説明

収納缶並びにその製造方法

【課題】シーム溶接により形成される段差により固定縁部の塗装の剥離を防止する。
【解決手段】円筒状にロールフォーミング成型された鋼板27の両周端部28を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶であって、最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部11と、固定縁部11の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビード12とを備え、更に上から積み重ねる一の当該収納缶1におけるビード12に、下側から受ける他の当該収納缶1における固定縁部11を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、ビード12は、少なくともシーム溶接された周端部28において外側への突出量が低減されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋼製ペール缶などの開口部を有する収納缶並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上部に開口部を有し、該開口部をリングパッキンを挟んで蓋で密閉可能なペール缶などの収納缶55は、図11に示すように容器本体の開口部縁を外側に巻き込み突出形成した湾曲形状の蓋固定縁部62が設けられ、固定縁部62の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビード61が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
実際にこのような収納缶62は、図12に示すように、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板57の両周端部58を互いにシーム溶接して構成されており、缶底部に地板が巻締められ、さらにその表面には、防食用の塗装が被覆されることになる。また、この収納缶62は、互いに上下に積み重ね可能に構成されており、具体的には図11(b)に示すように、上から積み重ねる収納缶55aにおけるビード61aに、下側から受ける他の収納缶55bにおける固定縁部62bを係止させることによりこれを実現することが可能となる。
【特許文献1】特開2000−177765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような収納缶62では、上述の如きシーム溶接がなされることにより、缶の本体表面には外側に向けた段差63が突出することになる。このような段差63が形成されている状態で、互いに上下方向に積み重ねるとき、段差63が、固定縁部62bの内側に接触し、これらが擦れた状態で挿入される結果、固定縁部62bの内側の塗装がかかる段差63により削り取られてしまう。
【0005】
また、この収納缶62は、互いに上下に積み重ねた状態とされた上でこれをトラックの荷台に積み込んで搬送されることになるが、搬送時におけるトラックの揺れに応じて、定縁部62bの内側の塗装がかかる段差63により更に削り取られてしまう。このため、かかる塗装の剥離により、防食の完全化を図ることができなくなるという問題点があった。
【0006】
なお、従来においてこの段差63による塗装の剥離を防止するため、ポリエチレンや、ポリ塩化ビニル等の保護シートをこの塗装の上に被覆することにより疵の発生を防止する方法も提案されている。しかし、この保護シートを被覆する方法は、作業工程が増加し、製造コスト上昇を免れることができないという問題点があった。また、このような化学物質からなる保護シートが被覆された収納缶62を廃棄する際に、環境面において問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接して構成されている収納缶において、互いに上下方向に積み重ねるとき、当該シーム溶接により形成される段差により固定縁部の塗装の剥離を防止することが可能とし、さらに製造労力の負担を軽減し、廃棄時において環境への負担を軽減させることが可能な収納缶並びにその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶において、最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部と、上記固定縁部の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビードとを備え、更に上から積み重ねる一の当該収納缶における上記ビードに、下側から受ける他の当該収納缶における上記固定縁部を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出量が低減されてなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出が除去されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶において、最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部と、上記固定縁部の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビードとを備え、更に上から積み重ねる一の当該収納缶における上記ビードに、下側から受ける他の当該収納缶における上記固定縁部を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出位置をそのまま上方へシフトされてなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、互いに上下に積み重ねる場合において、上記ビードは、少なくともそのシーム溶接された周端部が他の当該収納缶における上記固定縁部と非接触となるように、上記外側への突出量が低減されてなることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、鋼板を円筒状にロールフォーミング成型し、その鋼板の両周端部を互いにシーム溶接し、少なくとも缶底部に地板を巻締めることにより製造する収納缶の製造方法において、最上部に位置する開口部を外側に巻き込むことにより湾曲形状の固定縁部を突出形成する固定縁部形成工程と、突起が形成されたビードセグメントを上記固定縁部の下段において内側から外側へ向けて押圧することにより、湾曲形状のビードを外側に突出形成するビード形成工程とを有し、上記ビード形成工程では、外側への突出量がより低減された突起を有するビードセグメントを、少なくとも上記シーム溶接された周端部のみに対して押圧することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項3記載の発明において、上記ビード形成工程では、外側への突出量が低減されてなるとともに更に下側から縮径されてなる突起を有するビードセグメントを少なくとも上記シーム溶接された周端部のみに対して押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成を採用する本発明では、収納缶を互いに上下方向に積み重ねるとき、シーム溶接により形成される段差により固定縁部の塗装の剥離を防止することが可能となる。また、この収納缶は、互いに上下に積み重ねた状態とされた上でこれをトラックの荷台に積み込んで搬送される場合においても、搬送時におけるトラックの揺れに応じて、固定縁部の塗装がかかる段差により更に削り取られてしまうことも防ぐことができ、ひいては、防食の完全化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、鋼製ペール缶などの開口部を有する収納缶について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
本発明を適用した収納缶1は、図1、2に示すように、最上部に位置する開口部外側に形成された固定縁部11と、固定縁部11の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビード12とを備え、缶底部には地板13が巻き締められて構成されている。
【0017】
固定縁部11は、外側に巻き込み突出形成されてなり、湾曲形状を有する。ビード12も同様に湾曲形状を有する。また、この収納缶1は、表面において防食用の塗装が被覆されており、例えばエポキシ内面コート等が施されている。
【0018】
実際にこのような収納缶1は、図3に示すように、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板27の両周端部28を互いにシーム溶接して構成されている。その結果、缶の本体表面には外側に向けた段差33が突出することになる。
【0019】
このような収納缶1は、互いに上下に積み重ね可能に構成されており、具体的には図4、5に示すように、上から積み重ねる収納缶1aにおけるビード12aに、下側から受ける他の収納缶1bにおける固定縁部11bを係止させることによりこれを実現することが可能となる。ビード12aは外側に突出されているとともに、湾曲形状を有し、またこれを受ける固定縁部11bも開口部外側において湾曲形状とされていることから、これらは互いにかつ容易に係止させることが可能となる。
【0020】
図6は、図4でいう箇所Aにおける係止部分の拡大断面図を示している。この箇所Aにおいては、収納缶1aにおけるビード12aに、収納缶1bにおける固定縁部11bを直接接触させて係止させている。
【0021】
図7は、図4でいう箇所Bにおける係止部分の拡大断面図を示している。この箇所Bは、収納缶1aの両周端部28においてシーム溶接に伴う段差33が形成されている。本発明を適用した収納缶1では、少なくとも上記シーム溶接された周端部28の、段差33が形成されている箇所において、ビード12aにおける外側への突出量を低減させている。実際のこの低減量は、収納缶1を互いに上下に積み重ねる場合において、少なくともそのシーム溶接された周端部28(段差33)が相手側の固定縁部11と非接触となる程度とされていることが望ましい。その結果、図7に示すように、ビード12a上に位置する段差33が固定縁部11bに接触することがなくなる。
【0022】
このような構成を採用する本発明では、収納缶1を互いに上下方向に積み重ねるとき、シーム溶接により形成される段差33により固定縁部11の塗装の剥離を防止することが可能となる。また、この収納缶1は、互いに上下に積み重ねた状態とされた上でこれをトラックの荷台に積み込んで搬送される場合においても、搬送時におけるトラックの揺れに応じて、固定縁部11の塗装がかかる段差33により更に削り取られてしまうことも防ぐことができ、ひいては、防食の完全化を図ることが可能となる。
【0023】
次に上述した構成からなる収納缶1の製造方法について説明をする。
【0024】
図8に示すように、先ずステップS11において鋼板の端面を切断することにより、寸法を整える。次にステップS12においてロールフォーミング成形を施す。即ち、鋼板を規定の径からなる円筒に成型する。次にステップS13において、鋼板の両周端部28をシーム溶接する。次にステップS14において溶接により酸化された部分を錆の発生から防止する、いわゆるサイドシーム補修を施す。
【0025】
ステップS15において円筒の真円を保持しながら拡開させる。次にステップS16において最上部に位置する開口部を外側に巻き込むことにより湾曲形状の固定縁部11を突出形成する。
【0026】
次にステップS17においてビードを成型する。このビード成型においては、図9に示すようなビード成型機3を利用する。このビード成型機3では、円筒状にされている鋼板を、12個で構成されるビードセグメント31へ挿入する。その後、これらビードセグメント31を外側へと徐々に拡径させる。ビードセグメント31の断面構成は、例えば図10に示すように、形成すべきビード12に対応させた突起32が形成されている。
【0027】
突起32の形状は、湾曲形状とされている。このような突起32を有するビードセグメント31を外側へと拡径させることにより、当該突起32を鋼板に対して押圧させることが可能となる。そして、この突起32の湾曲形状に応じたビード12が形成されることになる。
【0028】
ちなみに、このステップS17においては、シーム溶接された周端部28(段差33)を押圧するビードセグメント31aと、当該周端部28以外の箇所を押圧するビードセグメント31b間で、突起32の形状を互いに異ならせている。
【0029】
図10中一点破線で示されるビードセグメント31aの突起32aは、点線で示されるビードセグメント31bの突起32bよりも、外側への突出量がより低減されている。このような突起32aからなるビードセグメント31aにより周端部28(段差33)を押圧すると、当該箇所におけるビード12aにおける外側への突出量を低減させることが可能となり、シーム溶接された周端部28(段差33)が相手側の固定縁部11と非接触となるように構成することができる。
【0030】
なお、ビードセグメント31aの突起32aは、図10中実線で示されるように更に下側から縮径されていることが望ましい。このとき、突起32aの上面は、突起32bと同等とした上で、あえて突起32aの下面の高さを高くし、突起32a全体としては縮径された形状とされている。
【0031】
このようにして突起32aの突出量を低減させるとともに更に下側から縮径させることにより、この突起32aを鋼板に対して押圧したときに、この突起32aの下面の高さに応じて鋼板が変形することになる。これは突起32aの下面の高さを高くしておくことにおり、押圧時に鋼板がこれについていこうとする力が作用することによるものである。このような変形を起こさせることにより、シーム溶接された周端部28の、段差33が形成されている箇所において、ビード12aにおける外側への突出量、突出形状を最適化させることができる。
【0032】
突起32aの上面を、他の突起32bの上面と同等としている理由は、意匠上、外観上の理由である。即ち、シーム溶接された周端部28の、段差33が形成されている箇所において、ビード12全体が上側にシフトしていると見た目を劣化させてしまうためである。
【0033】
このステップS17においてビード12を形成させた後、ステップS18において缶底部には地板13を巻き締め、各種検査を行った後に取手を付けて完成となる。
【実施例1】
【0034】
上述した効果を確認するため、以下に説明する実験を行っている。
【0035】
試験用の収納缶1としては、板厚0.40mm、エポキシ粉体内面コートが施され、内容量20l、重量1.4kg、鋼板27の両周端部28におけるシーム溶接ラップ幅0.6mmであり、ビード12の形状としては、上述した実施の形態に示すような湾曲形状からなるものを利用している。
【0036】
試験方法としては、以下に説明する比較例、本発明例1、本発明例2、本発明例3−1、本発明例3−2、本発明例3−3について、それぞれ試験用の収納缶1を50缶製造する。次に、製造した収納缶1を10段に亘り積み重ねる。次に、4トントラックの荷台にこの10段に亘り積み重ねた収納缶1を運転席側の最前列に横5列に亘り配置する。その後、この4トントラックを500km走行させ、振動による収納缶1の内面疵の有無を目視により確認する。
【0037】
本発明例1では、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を図13(a)に示すように無くし、外側への突出を除去することが可能となり、シーム溶接された周端部28(段差33)が相手側の固定縁部11と非接触となるように構成している。なお比較例は、当該周端部28以外の箇所を押圧するビードセグメント31bの突起32bの形状を示しており、R3からなる半円形状で構成される。
【0038】
本発明例2では、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を図13(b)に示すように、外側への突出位置をそのまま上方へシフトすることにより、シーム溶接された周端部28(段差33)が相手側の固定縁部11と非接触となるように構成している。
【0039】
本発明例3−1では、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を図13(c)に示すように、内側へ0.5mm削り取ったものである。
【0040】
本発明例3−2では、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を図13(c)に示すように、内側へ0.5mm削り取り、さらにその下面を上側に向けて1.0mm削り取ったものである。
【0041】
本発明例3−3では、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を図13(c)に示すように、内側へ0.5mm削り取り、さらにその下面を上側に向けて2.0mm削り取ったものである。
【0042】
表1は、比較例、本発明例1、本発明例2、本発明例3−1、本発明例3−2、本発明例3−3についての試験結果を示している。
【0043】
【表1】

【0044】
表1における○は、振動による収納缶1の内面疵が発見されなかった場合を示しており、△は、比較的小さな内面疵が発見された場合を示しており、さらに×印は、比較的大きな内面疵が発見された場合を示している。
【0045】
この表1による結果から、比較例は収納缶1の内面疵が最も付きやすいことが示されている。これに対して本発明例は何れも収納缶1の内面疵が付きにくいことが示されている。
【0046】
本発明例の中で比較したとき、疵の付きにくさだけに着目した場合に、本発明例1、2、3−3が最も優れていることが分かった。
【0047】
即ち、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32を無くし、非接触空間を作り出した本発明例1では、内面において疵が付くのを効果的に防ぐことが可能となる。更に、シーム溶接部分のビードセグメント31aにおける突起32をそのまま上方へシフトさせた本発明例2においても非接触空間を作り出すことができ、疵付きを防止することが可能となる。更に本発明例3−1〜3−3に示すように突起32を、水平方向に向けて、またその下面を上側に向けて削り取ることにより、疵が付くのを有効に防止することができることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を適用した収納缶の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納缶の構成を示す断面図である。
【図3】本発明を適用した収納缶の平面図である。
【図4】本発明を適用した収納缶を上下方向に積み重ねた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明を適用した収納缶を上下方向に積み重ねた状態を示す断面図である。
【図6】図4でいう箇所Aにおける係止部分の拡大断面図である。
【図7】図4でいう箇所Bにおける係止部分の拡大断面図である。
【図8】本発明を適用した収納缶の製造工程を示す図である。
【図9】ステップS17においてビードを成型するためのビード成型機を示す図である。
【図10】ビードセグメントの突起を示す図である。
【図11】収納缶の一般的な構成について説明するための図である。
【図12】円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接することにより収納缶を製造する点について説明するための図である。
【図13】実施例について説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
1 収納缶
11 固定縁部
12 ビード
13 地板
27 鋼板
28 両周端部
31 ビードセグメント
32 突起
33 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶において、
最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部と、
上記固定縁部の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビードとを備え、
更に上から積み重ねる一の当該収納缶における上記ビードに、下側から受ける他の当該収納缶における上記固定縁部を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、
上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出量が低減されてなること
を特徴とする収納缶。
【請求項2】
上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出が除去されていること
を特徴とする請求項1記載の収納缶。
【請求項3】
円筒状にロールフォーミング成型された鋼板の両周端部を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶において、
最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部と、
上記固定縁部の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビードとを備え、
更に上から積み重ねる一の当該収納缶における上記ビードに、下側から受ける他の当該収納缶における上記固定縁部を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、
上記ビードは、少なくとも上記シーム溶接された周端部において外側への突出位置をそのまま上方へシフトされてなること
を特徴とする収納缶。
【請求項4】
互いに上下に積み重ねる場合において、上記ビードは、少なくともそのシーム溶接された周端部が他の当該収納缶における上記固定縁部と非接触となるように、上記外側への突出量が低減されてなること
を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の収納缶。
【請求項5】
鋼板を円筒状にロールフォーミング成型し、その鋼板の両周端部を互いにシーム溶接し、少なくとも缶底部に地板を巻締めることにより製造する収納缶の製造方法において、
最上部に位置する開口部を外側に巻き込むことにより湾曲形状の固定縁部を突出形成する固定縁部形成工程と、
突起が形成されたビードセグメントを上記固定縁部の下段において内側から外側へ向けて押圧することにより、湾曲形状のビードを外側に突出形成するビード形成工程とを有し、
上記ビード形成工程では、外側への突出量がより低減された突起を有するビードセグメントを、少なくとも上記シーム溶接された周端部のみに対して押圧すること
を特徴とする収納缶の製造方法。
【請求項6】
上記ビード形成工程では、外側への突出量が低減されてなるとともに更に下側から縮径されてなる突起を有するビードセグメントを少なくとも上記シーム溶接された周端部のみに対して押圧すること
を特徴とする請求項5記載の収納缶の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−195417(P2008−195417A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30889(P2007−30889)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(598073578)新邦工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】