説明

収納ボックス

【課題】操作しやすく、且つ部品点数が少ない、スライド開閉式の収納ボックスを提供する。
【解決手段】リッド2のベース部材5は、ボックス本体1に前後方向に延設されたスライドレール13に対向する部分に設けた挿通穴53aをもつ。ロック部材7は、挿通穴53aに貫挿されてスライドレール13に係脱可能に且つスライド可能に設けられたロックピン72,及びロックピン72の基端部に設けられた当て板部71をもつ。付勢部材8は、当て板部71とベース部材5との間に配設されて、ロック部材7をスライドレール13に係合する方向に付勢する。解除ノブ6は、ベース部材5に上下方向に揺動可能に枢支され下方に揺動させられたときにテーパ部64でロック部材7の当て板部71のテーパ部74を押接することで、付勢部材8の付勢力に抗してロックピン72をスライドレール13から脱離させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドが前後方向にスライドし且つ開閉する収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のセンターコンソールには、開閉可能なリッドを設けた収納ボックスが装着されている。収納ボックスのリッドを肘掛として利用するために、特許文献1には、肘掛に最適な位置にリッドを前後方向にスライド可能にしたものが開示されている。特許文献1の収納ボックスでは、スライドノブと開閉ノブをリッド前端部に設けている。スライドノブ及び開閉ノブはいずれも下方に付勢され、第1リンク部材及び第2リンク部材は後方に付勢されている。特許文献1の図4、図8、図6に示すように、スライドノブ(4)を上方に持ち上げると、第1リンク部材(40)が前方に引っ張られてロック部材(41)が揺動して駒(3)が付勢部材による付勢力に抗して下方に押圧される。駒(3)は、ボックス本体の左右両側に設けたガイドレール(12)の歯部(13)との係合が解除されて、リッドを前後方向にスライドさせることができる。また、開閉ノブ(5)を付勢力に抗して上方に持ち上げると、第2リンク部材(50)が前方に引っ張られ、図略の係合部とスライド部材(20)との係合が解除されてリッドの前方が開閉可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−113086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、リッドをスライドさせるスライドノブ(4)とリッドを開閉可能とする開閉ノブ(5)とが別々に設けられている。このため、操作が複雑となってしまう。
【0005】
更に、スライドノブ(4)と開閉ノブ(5)、第1及び第2リンク部材(40)、(50)、及びロック部材(41)は、それぞれ別々の付勢部材により付勢されている。このため、部品点数が多く、組み付け工数が多く、製造コストの上昇を招く要因となる。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、操作しやすく、且つ部品点数が少ない、スライド開閉式の収納ボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、開口を有するボックス本体と、該開口の後方側に設けられたヒンジ部によって支持され且つ該ヒンジ部を中心に前方側を開閉可能とするとともに、前後方向にスライド可能に該開口を覆うリッドとを有する収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口の左右方向の側方周縁部には、前記前後方向に延設されたスライドレールが設けられ、
前記リッドは、
前記スライドレールに対向する部分に設けた挿通穴及び該挿通穴と対向する位置に設けた付勢支持部をもつベース部材と、
前記挿通穴に貫挿されて前記スライドレールに係脱可能に且つスライド可能に設けられたロックピン及び該ロックピンの基端部に設けられた当て板部をもつロック部材と、
前記当て板部と前記ベース部材の前記付勢支持部との間に配設されて前記ロック部材を前記スライドレールに係合する方向に付勢する付勢部材と、
前記ベース部材に上下方向に揺動可能に枢支され下方に揺動させられたときに下方先端で前記ロック部材の前記当て板部の上方先端を押接することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロックピンを前記スライドレールから脱離させる解除部をもつ解除ノブと、とを設けており、
前記解除ノブの前記解除部の下方先端及び前記ロック部材の前記当て板部の上方先端の少なくとも一方には、テーパ部が形成されており、該解除部の下方への揺動力が解除されたときに、前記付勢部材は、該ロック部材の該当て板部を押して、前記ロックピンを前記スライドレールに係合させる方向に移動させるとともに、前記解除ノブの前記解除部を、該テーパ部に沿って上方に押し戻すことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、解除ノブに加重を加えて揺動させてその解除部を下方に変位させると、解除ノブは、付勢部材の付勢力に抗してロック部材のスライドレールとの係合を解除する。この状態でリッドを前後方向に押圧することで、リッドを前後方向にスライドさせることができ、また、リッドを上方に持ち上げることができる。
【0008】
解除ノブへの負荷を解除すると、ロック部材は、付勢部材の付勢力によってスライドレールと係合するとともに、解除ノブの解除部を、解除部の下方先端及びロック部材の当て板部の上方先端の少なくとも一方に形成したテーパ部に沿って上方に押し戻す。
【0009】
このように、本発明では、リッドは、解除ノブを操作するのみで、リッドを前後方向にスライドさせたり、また開閉させたりすることができる。また、収納ボックスは、ベ−ス部材と、解除ノブと、ロック部材と、ロック部材をスライドレールに係合させる方向に付勢する付勢部材とで構成することができる。このため、部品点数が少なく、また組み付け工数を削減できる。
【0010】
(2)前記ベース部材の前記付勢支持部の縁部には、テーパ部が形成されていることが好ましい。
この場合には、ベース部材の前記付勢支持部の縁部から、付勢部材を挿着させやすくなり、組み付け性が容易となる。
【0011】
(3)前記ロック部材の前記当て板部は、前記ロックピンの延び方向と平行に延びる支柱部が突設されており、該支柱部には、前記付勢部材が巻回されているとともに、該支柱部の先端は前記ベース部材の前記付勢支持部に当接しており、
前記ベース部材には、前記ロック部材を支持する嵌合穴が形成されていることが好ましい。
【0012】
この場合には、ベース部材に形成した嵌合穴にロック部材を嵌合させた後に、ロック部材の支柱部に付勢部材を挿着した状態で、ロック部材をベース部材の付勢支持部に当接させる。これにより、ロック部材と付勢部材とが、ベース部材に容易に且つ確実に装着される。ゆえに、組み付け作業性がよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の収納ボックスによれば、解除ノブの解除部の下方先端及びロック部材の当て板部の上方先端の少なくとも一方にテーパ部を形成している。このため、解除部の下方への揺動力が解除されたときに、テーパ部に沿って解除部が持ち上げられて、解除ノブは初期位置に戻る。ゆえに、操作しやすく、且つ部品点数が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の、リッドを開けたときの収納ボックスの斜視図である。
【図2】本実施形態の、リッドの移動可能な位置を示す収納ボックスの側面図である。
【図3】本実施形態の、スライドレールの斜視図である。
【図4】本実施形態の、リッドの分解斜視図である。
【図5】本実施形態の、クッション部材とヒンジ部材の嵌合状態を示すためのリッドの部分拡大断面図である。
【図6】本実施形態の、ベース部材、解除ノブ、ロック部材及び付勢部材の斜視図である。
【図7】本実施形態の、ベース部材の支承部に解除ノブの軸部を嵌合する支承部の斜視図である。
【図8】本実施形態の、ベース部材及び解除ノブの断面図である。
【図9】本実施形態の、ロック部材及び付勢部材の斜視図である。
【図10】本実施形態の、リッドが閉じているときの、ロック部材とスライドレールの断面図である。
【図11】本実施形態の、リッドを開けるときの、ロック部材とスライドレールの断面図である。
【図12】本実施形態の、ロック部材の支柱部を保持壁の支柱穴に嵌合するときのロック部材と保持壁の斜視図である。
【図13】本実施形態の、ロック部材の支柱部を保持壁の支柱穴に嵌合するときのロック部材と保持壁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照にして詳細に説明する。図面において、前、後、上、下、右、左は、運転席に着座した乗員から見た方向を意味する。図1、図2に示すように、本実施形態の収納ボックス10は、ボックス本体1に対して、リッド2が前後方向にスライド可能であり、また前方側からリッド2を開閉させることができるスライド開閉式収納ボックスである。収納ボックス10は、自動車のセンターコンソール19に装着されている。
【0016】
収納ボックス10は、ボックス本体1と、リッド2とを有する。ボックス本体1は、略直方体であり、その内部には、収容物を収容する開口11が形成されている。開口11の左右両側の縁部13には、前後方向に延びるスライドレール12が突設されている。図3に示すように、スライドレール12の外側面には、前方位置、中央位置、後方位置の3箇所で凹状の係止部12aが形成されている。係止部12aの間には、緩やかな弧状に湾曲して窪む滑走部12bが形成されている。
【0017】
図4に示すように、リッド2は、クッション部材3と、ヒンジ部材4と、ベース部材5と、解除ノブ6とを有する。クッション部材3は、ボックス本体1の上部全体を覆う大きさであり、比較的軟質の樹脂部材を用いて作製されている。
【0018】
ヒンジ部材4は、平板部41と、平板部41の両側部に突出する係合部43と、平板部41の後方側の左右両側部から下方に突出する腕部42と、腕部42の後端に設けた回動部44とを有する。平板部41は、クッション部材3の後方側の裏面に配置されている。図4、図5に示すように、係合部43は、クッション部材3の裏面の窪んだ部分の両内側面に前後方向に延設したスライド部31をスライド自在となるように係合している。回動部44は、ボックス本体1の後端部の左右両側部に突出する図略の軸部に回動自在に支持されている。
【0019】
ベース部材5は、クッション部材3の裏面側に嵌合されて、図略のクリップなどで一体に固定されている。図6に示すように、ベース部材5は、前方端面に開口する窓部51と、窓部51の後方側に左右2箇所に立設された一対の支承部52と、左右両側で下方に突出し前後方向に延びる垂下壁53と、垂下壁53よりも外側で後方側に立設された保持壁54とを有する。窓部51は、長半円形状に開口する枠状部であり、上方から下方に向けてガイド部51aが突出している。
【0020】
図6、図7に示すように、一対の支承部52には、解除ノブ6を揺動自在に支持する支持穴52aと、支持穴52aの開口の前方部から延長して突出するストッパ面52bをもつ頂部52cとが形成されている。頂部52cは、支持穴52aの前方部に位置していて、その側面であるストッパ面52bを後方側に向けて突出している。支承部52の左右方向の内側面におけるストッパ面52bと支持穴52aとの間には、ストッパ面52bから支持穴52aに向けて延びるテーパ面52dが形成されている。
【0021】
解除ノブ6は、前方端部に設けた薄板状の操作部61と、操作部61よりも後方側に左右両側の外側に向けて突出する軸部62と、後方の左右両側に下方に向けて突出する解除部63とを有する。ベース部材5は、軸部62を支承部52の支持穴52aに嵌挿することでベース部材5に対して回動自在に支持されている。図7に示すように、軸部62は、ベース部材5の支承部52のストッパ面52bに当てて解除ノブ6の前後方向の位置が定まる。軸部62をストッパ面52b及び支承部52の内側面に形成されたテーパ面52dに沿って下降させると、支持穴52aに嵌合される。
【0022】
図6、図8に示すように、解除ノブ6の操作部61は、ベース部材5の窓部51に上下方向に揺動可能なスペースを確保して収容されている。操作部61の左右両側面は、解除ノブ5のガイド部51aに当接して、操作部61の上下方向の移動がガイドされる。
【0023】
解除ノブ6の解除部63の下方先端の外側面は、下方に向けて徐々に肉厚を薄くするようにテーパ部64が形成されている。解除ノブ6の中央には、小孔65が形成されていて、ベース部材5から突出する補強用の円筒リブ55を挿通させている。解除ノブ6の軸部62よりも後方側には、解除ノブ6の後方側の重量を軽減するため、肉抜き穴66が形成されている。
【0024】
ベース部材5の垂下壁53と保持壁54との間には、ロック部材7と付勢部材8とが配設されている。保持壁54は、本発明の付勢部材8を保持する付勢支持部に相当する。以下の図9〜図13における「内」、「外」は、それぞれ収納ボックスの左右方向で、収納ボックスの中心に向かう内側、収納ボックスの外方に向かう外側を意味する。
【0025】
図9に示すように、ロック部材7は、当て板部71と、当て板部71の側部に設けられ左右方向に延びるロックピン72と、当て板部71の外側に延びる支柱部73とを有する。当て板部71の外側面の下部71aは、上部71bよりも内側に窪んでおり、保持壁52との間に付勢部材8を収容するスペースを確保している。当て板部71の上方端部の内側面は、上方に向かって徐々に肉厚が薄くなるようにテーパ部74が形成されている。
図10に示すように、ロックピン72は、当て板部71を挟んで左右方向の内外両側に延びている。ロックピン72の内側先端は、ベース部材5の垂下壁53に形成された穴部53aに挿着され、更にその先端は、ボックス本体1のスライドレール12の係合部12aに係脱自在に係合している。ロックピン72の外側先端は、保持壁54に形成された嵌合穴54aに嵌合されている。
【0026】
図10、図12に示すように、支柱部73は、当て板部71の下部71aから外側に向けて延びており、支柱部73の外周面には、コイル状の付勢部材8が装着されている。そして、支柱部73の先端は、保持壁54に形成された支柱穴54bに嵌合されている。図12、図13に示すように、保持壁54の支柱穴54bの上方部の内面には、テーパ部54cが形成されている。支柱部73は、付勢部材8を装着した状態でテーパ部54cに沿わせて下降させて、支柱穴54bに嵌合させる。
【0027】
付勢部材8は、当て板部71の外面と、ベース部材5の保持壁54の内面との間で圧縮した状態で保持されて、ロック部材7をボックス本体1のスライドレール12に係合する方向に向けて付勢している。すなわち、ロック部材7は、垂下壁53と保持壁54との間で外内方向(左右方向)に移動可能に収容されており、付勢部材8によって内側方向に付勢されている。
【0028】
本実施形態の収容ボックスの作動について説明する。リッドが閉状態にあるときには、解除ノブ6の操作部61には負荷がかからない。そのため、図10に示すように、付勢部材8の付勢力によって内側に付勢されたロック部材7の当て板部71が、テーパ部74によって解除ノブ6の解除部63を上方に押し上げている。このため、図8に示すように、軸部62を挟んで解除部63と反対側に位置する操作部61は下方にさがった状態で維持される。
【0029】
リッドを閉状態から開くときには、図8の一点鎖線に示すように、操作部61を上方に押し上げる。すると、軸部62を中心に操作ノブ6は揺動して、軸部62を挟んで反対側の解除部63は押し下げられる。図11に示すように、解除部63は、その下方先端に形成されたテーパ部64で、ロック部材7の当て板部71の上方先端に形成したテーパ部74に押接して、付勢部材8の付勢力に抗してロック部材7を外側に移動させる。ロック部材7のロックピン72の内側先端が、ボックス本体1のスライドレール12の係合部12aから抜け出る。これにより、ロック部材7のスライドレール12との係合が解除される。この状態で、リッド3の前部を上方に持ち上げると、リッドの後方に設けたヒンジ部材3を回転中心に回転して、リッド2の前方が開く。
【0030】
また、リッド2をボックス本体1に対してスライドさせるときには、操作ノブ6の操作部61を上方に持ち上げると、リッドを開くときと同様に、ロック部材7のロックピン72がスライドレール12の係合部12aから抜け出る。この状態で、リッド2を前後方向に押すと、リッド2は、スライドレール12に沿って前後方向に移動する。本実施形態においては、スライドレール12の前部、中間部、及び後部の3箇所に係合部12aを形成している。ゆえに、所定の3箇所の位置で、操作部61を放すと、操作ノブ6及びロック部材7が初期位置に押し戻されて、ロック部材7のロックピン71が係合部12aと係合して、リッド2は停止する。
【0031】
スライドレール12における係合部12aと係合部12aとの間には、緩やかな弧状に窪む滑走部12bが形成されているため、ロックピン72が滑走部12bに位置するときには、ロックピン72はスライドレール12に軽く接するか、または接しない。ゆえに、ロックピン72とスライドレール12との間では摩擦抵抗が少なく、軽やかにリッド2が前後方向に移動する。複数の係合部12aに位置したときに、操作部61から手を放すと、ロック部材7及び操作ノブ6は、付勢部材8の付勢力によって初期位置に押し戻される。リッド2は、任意の位置で操作部61を上方に持ち上げて、リッド2を上方に押し上げると、リッド2を開けることができる。
【0032】
本実施形態においては、解除ノブ6の操作部61を放すと、ロック部材7は、付勢部材8によってスライドレール12と係合する。また、ロック部材7は、解除ノブ6の解除部63を、解除部63の下方先端及びロック部材7の当て板部71の上方先端に形成したテーパ部64,74に沿って上方に押し戻す。リッド2は、解除ノブ6を操作するのみで、リッド2を前後方向にスライドさせたり、また開閉させたりすることができる。したがって、リッド2の操作性がよい。
【0033】
また、ベ−ス部材5と、解除ノブ6と、ロック部材7と、ロック部材7をスライドレール12に係合させる方向に付勢する付勢部材8とでリッド2を開閉したり、前後方向にスライドさせたりすることができる。このため、部品点数が少なく、また組み付け工数を削減できる。
【0034】
また、ベース部材5の保持壁54には、上方に開口する嵌合穴54aが形成されている。嵌合穴54aにロックピン72を嵌合した後に、付勢部材8を装着した支柱部73を保持壁54の上方先端から支柱穴54bに挿着する。これにより、ロック部材7を保持壁54と垂下壁53との間に容易に組み付けることができる。
【0035】
また、保持壁54における支柱穴54bの上方先端には、テーパ部54cが形成されている。このため、テーパ部54cに支柱部73の先端を当てながら支柱部73を下降させることにより支柱部73が支柱穴52bに嵌合する。したがって、ロック部材7及び付勢部材8を容易且つ確実に、保持壁54に組み付けることができる。
【0036】
また、ベース部材5に解除ノブ6を組み付けるときには、ベース部材5の支承部52のストッパ面52bに操作ノブ6の軸部62を前方側から当てる。解除ノブ6は、ストッパ面52bで前後方向の位置が定まる。その状態で、操作ノブ6の軸部62をストッパ面52b及びテーパ面52dに沿って下方に移動させると、ストッパ面52bの下方に形成された支持穴52aに軸部62が嵌合される。ゆえに、操作ノブ6をベース部材5に組み付けやすくなる。
【0037】
また、図6に示すように、ベース部材5の中央にスプリングを配設せずに、ロック部材7に付勢部材8を設けることによって、安定に解除ノブ6をベース部材5に保持することができる。ゆえに、解除ノブ6の組み付け性がよい。
【符号の説明】
【0038】
1:ボックス本体、2:リッド、3:クッション部材、4:ヒンジ部材、5:ベース部材、6:解除ノブ、7:ロック部材、8:付勢部材、10:収納ボックス、11:開口、12:スライドレール、13:側方周縁部、51:窓部、52:支承部、52a:支持穴、52b:ストッパ面、52d:テーパ面、53:垂下壁、54:保持壁、54a:嵌合穴、54b:支柱穴、54c:テーパ部、61:操作部、62:軸部、63:解除部、64:テーパ部、71:当て板部、72:ロックピン、73:支柱部、74:テーパ部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するボックス本体と、該開口の後方側に設けられたヒンジ部によって支持され且つ該ヒンジ部を中心に前方側を開閉可能とするとともに、前後方向にスライド可能に該開口を覆うリッドとを有する収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口の左右方向の側方周縁部には、前記前後方向に延設されたスライドレールが設けられ、
前記リッドは、
前記スライドレールに対向する部分に設けた挿通穴及び該挿通穴と対向する位置に設けた付勢支持部をもつベース部材と、
前記挿通穴に貫挿されて前記スライドレールに係脱可能に且つスライド可能に設けられたロックピン及び該ロックピンの基端部に設けられた当て板部をもつロック部材と、
前記当て板部と前記ベース部材の前記付勢支持部との間に配設されて前記ロック部材を前記スライドレールに係合する方向に付勢する付勢部材と、
前記ベース部材に上下方向に揺動可能に枢支され下方に揺動させられたときに下方先端で前記ロック部材の前記当て板部の上方先端を押接することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロックピンを前記スライドレールから脱離させる解除部をもつ解除ノブと、とを設けており、
前記解除ノブの前記解除部の下方先端及び前記ロック部材の前記当て板部の上方先端の少なくとも一方には、テーパ部が形成されており、該解除部の下方への揺動力が解除されたときに、前記付勢部材は、該ロック部材の該当て板部を押して、前記ロックピンを前記スライドレールに係合させる方向に移動させるとともに、前記解除ノブの前記解除部を、該テーパ部に沿って上方に押し戻すことを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
前記ベース部材の前記付勢支持部の縁部には、テーパ部が形成されている請求項1記載の収納ボックス。
【請求項3】
前記ロック部材の前記当て板部は、前記ロックピンの延び方向と平行に延びる支柱部が突設されており、該支柱部には、前記付勢部材が巻回されているとともに、該支柱部の先端は前記ベース部材の前記付勢支持部に当接しており、
前記ベース部材には、前記ロック部材を支持する嵌合穴が形成されている請求項1又は請求項2に記載の収納ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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