説明

受信機

【課題】記憶容量が不足している状態においても、放送スケジュールに基づきユーザが録画を希望するコンテンツの録画を可能にする受信機を得る。
【解決手段】録画部12は、データ蓄積部18に蓄積されたコンテンツを記憶する蓄積コンテンツ記憶部16と、新規コンテンツの録画予約を受け付けると共に、蓄積コンテンツ記憶部16の記憶残容量を確認する予約制御部13と、予約制御部13において、記憶残容量が不足していると判定された場合に、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶されているコンテンツの中から所定条件に合致した削除可能コンテンツを削除し、予約制御部13が録画予約を受け付けた新規コンテンツを録画すると共に、録画した新規コンテンツを一定時間後に削除する録画スケジュールを作成する録画スケジュール作成部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送を受信して音声や映像などを録画および再生する受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体の記録容量が向上し、音声や映像などの情報を記録し再生する受信機が普及している。その一方で、放送方式として、地上デジタル放送、衛星デジタル放送、あるいはIPネットワーク経由による放送、VOD(Video On Demand)サービス、ダウンロードサービスなど種々のコンテンツ提供方式が実現化されている。これらの放送方式により提供されたコンテンツを受信する受信機として記録機能を備えたものが多々存在する。その中で、大容量の記録媒体の能力を活用して電子番組表(Electronic Program Guide:EPG)からユーザの所望のコンテンツを自動的に検索し、録画する機能が用いられている。
【0003】
しかし、大容量の記録媒体であっても、既に録画された番組によって記録可能容量が不足すれば予約されたコンテンツを録画することができず、このような場合には新規に番組を録画するために蓄積されているコンテンツを消去して容量を確保する必要がある。この対策として、特許文献1には蓄積されたコンテンツに対してユーザがあらかじめ保存優先順位を定めておき、その保存優先順位に従って蓄積されたコンテンツの消去作業を自動的に行う方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−323896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された受信機は、ユーザが設定した保存優先順位に従って消去作業を行うため、保存優先順位が低位のものであっても、ユーザが本来ならば保存を希望するコンテンツを削除してしまうという課題があった。さらに、録画予約をしているコンテンツよりも、自動削除の対象になっているコンテンツの保存優先順位が高いことにユーザが気づかずに録画予約を完了させてしまう場合にも誤ったコンテンツを削除してしまうという課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、記憶容量が不足している状態においてさらに録画を希望するコンテンツが存在する場合に、放送スケジュールに基づき視聴機会を失わないように効率的なコンテンツの録画を可能とする受信機を得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る受信機は、配信されたデジタル放送を受信してコンテンツを蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記コンテンツを記憶すると共に、新規コンテンツの録画予約を行う録画部と、前記録画部において記憶された前記コンテンツを再生するコンテンツ再生部とを備え、前記録画部は、前記蓄積部に蓄積された前記コンテンツを記憶する蓄積コンテンツ記憶部と、前記新規コンテンツの録画予約を受け付けると共に、前記蓄積コンテンツ記憶部の記憶残容量を確認する予約制御部と、前記予約制御部において、前記記憶残容量が不足していると判定された場合に、前記蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から所定条件に合致した削除可能コンテンツを削除し、前記予約制御部が録画予約を受け付けた前記新規コンテンツを録画すると共に、前記録画した新規コンテンツを一定時間後に削除する録画スケジュールを作成する録画スケジュール作成部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、蓄積部に蓄積されたコンテンツを記憶する蓄積コンテンツ記憶部と、新規コンテンツの録画予約を受け付けると共に、蓄積コンテンツ記憶部の記憶残容量を確認する予約制御部と、予約制御部において、記憶残容量が不足していると判定された場合に、蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から所定条件に合致した削除可能コンテンツを削除し、予約制御部が録画予約を受け付けた新規コンテンツを録画すると共に、録画した新規コンテンツを一定時間後に削除する録画スケジュールを作成する録画スケジュール作成部とを有する録画部を備えるように構成したので、蓄積コンテンツ記憶部の記憶残容量が不足している状態であってもユーザが録画を希望するコンテンツの録画を実行することができ、効率的なコンテンツ録画が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る受信機の構成を示すブロック図である。図2は、この発明の実施の形態1に係る受信機のコンテンツ再生部の構成を示すブロック図である。
この実施の形態1に係る受信機1は、デジタル放送波を受信するアンテナ2、選択されているチャンネルのデジタル放送波を出力するチューナ部3、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部4、デジタル信号を復調する復調部5、誤り訂正と誤り検出を行う誤り訂正処理部6、TSデータを暗号化および復号化する暗号復号部7、TSデータを映像、音声およびSI(Specific Information:番組情報)に分離するメディア分離部8、映像および音声データを復号および再生するコンテンツ再生部9、番組情報が入力される番組情報取得部10、番組情報を記録する番組情報データ記憶部11、番組の録画予約および録画を実行する録画部12、データを蓄積するデータ蓄積部(蓄積部)18、データを読み込むデータ読込部19で構成されている。
【0010】
コンテンツ再生部9は、音声データを復号する音声復号化部91、復号された音声データを再生する音声出力部92、映像データを復号する映像復号化部93、復号された映像データを再生する映像表示部94で構成されている。また、録画部12は、録画予約動作を制御する予約制御部13、予約一覧画面を作成する予約GUI14、録画予約情報を記憶する録画予約情報記憶部15、蓄積コンテンツとその属性情報を記録する蓄積コンテンツ記憶部16、録画スケジュールを生成する録画スケジュール生成部17で構成されている。なお、蓄積コンテンツは、例えばMPEG−2TS形式で保存されるものとし、必要に応じて受信機1内で暗号化して録画するように構成してもよい。
【0011】
次に、受信機1の受信動作について説明する。アンテナ2で受信された放送波はチューナ部3に入力され、チューナ部3は選択されているチャンネルの放送波をAD変換部4に出力する。AD変換部4は、入力されたデジタル放送波のアナログ信号をデジタル信号に変換して復調部5に出力する。復調部5は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4相位相変調方式)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMの復調または復号、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号の復号、デインタリーブ処理を行いTSストリームに変換して誤り訂正処理部6に出力する。
【0012】
誤り訂正処理部6は、入力されたTSストリームにリードソロモン復号を行うと共に、誤り訂正および誤り検出を行い、暗号復号部7に出力する。暗号復号部7は、TSストリームの暗号部分を復号化し、メディア分離部8に出力する。メディア分離部8は、TSストリームから音声データ、映像データ、セクション中のSIを分離し、分離した音声データおよび映像データをコンテンツ再生部9に出力し、SIを番組情報取得部10に出力する。
【0013】
コンテンツ再生部9に入力された音声データは音声復号化部91において復号され、さらに音声出力部92において再生されて外部装置であるスピーカ100から音声として出力される。また、コンテンツ再生部9に入力された映像データは、映像復号化部93において復号され、さらに映像表示部94において再生されて外部装置であるモニタ101に映像として表示される。一方、番組情報取得部10に入力されたSIは、番組情報データ記憶部11に記憶される。
【0014】
次に、この発明の実施の形態1に係る受信機の録画処理動作について説明し、以下では、録画予約動作と録画動作に分けて説明する。
まず、録画予約動作について説明する。録画予約時に用いられる情報について図3から図6を参照して説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る受信機の予約GUI14が生成する予約一覧表の一例を示す図である。
予約一覧表は、予約番号201、チャンネル202、録画コンテンツ名203、予約コンテンツの録画が実行される日付204、録画の開始時刻205、録画の終了時刻206、自動削除207、再録画を表示する再録画208を示す各欄で構成される。このうち自動削除207には、あるコンテンツを録画する前に蓄積済みのコンテンツの中から自動削除されるコンテンツ名が表示される。再録画208には、自動削除の対象となったコンテンツの再放送であることを示すマークが表示される。
【0015】
図4は、この発明の実施の形態1に係る受信機の蓄積コンテンツ記憶部に記憶される属性情報の一例を示す図である。この属性情報は、蓄積コンテンツのファイルを識別する識別子である蓄積ID301、番組名302、ジャンル303、データ容量304を示す各欄で構成される。
【0016】
図5は、この発明の実施の形態1に係る受信機の番組情報データ記憶部に記憶される番組情報の一例を示す図である。この番組情報は、放送ID401、チャンネル402、番組名403、ジャンル404、番組記述405、日付406、放送の開始時刻407、再生時間408、ビットレート409、映像コンポーネント410、音声コンポーネント411を示す各欄で構成される。
【0017】
図6は、この発明の実施の形態1に係る受信機の録画予約情報記憶部に記憶される録画予約情報の一例を示す図である。録画予約情報は、予約番号501、チャンネル502、録画コンテンツ名503、日付504、録画の開始時刻505、録画の終了時刻506、容量507、蓄積ID508、再録画509を示す各欄で構成される。このうち容量507に示される録画コンテンツの容量は、番組情報の再生時間408とビットレート409から算出される。また、蓄積ID508は、コンテンツの自動削除を行う際に削除対象となる蓄積コンテンツを検出するために使用される。さらに、再録画509は新規に録画する場合は「0」、自動削除した蓄積コンテンツの再放送を録画する場合は「1」を表示するように管理する。この再録画509で「1」と表示されるコンテンツについては、予約GUI14が作成する予約一覧表(図3参照)の再録画208に所定のマークが表示される。
【0018】
ユーザがリモコン(図示せず)などを用いて予約用モードに切り替える指示を入力すると、この指示を予約制御部13が受信し、予約GUI14に対して番組情報データ記憶部11に記憶された番組情報(図5参照)をモニタ101に出力するように指示する。ユーザがモニタ101に出力された番組情報から録画を希望する番組を指定すると、その指定情報を予約GUI14が受信し、予約GUI14は録画予約情報(図6参照)を出力する。出力された録画予約情報は、予約制御部13を経由して録画予約情報記憶部15に保存される。次に、予約制御部13は、録画予約情報記憶部15に保存されている録画予約情報の新規録画予約分の容量と蓄積コンテンツ記憶部16の残容量を照合し、新規録画予約された番組を保存するのに十分な容量があるか否か確認する。
【0019】
図3に示した予約一覧表の例では、予約番号1の「ドキュメンタリ1」と予約番号2の「バラエティ1」の録画予約が行われ、この録画予約の時点では予約番号201、チャンネル202、録画コンテンツ名203、日付204、開始時刻205、終了時刻206の欄が埋まっている。予約制御部13は、予約番号1の「ドキュメンタリ1」と予約番号2の「バラエティ1」を録画するのに十分な容量が蓄積コンテンツ記憶部16に残されているか否か確認する。
【0020】
蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分ある場合には、予約が完了する。一方、蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分でなかった場合には、予約制御部13は、録画スケジュール生成部17に蓄積コンテンツに対応する再放送の有無を検索し、自動削除を含めた録画スケジュールを生成するように指示する。図3に示した予約一覧表の例において、予約番号1の「ドキュメンタリ1」を録画する容量は存在したが、予約番号2の「バラエティ1」を録画する容量が足りなかったものとする。
【0021】
録画スケジュール生成部17は、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶されている蓄積コンテンツの属性情報と番組情報データ記憶部11に記憶されている番組情報との、番組名(302と403)およびジャンル(303と404)を比較し、一致するものが存在するか否かを検索する。なお、検索する場合の属性情報と番組情報の番組名の比較には、文字数が一定の割合以上一致した場合、あるいは、再放送時に番組タイトルに追加される可能性のある文字(例えば、「(再)」等)を除外したものが一致した場合などを有効な扱いとする。また、同一コンテンツであるか否かの判定方法は上記方法に限定されるものではなく、コンテンツが同一であると判断できれば他の方法でもよい。なお、ジャンル情報とは、コンテンツが属しているカテゴリを示すものであり、例としてはスポーツ、ニュース、ドラマ等があり、スポーツはさらに野球、陸上等に分類される。これはARIB TR−B15で規定されている。
【0022】
番組名とジャンルが一致した場合、その番組のコンテンツ内容を示す番組記述405をユーザに提示し、蓄積コンテンツと同一内容の番組が存在するか入力を求める。同一内容の番組が存在する場合、蓄積コンテンツの再放送であると判断し、蓄積コンテンツを自動削除して再放送時に再度録画する録画スケジュールを作成する。この処理を全ての蓄積コンテンツに対して実行する。録画スケジュール生成部17により作成された全ての録画スケジュールを、予約制御部13および予約GUI14を経由してモニタ101に出力する。ユーザは、モニタ101に表示された録画スケジュールの中から適切な録画スケジュールを選択し、録画予約を完成させる。このユーザが選択した録画予約情報は、予約GUI14および予約制御部13を経由して録画予約情報記憶部15に記憶される。
【0023】
図3に示した予約一覧表の例では、蓄積コンテンツ16に既に録画されている「ドラマ1」の再放送が「バラエティ1」の放送後であり、さらに「ドラマ1」の容量が「バラエティ1」の容量よりも大きいものとし、この場合には「ドラマ1」が自動削除の対象となる。これらに基づき録画スケジュール作成部17がコンテンツ削除および録画のスケジュールを作成し、図3に示す予約一覧表が予約GUI14により表示される。
【0024】
次に、上述した録画予約動作において、自動削除対象となるコンテンツの抽出処理を中心に図7のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した録画予約処理内容と同一の処理については説明を省略または簡略化する。
受信機1がユーザから新たな番組予約を受け付けると(ステップST1)、予約制御部13は録画予約情報の新規録画予約分の容量と蓄積コンテンツ記憶部16の残容量を照合し、新規に予約する番組を保存するための十分な容量があるか否か判定する(ステップST2)。ステップST2において、新規に予約する番組を保存するための十分な容量があると判定された場合には、ステップST11に進み予約を完了する。
【0025】
一方、ステップST2において、十分な容量がないと判定された場合には、録画スケジュール作成部17が近日中に蓄積コンテンツ記憶部16に既に記憶された蓄積コンテンツの再放送があるか否か判定する(ステップST3)。ここで、現在の日付から何日先までを判定対象とするかは、受信機1固有の値、放送局が提供する期日の最大上限、ユーザ設定など任意のものとする。ステップST3において、再放送がないと判定された場合にはステップST5の処理に進む。一方、ステップST3において、再放送があると判定された場合には、その再放送がある蓄積コンテンツを全て自動削除候補として列挙する(ステップST4)。再放送の有無の検索を全ての蓄積コンテンツについて行う(ステップST5)。
【0026】
録画スケジュール生成部17は、自動削除候補に挙げられた蓄積コンテンツの中から、新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成し、これに基づき自動削除を含めた録画予約のスケジューリングを実行し(ステップST6)、スケジューリング可能か否か判定する(ステップST7)。ステップST7において、スケジューリング可能であると判定された場合には、その録画スケジューリング候補をモニタ101に出力する(ステップST8)。さらに、録画スケジューリング候補が複数存在するか否か判定し(ステップST9)、録画スケジューリング候補が複数存在した場合にはモニタ101に出力された内容に対してユーザが確定動作を行うことにより録画予約が確定し(ステップST10)、録画予約が完了する(ステップST11)。また、録画スケジューリング候補が複数存在しない場合には、ユーザが確定動作を行うことなく録画予約が完了する(ステップST11)。
【0027】
上述のステップST10において、一つの蓄積コンテンツに対する再放送が複数あった場合、コンテンツ属性の違いを提示してユーザに選択を求めるように構成し、よりユーザが望むコンテンツの蓄積を行うことも可能である。ここで、コンテンツ属性とは、放送日、解像度、あるいはオーディオ種別等を言い、放送時刻、映像コンポーネント、あるいは音声コンポーネントとして提供される。ここで映像コンポーネントには、解像度、アスペクト比等の情報が含まれており、音声コンポーネントにはステレオ、モノラル、サラウンド、モード等の情報が含まれている。これらは、ARIB STD−B10で規定されている。
【0028】
一方、ステップST7において、スケジューリングか可能でないと判定された場合、例えば自動削除候補に挙げられた蓄積コンテンツから新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成することができなかった場合や、全ての蓄積コンテンツについて再放送がなかった場合には、スケジューリングは行わずにステップST11の処理に進み録画予約のみを行う。この場合には録画予約時にメッセージ、例えば「HDDの残容量が足りません。また、HDD内に再放送予定のあるコンテンツはありません。録画実施時刻までに容量を確保して下さい。」などをモニタ101に出力し、容量を確保するようにユーザに促す。
【0029】
次に、この発明の実施の形態1に係る受信機の録画動作について説明する。
予約制御部13は、録画予約情報記憶部15に記憶されている録画予約情報の中から現在時刻に最も近い録画予約情報を取り出す。例えば受信機1の電源がオフの場合でも、一部の機能、少なくとも予約制御部13は稼動しているものとする。録画予約情報に基づき指定された予約時間の開始時刻の数秒前に達したときに予約制御部13が受信機1の電源をオンにし、チューナ部3に対して録画チャンネルに切り替える指示を出力し、録画開始コマンドをデータ蓄積部18に出力する。
【0030】
データ蓄積部18は予約制御部13から入力される指示に基づき、暗号復号部7を経由して入力される放送局から受信したデータを蓄積コンテンツ記憶部16に記憶させる。指定された予約時間の終了時刻に達したときには、予約制御部13が録画予約情報に基づき録画終了コマンドをデータ蓄積部18に出力し、データ蓄積部18は録画を終了する。
【0031】
現在時刻に最も近い録画予約情報に、録画容量の確保のために蓄積コンテンツの削除を行うようスケジュールされている場合は、予約制御部13が録画開始コマンドをデータ蓄積部18に出力する前に、蓄積コンテンツの削除コマンドを蓄積コンテンツ記憶部16に出力する。図3に示した予約一覧表の例では、予約制御部13が予約番号2の「バラエティ1」の録画開始前に「ドラマ1」の削除を行うよう蓄積コンテンツ記憶部16に指示を出力する。
【0032】
上述のように録画開始前に蓄積コンテンツの自動削除を行った場合には、録画が終了した際に、予約制御部13は予約GUI14を介して、自動削除の対象となったコンテンツの再放送が行われる日程、およびその日程までに新規録画コンテンツを視聴するように促すメッセージをモニタ101に出力する。図8は、そのメッセージの一例を示している。メッセージには、新規録画コンテンツ(例えば、図3における予約番号2)の録画を行った日付601、録画した新規コンテンツの番組名602、およびその削除日603が表示される。
【0033】
一方、自動削除されたコンテンツの再放送日時に到達した場合、上述した新規録画コンテンツを削除し、再放送されるコンテンツの録画を行う。図3に示した予約一覧表の例では、予約番号3の再録画208に自動削除されたコンテンツの再放送であることを意味するマークが表示されており、予約番号2の録画の際に削除されたコンテンツの再放送が予約番号3において再度録画される。なお、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶された蓄積コンテンツは、データ読込部19が蓄積コンテンツ記憶部16からデータを読み込み、メディア分離部8を介してコンテンツ再生部9に出力されることにより再生される。
【0034】
なお、新規に予約した番組の再放送が複数ある場合、各放送番組の番組情報(図5参照)に基づき放送の開始時刻407、映像コンポーネント410および音声コンポーネント411をユーザに提示して選択を求めるように構成し、よりユーザが望む条件に合致したコンテンツの蓄積を行うようにしてもよい。
【0035】
以上のように、この実施の形態1では、蓄積コンテンツの蓄積情報と番組情報データ記憶部11に記憶されている番組情報を比較して再放送予定のあるコンテンツを検索する録画スケジュール生成部17を設けるように構成したので、新規に録画を希望する番組の放送前に蓄積コンテンツを自動削除し、再放送日に自動削除した蓄積コンテンツを再度録画するスケジュールを生成することができ、記憶部の記憶残容量が十分でない場合にもユーザの希望するコンテンツの録画を行うことが可能となる。
【0036】
また、この実施の形態1では、自動削除対象の蓄積コンテンツに対応する再放送が複数ある場合、または新規に予約する番組の再放送が複数ある場合に、コンテンツの属性または番組情報をユーザに提示して選択を求めるように構成したので、ユーザの希望条件に沿った録画予約を実行することができる。
【0037】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2に係る受信機の構成を示すブロック図である。この受信機1は、図1に示した受信機1にダウンロードコンテンツ取得部20を追加して構成している。以下では、実施の形態1に係る受信機1の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0038】
受信機1は、IPネットワーク102を経由してコンテンツをダウンロードするダウンロードコンテンツ取得部(ダウンロード部)20を備える。ダウンロードコンテンツ取得部20は、ダウンロード制御部(以下、DL制御部と称する)21、ダウンロード情報記憶部(以下、DL情報記憶部と称する)22、ダウンロード用GUI(以下、DL用GUIと称する)23およびコンテンツ受信部24で構成されている。なお、ダウンロードコンテンツ取得部20はIPネットワーク102からダウンロード情報とコンテンツを受信するが、ダウンロード情報とはダウンロード配信予定などの情報であり、コンテンツはダウンロードして得たコンテンツそのものである。コンテンツは、MPEG−2TS形式のファイルで取得するものとする。
【0039】
DL制御部21は、IPネットワーク102を経由して定期的にサーバ(図示せず)にダウンロード情報を要求し、この要求に基づきIPネットワーク102を介して送信されたダウンロード情報をDL情報記憶部22に出力する。また、DL制御部21は、DL用GUI23から入力されるコンテンツURLをコンテンツ受信部24に出力する。DL情報記憶部22は、DL制御部21から出力されたダウンロード情報を記憶し、DL用GUI23に出力する。
【0040】
DL用GUI23は、DL情報記憶部22からダウンロード情報を取得してモニタ101に出力する。また、ユーザから入力されるコンテンツダウンロード指示を受信し、該当するコンテンツをダウンロードするためのコンテンツURLをダウンロード制御部21に出力する。コンテンツ受信部24は、DL制御部21から入力されるコンテンツURLに基づき、IPネットワーク102を経由してサーバから該当するコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを蓄積コンテンツ記憶部16に記憶させる。
【0041】
コンテンツのダウンロード処理は、まずDL用GUI23がDL情報記憶部22に記憶されたダウンロード情報をモニタ101に出力する。モニタ101を参照したユーザからのコンテンツダウンロード指示をDL用GUI23が受信する。DL用GUI23は、ダウンロードするコンテンツのコンテンツURLをダウンロード制御部21に送信する。ダウンロード制御部21を介してコンテンツURLを受信したコンテンツ受信部24は、IPネットワーク102を経由してサーバから該当するコンテンツをダウンロードし、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶させる。
【0042】
次に、この発明の実施の形態2に係る受信機の録画処理動作について説明し、以下では、録画予約動作と録画動作に分けて説明する。
まず、録画予約動作について説明する。録画予約時に用いられ各情報について図10から図12を参照して説明する。図10は、この発明の実施の形態2に係る受信機の予約GUI14が生成する予約一覧表の一例を示す図である。
予約一覧表は、予約番号201、チャンネル/URL209、録画/DLコンテンツ名210、予約コンテンツの録画が実行される日付204、録画/ダウンロードの開始時刻205、録画/ダウンロードの終了時刻206、自動削除207、再蓄積211を表示する各欄で構成される。このうち自動削除207には、あるコンテンツを録画する前に蓄積されたコンテンツから自動削除されるコンテンツ名が表示される。再蓄積211には、自動削除の対象となったコンテンツの再蓄積であることを示すマークが表示される。また、録画/ダウンロードの終了時刻206のうちの、ダウンロード終了時刻は、平均ダウンロード速度から計算した値を用いて計算されたダウンロード完了時刻をもとに得る。
【0043】
図11は、この発明の実施の形態2に係る受信機のDL制御部21が取得するダウンロード情報の一例を示す図である。
ダウンロード情報は、ダウンロードコンテンツのファイルを識別する識別子であるDLID701、番組名702、ジャンル703、URL704、番組記述705、ダウンロード開始日時706、ダウンロード終了日時707、ファイル容量708を示す各欄で構成される。ダウンロードサービスの期間はダウンロード開始日時706からダウンロード終了日時707までである。なお、蓄積コンテンツの属性情報は、実施の形態1の図4と同様であるものとする。
【0044】
図12は、この発明の実施の形態2に係る受信機の録画予約情報記憶部15に記憶される録画予約情報の一例を示す図である。
録画予約情報は、予約番号501、種別510、チャンネル/URL511、録画およびダウンロードコンテンツ名512、日付504、録画およびダウンロードの開始時刻505、録画およびダウンロードの終了時刻506、容量507、蓄積ID508、再蓄積513を示す各欄で構成される。このうち種別510には、コンテンツが録画予約されたものか、ダウンロード予約されたものかを識別する識別子が表示される。チャンネル/URL511には、録画予約の場合にはチャンネル、ダウンロード予約の場合にはURLが表示される。
【0045】
また、容量507には、地上デジタル放送の場合には番組情報データの再生時間とビットレートから算出された値が表示され、ダウンロードコンテンツの場合にはダウンロード情報のファイル容量が表示される。さらに、再蓄積513には、新規に録画する場合は「0」、自動削除した蓄積コンテンツの再放送を録画する場合は「1」、自動削除した蓄積コンテンツをダウンロードする場合は「2」を表示するように管理される。この再蓄積513に「1」と表示されるコンテンツについては予約GUI14が作成する予約一覧表(図10参照)の再蓄積211に再録画のマークが、「2」の場合にはDLマークが表示される。
【0046】
実施の形態1と同様にユーザから録画予約が入力されると、予約制御部13が予約された番組を保存するのに十分な容量が蓄積コンテンツ記憶部16に存在するか否か確認する。蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分にある場合には、予約が完了する。一方、蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分でなかった場合には、予約制御部13は、録画スケジュール生成部17に蓄積コンテンツに対応する再放送の有無を検索すると共に、ダウンロードサービスの有無を検索し、自動削除を含めた録画スケジュールを生成するように指示する。
【0047】
図10に示した予約一覧表の例では、予約番号1の「ドキュメンタリ1」、予約番号2の「バラエティ1」の録画予約が行われ、その結果、予約番号1の「ドキュメンタリ1」を録画する容量は存在したが、予約番号2の「バラエティ1」を録画する容量が足りなかったものとする。蓄積コンテンツに対応する再放送があった場合の動作は実施の形態1において説明済みであるため、ここでは蓄積コンテンツに対応するダウンロードサービスがあった場合について説明する。
【0048】
録画スケジュール生成部17は、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶されている蓄積コンテンツの属性情報とDL情報記憶部22に記憶されているダウンロード情報との、番組名(302と702)およびジャンル(303、703)を比較し、一致するものが存在するか否かを検索する。番組名とジャンルが一致した場合、その番組のコンテンツ内容を示す番組記述705をユーザに提示し、蓄積コンテンツと同一内容の番組が存在するか入力を求める。同一内容の番組が存在する場合、蓄積コンテンツのダウンロード配信であると判断し、蓄積コンテンツを自動削除してダウンロード終了日時707までにダウンロードを実行する録画スケジュールを作成する。この処理を全ての蓄積コンテンツに対して実行する。
【0049】
録画スケジュール生成部17により作成された全ての録画スケジュールを、予約制御部13および予約GUI14を経由してモニタ101に出力する。ユーザは、モニタ101に表示された録画スケジュールの中から適切な録画スケジュールを選択し、録画予約を完成させる。このユーザが選択した録画予約情報は、予約GUI14および予約制御部13を経由して録画予約情報記憶部15に記憶される。
【0050】
図10に示した予約一覧表の例では、蓄積コンテンツ16に既に録画されている「ドラマ1」のダウンロードサービス終了期限が「バラエティ1」の放送後であり、さらに「ドラマ1」の容量が「バラエティ1」の容量よりも大きいものとし、「ドラマ1」が自動削除の対象となる。これらに基づいて録画スケジュール作成部17がコンテンツ削除および録画のスケジュールを作成する。さらに、予約番号3で表示される録画予約が生成され、自動削除された「ドラマ1」のダウンロード終了日時に達した時にダウンロードが未実行だった場合には、先に録画した「バラエティ1」を削除し、自動削除された「ドラマ1」のダウンロードを自動で行う。なお、予約番号3の録画予約におけるチャンネル/URL欄に表示されるURLからダウンロードを実行すると予約制御部13にダウンロード実行情報が出力され、録画予約情報記憶部15に記憶されている録画予約情報から予約番号3が取り消される。このダウンロード実行情報に基づいた予約番号3の取り消しが行われなかった場合にはダウンロードが未実行であると判断する。
【0051】
次に、上述した録画予約動作において、自動削除対象となるコンテンツの抽出処理を中心に図13のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した録画予約処理内容と同一の処理については説明を省略または簡略化し、実施の形態1に係る受信機と同一ステップには図7で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
ステップST2において、十分な容量がないと判定された場合には、録画スケジュール作成部17が近日中に蓄積コンテンツ記憶部16に既に記憶された蓄積コンテンツの再放送があるか否か判定する(ステップST3)。ステップST3において、再放送がないと判定された場合にはステップST21の処理に進む。一方、ステップST3において、再放送があると判定された場合には、その再放送がある蓄積コンテンツを全て自動削除候補として列挙する(ステップST4)。
【0052】
同様に録画スケジュール作成部17が近日中に蓄積コンテンツ記憶部16に既に記憶された蓄積コンテンツのダウンロード配信予定があるか否か判定する(ステップST21)。ステップST21においてダウンロード配信予定がないと判定された場合には、ステップST5の処理に進む。一方、ステップST21においてダウンロード配信予定があると判定された場合には、そのダウンロード配信がある蓄積コンテンツを全て自動削除候補として列挙する(ステップST22)。再放送の有無およびダウンロード配信予定の有無の検索を全ての蓄積コンテンツについて行う(ステップST5)。
【0053】
さらに録画スケジュール生成部17は、自動削除候補に挙げられた再放送またはダウンロート配信が予定されている蓄積コンテンツの中から、新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成し、これに基づき自動削除を含めた録画予約のスケジューリングを実行し(ステップST23)、スケジューリング可能か否か判定する(ステップST7)。その後、ステップST8からST11の処理を行い録画予約を終了する。
【0054】
ステップST7において、スケジューリングか可能でないと判定された場合、例えば自動削除候補に挙げられた蓄積コンテンツから新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成することができなかった場合や、全ての蓄積コンテンツについて再放送およびダウンロード配信予定がなかった場合には、スケジューリングは行わずにステップST11の処理に進み録画予約のみを行う。この場合には録画予約時にメッセージ、例えば「HDDの残容量が足りません。また、HDD内に再放送予定およびダウンロード配信予定のあるコンテンツはありません。録画実施時刻までに容量を確保して下さい。」などをモニタ101に出力し、容量を確保するようにユーザに促す。
【0055】
次に、この発明の実施の形態2に係る受信機の録画動作について説明する。
自動削除を伴った新規予約録画予約分の録画が行われるまでの動作は実施の形態1と同様である。録画開始前に蓄積コンテンツの自動削除を行った場合には、録画が終了した際に、予約制御部13は予約GUI14を介して、自動削除の対象となったコンテンツの再放送が行われる日程またはダウンロード配信終了期限までに新規録画コンテンツを視聴するように促すメッセージをモニタ101に出力する。例えば、図8または図14に示すメッセージを、受信機1の電源が投入される度に数秒間モニタ101に表示するように構成する。図14は、ダウンロード配信期間内にダウンロードを行うことを促すメッセージの例であり、自動削除を行った日付801、自動削除された番組名802、ダウンロード配信終了期限803が表示される。
【0056】
また、自動削除されたコンテンツのダウンロード配信期間終了時に達した時に、ダウンロードが未実行であった場合、録画スケジュール作成部17によって生成されたスケジュールに基づき、先に録画した新規録画コンテンツを削除し、自動削除されたコンテンツのダウンロードを自動で行う。図10に示した予約一覧表の例では、予約番号2の「バラエティ1」の蓄積コンテンツを削除し、予約番号2の録画の際に削除された「ドラマ1」を予約番号3に基づきダウンロードする。
【0057】
以上のように、この実施の形態2では、ネットワークを介してコンテンツをダウンロードするダウンロードコンテンツ取得部20を追加して設け、蓄積コンテンツとダウンロード配信予定を比較し、蓄積コンテンツの中からダウンロード配信予定のあるコンテンツを検索する録画スケジュール生成部17を設けるように構成したので、新規に録画を希望する番組の放送前に蓄積コンテンツを自動削除し、ダウンロード配信期間内に自動削除したコンテンツをダウンロードするスケジュールを生成することができ、記憶部の記憶残容量が十分でない場合にもユーザの希望するコンテンツの録画を行うことが可能になる。
【0058】
また、この実施の形態2では、録画スケジュール生成部17が蓄積コンテンツの中から再放送予定のあるコンテンツを検索すると共に、ダウンロード配信予定のあるコンテンツも検索するように構成したので、よりユーザの希望に沿った録画予約を実行することができる。
【0059】
また、この実施の形態2では、自動削除したコンテンツをダウンロード配信期間内にダウンロードすることを促すメッセージを表示するように構成したので、自動削除したコンテンツの再蓄積を確実に実行することができる。
【0060】
なお、上述した実施の形態2では、暗号化されていないコンテンツをダウンロードする構成を示したが、暗号化されたコンテンツをダウンロードすることも可能である。
【0061】
実施の形態3.
図15は、この発明の実施の形態3に係る受信機の構成を示すブロック図である。この受信機1は、図1に示した受信機1にVOD(Video On Demand)受信部30を追加して構成している。以下では、実施の形態1に係る受信機1の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0062】
受信機1は、IPネットワーク102を経由してVODコンテンツを受信するVOD受信部30を備える。VOD受信部30は、VOD用GUI31、VOD制御部32、RTP((Real−time Transport Protocol)受信部33、VOD情報記憶部34で構成されている。なお、以下では、VOD制御用プロトコルにRFC2326に規定されているRTSP(Real Time Streaming Protocol)、ストリーミングプロトコルにRFC3550に規定されているRTPを使用し、RTPパケット内にはRFC2250に記載されている方法でMPEG−2TSがRTPパケットのペイロードに格納されているものとする。
【0063】
VOD受信部30は、IPネットワーク102を経由してVOD情報とVODコンテンツを受信する。VOD情報とはVOD配信予定などの情報であり、VODコンテンツは視聴用のコンテンツそのものである。VOD用GUI31は、IPネットワーク102を経由して、定期的にサーバ(図示せず)からVODコンテンツの一覧を受信する。この一覧は、例えばHTMLデータの形式でVOD用GUI31上に表示する。また、ユーザ入力により選択されたVODコンテンツのURLをVOD制御部32に出力する。VOD制御部32は、VOD用GUI31から受信したURLに記載されたサーバからVODコンテンツの属性情報およびRTP受信情報を取得する。受信したRTP受信情報をRTP受信部33に出力する。RTP受信部33は、サーバからRTPパケットを受信し、TSパケットをメディア分離部8に出力する。VOD情報記憶部34は、VOD用GUI31から入力されるVODコンテンツ一覧データをVOD情報として記憶する。
【0064】
VOD用GUI31は、IPネットワーク102を経由して、定期的にサーバからVODコンテンツの一覧を受信し、受信したコンテンツ一覧データはVOD情報記憶部34に出力され、VOD情報として記憶される。また、VOD用GUI31上に表示されたVODコンテンツ一覧データからユーザがコンテンツを選択すると、その選択されたVODコンテンツのURLをVOD制御部32に出力する。VOD制御部32は、そのURLに記載されたサーバに対して、RTSPを使用してDESCRIBEコマンドを送信してサーバからVODコンテンツの属性情報を取得し、さらにサーバに対してSETUPコマンドを送信してサーバからRTP受信を行うために必要なデータ(例えば、ポート番号など)であるRTP受信情報を取得する。受信したRTP受信情報はRTP受信部33に出力される。
【0065】
RTP受信部33は、受信したRTP受信情報に基づき該当ポートを開き、サーバからRTPパケットの受信を開始する。VOD制御部32は、サーバに対してRTSPを利用してPLAYコマンドを送信すると、サーバからRTSパケットが送信される。RTP受信部33は受信したRTSパケットからRTPヘッダを分離し、一定のバッファリングによりネットワークジッタを吸収した後、RTPパケットのタイムスタンプの時間に従い、メディア分離部8にTSパケットを入力する。
【0066】
次に、この発明の実施の形態3に係る受信機の録画処理動作について説明し、以下では、録画予約動作と録画動作に分けて説明する。
まず、録画予約動作について説明する。録画予約時に用いられる各情報について図16および図17を参照して説明する。図16は、この発明の実施の形態3に係る受信機の予約GUI14が生成する予約一覧表の一例を示す図である。
予約一覧表は、実施の形態1と同一の項目である、予約番号201、チャンネル202、録画コンテンツ名203、予約コンテンツの録画が実行される日付204、録画の開始時刻205、録画の終了時刻206、自動削除207、再録画208を示す各欄で構成される。
【0067】
図17は、この実施の形態3に係る受信機のVOD情報記憶部34が記憶するVOD情報の一例を示す図である。
VOD情報は、VODコンテンツのファイルを識別する識別子であるVODID901、番組名902、ジャンル903、URL904、番組記述905、VOD開始日時906、VOD終了日時907を示す各欄で構成される。なお、蓄積コンテンツの属性情報は、実施の形態1の図4と同様であるものとする。
【0068】
実施の形態1と同様にユーザから録画予約が入力されると、予約制御部13が予約された番組を保存するのに十分な容量が蓄積コンテンツ記憶部16に存在するか否か確認する。蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分にある場合には、予約が完了する。一方、蓄積コンテンツ記憶部16の残容量が十分でなかった場合には、予約制御部13は、録画スケジュール生成部17に蓄積コンテンツに対応する再放送の有無を検索すると共に、VOD配信サービスの有無を検索し、自動削除を含めた録画スケジュールを生成するように指示する。
【0069】
図16に示した予約一覧表の例では、予約番号1の「ドキュメンタリ1」、予約番号2の「バラエティ1」の録画予約が行われ、その結果、予約番号1の「ドキュメンタリ1」を録画する容量は存在したが、予約番号2の「バラエティ1」を録画する容量が足りなかったものとする。蓄積コンテンツに対応する再放送があった場合の動作は実施の形態1において説明済みであるため、ここでは蓄積コンテンツに対応するVOD配信サービスがあった場合について説明する。
【0070】
録画スケジュール生成部17は、蓄積コンテンツ記憶部16に記憶されている蓄積コンテンツの属性情報とVOD情報記憶部34に記憶されているVOD情報との、番組名(302と902)およびジャンル(303と903)を比較し、一致するものが存在するか否かを検索する。番組名とジャンルが一致した場合、その番組のコンテンツ内容を示す番組記述905をユーザに提示し、蓄積コンテンツと同一内容の番組が存在するか入力を求める。同一内容の番組が存在する場合、蓄積コンテンツのVOD配信であると判断し、蓄積コンテンツを自動削除してVOD終了日時907までに視聴することを考慮した録画スケジュールを作成する。この処理を全ての蓄積コンテンツに対して実行する。
【0071】
録画スケジュール生成部17により作成された全ての録画スケジュールを、予約制御部13および予約GUI14を経由してモニタ101に出力する。モニタ101に表示されたスケジュールの中から適切な録画スケジュールを選択し、録画予約を完成させる。このユーザが選択した録画予約情報は、予約GUI14および予約制御部13を経由して録画予約情報記憶部15に記憶される。
【0072】
図16および図17の例では、蓄積コンテンツ16に既に録画されている「ドラマ1」のVOD視聴期限が「バラエティ1」の放送後であり、さらに「ドラマ1」の容量が「バラエティ1」の容量よりも大きいものとし、「ドラマ1」が自動削除の対象となる。これらに基づいて録画スケジュール作成部17がコンテンツ削除および録画のスケジュールを作成する。
【0073】
次に、上述した録画予約動作において、自動削除対象となるコンテンツの抽出処理を中心に図18のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した録画予約処理内容と同一の処理については説明を省略または簡略化し、実施の形態1に係る受信機と同一ステップには図7で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
ステップST2において、十分な容量がないと判定された場合には、録画スケジュール作成部17が近日中に蓄積コンテンツ記憶部16に既に記憶された蓄積コンテンツの再放送があるか否か判定する(ステップST3)。ステップST3において、再放送がないと判定された場合にはステップST31の処理に進む。一方、ステップST3において、再放送があると判定された場合には、その再放送がある蓄積コンテンツを全て自動削除候補として列挙する(ステップST4)。
【0074】
同様に録画スケジュール作成部17が近日中に蓄積コンテンツ記憶部16に記憶された蓄積コンテンツのVOD配信予定があるか否か判定する(ステップST31)。ステップST31においてVOD配信予定がないと判定された場合には、ステップST5の処理に進む。一方、ステップST31においてVOD配信予定があると判定された場合には、そのVOD配信がある蓄積コンテンツを全て自動削除候補として列挙する(ステップST332)。再放送の有無およびVOD配信予定の有無の検索を全ての蓄積コンテンツについて行う(ステップST5)。
【0075】
さらに録画スケジュール生成部17は、自動削除候補に挙げられた再放送またはVOD再配信が予定されている蓄積コンテンツの中から、新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成し、これに基づき自動削除を含めた録画予約のスケジューリングを実行し(ステップST33)、スケジューリング可能か否か判定する(ステップST7)。その後、ステップST8からST11の処理を行い録画予約を終了する。
【0076】
ステップST7において、スケジューリングか可能でないと判定された場合、例えば自動削除候補に挙げられた蓄積コンテンツから新規録画予約に必要な容量を確保できる組み合わせを作成することができなかった場合や、全ての蓄積コンテンツについて再放送またはVOD配信予定がなかった場合には、スケジューリングは行わずにステップST11の処理に進み録画予約のみを行う。この場合には録画予約時にメッセージ、例えば「HDDの残容量が足りません。また、HDD内に再放送予定およびVOD配信予定のあるコンテンツはありません。録画実施時刻までに容量を確保して下さい。」などをモニタ101に出力し、容量を確保するようにユーザに促す。
【0077】
次に、この発明の実施の形態3に係る受信機の録画動作について説明する。
自動削除を伴った新規予約録画予約分の録画が行われるまでの動作は実施の形態1と同様である。録画開始前に蓄積コンテンツの自動削除を行った場合には、予約制御部13が予約GUI14を介して、自動削除の対象となったコンテンツの再放送が行われる日程またはVOD配信期限の日程をモニタ101に出力する。図19は、VOD配信期間内にコンテンツを視聴することを促すメッセージの例であり、自動削除を行った日付1001、自動削除された番組名1002、VOD視聴期限1003が表示される。
【0078】
以上のように、この実施の形態3によれば、ネットワークを介してコンテンツを受信するVOD受信部30を追加して設け、蓄積コンテンツとVOD配信予定を比較し、蓄積コンテンツの中からVOD配信予定のあるコンテンツを検索する録画スケジュール生成部17を設けるように構成したので、新規に録画を希望する番組の放送前に蓄積コンテンツを自動削除し、VOD配信期間内に自動削除したコンテンツを視聴することができ、記憶部の記憶残容量が十分でない場合にもユーザの希望するコンテンツの録画を行うことが可能になる。
【0079】
また、この実施の形態3では、録画スケジュール生成部17が蓄積コンテンツの中から再放送予定のあるコンテンツを検索すると共に、VOD配信予定のあるコンテンツも検索するように構成したので、よりユーザの希望に沿った録画予約を実行することができる。
【0080】
また、この実施の形態3では、自動削除したコンテンツをVOD配信期間内に視聴することを促すメッセージを表示するように構成したので、自動削除したコンテンツの視聴し忘れを防止することができる。
【0081】
なお、上述した実施の形態3では暗号化されていないVODコンテンツを扱う例を示したが、暗号化されたVODコンテンツを用いた場合にも同様に処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の実施の形態1に係る受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る受信機のコンテンツ再生部の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る受信機の予約一覧表を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る受信機の属性情報を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る受信機の番組情報を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る受信機の録画予約情報を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る受信機の動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1に係る受信機の表示メッセージを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る受信機の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る受信機の予約一覧表を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る受信機のダウンロード情報を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る受信機の録画予約情報を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係る受信機の動作を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態2に係る受信機の表示メッセージを示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る受信機の構成を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施の形態3に係る受信機の予約一覧表を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係る受信機のVOD情報を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係る受信機の動作を示すフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態3に係る受信機の表示メッセージを示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 受信機、2 アンテナ、3 チューナ部、4 AD変換部、5 復調部、6 誤り訂正処理部、7 暗号復号部、8 メディア分離部、9 コンテンツ再生部、10 番組情報取得部、11 番組情報データ記憶部、12 録画部、13 予約制御部、14 予約GUI、15 録画予約情報記憶部、16 蓄積コンテンツ記憶部、17 録画スケジュール生成部、18 データ蓄積部、19 データ読込部、20 ダウンロードコンテンツ取得部、21 DL制御部、22 DL情報記憶部、23 DL用GUI、24 コンテンツ受信部、30 VOD受信部、31 VOD用GUI、32 VOD制御部、33 RTP受信部、34 VOD情報記憶部、91 音声復号化部、92 音声出力部、93 映像復号化部、94 映像表示部、100 スピーカ、101 モニタ、102 IPネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信されたデジタル放送を受信してコンテンツを蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記コンテンツを記憶すると共に、新規コンテンツの録画予約を行う録画部と、
前記録画部において記憶された前記コンテンツを再生するコンテンツ再生部とを備え、
前記録画部は、前記蓄積部に蓄積された前記コンテンツを記憶する蓄積コンテンツ記憶部と、
前記新規コンテンツの録画予約を受け付けると共に、前記蓄積コンテンツ記憶部の記憶残容量を確認する予約制御部と、
前記予約制御部において、前記記憶残容量が不足していると判定された場合に、前記蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から所定条件に合致した削除可能コンテンツを削除し、前記予約制御部が録画予約を受け付けた前記新規コンテンツを録画すると共に、前記録画した新規コンテンツを一定時間後に削除する録画スケジュールを作成する録画スケジュール作成部とを備えたことを特徴とする受信機。
【請求項2】
コンテンツから番組情報を取得する番組情報取得部と、
前記番組情報を記憶する番組情報記憶部とを備え、
録画スケジュール生成部は、前記番組情報記憶部に記憶された前記番組情報を参照して蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から再放送が予定されている削除可能コンテンツを検索および削除し、新規コンテンツを録画すると共に、前記録画した新規コンテンツを前記削除可能コンテンツの再放送前に削除し、前記削除可能コンテンツの再放送を録画する録画スケジュールを作成することを特徴とする請求項1記載の受信機。
【請求項3】
再放送が予定されている削除可能コンテンツが複数存在した場合に、前記削除可能コンテンツがそれぞれ有するコンテンツ属性を提示することを特徴とする請求項2記載の受信機。
【請求項4】
ネットワークを介してコンテンツをダウンロードするダウンロード部を備え、
録画スケジュール生成部は、蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から前記ダウンロード部がダウンロードすることができるダウンロード可能コンテンツを検索及び削除し、新規コンテンツを録画すると共に、前記録画した新規コンテンツを前記ダウンロード可能コンテンツのダウンロード期限前に削除し、前記ダウンロード可能コンテンツをダウンロードする録画スケジュールを作成することを特徴とする請求項2記載の受信機。
【請求項5】
ネットワークを介してVOD(Video On Demand)によりコンテンツを受信するVOD受信部を備え、
録画スケジュール生成部は、前記蓄積コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツの中から前記VOD受信部が受信することができる受信可能コンテンツを検索および削除し、新規コンテンツを録画する録画スケジュールを作成することを特徴とする請求項2記載の受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−260486(P2009−260486A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104856(P2008−104856)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】