説明

取り外し可能な針挿入作動部を有する皮膚に取り付け可能な注入装置

本発明は概して皮膚に取り付け可能な薬剤送達装置に関する。本発明による装置は、取り付け面を有する皮膚に取り付け可能な第1のユニットを備え、取り付け面はユニットを被験者の皮膚に接着させる接着手段を含み、更に装置はハンドリングのための第2ユニットを備え、このハンドリングユニットは作動手段、例えば皮膚に取り付け可能なユニットに取り外し可能に取り付けられる注入装置を駆動するバネを含む。ハンドリングユニットは、皮膚に取り付け可能なユニットを少なくとも部分的に収容する内部空間を含み、且つ開口を有し、この開口を通してハンドリングユニットから外れている皮膚に取り付け可能な部材を移動することができ、また開口を包囲する部分を有する。装置は更に、外周部分に取り外し可能に取り付けられて、皮膚に取り付け可能なユニットの閉じ空間を画定する密封部材を備える。このようにして、本装置により、ハンドリングユニットの操作中に結合装置の把持及び取扱いを行うハンドリングユニットの使用が容易になり、これは、第2ユニットが、皮膚に取り付け可能なユニットの操作中における使用が容易となるように設計及び最適化することができることによる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
技術分野
本発明は概して、皮膚に取り付け可能な装置に関する。特に、本発明は、パッケージとして提供されるこのような装置に関し、装置は使用前にこのパッケージから取り外す必要がある。
【0002】
背景技術
本発明の開示及び説明では、ほとんどの場合インスリンの注入又は投与による糖尿病の治療について参照するが、これは単に発明の例示的使用に過ぎない。
薬剤を患者に投与するための携帯型薬剤投与装置は周知であって、通常貯蔵容器を備え、この貯蔵容器は液体薬剤を収容するのに適しており、且つ中空の注射針のような経皮注入装置に流体を流すことができる放出口、並びに中空の注射針により貯蔵容器から被験者の皮膚を通過して薬剤を放出する放出手段を有している。このような装置は多数の場合、注入ポンプと呼ばれる。
【0003】
基本的に、注入ポンプは2つのクラスに分類することができる。第1のクラスは、3〜4年の使用を目的とした比較的高価な耐久性のある注入ポンプであり、このため、このようなポンプの初期コストがこの種類の治療法の壁となっている。従来のシリンジ及びペン型よりも複雑であるが、このポンプは、インスリンの連続投与、投与量の正確さ、及び任意選択のプログラム可能な注入計画、及び食事と組み合わせたユーザ作動型大量瞬時投与といった利点をもたらす。
上記問題に対処するため、コストが低く、簡便に利用することができる第2クラスの薬剤投与装置を提供するための試みが複数為されている。これらの装置の一部は、部分的に又は全体が使い捨てに設計され、付随コスト及び不便を伴うことなく、例えばこのポンプは予め充填することができるので、薬剤貯蔵容器を充填又は再充填する必要なく、注入ポンプに関連して多数の利点を提供できる。この種の投与装置の例は、米国特許第4340048号及び同第4552561号(浸透ポンプに基づく)、同第5858001号(ピストンポンプに基づく)、同第6280148号(膜ポンプに基づく)、同第5957895号(流量制御ポンプに基づき、エア抜きポンプとしても知られる)、同第5527288号(ガス生成ポンプに基づく)、又は米国特許(膨張ゲルに基づく)に記載されており、これら全ては最近10年間に、安価な、主として使い捨ての投与装置に使用するために提案されたものであり、本明細書において参照することにより、文書の内容を本発明の開示に包含する。
【0004】
使い捨てポンプは通常、接着手段によって被験者の皮膚に適用される、皮膚に接触する取り付け面であって、使用の際に皮膚取り付け面から突出してユーザの皮膚を貫通するように配置された針を有する取り付け面を備え、針が皮膚を貫通する箇所が装置の使用中に覆われる。
注射針は、取り付け面から永久的に突出するように構成してもよく、その場合、針は注入ポンプの適用と同時に挿入される。この構成の例は、米国特許第2605765号、同第4340048号、及び欧州特許第1177802号に記載されている。この構成は簡単且つコスト効率の高い解決方法となるが、医療の専門家ではない人は普通、このような針を正しく配置することに十分に慣れておらず、苦痛を伴うのではないかという恐怖心に駆られることが多いため、実際にユーザが組織に針を通す操作は問題となることが多い。
【0005】
上記問題に対処するために、針が後退した状態、すなわち針の尖端がポンプ装置の内部に「隠れた」状態で提供され、ユーザが針を見ることができない形でポンプ装置を皮膚の上に載せることができる構成の注入ポンプデバイスが提案されている。まず針が隠れると、恐怖心の少なくとも一部が取り除かれ、第2ステップで問題の少ない形で針を挿入することができる。米国特許第5858001号及び同第5814020号は、この種の投与装置を開示しており、この投与装置では、注射針はベースプレート部分に対して回転可能に配置される上側ハウジング部分に配置される。このように、上側部分をベースプレート部分に圧入係合させることによりユーザは針を挿入することができる。
針の挿入に伴う恐怖心及び苦痛を更に和らげるため、多数の最近のポンプ装置には作動可能な針挿入手段が設けられ、ユーザはこの針挿入手段を解放するだけでよく、その後、例えばバネ手段によって針が速やかに皮膚内へと突き進む。
【0006】
例えば、米国特許第5957895号は液体薬剤投与装置を開示しており、この液体薬剤投与装置は、使用の際、ハウジングの底面の針穴から突出するのに適した屈曲注射針を備える。可動針キャリアがハウジング内に配置されて注射針を移動させ、且つ針キャリアが動くときに針の注入端を針穴から突出させる。
米国特許第5931814号は、薬剤貯蔵容器を備えるハウジングと、貯蔵容器に連通する注射針(又はカニューレ)と、針を挿入する手段と、針を通して貯蔵容器の中身を放出するポンプ手段とを有する投与装置を開示している。針はハウジングに対して固定され、ハウジングの下側皮膚取り付け面を超えて注入に必要な深さまで突出する。針は保護素子によって取り囲まれ、この保護素子は、保護素子がハウジングの下側表面を超えて、且つ針を超えて突出する第1端部から、保護素子がケーシングの下側を超えて突出することがない第2端部まで、バネ手段によって移動する。この構成の利点は、針が貯蔵容器に対して固定位置に配置されることである。国際公開第02/15965号は、同様の投与装置を開示しており、この投与装置では、ベースプレート部材は、針が固定される装置上側部分が下方に移動してベースプレート部材と係合するまで保護素子として機能する。
【0007】
米国特許第5957895号及び同第5931814号に開示される装置では、針は、装置内に配置される予め引っ張り状態のバネ手段を解放することにより自動的に挿入され、国際公開第02/15965号に記載される装置では、針はユーザが能動的に隠れた針を動かすことにより挿入される。自動針挿入手段は、簡便性を向上させ、且つ針に対する恐怖心を無くすように機能することができるが、このような手段は装置を複雑にし、装置が嵩張ることにもなるので、初めに挙げた装置はコストが高くなるという問題を生み、後者は装置の装着を躊躇させ、利便性を低下させる。
上記の投与装置は全て皮下注射針を備えるので、無菌状態、すなわち無菌パッケージとして提供される必要がある。
【0008】
本発明の開示に戻る前に、針又は針状構造の挿入を利用する異なる種類の装置について説明する。
薬剤注入ポンプは、使い捨てであるか又は耐久性であるかを問わず、使い易さ及び処置制御の向上を提供するが、閉ループ制御を利用する、すなわちほぼ完全自動の、例えば糖尿病の治療を行なうための薬剤投与システムを提供することが長年の目的であり、このようなシステムは、治療の対象となる状態、例えば糖尿病のインスリン治療の場合では血糖値を示す値の測定値に基づいている。
【0009】
所与の物質の濃度を測定する所与のモニターシステムは侵襲又は非侵襲測定原理に基づくことができる。後者の例は、患者の皮膚表面の上に配置され、近赤外分光法を使用する非侵襲グルコースモニターであるが、本発明は針型センサ素子のような経皮装置の導入に関する。
センサは皮下に挿入し、外部機器に配線により接続することができるか、又は解析対象の物質(流体)を外部センサ素子に輸送することができ、これら両方の構成は、経皮部品を挿入する必要があり、本発明は両方の構成に適用される。しかしながら、説明を簡単にするために、以下「センサ」という用語は両方の種類のセンサ素子に使用される。
【0010】
センサ素子自体に目を向けると、センサ電極を皮下に挿入して患者の血液又は他の細胞外流体に直接接触させる比較的小型の可撓性電気化学センサが開発されており(例えば米国特許第5482473号を参照)、このようなセンサを使用して長期間に渡って定期的又は連続的な読み取り値を取得することができる。この種のセンサの挿入装置は、とりわけ、米国特許第5390671号、同第5391950号、同第5568806号、及び同第5954643号に記載されており、本明細書において参照することにより、これらの文献を本発明の開示内容に包含する。
具体的には、米国特許第5954643号には、可撓性薄膜センサの近位端を支持する搭載基台を備える挿入セットが開示されており、センサは、センサ電極を搭載する先端部分を含み、この先端部分は搭載基台から突出して皮下に挿入され、このとき、センサの先端部分は、組立基台を貫通して収まる構成のスロット状挿入針によりスライド可能に搬送される。挿入セットを患者の皮膚に対して配置することにより、挿入針は皮膚を貫通してセンサ電極を所望の皮下部位に到達させ、この後、挿入針は挿入セットからスライド可能に引き出される。同様の構成は米国特許第5568806号に既知である。
【0011】
発明の開示
上記の問題に鑑み、本発明の目的は、取り扱い及び使用が容易で、製造コスト効率の高い密封筐体としてユーザに提供される、皮膚に取り付け可能な装置を提供することである。
従って、主要な態様において、この装置は、被験者の皮膚に取り付け面を接着させる接着手段を含む取り付け面を有する、皮膚に取り付け可能な第1のユニット、及び、皮膚に取り付け可能なユニットに取り外し可能に取り付けられるハンドリングのための第2のユニットを備え、ハンドリングユニットは、皮膚に取り付け可能なユニットを少なくとも部分的に収容できる内部空間を含み、且つ開口を有し、この開口を通してハンドリングユニットから外れている状態の皮膚に取り付け可能な部材を移動することができ、更にハンドリングユニットは開口を包囲する部分を有する。本装置は更に、包囲部分に取り外し可能に取り付けられて皮膚に取り付け可能なユニットに密封空間を提供する密封部材を備える。部分的という用語は、第1ユニットの一部が開口から突出することができる場合があることを指す。
このようにして、ユーザがハンドリングユニットを使用して結合装置をその動作中に掴み、取り扱うときの取扱いが容易な装置が提供され、これは、皮膚に取り付け可能なユニットを操作している(例えば作動している)間の第2ユニットの使用が容易になるように第2ユニットを設計及び最適化できることによる。
【0012】
例示的実施形態では、ハンドリングユニットは、開口を取り囲む外周部分を含む。有利には、外周部分は概略平面を画定し、これにより、金属箔材料、膜材料、又は紙材料等を密封部材として使用することができる。例示的実施形態では、第1ユニット全体を無菌状態とすることが望ましい場合には、密封部材は殺菌ガス(例えば、エチレン酸化物又はドライスチーム)を透過させることができ、病原菌は透過させない。このような構成により、第1ユニットは第2ユニットのパッケージングとしての役割を果たすので、コストだけでなく全体的なサイズが小さくなる。
例示的実施形態では、ハンドリングユニットは単体型のハウジング部分を含み、このハウジング部分は密封部材と組み合わされて閉じ空間を実現する内部空間を画定する。ハウジング部分は熱成形又は射出成形により形成される単体構造として提供することができる。
【0013】
更に別の態様では、第1ユニット及び取り外し可能に取り付けられる第2ユニットを備える装置が提供される。第1ユニットは、被験者の皮膚への適用に適した取り付け面と、被験者の皮膚の貫通に適した尖端を有する経皮注入装置(以下の記述では、経皮装置とも記載する)とを備え、第2ユニットは、被験者の皮膚への係合に適した部分(例えば、概略平面を形成するフランジ)を備える。経皮装置は、尖端が皮膚係合部より後退している第1位置、及び尖端が皮膚係合部から突出する第2位置を有する。第2ユニットは、作動可能な駆動手段を含み、第1ユニットに取り付けられる第2ユニットによってこの駆動手段を作動させることにより、経皮装置を第1位置から第2位置に移動させる。この構成により、第2ユニットを被験者の皮膚に取り付けることができ、その後、駆動手段を作動させて経皮装置を挿入することができる。本構成の例示的実施形態では、経皮装置は第1ユニットに固定され、第1ユニットは、取り付け面が皮膚接触部分より後退している第1位置、及び取り付け面が皮膚接触部分によって画定される平面にまで移動し、よって取り付け面がユーザの皮膚に係合し、且つ駆動手段を作動させると経皮装置が皮膚を貫通する第2位置を有する。第1ユニットは傾斜位置に配置することができ、これによって投与装置はその第2皮膚接触位置にまで制御された状態で回転することができる。
更に別の態様では、第1ユニット及び取り外し可能に取り付けられる第2ユニットを備える装置が提供される。第1ユニットは、被験者の皮膚への適用に適した取り付け面と、被験者の皮膚を貫通するのに適した尖端を有する経皮装置とを含み、経皮装置は、尖端が取り付け面より後退している第1位置、及び尖端が取り付け面から突出する第2位置を有する。第2ユニットは作動可能な駆動手段を含み、この駆動手段は、第1ユニットに取り付けられる第2ユニットによって作動されると、経皮装置を第1位置から第2位置に移動させる。この構成により、第1ユニットを被験者の皮膚に取り付けることができ、その後、駆動手段を作動させて経皮装置を挿入することができる。
【0014】
経皮装置は尖った中空の注射針、マイクロ針アレイ、尖った針センサの形をとることができるか、或いは、それ自体が比較的柔軟で、尖っていないカニューレ、又はセンサ素子と尖った注射針との組合せとすることができ、注射針は、経皮装置の尖っていない部分を挿入した後に後退することが可能である。カニューレは、有利には、通常硬いスチール針である注射針よりも柔らかく、可撓性である。本発明の開示において、並びに例示的実施形態に関する記述において、主に注射針の形をとる経皮装置に言及する。
第1及び第2ユニットは、いずれかの適切な手段によって、互いに対して取り外し可能に取り付けられるので、まず装置を単体の装置として取り扱って皮膚に適用することができ、更には、例えばロック手段を備えるか又は備えない摩擦係合する取り外し可能なグリップ手段により、又は接着剤又は溶接などの破断可能な取り付け手段により、ユーザはこれらのユニットを分離することができる。取り付け面は、追加手段(例えば接着包帯)を使用することによって皮膚表面との接触を保持することができるが、好ましくは、取り付け面は、第1ユニットを被験者の皮膚に直接取り付けるための接着手段を有する。
【0015】
上記の各態様に関し、駆動手段はバネ手段の形をとることができ、このバネ手段は、ユーザに提供されるときに作動状態となるように構成されるか、又はユーザによって作動状態になるように構成することができ、第2ユニットは、バネ手段を解放可能に作動状態(例えば圧縮又は屈曲)に保持するトリガー手段を備え、トリガー手段は、バネ手段を解放して第1位置から第2位置に針を移動させるように動作する。ここで、作動状態は、必ずしもバネ手段を放置することができる安定状態である必要はなく、作動入力(例えば、ユーザが加える力)が維持される状態である、すなわちバネ手段は、作動入力が取り除かれると初期状態を取り戻すことができる。バネ手段は、いずれかの弾性圧縮又は変形駆動手段とすることができる。
駆動手段がバネ手段を備える場合、第2ユニットは、第1状態から中間状態を経て第2状態に作動することができる作動手段を備え、作動手段が第1状態から中間状態に作動することによって駆動手段が作動し、作動手段が中間状態から第2状態に作動することによって作動されたバネ手段が解放され、それによって針が第1位置から第2位置に移動する。この構成によって、例えば一のタイプの動きから別のタイプの動きに単純に変換されるのでユーザがバネ手段に直接触れる必要がなく、作動手段はユーザインターフェースとして機能する。
【0016】
有利には、作動手段は作動素子(例えば、ユーザが把持又は作動できる素子)を備え、この作動素子は、第1位置から中間位置を経て第2位置に、好適には実質的に複合移動ではない移動(例えば、ロック可能な中間状態の無い単方向線形移動又は単方向回転移動)になるように移動する。別の構成では、第1状態から中間状態を経て第2状態に至る作動手段の作動は、2つの作動素子を互いに向かって移動させることにより行なわれる。
有利には、ハンドリングユニットは、内部空間を画定するハウジング、内部空間に面する上側部分(すなわち、取り付け面の反対側)を有する皮膚に取り付け可能なユニット、及び上側部分とハウジングとの間の内部空間内に配置される駆動手段を備える。この構成では、ハウジングは、上述の駆動手段用の作動手段となるユーザインターフェースとして機能することができる。
【0017】
上に記載した更に別の態様による実施形態の場合、取り付け面は有利にはほぼ平坦であり、概略平面にほぼ対応するように構成される。このような取り付け面が、第1ユニットを被験者の皮膚に取り付ける接着手段を備える場合、有利には密封部材が取り外し可能に接着手段に取り付けられ、この構成によって、接着剤上のライナー(例えば、箔部材又はシート部材)のような別の取り外し可能な保護手段を使用しないで済む。ライナーを別個に設ける場合、ライナー及び密封部材は、密封部材を剥がすことによって取り付け面の位置に関係なく、自動的にライナーが剥がれるように構成することができる。
上に示したように、本発明は、多数の異なる種類の装置と組み合わせて利用することができる。
【0018】
例えば、上記のような針装置の場合、針は中空の注射針の形をとることができ、第1ユニットは更に、液体薬剤の収容に適し、且つ使用の際に注射針と流体連通する放出口を有する貯蔵容器と、貯蔵容器から中空針を介して被験者の皮膚を通過するように薬剤を放出する放出手段とを備える。貯蔵容器及び放出手段は適切な任意の種類とすることができ、例えば上に参照した文献に記載される種類のいずれかとすることができる。
更に別の実施形態では、第1ユニットは、同心又は一直線に構成される尖った挿入針と組み合わせた経皮部材(例えば軟質のカニューレ又はセンサ)を有する経皮装置を備え、挿入針及び経皮部材は、駆動手段が作動すると、駆動手段によって、それぞれの第1位置からそれぞれの第2位置へと同時に移動するように構成され、挿入針は、挿入後に経皮部材から取り外すことができる。有利には、挿入針は駆動手段に取り付けられるか、又は駆動手段によって把持され、それにより挿入針は第2ユニットと一緒に第1ユニットから取り外される。
【0019】
上に記載した態様に対応して、挿入針は取り付け面に固定可能であるか、又は取り付け面に対して移動可能である。挿入針は、中実針、又は溝付きなど、所望の構成とすることができる。
上に記載した実施形態には全て、被験者の皮膚を貫通するのに適した経皮装置を設けられているが、本発明は経皮装置を備えない皮膚に取り付け可能な装置と組み合わせて使用することもできる。
【0020】
本発明の更に別の態様では、装置を被験者の皮膚表面に適用する方法が提供され、本方法は、(a)第1ユニット及び取り外し可能に取り付けられる第2ユニットを有する装置を設けるステップを含み、この第1ユニットは、第1ユニットを被験者の皮膚に接着させる接着手段を有するほぼ平坦な取り付け面を含む。第2ユニットは、第1ユニットを収容する内部空間を含み、且つ開口を有し、第1ユニットが第2ユニットから外れるときに、この開口を通して第1ユニットを動かすことができ、第2ユニットは、概略平面を形成し、開口を包囲する外周部分を有し、取り付け面は概略平面に対して内側に、又は概略平面にほぼ対応するように配置され、外周部分に取り外し可能に取り付けられて第1ユニットの閉じ空間を形成する密封部材を含む。本方法は更に、(b)密封部材を取り外すステップ、(c)被験者の皮膚に接触するように装置を配置するステップ、及び(d)第2ユニットを第1ユニットから取り外すステップを含む。
取り付け面が最初に、概略平面に対して内側に配置されるか、又は概略平面にほぼ対応するように配置されるかに応じて、接着表面は、装置が続いて皮膚に向かって移動する(例えば作動手段によって)とき、又は装置が最初に皮膚表面に配置されるときに、皮膚表面に接触するように配置される。
【0021】
本明細書で使用する「薬剤」という用語は、中空針のような投与手段を整然と通過することができる、薬剤を含有する流動性、例えば液体、溶液、ゲル、又は微粒子懸濁液の、あらゆる薬物を含む。代表的な薬剤として、ペプチド、タンパク質、及びホルモンのような調合薬、生物学的に生成されるか又は活性化される薬剤、ホルモン剤及び遺伝子薬剤、栄養剤及び固体(調剤された)又は液体の形態のその他の物質を挙げることができる。例示的実施形態の説明において、インスリンを使用する場合に言及する。従って、「皮下」注入という用語は、被験者に対するあらゆる皮下投与法を含むものとする。更に、針という用語(特に断らない限り)は、被験者の皮膚を貫通するのに適した貫通部材(マイクロ針アレイを含む)を指す。
次に、添付図面を参照しながら本発明について更に説明する。
図において、同様の構造には同様の参照番号により示す。
【実施例】
【0022】
例示的実施形態の説明
以下の記述において、「上側」、「上部」、「下側」、「下部」、「右側」「左側」、「水平」及び「鉛直」という用語、又は相対関係を表わす同様な表現を使用する場合、これらの表現は添付図面上のみを指し、実際の使用状況を指すのではない。
図1〜4は、本発明による医療装置の異なる使用状態を模式的に表わす斜視図を示している。これに対応して、異なる構造の構成、及びこれらの相対的寸法は例示を目的としている。
【0023】
具体的には、図1は、医療装置100の第1の実施形態をユーザが把持している状態を示す。医療装置は、内部空間115を画定するハウジングを有する第2ユニット110、及び内部空間の内部に取り外し可能に取り付けられる第1ユニット150を備える。後述では、第2ユニットを「インサータ」とも呼ぶ。ハウジングは、ハウジングの外側へと延びる外周フランジ111に取り囲まれる下側開口を有するメイン部分を備え、フランジは、医療装置の概略平面を形成する下側表面112を有する。ハウジングは更に、ハウジングの、開口とは反対側の上側部分に配置されて、上に突出する第1及び第2作動部材(又はハンドリング部材)120、130を備え、作動部材はリブ部分121、131を含み、ユーザはこれらのリブ部分によって、例えば図示するように第1指及び第2指を使用して、容易に把持することができる。第1ユニットは針装置(例えば、投与装置又はセンサ素子)の形状を呈し、被験者の皮膚に適用するのに適した接着取り付け面151を含み、この取り付け面はほぼ平坦で、概略平面にほぼ対応するように構成される。針装置は更に、被験者の皮膚を貫通するのに適した尖端部を有する針(図示せず)を含み、針は、尖端部が取り付け面より後退している第1位置、及び尖端部が取り付け面から突出する第2位置を有する。第1位置を初期位置、及び第2位置を前進位置と呼ぶこともできる。
インサータは更に、箔部材113を含み、この箔部材は、ユーザに提供されるとき、フランジ111の外周下側表面に取り付けられて、針装置が収納される密封キャビティを形成する。箔部材は更に、針装置の取り付け面の上に配置される接着手段に取り外し可能に取り付けられる。ユーザが針装置を使用する場合、箔部材は、図1に示すように剥がし、その後、医療装置100をユーザの皮膚部分の上に配置することができ(図2A参照)、これによって針装置は皮膚に接着する。
【0024】
本発明に対応して、インサータは更に作動可能な駆動手段を備え、この駆動手段は、第1ユニットに取り付けられる第2ユニットにより作動されると、針を第1位置から第2位置に移動させる。図2Bに最も良く見えるように、駆動手段は角度をつけて屈曲させた板バネ140の形状を有し、この板バネは、第1作動部材120の内部に延びる上側部分142、及び、初期状態においてハウジングから内部に向かって突出する棚部材144の上に静止している端部を有する下側部分141を含む。ユーザに提供される初期状態では、バネは緩んだ状態であることが好ましく、バネは正規の位置に、単に第1作動部材及び棚の作用により保持することができるが、バネが作動後に外れることを防止するために(後述)、上側部分を第1作動部材に取り付けることができる。第1作動部材は、単体型ヒンジ122によりメイン部分に回転可能に取り付けられる。第1作動部材の予期しない動きを防止し、且つ不正操作の証拠が残るように機能するように、取り壊し可能なロック手段123を第1作動部材とメイン部分との間に設ける。
図2Cに最も良く見えるように、針装置は、取り付け面を画定する下側基台部分155、及びヒンジ手段157によって基台部分に回転可能に取り付けられる上側ハウジング部分156を備える。針はハウジング部分に固定され、取り付け面は開口(図示せず)を含み、この開口を通して、ハウジング部分が初期上側位置から下側係合位置に移動するときに、針を第1位置から第2位置に進ませることができる。これら2つの部分の間にロック手段(図示せず)が配置されることによって、ハウジング部分を移動させて基台部分と係合させるとき、基台部分にロックすることができる。
【0025】
医療装置を皮膚部分の上に配置した後、ユーザはこれらの作動部材を互いに向けて押して駆動手段を作動させることにより、図3Aに示すようにロック手段を壊す。別の実施形態(図示せず)では、ロック手段は折り畳むことができる。この動作の間、第1作動部材は、第1(初期)位置(又は状態)から中間位置を経て第2位置に移動し、この間、第1作動部材の第1位置から中間位置への移動によってバネが作動し、第1作動部材の中間位置から第2位置への移動によって作動したバネが解放され、針が第1位置から第2位置に移動する。具体的には、中間状態においては、板バネは屈曲しているが、下側部分141はまだ棚144の上に静止したままであるので(図3B参照)、エネルギーはバネに弾性的に保存されている。第2状態において、板バネが棚から解放され、バネの下側部分が下方に向けて押されてハウジング部分の上側表面156に接触し、これによって図4B及び4Cに示すようにハウジング部分が下方に回転して基台部分155とロック係合する。この動作の間、針はその第1位置から第2位置に移動するので、尖端部がユーザの皮膚を通過して挿入される。図4Bに示すように、インサータは突起145を含み、この突起は初期状態においてハウジング部分156上の対応する窪みに係合しており、よってこれらのユニットの間の取り外し可能な取り付け手段として機能する(同様の対向手段(図示せず)と連動して)。
針が挿入されると、インサータは図4Aに示すように取り外すことができる。図5は、針装置が腹部に配置される場合の同じ状態をユーザから見た斜視図として表わす。
【0026】
第1の実施形態では、針は、取り付け面に対して移動可能に構成された上側ハウジング部分に取り付けられるので、針と取り付け面との間の相対移動が可能になる。図6には、第1の実施形態にほぼ対応する医療装置200の第2の実施形態が示され、この装置は、板バネ240を含む内部空間215を画定し、且つ投与装置250と摩擦結合するインサータ210を備え、投与装置250は、中空の注射針260、薬剤を充填したカートリッジ270、及び装置内部に配置される放出手段(図示せず)を備える。しかしながら、第1の実施形態とは異なり、針のみが取り付け面に対して移動可能である。図示の模式的な実施形態では、針はU字状に屈曲し、このU部分が投与装置の上側表面を通って突出しており、針は更に、ユーザの皮膚を貫通するのに適した尖端部、及び針が貫通できるカートリッジ密封部材271を貫通するのに適した近位尖端部を備える。別の実施形態では、針は投与装置内部に配置することができ、バネの動きを針に伝達するのに適した追加手段を設ける(図9参照)。医療装置の使用及び動作に関し、第2の実施形態は上述の第1の実施形態に対応する。
図7には、第1の実施形態にほぼ対応する医療装置300の第3の実施形態が示され、この医療装置は投与装置350に接続されるインサータ310を備え、投与装置350は、投与装置の取り付け面から突出する中空の注射針360、薬剤を充填したカートリッジ370、及び装置内部に配置される放出手段(図示せず)を備える。しかしながら、第1の実施形態とは異なり、取り付け面はまずフランジの下側表面312によって画定される概略平面より後退した位置に配置される。図に示すように、投与装置は傾斜した姿勢で配置され、これによって投与装置は、その第2の皮膚に接触する位置まで制御性良く回転することができる。第1の実施形態と第3の実施形態を比較すると、投与装置350は上側ハウジング部分156に対応しており、両方の部材が傾斜した姿勢で配置され、且つ固定される針を含むことが分かる。インサータは、針装置のハウジング部分の上の対応する領域に係合し、2つのユニット間の取り外し可能な取り付け手段として機能するグリップ手段345、346を含む。
【0027】
針の突出部分は、保護手段(図示せず)を備える形でユーザに提供されることが好ましい。装置を使用する際、ユーザはシール箔部材313、保護手段、例えば取り付け面上の接着剤を覆う剥離可能なライナー又は箔部材351と、針保護部材を取り外し、その後、医療装置を図2Aに示す状況に対応するユーザの皮膚に配置することができる。ライナーは図示のように箔に接合させることができ、これにより2つの部材を一の操作で取り外すことができる。医療装置の動作に関し、第3の実施形態は上述の第1の実施形態にほぼ対応し、主たる相違は、基台部分(従って更に取り付け面)が最初は単体型投与装置を形成するハウジング部分に取り付けられることである。
図8には、第1の実施形態にほぼ対応する医療装置400の第4の実施形態が示され、この医療装置は、投与装置450に接続されるインサータ410を備え、この投与装置は、上側ハウジング部分456内に装着され、基台部分455より後退した位置に配置される中空の注射針460、及び薬剤を充填したカートリッジ470を備え、このカートリッジの近位部には、カートリッジ内部に収納されるガス生成放出手段(図示せず)と連通する導管471が設けられる。
【0028】
第1の実施形態のインサータは射出成形を使用して作製するのに適するが、第4の実施形態のインサータは熱成形に適している、すなわちパッケージング材料をコスト効率の高い形で製造するために多く使用される方法に対応している。
具体的には、インサータは、密封部材413が取り外し可能に取り付けられる外周フランジ411によって取り囲まれる下側開口と、上に向けて突出する2つのほぼ同じ作動部材420、430とを備え、これらの作動部材の間には多数の溝425が設けられ、よって2つの作動部材を互いに対して押し付けることができる。インサータは更に、投与装置上の対応する窪みに係合する内側に突出する第1組の部材445、446と、バネを正規の位置に保持する内側に突出する第2組の部材422、432とを備える。バネは「双安定板バネ」の形状を有し、この板バネは、初期状態では上に屈曲する中央部分441と、作動部材内部に配置される上に突出する2つの脚部分442、443を備える。
【0029】
密封部材413及び接着剤を保護するライナーを取り外した後、医療装置400をユーザの皮膚部分に配置する。ユーザは2つの作動部材を互いに向かって押し、駆動手段を作動させる。この操作の間、これらの作動部材は第1(初期)位置(又は状態)から中間位置を経て第2位置に移動し、この間、バネが作動して解放される。具体的には、中間位置において2つの脚部分が互いの方向に移動しているのでバネの屈曲部分が引っ張られているが、第2位置で双安定バネが急激にその第2双安定状態になるので、屈曲部分が下方に押されて投与装置の上側表面に接触し、従って、投与装置が下方に向かって回転して基台部分と係合し、更に針がユーザの皮膚に挿入される。第2双安定状態は準安定状態にすぎないので、ユーザが作動部材への圧縮力を緩めるとバネがその初期位置に戻るが、この動きは投与装置には影響を及ぼさない。このようにして針が挿入されると、インサータを取り外すことができる。
上述の実施形態では、針(又は針を含む部材)は、摩擦手段又はグリップ手段によってその非作動状態に保持されているが、別の構成では、追加の解放可能なロック手段(図示せず)を設けることができる。有利な実施形態では、このようなロック手段はユーザが作動可能な作動手段に接続され、駆動手段の作動に連動して解放される。このようなロック手段は個別の部材として形成することができるか、或いはハウジング又はバネ部材と一体形成することができる。
【0030】
図9は、ユーザによって解放される前に駆動手段が作動状態になる(又は作動状態にすることができる)医療装置500の第5の実施形態を示す。針装置550は第2の実施形態にほぼ対応する、すなわち単に針は接触表面に対して移動することができ、針は、針装置の上側表面から突出する追加の搬送手段551に接続され、駆動手段に係合する。
インサータは、搬送手段に作用するバネ作動ピストンアセンブリ540、541の形をとる駆動手段を備える。図示の実施形態では、医療装置はユーザに、予め引っ張り状態のバネを備える密封ユニットとして提供され、インサータにユーザ作動解放手段542が設けられていることにより、ユーザは上述のように装置がユーザの皮膚部分に配置された後にバネを解放することができる。有利には、解放手段は、結合装置を無菌且つ密封状態で提供することができるように構成することができる(図示せず)。
【0031】
別の実施形態(図示せず)では、インサータには引っ張り状態ではないバネを設けることができ、インサータは、ユーザによるバネの作動及び作動状態のロックを可能にする手段を備える。更に別の実施形態(図示せず)では、このようなインサータは、ユーザが針装置を取り付ける構成の個別ユニットとして提供することができる。このように、インサータは耐久ユニットとして提供することができる。
図10は、第5の実施形態にほぼ対応する医療装置600の第6の実施形態を示すが、インサータは、密封ユニットとして提供される針装置と係合する個別ユニットとして提供される。
【0032】
具体的には、針装置650は第5の実施形態の結合装置に類似する(すなわち、針装置と針装置用のケーシングを備える)が、駆動手段を用いないことにより、針装置を、針装置655及び外側ハウジング(例えば、封止パッケージの形態)656、613を備える小型無菌密封ユニットとして提供し、このユニットは個別インサータ610への装着に適する。インサータは、針装置の外側ハウジングと係合するハウジング611を備え、更に、第5の実施形態に対応する駆動手段640、641、642、すなわち外側ハウジングの変形可能部分657により搬送手段651と係合するロック可能なバネ作動ピストンを備える。2つのユニットには解放可能なグリップ手段612を設けることができ、この手段によって、針装置を皮膚部分に配置する前に、インサータを針装置に取り付けることができ、取り扱いが容易になる。従って、ユーザは、保護箔613を剥がす前に、針装置650をインサータに装着することができる。インサータは耐久ユニットとして個別に提供することができるか、又はキットの一部、例えば複数の針装置及び一つのインサータを含むパッケージの一部として提供することができる。実際、搬送手段は、ユーザが指で圧力を加えるだけで手動により作動させることができる。
上述の実施形態では、貯蔵容器を備えるものとして医療装置を説明したが、本発明の原理を更に分かり易くするために、薬剤を貯蔵容器から放出する手段は図面では省略した。このような放出手段は、貯蔵容器が発明の基本形態の一部を構成しないので、皮膚に取り付け可能な薬剤投与装置内に配置するのに適するあらゆるタイプとすることができる。更に、本発明の針は針センサの形態とすることもできるので、医療装置の内部に針センサと連動するセンサ手段を設けることができる。
【0033】
図11A〜11Dには、本発明に使用するのに適する放出手段の例を模式的に示すが、これらは単なる例示に過ぎない。具体的には、図11Aはポンプ構造を示し、このポンプ構造は、針との接続を可能にする先端封止部材1011を有する薬剤を充填したカートリッジ1010と、カートリッジ内部にスライド可能に配置されるピストン1015と、歯の付いた可撓性のピストン棒1020(例えば米国特許第6302869号に開示されているような)と、ワームギア構造1031を介してピストン棒を駆動して薬剤をカートリッジから放出する電気モータ1030とを備え、このモータは制御手段1040によって制御され、制御手段及びモータのエネルギーはバッテリ1050から供給される。ポンプは、針が挿入される(図示しない手段によって)ときに作動させることができるか、又はインサータが投与装置から取り外された後に個別のユーザ作動手段(図示せず)によって作動させることができる。
図11Bはポンプ構造を示し、このポンプ構造は、先端封止部材1111、近位封止部材1112、及びカートリッジ内部にスライド可能に配置されるピストン1115を有する薬剤を充填したカートリッジ1110、及び導管1121を介してカートリッジの内部と流体連通してピストンを駆動し、カートリッジから薬剤を放出するガス生成手段1120を備え、ガス生成手段は制御手段1140によって制御され、制御手段及びガス生成手段のエネルギーはバッテリ1150から供給される。ポンプは上述のように作動させることができる。薬剤投与装置のこのようなガス生成手段に関する詳細な開示は、例えば米国特許第5858001号に記載されている。
【0034】
図11Cはポンプ構造を示し、このポンプ構造は、先端封止部材1211、近位封止部材1212、及びカートリッジ内部にスライド可能に配置されるピストン1215を有しする薬剤を充填したカートリッジ1210、並びに、導管1221を介してカートリッジの内部と流体連通してピストンを駆動し、カートリッジから薬剤を放出する浸透圧エンジン1220を備える。浸透圧エンジンは、塩分溶液を収容する剛性の第1の貯蔵容器1225と、水を収容する折り畳み可能な第2の貯蔵容器1226とを備え、これらの2つの容器は、半透過膜1227により分離される。ユーザに提供されるとき、第2の貯蔵容器と膜との間の流体接続1228はユーザによる破断が可能な膜(例えば弱溶接部分)によって閉じており、膜の破断が行なわれると、浸透プロセスが開始されて、第2の貯蔵容器から膜を通過して水が第1の貯蔵容器に流入する。ポンプは上述のように作動させることができる。浸透圧駆動原理に関する詳細な開示は、例えば米国特許第5169390号に記載されている。
図11Dはポンプ構造を示し、このポンプ構造は、流量規制装置1331を含む導管1330を介して1次貯蔵容器1320と流体連通する、流体が充填される剛性の2次貯蔵容器1311の内部に配置される可撓性の薬剤充填貯蔵容器1310を備える。1次貯蔵容器は可動ピストン1321を有するカートリッジの形態であり、粘性のある駆動流体を含む。ピストンに作用して流体を第1の貯蔵容器から第2の貯蔵容器に駆動させるようにバネを配置し、よって第2の貯蔵容器を注射針(図示せず)に接続したときに薬剤を可撓性の貯蔵容器から放出する。流量は、駆動流体中のバネにより生成される圧力、駆動流体の粘度、及び流量規制装置の流体抵抗により決定される(すなわち、水抜き穴の原理)。ポンプは、針が挿入される(図示しない手段によって)ときに、バネをピンと張ることにより、又は予め圧縮したバネを解放することにより、或いはインサータが投与装置から取り外した後に別のユーザ作動手段(図示せず)により、作動させることができる。薬剤投与に使用するこの原理の例は、ドイツ国特許第2552446号に記載されている。別の構成では、例えば米国特許第6074369号に開示されているように、薬剤貯蔵容器に直接圧力を加えることにより、流量規制装置を介して薬剤を放出することができる。
【0035】
上述の実施形態では、経皮装置は単体型の針装置(例えば、注射針又は針センサ)の形態であるが、経皮装置は、経皮部材と、挿入後に全部又は一部を引き出すことができる注射針との組合せとして皮下に挿入することもできる。
図13A〜13Cを参照し、センサ素子の一実施形態について記載する。このセンサ素子は、第1の実施形態の針装置とほぼ同じヒンジ構成を有し、経皮装置は針センサ及びこれに対応する挿入針の組み合わせの形態である。図を更に明瞭にするために、インサータに関連する構造を省略している。
【0036】
具体的には、センサ素子750は、取り付け面を画定する下側基台部分755と、ヒンジ手段757によって基台部分に回転可能に取り付けられる上側ハウジング部分756とを備える。先端部にセンサ素子を有する比較的柔らかい針状センサ760は、ハウジング部分に固定され、信号受信手段761に接続される。信号受信手段は、信号評価を行なう外部プロセッサ手段にセンサ素子を接続するコンタクト手段、外部プロセッサへの無線送信を行なう送信手段、又はハウジング内部に配置されるプロセッサとすることができる。針状センサは挿入針770によって支持され、この支持により、挿入中に針状センサが変形することを防止する。挿入針は上側ハウジング部分の内部にスライド可能に収納され、且つ挿入が行われた後に、ユーザによる挿入針の引き抜きを可能にするグリップ部材771を備える。取り付け面は開口758を備えており、ハウジング部分が上側の初期位置から下側の係合位置に移動するとき、2つの針がこの開口を通してその第1位置から第2位置に進むことができる。2つの位置の間には、ロック手段(図示せず)が配置され、この手段によって、ハウジング部分がベースプレートと係合したときにハウジング部分をベースプレートにロックすることができる。
図13Aは初期位置のセンサ素子を示し、13Bは、2つの針760、770が挿入され、インサータが取り外された後のセンサ素子を示し、図13Cは、針状センサが挿入され、挿入針を引き抜いた後の状態を示している。図示の実施形態では、挿入針はユーザが引き抜くように構成されているが、駆動手段及びグリップ手段は、互いに係合して挿入針がセンサ素子からインサータと一緒に取り外されるように構成することができる。
【0037】
図14Aは、図7に示す実施形態にほぼ対応する医療装置800の更に別の実施形態を模式的に描示し、この医療装置は、投与装置850に接続されるインサータ810を備え、投与装置850は、板バネ840に針キャリア881によって取り付けられる尖った挿入針880と連動する注入用フレキシブルカニューレ860、薬剤を充填したカートリッジ870、並びにカートリッジの内部に配置される放出手段(図示せず)を備える。フレキシブルカニューレ(例えば、柔らかい「テフロン(登録商標)」タイプとすることができる)は、注射針の貫通が可能なセルフシール型隔壁部分861を備え、この部分を通して挿入針が取り付けられ、カニューレは更につば862の形の環状ロック手段を備える。初期位置では、挿入針の尖った先端部は、注入カニューレの先端部開口から少しだけ後退した位置にあり、針キャリアは隔壁の少し上方に位置する。図2〜4に示すようにインサータが作動すると、針キャリアは下方に移動して隔壁と係合し、この位置で、挿入針がカニューレから少しだけ飛び出し、更にカニューレがその後退位置からその張り出し位置にまで押し出され、尖った針先端部が突出することによって、図14Bに示すようにカニューレが被験者の皮膚を貫通して挿入される。この位置において、ロック手段は医療装置のハウジングと係合するので、図14Cに示すように、挿入針を投与装置からインサータと一緒に取り外すことができる。
別の実施形態(図示せず)では、針装置は所謂投与セットの形態で、注入カニューレ及び注入カニューレを貫通する構成の取り外し可能な挿入針を備え、このような投与セットは通常、(耐久性の)注入ポンプと組み合わされて投与部位を決定する。
【0038】
上述の実施形態では、針は、針装置上方に位置する外部駆動手段により作動するように主として構成されるが、図12A〜12Gには、作動部材を取り付け面に平行に移動させることにより手動で作動するように設計された薬剤投与装置が示されており、このような装置は、有利には、本発明による密封パッケージとしてユーザに提供される。
具体的には、薬剤投与装置901は、ベースプレート910、第1カバー部材920、第2カバー部材930を備え、これらの3つの素子は組み合わされてハウジングを形成し、このハウジングには、ポンプアセンブリ940及び可撓性の薬剤貯蔵容器950が収納される。
【0039】
ベースプレートは、ユニットを被験者の皮膚に接着させる接着手段を有する取り付け面として機能する、ほぼ平坦な下側表面918、及び第1及び第2カバー部材、並びにポンプアセンブリ940をベースプレートに取り付けることができる接続手段が設けられた上側表面919を含む。具体的には、ベースプレートは、第1カバー部材上の対応するフック構造921に係合して2つの部材を互いにスナップ係合式にロックする3つの直立フック部材911、並びに、第2カバー部材上の対応するフランジ構造931に係合して、2つの部材をスライド可能に互いに対して取り付けるための外に向って開いた溝を有する、平行に対向配置される一対の部材912を備える。2つの部材の間の移動を制御するために、溝及びフランジには、対応するラチェット又はロック手段916、932を設けることができる。第2カバー部材が第1カバー部材に向かって移動するときの第2カバー部材の位置合わせを容易にするために、ベースプレートは、第2カバー部材上の対応する溝構造933に係合する隆起部材913を備える。ベースプレート部材は更に、開口914、ポンプアセンブリに係合する部分的にシリンダー状の「メス」ヒンジ部材915、並びにヒンジ部材に接続される開口917を備える。
ポンプアセンブリ940は、メンブレンポンプに加えて、制御手段、作動手段(例えば加熱手段)、コンタクト手段、及びポンプを駆動するためのエネルギー供給源を備える。ポンプアセンブリは、(部分的に)シリンダー状のヒンジ本体941を有するように構成され、このヒンジ本体から、ポンプ及び駆動手段を収納するポンプ本体942が突出する。ヒンジ本体の下側表面上には係合部材947が配置される。ポンプ吸引口は、ヒンジ本体の一端から軸方向に突出する吸引針943と流体連通し、ポンプ放出口は、ポンプ本体の下側表面948から突出する注射針944と流体連通し、両方の針は尖鋭自由端を有する。ヒンジ本体は、開口917に収納される係合部材947によってヒンジ部材915に回転可能に収容され、ポンプアセンブリの軸方向の変位を防止し、注射針は開口914に位置合わせされる。
【0040】
可撓性の貯蔵容器950は柔らかい材料から形成された袋状又はバッグ状の部材であり、針が貫通できる接続手段、例えばセルフシール式隔壁(図示せず)が設けられる。貯蔵容器は簡単に折り畳むことができるので、容器に含まれる薬剤がポンプによって吸い出される際に他の脱気手段を必要としない。貯蔵容器は第2カバー部材の下の正規の位置に適切な手段によって取り付けられ、保持される。図示の実施形態では、貯蔵容器にはインスリンのような薬剤が予め充填されているが、貯蔵容器は、使用前にユーザが充填できるようにすることもできる。
上述の部品は2つのサブアセンブリ(図12C及び12D参照)、すなわちメインアセンブリ960と貯蔵容器アセンブリ970に組み立てられるので、これらのアセンブリを必要に応じて個別に殺菌することができる。具体的には、メインアセンブリは、上部にキャビティとなる第1ハウジング部材が取り付けられるベースプレート部材を備え、このキャビティの中でポンプアセンブリ940が回転可能にヒンジ部材915に取り付けられ、貯蔵容器アセンブリは第2ハウジング部材を備え、この第2ハウジング部材の下側表面に対応する形で貯蔵容器が取り付けられる。ヒンジは、上に向かって付勢する力を生じさせるように構成することができ、よってポンプアセンブリが下に向かって回転することを防止できる。第2ハウジング部材には、溝が掘られた領域934を有する端部、及び対向する形に配置され、第1カバー部材の下でスライドできる覆い部935、並びに第2ハウジング部材の下側表面に接続される下側傾斜部材936が設けられ、これらの部品の機能を後述で更に詳細に説明する。溝が掘られた領域は、第1カバー部材上の対向する突出隆起923と組み合わされて係合手段として機能し、よってパッケージのハウジング部材の上の対応する係合手段に投与装置を解放可能にロックすることができる(図12G参照)。
【0041】
薬剤投与装置901は、図12Eに示すような初期状態に対応するように組み立てられた2つのサブアセンブリの形態でユーザに提供される。具体的には、貯蔵容器アセンブリは、接続手段912,931によって、ベースプレート部材とスライド係合するように取り付けられ、これにより、貯蔵容器全体を包囲するキャビティが第2カバー部材とベースプレート部材との間に形成され、貯蔵容器の接続手段は吸引針と軸方向に一致するように配置される。初期状態では、貯蔵容器アセンブリは第1カバー部材に向かってその移動可能距離の全ての距離を移動するのではないが、覆いは部分的に第1カバー部材の下に挿入されてキャビティを閉じる。第2カバー部材とベースプレート部材との間に配置されるロック手段又はラチェット手段916、932は、貯蔵容器アセンブリをユーザが取り外すことができないように構成することができる。
本発明によれば、図12Gに示すように、投与装置901は取り扱いが容易な筐体の形で提供される。具体的には、装置は、初期状態の装置の外部構成及びサイズにほぼ対応するパッケージハウジング990の形で提供され、パッケージハウジングは、投与装置上の対応する係合手段(簡易形で示す)と連動する係合手段993、994を有し、外周フランジ991は装置の取り付け面にほぼ対応する開口を画定し、開口は、フランジに解放可能に取り付けられるシール部材992及び取り付け面上の接着剤によって閉じる。取り扱いを容易にするため、パッケージハウジングは、収納容器を2本の指で掴むことを可能にする対向する隆起部分995、996を備える。パッケージハウジングは可撓性の容易に変形する材料により作製される。
【0042】
投与装置を作動させるため、貯蔵容器アセンブリをポンプアセンブリに向かって移動させると(図12F参照)、多数の動作が行なわれる。具体的には、吸引針943が貯蔵容器の接続手段を貫通することにより貯蔵容器とポンプとの間に流体連通が形成され、第2カバー部材上の傾斜936がポンプアセンブリと係合することによりこのアセンブリが下に向かって回転し、これにより注射針944が動いて開口914を貫通する。同時に、ポンプアセンブリ上(例えば、ポンプ本体の下側表面上)に配置されたコンタクト手段が作動することによりポンプ制御手段、並びに最終的にポンプが作動する。しかしながら、作動した制御手段は、ポンプが作動する前に、外部信号の命令信号(例えば、リモート制御デバイスから供給される)を[待つ]ように設計できる。別の実施形態(図示せず)では、貯蔵容器アセンブリ及びポンプアセンブリは、「積み重ね」たとき、直線的に、例えば同一直線上を移動するように設計することができる。更に別の実施形態(図示せず)では、貯蔵容器をポンプに接続することができ、例えばユーザが行なう2つ、又は3つの動作によって、ポンプの始動と、針の一部又は全体を皮膚に挿入する操作とを、互いに独立に行なうことができる。
薬剤投与装置901は次のようにして使用することができる。シール部材(及び最終的には別個のライナー)を取り除いた後、パッケージハウジング内の装置をユーザの適切な皮膚部分、例えば腹部領域に配置する。その後、ユーザがパッケージ収納容器の隆起部分を互いに対して押圧することにより、ボタン(溝が掘られた領域934で示される)として機能する貯蔵容器アセンブリを押して、上述のようにその正規の位置にロックされるまでメイン部分に向かって進めると、ポンプが作動し、針がユーザの皮膚を通って皮下に挿入される。同時に、パッケージハウジングが投与装置から外れる。制御手段のプログラム内容に応じて、ポンプは直ぐに作動し始めるか、又はユーザによる作動命令、例えばリモートコマンダーから、或いはデバイスに搭載された入力手段から命令を受信するまでポンプの始動を待つことができる。
【0043】
装置を取り外す際は、針が下側表面から飛び出している作動状態で皮膚から装置を取り外すことができるか、又は取り外す前に装置を初期状態に戻すことができる。例えば、ロック手段が「覆い」と第1カバー部材との間に配置される場合、ロック手段は第1カバー部材の上側表面を押し下げることによって解除することができる。
上述の実施形態には全て、被験者の皮膚を貫通するのに適した経皮装置を設けられているが、本発明は、針又はその他の皮膚貫通素子を全く含まない皮膚に取り付け可能な装置と組み合わせて使用することもできる。
例えば、皮膚に取り付け可能な装置は、センサ手段を備えるセンサ素子の形をとることができ、このセンサ手段は、被験者の皮膚部分と接触して搭置するのに適合しており、且つ体の物質又は状態の影響を受けて、それに対応する信号を生成する機能を備える。センサ素子は更に、信号をセンサ手段から受信し、それに応答して命令信号を生成するのに適した制御手段を備える。制御手段は、信号評価を行なう外部プロセッサ手段、外部プロセッサへの無線送信を行なう送信手段、又はハウジング内部に配置されるプロセッサにセンサ素子を接続するように設計することができる。
【0044】
更に別の実施形態では、皮膚に取り付け可能な装置は信号デバイスであり、この信号デバイスは、取り付け面上に配置され、被験者の皮膚と導通接触するように搭載するのに適し、更に電極ペアを構成する第1及び第2電極と、電極ペアの間の電圧を供給する電圧源とを備える。信号デバイスは更に、電極ペアの間に印加される電圧を制御する制御手段を備え、この制御手段は、所定の状態又は信号を識別し、それに応答して電極ペアの間に電圧を印加する。このような信号デバイスは、どのような皮膚に取り付け可能な装置とも組み合わせて提供することができるか、又は一つ以上の1次デバイスに接続される、及び/又は一つ以上の1次デバイスによって制御される個別の皮膚接触信号ユニットとして提供することができる。外部で生成される(無線)命令信号を受信する手段を備える場合、信号デバイスは、皮膚に取り付ける必要の無いデバイス又はシステムと組み合わせて使用することができる。例えば、このような信号デバイスは、独立型の注入ポンプに利用することができ、この注入ポンプをベルトに付けて、又はポケットの中に入れて持ち運ぶことができる。異なる技術分野では、聴覚に障害を持つ人は、信号デバイスを補聴手段として使用し、例えば電話呼び出し音、目覚まし時計の音、又は他の従来の音声信号を聞き取り易くすることができる。実際、本発明の信号デバイスと外部デバイスを所与の形で組み合わせる場合には必ず、2つのデバイスが互いに通信する必要がある。
好ましい実施形態の上の記述において、種々の部品に関して記載した機能を提供する様々な構造及び手段を、当業者に本発明のコンセプトが明確となる程度に記載した。種々の部品に関する詳細な構成及び仕様は、本明細書に開示される基本原理に沿って当業者が実行する通常の設計手順の目標になるものと考えられる。
【0045】
【特許文献1】米国特許第4340048号
【特許文献2】米国特許第4552561号
【特許文献3】米国特許第5858001号
【特許文献4】米国特許第6280148号
【特許文献5】米国特許第5957895号
【特許文献6】米国特許第5527288号
【特許文献7】米国特許第2605765号
【特許文献8】欧州特許第1177802号
【特許文献9】米国特許第5814020号
【特許文献10】米国特許第5931814号
【特許文献11】国際公開第02/15965号
【特許文献12】米国特許第5482473号
【特許文献13】米国特許第5390671号
【特許文献14】米国特許第5391950号
【特許文献15】米国特許第5568806号
【特許文献16】米国特許第5954643号
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の使用状態においてユーザが把持する医療装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】Aは第2の使用状態においてユーザが把持する図1の医療装置の斜視図であり、Bは図2Aの針装置の透視図であり、Cは図2Aの針装置の第1ユニットを示す。
【図3】A〜Cは、図2A〜2Cに対応する第3の使用状態を示している。
【図4】A〜Cは、図2A〜2Cに対応する第4の使用状態を示している。
【図5】第5の使用状態においてユーザが把持する図1の医療装置の斜視図である。
【図6】医療装置の第2の実施形態の断面図である。
【図7】医療装置の第3の実施形態の断面図である。
【図8】医療装置の第4の実施形態の断面図である。
【図9】医療装置の第5の実施形態の断面図である。
【図10】医療装置の第6の実施形態の断面図である。
【図11】A〜Dは、本発明における使用に適する異なる放出手段を示している。
【図12】Aは上から眺めた薬剤投与装置の分解図を示し、Bは下から眺めた図12Aの投与装置の分解図を示し、C及びDは2つのサブアセンブリを含む投与装置を示し、Eは組み立てたサブアセンブリの初期状態の投与装置を示し、Fは組み立てたサブアセンブリを作動させた状態の投与装置を示し、Gは投与パッケージの状態の投与装置を示している。
【図13】A〜Cはセンサ素子の異なる使用状態を示している。
【図14】A〜Cは、医療装置の更に別の実施形態の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 被験者の皮膚にユニットを接着させる接着手段を含む取り付け面(151)を有し、接着手段が接着手段に取り外し可能に取り付けられる保護手段に覆われている、皮膚に取り付け可能なユニット(150)、
− 皮膚に取り付け可能なユニットに取り外し可能に取り付けられ、皮膚に取り付け可能なユニットを少なくとも部分的に収容する内部空間(115)を含み、且つ開口を有するハンドリングユニット(110)であって、この開口を通してハンドリングユニットから外れた状態の皮膚取り付け部材を移動することができ、更に開口を包囲する部分を有するハンドリングユニット、及び
− 包囲部分に取り外し可能に取り付けられて、皮膚に取り付け可能なユニットの閉じ空間を画定する密封部材(113)
を備え、
− 密封部材を取り外すことによって保護手段が接着手段から外れる
装置(100)。
【請求項2】
ハンドリングユニットが開口を取り囲む外周部分(111)を含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
外周部分が概略平面を形成する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
取り付け面(151、918)がほぼ平坦であり、且つハンドリングユニットの包囲部分によって画定される概略平面にほぼ対応するように配置される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
密封部材が接着手段に取り外し可能に取り付けられて保護手段となっている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
取り付け面が概略平面から後退した位置に配置されている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
保護手段が接着手段に取り付けられた剥離可能なシート部材(351)によって形成され、シート部材は密封部材(313)に接続される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
皮膚に取り付け可能なユニット(150、450)が、被験者の皮膚を貫通するのに適した尖った先端を有する経皮装置(460)を更に含み、経皮装置は、先端が取り付け面より後退している第1位置及び先端が取り付け面から突出する第2位置を有する、前出の請求項のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
更に、ハンドリングユニットに接続され、且つ皮膚に取り付け可能なユニットに取り付けられるハンドリングユニットにより駆動手段が作動するときに経皮装置を第1位置から第2位置に移動させる作動可能な駆動手段(140、440)を備える、請求項7記載の装置。
【請求項9】
駆動手段がバネ手段(140、440)を含み、ハンドリングユニットが更に、
− 第1状態から中間状態を経て経皮装置が、経皮装置が第2位置に移動する第2状態にまで作動できる作動手段(120)
を含み、
− 作動手段が第1状態から中間状態にまで作動することによって駆動手段が作動し、作動手段が中間状態から第2状態にまで作動することによって作動バネ手段が解放されて経皮装置が第1位置から第2位置に移動する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
作動手段は第1位置から中間位置を経て第2位置にまで移動する作動素子(120)を含み、好適にはこの移動は非複合運動である、請求項9記載の装置。
【請求項11】
作動手段が第1状態から中間状態を経て第2状態にまで至る動作は、2つの作動素子(420、430)を互いに対して移動させることにより行なわれる、請求項9記載の装置。
【請求項12】
駆動手段をその作動状態にロックできる、請求項8ないし11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
駆動手段は、作動状態にあるか、又は作動状態にできるバネ手段(540)を含み、第2ユニットはバネ手段を作動状態に解放可能に保持するトリガー手段(542)を含み、トリガー手段はバネ手段を解放して経皮装置を第1位置から第2位置に移動させるように動作可能である、請求項8記載の装置。
【請求項14】
ハンドリングユニットは内部空間を画定するハウジング(110)を含み、皮膚に取り付け可能なユニットは内部空間に面する上側部分(156)を含み、駆動手段(140)は上側部分とハウジングとの間の内部空間の内部に配置される、請求項8ないし13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
インサータ(610)と組み合わせた装置であって、インサータが、
− ハンドリングユニットを取り外し可能に収納且つ支持する手段(611)、及び
− 作動可能な駆動手段(640)
を含み、
ハンドリングユニットが、駆動手段が作動すると駆動手段によって移動可能になる部分(657)を含み、ハンドリングユニットの移動可能な部分は、皮膚に取り付け可能なユニットに係合して経皮装置をその第1位置から第2位置に移動させるように構成される、請求項7記載の装置。
【請求項16】
経皮装置が中空の注射針(944)であり、皮膚に取り付け可能なユニットが更に、
− 液体薬剤を収容するのに適し、使用の際注射針と流体連通する放出口を含む貯蔵容器(470、950)、及び
− 貯蔵容器から被験者の皮膚を経て注射針を介して薬剤を放出する放出手段(940)
を含む、請求項7ないし15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
経皮装置がカニューレ(860)であり、このカニューレは、カニューレ内に少なくとも一部が収納される尖った注射針(880)と組み合わされており、カニューレは先端開口を有し、
− カニューレ及び注射針は、駆動手段が作動すると駆動手段によってそれぞれの第1位置からそれぞれの第2位置に同時に移動するように構成され、
− 注射針は、カニューレ及び注射針がそれぞれの第2位置への移動を完了したとき、先端開口から離れる方向に移動できるように構成される、
請求項8ないし15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
カニューレは、カニューレ及び注射針がそれぞれの第1位置からそれぞれの第2位置に移動するときに注射針が貫通する隔壁(861)を含む、請求項17記載の装置。
【請求項19】
経皮装置は細長のセンサ素子(760)であり、このセンサ素子は、センサ素子の先端部分を支持するように構成される尖った注射針(770)と組み合わされ、
− カニューレ及び注射針は、駆動手段が作動すると駆動手段によってそれぞれの第1位置からそれぞれの第2位置に同時に移動するように構成され、
− 注射針は、センサ素子及び注射針がそれぞれの第2位置への移動を完了したとき、先端開口から離れる方向に移動できるように構成される、請求項8ないし15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
第2位置において注射針は第2ユニットに取り付けられており、第2ユニットを第1ユニットから取り外すことによって注射針を引き抜く、請求項17ないし19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
装置を被験者の皮膚表面に適用する方法であって、
a)第1ユニット及び取り外し可能に取り付けられる第2ユニットを有する装置を設けるステップであって、第1ユニットが、
− 第1ユニットを被験者の皮膚に接着させる接着手段を有するほぼ平坦な取り付け面を含み、接着手段は、接着手段に取り外し可能に取り付けられる保護手段に覆われ、
第2ユニットが、
− 第1ユニットを収容し、第1ユニットが第2ユニットから外れるときに通過することができる開口を有する内部空間を含み、概略平面を形成し且つ開口を包囲する外周部分を有し、取り付け面は概略平面に対して内側に、又は概略平面にほぼ対応するように配置され、
− 外周部分に取り外し可能に取り付けられて第1ユニットの閉じ空間を画定する密封部材を含み、密封部材を取り外すことによって保護手段を接着手段から取り外すことができる
ステップ、
b)密封部材を取り外すことにより接着手段を露出させるステップ、
c)接着手段を被験者の皮膚に接触させるステップ、及び
d)第2ユニットを第1ユニットから取り外すステップ
を含む方法。
【請求項22】
密封部材が接着手段に取り外し可能に取り付けられることにより、密封部材が保護手段となる、請求項21記載の方法。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525046(P2006−525046A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504381(P2006−504381)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000334
【国際公開番号】WO2004/098684
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】