取り外し可能なバッテリを備えた手術器具
【課題】バッテリが取外し可能な手術器具を提供すること。
【解決手段】手術器具300は、ハンドル、バッテリ64、モータ65、およびロックアウトシステム316を含む。このハンドルは、本体部分302およびグリップ部分304を含む。グリップ部分304は、本体部分302に取外し可能に連結されている。バッテリ64がグリップ部分304内に配置されている。モータ65は、このバッテリ64に電気的に接続されている。ロックアウトシステム316は、ハンドル内に配置されており、グリップ部分304が本体部分から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている。
【解決手段】手術器具300は、ハンドル、バッテリ64、モータ65、およびロックアウトシステム316を含む。このハンドルは、本体部分302およびグリップ部分304を含む。グリップ部分304は、本体部分302に取外し可能に連結されている。バッテリ64がグリップ部分304内に配置されている。モータ65は、このバッテリ64に電気的に接続されている。ロックアウトシステム316は、ハンドル内に配置されており、グリップ部分304が本体部分から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本発明は、参照して開示内容を本明細書に組み入れる、以下に示す同時出願した米国特許出願に関連する。
1.発明の名称:「ユーザーフィードバックシステムを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH USER FEEDBACK SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・オウワーカーク(John Ouwerkerk)、およびジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)代理人整理番号:K&LNG050519/END5687USNP
2.発明の名称:「荷重の力のフィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH LOADING FORCE FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、およびジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、代理人整理番号:K&LNG050516/END5692USNP
3.発明の名称:「位置感覚フィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、およびジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、代理人整理番号:K&LNG050515/END5693USNP
4.発明の名称:「適応性ユーザーフィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH ADAPTIVE USER FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、およびジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、代理人整理番号:K&LNG050513/END5694USNP
5.発明の名称:「関節運動可能なエンドエフェクタを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH ARTICULATABLE END EFFECTOR)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびクリストフ・エル・ギリウム(Christoph L. Gillum)、代理人整理番号:K&LNG050692/END5769USNP
6.発明の名称:「機械式閉鎖システムを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH MECHANICAL CLOSURE SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびクリストフ・エル・ギリウム(Christoph L. Gillum)、代理人整理番号:K&LNG050693/END5770USNP
7.発明の名称:「閉鎖トリガーロック機構を備えた手術用切断/結合器具(SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、代理人整理番号:K&LNG050694/END5771USNP
8.発明の名称:「手術用電動切断/ステープル留め具のための歯車装置選択器(GEARING SELECTOR FOR A POWERED SURGICAL CUTTING AND FASTENING STAPLING INSTRUMENT)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、ユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050697/END5772USNP
9.発明の名称:「記録機能を備えた手術器具(SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050698/END5773USNP
10.発明の名称:「電子ロックアウトおよび電子ロックアウトを含む手術器具(ELECTRONIC LOCKOUTS AND SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING SAME)」、発明者:ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、およびケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、代理人整理番号:K&LNG050700/END5775USNP
11.発明の名称:「シャフトに対して関節運動できるハンドルを備えた内視鏡手術器具(ENDOSCOPIC SURGICAL INSTRUMENT WITH A HANDLE THAT CAN ARTICULATE WITH RESPECT TO THE SHAFT)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、マーク・エス・オルティス(Mark S. Ortiz)、およびレスリー・エム・フジカワ(Leslie M. Fugikawa)、代理人整理番号:K&LNG050701/END5776USNP
12.発明の名称:「平行な閉鎖とアンビルの整合要素を有する回転式発射/閉鎖システムを備えた手術用電気機械切断/結合器具(ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING A ROTARY FIRING AND CLOSURE SYSTEM WITH PARALLEL CLOSURE AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ステファン・ジェイ・バレク(Stephen J. Balek)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050702/END5777USNP
13.発明の名称:「手術用切断/結合器具およびこれに用いるモジュラーエンドエフェクタに使用するための、組織ロケータを備えたアンビルを有する使い捨てステープルカートリッジ(DISPOSABLE STAPLE CARTRIDGE HAVING AN ANVIL WITH TISSUE LOCATOR FOR USE WITH A SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT AND MODULAR END EFFECTOR SYSTEM THEREFOR)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、マイケル・エス・クロッパー(Michael S. Cropper)、ジョシュア・エム・ブロエル(Joshua M. Broehl)、リャン・エス・クリスプ(Ryan S. Crisp)、ジャミソン・ジェイ・フロート(Jamison J. Float)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050703/END5778USNP
14.発明の名称:「フィードバックシステムを備えた手術器具(SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FEEDBACK SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、ケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050705/END5780USNP
【0002】
〔発明の背景〕
本願は、バッテリが取外し可能な電動手術器具の全般および様々な実施形態に関連する発明を開示する。
【0003】
内視鏡手術器具は、切開部が小さく、術後の回復期間が短く、合併症を低減するため、従来の開放手術装置よりも選択される場合が多い。したがって、トロカールのカニューレを介して所望の外科部位に遠位エンドエフェクタを正確に配置するのに適した一連の内視鏡手術器具が著しく進歩した。このような遠位エンドエフェクタ(例えば、エンドカッター、グラスパー(捕捉器具)、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、およびエネルギー装置(超音波、RF、およびレーザーなどを用いる))は、様々な方法で組織に係合して診断または治療を行うことができる。
【0004】
既知の手術用ステープラは、組織に長手方向の切開部を形成すると同時に、その切開部の両側にステープル留めを列状に施すエンドエフェクタを含む。このエンドエフェクタは、内視鏡手術用または腹腔鏡手術用の場合は、カニューレの通路内を通過できる一対の協働するジョー部材を含む。ジョー部材の一方は、横方向に離隔した少なくとも2列のステープルを有するステープルカートリッジを受容する。他方のジョー部材は、カートリッジ内のステープルの列に整列したステープル成形ポケットを有するアンビルを画定している。この器具は、往復運動する複数のウエッジを含む。これらのウエッジは、遠位側に移動する場合、ステープルカートリッジの開口を通過し、ステープルを支持するドライバに係合してアンビルに向かってステープルを発射させる。
【0005】
内視鏡手術に適した手術用ステープラの例が、閉じる動作と発射する動作を別個に行うエンドカッターを開示している米国特許第5,465,895号に記載されている。この装置を使用すると、医師は、発射の前に、組織に対してジョー部材を閉じて組織の位置を合わせることができる。医師は、ジョー部材が組織を適切に挟んでいると判断したら、単一発射ストロークまたは多発射ストロークのいずれかで手術用ステープラを発射して、組織の切断およびステープル留めを行うことができる。切断とステープル留めが同時に行われるため、切断のみを行う手術器具とステープル留めのみを行う異なる手術器具を連続的に用いて行う際に生じうる面倒な事態を回避できる。
【0006】
発射の前に組織に対して閉じることができる1つの利点は、医師が、十分な量の組織が対向したジョーの間に保持されているかを含め、切断するのに所望の位置にあるかを内視鏡を介して確認することができることである。このような確認ができない場合、対向したジョーが、互いに接近し過ぎる、特にジョーの遠位端部が当接すると、切断された組織に閉じたステープルを有効に成形できないこともある。これとは逆に、過剰な組織が挟まれて、引っ掛かりが起きたり、発射が不完全となったりすることもある。
【0007】
内視鏡ステープラ/カッターは、各世代で次第に複雑になり、機能が増してきている。この主な理由の1つは、全てまたは大部分の外科医が取り扱うことができるレベルまで発射させる力(FTF)を下げる要求である。FTFを下げる1つの既知の解決法では、CO2または電動機を用いている。このような装置は、別の理由から、従来の手動装置よりも特段優れているものではない。外科医は通常、切断/ステープル留めのサイクルが完了したことを確認できるように、大抵の外科医の能力の上限(通常は約6.8kg〜13.6kg(約15ポンド〜30ポンド))で、ステープル成形中にエンドエフェクタが受ける力に見合った力の分布を感じることを望む。また、外科医は通常、ステープル留めの制御の維持と、装置のハンドルで感じる力が大きくなり過ぎた場合または他の臨床的な理由のためにステープル留めをいつでも停止できることを望む。このようなユーザーフィードバック動作は、現行の電動エンドカッターでは、適切に実現することができない。このため、一般に、医師は、切断/ステープル留めの動作を単にボタンを押して行う電動エンドカッターを受け入れていない。
【0008】
ますます多くの電動手術器具が、その内部に配置された1または複数のバッテリによって電力が供給されるようになってきた。様々な法域で、手術器具内に配置される前、および/または医療処置に手術器具を用いる前に各バッテリを滅菌しなければならない規則がある。また、多くの法域で、手術器具の他の構成要素が廃棄される要領とは異なる要領で各バッテリを廃棄しなければならない。
【0009】
様々な理由から、電動手術器具は、その1または複数のバッテリを交換しなければならない。手術器具の製造業者は、より進歩したモデルの電動手術器具を開発するために多額の投資を行っている。製造業者が企画した特定モデルの手術器具の販売数量に少なくとも部分的に基づいて、このモデルに関連した開発コストの一部を各手術器具の購入価格に乗せている。一部のこのような電動手術器具は、使用回数を制限するようにデザインされている。したがって、手術器具が限度回数を超えて使用されると、製造業者は、このモデルに関連した開発コストを回収できなくなってしまう。
【0010】
〔発明の概要〕
本願は、手術器具を開示する。様々な実施形態に従えば、この手術器具は、ハンドル、バッテリ、モータ、およびロックアウトシステムを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。バッテリがグリップ部分内に配置されている。モータは、このバッテリに電気的に接続されている。ロックアウトシステムは、ハンドル内に配置されており、グリップ部分が本体部分から所定回数取り外されると、グリップ部分を本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている。
【0011】
他の実施形態に従えば、手術器具は、ハンドル、バッテリ、およびモータを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。グリップ部分の一部は、グリップ部分が本体部分から取り外されると、グリップ部分から分離されて本体部分と接触した状態に維持されるように構成され、配列されている。バッテリは、グリップ部分内に配置されている。モータは、バッテリに電気的に接続されている。
【0012】
他の実施形態に従えば、手術器具は、ハンドル、バッテリ、モータ、およびカウンタを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。バッテリは、グリップ部分内に配置されている。モータは、バッテリに電気的に接続されている。カウンタは、ハンドル内に配置されており、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている。
【0013】
単なる例として添付の図面を参照しながら本発明の様々な実施形態を説明する。
【0014】
〔詳細な説明〕
開示する本発明の図面および説明の少なくとも一部を簡略化し、本発明を理解し易いように適切な要素を例示する一方で、見易くするために他の要素を省いたことを理解されたい。しかしながら、当分野の一般的な技術者であれば、このような要素および他の要素が妥当であることを理解できよう。しかしながら、このような要素は、当分野で周知であり、開示する本発明の理解を促すものではないため、本明細書ではこのような要素の説明は省略する。
【0015】
図1および図2は、本発明の様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具10を示している。例示されている実施形態は、内視鏡器具であり、一般に、ここに開示する器具10の実施形態は、内視鏡手術用切断/結合器具である。しかしながら、本発明の他の実施形態に従えば、この器具を、腹腔鏡器具などの非内視鏡手術用切断/結合器具とすることができることに留意されたい。
【0016】
図1および図2に示されている手術器具10は、ハンドル6、シャフト8、および関節ピボット14でシャフト8に旋回可能に連結された関節運動エンドエフェクタ12を含む。関節運動制御部16を、エンドエフェクタ12を、関節ピボット14を中心に旋回させるためにハンドル6に近接して設けることができる。例示されている実施形態では、エンドエフェクタ12は、組織のクランプ(すなわち把持)、切断、およびステープル留めのためのエンドカッターとして機能するように構成されているが、他の実施形態では、グラスパー、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波装置、RF装置、またはレーザー装置などの他のタイプの手術装置のためのエンドエフェクタなどを含め、様々なタイプのエンドエフェクタを用いることもできる。
【0017】
器具10のハンドル6は、エンドエフェクタ12を作動させるために閉鎖トリガー18および発射トリガー20を含むことができる。様々な手術処置に用いられるエンドエフェクタを有する器具は、エンドエフェクタ12の動作のために異なる数またはタイプのトリガーまたは他の適当な制御部を有することができることを理解されたい。エンドエフェクタ12は、図示されているように、好ましくは細長いシャフト8によってハンドル6から離されている。一実施形態では、医師すなわち器具10の操作者は、参照して本明細書に組み入れる、ジェフリー・シー・フエイルら(Geoffrey C. Hueil et al.)による、2006年1月10日出願の係属中の米国特許出願第11/329,020号(名称:「関節運動エンドエフェクタを備えた手術器具(Surgical Instrument Having An Articulating End Effector)」)に詳細に開示されているように、関節運動制御部16を用いてシャフト8に対してエンドエフェクタ12を関節運動させることができる。
【0018】
エンドエフェクタ12は、この例では、特に、ステープル溝型部材22、およびアンビル24などの旋回可能な並進運動クランプ部材を含む。ステープル溝型部材22とアンビル24は、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織のステープル留めおよび切断が有効に行われるようにある間隔に維持されている。ハンドル6は、ピストルグリップ26を含む。このピストルグリップ26に向かって、医師が閉鎖トリガー18を旋回させるように引いて、アンビル24をエンドエフェクタ12のステープル溝型部材22に向かってクランプ、すなわち、閉じて、アンビル24と溝型部材22との間に配置された組織をクランプすることができる。発射トリガー20は、閉鎖トリガー18よりもさらに外側に位置する。詳細は後述するが、閉じ位置に閉鎖トリガー18がロックされると、操作者が片手で握れるように、発射トリガー20が、ピストルグリップ26に向かって僅かに回転することができる。次に、操作者は、発射トリガー20をピストルグリップ26に向かって旋回させるように引いて、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織をステープル留めおよび切断することができる。他の実施形態では、例えば、対向したジョーなどのアンビル24以外の様々なタイプのクランプ部材を用いることができる。
【0019】
本明細書において、医師が把持する器具10のハンドル6を参照する際に語「近位側」および「遠位側」を用いていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ12は、近位側のハンドル6に対して遠位側である。本明細書において、図を参照する際に、便利さと見易さのために「垂直」および「水平」などの空間を示す語を用いていることも理解されたい。しかしながら、手術器具は、様々な向きおよび位置で用いることができ、このような語は、限定するものでも絶対的なものでもない。
【0020】
まず、閉鎖トリガー18を作動させることができる。医師が、エンドエフェクタ12の配置に満足したら、閉鎖トリガー18を、ピストルグリップ26の近位側の完全に閉じたロック位置まで引くことができる。次に、発射トリガー20を作動させることができる。発射トリガー20は、詳細を後述するように、医師が手を緩めると開いた位置(図1および図2を参照)に戻る。ハンドル6、この例ではハンドル6のピストルグリップ26に設けられた解除ボタン160を押して、ロックされた閉鎖トリガー18のロックを解除することができる。
【0021】
図3は、様々な実施形態に従ったエンドエフェクタ12の組立分解図である。例示されている実施形態に示されているように、エンドエフェクタ12は、前記した溝型部材22およびアンビル24に加えて、切断器具32、スレッド33、溝型部材22内に取外し可能に受容されたステープルカートリッジ34、および螺旋ねじシャフト36を含むことができる。切断器具32は、例えば、ナイフとすることができる。アンビル24は、溝型部材22の近位端部に連結されたピボット点25で旋回して開閉させられることができる。アンビル24はまた、このアンビル24を開閉するために機械式閉鎖システム(詳細は後述)の構成要素内に挿入されるタブ27をアンビル24の近位端部に備えることもできる。閉鎖トリガー18が作動させられる、すなわち器具10の使用者によって引かれると、アンビル24が、クランプ位置すなわち閉じた位置までピボット点25を中心に旋回することができる。エンドエフェクタ12のクランプが十分な場合、操作者は、詳細を後述するように、発射トリガー20を作動させて、ナイフ32およびスレッド33を溝型部材22に沿って長手方向に移動させ、これにより、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織を切断することができる。スレッド33の溝型部材22に沿った移動により、ステープルカートリッジ34のステープルが、閉じたアンビル24に向かって切断された組織を通って駆動され、切断された組織を結合するためステープルを曲げる。このような2ストローク切断/結合器具は、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,978,921号(名称:「Eビーム発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical stapling instrument incorporating an E-beam firing mechanism)」)に詳述されている。様々な実施形態に従えば、スレッド33は、切断動作の後にナイフ32が引き戻っても、スレッド33は引き戻らないように、カートリッジ34の一体部分とすることができる。
【0022】
ここに開示する器具10の実施形態は、切断された組織をステープル留めするエンドエフェクタ12を用いているが、他の実施形態では、切断された組織を結合するまたはシールするために様々な他の技術も利用できることに留意されたい。例えば、RFエネルギーまたは接着材を用いて切断された組織を結合するエンドエフェクタを用いることもできる。RFエネルギーを用いて切断された組織を結合する切断器具が、参照して本明細書に組み入れる米国特許第5,810,811号(名称:「電気手術止血装置(ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE)」)に開示されている。接着材を用いて切断された組織を結合する切断器具が、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願第11/267,811号(名称:「薬剤を送達するために構成された手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instruments Structured For Delivery Of Medical Agents)」)、および同第11/267,383号(名称:「ポンプを利用して薬剤を送達するために構成された手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instruments Structured For Pump-Assisted Delivery Of Medical Agents)」)に開示されている。したがって、本明細書は、以下に示す切断/ステープル留めの動作などについて説明するが、これは例示的な実施形態であって限定目的ではないことを理解されたい。組織を結合する他の技術も用いることができる。
【0023】
図4および図5は、様々な実施形態に従ったエンドエフェクタ12およびシャフト8の組立分解図であり、図6はそれらの側面図である。例示されている実施形態に示されているように、シャフト8は、ピボットリンク44によって旋回可能に連結された遠位閉鎖チューブ42および近位閉鎖チューブ40を含むことができる。遠位閉鎖チューブ42は、詳細を後述するように、アンビル24を開閉させるためにアンビル24のタブ27が挿入される開口45を含む。閉鎖チューブ40および42内に、近位支持チューブ46を配置することができる。この近位支持チューブ46内に、傘歯車組立体52によって第2の(または遠位)駆動シャフト50に連結された主回転(または近位)駆動シャフト48を配置することができる。第2の駆動シャフト50は、螺旋ねじシャフト36の近位駆動歯車56に係合する駆動歯車54に連結されている。主駆動シャフト48が、発射トリガー20の作動によって回転すると(詳細は後述)、傘歯車組立体52a〜52cが、駆動歯車54、56の係合によって第2の駆動シャフト50を回転させ、これにより螺旋ねじシャフト36が回転し、ナイフ/スレッド駆動部材32が、溝形部材22に沿って長手方向に移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされたあらゆる組織が切断される。垂直傘歯車52bが、近位支持チューブ46の遠位端部の開口57内に受容され、旋回することができる。遠位支持チューブ58を用いて、第2の駆動シャフト50、ならびに駆動歯車54および56を覆うことができる。本明細書では、主駆動シャフト48、第2の駆動シャフト50、および関節運動組立体(例えば、傘歯車組立体52a〜52c)をまとめて「主駆動シャフト組立体」とも呼ぶ。
【0024】
軸受38が、螺旋駆動ねじ36にねじ込まれている。この軸受36は、ナイフ32にも連結されている。螺旋駆動ねじ36が正回転すると、軸受38が螺旋駆動ねじ36を遠位側に横切って移動して、切断器具32を駆動し、この際にスレッド33が切断/ステープル留め動作を行う。スレッド33は、例えばプラスチックから作られることができ、遠位傾斜面を有することができる。スレッド33が溝型部材22を横切って移動すると、この前側傾斜面が、ステープルカートリッジ34内のステープルを、クランプされた組織を介してアンビル24に向かって押し上げる、すなわち駆動させることができる。アンビル24がステープルを曲げて、切断された組織がステープル留めされる。ナイフ32が引き戻される際に、ナイフ32とスレッド33が係合解除され、スレッド33が溝型部材22の遠位端部に残される。
【0025】
切断/ステープル留めの動作が単にボタンを押して行われる電動手術器具は、切断/ステープル留めの動作についてのユーザーフィードバックがないため、特に医師の間で受け入れられていない。これとは対照的に、本発明の実施形態は、エンドエフェクタ内の切断器具の延出(deployment)、力、および/または位置のユーザーフィードバックを備えた電動エンドカッターを提供する。
【0026】
図7〜図10は、電動エンドカッターの例示的な実施形態、特にそのハンドル6を例示している。このハンドルが、エンドエフェクタ内の切断器具の延出および荷重の力についてユーザーフィードバックを与える。加えて、この実施形態は、使用者が発射トリガー20を引く際の力を利用して装置に動力を供給することができる(いわゆる、「動力補助」モード)。例示されている実施形態に示されているように、ハンドル6は、互いに嵌りあい全体としてハンドル6の外面を形成する下部外面部品59、60および上部外面部品61、62を含む。リチウムイオン電池などのバッテリ64を、ハンドル6のピストルグリップ部分26内に設けることができる。バッテリ64は、ハンドル6のピストルグリップ部分26の上部に配置されたモータ65に電力を供給する。様々な実施形態に従えば、モータ65は、最大回転数が約5000rpmのDCブラシ駆動モータとすることができる。このモータ65は、第1の傘歯車68および第2の傘歯車70を含む90度の傘歯車組立体66を駆動することができる。傘歯車組立体66は、遊星歯車組立体72を駆動することができる。遊星歯車組立体72は、駆動シャフト76に連結されたピニオン歯車74を含むことができる。ピニオン歯車74は、駆動シャウト82を介して螺旋歯車ドラム80を駆動させる噛合したリング歯車78を駆動することができる。リング84を、螺旋歯車ドラム80にねじ込むことができる。したがって、モータ65が回転すると、リング84が、このリング84とモータ65との間に配置された傘歯車組立体66、遊星歯車組立体72、およびリング歯車78によって螺旋歯車ドラム80に沿って移動する。
【0027】
ハンドル6はまた、操作者が発射トリガー20をハンドル6のピストルグリップ部分26に向かって引くと(すなわち閉じると)、これによりエンドエフェクタ12による切断/ステープル留めの動作が開始されたことを検出するために、発射トリガー20に連結されたモータ駆動センサ110を含むこともできる。このセンサ110は、レオスタットまたは可変抵抗器などの比例センサとすることができる。発射トリガー20が引かれると、センサ110がその動きを検出し、モータ65に供給される電圧(または電力)を示唆する電気信号を送る。センサ110が可変抵抗器などの場合、モータ65の回転は、発射トリガー20の動きの程度に概ね比例することができる。すなわち、操作者が、発射トリガー20をほんの僅か引いた(すなわち閉じた)場合、モータ65の回転も比較的低い。発射トリガー20が完全に引かれた場合(すなわち、完全に閉じた位置)、モータ65の回転は最大となる。言い換えれば、操作者が発射トリガー20を強く引けば引くほど、より大きな電圧がモータ65に加えられ、回転数が上がる。
【0028】
ハンドル6は、発射トリガー20の上部に近接した中間ハンドル部品104を含むことができる。ハンドル6はまた、中間ハンドル部品104のポストと発射トリガー20のポストとの間に連結された付勢ばね112を含むこともできる。付勢ばね112は、発射トリガー20をその完全に開いた位置に付勢することができる。この方式では、操作者が発射トリガー20を離すと、付勢ばね112が、発射トリガー20をその開いた位置に引張り、センサ110の作動が解除され、モータ65の回転が停止する。さらに、付勢ばね112によって、使用者が発射トリガー20を閉じる際に必ず、閉じる動作に対する抵抗を感じるため、モータ65によって加えられる回転の程度が使用者にフィードバックされる。さらに、操作者は、発射トリガー20を引くのを止めてセンサ100からの力を解除し、これによりモータ65を停止することができる。したがって、使用者は、エンドエフェクタ12の延出を停止することができ、切断/綴じる動作の制御手段が得られる。
【0029】
螺旋歯車ドラム80の遠位端部は、ピニオン歯車124に噛合するリング歯車122を駆動する遠位駆動シャフト120を含む。ピニオン歯車124は、主駆動シャフト組立体の主駆動シャフト48に結合されている。この方式では、モータ65が回転すると、主駆動シャフト組立体が回転し、これにより上記したようにエンドエフェクタが作動する。
【0030】
螺旋歯車ドラム80にねじ込まれるリング84は、スロットアーム90のスロット88内に配置されるポスト86を含むことができる。スロットアーム90は、反対側の端部94に開口92を備えている。この開口92は、ハンドル外面部品59と60との間に連結されるピボットピン96を受容する。ピボットピン96はまた、発射トリガー20の開口100および中間ハンドル部品104の開口102内に通されて配置される。
【0031】
加えて、ハンドル6は、モータ逆回転(またはストローク終了)センサ130、およびモータ停止(またはストローク開始)センサ142を含むことができる。様々な実施形態では、モータ逆回転センサ130は、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に配置されたリミットスイッチであってもよく、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達すると、リング84がモータ逆回転センサ130に接触して、このモータ逆回転センサ130が作動するようにすることができる。モータ逆回転センサ130は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65が逆回転し、これにより、切断動作に続いてエンドエフェクタ12のナイフ32が引き戻される。
【0032】
モータ停止センサ142は、例えば、通常は閉じたリミットスイッチとすることができる。様々な実施形態では、モータ停止センサ142は、リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部に達するとリング84がスイッチ142を作動させるように、螺旋歯車ドラム80の近位端部に配置されることができる。
【0033】
動作の際、器具10の操作者が発射トリガー20を引くと、センサ110が発射トリガー20の配置を検出して、モータ65に信号を送り、これによりモータ65が、例えば、操作者が発射トリガー20を引いた強さに比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、遊星歯車組立体72の遠位端部におけるリング歯車78が回転し、これにより螺旋歯車ドラム80が回転して、この螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が螺旋歯車ドラム80に沿って遠位側に移動する。螺旋歯車ドラム80の回転により、上記したように主駆動シャフト組立体も駆動し、これによりエンドエフェクタ12内のナイフ32が延出する。すなわち、ナイフ32およびスレッド33が、溝型部材22を長手方向に横切って移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織を切断する。また、ステープル留め型エンドエフェクタが用いられている実施形態では、エンドエフェクタ12のステープル留めの動作が行われる。
【0034】
エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作が完了すると、螺旋歯車ドラム80のリング84が、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達して、モータ逆回転センサ130を作動し、モータ逆回転センサ130がモータ65に信号を送り、モータ65が逆回転する。これにより、ナイフ32が引き戻され、螺旋歯車ドラム80のリング84が、螺旋歯車ドラム80の近位端部に戻る。
【0035】
中間ハンドル部品104は、図8および図9に最もよく示されているように、スロットアーム90に係合する後部肩106を含む。中間ハンドル部品104はまた、発射トリガー20に係合する前方移動ストッパー107も有する。スロットアーム90の移動は、上記したように、モータ65の回転によって制御される。リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部から遠位端部に移動して、スロットアーム90が反時計回りの方向に回転する際に、中間ハンドル部品104は反時計回りの方向に自由に回転する。したがって、使用者が発射トリガー20を引くと、発射トリガー20が中間ハンドル部品104の前方移動ストッパー107に係合して、中間ハンドル部品104が反時計回りの方向に回転する。しかしながら、スロットアーム90に係合している後部肩106によって、中間ハンドル部品104は、スロットアーム90が許容する範囲でのみ、反時計回りの方向に回転することができる。この方式では、何らかの理由でモータ65の回転が停止した場合、スロットアーム90の回転が停止し、中間ハンドル部品104がスロットアーム90によって反時計回りの方向に自由に回転できなくなるため、使用者が発射トリガー20をさらに引くことができなくなる。
【0036】
図41および図42は、本発明の様々な実施形態に従ったモータ駆動センサ110として用いることができる可変センサの2つの状態を例示している。センサ110は、表面部分280、第1の電極(A)282、第2の電極(B)284、および電極282と284との間の圧縮性誘電体286(例えば、EAP)を含むことができる。センサ110は、発射トリガー20が引かれた時にこの発射トリガー20に表面部分280が接触するように配置されることができる。したがって、発射トリガー20が引かれると、図42に示されているように、誘電体286が圧縮され、電極282と284が互いに近づく。電極282と284との間の距離「b」が電極282と電極284との間のインピーダンスに直接関連されているため、距離が離れれば離れるほどインピーダンスが大きくなり、距離が近づけば近づくほどインピーダンスが小さくなる。この方式では、発射トリガー20が引かれて(図42に力「F」として示されている)誘電体286が圧縮される程度は、電極282と284とのインピーダンスに比例する。これを用いてモータ65を比例制御することができる。
【0037】
閉鎖トリガー18を引いてエンドエフェクタ12のアンビル24を閉じる(すなわちクランプする)ための例示的な閉鎖システムの構成要素が、図7〜図10にも示されている。例示されている実施形態では、閉鎖システムは、ピン251によって閉鎖トリガー18に連結されるヨーク250を含む。このピン251は、整列された、閉鎖トリガー18の開口およびヨーク250の開口の両方に挿入される。ピボットピン252を中心に閉鎖トリガー18が旋回する。ピボットピン252は、ピン251が閉鎖トリガー18に挿入されている部分から離れた閉鎖トリガー18の別の開口に挿入される。したがって、閉鎖トリガー18を引くと、ピン251によってヨーク250が取り付けられている閉鎖トリガー18の上側部分が反時計回りの方向に回転する。ヨーク250の遠位端部は、ピン254によって第1の閉鎖ブラケット256に連結される。第1の閉鎖ブラケット256は、第2の閉鎖ブラケット258に連結する。閉鎖ブラケット256と258が結合すると開口を画定する。この開口に、閉鎖ブラケット256および258の長手方向の移動により、近位閉鎖チューブ40が長手方向に移動するように、近位閉鎖チューブ40の近位端部(図4を参照)が受容され保持される。器具10はまた、近位閉鎖チューブ40内に受容される閉鎖ロッド260も含む。閉鎖ロッド260は、窓261を含むことができる。この窓261に、例示されている実施形態の下側外面部品59などの一方のハンドル外面部品のポスト263が配置され、閉鎖ロッド260がハンドル6に固定して連結される。このような方式では、近位閉鎖チューブ40は、閉鎖ロッド260に対して長手方向に移動することができる。閉鎖ロッド260はまた、近位支持チューブ46のキャビティ269内に嵌り、キャップ271(図4を参照)によってキャビティ269内に保持される遠位カラー267を含むことができる。
【0038】
動作の際、閉鎖トリガー18が引かれてヨーク250が回転すると、閉鎖ブラケット256、258により、近位閉鎖チューブ40が遠位側(すなわち、器具10のハンドル端部から離れる方向)に移動し、これにより遠位閉鎖チューブ42が遠位側に移動し、アンビル24が、クランプ位置すなわち閉じた位置までピボットピン25を中心に回転する。閉鎖トリガー18がロック位置から解除されると、近位閉鎖チューブ40が近位側にスライドし、遠位閉鎖チューブ42の窓45に挿入されているタブ27によって、遠位閉鎖チューブ42が近位側にスライドし、アンビル24が、開いた位置すなわち非クランプ位置までピボットピン25を中心に旋回する。このような方式では、閉鎖トリガー18を引いてロックすることにより、操作者は、アンビル24と溝型部材22との間に組織をクランプすることができ、切断/ステープル留めの動作の後で、閉鎖トリガー18をロック位置から解除して組織を解放することができる。
【0039】
図11は、本発明の様々な実施形態に従った器具10の電気回路の線図である。操作者が、閉鎖トリガー18をロックした後、初めに発射トリガー20を引くと、センサ110が作動され、このセンサ110に電流が流れる。通常は開いているモータ逆回転センサスイッチ130が開いている場合(すなわち、エンドエフェクタのストロークの最後に達していない場合)、電流が単極2段動作リレー(single pole, double throw relay)132に流れる。モータ逆回転センサスイッチ130が閉じていないため、リレー132のコイル134に電流が流れず、リレー132が通電されていない状態である。電気回路はまた、カートリッジロックアウトセンサスイッチ136も含む。エンドエフェクタ12が、ステープルカートリッジ34を含む場合、センサスイッチ136が閉じた状態で電流が流れる。そうではなく、エンドエフェクタ12がステープルカートリッジ34を含まない場合、センサスイッチ136が開いて、バッテリ64がモータ65に電力を供給するのを防止する。
【0040】
ステープルカートリッジ34が存在する場合、センサスイッチ136が閉じて、単極一段リレー138に電流が流れる。リレー138が通電されると、電流がこのリレー138から可変抵抗器センサ110を経て、双極2段動作リレー140を介してモータ65に流れ、モータ65に電力が供給され、このモータ65が正回転する。
【0041】
エンドエフェクタ12がそのストロークの最後に達すると、モータ逆回転センサ130が作動され、スイッチ130を閉じ、リレー132に電流を供給する。これにより、リレー132が通電された状態になり(図11には不図示)、電流がカートリッジロックアウトセンサスイッチ136および可変抵抗器110をバイパスして、通常は閉じた双極2段動作リレー140およびモータ65に電流が流れるが、この場合は、リレー140を介してモータ65に電流が流れるため、モータ65の回転方向が逆になる。
【0042】
モータ停止センサスイッチ142が通常は閉じているため、電流がリレー132に逆流し、スイッチ142が開くまでエネルギーが供給され続ける。ナイフ32が完全に引き戻されると、モータ停止センサスイッチ142が作動され、スイッチ142が開き、モータ65に電力が供給されなくなる。
【0043】
別の実施形態では、比例型センサ110ではなく、オン・オフ型センサを用いることができる。このような実施形態では、モータ65の回転速度は、操作者が加える力に比例しない。むしろ、モータ65は、概ね一定速度で回転する。しかしながら、操作者は、発射トリガー20が歯車駆動列に噛合されているため、力のフィードバックを受けることができる。
【0044】
図12は、別の実施形態に従った動力補助電動エンドカッターのハンドル6の側面図である。図12の実施形態は、図7〜図10の実施形態に類似しているが、図12の実施形態では、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84に連結されたスロットアーム90が存在しない。代わりに、図12の実施形態では、リング84は、このリング84が螺旋歯車ドラム80の上を前進(および後退)する際にこのリング84と共に移動するセンサ部114を含む。センサ部114は、ノッチ116を含む。モータ逆回転センサ130をノッチ116の遠位端部に配置し、モータ停止センサ142を、ノッチ116の近位端部に配置することができる。リング84が螺旋歯車ドラム80を前進および後退すると、センサ部114も共に移動する。さらに、図12に示されているように、中間部品104は、ノッチ116内に延びるアーム118を有することができる。
【0045】
動作の際、器具10の操作者が、発射トリガー20をピストルグリップ26に向かって引くと、モータ駆動センサ110がその動きを検出して信号を送り、モータ65に電力が供給され、螺旋歯車ドラム80が回転する。螺旋歯車ドラム80が回転すると、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が前進または後退する(回転方向によって決まる)。また、発射トリガー20が引かれることにより、発射トリガー20に係合した前方運動ストッパー107によって、中間部品104が発射トリガー20と共に反時計回りの方向に回転する。中間部品104が反時計回りの方向に回転すると、アーム118が、ノッチ116内に維持されるように、アーム118が、リング84のセンサ部分114と共に反時計回りの方向に回転する。リング84が、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達すると、アーム118がモータ逆回転センサ130に接触して、このモータ逆回転センサ130が作動する。同様に、リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部に達すると、アーム118がモータ停止センサ142に接触して、このモータ停止センサ142が作動する。上記したように、このような各作動により、モータ65が逆回転および停止することができる。
【0046】
図13は、別の実施形態に従った動力補助電動エンドカッターのハンドル6の側面図である。図13の実施形態は、図7〜図10の実施形態に類似しているが、図13の実施形態では、アーム90にスロットが設けられていない。代わりに、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が、垂直溝126を含む。スロットの代わりに、アーム90は、溝126に配置されたポスト128を含む。螺旋歯車ドラム80が回転すると、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が前進または後退する(回転方向によって決まる)。図13に示されているように、ポスト128が溝126内に位置されているため、リング84が前進するとアーム90が反時計回りの方向に回転する。
【0047】
上記したように、2ストローク電動器具を使用する際は、操作者は、まず閉鎖トリガー18を引いて、この閉鎖トリガー18をロックする。図14および図15は、閉鎖トリガー18をハンドル6のピストルグリップ部分26にロックする方法の一実施形態を示している。例示されている実施形態では、ピストルグリップ部分26は、ねじりばね152によってピボット点151を中心に反時計回りの方向に回転するように付勢されているフック150を含む。また、閉鎖トリガー18は、閉鎖バー154を含む。操作者が閉鎖トリガー18を引くと、閉鎖バー154が、フック150の傾斜部分156に係合して、閉鎖バー154が傾斜部分156を完全に通過して、閉鎖トリガー18を所定の位置にロックするフック150のノッチ158内に入るまで、フック150が上方(すなわち、図14および図15の時計周りの方向)に回転する。操作者は、ピストルグリップ部分26の後面すなわち反対側に設けられたスライド式解放ボタン160を押して閉鎖トリガー18を解放することができる。スライド式解放ボタン160を押し下げると、フック150が時計周りの方向に回転して、閉鎖バー154がノッチ158から解放される。
【0048】
図16は、様々な実施形態に従った別の閉鎖トリガーロック機構を示している。図16の実施形態では、閉鎖トリガー18は、矢印型頭部161を有するウエッジ160を含む。矢印型頭部161は、板ばね162によって下方(すなわち時計回りの方向)に付勢されている。ウエッジ160および板ばね162は、例えば、成型プラスチックから作られることができる。閉鎖トリガー18が引かれると、矢印型頭部161が、ハンドル6のピストルグリップ部分26の開口164内に挿入される。矢印型頭部161の下側の面取り表面166が、開口164の下側の側壁168に係合して、矢印型頭部161が反時計回りの方向に回転させられる。最終的に、下側の面取り表面166が、下側の側壁168を完全に通過して、矢印型頭部161に対する反時計回りの方向の力がかからなくなり、下側の側壁168が、矢印型頭部161の後側のノッチ170のロック位置に滑り込む。
【0049】
閉鎖トリガー18のロックを解除するには、使用者が、閉鎖トリガー18の反対側のボタン172を押して、矢印型頭部161を反時計回りの方向に回転させ、矢印型頭部161を開口164からスライドさせて出すことができる。
【0050】
図17〜図22は、別の実施形態に従った閉鎖トリガーロック機構を示している。この実施形態に示されているように、閉鎖トリガー18は、可撓性長手アーム176を含む。このアーム176は、そこから延びる横方向ピン178を含む。アーム176およびピン178は、例えば、成型プラスチックから作られることができる。ハンドル6のピストルグリップ部分26は、横方向に延びるウエッジ182が配置された開口180を含む。閉鎖トリガー18が引かれると、図17および図18に示されているように、ピン178がウエッジ182に係合して、ウエッジ182の下面184によって下側に押される(すなわち、アーム176が時計回りの方向に回転する)。ピン178が下面184を完全に通過すると、アーム176に対する時計回りの方向の力がかからなくなり、図19に示されているように、ピン178が、ウエッジ182の後側のノッチ186内に受容されるように、反時計回りの方向に回転して、閉鎖トリガー18がロックされる。ピン178は、ウエッジ184から延びる可撓性ストッパー188によってそのロック位置の所定の位置に保持される。
【0051】
閉鎖トリガー18のロックを解除するために、操作者は、図20および図21に示されているように、閉鎖トリガー18をさらに引いて、ピン178を開口180の傾斜した後壁190に係合させて、ピン178を、可撓性ストッパー188を越えて上方に移動させることができる。次に、図22に示されているように、ピン178が、閉鎖トリガー18がピストルグリップ部分26にもはやロックされないように、開口180の上部通路192を自由に移動する。
【0052】
図23Aおよび図23Bは、自在継手(uジョイント)195を示している。uジョイント195の第2の部品195‐2が、第1の部品195‐1が延在する水平面で回転する。図23Aは、直線(180度)の向きにあるuジョイント195を示し、図23Bは、約150度の向きにあるuジョイント195を示している。uジョイント195を、主駆動シャフト組立体の関節運動点14における傘歯車52a〜52c(例えば、図4を参照)の代わりに用いて、エンドエフェクタ12を関節運動させることができる。図24Aおよび図24Bは、エンドエフェクタ12の関節運動を実現するために傘歯車52a〜52cおよびuジョイント195の両方の代わりに用いることができるねじりケーブル(torsion cable)197を示している。
【0053】
図25〜図31は、本発明の別の実施形態に従った動力補助を備えた2ストローク手術用電動切断/結合器具10の別の実施形態を例示している。図25〜図31の実施形態は、図6〜図10の実施形態に類似しているが、図25〜図31の実施形態は、螺旋歯車ドラム80の代わりに、代替の歯車駆動組立体を含む。図25〜図31の実施形態は、フレーム201内に配置された多数の歯車を含むギアボックス組立体200を含む。ギアボックス組立体200では、駆動シャフト48の近位端部におけるピニオン歯車124と遊星歯車72との間に歯車が連結されている。詳細を後述するように、ギアボックス組立体200は、エンドエフェクタ12の延出および荷重の力を、発射トリガー20を介して使用者にフィードバックする。また、使用者は、ギアボックス組立体200を介してシステムに力を加えて、エンドエフェクタ12の延出動作を補助することができる。この意味で、上記した実施形態と同様に、図25〜図31の実施形態は、切断器具32にかかる荷重の力を使用者にフィードバックする別の動力補助電動器具10である。
【0054】
例示されている実施形態では、発射トリガー20は、主本体部分202と補強部分204の2つの部品を含む。主本体部分202は、例えば、プラスチックから作られることができ、補強部分204は、金属などのより硬質な材料から作られることができる。例示されている実施形態では、補強部分204は、主本体部分202に近接しているが、別の実施形態に従えば、補強部分204は、主本体部分202の内部に配置することができる。ピボットピン207を、発射トリガー部品202、204の開口内に挿入し、発射トリガー20の回転の中心点とすることができる。加えて、ばね222が、発射トリガー20を反時計回りの方向に付勢することができる。ばね222は、ピン224に連結された遠位端部を有することができる。このピン224は、発射トリガー20の部品202、204に連結されている。ばね222の近位端部は、ハンドルの下側外面部品59または60の一方に連結されることができる。
【0055】
例示されている実施形態では、主本体部分202および強化部分204がそれぞれ、上端部に歯車部分206および208を含む。歯車部分206、208は、後述するように、ギアボックス組立体200内の歯車に係合して、主駆動シャフト組立体を駆動し、エンドエフェクタ12の延出を使用者にフィードバックする。
【0056】
ギアボックス組立体200は、例示されている実施形態では、図示されているように6個の歯車を含むことができる。ギアボックス組立体200の第1の歯車210が、発射トリガー20の歯車部分206、208に係合する。加えて、第1の歯車210は、大きい第3の歯車214と同軸上にある小さい第2の歯車212に係合する。第3の歯車214は、第5の歯車218と同軸上にある小さい第4の歯車216に係合する。第5の歯車218は、主駆動シャフト48を駆動するピニオン歯車124に連結された90度の傘歯車220(図31に最もよく示されている)に噛合する90度の傘歯車である。
【0057】
動作の際、使用者が発射トリガー20を引くと、モータ駆動センサ(不図示)が、作動されて、モータ65に信号を送り、操作者が発射トリガー20を引く程度すなわち力に比例した速度でモータ65が回転する。このため、モータ65は、センサからの信号に比例した速度で回転する。このセンサは、この実施形態には示されていないが、上記したモータ駆動センサ110と同様にすることができる。このセンサは、発射トリガー20が引かれた時に押されるようにハンドル6内に配置されることができる。また、比例型センサの代わりに、オン・オフ型センサを用いることもできる。
【0058】
モータ65が回転すると、傘歯車66、70が回転して遊星歯車72が回転し、これにより、駆動シャフト76を介してリング歯車122が回転する。リング歯車122は、主駆動シャフト48に連結されたピニオン歯車124に噛合している。したがって、ピニオン歯車124の回転により、主駆動シャフト48が駆動して、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作が開始される。
【0059】
ピニオン歯車124の正回転により、傘歯車220が回転し、ギアボックス組立体200の残りの歯車を介して第1の歯車210が回転する。第1の歯車210は、発射トリガー20の歯車部分206、208に係合しているため、エンドエフェクタ12を前進させるためにモータ65が正回転すると、発射トリガー20が反時計回りの方向に回転し、エンドエフェクタ12を引き戻すためにモータ65が逆回転すると、発射トリガー20が時計周りの方向に回転する。この方式では、使用者は、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の荷重の力および延出のフィードバックを受ける。したがって、使用者は、発射トリガー20を引くと、エンドエフェクタ12にかかる荷重の力に関連した抵抗を感じる。同様に、操作者は、発射トリガー20を元の位置に戻すために、切断/ステープル留めの動作の後に発射トリガー20を解放すると、モータ65の逆回転速度に概ね比例した発射トリガー20の時計周りの回転の力を感じる。
【0060】
この実施形態では、使用者が、発射トリガー20を引いて力を加えて(モータ65からの力の代わりまたはこれに加えて)、主駆動シャフト組立体を作動させる(したがって、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作を開始する)。すなわち、発射トリガー20を引くと、歯車部分206、208が反時計周りの方向に回転して、ギアボックス組立体200の歯車が回転し、これによりピニオン歯車124が回転して主駆動シャフト48が回転する。
【0061】
図25〜図31には示されていないが、器具10は、モータ逆回転センサ、およびモータ停止センサをさらに含むことができる。上記したように、モータ逆回転センサ、およびモータ停止センサはそれぞれ、切断ストロークの終了(ナイフ32およびスレッド33の完全な延出)、および引き戻し動作の終了(ナイフ32の完全な引き戻し)を検出することができる。図11を用いて説明した上記回路と同様の回路を用いて、適切にモータ65に電力を供給することができる。
【0062】
図32〜図36は、別の実施形態に従った動力補助を備えた2ストローク手術用電動切断/結合器具10を例示している。図32〜図36の実施形態は、図25〜図31の実施形態に類似しているが、図32〜図36の実施形態では、発射トリガー20は、下側部分228および上側部分230を含む。両方の部分228、230は、これらの中に配置されたピボットピン207に連結され、このピボットピン207を中心に旋回する。上側部分230は、ギアボックス組立体200の第1の歯車210に係合する歯車部分232を含む。ばね222が、この上側部分230が時計周りの方向に回転するよう付勢されるように、上側部分230に連結される。上側部分230は、発射トリガー20の下側部分228の上面に接触する下側アーム234を含むことができる。このため、上側部分230が時計周りの方向に回転すると、下側部分228も時計周りの方向に回転し、下側部分228が反時計周りの方向に回転すると、上側部分230も反時計周りの方向に回転する。同様に、下側部分228は、上側部分230の下側の肩に係合する回転ストッパー238を含む。この方式では、上側部分230が反時計周りの方向に回転すると、下側部分228も反時計周りの方向に回転し、下側部分228が時計回りの方向に回転すると、上側部分230も時計周りの方向に回転する。
【0063】
例示されている実施形態はまた、モータ65に信号を送るモータ駆動センサ110も含む。様々な実施形態では、この信号は、操作者が発射トリガー20を引く時に加える力に比例した速度でモータ65を回転させることができる。センサ110は、例えば、レオスタットまたはここで説明する他のタイプの可変抵抗センサとすることができる。加えて、器具10は、発射トリガー20の上面230の前面242に接触すると作動すなわちスイッチが入るモータ逆回転センサ130を含むことができる。モータ逆回転センサ130は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65を逆回転させる。また、器具10は、発射トリガー20の下側部分228に接触すると作動すなわち始動されるモータ停止センサ142を含むことができる。モータ停止センサ142は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65の逆回転を停止させる。
【0064】
動作の際、操作者が、閉鎖トリガー18をロック位置に引くと、図32および図33に示されているように、発射トリガー20が僅かに引かれるため(参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,978,921号(名称:「Eビーム発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical stapling instrument incorporating an E-beam firing mechanism)」)、および同第6,905,057号(名称:「連結ラック伝達装置を備えた発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instrument Incorporating A Firing Mechanism Having A Linked Rack Transmission)」)を含め、当分野で周知の機構を介して)、使用者は、発射トリガー20を握って、切断/ステープル留めの動作を開始することができる。この時点では、図33に示されているように、発射トリガー20の上側部分230の歯車部分232が、ギアボックス組立体200の第1の歯車210に係合するように移動する。操作者が発射トリガー20を引くと、様々な実施形態に従えば、発射トリガー20が、図34に示されているように、モータ駆動センサ110が作動する前に、例えば5度の僅かな量回転することができる。センサ110が作動すると、モータ65が、操作者が加えた引く力に比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、上記したように、主駆動シャフト48が回転し、これによりエンドエフェクタ12のナイフ32が延出される(すなわち、溝型部材22を横切って移動し始める)。主駆動シャフト48に連結されたピニオン歯車124の回転により、ギアボックス組立体200の歯車210〜220が回転する。第1の歯車210が、発射トリガー20の上側部分230の歯車部分232に係合しているため、上側部分230が反時計周りの方向に回転し、これにより下側部分228も反時計周りの方向に回転する。
【0065】
ナイフ32が完全に延出されると(すなわち、切断ストロークの終了時)、上側部分230の前面242により、モータ逆回転センサ130が作動し、これにより信号がモータ65に送られ、モータ65が逆回転する。これにより、主駆動軸シャフト組立体が逆回転してナイフ32を引き戻す。主駆動シャフト組立体の逆回転により、ギアボックス組立体の歯車210〜220が逆回転して、発射トリガー20の上側部分230が時計周りの方向に回転し、これにより発射トリガー20の下側部分228が、ナイフ32が完全に引き戻されて上側部分230の前面242がモータ停止センサ142を作動させてモータ65が停止するまで、時計回りの方向に回転する。この方式では、使用者は、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の延出をフィードバックされる。したがって、使用者は、発射トリガー20を引くと、エンドエフェクタ12の延出、特にナイフ32が受ける荷重の力に関連した抵抗を感じる。同様に、使用者は、切断/ステープル留めの動作の後に、発射トリガー20を元の位置に戻すために発射トリガー20を解放すると、モータ65の逆回転速度に概ね比例する発射トリガー20の時計回りの回転の力を感じる。
【0066】
この実施形態では、使用者が、発射トリガー20を引いて力を加えて(モータ65からの力の代わりまたはこれに加えて)、主駆動シャフト組立体を作動させる(したがって、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作を開始する)ことができることに留意されたい。すなわち、発射トリガー20を引くと、上側部分230の歯車部分232が反時計回りに回転して、ギアボックス組立体200の歯車が回転し、これによりピニオン歯車124が回転して主駆動シャフト組立体が回転する。
【0067】
上記した実施形態は、2ストローク手術用電動切断/結合器具のための適応制御(例えば、モータ、歯車駆動列、およびエンドエフェクタの閉じたループシステムの外側にセンサ110、130、および142を用いる)を用いるまたは用いない動力補助ユーザーフィードバックシステムを利用している。すなわち、使用者が発射トリガー20を引く際に加える力を、モータ65と主駆動シャフト48との間の歯車駆動列に発射トリガー20を連動させて(直接または間接的)、モータ65が加える力に付加することができる。本発明の別の実施形態では、使用者は、発射トリガー20を歯車駆動列に連動させないで、エンドエフェクタ12内のナイフ32の位置の感覚フィードバックを受けることができる。図37〜図40は、このような位置感覚フィードバックシステムを備えた手術用電動切断/結合器具10を例示している。
【0068】
図37〜〜図40に例示されている実施形態では、発射トリガー20は、図32〜図36に示されている器具10と同様に、下側部分228および上側部分230を有することができる。しかしながら、図32〜図36の実施形態とは異なり、上側部分230は、歯車駆動列の一部と噛合する歯車部分を備えていない。代わりに、この器具10は、ねじロッド266がねじ込まれた第2のモータ265を含む。ねじロッド266は、モータ265が回転すると、その回転方向によってモータ265の中に、およびその外に長手方向に往復運動する。器具10はまた、主駆動シャフト48(または主駆動組立体の他の構成要素)の増分角運動を、例えば対応する一連のデジタル信号に変換するために、主駆動シャフト48の回転に応答するエンコーダ268も含む。例示されている実施形態では、ピニオン歯車124は、エンコーダ268に連結された近位駆動シャフト270を含む。
【0069】
器具10はまた、エンコーダ268からデジタル信号を受け取るマイクロコントローラまたは他のタイプの集積回路を用いて実施できる制御回路(不図示)も含む。エンコーダ268からの信号に基づいて、この制御回路は、エンドエフェクタ12のナイフ32の延出の段階を計算することができる。すなわち、制御回路は、ナイフ32が完全に延出されたか、完全に引き戻されたか、または中間段階にあるかを計算することができる。エンドエフェクタ12の延出の段階の計算に基づいて、制御回路は、第2のモータ265に信号を送って、第2のモータ265の回転を制御して、ねじロッド266の往復運動を制御することができる。
【0070】
動作において、図37に示されているように、閉鎖トリガー18がクランプ位置にロックされていないと、発射トリガー20が、ハンドル6のピストルグリップ部分26から離れるように回転するため、発射トリガー20の上側部分230の前面242が、ねじロッド266の近位端部に接触していない。操作者が、閉鎖トリガー18を引いて、この閉鎖トリガー18をクランプ位置にロックすると、図38に示されているように、発射トリガー20が、閉鎖トリガー18に向かって僅かに回転し、操作者が、発射トリガー20を握ることができる。この位置では、上側部分230の前面242が、ねじロッド266の近位端部に接触している。
【0071】
使用者が発射トリガー20を引くと、初めの回転量(例えば、約5度)を超えると、モータ駆動センサ110が作動されて、上記したようにモータ65に信号を送り、このモータ65が、操作者が発射トリガー20を引いた力の大きさに比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、主駆動シャフト48が、歯車駆動列を介して回転し、これによりナイフ32およびスレッド33が溝型部材22を移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織が切断される。制御回路が、主駆動シャフト組立体の増分回転をエンコーダ268から出力信号として受け取り、第2のモータ265に信号を送り、この第2のモータ265が回転して、ねじロッド266がモータ265内に引き戻される。このため、発射トリガー20の上側部分230が反時計回りに回転し、発射トリガーの下側部分228も反時計周りの方向に回転する。この方式では、ねじロッド266の往復運動が、主駆動シャフト組立体の回転に関連するため、器具10の操作者が、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の位置の感覚フィードバックを受ける。しかしながら、この実施形態では、発射トリガー20が歯車駆動列に噛合していないため、操作者が引く力は、主駆動シャフト組立体の駆動に直接影響を与えない。
【0072】
エンコーダ268からの出力信号によって主駆動シャフト組立体の増分回転をトラッキングすることで、制御回路が、ナイフ32が完全に作動(すなわち、完全に延出)したことを計算することができる。この時点で、制御回路は、モータ65に信号を送ってモータ65を逆回転させ、ナイフ32を引き戻すことができる。モータ65の逆回転により、主駆動シャフト組立体が逆回転し、そのことはエンコーダ268によって検出される。エンコーダ268によって検出された逆回転に基づいて、制御回路が、第2のモータ265に信号を送り、この第2のモータ265が逆回転し、ねじロッド266がモータ265から長手方向に延出し始める。この運動により、発射トリガー20の上側部分230が時計周りの方向に回転し、これにより下側部分228が時計周りの方向に回転する。この方式では、操作者は、エンドエフェクタ12のナイフ32の引き戻し位置のフィードバックとなる発射トリガー20の時計周りの力を感じることができる。制御回路は、いつナイフ32が完全に引き戻されたかを決定することができる。この時点で、制御回路が、モータ65に信号を送り、このモータ65の回転を停止する。
【0073】
別の実施形態に従えば、制御回路がナイフ32の位置を決定するのではなく、上記したように、モータ逆回転センサおよびモータ停止センサを用いることができる。加えて、比例センサ110を用いるのではなく、オン・オフスイッチまたはセンサを用いてモータ65の回転を制御することができる。このような実施形態では、操作者は、モータ65の回転速度を制御することができない。正しくは、モータ65は、プログラムされた速度で回転する。
【0074】
図43は、手術器具300の様々な実施形態を例示している。手術器具300は、上記した手術器具10に類似させることができる。これらの実施形態では、ハンドル6は、本体部分302、およびこの本体部分302に取外し可能に連結されたグリップ部分304を含む。グリップ部分304は、任意の好適な構造によって本体部分302に係合されることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、本体部分302に対するグリップ部分304の係合は、グリップ部分304および/または本体部分302を回転させて係合を完了する構成などによって、例えば図44に示されている真直で線形のスライド構造として実現されることができる。
【0075】
様々な実施形態に従えば、グリップ部分304は、上記したピストルグリップ26、外面部品59の一部、および外面部品60の一部を含むことができる。様々な実施形態に従えば、本体部分302は、ハンドル6の静止台を含むことができる。例えば図48および49に図示されているように、グリップ部分304は、第1および第2の上側スライドレール306、ならびに第1および第2の下側スライドレール308も含む。図44に示されているように、第1の上側スライドレール306がランプ310を画定している。第1の上側スライドレール306と第1の下側スライドレール308との関係が図44に示されている。
【0076】
図43では、バッテリ64がグリップ部分304内に配置されているが、他の実施形態に従えば、バッテリ64は、本体部分302内に配置できることを理解されたい。様々な実施形態に従えば、グリップ部分304は、バッテリ64をこのグリップ部分304から取り外せるように構成して、配列することができる。例えば、グリップ部分304は、このグリップ部分304からバッテリ64を取り外せる大きさの開口を覆う取外し可能な部分を含むことができる。別法では、別個に廃棄するためにバッテリ64に容易にアクセスできるように、外面部品59の一部を、外面部品60の一部から取り外することができる。様々な実施形態に従えば、バッテリ64は、再充電式バッテリとすることができる。
【0077】
図43では、モータ65が本体部分302内に配置されているが、他の実施形態に従えば、モータ65をグリップ部分304内に配置できることを理解できよう。モータ65は、導線314によってバッテリ64に電気的に接続されている。図43には導線314のみが示されているが、詳細を後述するように、他の実施形態に従えば、バッテリ64とモータ65との間の電気経路は、1または複数のモータインターロックを含むこともできる。
【0078】
手術器具300は、ハンドル6内にロックアウトシステム316をさらに含むことができる。ロックアウトシステム316は、詳細が図44および図47に示されているように、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、ロックアウトシステム316は、グリップ部分304が本体部分302から2回取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できないようにすることができる。ロックアウトシステム316は、図示されているように、主に本体部分302内に配置されているが、他の実施形態に従えば、ロックアウトシステム316は、主にグリップ部分304内に配置することができる。
【0079】
図44に示されているように、ロックアウトシステム316は、カウンタ318、およびこのカウンタ318に結合されたブロック組立体320を含む。カウンタ318は、グリップ部分304がハンドル6の本体部分302から取り外されると前進するように構成され、配列されている。カウンタ318は、本体部分302に連結されたボス323(図46および図47を参照)によって支持されているシャフト322(図46および図47に明示)に連結されている。カウンタ318は、シャフト322に結合された表示ホイール324、およびこの表示ホイール324に結合された付勢部材326を含む。付勢部材326は、例えば、表示ホイール324を反時計周りの方向に付勢するように構成されたねじりばねによって具現されることができる。
【0080】
表示ホイール324は、ブロック組立体320と協働して表示ホイール324の前進を制限する突出部328を画定している。突出部328の1つは、ブロック組立体320と協働し、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。表示ホイール324は、突出部328を画定するとして示されているが、他の実施形態に従えば、表示ホイール324は、ブロック組立体320と協働して表示ホイール324の前進を制限する凹部を画定することができる。凹部の1つは、ブロック組立体320と協働し、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成されている。
【0081】
シャフト322は、表示ホイール324を元の位置にリセットできるように構成され、配列されている。例えば、シャフト322は、六角形の開口330を画定することができ、六角形の器具を、本体部分302によって画定された開口331(図47を参照)を介して六角形の開口330内に挿入して、時計回りの方向に回転させて表示ホイール324を元の位置にリセットすることできる。
【0082】
ブロック組立体320は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。図44に示されているように、ブロック組立体320は、ブロック部材332、ブロック部材ガイド334、ゲート部材336、および付勢部材338を含む。ブロック部材332は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。ブロック部材ガイド334は、本体部分302に連結され(図46および図47に明示)、ブロック部材332に接触しており、ブロック部材332の移動を案内する役割を果たす。ゲート部材336は、ブロック部材332に接触し、ブロック部材ガイド334に旋回可能に連結され、突出部328と協働して表示ホイール324の前進を制限する。付勢部材338は、ゲート部材336に結合されている。付勢部材338は、例えば、ゲート部材336を時計周りの方向に付勢するように構成されたねじりばねによって具現されることができる。ロックアウトシステム316の動作の詳細は、図50〜図55を参照して後述する。
【0083】
例えば、図44、図45、および図47に示されているように、ハンドル6は、グリップ部分304を本体部分302から係合解除し始めるように構成され、配列された解除システム340をさらに含む。解除システム340は、本体部分302内に配置され、解除ボタン342、ならびにこの解除ボタン342と一体または連結された第1および第2の解除部材344を含む。第1および第2の解除部材344はそれぞれ、解除ランプ346を画定している。解除システム340は、対応する解除ランプ346に接触している第1および第2の解除ピン348、第1および第2の解除ピン348に接触している第1および第2のロックばね350、ならびに、第1および第2の下側スライドレール308に接触している第1および第2の排出ばね352(図49に明示)をさらに含む。
【0084】
グリップ部分304を本体部分302から係合解除し始めるには、解除ボタン342を前進させて、第1および第2の解除部材344および対応する解除ランプ346をも前進させる。解除ランプ346が前進すると、この解除ランプ346により、第1および第2の解除ピン348が移動する。第1および第2の解除ピン348のそれぞれの位置の変化により、第1および第2のロックばね350の位置が変化する。第1および第2のロックばね350の位置が、第1および第2の上側スライドレール306が通過するのに十分な程度に変化すると、第1および第2の排出ばね352のそれぞれが、蓄えたエネルギーを解放し、第1および第2の下側スライドレール308のそれぞれに力がかかる。この力により、グリップ部分304の本体部分302からの係合解除が助けられる。他の実施形態に従えば、解除システム340は、グリップ部分304を本体部分302から取り外し始めるための好適な他の構成要素および/または構造を含むことができることを理解できよう。
【0085】
図50〜図55は、取付け/取外しの際の様々な時点でのロックアウトシステム316の構成要素の相対位置を例示している。図50は、グリップ部分304が本体部分302に対して初めに完全に係合する前の相対位置を例示している。ゲート部材336が、1つの突出部328に接触しているため、表示ホイール324の前進が防止されている。
【0086】
第1および第2の上側スライドレール306が前進すると、第1の上側スライドレール306によって画定されたランプ310により、ブロック部材332が表示ホイール324に向かって前進する。ブロック部材332が、表示ホイール324に向かって前進すると、ブロック部材332により、ゲート部材336が表示ホイール324から離れる方向に移動する。第1の上側スライドレール306およびランプ310がさらに前進すると、ブロック部材332が、表示ホイール324に向かってさらに前進する。グリップ部分304が本体部分302に完全に係合されると、図51に示されているように、ブロック部材332が、元はゲート部材336に接触していた突出部328に接触し、表示ホイール324の前進が防止される。
【0087】
グリップ部分304が本体部分302から係合解除され始めると、第1および第2の上側スライドレール306が、反対方向に移動し、第1の上側スライドレール306によって画定されたランプ310により、ブロック部材332が、表示ホイール324から離れる方向に移動する。ブロック部材332が表示ホイール324から離れる方向に移動すると、このブロック部材332により、図52に示されているように、ゲート部材336が、突出部328を越えて表示ホイール324に向かって移動する。グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、ブロック部材332が表示ホイール324から離れる方向に十分に移動して、突出部328との接触が弱まり、表示ホイール324が、図53に示されているように、第2の突出部328がゲート部材336に接触するまで回転することができる。
【0088】
この時点で、カウンタ318が一区分前進し、本体部分302をグリップ部分304に再び取り付ける(または交換用グリップ部分に取り付ける)ことができる。取付け/取外しのサイクルを繰り返すことができる。グリップ部分304が本体部分302に完全に係合されると、ブロック部材332が、図54に示されているように、元はゲート部材336と接触していた突出部328に接触し、表示ホイール324の前進が防止される。この第2のサイクルが終了した後で、グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、図55に示されているように、ゲート部分336が第3の突出部328に接触する。第3の突出部328は、ブロック部材332によってゲート部材336が表示ホイール324から離れる方向に移動するのを防止し、本体部分302がグリップ部分304に再び取り付けられる(または交換用グリップ部分に取り付けられる)のを防止するように構成され、配列されている。したがって、これらの実施形態に従えば、手術器具10は、2回有効に使用することができる器具である。しかしながら、当分野の技術者であれば、表示ホイール324が、追加の突出部328または凹部を画定することにより、使用できる回数を増やすことができることを理解できよう。
【0089】
図56は、手術器具400の様々な実施形態を例示している。手術器具400は、手術器具300に類似させることができるが、ロックアウトシステム316を備えていない。手術器具400は、グリップ部分304の部分402が、グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、グリップ部分304から分離されて本体部分302と接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、という点も異なっている。グリップ部分304から分離されると、分離した部分402は、本体部分302と接触した状態に維持され、グリップ部分304の本体部分302への再度の取付け(または交換用グリップ部分の本体部分302への取り付け)を物理的に妨げる。したがって、手術器具400は、1回有効に使用することができる器具である。分離部分402は、図56では、第1の上側スライドレール306の一部として示されているが、他の実施形態に従えば、分離部分402は、グリップ部分304の任意の部分とすることができる。
【0090】
図57は、手術器具500の様々な実施形態を例示している。手術器具500は、手術器具300に類似させることができるが、ロックアウトシステム316を備えていない。むしろ、手術器具500は、ハンドル6内にカウンタ502を備えている。このカウンタ502は、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。図58に示されているように、モータインターロック504は、バッテリ64とモータ65との間の電気経路に配置されている。図58に示されている回路は、図11に示されている回路に類似しているが、カートリッジロックアウトセンサ136に直列に接続されたモータインターロック504を含む。したがって、モータインターロック504が開の位置にあると、リレー138が、非通電状態であって、バッテリ64からモータ65への電力供給が防止されている。
【0091】
様々な実施形態に従えば、モータインターロック504は、カウンタ502の一部を含む。カウンタ502は、このカウンタ502が所定のカウントに達するとモータインターロック504を開くように構成され、配列された機械式カウンタ、電気機械式カウンタ、または電気式カウンタとして具現されることができる。様々な実施形態に従えば、カウンタ502への入力は、非電気入力とすることができる。他の実施形態に従えば、カウンタ502は、1または複数のモータインターロック504を含む集積回路チップを含むことができる。図58では、唯1つのモータインターロック504が示されているが、バッテリ64とモータ65との間の電気経路に任意の数のモータインターロック504を配置できることを理解されたい。
【0092】
様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、バッテリ64が手術器具500から所定回数取り外さると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、バッテリ64が手術器具500から2回取り外されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0093】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、グリップ部分304が本体部分302から2回取り外されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0094】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、閉鎖トリガー18および/または発射トリガー20が所定回数作動されると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定の回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、発射トリガー20が12回作動されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0095】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、手術器具500が1回目の使用の後、所定時間、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。このような実施形態では、カウンタ502はタイマーとして具現されることができる。1回目の使用は、手術器具500の使用に相当する任意の動作と定義されることができる。例えば、1回目の使用は、本体部分302に対するグリップ部分304の取付け、閉鎖トリガー18の作動、および発射トリガー20の作動などに相当させることができる。この所定時間は、任意の時間とすることができる。
【0096】
本発明の幾つかの実施形態を説明してきたが、当分野の技術者には、本発明の一部または全ての利点を備えた様々な改良形態、変更形態、および適用形態が明らかであろう。例えば、様々な実施形態に従えば、1つの構成要素を複数の構成要素に変更し、複数の構成要素を1つの構成要素に変更して、所与の機能を果たすようにすることができる。したがって、本願は、添付の特許請求の範囲によって規定されるここに開示する本発明の範囲および概念から逸脱することなく、このような改良形態、変更形態、および適用形態の全てを含むものとする。
【0097】
参照して本発明に組み入れると述べた全ての特許文献、刊行物、または他の開示資料の全てまたは一部は、ここに開示した既存の定義、説明、または他の開示資料に矛盾しないように本明細書に組み入れる。したがって、ここに明確に記載した開示は、必要程度、参照してここに組み入れた矛盾する資料よりも優先する。参照して本明細書に組み入れると述べたが、ここに記載した既存の定義、説明、または他の開示資料に矛盾する全ての資料またはその一部は、組み入れた資料と本明細書の開示資料とが矛盾しない程度に組み入れるものとする。
【0098】
〔実施の態様〕
(1)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたロックアウトシステムであって、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、ロックアウトシステムと、
を含む、手術器具。
(2)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
(3)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(4)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前進するように構成され、配列されたカウンタを含む、手術器具。
(5)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、表示ホイール、およびこの表示ホイールに結合された付勢部材を含む、手術器具。
【0099】
(6)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記カウンタに結合されたブロック組立体をさらに含み、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、
手術器具。
(7)実施態様(6)に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されているブロック部材を含む、手術器具。
(8)実施態様(7)に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記ブロック部材に接触しているゲート部材をさらに含む、手術器具。
(9)実施態様(8)に記載の手術器具において、
前記ロック組立体は、前記ゲート部材に結合された付勢部材をさらに含む、手術器具。
(10)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、リセット可能なカウンタである、手術器具。
【0100】
(11)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含み、前記グリップ部分の一部は、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前記グリップ部分から分離されて、前記本体部分に接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
を含む、手術器具。
(12)実施態様(11)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
(13)実施態様(11)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(14)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリと電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたカウンタであって、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、カウントと、
を含む、手術器具。
(15)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
【0101】
(16)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(17)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記バッテリが前記手術器具から所定回数取り外されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(18)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(19)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記手術器具のトリガーが所定回数作動されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(20)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記手術器具が1回目の使用の後、所定時間、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の斜視図である。
【図2】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の斜視図である。
【図3】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図4】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図5】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図6】様々な実施形態に従ったエンドエフェクタの側面図である。
【図7】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のハンドルの組立分解図である。
【図8】様々な実施形態に従ったハンドルの部分斜視図である。
【図9】様々な実施形態に従ったハンドルの部分斜視図である。
【図10】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図11】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具に用いられる回路の模式的な線図である。
【図12】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図13】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図14】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図15】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図16】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図17】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図18】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図19】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図20】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図21】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図22】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図23A】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点に用いることができる自在継手(uジョイント)を示す図である。
【図23B】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点に用いることができる自在継手(uジョイント)を示す図である。
【図24A】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点で用いることができるねじりケーブルを示す図である。
【図24B】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点で用いることができるねじりケーブルを示す図である。
【図25】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図26】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図27】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図28】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図29】別の実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図30】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図31】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図32】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図33】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図34】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図35】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図36】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図37】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図38】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図39】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図40】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図41】比例センサの様々な実施形態を示す図である。
【図42】比例センサの様々な実施形態を示す図である。
【図43】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図44】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図45】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図46】様々な実施形態に従った手術器具の一部の複合図である。
【図47】図44の線5‐5に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図48】図44の線6‐6に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図49】図44の線7‐7に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図50】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図51】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図52】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図53】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図54】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図55】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図56】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図57】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図58】様々な実施形態に従った図57の手術器具に用いられる回路の模式的な線図である。
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本発明は、参照して開示内容を本明細書に組み入れる、以下に示す同時出願した米国特許出願に関連する。
1.発明の名称:「ユーザーフィードバックシステムを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH USER FEEDBACK SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・オウワーカーク(John Ouwerkerk)、およびジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)代理人整理番号:K&LNG050519/END5687USNP
2.発明の名称:「荷重の力のフィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH LOADING FORCE FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、およびジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、代理人整理番号:K&LNG050516/END5692USNP
3.発明の名称:「位置感覚フィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、およびジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、代理人整理番号:K&LNG050515/END5693USNP
4.発明の名称:「適応性ユーザーフィードバックを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH ADAPTIVE USER FEEDBACK)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、およびジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、代理人整理番号:K&LNG050513/END5694USNP
5.発明の名称:「関節運動可能なエンドエフェクタを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH ARTICULATABLE END EFFECTOR)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびクリストフ・エル・ギリウム(Christoph L. Gillum)、代理人整理番号:K&LNG050692/END5769USNP
6.発明の名称:「機械式閉鎖システムを備えた手術用電動切断/結合器具(MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH MECHANICAL CLOSURE SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびクリストフ・エル・ギリウム(Christoph L. Gillum)、代理人整理番号:K&LNG050693/END5770USNP
7.発明の名称:「閉鎖トリガーロック機構を備えた手術用切断/結合器具(SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)およびケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、代理人整理番号:K&LNG050694/END5771USNP
8.発明の名称:「手術用電動切断/ステープル留め具のための歯車装置選択器(GEARING SELECTOR FOR A POWERED SURGICAL CUTTING AND FASTENING STAPLING INSTRUMENT)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、ユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050697/END5772USNP
9.発明の名称:「記録機能を備えた手術器具(SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジョン・エヌ・オウワーカーク(John N. Ouwerkerk)、ユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050698/END5773USNP
10.発明の名称:「電子ロックアウトおよび電子ロックアウトを含む手術器具(ELECTRONIC LOCKOUTS AND SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING SAME)」、発明者:ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、およびケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、代理人整理番号:K&LNG050700/END5775USNP
11.発明の名称:「シャフトに対して関節運動できるハンドルを備えた内視鏡手術器具(ENDOSCOPIC SURGICAL INSTRUMENT WITH A HANDLE THAT CAN ARTICULATE WITH RESPECT TO THE SHAFT)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、マーク・エス・オルティス(Mark S. Ortiz)、およびレスリー・エム・フジカワ(Leslie M. Fugikawa)、代理人整理番号:K&LNG050701/END5776USNP
12.発明の名称:「平行な閉鎖とアンビルの整合要素を有する回転式発射/閉鎖システムを備えた手術用電気機械切断/結合器具(ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING A ROTARY FIRING AND CLOSURE SYSTEM WITH PARALLEL CLOSURE AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ステファン・ジェイ・バレク(Stephen J. Balek)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050702/END5777USNP
13.発明の名称:「手術用切断/結合器具およびこれに用いるモジュラーエンドエフェクタに使用するための、組織ロケータを備えたアンビルを有する使い捨てステープルカートリッジ(DISPOSABLE STAPLE CARTRIDGE HAVING AN ANVIL WITH TISSUE LOCATOR FOR USE WITH A SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT AND MODULAR END EFFECTOR SYSTEM THEREFOR)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、マイケル・エス・クロッパー(Michael S. Cropper)、ジョシュア・エム・ブロエル(Joshua M. Broehl)、リャン・エス・クリスプ(Ryan S. Crisp)、ジャミソン・ジェイ・フロート(Jamison J. Float)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050703/END5778USNP
14.発明の名称:「フィードバックシステムを備えた手術器具(SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FEEDBACK SYSTEM)」、発明者:フレデリック・イー・シェルトン・ザ・フォース(Frederick E. Shelton, IV)、ジェローム・アール・モルガン(Jerome R. Morgan)、ケビン・アール・ドール(Kevin R. Doll)、ジェフリー・エス・スウェイズ(Jeffrey S. Swayze)、およびユージン・エル・ティムパーマン(Eugene L. Timperman)、代理人整理番号:K&LNG050705/END5780USNP
【0002】
〔発明の背景〕
本願は、バッテリが取外し可能な電動手術器具の全般および様々な実施形態に関連する発明を開示する。
【0003】
内視鏡手術器具は、切開部が小さく、術後の回復期間が短く、合併症を低減するため、従来の開放手術装置よりも選択される場合が多い。したがって、トロカールのカニューレを介して所望の外科部位に遠位エンドエフェクタを正確に配置するのに適した一連の内視鏡手術器具が著しく進歩した。このような遠位エンドエフェクタ(例えば、エンドカッター、グラスパー(捕捉器具)、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、およびエネルギー装置(超音波、RF、およびレーザーなどを用いる))は、様々な方法で組織に係合して診断または治療を行うことができる。
【0004】
既知の手術用ステープラは、組織に長手方向の切開部を形成すると同時に、その切開部の両側にステープル留めを列状に施すエンドエフェクタを含む。このエンドエフェクタは、内視鏡手術用または腹腔鏡手術用の場合は、カニューレの通路内を通過できる一対の協働するジョー部材を含む。ジョー部材の一方は、横方向に離隔した少なくとも2列のステープルを有するステープルカートリッジを受容する。他方のジョー部材は、カートリッジ内のステープルの列に整列したステープル成形ポケットを有するアンビルを画定している。この器具は、往復運動する複数のウエッジを含む。これらのウエッジは、遠位側に移動する場合、ステープルカートリッジの開口を通過し、ステープルを支持するドライバに係合してアンビルに向かってステープルを発射させる。
【0005】
内視鏡手術に適した手術用ステープラの例が、閉じる動作と発射する動作を別個に行うエンドカッターを開示している米国特許第5,465,895号に記載されている。この装置を使用すると、医師は、発射の前に、組織に対してジョー部材を閉じて組織の位置を合わせることができる。医師は、ジョー部材が組織を適切に挟んでいると判断したら、単一発射ストロークまたは多発射ストロークのいずれかで手術用ステープラを発射して、組織の切断およびステープル留めを行うことができる。切断とステープル留めが同時に行われるため、切断のみを行う手術器具とステープル留めのみを行う異なる手術器具を連続的に用いて行う際に生じうる面倒な事態を回避できる。
【0006】
発射の前に組織に対して閉じることができる1つの利点は、医師が、十分な量の組織が対向したジョーの間に保持されているかを含め、切断するのに所望の位置にあるかを内視鏡を介して確認することができることである。このような確認ができない場合、対向したジョーが、互いに接近し過ぎる、特にジョーの遠位端部が当接すると、切断された組織に閉じたステープルを有効に成形できないこともある。これとは逆に、過剰な組織が挟まれて、引っ掛かりが起きたり、発射が不完全となったりすることもある。
【0007】
内視鏡ステープラ/カッターは、各世代で次第に複雑になり、機能が増してきている。この主な理由の1つは、全てまたは大部分の外科医が取り扱うことができるレベルまで発射させる力(FTF)を下げる要求である。FTFを下げる1つの既知の解決法では、CO2または電動機を用いている。このような装置は、別の理由から、従来の手動装置よりも特段優れているものではない。外科医は通常、切断/ステープル留めのサイクルが完了したことを確認できるように、大抵の外科医の能力の上限(通常は約6.8kg〜13.6kg(約15ポンド〜30ポンド))で、ステープル成形中にエンドエフェクタが受ける力に見合った力の分布を感じることを望む。また、外科医は通常、ステープル留めの制御の維持と、装置のハンドルで感じる力が大きくなり過ぎた場合または他の臨床的な理由のためにステープル留めをいつでも停止できることを望む。このようなユーザーフィードバック動作は、現行の電動エンドカッターでは、適切に実現することができない。このため、一般に、医師は、切断/ステープル留めの動作を単にボタンを押して行う電動エンドカッターを受け入れていない。
【0008】
ますます多くの電動手術器具が、その内部に配置された1または複数のバッテリによって電力が供給されるようになってきた。様々な法域で、手術器具内に配置される前、および/または医療処置に手術器具を用いる前に各バッテリを滅菌しなければならない規則がある。また、多くの法域で、手術器具の他の構成要素が廃棄される要領とは異なる要領で各バッテリを廃棄しなければならない。
【0009】
様々な理由から、電動手術器具は、その1または複数のバッテリを交換しなければならない。手術器具の製造業者は、より進歩したモデルの電動手術器具を開発するために多額の投資を行っている。製造業者が企画した特定モデルの手術器具の販売数量に少なくとも部分的に基づいて、このモデルに関連した開発コストの一部を各手術器具の購入価格に乗せている。一部のこのような電動手術器具は、使用回数を制限するようにデザインされている。したがって、手術器具が限度回数を超えて使用されると、製造業者は、このモデルに関連した開発コストを回収できなくなってしまう。
【0010】
〔発明の概要〕
本願は、手術器具を開示する。様々な実施形態に従えば、この手術器具は、ハンドル、バッテリ、モータ、およびロックアウトシステムを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。バッテリがグリップ部分内に配置されている。モータは、このバッテリに電気的に接続されている。ロックアウトシステムは、ハンドル内に配置されており、グリップ部分が本体部分から所定回数取り外されると、グリップ部分を本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている。
【0011】
他の実施形態に従えば、手術器具は、ハンドル、バッテリ、およびモータを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。グリップ部分の一部は、グリップ部分が本体部分から取り外されると、グリップ部分から分離されて本体部分と接触した状態に維持されるように構成され、配列されている。バッテリは、グリップ部分内に配置されている。モータは、バッテリに電気的に接続されている。
【0012】
他の実施形態に従えば、手術器具は、ハンドル、バッテリ、モータ、およびカウンタを含む。このハンドルは、本体部分およびグリップ部分を含む。グリップ部分は、本体部分に取外し可能に連結されている。バッテリは、グリップ部分内に配置されている。モータは、バッテリに電気的に接続されている。カウンタは、ハンドル内に配置されており、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている。
【0013】
単なる例として添付の図面を参照しながら本発明の様々な実施形態を説明する。
【0014】
〔詳細な説明〕
開示する本発明の図面および説明の少なくとも一部を簡略化し、本発明を理解し易いように適切な要素を例示する一方で、見易くするために他の要素を省いたことを理解されたい。しかしながら、当分野の一般的な技術者であれば、このような要素および他の要素が妥当であることを理解できよう。しかしながら、このような要素は、当分野で周知であり、開示する本発明の理解を促すものではないため、本明細書ではこのような要素の説明は省略する。
【0015】
図1および図2は、本発明の様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具10を示している。例示されている実施形態は、内視鏡器具であり、一般に、ここに開示する器具10の実施形態は、内視鏡手術用切断/結合器具である。しかしながら、本発明の他の実施形態に従えば、この器具を、腹腔鏡器具などの非内視鏡手術用切断/結合器具とすることができることに留意されたい。
【0016】
図1および図2に示されている手術器具10は、ハンドル6、シャフト8、および関節ピボット14でシャフト8に旋回可能に連結された関節運動エンドエフェクタ12を含む。関節運動制御部16を、エンドエフェクタ12を、関節ピボット14を中心に旋回させるためにハンドル6に近接して設けることができる。例示されている実施形態では、エンドエフェクタ12は、組織のクランプ(すなわち把持)、切断、およびステープル留めのためのエンドカッターとして機能するように構成されているが、他の実施形態では、グラスパー、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波装置、RF装置、またはレーザー装置などの他のタイプの手術装置のためのエンドエフェクタなどを含め、様々なタイプのエンドエフェクタを用いることもできる。
【0017】
器具10のハンドル6は、エンドエフェクタ12を作動させるために閉鎖トリガー18および発射トリガー20を含むことができる。様々な手術処置に用いられるエンドエフェクタを有する器具は、エンドエフェクタ12の動作のために異なる数またはタイプのトリガーまたは他の適当な制御部を有することができることを理解されたい。エンドエフェクタ12は、図示されているように、好ましくは細長いシャフト8によってハンドル6から離されている。一実施形態では、医師すなわち器具10の操作者は、参照して本明細書に組み入れる、ジェフリー・シー・フエイルら(Geoffrey C. Hueil et al.)による、2006年1月10日出願の係属中の米国特許出願第11/329,020号(名称:「関節運動エンドエフェクタを備えた手術器具(Surgical Instrument Having An Articulating End Effector)」)に詳細に開示されているように、関節運動制御部16を用いてシャフト8に対してエンドエフェクタ12を関節運動させることができる。
【0018】
エンドエフェクタ12は、この例では、特に、ステープル溝型部材22、およびアンビル24などの旋回可能な並進運動クランプ部材を含む。ステープル溝型部材22とアンビル24は、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織のステープル留めおよび切断が有効に行われるようにある間隔に維持されている。ハンドル6は、ピストルグリップ26を含む。このピストルグリップ26に向かって、医師が閉鎖トリガー18を旋回させるように引いて、アンビル24をエンドエフェクタ12のステープル溝型部材22に向かってクランプ、すなわち、閉じて、アンビル24と溝型部材22との間に配置された組織をクランプすることができる。発射トリガー20は、閉鎖トリガー18よりもさらに外側に位置する。詳細は後述するが、閉じ位置に閉鎖トリガー18がロックされると、操作者が片手で握れるように、発射トリガー20が、ピストルグリップ26に向かって僅かに回転することができる。次に、操作者は、発射トリガー20をピストルグリップ26に向かって旋回させるように引いて、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織をステープル留めおよび切断することができる。他の実施形態では、例えば、対向したジョーなどのアンビル24以外の様々なタイプのクランプ部材を用いることができる。
【0019】
本明細書において、医師が把持する器具10のハンドル6を参照する際に語「近位側」および「遠位側」を用いていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ12は、近位側のハンドル6に対して遠位側である。本明細書において、図を参照する際に、便利さと見易さのために「垂直」および「水平」などの空間を示す語を用いていることも理解されたい。しかしながら、手術器具は、様々な向きおよび位置で用いることができ、このような語は、限定するものでも絶対的なものでもない。
【0020】
まず、閉鎖トリガー18を作動させることができる。医師が、エンドエフェクタ12の配置に満足したら、閉鎖トリガー18を、ピストルグリップ26の近位側の完全に閉じたロック位置まで引くことができる。次に、発射トリガー20を作動させることができる。発射トリガー20は、詳細を後述するように、医師が手を緩めると開いた位置(図1および図2を参照)に戻る。ハンドル6、この例ではハンドル6のピストルグリップ26に設けられた解除ボタン160を押して、ロックされた閉鎖トリガー18のロックを解除することができる。
【0021】
図3は、様々な実施形態に従ったエンドエフェクタ12の組立分解図である。例示されている実施形態に示されているように、エンドエフェクタ12は、前記した溝型部材22およびアンビル24に加えて、切断器具32、スレッド33、溝型部材22内に取外し可能に受容されたステープルカートリッジ34、および螺旋ねじシャフト36を含むことができる。切断器具32は、例えば、ナイフとすることができる。アンビル24は、溝型部材22の近位端部に連結されたピボット点25で旋回して開閉させられることができる。アンビル24はまた、このアンビル24を開閉するために機械式閉鎖システム(詳細は後述)の構成要素内に挿入されるタブ27をアンビル24の近位端部に備えることもできる。閉鎖トリガー18が作動させられる、すなわち器具10の使用者によって引かれると、アンビル24が、クランプ位置すなわち閉じた位置までピボット点25を中心に旋回することができる。エンドエフェクタ12のクランプが十分な場合、操作者は、詳細を後述するように、発射トリガー20を作動させて、ナイフ32およびスレッド33を溝型部材22に沿って長手方向に移動させ、これにより、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織を切断することができる。スレッド33の溝型部材22に沿った移動により、ステープルカートリッジ34のステープルが、閉じたアンビル24に向かって切断された組織を通って駆動され、切断された組織を結合するためステープルを曲げる。このような2ストローク切断/結合器具は、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,978,921号(名称:「Eビーム発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical stapling instrument incorporating an E-beam firing mechanism)」)に詳述されている。様々な実施形態に従えば、スレッド33は、切断動作の後にナイフ32が引き戻っても、スレッド33は引き戻らないように、カートリッジ34の一体部分とすることができる。
【0022】
ここに開示する器具10の実施形態は、切断された組織をステープル留めするエンドエフェクタ12を用いているが、他の実施形態では、切断された組織を結合するまたはシールするために様々な他の技術も利用できることに留意されたい。例えば、RFエネルギーまたは接着材を用いて切断された組織を結合するエンドエフェクタを用いることもできる。RFエネルギーを用いて切断された組織を結合する切断器具が、参照して本明細書に組み入れる米国特許第5,810,811号(名称:「電気手術止血装置(ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE)」)に開示されている。接着材を用いて切断された組織を結合する切断器具が、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願第11/267,811号(名称:「薬剤を送達するために構成された手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instruments Structured For Delivery Of Medical Agents)」)、および同第11/267,383号(名称:「ポンプを利用して薬剤を送達するために構成された手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instruments Structured For Pump-Assisted Delivery Of Medical Agents)」)に開示されている。したがって、本明細書は、以下に示す切断/ステープル留めの動作などについて説明するが、これは例示的な実施形態であって限定目的ではないことを理解されたい。組織を結合する他の技術も用いることができる。
【0023】
図4および図5は、様々な実施形態に従ったエンドエフェクタ12およびシャフト8の組立分解図であり、図6はそれらの側面図である。例示されている実施形態に示されているように、シャフト8は、ピボットリンク44によって旋回可能に連結された遠位閉鎖チューブ42および近位閉鎖チューブ40を含むことができる。遠位閉鎖チューブ42は、詳細を後述するように、アンビル24を開閉させるためにアンビル24のタブ27が挿入される開口45を含む。閉鎖チューブ40および42内に、近位支持チューブ46を配置することができる。この近位支持チューブ46内に、傘歯車組立体52によって第2の(または遠位)駆動シャフト50に連結された主回転(または近位)駆動シャフト48を配置することができる。第2の駆動シャフト50は、螺旋ねじシャフト36の近位駆動歯車56に係合する駆動歯車54に連結されている。主駆動シャフト48が、発射トリガー20の作動によって回転すると(詳細は後述)、傘歯車組立体52a〜52cが、駆動歯車54、56の係合によって第2の駆動シャフト50を回転させ、これにより螺旋ねじシャフト36が回転し、ナイフ/スレッド駆動部材32が、溝形部材22に沿って長手方向に移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされたあらゆる組織が切断される。垂直傘歯車52bが、近位支持チューブ46の遠位端部の開口57内に受容され、旋回することができる。遠位支持チューブ58を用いて、第2の駆動シャフト50、ならびに駆動歯車54および56を覆うことができる。本明細書では、主駆動シャフト48、第2の駆動シャフト50、および関節運動組立体(例えば、傘歯車組立体52a〜52c)をまとめて「主駆動シャフト組立体」とも呼ぶ。
【0024】
軸受38が、螺旋駆動ねじ36にねじ込まれている。この軸受36は、ナイフ32にも連結されている。螺旋駆動ねじ36が正回転すると、軸受38が螺旋駆動ねじ36を遠位側に横切って移動して、切断器具32を駆動し、この際にスレッド33が切断/ステープル留め動作を行う。スレッド33は、例えばプラスチックから作られることができ、遠位傾斜面を有することができる。スレッド33が溝型部材22を横切って移動すると、この前側傾斜面が、ステープルカートリッジ34内のステープルを、クランプされた組織を介してアンビル24に向かって押し上げる、すなわち駆動させることができる。アンビル24がステープルを曲げて、切断された組織がステープル留めされる。ナイフ32が引き戻される際に、ナイフ32とスレッド33が係合解除され、スレッド33が溝型部材22の遠位端部に残される。
【0025】
切断/ステープル留めの動作が単にボタンを押して行われる電動手術器具は、切断/ステープル留めの動作についてのユーザーフィードバックがないため、特に医師の間で受け入れられていない。これとは対照的に、本発明の実施形態は、エンドエフェクタ内の切断器具の延出(deployment)、力、および/または位置のユーザーフィードバックを備えた電動エンドカッターを提供する。
【0026】
図7〜図10は、電動エンドカッターの例示的な実施形態、特にそのハンドル6を例示している。このハンドルが、エンドエフェクタ内の切断器具の延出および荷重の力についてユーザーフィードバックを与える。加えて、この実施形態は、使用者が発射トリガー20を引く際の力を利用して装置に動力を供給することができる(いわゆる、「動力補助」モード)。例示されている実施形態に示されているように、ハンドル6は、互いに嵌りあい全体としてハンドル6の外面を形成する下部外面部品59、60および上部外面部品61、62を含む。リチウムイオン電池などのバッテリ64を、ハンドル6のピストルグリップ部分26内に設けることができる。バッテリ64は、ハンドル6のピストルグリップ部分26の上部に配置されたモータ65に電力を供給する。様々な実施形態に従えば、モータ65は、最大回転数が約5000rpmのDCブラシ駆動モータとすることができる。このモータ65は、第1の傘歯車68および第2の傘歯車70を含む90度の傘歯車組立体66を駆動することができる。傘歯車組立体66は、遊星歯車組立体72を駆動することができる。遊星歯車組立体72は、駆動シャフト76に連結されたピニオン歯車74を含むことができる。ピニオン歯車74は、駆動シャウト82を介して螺旋歯車ドラム80を駆動させる噛合したリング歯車78を駆動することができる。リング84を、螺旋歯車ドラム80にねじ込むことができる。したがって、モータ65が回転すると、リング84が、このリング84とモータ65との間に配置された傘歯車組立体66、遊星歯車組立体72、およびリング歯車78によって螺旋歯車ドラム80に沿って移動する。
【0027】
ハンドル6はまた、操作者が発射トリガー20をハンドル6のピストルグリップ部分26に向かって引くと(すなわち閉じると)、これによりエンドエフェクタ12による切断/ステープル留めの動作が開始されたことを検出するために、発射トリガー20に連結されたモータ駆動センサ110を含むこともできる。このセンサ110は、レオスタットまたは可変抵抗器などの比例センサとすることができる。発射トリガー20が引かれると、センサ110がその動きを検出し、モータ65に供給される電圧(または電力)を示唆する電気信号を送る。センサ110が可変抵抗器などの場合、モータ65の回転は、発射トリガー20の動きの程度に概ね比例することができる。すなわち、操作者が、発射トリガー20をほんの僅か引いた(すなわち閉じた)場合、モータ65の回転も比較的低い。発射トリガー20が完全に引かれた場合(すなわち、完全に閉じた位置)、モータ65の回転は最大となる。言い換えれば、操作者が発射トリガー20を強く引けば引くほど、より大きな電圧がモータ65に加えられ、回転数が上がる。
【0028】
ハンドル6は、発射トリガー20の上部に近接した中間ハンドル部品104を含むことができる。ハンドル6はまた、中間ハンドル部品104のポストと発射トリガー20のポストとの間に連結された付勢ばね112を含むこともできる。付勢ばね112は、発射トリガー20をその完全に開いた位置に付勢することができる。この方式では、操作者が発射トリガー20を離すと、付勢ばね112が、発射トリガー20をその開いた位置に引張り、センサ110の作動が解除され、モータ65の回転が停止する。さらに、付勢ばね112によって、使用者が発射トリガー20を閉じる際に必ず、閉じる動作に対する抵抗を感じるため、モータ65によって加えられる回転の程度が使用者にフィードバックされる。さらに、操作者は、発射トリガー20を引くのを止めてセンサ100からの力を解除し、これによりモータ65を停止することができる。したがって、使用者は、エンドエフェクタ12の延出を停止することができ、切断/綴じる動作の制御手段が得られる。
【0029】
螺旋歯車ドラム80の遠位端部は、ピニオン歯車124に噛合するリング歯車122を駆動する遠位駆動シャフト120を含む。ピニオン歯車124は、主駆動シャフト組立体の主駆動シャフト48に結合されている。この方式では、モータ65が回転すると、主駆動シャフト組立体が回転し、これにより上記したようにエンドエフェクタが作動する。
【0030】
螺旋歯車ドラム80にねじ込まれるリング84は、スロットアーム90のスロット88内に配置されるポスト86を含むことができる。スロットアーム90は、反対側の端部94に開口92を備えている。この開口92は、ハンドル外面部品59と60との間に連結されるピボットピン96を受容する。ピボットピン96はまた、発射トリガー20の開口100および中間ハンドル部品104の開口102内に通されて配置される。
【0031】
加えて、ハンドル6は、モータ逆回転(またはストローク終了)センサ130、およびモータ停止(またはストローク開始)センサ142を含むことができる。様々な実施形態では、モータ逆回転センサ130は、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に配置されたリミットスイッチであってもよく、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達すると、リング84がモータ逆回転センサ130に接触して、このモータ逆回転センサ130が作動するようにすることができる。モータ逆回転センサ130は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65が逆回転し、これにより、切断動作に続いてエンドエフェクタ12のナイフ32が引き戻される。
【0032】
モータ停止センサ142は、例えば、通常は閉じたリミットスイッチとすることができる。様々な実施形態では、モータ停止センサ142は、リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部に達するとリング84がスイッチ142を作動させるように、螺旋歯車ドラム80の近位端部に配置されることができる。
【0033】
動作の際、器具10の操作者が発射トリガー20を引くと、センサ110が発射トリガー20の配置を検出して、モータ65に信号を送り、これによりモータ65が、例えば、操作者が発射トリガー20を引いた強さに比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、遊星歯車組立体72の遠位端部におけるリング歯車78が回転し、これにより螺旋歯車ドラム80が回転して、この螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が螺旋歯車ドラム80に沿って遠位側に移動する。螺旋歯車ドラム80の回転により、上記したように主駆動シャフト組立体も駆動し、これによりエンドエフェクタ12内のナイフ32が延出する。すなわち、ナイフ32およびスレッド33が、溝型部材22を長手方向に横切って移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織を切断する。また、ステープル留め型エンドエフェクタが用いられている実施形態では、エンドエフェクタ12のステープル留めの動作が行われる。
【0034】
エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作が完了すると、螺旋歯車ドラム80のリング84が、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達して、モータ逆回転センサ130を作動し、モータ逆回転センサ130がモータ65に信号を送り、モータ65が逆回転する。これにより、ナイフ32が引き戻され、螺旋歯車ドラム80のリング84が、螺旋歯車ドラム80の近位端部に戻る。
【0035】
中間ハンドル部品104は、図8および図9に最もよく示されているように、スロットアーム90に係合する後部肩106を含む。中間ハンドル部品104はまた、発射トリガー20に係合する前方移動ストッパー107も有する。スロットアーム90の移動は、上記したように、モータ65の回転によって制御される。リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部から遠位端部に移動して、スロットアーム90が反時計回りの方向に回転する際に、中間ハンドル部品104は反時計回りの方向に自由に回転する。したがって、使用者が発射トリガー20を引くと、発射トリガー20が中間ハンドル部品104の前方移動ストッパー107に係合して、中間ハンドル部品104が反時計回りの方向に回転する。しかしながら、スロットアーム90に係合している後部肩106によって、中間ハンドル部品104は、スロットアーム90が許容する範囲でのみ、反時計回りの方向に回転することができる。この方式では、何らかの理由でモータ65の回転が停止した場合、スロットアーム90の回転が停止し、中間ハンドル部品104がスロットアーム90によって反時計回りの方向に自由に回転できなくなるため、使用者が発射トリガー20をさらに引くことができなくなる。
【0036】
図41および図42は、本発明の様々な実施形態に従ったモータ駆動センサ110として用いることができる可変センサの2つの状態を例示している。センサ110は、表面部分280、第1の電極(A)282、第2の電極(B)284、および電極282と284との間の圧縮性誘電体286(例えば、EAP)を含むことができる。センサ110は、発射トリガー20が引かれた時にこの発射トリガー20に表面部分280が接触するように配置されることができる。したがって、発射トリガー20が引かれると、図42に示されているように、誘電体286が圧縮され、電極282と284が互いに近づく。電極282と284との間の距離「b」が電極282と電極284との間のインピーダンスに直接関連されているため、距離が離れれば離れるほどインピーダンスが大きくなり、距離が近づけば近づくほどインピーダンスが小さくなる。この方式では、発射トリガー20が引かれて(図42に力「F」として示されている)誘電体286が圧縮される程度は、電極282と284とのインピーダンスに比例する。これを用いてモータ65を比例制御することができる。
【0037】
閉鎖トリガー18を引いてエンドエフェクタ12のアンビル24を閉じる(すなわちクランプする)ための例示的な閉鎖システムの構成要素が、図7〜図10にも示されている。例示されている実施形態では、閉鎖システムは、ピン251によって閉鎖トリガー18に連結されるヨーク250を含む。このピン251は、整列された、閉鎖トリガー18の開口およびヨーク250の開口の両方に挿入される。ピボットピン252を中心に閉鎖トリガー18が旋回する。ピボットピン252は、ピン251が閉鎖トリガー18に挿入されている部分から離れた閉鎖トリガー18の別の開口に挿入される。したがって、閉鎖トリガー18を引くと、ピン251によってヨーク250が取り付けられている閉鎖トリガー18の上側部分が反時計回りの方向に回転する。ヨーク250の遠位端部は、ピン254によって第1の閉鎖ブラケット256に連結される。第1の閉鎖ブラケット256は、第2の閉鎖ブラケット258に連結する。閉鎖ブラケット256と258が結合すると開口を画定する。この開口に、閉鎖ブラケット256および258の長手方向の移動により、近位閉鎖チューブ40が長手方向に移動するように、近位閉鎖チューブ40の近位端部(図4を参照)が受容され保持される。器具10はまた、近位閉鎖チューブ40内に受容される閉鎖ロッド260も含む。閉鎖ロッド260は、窓261を含むことができる。この窓261に、例示されている実施形態の下側外面部品59などの一方のハンドル外面部品のポスト263が配置され、閉鎖ロッド260がハンドル6に固定して連結される。このような方式では、近位閉鎖チューブ40は、閉鎖ロッド260に対して長手方向に移動することができる。閉鎖ロッド260はまた、近位支持チューブ46のキャビティ269内に嵌り、キャップ271(図4を参照)によってキャビティ269内に保持される遠位カラー267を含むことができる。
【0038】
動作の際、閉鎖トリガー18が引かれてヨーク250が回転すると、閉鎖ブラケット256、258により、近位閉鎖チューブ40が遠位側(すなわち、器具10のハンドル端部から離れる方向)に移動し、これにより遠位閉鎖チューブ42が遠位側に移動し、アンビル24が、クランプ位置すなわち閉じた位置までピボットピン25を中心に回転する。閉鎖トリガー18がロック位置から解除されると、近位閉鎖チューブ40が近位側にスライドし、遠位閉鎖チューブ42の窓45に挿入されているタブ27によって、遠位閉鎖チューブ42が近位側にスライドし、アンビル24が、開いた位置すなわち非クランプ位置までピボットピン25を中心に旋回する。このような方式では、閉鎖トリガー18を引いてロックすることにより、操作者は、アンビル24と溝型部材22との間に組織をクランプすることができ、切断/ステープル留めの動作の後で、閉鎖トリガー18をロック位置から解除して組織を解放することができる。
【0039】
図11は、本発明の様々な実施形態に従った器具10の電気回路の線図である。操作者が、閉鎖トリガー18をロックした後、初めに発射トリガー20を引くと、センサ110が作動され、このセンサ110に電流が流れる。通常は開いているモータ逆回転センサスイッチ130が開いている場合(すなわち、エンドエフェクタのストロークの最後に達していない場合)、電流が単極2段動作リレー(single pole, double throw relay)132に流れる。モータ逆回転センサスイッチ130が閉じていないため、リレー132のコイル134に電流が流れず、リレー132が通電されていない状態である。電気回路はまた、カートリッジロックアウトセンサスイッチ136も含む。エンドエフェクタ12が、ステープルカートリッジ34を含む場合、センサスイッチ136が閉じた状態で電流が流れる。そうではなく、エンドエフェクタ12がステープルカートリッジ34を含まない場合、センサスイッチ136が開いて、バッテリ64がモータ65に電力を供給するのを防止する。
【0040】
ステープルカートリッジ34が存在する場合、センサスイッチ136が閉じて、単極一段リレー138に電流が流れる。リレー138が通電されると、電流がこのリレー138から可変抵抗器センサ110を経て、双極2段動作リレー140を介してモータ65に流れ、モータ65に電力が供給され、このモータ65が正回転する。
【0041】
エンドエフェクタ12がそのストロークの最後に達すると、モータ逆回転センサ130が作動され、スイッチ130を閉じ、リレー132に電流を供給する。これにより、リレー132が通電された状態になり(図11には不図示)、電流がカートリッジロックアウトセンサスイッチ136および可変抵抗器110をバイパスして、通常は閉じた双極2段動作リレー140およびモータ65に電流が流れるが、この場合は、リレー140を介してモータ65に電流が流れるため、モータ65の回転方向が逆になる。
【0042】
モータ停止センサスイッチ142が通常は閉じているため、電流がリレー132に逆流し、スイッチ142が開くまでエネルギーが供給され続ける。ナイフ32が完全に引き戻されると、モータ停止センサスイッチ142が作動され、スイッチ142が開き、モータ65に電力が供給されなくなる。
【0043】
別の実施形態では、比例型センサ110ではなく、オン・オフ型センサを用いることができる。このような実施形態では、モータ65の回転速度は、操作者が加える力に比例しない。むしろ、モータ65は、概ね一定速度で回転する。しかしながら、操作者は、発射トリガー20が歯車駆動列に噛合されているため、力のフィードバックを受けることができる。
【0044】
図12は、別の実施形態に従った動力補助電動エンドカッターのハンドル6の側面図である。図12の実施形態は、図7〜図10の実施形態に類似しているが、図12の実施形態では、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84に連結されたスロットアーム90が存在しない。代わりに、図12の実施形態では、リング84は、このリング84が螺旋歯車ドラム80の上を前進(および後退)する際にこのリング84と共に移動するセンサ部114を含む。センサ部114は、ノッチ116を含む。モータ逆回転センサ130をノッチ116の遠位端部に配置し、モータ停止センサ142を、ノッチ116の近位端部に配置することができる。リング84が螺旋歯車ドラム80を前進および後退すると、センサ部114も共に移動する。さらに、図12に示されているように、中間部品104は、ノッチ116内に延びるアーム118を有することができる。
【0045】
動作の際、器具10の操作者が、発射トリガー20をピストルグリップ26に向かって引くと、モータ駆動センサ110がその動きを検出して信号を送り、モータ65に電力が供給され、螺旋歯車ドラム80が回転する。螺旋歯車ドラム80が回転すると、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が前進または後退する(回転方向によって決まる)。また、発射トリガー20が引かれることにより、発射トリガー20に係合した前方運動ストッパー107によって、中間部品104が発射トリガー20と共に反時計回りの方向に回転する。中間部品104が反時計回りの方向に回転すると、アーム118が、ノッチ116内に維持されるように、アーム118が、リング84のセンサ部分114と共に反時計回りの方向に回転する。リング84が、螺旋歯車ドラム80の遠位端部に達すると、アーム118がモータ逆回転センサ130に接触して、このモータ逆回転センサ130が作動する。同様に、リング84が螺旋歯車ドラム80の近位端部に達すると、アーム118がモータ停止センサ142に接触して、このモータ停止センサ142が作動する。上記したように、このような各作動により、モータ65が逆回転および停止することができる。
【0046】
図13は、別の実施形態に従った動力補助電動エンドカッターのハンドル6の側面図である。図13の実施形態は、図7〜図10の実施形態に類似しているが、図13の実施形態では、アーム90にスロットが設けられていない。代わりに、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が、垂直溝126を含む。スロットの代わりに、アーム90は、溝126に配置されたポスト128を含む。螺旋歯車ドラム80が回転すると、螺旋歯車ドラム80にねじ込まれたリング84が前進または後退する(回転方向によって決まる)。図13に示されているように、ポスト128が溝126内に位置されているため、リング84が前進するとアーム90が反時計回りの方向に回転する。
【0047】
上記したように、2ストローク電動器具を使用する際は、操作者は、まず閉鎖トリガー18を引いて、この閉鎖トリガー18をロックする。図14および図15は、閉鎖トリガー18をハンドル6のピストルグリップ部分26にロックする方法の一実施形態を示している。例示されている実施形態では、ピストルグリップ部分26は、ねじりばね152によってピボット点151を中心に反時計回りの方向に回転するように付勢されているフック150を含む。また、閉鎖トリガー18は、閉鎖バー154を含む。操作者が閉鎖トリガー18を引くと、閉鎖バー154が、フック150の傾斜部分156に係合して、閉鎖バー154が傾斜部分156を完全に通過して、閉鎖トリガー18を所定の位置にロックするフック150のノッチ158内に入るまで、フック150が上方(すなわち、図14および図15の時計周りの方向)に回転する。操作者は、ピストルグリップ部分26の後面すなわち反対側に設けられたスライド式解放ボタン160を押して閉鎖トリガー18を解放することができる。スライド式解放ボタン160を押し下げると、フック150が時計周りの方向に回転して、閉鎖バー154がノッチ158から解放される。
【0048】
図16は、様々な実施形態に従った別の閉鎖トリガーロック機構を示している。図16の実施形態では、閉鎖トリガー18は、矢印型頭部161を有するウエッジ160を含む。矢印型頭部161は、板ばね162によって下方(すなわち時計回りの方向)に付勢されている。ウエッジ160および板ばね162は、例えば、成型プラスチックから作られることができる。閉鎖トリガー18が引かれると、矢印型頭部161が、ハンドル6のピストルグリップ部分26の開口164内に挿入される。矢印型頭部161の下側の面取り表面166が、開口164の下側の側壁168に係合して、矢印型頭部161が反時計回りの方向に回転させられる。最終的に、下側の面取り表面166が、下側の側壁168を完全に通過して、矢印型頭部161に対する反時計回りの方向の力がかからなくなり、下側の側壁168が、矢印型頭部161の後側のノッチ170のロック位置に滑り込む。
【0049】
閉鎖トリガー18のロックを解除するには、使用者が、閉鎖トリガー18の反対側のボタン172を押して、矢印型頭部161を反時計回りの方向に回転させ、矢印型頭部161を開口164からスライドさせて出すことができる。
【0050】
図17〜図22は、別の実施形態に従った閉鎖トリガーロック機構を示している。この実施形態に示されているように、閉鎖トリガー18は、可撓性長手アーム176を含む。このアーム176は、そこから延びる横方向ピン178を含む。アーム176およびピン178は、例えば、成型プラスチックから作られることができる。ハンドル6のピストルグリップ部分26は、横方向に延びるウエッジ182が配置された開口180を含む。閉鎖トリガー18が引かれると、図17および図18に示されているように、ピン178がウエッジ182に係合して、ウエッジ182の下面184によって下側に押される(すなわち、アーム176が時計回りの方向に回転する)。ピン178が下面184を完全に通過すると、アーム176に対する時計回りの方向の力がかからなくなり、図19に示されているように、ピン178が、ウエッジ182の後側のノッチ186内に受容されるように、反時計回りの方向に回転して、閉鎖トリガー18がロックされる。ピン178は、ウエッジ184から延びる可撓性ストッパー188によってそのロック位置の所定の位置に保持される。
【0051】
閉鎖トリガー18のロックを解除するために、操作者は、図20および図21に示されているように、閉鎖トリガー18をさらに引いて、ピン178を開口180の傾斜した後壁190に係合させて、ピン178を、可撓性ストッパー188を越えて上方に移動させることができる。次に、図22に示されているように、ピン178が、閉鎖トリガー18がピストルグリップ部分26にもはやロックされないように、開口180の上部通路192を自由に移動する。
【0052】
図23Aおよび図23Bは、自在継手(uジョイント)195を示している。uジョイント195の第2の部品195‐2が、第1の部品195‐1が延在する水平面で回転する。図23Aは、直線(180度)の向きにあるuジョイント195を示し、図23Bは、約150度の向きにあるuジョイント195を示している。uジョイント195を、主駆動シャフト組立体の関節運動点14における傘歯車52a〜52c(例えば、図4を参照)の代わりに用いて、エンドエフェクタ12を関節運動させることができる。図24Aおよび図24Bは、エンドエフェクタ12の関節運動を実現するために傘歯車52a〜52cおよびuジョイント195の両方の代わりに用いることができるねじりケーブル(torsion cable)197を示している。
【0053】
図25〜図31は、本発明の別の実施形態に従った動力補助を備えた2ストローク手術用電動切断/結合器具10の別の実施形態を例示している。図25〜図31の実施形態は、図6〜図10の実施形態に類似しているが、図25〜図31の実施形態は、螺旋歯車ドラム80の代わりに、代替の歯車駆動組立体を含む。図25〜図31の実施形態は、フレーム201内に配置された多数の歯車を含むギアボックス組立体200を含む。ギアボックス組立体200では、駆動シャフト48の近位端部におけるピニオン歯車124と遊星歯車72との間に歯車が連結されている。詳細を後述するように、ギアボックス組立体200は、エンドエフェクタ12の延出および荷重の力を、発射トリガー20を介して使用者にフィードバックする。また、使用者は、ギアボックス組立体200を介してシステムに力を加えて、エンドエフェクタ12の延出動作を補助することができる。この意味で、上記した実施形態と同様に、図25〜図31の実施形態は、切断器具32にかかる荷重の力を使用者にフィードバックする別の動力補助電動器具10である。
【0054】
例示されている実施形態では、発射トリガー20は、主本体部分202と補強部分204の2つの部品を含む。主本体部分202は、例えば、プラスチックから作られることができ、補強部分204は、金属などのより硬質な材料から作られることができる。例示されている実施形態では、補強部分204は、主本体部分202に近接しているが、別の実施形態に従えば、補強部分204は、主本体部分202の内部に配置することができる。ピボットピン207を、発射トリガー部品202、204の開口内に挿入し、発射トリガー20の回転の中心点とすることができる。加えて、ばね222が、発射トリガー20を反時計回りの方向に付勢することができる。ばね222は、ピン224に連結された遠位端部を有することができる。このピン224は、発射トリガー20の部品202、204に連結されている。ばね222の近位端部は、ハンドルの下側外面部品59または60の一方に連結されることができる。
【0055】
例示されている実施形態では、主本体部分202および強化部分204がそれぞれ、上端部に歯車部分206および208を含む。歯車部分206、208は、後述するように、ギアボックス組立体200内の歯車に係合して、主駆動シャフト組立体を駆動し、エンドエフェクタ12の延出を使用者にフィードバックする。
【0056】
ギアボックス組立体200は、例示されている実施形態では、図示されているように6個の歯車を含むことができる。ギアボックス組立体200の第1の歯車210が、発射トリガー20の歯車部分206、208に係合する。加えて、第1の歯車210は、大きい第3の歯車214と同軸上にある小さい第2の歯車212に係合する。第3の歯車214は、第5の歯車218と同軸上にある小さい第4の歯車216に係合する。第5の歯車218は、主駆動シャフト48を駆動するピニオン歯車124に連結された90度の傘歯車220(図31に最もよく示されている)に噛合する90度の傘歯車である。
【0057】
動作の際、使用者が発射トリガー20を引くと、モータ駆動センサ(不図示)が、作動されて、モータ65に信号を送り、操作者が発射トリガー20を引く程度すなわち力に比例した速度でモータ65が回転する。このため、モータ65は、センサからの信号に比例した速度で回転する。このセンサは、この実施形態には示されていないが、上記したモータ駆動センサ110と同様にすることができる。このセンサは、発射トリガー20が引かれた時に押されるようにハンドル6内に配置されることができる。また、比例型センサの代わりに、オン・オフ型センサを用いることもできる。
【0058】
モータ65が回転すると、傘歯車66、70が回転して遊星歯車72が回転し、これにより、駆動シャフト76を介してリング歯車122が回転する。リング歯車122は、主駆動シャフト48に連結されたピニオン歯車124に噛合している。したがって、ピニオン歯車124の回転により、主駆動シャフト48が駆動して、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作が開始される。
【0059】
ピニオン歯車124の正回転により、傘歯車220が回転し、ギアボックス組立体200の残りの歯車を介して第1の歯車210が回転する。第1の歯車210は、発射トリガー20の歯車部分206、208に係合しているため、エンドエフェクタ12を前進させるためにモータ65が正回転すると、発射トリガー20が反時計回りの方向に回転し、エンドエフェクタ12を引き戻すためにモータ65が逆回転すると、発射トリガー20が時計周りの方向に回転する。この方式では、使用者は、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の荷重の力および延出のフィードバックを受ける。したがって、使用者は、発射トリガー20を引くと、エンドエフェクタ12にかかる荷重の力に関連した抵抗を感じる。同様に、操作者は、発射トリガー20を元の位置に戻すために、切断/ステープル留めの動作の後に発射トリガー20を解放すると、モータ65の逆回転速度に概ね比例した発射トリガー20の時計周りの回転の力を感じる。
【0060】
この実施形態では、使用者が、発射トリガー20を引いて力を加えて(モータ65からの力の代わりまたはこれに加えて)、主駆動シャフト組立体を作動させる(したがって、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作を開始する)。すなわち、発射トリガー20を引くと、歯車部分206、208が反時計周りの方向に回転して、ギアボックス組立体200の歯車が回転し、これによりピニオン歯車124が回転して主駆動シャフト48が回転する。
【0061】
図25〜図31には示されていないが、器具10は、モータ逆回転センサ、およびモータ停止センサをさらに含むことができる。上記したように、モータ逆回転センサ、およびモータ停止センサはそれぞれ、切断ストロークの終了(ナイフ32およびスレッド33の完全な延出)、および引き戻し動作の終了(ナイフ32の完全な引き戻し)を検出することができる。図11を用いて説明した上記回路と同様の回路を用いて、適切にモータ65に電力を供給することができる。
【0062】
図32〜図36は、別の実施形態に従った動力補助を備えた2ストローク手術用電動切断/結合器具10を例示している。図32〜図36の実施形態は、図25〜図31の実施形態に類似しているが、図32〜図36の実施形態では、発射トリガー20は、下側部分228および上側部分230を含む。両方の部分228、230は、これらの中に配置されたピボットピン207に連結され、このピボットピン207を中心に旋回する。上側部分230は、ギアボックス組立体200の第1の歯車210に係合する歯車部分232を含む。ばね222が、この上側部分230が時計周りの方向に回転するよう付勢されるように、上側部分230に連結される。上側部分230は、発射トリガー20の下側部分228の上面に接触する下側アーム234を含むことができる。このため、上側部分230が時計周りの方向に回転すると、下側部分228も時計周りの方向に回転し、下側部分228が反時計周りの方向に回転すると、上側部分230も反時計周りの方向に回転する。同様に、下側部分228は、上側部分230の下側の肩に係合する回転ストッパー238を含む。この方式では、上側部分230が反時計周りの方向に回転すると、下側部分228も反時計周りの方向に回転し、下側部分228が時計回りの方向に回転すると、上側部分230も時計周りの方向に回転する。
【0063】
例示されている実施形態はまた、モータ65に信号を送るモータ駆動センサ110も含む。様々な実施形態では、この信号は、操作者が発射トリガー20を引く時に加える力に比例した速度でモータ65を回転させることができる。センサ110は、例えば、レオスタットまたはここで説明する他のタイプの可変抵抗センサとすることができる。加えて、器具10は、発射トリガー20の上面230の前面242に接触すると作動すなわちスイッチが入るモータ逆回転センサ130を含むことができる。モータ逆回転センサ130は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65を逆回転させる。また、器具10は、発射トリガー20の下側部分228に接触すると作動すなわち始動されるモータ停止センサ142を含むことができる。モータ停止センサ142は、作動すると、モータ65に信号を送り、このモータ65の逆回転を停止させる。
【0064】
動作の際、操作者が、閉鎖トリガー18をロック位置に引くと、図32および図33に示されているように、発射トリガー20が僅かに引かれるため(参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,978,921号(名称:「Eビーム発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical stapling instrument incorporating an E-beam firing mechanism)」)、および同第6,905,057号(名称:「連結ラック伝達装置を備えた発射機構を含む手術用ステープル留め器具(Surgical Stapling Instrument Incorporating A Firing Mechanism Having A Linked Rack Transmission)」)を含め、当分野で周知の機構を介して)、使用者は、発射トリガー20を握って、切断/ステープル留めの動作を開始することができる。この時点では、図33に示されているように、発射トリガー20の上側部分230の歯車部分232が、ギアボックス組立体200の第1の歯車210に係合するように移動する。操作者が発射トリガー20を引くと、様々な実施形態に従えば、発射トリガー20が、図34に示されているように、モータ駆動センサ110が作動する前に、例えば5度の僅かな量回転することができる。センサ110が作動すると、モータ65が、操作者が加えた引く力に比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、上記したように、主駆動シャフト48が回転し、これによりエンドエフェクタ12のナイフ32が延出される(すなわち、溝型部材22を横切って移動し始める)。主駆動シャフト48に連結されたピニオン歯車124の回転により、ギアボックス組立体200の歯車210〜220が回転する。第1の歯車210が、発射トリガー20の上側部分230の歯車部分232に係合しているため、上側部分230が反時計周りの方向に回転し、これにより下側部分228も反時計周りの方向に回転する。
【0065】
ナイフ32が完全に延出されると(すなわち、切断ストロークの終了時)、上側部分230の前面242により、モータ逆回転センサ130が作動し、これにより信号がモータ65に送られ、モータ65が逆回転する。これにより、主駆動軸シャフト組立体が逆回転してナイフ32を引き戻す。主駆動シャフト組立体の逆回転により、ギアボックス組立体の歯車210〜220が逆回転して、発射トリガー20の上側部分230が時計周りの方向に回転し、これにより発射トリガー20の下側部分228が、ナイフ32が完全に引き戻されて上側部分230の前面242がモータ停止センサ142を作動させてモータ65が停止するまで、時計回りの方向に回転する。この方式では、使用者は、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の延出をフィードバックされる。したがって、使用者は、発射トリガー20を引くと、エンドエフェクタ12の延出、特にナイフ32が受ける荷重の力に関連した抵抗を感じる。同様に、使用者は、切断/ステープル留めの動作の後に、発射トリガー20を元の位置に戻すために発射トリガー20を解放すると、モータ65の逆回転速度に概ね比例する発射トリガー20の時計回りの回転の力を感じる。
【0066】
この実施形態では、使用者が、発射トリガー20を引いて力を加えて(モータ65からの力の代わりまたはこれに加えて)、主駆動シャフト組立体を作動させる(したがって、エンドエフェクタ12の切断/ステープル留めの動作を開始する)ことができることに留意されたい。すなわち、発射トリガー20を引くと、上側部分230の歯車部分232が反時計回りに回転して、ギアボックス組立体200の歯車が回転し、これによりピニオン歯車124が回転して主駆動シャフト組立体が回転する。
【0067】
上記した実施形態は、2ストローク手術用電動切断/結合器具のための適応制御(例えば、モータ、歯車駆動列、およびエンドエフェクタの閉じたループシステムの外側にセンサ110、130、および142を用いる)を用いるまたは用いない動力補助ユーザーフィードバックシステムを利用している。すなわち、使用者が発射トリガー20を引く際に加える力を、モータ65と主駆動シャフト48との間の歯車駆動列に発射トリガー20を連動させて(直接または間接的)、モータ65が加える力に付加することができる。本発明の別の実施形態では、使用者は、発射トリガー20を歯車駆動列に連動させないで、エンドエフェクタ12内のナイフ32の位置の感覚フィードバックを受けることができる。図37〜図40は、このような位置感覚フィードバックシステムを備えた手術用電動切断/結合器具10を例示している。
【0068】
図37〜〜図40に例示されている実施形態では、発射トリガー20は、図32〜図36に示されている器具10と同様に、下側部分228および上側部分230を有することができる。しかしながら、図32〜図36の実施形態とは異なり、上側部分230は、歯車駆動列の一部と噛合する歯車部分を備えていない。代わりに、この器具10は、ねじロッド266がねじ込まれた第2のモータ265を含む。ねじロッド266は、モータ265が回転すると、その回転方向によってモータ265の中に、およびその外に長手方向に往復運動する。器具10はまた、主駆動シャフト48(または主駆動組立体の他の構成要素)の増分角運動を、例えば対応する一連のデジタル信号に変換するために、主駆動シャフト48の回転に応答するエンコーダ268も含む。例示されている実施形態では、ピニオン歯車124は、エンコーダ268に連結された近位駆動シャフト270を含む。
【0069】
器具10はまた、エンコーダ268からデジタル信号を受け取るマイクロコントローラまたは他のタイプの集積回路を用いて実施できる制御回路(不図示)も含む。エンコーダ268からの信号に基づいて、この制御回路は、エンドエフェクタ12のナイフ32の延出の段階を計算することができる。すなわち、制御回路は、ナイフ32が完全に延出されたか、完全に引き戻されたか、または中間段階にあるかを計算することができる。エンドエフェクタ12の延出の段階の計算に基づいて、制御回路は、第2のモータ265に信号を送って、第2のモータ265の回転を制御して、ねじロッド266の往復運動を制御することができる。
【0070】
動作において、図37に示されているように、閉鎖トリガー18がクランプ位置にロックされていないと、発射トリガー20が、ハンドル6のピストルグリップ部分26から離れるように回転するため、発射トリガー20の上側部分230の前面242が、ねじロッド266の近位端部に接触していない。操作者が、閉鎖トリガー18を引いて、この閉鎖トリガー18をクランプ位置にロックすると、図38に示されているように、発射トリガー20が、閉鎖トリガー18に向かって僅かに回転し、操作者が、発射トリガー20を握ることができる。この位置では、上側部分230の前面242が、ねじロッド266の近位端部に接触している。
【0071】
使用者が発射トリガー20を引くと、初めの回転量(例えば、約5度)を超えると、モータ駆動センサ110が作動されて、上記したようにモータ65に信号を送り、このモータ65が、操作者が発射トリガー20を引いた力の大きさに比例した速度で正回転する。モータ65の正回転により、主駆動シャフト48が、歯車駆動列を介して回転し、これによりナイフ32およびスレッド33が溝型部材22を移動して、エンドエフェクタ12内にクランプされた組織が切断される。制御回路が、主駆動シャフト組立体の増分回転をエンコーダ268から出力信号として受け取り、第2のモータ265に信号を送り、この第2のモータ265が回転して、ねじロッド266がモータ265内に引き戻される。このため、発射トリガー20の上側部分230が反時計回りに回転し、発射トリガーの下側部分228も反時計周りの方向に回転する。この方式では、ねじロッド266の往復運動が、主駆動シャフト組立体の回転に関連するため、器具10の操作者が、発射トリガー20を握ることで、エンドエフェクタ12の位置の感覚フィードバックを受ける。しかしながら、この実施形態では、発射トリガー20が歯車駆動列に噛合していないため、操作者が引く力は、主駆動シャフト組立体の駆動に直接影響を与えない。
【0072】
エンコーダ268からの出力信号によって主駆動シャフト組立体の増分回転をトラッキングすることで、制御回路が、ナイフ32が完全に作動(すなわち、完全に延出)したことを計算することができる。この時点で、制御回路は、モータ65に信号を送ってモータ65を逆回転させ、ナイフ32を引き戻すことができる。モータ65の逆回転により、主駆動シャフト組立体が逆回転し、そのことはエンコーダ268によって検出される。エンコーダ268によって検出された逆回転に基づいて、制御回路が、第2のモータ265に信号を送り、この第2のモータ265が逆回転し、ねじロッド266がモータ265から長手方向に延出し始める。この運動により、発射トリガー20の上側部分230が時計周りの方向に回転し、これにより下側部分228が時計周りの方向に回転する。この方式では、操作者は、エンドエフェクタ12のナイフ32の引き戻し位置のフィードバックとなる発射トリガー20の時計周りの力を感じることができる。制御回路は、いつナイフ32が完全に引き戻されたかを決定することができる。この時点で、制御回路が、モータ65に信号を送り、このモータ65の回転を停止する。
【0073】
別の実施形態に従えば、制御回路がナイフ32の位置を決定するのではなく、上記したように、モータ逆回転センサおよびモータ停止センサを用いることができる。加えて、比例センサ110を用いるのではなく、オン・オフスイッチまたはセンサを用いてモータ65の回転を制御することができる。このような実施形態では、操作者は、モータ65の回転速度を制御することができない。正しくは、モータ65は、プログラムされた速度で回転する。
【0074】
図43は、手術器具300の様々な実施形態を例示している。手術器具300は、上記した手術器具10に類似させることができる。これらの実施形態では、ハンドル6は、本体部分302、およびこの本体部分302に取外し可能に連結されたグリップ部分304を含む。グリップ部分304は、任意の好適な構造によって本体部分302に係合されることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、本体部分302に対するグリップ部分304の係合は、グリップ部分304および/または本体部分302を回転させて係合を完了する構成などによって、例えば図44に示されている真直で線形のスライド構造として実現されることができる。
【0075】
様々な実施形態に従えば、グリップ部分304は、上記したピストルグリップ26、外面部品59の一部、および外面部品60の一部を含むことができる。様々な実施形態に従えば、本体部分302は、ハンドル6の静止台を含むことができる。例えば図48および49に図示されているように、グリップ部分304は、第1および第2の上側スライドレール306、ならびに第1および第2の下側スライドレール308も含む。図44に示されているように、第1の上側スライドレール306がランプ310を画定している。第1の上側スライドレール306と第1の下側スライドレール308との関係が図44に示されている。
【0076】
図43では、バッテリ64がグリップ部分304内に配置されているが、他の実施形態に従えば、バッテリ64は、本体部分302内に配置できることを理解されたい。様々な実施形態に従えば、グリップ部分304は、バッテリ64をこのグリップ部分304から取り外せるように構成して、配列することができる。例えば、グリップ部分304は、このグリップ部分304からバッテリ64を取り外せる大きさの開口を覆う取外し可能な部分を含むことができる。別法では、別個に廃棄するためにバッテリ64に容易にアクセスできるように、外面部品59の一部を、外面部品60の一部から取り外することができる。様々な実施形態に従えば、バッテリ64は、再充電式バッテリとすることができる。
【0077】
図43では、モータ65が本体部分302内に配置されているが、他の実施形態に従えば、モータ65をグリップ部分304内に配置できることを理解できよう。モータ65は、導線314によってバッテリ64に電気的に接続されている。図43には導線314のみが示されているが、詳細を後述するように、他の実施形態に従えば、バッテリ64とモータ65との間の電気経路は、1または複数のモータインターロックを含むこともできる。
【0078】
手術器具300は、ハンドル6内にロックアウトシステム316をさらに含むことができる。ロックアウトシステム316は、詳細が図44および図47に示されているように、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、ロックアウトシステム316は、グリップ部分304が本体部分302から2回取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できないようにすることができる。ロックアウトシステム316は、図示されているように、主に本体部分302内に配置されているが、他の実施形態に従えば、ロックアウトシステム316は、主にグリップ部分304内に配置することができる。
【0079】
図44に示されているように、ロックアウトシステム316は、カウンタ318、およびこのカウンタ318に結合されたブロック組立体320を含む。カウンタ318は、グリップ部分304がハンドル6の本体部分302から取り外されると前進するように構成され、配列されている。カウンタ318は、本体部分302に連結されたボス323(図46および図47を参照)によって支持されているシャフト322(図46および図47に明示)に連結されている。カウンタ318は、シャフト322に結合された表示ホイール324、およびこの表示ホイール324に結合された付勢部材326を含む。付勢部材326は、例えば、表示ホイール324を反時計周りの方向に付勢するように構成されたねじりばねによって具現されることができる。
【0080】
表示ホイール324は、ブロック組立体320と協働して表示ホイール324の前進を制限する突出部328を画定している。突出部328の1つは、ブロック組立体320と協働し、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。表示ホイール324は、突出部328を画定するとして示されているが、他の実施形態に従えば、表示ホイール324は、ブロック組立体320と協働して表示ホイール324の前進を制限する凹部を画定することができる。凹部の1つは、ブロック組立体320と協働し、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成されている。
【0081】
シャフト322は、表示ホイール324を元の位置にリセットできるように構成され、配列されている。例えば、シャフト322は、六角形の開口330を画定することができ、六角形の器具を、本体部分302によって画定された開口331(図47を参照)を介して六角形の開口330内に挿入して、時計回りの方向に回転させて表示ホイール324を元の位置にリセットすることできる。
【0082】
ブロック組立体320は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。図44に示されているように、ブロック組立体320は、ブロック部材332、ブロック部材ガイド334、ゲート部材336、および付勢部材338を含む。ブロック部材332は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、グリップ部分304を本体部分302に連結できなくするように構成され、配列されている。ブロック部材ガイド334は、本体部分302に連結され(図46および図47に明示)、ブロック部材332に接触しており、ブロック部材332の移動を案内する役割を果たす。ゲート部材336は、ブロック部材332に接触し、ブロック部材ガイド334に旋回可能に連結され、突出部328と協働して表示ホイール324の前進を制限する。付勢部材338は、ゲート部材336に結合されている。付勢部材338は、例えば、ゲート部材336を時計周りの方向に付勢するように構成されたねじりばねによって具現されることができる。ロックアウトシステム316の動作の詳細は、図50〜図55を参照して後述する。
【0083】
例えば、図44、図45、および図47に示されているように、ハンドル6は、グリップ部分304を本体部分302から係合解除し始めるように構成され、配列された解除システム340をさらに含む。解除システム340は、本体部分302内に配置され、解除ボタン342、ならびにこの解除ボタン342と一体または連結された第1および第2の解除部材344を含む。第1および第2の解除部材344はそれぞれ、解除ランプ346を画定している。解除システム340は、対応する解除ランプ346に接触している第1および第2の解除ピン348、第1および第2の解除ピン348に接触している第1および第2のロックばね350、ならびに、第1および第2の下側スライドレール308に接触している第1および第2の排出ばね352(図49に明示)をさらに含む。
【0084】
グリップ部分304を本体部分302から係合解除し始めるには、解除ボタン342を前進させて、第1および第2の解除部材344および対応する解除ランプ346をも前進させる。解除ランプ346が前進すると、この解除ランプ346により、第1および第2の解除ピン348が移動する。第1および第2の解除ピン348のそれぞれの位置の変化により、第1および第2のロックばね350の位置が変化する。第1および第2のロックばね350の位置が、第1および第2の上側スライドレール306が通過するのに十分な程度に変化すると、第1および第2の排出ばね352のそれぞれが、蓄えたエネルギーを解放し、第1および第2の下側スライドレール308のそれぞれに力がかかる。この力により、グリップ部分304の本体部分302からの係合解除が助けられる。他の実施形態に従えば、解除システム340は、グリップ部分304を本体部分302から取り外し始めるための好適な他の構成要素および/または構造を含むことができることを理解できよう。
【0085】
図50〜図55は、取付け/取外しの際の様々な時点でのロックアウトシステム316の構成要素の相対位置を例示している。図50は、グリップ部分304が本体部分302に対して初めに完全に係合する前の相対位置を例示している。ゲート部材336が、1つの突出部328に接触しているため、表示ホイール324の前進が防止されている。
【0086】
第1および第2の上側スライドレール306が前進すると、第1の上側スライドレール306によって画定されたランプ310により、ブロック部材332が表示ホイール324に向かって前進する。ブロック部材332が、表示ホイール324に向かって前進すると、ブロック部材332により、ゲート部材336が表示ホイール324から離れる方向に移動する。第1の上側スライドレール306およびランプ310がさらに前進すると、ブロック部材332が、表示ホイール324に向かってさらに前進する。グリップ部分304が本体部分302に完全に係合されると、図51に示されているように、ブロック部材332が、元はゲート部材336に接触していた突出部328に接触し、表示ホイール324の前進が防止される。
【0087】
グリップ部分304が本体部分302から係合解除され始めると、第1および第2の上側スライドレール306が、反対方向に移動し、第1の上側スライドレール306によって画定されたランプ310により、ブロック部材332が、表示ホイール324から離れる方向に移動する。ブロック部材332が表示ホイール324から離れる方向に移動すると、このブロック部材332により、図52に示されているように、ゲート部材336が、突出部328を越えて表示ホイール324に向かって移動する。グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、ブロック部材332が表示ホイール324から離れる方向に十分に移動して、突出部328との接触が弱まり、表示ホイール324が、図53に示されているように、第2の突出部328がゲート部材336に接触するまで回転することができる。
【0088】
この時点で、カウンタ318が一区分前進し、本体部分302をグリップ部分304に再び取り付ける(または交換用グリップ部分に取り付ける)ことができる。取付け/取外しのサイクルを繰り返すことができる。グリップ部分304が本体部分302に完全に係合されると、ブロック部材332が、図54に示されているように、元はゲート部材336と接触していた突出部328に接触し、表示ホイール324の前進が防止される。この第2のサイクルが終了した後で、グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、図55に示されているように、ゲート部分336が第3の突出部328に接触する。第3の突出部328は、ブロック部材332によってゲート部材336が表示ホイール324から離れる方向に移動するのを防止し、本体部分302がグリップ部分304に再び取り付けられる(または交換用グリップ部分に取り付けられる)のを防止するように構成され、配列されている。したがって、これらの実施形態に従えば、手術器具10は、2回有効に使用することができる器具である。しかしながら、当分野の技術者であれば、表示ホイール324が、追加の突出部328または凹部を画定することにより、使用できる回数を増やすことができることを理解できよう。
【0089】
図56は、手術器具400の様々な実施形態を例示している。手術器具400は、手術器具300に類似させることができるが、ロックアウトシステム316を備えていない。手術器具400は、グリップ部分304の部分402が、グリップ部分304が本体部分302から取り外されると、グリップ部分304から分離されて本体部分302と接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、という点も異なっている。グリップ部分304から分離されると、分離した部分402は、本体部分302と接触した状態に維持され、グリップ部分304の本体部分302への再度の取付け(または交換用グリップ部分の本体部分302への取り付け)を物理的に妨げる。したがって、手術器具400は、1回有効に使用することができる器具である。分離部分402は、図56では、第1の上側スライドレール306の一部として示されているが、他の実施形態に従えば、分離部分402は、グリップ部分304の任意の部分とすることができる。
【0090】
図57は、手術器具500の様々な実施形態を例示している。手術器具500は、手術器具300に類似させることができるが、ロックアウトシステム316を備えていない。むしろ、手術器具500は、ハンドル6内にカウンタ502を備えている。このカウンタ502は、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。図58に示されているように、モータインターロック504は、バッテリ64とモータ65との間の電気経路に配置されている。図58に示されている回路は、図11に示されている回路に類似しているが、カートリッジロックアウトセンサ136に直列に接続されたモータインターロック504を含む。したがって、モータインターロック504が開の位置にあると、リレー138が、非通電状態であって、バッテリ64からモータ65への電力供給が防止されている。
【0091】
様々な実施形態に従えば、モータインターロック504は、カウンタ502の一部を含む。カウンタ502は、このカウンタ502が所定のカウントに達するとモータインターロック504を開くように構成され、配列された機械式カウンタ、電気機械式カウンタ、または電気式カウンタとして具現されることができる。様々な実施形態に従えば、カウンタ502への入力は、非電気入力とすることができる。他の実施形態に従えば、カウンタ502は、1または複数のモータインターロック504を含む集積回路チップを含むことができる。図58では、唯1つのモータインターロック504が示されているが、バッテリ64とモータ65との間の電気経路に任意の数のモータインターロック504を配置できることを理解されたい。
【0092】
様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、バッテリ64が手術器具500から所定回数取り外さると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、バッテリ64が手術器具500から2回取り外されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0093】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、グリップ部分304が本体部分302から所定回数取り外されると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、グリップ部分304が本体部分302から2回取り外されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0094】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、閉鎖トリガー18および/または発射トリガー20が所定回数作動されると、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。この所定の回数は、任意の回数とすることができる。例えば、様々な実施形態に従えば、カウンタ502は、発射トリガー20が12回作動されると、モータインターロック504を開にすることができる。
【0095】
他の実施形態に従えば、カウンタ502は、手術器具500が1回目の使用の後、所定時間、モータインターロック504を開にするように構成され、配列されている。このような実施形態では、カウンタ502はタイマーとして具現されることができる。1回目の使用は、手術器具500の使用に相当する任意の動作と定義されることができる。例えば、1回目の使用は、本体部分302に対するグリップ部分304の取付け、閉鎖トリガー18の作動、および発射トリガー20の作動などに相当させることができる。この所定時間は、任意の時間とすることができる。
【0096】
本発明の幾つかの実施形態を説明してきたが、当分野の技術者には、本発明の一部または全ての利点を備えた様々な改良形態、変更形態、および適用形態が明らかであろう。例えば、様々な実施形態に従えば、1つの構成要素を複数の構成要素に変更し、複数の構成要素を1つの構成要素に変更して、所与の機能を果たすようにすることができる。したがって、本願は、添付の特許請求の範囲によって規定されるここに開示する本発明の範囲および概念から逸脱することなく、このような改良形態、変更形態、および適用形態の全てを含むものとする。
【0097】
参照して本発明に組み入れると述べた全ての特許文献、刊行物、または他の開示資料の全てまたは一部は、ここに開示した既存の定義、説明、または他の開示資料に矛盾しないように本明細書に組み入れる。したがって、ここに明確に記載した開示は、必要程度、参照してここに組み入れた矛盾する資料よりも優先する。参照して本明細書に組み入れると述べたが、ここに記載した既存の定義、説明、または他の開示資料に矛盾する全ての資料またはその一部は、組み入れた資料と本明細書の開示資料とが矛盾しない程度に組み入れるものとする。
【0098】
〔実施の態様〕
(1)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたロックアウトシステムであって、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、ロックアウトシステムと、
を含む、手術器具。
(2)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
(3)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(4)実施態様(1)に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前進するように構成され、配列されたカウンタを含む、手術器具。
(5)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、表示ホイール、およびこの表示ホイールに結合された付勢部材を含む、手術器具。
【0099】
(6)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記カウンタに結合されたブロック組立体をさらに含み、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、
手術器具。
(7)実施態様(6)に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されているブロック部材を含む、手術器具。
(8)実施態様(7)に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記ブロック部材に接触しているゲート部材をさらに含む、手術器具。
(9)実施態様(8)に記載の手術器具において、
前記ロック組立体は、前記ゲート部材に結合された付勢部材をさらに含む、手術器具。
(10)実施態様(4)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、リセット可能なカウンタである、手術器具。
【0100】
(11)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含み、前記グリップ部分の一部は、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前記グリップ部分から分離されて、前記本体部分に接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
を含む、手術器具。
(12)実施態様(11)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
(13)実施態様(11)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(14)手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリと電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたカウンタであって、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、カウントと、
を含む、手術器具。
(15)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
【0101】
(16)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
(17)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記バッテリが前記手術器具から所定回数取り外されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(18)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(19)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記手術器具のトリガーが所定回数作動されると、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
(20)実施態様(14)に記載の手術器具において、
前記カウンタは、前記手術器具が1回目の使用の後、所定時間、前記モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、手術器具。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の斜視図である。
【図2】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の斜視図である。
【図3】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図4】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図5】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のエンドエフェクタおよびシャフトの組立分解図である。
【図6】様々な実施形態に従ったエンドエフェクタの側面図である。
【図7】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具のハンドルの組立分解図である。
【図8】様々な実施形態に従ったハンドルの部分斜視図である。
【図9】様々な実施形態に従ったハンドルの部分斜視図である。
【図10】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図11】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具に用いられる回路の模式的な線図である。
【図12】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図13】様々な実施形態に従ったハンドルの側面図である。
【図14】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図15】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図16】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図17】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図18】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための機構を示す図である。
【図19】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図20】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図21】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図22】様々な実施形態に従った閉鎖トリガーをロックするための別の機構を示す図である。
【図23A】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点に用いることができる自在継手(uジョイント)を示す図である。
【図23B】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点に用いることができる自在継手(uジョイント)を示す図である。
【図24A】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点で用いることができるねじりケーブルを示す図である。
【図24B】様々な実施形態に従った手術用切断/結合器具の関節運動点で用いることができるねじりケーブルを示す図である。
【図25】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図26】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図27】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図28】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図29】別の実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図30】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図31】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図32】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図33】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図34】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図35】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図36】様々な実施形態に従った動力補助を備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図37】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図38】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図39】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図40】様々な実施形態に従った感覚フィードバックを備えた手術用切断/結合器具を示す図である。
【図41】比例センサの様々な実施形態を示す図である。
【図42】比例センサの様々な実施形態を示す図である。
【図43】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図44】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図45】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図46】様々な実施形態に従った手術器具の一部の複合図である。
【図47】図44の線5‐5に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図48】図44の線6‐6に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図49】図44の線7‐7に沿って切り取った手術器具の断面図である。
【図50】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図51】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図52】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図53】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図54】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図55】様々な実施形態に従った手術器具の一部の動作を示す模式図である。
【図56】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図57】様々な実施形態に従った手術器具の一部の断面図である。
【図58】様々な実施形態に従った図57の手術器具に用いられる回路の模式的な線図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたロックアウトシステムであって、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、ロックアウトシステムと、
を含む、手術器具。
【請求項2】
請求項1に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
【請求項3】
請求項1に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
【請求項4】
請求項1に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前進するように構成され、配列されたカウンタを含む、手術器具。
【請求項5】
請求項4に記載の手術器具において、
前記カウンタは、表示ホイール、およびこの表示ホイールに結合された付勢部材を含む、手術器具。
【請求項6】
請求項4に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記カウンタに結合されたブロック組立体をさらに含み、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、
手術器具。
【請求項7】
請求項6に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されているブロック部材を含む、手術器具。
【請求項8】
請求項7に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記ブロック部材に接触しているゲート部材をさらに含む、手術器具。
【請求項9】
請求項8に記載の手術器具において、
前記ロック組立体は、前記ゲート部材に結合された付勢部材をさらに含む、手術器具。
【請求項10】
請求項4に記載の手術器具において、
前記カウンタは、リセット可能なカウンタである、手術器具。
【請求項11】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含み、前記グリップ部分の一部は、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前記グリップ部分から分離されて、前記本体部分に接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
を含む、手術器具。
【請求項12】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリと電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたカウンタであって、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、カウントと、
を含む、手術器具。
【請求項1】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたロックアウトシステムであって、前記グリップ部分が前記本体部分から所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、ロックアウトシステムと、
を含む、手術器具。
【請求項2】
請求項1に記載の手術器具において、
前記バッテリは、前記グリップ部分から取外し可能である、手術器具。
【請求項3】
請求項1に記載の手術器具において、
前記バッテリは、再充電式バッテリである、手術器具。
【請求項4】
請求項1に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前進するように構成され、配列されたカウンタを含む、手術器具。
【請求項5】
請求項4に記載の手術器具において、
前記カウンタは、表示ホイール、およびこの表示ホイールに結合された付勢部材を含む、手術器具。
【請求項6】
請求項4に記載の手術器具において、
前記ロックアウトシステムは、前記カウンタに結合されたブロック組立体をさらに含み、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されている、
手術器具。
【請求項7】
請求項6に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記グリップ部分が前記本体部分から前記所定回数取り外されると、前記グリップ部分を前記本体部分に連結できなくするように構成され、配列されているブロック部材を含む、手術器具。
【請求項8】
請求項7に記載の手術器具において、
前記ブロック組立体は、前記ブロック部材に接触しているゲート部材をさらに含む、手術器具。
【請求項9】
請求項8に記載の手術器具において、
前記ロック組立体は、前記ゲート部材に結合された付勢部材をさらに含む、手術器具。
【請求項10】
請求項4に記載の手術器具において、
前記カウンタは、リセット可能なカウンタである、手術器具。
【請求項11】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含み、前記グリップ部分の一部は、前記グリップ部分が前記本体部分から取り外されると、前記グリップ部分から分離されて、前記本体部分に接触した状態に維持されるように構成され、配列されている、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に接続されたモータと、
を含む、手術器具。
【請求項12】
手術器具において、
ハンドルであって、本体部分、およびこの本体部分に取外し可能に連結されたグリップ部分を含む、ハンドルと、
前記グリップ部分内に配置されたバッテリと、
前記バッテリと電気的に接続されたモータと、
前記ハンドル内に配置されたカウンタであって、モータインターロックを開にするように構成され、配列されている、カウントと、
を含む、手術器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【公開番号】特開2007−222615(P2007−222615A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−20029(P2007−20029)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20029(P2007−20029)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】
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