説明

受信された無線通信信号を等化するデバイス、システム及び方法

【課題】受信された無線通信信号を等化する方法を提供する。
【解決手段】受信機112は、無線通信チャネル上で受信された無線通信信号に、ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を適用することにより、複数のフィルタ重み付けを決定するプリデコーディング等化器140と、フィルタ重み付けに基づいて、前記チャネルのチャネル周波数応答を推定するチャネル推定器142と、無線通信信号をデコードするデコーダ132と、推定されたチャネル周波数応答を使用してデコードされた無線通信信号を等化するターボ等化器134とを有するターボ等化スキーム130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無線通信システム("非OFDMシステム")の中には、直交周波数分割多重方式(OFDM)以外の通信方式、例えば、単一搬送波通信(single-carrier communication)方式を実装するものが存在する。
【0002】
非OFDMシステムで動作する受信機は、例えば、シンボル間の干渉を抑制するために、時間領域判定帰還型等化器(Decision-Feedback-Equalizer:DFE)を利用する場合がある。しかしながら、DFEは、長いインパルス応答チャンネルを利用するシステム、例えば、デジタルテレビ(DTV)システムにおいて、相対的に複雑な構成を有する。
【0003】
図面において要素を単純及び明確に示すために、要素は必ずしも実寸で描かれていない。例えば、図示を明確にするために、要素の一部の寸法は、別の要素と比較して拡大して描かれている場合がある。また、対応する要素又は類似した要素を示すために、図面間で参照番号が繰り返し使用されている。図面のリストが以下に示される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】例示的実施形態に係るシステムの概略的なブロック図である。
【図2】例示的実施形態に係る無線通信チャネルの実際のチャネル応答スペクトルを概略的に示した図である。
【図3】例示的実施形態に係る、図2のチャネル応答スペクトルに対応する複数の重み付けを含む等化器周波数応答曲線を概略的に示した図である。
【図4】例示的実施形態に係る、図3の等化器周波数応答曲線に従って計算された、推定チャネル周波数応答を概略的に示した図である。
【図5】例示的実施形態に係る、チャンネルの複数のサブキャリアに対応する複数のチャネル係数を決定する方法を概略的に示したフローチャートである。
【図6】例示的実施形態に係る、図4の推定チャネル周波数応答に従ったローブパターンを概略的に示した図である。
【図7】例示的実施形態に係る、ステートマシーンの概略図である。
【図8】例示的実施形態に係る、3つの受信機スキームに対応する3つの受信機性能を概略的に示したグラフである。
【図9】例示的実施形態に係る、受信された無線通信信号を等化する方法を概略的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明では、本発明を理解するために多くの詳細事項が記される。しかしながら、これら詳細事項がなくとも本発明を実施可能であることは、当業者にとって明らかである。また、本発明の説明の理解を不明瞭にしない目的から、周知の方法、プロセス、構成要素、単位及び/又は回路についての詳細な説明を省略している。
【0006】
以下の説明において、「処理する(processing)」、「演算する(computing)」、「計算する(calculating)」、「決定する(determining)」、「確立する(establishing)」、「分析する(analyzing)」、「照合する(checking)」等の言葉の使用は、コンピュータ、コンピュータプラットフォーム、コンピュータシステム、又は他の電子演算装置のオペレーション及び/又はプロセスを指し、そのコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的な量(例えば、電子的な量)で表されるデータを、そのコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内、又は、オペレーション及び/又はプロセスを実行する命令を記憶する情報記憶媒体内に存在する物理量で表される他の同様なデータへと、操作する及び/又は変換することを意味する。
【0007】
「複数の」及び「多数の」という言葉は、ここでは、例えば「多くの」又は「2以上の」という意味を含む。例えば、「複数のアイテム」という場合は、2つ以上のアイテムを含む。
【0008】
幾つかの実施形態は、様々なデバイス及びシステムと関連付けて使用される。そのようなデバイス及びシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバーコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)デバイス、携帯PDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、ハイブリッドデバイス、車両搭載デバイス、非車両搭載デバイス、モバイル又はポータブルデバイス、消費者デバイス、非モバイル又は非ポータブルデバイス、無線通信局、無線通信デバイス、無線アクセスポイント(AP)、有線又は無線ルータ、有線又は無線モデム、ビデオ装置、オーディオ装置、オーディオ・ビデオ(A/V)装置、セットトップボックス(STB)、ブルーレイディスク(BD)プレーヤ、BDレコーダ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、高画質(HD)DVDプレーヤ、DVDレコーダ、HD DVDレコーダ、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、放送HD受信機、動画源、音声源、ビデオシンク、オーディオシンク、ステレオチューナー、放送電波受信機、フラットパネルディスプレイ、パーソナルメディアプレーヤ(PMP)、デジタルビデオカメラ(DVC)、デジタルオーディオプレーヤ、スピーカ、音声受信機、音声増幅器、ゲーム機器、データ源、データシンク、デジタルスチルカメラ(DSC)、有線又は無線ネットワーク、無線エリアネットワーク、無線ビデオエリアネットワーク(WVAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線PAN(WPAN)、上記のネットワークの一部を構成するユニット及び/又はデバイス、一方向及び/又は双方向無線通信システム、携帯無線電話通信システム、携帯電話、無線電話、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、無線通信デバイスを組み込んだPDAデバイス、モバイル又はポータブル・全地球測位システム(GPS)デバイス、GPS受信機又は送信機又はチップを組み込んだデバイス、RFID要素又はチップを組み込んだデバイス、複数入力複数出力(MIMO)送受信機又はデバイス、1以上の内部アンテナ及び/又は外部アンテナを有するデバイス、デジタルビデオ放送(DVB)デバイス又はシステム、マルチスタンダード無線デバイス又はシステム、有線又は無線ハンドヘルドデバイス(例えば、BlackBerry、Palm Treo)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)デバイス等が含まれる。
【0009】
また、幾つかの実施形態は、1以上の種類の無線通信信号及びシステムと関連付けて使用される。例えば、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、符号分割多重接続(CDMA)、ワイドバンドCDMA(WCDMA)、CDMA2000、シングルキャリアCDMA、マルチキャリアCDMA、多重搬送波変調(MDM)、離散型マルチトーン(DMT)、Bluetooth(登録商標)、全地球測位システム(GPS)、Wi‐Fi、Wi‐Max、ZigBee(登録商標)、ウルトラワイドバンド(UWB)、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、第2世代、第2.5世代、第3世代、第3.5世代、GSM(登録商標)進化型高速データレート(EDGE)等が挙げられる。
【0010】
幾つかの実施形態は、「テレビ信号」又は「デジタルテレビ信号」と関連して使用され、例えば、テレビ情報を搬送する信号、オーディオ/ビデオ情報を搬送する信号、デジタルテレビ(DTV)信号、デジタル放送信号、地上デジタル放送(DTTV)信号、先進型テレビジョン方式委員会(Advanced Television Systems Committee:ATSC)の1以上の規格に従う信号、残留側帯波(VSB)デジタルテレビ信号(例えば、8−VSB信号)、Digital Video Broadcasting - Terrestrial(DVB−T)信号、DVB−T2信号、統合デジタル放送サービス(ISDB)信号、MPEG−2オーディオ/ビデオを搬送するデジタルテレビ信号、MPEG−4オーディオ/ビデオ又はH.264オーディオ/ビデオ又はMPEG−4パート10オーディオ/ビデオ又はMPEG−4アドバンストビデオコーディング(AVC)オーディオ/ビデオを搬送するデジタルテレビ信号、Digital Multimedia Broadcasting(DMB)信号、DMB-Handheld(DMB−H)信号、High Definition Television(HDTV)信号、プログレッシブスキャンデジタルテレビ信号(例えば、720p)、インターレースデジタルテレビ信号(例えば、10180i)、衛星又は衛星アンテナを介して転送又は受信されたテレビ信号、大気圏を介して受信された又は転送されたテレビ信号、デジタルテレビデータに加えて又は替えて非テレビデータ(例えば、無線及び/又はデータサービス)を(一部又は全部)含む信号が含まれる。その他の実施形態を、様々なその他のデバイス、システム及び/又はネットワークで使用してもよい。
【0011】
本明細書で使用されている「無線デバイス」という言葉は、例えば、無線通信を行うことができるデバイス、無線通信を行うことができる通信デバイス、無線通信を行うことができる通信局、携帯型又は非携帯型の無線通信を行うことができるデバイス等を含む。幾つかの実施形態では、無線デバイスは、コンピュータと一体化される周辺機器、又はコンピュータに取り付けられる周辺機器を含んでもよい。また、幾つかの実施形態では、「無線デバイス」という言葉は、無線サービスを含む場合もある。
【0012】
幾つかの実施形態は、2つ以上のデバイスの間での好適なコンテンツの無線送信のために実装されてもよい。一実施形態において、コンテンツは、メディアコンテンツを含んでもよく、例えば、音声及び/又は動画コンテンツ、高精細テレビ(HDTV)コンテンツ等を含む。その他の実施形態において、コンテンツは、その他の好適なデータ、情報及び/又は信号を含んでもよい。
【0013】
図1には、例示的実施形態に係るシステム100の概略的なブロック図である。
【0014】
例示的実施形態では、システム100は、例えば、無線通信チャンネル109上で無線信号を通信可能なデバイス102及び104である1以上のデバイスを含んでもよい。例えば、デバイス102は、1以上のアンテナを介して無線信号を送信可能な送信機106を含んでもよく、及び/又は、デバイス104は、1以上のアンテナ110を介して無線信号を受信可能な受信機112を含んでもよい。アンテナ108及び/又は110としては、無線通信信号、ブロック、フレーム、送信ストリーム、パケット、メッセージ及び/又はデータを送受信するのに好適なあらゆる種類のアンテナが含まれてもよい。アンテナ108及び/又は110として使用されるアンテナの種類には、これに限定するわけではないが、内部アンテナ、ダイポールアンテナ、無指向性アンテナ、モノポールアンテナ、エンドフェッド(end fed)アンテナ、円偏波アンテナ、マイクロストリップアンテナ、ダイバーシチアンテナ、位相アレイアンテナ等が含まれてもよい。ある実施形態では、アンテナ108及び/又は110は、別個に設けられた送信アンテナ要素及び受信アンテナ要素を使用して送信する及び受信する機能を実装してもよい。ある実施形態では、アンテナ108及び/又は110は、共通の及び/又は一体化された送受信機要素を使用して、送信する機能及び受信する機能を実装してもよい。
【0015】
ある例示的実施形態では、システム100は、直交周波数分割多重方式(OFDM)以外の通信方式("非OFDM通信方式")を実装してもよく、例えば、単搬送波通信(single-carrier communication)方式、DTVシステム等を実装してもよい。
【0016】
ある例示的実施形態では、システム100は、DTVシステムの1以上の機能を含む又は実行してもよい。ある実施形態では、デバイス102は、DTV基地局を含んでもよい。送信機106は、例えば、2007年1月3日"ATSCデジタルテレビ規格パート2−RF/送信特性(A/53,Part2:2007)"("ATSC規格")及び/又はその他の好適な標準、規格及び/又はプロトコルに準拠した無線DTV信号を送信可能な好適なDTV送信機を含んでもよい。これらの実施形態によれば、受信機112は、DTV信号を受信するよう構成されていてもよい。
【0017】
ある例示的実施形態では、デバイス104は、例えば、コンピュータデバイス、通信デバイス、無線通信デバイス、電子デバイス、回路、及び/又はその他の好適なデバイスを含んでもよく、また、これらの一部として含まれてもよい。例えば、デバイス100は、PC、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバーコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯端末、PDAデバイス、携帯PDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、ハイブリッドデバイス(例えば、携帯電話機能とPDAデバイス機能との組み合わせ)、消費者デバイス、車両搭載デバイス、非車両搭載デバイス、モバイル又はポータブルデバイス、非モバイル又は非ポータブルデバイス、携帯電話機、電話機、PCSデバイス、無線通信デバイスを組み込んだPDAデバイス、モバイル又はポータブルGPSデバイス、DVBデバイス、相対的に小型のコンピュータ、非デスクトップコンピュータ、"Carry Small Live Large"(CSLL)デバイス、ウルトラモバイルデバイス(UMD)、ウルトラモバイルPC(UMPC)、モバイルインターネットデバイス(MID)、"Origami"デバイス又はコンピュータデバイス、Dynamically Composable Computing(DCC)をサポートするデバイス、コンテキストアウェアデバイス、ビデオデバイス、オーディオデバイス、A/Vデバイス、STB、BDプレーヤ、BDレコーダ、DVDプレーヤ、HD DVDプレーヤ、DVDレコーダ、HD DVDレコーダ、PVR、放送HD受信機、ビデオソース、オーディオソース、ビデオシンク、オーディオシンク、ステレオチューナー、放送無線受信機、薄型ディスプレイ、PMP、DVC、デジタルオーディオプレーヤ、スピーカ、オーディオ受信機、ゲーム機、オーディオアンプ、データソース、データシンク、DSC、メディアプレーヤ、スマートフォン、テレビ、音楽プレーヤ、AP、基地局等を含んでもよく、また、これらの一部として含まれてもよい。
【0018】
ある例示的実施形態では、デバイス104は、また、例えば、1以上のプロセッサ118、入力ユニット114、出力ユニット116、メモリユニット120及び記憶ユニット122を含んでもよい。デバイス104は、必要に応じて、その他の好適なハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含んでもよい。ある実施形態では、デバイス104の構成要素の一部又は全てが、共通のハウジング又はパッケージに収められていてもよく、1以上の有線リンク又は無線リンクを使用して、相互接続されていてもよい又は動作可能に関連付けられていてもよい。その他の実施形態では、デバイス104の構成要素は、複数のデバイス又はロケーション又は別個のデバイス又はロケーションにわたって分配されていてもよい。
【0019】
プロセッサ118は、例えば、中央演算装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1以上のプロセッサコア、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ホストプロセッサ、コントローラ、複数のプロセッサ又はコントローラ、チップ、マイクロチップ、1以上の回路、回路、ロジックユニット、集積回路(IC)、特定用途向けIC(ASIC)、又は、その他の好適な汎用又は特殊プロセッサ又はコントローラを含んでもよい。プロセッサ118は、例えば、デバイス104のオペレーティングシステム(OS)の命令及び/又は1以上の好適なアプリケーションの命令を実行する。
【0020】
入力ユニット114としては、例えば、キーボード、キーパッド、マウス、タッチパッド、トラックボール、スタイラス、マイク、又は、その他の好適なポインティングデバイス又は入力デバイスが含まれる。出力ユニット116としては、例えば、モニタ、スクリーン、陰極線管(CRT)表示装置、液晶(LCD)表示装置、プラズマ表示装置、1以上の音声スピーカ又はイヤホン、又は、その他の好適な出力デバイスが含まれる。
【0021】
メモリユニット120としては、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SD−RAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期記憶装置、長期記憶装置、又は、その他の好適なメモリ装置が含まれる。記憶ユニット122としては、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、又は、その他の好適な取り外し可能/不可能記憶装置が含まれる。メモリユニット120及び/又は記憶ユニット122は、例えば、デバイス104によって処理されたデータを格納する。
【0022】
ある例示的実施形態では、受信機112は、アンテナ110を介して、チャネル109上で、Yと表記される無線通信信号101を、例えば、デバイス102から受信してもよい。受信機112は、例えば、好適な周波数領域ターボ等化(FDTE)スキームのようなドメイン反復(ターボ)等化スキーム130を実装して、反復して無線通信信号101をデコード及び等化してもよい。
【0023】
ある例示的実施形態では、ターボ等化スキーム130は、無線通信信号101をデコードする好適なデコーダ132、及び、デバイス102及び104の間のチャネル109の、

と表記されるチャネルインパルス応答の推定値133を使用して、デコードされた無線通信信号を等化する好適なターボ等化器134を含んでもよい。反復して信号101をデコード及び等化するべく、等化器134の出力は、入力としてデコーダ132にフィードバックされてもよい。
【0024】
ある例示的実施形態では、信号101のk番目のサブキャリアに対応する等化器134で等化された出力Zを、例えば、次のように求めてもよい。
【数1】

ここで、k=0・・・N−1であり、Nは、周波数領域で信号Yを表すのに使用されるサブキャリアの数であり、Nは、受信機112によって実装される高速フーリエ変換(FFT)のサイズと等しくてもよい。

は、チャネル109のk番目のサブキャリアの推定されたチャネル周波数応答であり、Yは、周波数領域におけるk番目のサブキャリア上で受信された信号を表し、

は、デコーダ132の出力のフーリエ変換であり、σは、チャネル

に対応する雑音分散であり、E[e]は、デコーダ132の後の平均二乗誤差である。
【0025】
ある例示的実施形態では、受信機112は、例えば、受信された信号101に対してターボ等化を実行する前に、チャネル109の周波数領域チャネル応答を判断してもよい。
【0026】
ある例示的実施形態では、チャネル109上でデバイス104が受信する2つの連続したパイロット信号の間の繰り返し時間は、パイロット信号の継続時間と比較して相対的に長くてもよい。例えば、チャネル109上で受信される2つの連続したパイロット信号の間の繰り返し時間は、パイロット信号の継続時間よりも少なくとも100倍長くてもよい。一例では、パイロット信号は、77マイクロ秒(μs)の長さを有してもよく、例えば、システム100がATSC規格に準拠して動作する場合には、反復時間は、約24ミリ秒(ms)であってもよい。これらの実施形態では、パイロットシンボルを使用したチャネル109の推定は、不正確な場合がある。ターボ等化スキーム130の性能は、推定されたチャネル応答133の精度に影響を受ける。
【0027】
ある例示的実施形態では、受信機112は、チャネル109上で受信されたパイロット信号とは無関係に、例えば、以下に説明するような態様で、チャネル応答133を決定するように構成されていてもよい。
【0028】
ある例示的実施形態では、受信機112は、例えば、以下に説明するように、ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を無線通信チャネル109上で受信された無線通信信号101に適用することにより、複数のフィルタ重み付け(weight)146を決定するプリデコーディング等化器140を含んでもよい。
【0029】
ある例示的実施形態では、以下に説明するように、プリデコーディング等化器140は、ブラインド等化を受信された無線通信信号101に適用することにより複数の初期重み付けを決定するブラインド等化器144、及び、LMS等化に従った初期重み付けを調整することにより、複数のフィルタリング重み付け146を決定するLMS等化器148を含んでもよい。
【0030】
ある例示的実施形態では、ブライン等化器144は、好適なブラインド等化器アルゴリズムを実装してもよく、例えば、Satoブラインド等化アルゴリズム、コンスタント・モジュラス・アルゴリズム(Constant Modulus Algorithm:CMA)等を実装する。ブラインド等化器144は、例えば、パイロット信号を使用することなく、既知の信号データ、例えば、平均エネルギーに基づくコスト関数を最小にすることにより、初期重み付けを決定してもよい。
【0031】
ある例示的実施形態では、LMS等化器148は、例えば、あらゆる好適な線形適応LMS等化であるLMS等化アルゴリズムを実行する好適な等化器を含んでもよい。例えば、LMS等化器148は、等化器148の出力における平均誤差を最小にするべく、ブラインド等化器144によって決定された初期重み付けを調整してもよい。例えば、複数の重み付け146のうちの、k番目のサブキャリアに対応する1つをWとすると、これは、例えば、以下の条件に従って、等化器148の出力において最小平均二乗誤差(MMSE)を提供する値に収束させることにより、求めてもよい。
【数2】

ここで、γは、信号101に対応する信号対雑音比(SNR)の逆数である。ある例示的実施形態では、以下に説明するように、受信機112は、重み付け146に基づいてチャネル109のチャネル周波数応答133を推定するチャネル推定器142を含んでもよい。
【0032】
ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、複数のチャネル応答係数("チャネル係数")を含むチャネル周波数応答133を決定してもよく、複数のチャネルサブキャリアのうちのk番目のサブキャリアに対応する係数は、Hと表される。
【0033】
ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、上記の式(2)の収束基準に基づいて、チャネル周波数応答133を推定してもよい。例えば、チャネル応答係数Hは、次のようにして、式(2)の収束基準に基づいて、決定されてもよい。
【数3】

【0034】
上記の式(3)から分かるように、チャネル応答係数Hは、例えば、式(3)で+の符号が使用される場合のHと表記される第1値、又は、式(3)で−の符号が使用される場合のHと表記される第2値のどちらかを有してもよい。
【0035】
ある例示的実施形態では、チャネル応答係数Hと比較してγが小さい場合には、式(3)においてプラスの符号が使用される。γはSNRの逆数であることから、γの値は、チャンネル応答係数Hと比較して小さく、例えば、ほとんどのサブキャリアに対して、γ<<Hである。したがって、サブキャリアの大部分に対して式(3)においてプラスの符号が使用され、その結果、推定されるチャネル応答係数は、ほぼ、対応する等化器の重み付けWの逆数となる。しかしながら、チャネル109のチャネルスペクトルが相対的に小さい値、例えば、ゼロに近い値を含む場合には、式(3)においてマイナスの符号が使用され、例えば、チャネル109の実際の周波数応答に1以上のヌル(null)を含む場合には、式(2)の基準により、等化器148は、ゼロによる除算ができない。
【0036】
異なる複数の基地局(BS)から、実質的に同じ信号を同時に受信することによって、一例では、DTVシステムにおける周波数選択チャネル応答が生じてもよい。例えば、両BSからの信号が受信機112において等しい電力を有している場合には、チャネル109の実際のマルチパスチャネルスペクトル、例えば、図2に示すチャネル応答スペクトルは、0に近い重み付け値を有する1以上の"ヌル"(null)("谷"(dip))点202を含む。
【0037】
図3には、図2のチャネル応答スペクトルに対応する重み付けWを含む等化器周波数応答曲線が概略的に示されている。式(3)において全てのサブキャリアに対してプラスの符号を選択し、図3の重み付けWを使用して式(3)を解くと、図4に示すようなチャネル周波数応答が得られる。
【0038】
図4に示すように、点202(図2)において式(3)にプラスの符号を使用すると、点202のサブキャリアに対応する推定されたチャネル応答係数に、エラーである鋭いピーク402が生じる。図2及び図4のチャネル応答両方が同じMMSE等化に対応していることから、例えば、点202の各々について個別に、このエラーを解消することは難しいと考えられる。
【0039】
図1に戻り、ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、チャネル応答133を推定可能であってもよく、例えば、実際のチャネル周波数応答が、例えば以下に説明するように1以上のヌル(null)を含む場合であっても、チャネル応答133は、図4に示したようなエラーのピーク402を含まない。
【0040】
また、ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、以下に説明するように、ピーク閾値及び幅閾値に関係する基準を満たす複数のチャネル係数Hを決定してもよい。
【0041】
ある例示的実施形態では、チャネル周波数応答が、1以上の"ローブ(lobe)"を含む場合には、以下に説明するように、基準として、各ローブの幅が、幅閾値より大きいことを要求してもよい。
【0042】
ある例示的実施形態では、チャネル周波数応答が、ピーク閾値より大きい1以上のチャネル係数Hのシーケンスを含む場合には、基準として、当該チャネル係数のシーケンスに対応する1以上のサブキャリアそれぞれのシーケンスの幅が、幅閾値より大きいことを要求してもよい。
【0043】
ある例示的実施形態では、このような基準を採用することにより、例えば、チャネル109の実際のチャネル周波数応答が、1以上のヌル(null)を含む場合であっても、チャネル推定器142が、正確にチャネル周波数応答を推定することを可能にする。
【0044】
ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、第1式に従って、複数のチャネル係数Hを決定してもよい。チャネル推定器142は、複数のチャネル係数のうちの基準を満たさない1以上のエラーチャネル係数を検出しでもよい。チャネル推定器142は、第2式に従って、1以上のエラーチャネル係数を再計算してもよい。
【0045】
ある例示的実施形態では、第1式及び第2式は、互いに1つの符号のみが異なる式であってもよい。例えば、第1式は、プラスの符号の場合の式(3)を含み、第2式は、マイナスの符号の場合の式(3)を含む。このような例の場合、チャネル推定器142は、プラスの符号を使用して式(3)に従って、複数のチャネル係数Hを決定してもよい。チャネル推定器142は、複数のチャネル係数のうち、基準を満たさないエラーチャネル係数を1以上検出してもよい。チャネル推定器142は、マイナスの符号を使用して式(3)に従って、1以上のエラーチャネル係数を再計算してもよい。
【0046】
ある例示的実施形態では、異なる複数の基地局から同じ信号を同時に受信した受信信号101である場合、図2のチャネル応答スペクトルの"ローブ"の幅は、応答期間に依存すると考えられる。例えば、デバイス102及び第1BSの間の第1距離lと、デバイス102及び第2BSの間の第2距離lとの間の大きな距離の差分Δ=l−lは、長いインパルス応答となると考えられ、チャネルスペクトルのローブは狭くなる。例えば、図2の点202のようなスペクトルのヌル点は、両基地局からの信号が同じ強度である場合に現れる。別の実施形態では、1以上のスペクトルヌル(null)点は、その他の条件に従って現れる。
【0047】
ある例示的実施形態では、Wminと表記される最小幅閾値は、スペクトルローブに関して規定されてもよく、スペクトルローブは、所定のピーク閾値よりも大きな値を有するチャネル応答係数のシーケンスを含むように規定されてもよい。
【0048】
ある例示的実施形態では、チャネル推定器142は、幅閾値よりも小さな幅を有するスペクトルローブを検出してもよく、マイナスの符号を使用して式(3)に従って、検出されたローブに対応する1以上のチャネル係数を決定してもよい。チャネル推定器142は、プラス符号を使用して式(3)に従って、検出されたローブに属さないサブキャリアに対応する1以上のチャネル係数を決定してもよい。
【0049】
図5には、ある例示的実施形態に係る、チャネルの複数のサブキャリアに対応する複数のチャネル係数を決定する方法が概略的に示されている。
【0050】
ある実施形態では、図5の方法の1以上の動作が、例えば、受信機112(図1)である受信機、例えば、チャネル推定器142(図1)であるチャネル推定器の1以上の要素によって実行されてもよい。
【0051】
ブロック502に示されるように、方法は、チャネルに対応する複数のチャネル係数候補を決定する段階を含む。例えば、チャネル推定器142(図1)は、プラスの符号を使用して式(3)に従って、例えば、チャネル係数Hのような、複数のチャネル係数候補を決定してもよい。
【0052】
ブロック504に示すように、方法は、チャネル係数候補に基づいて、複数のローブを含むローブパターンを決定する段階を含む。例えば、チャネル推定器142(図1)は、Hmaxと表記されるピーク閾値に基づいて、例えば、ローブが、ピーク閾値Hmaxよりも大きい値を有するチャネル係数H候補のシーケンスを含むように、ローブパターンgを決定してもよい。一例では、チャネル推定器142(図1)は、ローブパターンgを次のように決定してもよい。
【数4】

ここでgは、k番目のサブキャリアに対応するローブ値であり、k番目のサブキャリアがローブに含まれる場合には、例えば1である第1値を有し、k番目のサブキャリアがローブに含まれない場合には、例えば0である第2値を有する。
【0053】
ピーク閾値Hmaxは、あらゆる好適な基準に従って規定されてもよい。例えば、ピーク閾値Hmaxは、チャネル係数候補に基づいて規定されてもよい。一例において、ピーク閾値Hmaxは、例えば、以下に示すように、チャネル係数候補の最大値に基づいて規定されていてもよい。
【数5】

【0054】
図6には、図4のチャネル応答のチャネル係数H候補に対応するローブパターンが概略的に示されている。図6に示されるように、図4のチャネル応答のチャネル係数H候補に対応するローブパターンは、ピーク402(図4)に対応する非常に狭いローブ602を含む。
【0055】
図5に戻り、ブロック506に示すように、方法は、ピーク閾値及び幅閾値に関する所定の基準に従った1以上のチャネル係数を選択的に調整する段階を含む。
【0056】
ブロック508に示すように、チャネル係数候補を選択的に調整する段階は、チャネル係数候補におけるピークに対応するローブを検出することを含んでもよい。例えば、チャネル推定器142(図1)は、閾値幅wminよりも小さい幅を有する1以上のローブを検出してもよい。
【0057】
ブロック510に示すように、選択的にチャネル係数候補を調整する段階は、マイナスの符号を使用して式(3)に従って、調整済みチャネル係数を決定することを含む。例えば、チャネル推定器142(図1)は、ローブに含まれる1以上のサブキャリアのチャネル係数Hを使用して、検出されたローブに対応するチャネル係数を調整してもよい。
【0058】
図7には、ある例示的実施形態に係るステートマシーン700が概略的に示されている。
【0059】
ある例示的実施形態におけるステートマシーン700は、例えば、チャネル推定器142(図1)であるチャネル推定器によって実装され、例えば、決定されたローブパターンgに基づいて1以上のチャネル係数を選択的に調整するべく、図5の方法の1以上の動作を実行してもよい。
【0060】
ある例示的実施形態では、ステートマシーン700は、例えば、N個のサブキャリアそれぞれに対応するN個のローブ値gを含む長さNのベクトルの形式で、ローブパターンgを含む入力を受信してもよい。
【0061】
ある例示的実施形態では、ステートマシーン700はまた、式(3)においてプラス符号を使用して得られたチャネル係数を含むチャネル係数候補Hの第1セット、及び、式(3)においてマイナス符号を使用して得られたチャネル係数を含むチャネル係数候補Hの第2セットを受信してもよい。
【0062】
ある例示的実施形態では、ステートマシーン700は、例えば、チャネル応答推定133(図1)であるチャネル周波数応答推定Hを出力してもよい。
【0063】
ある例示的実施形態では、ステートマシーン700は、lと表記される第1時間変数を利用して、検出されたローブ/ピークの長さを判断してもよく、また、findと表記される第2時間変数を利用して、検出されたローブ/ピークの第1サブキャリアの開始位置を判断してもよい。
【0064】
ある例示的実施形態では、ステートマシーン700は、サブキャリア0・・N−1上で順次実行され、図7に示す規則を使用して出力を決定する。ここで、"A/B"という表記は、入力条件A/結果アクションBを示し、"="は"等しい場合"を意味し、":="は、"設定された変数/出力"を意味する。
【0065】
例えば、図7に示すように、ステートマシーン700は、順次、サブキャリア上で実行されてもよい。k番目のサブキャリアのローブ値がゼロに等しい場合には、ステートマシーン700は、k番目のサブキャリアに対応するチャネル係数を、チャネル係数Hの対応するチャネル係数に設定する。例えば、値g=1を検出するといったように、ローブの開始を検出すると、ステートマシーン700は、例えば、ローブ値がg=1である限りl値をインクリメントして、続くサブキャリア上で順次実行してもよい。そして、ステートマシーン700は、検出されたローブに属するサブキャリアに対応するチャネル係数を、例えば、lが幅閾値wminよりも大きい場合、チャネル係数Hのセットの対応するチャネル係数に設定し、例えば、lが幅閾値wmin以下である場合には、チャネル係数Hのセットの対応するチャネル係数に設定してもよい。
【0066】
図8には、ある例示的実施形態に係る3つの受信機スキームにそれぞれ対応する受信機性能曲線802、804及び806がグラフで概略的に示されている。
【0067】
受信機性能曲線802、804及び806は、例えば、好適なDTV試験プロトコルによって規定されるように、連続するパス間に1μsの遅延を有する3つの等しい強度のパスを有するBrazil Eチャネルに対して求められていてもよい。性能曲線802、804及び806は、例えば、リードソロモン(Reed-Solomon)複号を行った後のビット誤り率(BER)の値と、信号対雑音比(SNR)とをプロットしたものである。曲線802は、LMS等化方式のみを実装した受信機に対応している。曲線804は、1回のイタレーションで、例えば、ターボ等化スキーム130であるターボ等化方式を実装した受信機に対応している。曲線806は、2回のイタレーションで、例えば、ターボ等化スキーム130であるターボ等化方式を実装した受信機に対応している。
【0068】
図9には、ある例示的実施形態に係る、受信された無線通信信号を等化する方法が概略的に示されている。ある例示的実施形態では、図9の方法の1以上の動作が、例えば、信号101(図1)である受信された無線通信信号を等化及び/又はデコードする、例えば受信機112(図1)である受信機によって実行されてもよい。
【0069】
ブロック902に示すように、方法は、ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を無線通信信号に適用することにより、複数のフィルタ重み付けを決定する段階を含んでもよい。例えば、プリデコーディング等化器140(図1)は、上記説明したように重み付け(weight)146を決定してもよい。
【0070】
ブロック904に示すように、複数のフィルタ重み付けを決定する段階は、ブラインド等化に従って複数の初期重み付けを決定する段階を含んでもよい。例えば、ブラインド等化器144(図1)は、例えば、上記したように重み付け146(図1)の初期値を決定してもよい。
【0071】
ブロック906に示すように、複数のフィルタ重み付けを決定する段階は、LMS等化に従って初期重み付けを調整することを含んでもよい。例えば、LMS等化器148(図1)は、例えば、上記したように重み付け146(図1)の初期値を調整してもよい。
【0072】
ブロック907に示すように、方法は、無線通信信号に基づいて、無線通信チャネルのチャネル周波数応答を推定する段階を含んでもよい。例えば、方法は、フィルタリング重み付けに基づいて、チャネル周波数応答を推定する段階を含んでもよい。
【0073】
ブロック908に示すように、チャネル周波数応答を推定する段階は、複数のサブキャリア各々に対応する複数のチャネル係数を決定することを含んでもよい。例えば、チャネル推定器142(図1)は、例えば、上記したようにN個のサブキャリアに対応するチャネル係数Hの候補を決定してもよい。
【0074】
ブロック910に示すように、チャネル周波数応答を推定する段階は、ピーク閾値及び幅閾値に関する基準を満足しない1以上のチャネル係数を検出することを含んでもよい。例えば、チャネル推定器142(図1)は、例えば上記したように、基準を満たさない1以上のローブを生成するチャネル係数Hを検出してもよい。
【0075】
ブロック912に示すように、チャネル周波数応答を推定する段階は、1以上の検出されたチャネル係数を基準を満たすように調整及び/又は再計算することを含んでもよい。例えば、チャネル推定器142(図1)は、例えば、上記のようにローブに含まれる1以上のサブキャリアのチャネル係数Hを使用して、検出されたローブに対応するチャネル係数を調整してもよい。
【0076】
ブロック914に示すように、方法は、推定されたチャネル周波数応答を使用して、ターボ等化方式に従って、無線通信信号を反復してデコード及び等化する段階を含んでもよい。例えば、等化スキーム130(図1)は、例えば、上記したようなチャネル応答133(図1)に基づいて、反復して無線通信信号101をデコード及び等化してもよい。
【0077】
幾つかの実施形態は、データを格納可能なコンピュータ可読記憶媒体の1以上の種類を含む物品を使用して実装されてもよく、そのような媒体として、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、取り外し可能/取り外し不可能メモリ、消去可能/消去不可能メモリ、書き込み/再書き込み可能メモリ等が含まれる。例えば、機械可読記憶媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDR‐DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD‐ROM)、記録可能コンパクトディスク(CD‐R)、再書き込み可能コンパクトディスク(CD‐RW)、フラッシュメモリ(例えば、NOR又はNANDフラッシュメモリ)、コンテント・アドレッサブル・メモリ(CAM)、高分子メモリ、相変化メモリ、強誘電メモリ、シリコン‐酸化膜‐窒化膜‐酸化膜‐シリコン(SONOS)メモリ、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、光ディスク、磁気ディスク、カード、磁気カード、光学カード、テープ、カセット等が含まれてもよいコンピュータ可読記憶媒体としては、リモートコンピュータから要求コンピュータへと、例えば、モデム、無線接続又はネットワーク接続のような通信リンクを介して、搬送波又はその他の伝播媒体で実体化されるデータ信号によって搬送されるコンピュータプログラムをダウンロード又は転送することに関係するあらゆる好適な媒体が含まれる。
【0078】
ある実施形態では、物品としては、機械によって実効されると、機械に、上記の方法、プロセス及び/又は動作を実行させる命令、データ、及び/又は、コードの形式のロジックが含まれてもよい。機械としては、例えば、あらゆる好適なプロセッシングプラットフォーム、コンピュータプラットフォーム、コンピュータデバイス、プロセッシングデバイス、コンピュータシステム、プロセッシングシステム、コンピュータ等が含まれ、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等のあらゆる好適な組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0079】
ある実施形態では、ロジックは、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラム、サブルーチン、命令、命令セット、コンピュータコード、ワード、値、シンボル等として実装されてもよく、また、これらを含んでもよい。命令は、あらゆる好適な種類のコードを含んでもよく、例えば、ソースコード、コンパイル済みコード、変換済みコード、実行可能コード、静的コード、動的コード等が含まれる。命令は、特定の機能をプロセッサが実行するように命令するための、所定のコンピュータ言語、態様又はシンタックスに従って実装されてもよい。命令は、あらゆる好適な、高級プログラム言語、低級プログラム言語、オブジェクト指向プログラム言語、ビジュアルプログラム言語、コンパイル済み及び/又は解釈済みプログラム言語を使用して実装されてもよく、C、C++、Java(登録商標)、BASIC、Matlab、Pascal、Visual BASIC、アセンブリ言語、機械語等を使用して実装されてもよい。
【0080】
1以上の実施形態を参照して上記で説明された機能、動作、構成要素及び/又は特徴は、1以上のその他の実施形態を参照して説明された1以上のその他の機能、動作、構成要素及び/又は特徴と組み合わせられてもよく、組み合わせて使用されてもよい。
【0081】
本発明の特定の特徴が例示及び説明されたが、数多くの変形、代替、変更及び均等物が当業者にとって明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲は、このような変形及び変更についても全て本発明の範囲内に含まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信チャネル上で受信された無線通信信号に、ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を適用することにより、複数のフィルタ重み付けを決定するプリデコーディング等化器と、
前記フィルタ重み付けに基づいて、前記チャネルのチャネル周波数応答を推定するチャネル推定器と、
前記無線通信信号をデコードするデコーダと、推定された前記チャネル周波数応答を使用してデコードされた前記無線通信信号を等化するターボ等化器とを有するターボ等化スキームとを備える無線通信装置。
【請求項2】
前記プリデコーディング等化器は、
前記受信された無線通信信号に前記ブラインド等化を適用することにより、複数の初期重み付けを決定するブラインド等化器、及び、
前記LMS等化に従って前記初期重み付けを調整することにより、前記複数のフィルタ重み付けを決定するLMS等化器を有する請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記チャネル推定器は、複数のチャネルサブキャリアにそれぞれ対応する複数のチャネル係数を含む前記チャネル周波数応答を決定し、
前記チャネル推定器は、ピーク閾値及び幅閾値に関する基準を満足する前記複数のチャネル係数を決定する請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記チャネル周波数応答が、前記ピーク閾値よりも大きい1以上のチャネル係数のシーケンスを含む場合に、前記基準は、前記チャネル係数のシーケンスにそれぞれ対応する1以上のサブキャリアのシーケンスの幅が、前記幅閾値よりも大きいことを要求する請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記チャネルの実際のチャネル周波数応答が1以上のヌル(null)を含む場合には、前記チャネル推定器は、前記基準を満たす前記チャネル周波数応答を決定する請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記チャネル推定器は、第1方程式に従って前記複数のチャネル係数を決定し、前記基準を満たさない前記複数のチャネル係数の1以上のエラーチャネル係数を検出し、第2方程式に従って前記1以上のエラーチャネル係数を再計算する請求項3から5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記第1方程式と前記第2方程式とは、1つの符号が異なっている請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記プリデコーディング等化器は、前記チャネル上で受信されたパイロット信号とは関係なく、前記複数のフィルタ重み付けを決定する請求項1から7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記チャネル上で受信される2つの連続したパイロット信号の間の反復期間は、前記パイロット信号の継続時間より少なくとも100倍長い請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記無線通信信号は、無線デジタルテレビ(DTV)信号を含む請求項1から9のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項11】
先進型テレビジョン方式委員会(Advanced Television Systems Committee:ATSC)受信機を備える請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
チャネル上で受信された無線通信信号に基づいて、無線通信チャネルのチャネル周波数応答を推定する段階と、
推定された前記チャネル周波数応答を使用したターボ等化スキームに従って、前記無線通信信号を反復してデコード及び等化する段階とを備え、
前記推定する段階は、
複数のサブキャリアにそれぞれ対応する複数のチャネル係数を決定する段階と、
ピーク閾値及び幅閾値に関する基準を満たさない1以上のチャネル係数を検出する段階と、
前記基準を満たすように、検出された前記1以上のチャネル係数を再計算する段階とを含む無線通信方法。
【請求項13】
ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を、前記無線通信信号に適用することにより、複数のフィルタ重み付けを決定する段階と、
前記フィルタ重み付けに基づいて、前記チャネル周波数応答を推定する段階とを備える請求項12に記載の無線通信方法。
【請求項14】
前記複数のフィルタ重み付けを決定する段階は、前記チャネル上で受信されたパイロット信号とは関係なく、前記複数のフィルタ重み付けを決定することを含む請求項13に記載の無線通信方法。
【請求項15】
前記チャネル周波数応答が、前記ピーク閾値よりも大きい1以上のチャネル係数のシーケンスを含む場合に、前記基準は、前記チャネル係数のシーケンスにそれぞれ対応する1以上のサブキャリアのシーケンスの幅が、前記幅閾値よりも大きいことを要求する請求項12から14のいずれか1項に記載の無線通信方法。
【請求項16】
前記チャネルの実際のチャネル周波数応答が1以上のヌル(null)を含む場合には、
前記基準を満たす前記チャネル周波数応答を推定する段階を備える請求項15に記載の無線通信方法。
【請求項17】
前記複数のチャネル係数を決定する段階は、
第1方程式に従って前記複数のチャネル係数を決定することを含み、
前記検出された1以上のチャネル係数を再計算する段階は、前記第1方程式とは異なる第2方程式に従って、前記検出された1以上のチャネル係数を再計算することを含む請求項12から16のいずれか1項に記載の無線通信方法。
【請求項18】
装置を備える無線通信システムであって、
前記装置は、
複数のサブキャリアを含む無線通信チャネル上で、無線通信信号を受信する1以上のアンテナと、
前記複数のサブキャリアに対応する複数のチャネル係数を含むチャネル周波数応答を決定し、ピーク閾値及び幅閾値に関する基準を満たさない1以上のチャネル係数を検出し、前記基準を満たすべく検出された前記1以上のチャネル係数を再計算し、推定された前記チャネル周波数応答を使用したターボ等化スキームに従って、前記無線通信信号を反復してデコード及び等化する受信機とを有する無線通信システム。
【請求項19】
前記受信機は、ブラインド等化及び最小二乗平均(LMS)等化の両方を、前記無線通信信号に適用することにより、複数のフィルタ重み付けを決定し、前記フィルタ重み付けに基づいて、前記チャネル周波数応答を推定する請求項18に記載の無線通信システム。
【請求項20】
前記チャネル周波数応答が、前記ピーク閾値よりも大きい1以上のチャネル係数のシーケンスを含む場合に、前記基準は、前記チャネル係数のシーケンスにそれぞれ対応する1以上のサブキャリアのシーケンスの幅が、前記幅閾値よりも大きいことを要求する請求項18又は請求項19に記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−213135(P2012−213135A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−10985(P2012−10985)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.Visual BASIC
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】