後続ストッパの前面72に対して物品を(コンベアベルトの搬送側に関して)後方に押す。ブロックしているフライトと一回接触すると、物品はコンベアベルトの速度Vでフライトとともに前方に進む。回転しているローラはブロックされた物品の底部を単に滑っている。従って、コンベアは物品を反転して測定し、連続した個々の物品52をフライトの地点によって定められた規則的な間隔28に離す。さらに、ブロック位置にあるフライトは、ある外力からの抵抗によって物品がさらに後方に押されるのを防ぐ。
【0013】
本発明の特徴を具現化する別のコンベアが図5に示される。コンベア74は、起動ベルト60の範囲によって画定される減速ゾーンの下流に第2の加速ゾーン76を増設する。第2の加速ゾーンの長さは、上側静止支持表面80を提供する第2摩擦床78の長さによって画定される。この第2の加速ゾーンは上流加速ゾーンと同じように働き、フライト26を格納位置まで下げ、ローラ22をベルト移動方向20の方向に前方に回転させ、物品52を前方に加速し、それらの距離間隔を増大する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアであって、
上流端部から下流端部までベルト移動方向に第1の速度で運搬経路に沿って進むコンベアベルトであって、
外側搬送側、および反対の内側と、
前記外側搬送側および前記反対の内側の外方に延在し、前記ベルト移動方向と垂直な軸を中心に回転するように配置された複数の物品支持ローラと、
前記コンベアベルトの長さに沿って離間された地点に配置された複数のフライトであって、前記コンベアベルトの内側の外方に延在する作動要素、および、前記外側搬送側の外方に延在する前記ローラの高さ以下の格納位置と、前記外側搬送側から前記ローラの高さを越える高さまで外方に延在するブロック位置との間で動くことができるストッパを各々が含むフライトと、
を含むコンベアベルトと、
前記運搬経路の部分において前記コンベアベルトの下に横たわり、前記コンベアベルトの内側で前記ローラおよび前記フライトの前記作動要素と接触する可動支持表面を提供する起動ベルトであって、前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記ベルト移動方向に進み、前記フライトを前記ブロック位置に移動させ、前記ローラを前記搬送側において前記ベルト移動方向と反対に回転させ、前記ローラの上に支持されている物品を前記ベルト移動方向と反対に、前記ブロック位置にある前記ストッパに対して押す起動ベルトと、
を備えることを特徴とするコンベア。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベアにおいて、前記作動要素が、前記ストッパの反対側に回転表面を備えることを特徴とするコンベア。
【請求項3】
請求項1に記載のコンベアにおいて、前記起動ベルトの上流の前記運搬経路の部分において前記コンベアベルトの下に横たわり、前記内側の外方に延在する前記ローラと接触し、前記ローラを前記外側搬送側において前記ベルト移動方向に回転させ、および前記フライトの作動要素と接触して前記ストッパを前記格納位置に押しやる、静止支持表面をさらに備えることを特徴とするコンベア。
【請求項4】
請求項3に記載のコンベアにおいて、前記起動ベルトの下流の前記運搬経路において前記コンベアベルトの下に横たわり、前記フライトの前記作動要素と接触して前記フライトを前記格納位置に押しやり、および前記コンベアベルトの前記内側の外方に延在する前記ローラと接触して前記ローラを前記外側搬送側において前記ベルト移動方向に回転させ、前記ベルト移動方向において前記コンベアベルトの長さに沿って、支持されている物品を加速する、第2の静止支持表面をさらに備えることを特徴とするコンベア。
【請求項5】
コンベアベルト上の物品を測定する方法であって、
ベルト移動方向において運搬経路に沿って進む前記コンベアベルトの長さに沿って離間された地点において、ストッパを、前記運搬経路の部分において、下げられた格納位置からブロック位置に上げるステップと、
前記コンベアベルトが前記ベルト移動方向に進む時、前記コンベアベルトのローラを前記ベルト移動方向と反対に回転させることによって、前記物品を前記ブロック位置にある前記ストッパに対して前記コンベアベルトの前記ローラ上で後方に押すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記コンベアベルトの速度よりも速い速度で前記コンベアベルトの内側に沿って前記ローラと接触する、前記ベルト移動方向に動く可動支持表面を提供することによって前記物品を後方に押すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、
前記コンベアベルトが進むとき、前記ベルト移動方向に前記ローラを回転させることによって、前記運搬経路の上流部分において、前記コンベアベルトの前記ローラ上で物品を前方に加速するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記運搬経路のさらに下流の部分において前記ストッパを下げるステップと、
前記コンベアベルトが進む時、前記ローラを前記ベルト移動方向に回転させることによって、前記さらに下流の部分において前記ローラ上で前記物品を前方に加速するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−517192(P2013−517192A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548969(P2012−548969)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2011/020179
【国際公開番号】WO2011/087937
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】