説明

受信装置及び通信データリオーダリング処理方法

【課題】受信装置及び通信データリオーダリング処理方法に関し、未到着通信データの待ち合わせを監視するタイマ数を削減して実装規模の縮小化を図る。
【解決手段】受信した通信データのシーケンス番号(TSN)を基に、シーケンス番号の欠落発生をTSN欠落発生判定部1−1で判定し、欠落発生が判定されたときにタイマ1−51を起動し、かつ、引き続き受信される通信データにシーケンス番号の欠落発生が新たに判定される毎に、タイマ1−51をリセットして再度起動すると共に、欠落発生時の到着データのシーケンス番号を監視対象TSN記憶部1−52に記憶する。出力制御部1−3は、記憶部1−52に記憶されたシーケンス番号より若番の未到着データが到着せず、タイマ1−51がタイムアウトしたときは、未到着データの待ち合わせを諦め、リオーダリングバッファ1−2に格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及び通信データリオーダリング処理方法に関し、特に、移動通信において無線データが正常に受信されなかった場合に再送される再送データを待ち合わせ、該再送データを含む通信データを本来の送信順に並べ替えて出力するリオーダリング処理に係り、より詳しくは、リオーダリング処理において再送データの待ち合わせを諦めるか否かをタイマ監視により判定する技術に係る。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置は、マルチメディア通信やインターネット通信等への対応が必要となり、高速・高品質通信が要求されている。無線伝送路の変動や一時的な劣化による無線データの受信失敗を補填し、通信品質を上げる手段としてハイブリッド自動再送(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)方式が一般的に採用されている。ハイブリッド自動再送(HARQ)方式は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定され、受信側において復号失敗データを破棄せずに再送データと組み合わせて復号することを前提にして再送制御を行うものである。
【0003】
ハイブリッド自動再送(HARQ)方式を用いる場合は、送信側の通信データ送信順と受信側の通信データ受信順とが入れ替わる(再送を行うことで順序が入れ替わる)ために、受信側では受信データを送信側での送信順に並び替える必要があり、この並び替えを行うリオーダリング処理機能の実装が不可欠となる。
【0004】
図5に一般的なリオーダリング処理の機能部とその概要を示す。リオーダリング処理の機能部は、シーケンス番号(TSN)判定部5−1、リオーダリングバッファ5−2、及び出力制御部5−3から成る。シーケンス番号(TSN)判定部5−1では、到着した通信データのシーケンス番号(TSN)を判定し、該シーケンス番号(TSN)をリオーダリングバッファ5−2に通知する。
【0005】
リオーダリングバッファ5−2は、シーケンス番号(TSN)毎に通信データの格納領域が設けられ、シーケンス番号(TSN)判定部5−1から通知されたシーケンス番号(TSN)に従って格納領域を決定し、該格納領域に通信データを格納する。出力制御部5−3は、リオーダリングバッファ5−2に格納された通信データを、シーケンス番号(TSN)の若番順に読み出して出力する。
【0006】
図3の例では、本来、シーケンス番号(TSN)0,1,2,3,4,5の順番で通信データが到着するはずのところ、再生制御によりシーケンス番号(TSN)0,3,5,1,4,2の順で通信データが到着した例を示している。
【0007】
リオーダリングバッファ5−2では、到着した通信データをそのシーケンス番号(TSN)に対応した格納領域に格納し、シーケンス番号(TSN)0の通信データをTSN0の格納領域に、シーケンス番号(TSN)1の通信データをTSN1の格納領域に、シーケンス番号(TSN)2の通信データをTSN2の格納領域に、シーケンス番号(TSN)3の通信データをTSN3の格納領域に、シーケンス番号(TSN)4の通信データをTSN4の格納領域に、シーケンス番号(TSN)5の通信データをTSN5の格納領域に、それぞれ格納する。
【0008】
図6に通信データのフォーマットを示す。通信データはヘッダ領域6−1とユーザデータ領域6−2とに分かれており、ヘッダ領域6−1の中に送信順のシーケンス番号(TSN:Transmission Sequence Number)の値が含まれる。送信側では、データ送信時にインクリメントされるシーケンス番号(TSN)を付与して通信データを送信する。受信側では、このシーケンス番号(TSN)を元に、到着した通信データの並べ替えることで、送信順と同じ順序で通信データを出力する。
【0009】
但し、リオーダリング処理において、シーケンス番号(TSN)を元に到着通信データの並べ替えを行う際に、ハイブリッド自動再送(HARQ)制御による通信データの再送が失敗する場合が有り、その場合にはシーケンス番号(TSN)が欠番となることを留意しなければならない。
【0010】
出力すべき順番(期待値)のシーケンス番号(TSN)の通信データが未到着の場合は、その通信データの待ち合わせを行う。但し、以下に述べる一定の条件を満たした場合は、未到着の通信データの受信を諦めて待ち合わせを停止し、未到着の通信データのシーケンス番号(TSN)を欠番としたまま、次の順番のシーケンス番号(TSN)の通信データを出力する。
【0011】
上述の欠番の発生を判定するために、一般的に、ウィンドウ監視による判定機能及びタイマ監視による判定機能が実装されている。ウィンドウ監視による判定では、未到着の通信データを監視する区間(ウィンドウサイズ)において、到着した通信データのシーケンス番号(TSN)と欠番となったシーケンス番号(TSN)とを比較し、その差が一定値以上離れている場合、その欠番となっているシーケンス番号(TSN)の通信データについては、ハイブリッド自動再送(HARQ)制御の失敗と判定し、再送データの待ち合わせを諦めて次の処理に移る。
【0012】
タイマ監視による判定では、欠番と判定されたシーケンス番号(TSN)の通信データが一定時間以内に到着しない場合に、ハイブリッド自動再送(HARQ)制御の失敗と判定し、再送データ受信の待ち合わせを諦めて次の処理に移る。タイマ監視による判定では、到着した通信データのシーケンス番号(TSN)が、期待していたシーケンス番号(TSN)と異なっている場合に欠番の発生と判定し、欠番となったシーケンス番号(TSN)を対象に、その通信データの未到着時間を測定し、該未到着時間が一定値に達するまで当該通信データの再送による到着を待ち合わせる。
【0013】
その場合、到着した通信データのシーケンス番号(TSN)が跳び跳びとなる(即ち、欠番が複数発生する)ことが予想されるため、欠番判定のためのタイマを複数個実装する必要がある。つまり、タイマ監視による欠番発生の判定には、ウィンドウ監視で使用するウィンドウ幅分の通信データ数(ウィンドウサイズ)分のタイマを用意し、欠番となるおそれが有る全てのシーケンス番号(TSN)に対してそれぞれタイマによる監視を行う。これは3GPP TS 25.321により規定されている。
【0014】
図7〜図9にリオーダリング処理の具体的な動作例を示す。受信側では、到着した通信データに対してシーケンス番号(TSN)のチェックを行う。到着した通信データのシーケンス番号(TSN)が期待していたシーケンス番号(TSN)(即ち次に到着すると予測した値)と一致している場合は、待ち合わせを行わずに到着通信データをそのまま後段へ出力する。
【0015】
到着通信データのシーケンス番号(TSN)が、期待していたシーケンス番号(TSN)と異なる場合は、リオーダリングバッファに到着通信データを格納したまま、到着通信データのシーケンス番号(TSN)が順序(若番順)どおりに欠番が生じることなく揃うまで、欠番となっている通信データの待ち合わせを行う。
【0016】
図7に示す例では、初めに期待したシーケンス番号(TSN)0の通信データが到着し、待ち合わせを行わずに該通信データを出力する。次に期待するのはシーケンス番号(TSN)1の通信データとなる。しかし、到着した通信データのシーケンス番号(TSN)が3であったので順番の並び替えを行うために、シーケンス番号(TSN)3の通信データをリオーダリングバッファに一次的に格納する。
【0017】
ここで次に到着した通信データのシーケンス番号(TSN)が5であり、期待値1と異なるため、同様にリオーダリングバッファに該通信データを格納する。次に到着した通信データのシーケンス番号(TSN)は1であり、期待値1と合致するため、該到着通信データを出力し、次に期待する通信データのシーケンス番号(TSN)を2とする。
【0018】
この状態で、リオーダリングバッファにシーケンス番号(TSN)3とシーケンス番号(TSN)5の通信データが格納されているが、期待しているシーケンス番号(TSN)2と異なるため、出力は行わない。次にシーケンス番号(TSN)4の通信データが到着するが、期待しているシーケンス番号(TSN)2と異なるため、これもリオーダリングバッファに格納して、シーケンス番号(TSN)2の通信データの待ち合わせを行う。
【0019】
最後にシーケンス番号(TSN)2の通信データが到着すると、これは期待していたシーケンス番号(TSN)であるため、該通信データを出力し、次に期待する通信データのシーケンス番号(TSN)を3とする。ここで、リオーダリングバッファにはシーケンス番号(TSN)3〜5の通信データが格納されている。リオーダリングバッファに格納されたシーケンス番号(TSN)3の通信データは、期待値3と一致するのでリオーダリングバッファから出力する。同様の処理により、シーケンス番号(TSN)4及び5の通信データを出力し、リオーダリングバッファが空になったときにリオーダリング処理を停止する。
【0020】
図8は、従来のタイマ監視によるシーケンス番号(TSN)の欠落発生判定の動作例を示す。図8の動作例では図7と同様の順序で通信データが到着するものとする。タイマ監視では、シーケンス番号(TSN)に欠落が発生し、リオーダリングバッファに到着通信データを格納したことを契機として、欠落した各通信データに対して待ち合わせ時間の計測を開始する。
【0021】
図8の動作例では、まず、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着したときにシーケンス番号(TSN)の欠落発生が判定される。そのときにタイマ監視の対象となるのは、期待値のシーケンス番号(TSN)1から、到着通信データのシーケンス番号(TSN)3より1つ前のシーケンス番号(TSN)2までの通信データである。
【0022】
そこで、タイマ監視の対象となるシーケンス番号(TSN)1及び2に対してそれぞれのタイマ(TSN1タイマ及びTSN2タイマ)を起動する(8−1,8−2)。これらタイマは、該当する通信データが出力されるまで継続して計時用クロックをカウントアップする。次にシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着すると、待ち合わせ対象(期待値)が、シーケンス番号(TSN)1から、シーケンス番号(TSN)5より1つ前のシーケンス番号(TSN)4までとなる。
【0023】
但し、既にシーケンス番号(TSN)1及び2のタイマは起動中であるため、これらのタイマ起動は除かれる。また、シーケンス番号(TSN)3の通信データは既に到着していることからこれのタイマ起動も除かれる。従って、このときに起動されるタイマはシーケンス番号(TSN)4のタイマ(TSN4タイマ)であり、該タイマ(TSN4タイマ)を起動する(8−3)。以上のようなタイマの起動制御を行い、各未到着通信データの待ち合せ時間の計測を行い、この待ち合せ時間が所定の値を超えてタイムアウトとなった場合に、該未到着通信データの待ち合わせを諦めて、到着済みの通信データのみをシーケンス番号(TSN)順に出力する。
【0024】
図8の各時刻1〜12についてのタイマ起動・停止の処理の流れを説明すると、時刻1では期待値がシーケンス番号(TSN)0の状態で、シーケンス番号(TSN)0の通信データが到着したのでタイマは起動されない。時刻2及び時刻3では通信データが到来しないので変化はない。
【0025】
時刻4では期待値がシーケンス番号(TSN)1の状態で、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着したため、シーケンス番号(TSN)1及びシーケンス番号(TSN)2タイマが起動される。時刻5では起動中のタイマがカウントを継続する。時刻6ではシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着したため、シーケンス番号(TSN)1及びシーケンス番号(TSN)2のタイマはカウントを継続し、シーケンス番号(TSN)3の通信データは既到着であるのでタイマ監視の対象外とし、シーケンス番号(TSN)4の通信データが未到着のため、シーケンス番号(TSN)4のタイマが起動される。
【0026】
時刻7ではシーケンス番号(TSN)1の通信データが到着したのでシーケンス番号(TSN)1のタイマはカウントを停止し、他の起動中のタイマはカウントを継続する。時刻8、9では起動中のタイマはカウントを継続し、時刻10ではシーケンス番号(TSN)4の通信データの到着により、シーケンス番号(TSN)4のタイマがカウントを停止し、他の起動中のタイマはカウントを継続する。時刻11では起動中のタイマはカウントを継続し、時刻12ではシーケンス番号(TSN)2の通信データが到着したことにより、シーケンス番号(TSN)2のタイマがカウントを停止する。
【0027】
図9は従来のタイマ監視におけるタイムアウトした場合の動作例を示す。図9の動作例において通信データの到着は図8に示した動作例と同様であり、図9ではシーケンス番号(TSN)2のタイマがタイムアウトした例を示している。図9の動作例において、図8の場合と同様にシーケンス番号(TSN)0の通信データを送出した後、シーケンス番号(TSN)1の通信データの到着を期待する。
【0028】
その後、シーケンス番号(TSN)3,5,1の通信データが到着し、シーケンス番号(TSN)1の通信データを出力して、シーケンス番号(TSN)2の通信データの到着を期待しているとき、シーケンス番号(TSN)4の通信データが到着し、そのときにシーケンス番号(TSN)2のタイマがタイムアウト(9−1)したとすると、該シーケンス番号(TSN)2の通信データの待ち合わせを諦め、期待値を次のシーケンス番号(TSN)3に変更し、シーケンス番号(TSN)3の通信データの出力を行う。
【0029】
その次のシーケンス番号(TSN)4の通信データは、シーケンス番号(TSN)2のタイムアウト(7−1)と同時に到着しており、シーケンス番号(TSN)5の通信データも既に到着してリオーダリングバッファに格納されているので、シーケンス番号(TSN)2のタイマがタイムアウトした時点で、シーケンス番号(TSN)3〜5の通信データが出力される。なお、タイムアウト後に遅れて到着したシーケンス番号(TSN)2の通信データは廃棄(ウィンドウ監視外)となる。
【0030】
以上のようなHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)通信データ伝送方式におけるハイブリッド自動再送(HARQ)制御が行われる通信データのリオーダリング処理及び欠落シーケンス番号(TSN)の通信データの待ち合わせ制御については、下記の特許文献1等に記載されている。
【特許文献1】特開2006−33019号公報(段落0008〜0010等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
前述のように、欠落シーケンス番号(TSN)の通信データの待ち合わせのタイマ監視を行うためには、未到着の各通信データに対してそれぞれ待ち合わせ時間を計測するカウンタを実装する必要がある。ここで、未到着通信データを監視するウィンドウ幅の通信データ数(ウィンドウサイズ)をW、各未到着通信データに対してそれぞれ待ち合わせを行う時間の上限をTとすると、監視時間総量として、ウィンドウ幅の通信データ数Wと待ち合わせ時間の上限Tとの積、即ちW×Tの時間量を計測することが可能なカウンタが必要となる。
【0032】
通常は、TTI(Transmission Time Interval;通信データの到着単位時間)の周期を元に待ち合わせ時間の監視を行うことから、例えばウィンドウ幅の通信データ数(ウィンドウサイズ)Wが256、待ち合わせ上限時間Tが1秒、TTI周期が1msである場合、256×1÷(1×10−3)=256,000までの数量を計測するカウンタが必要となる。このような多量の計数値までカウントするカウンタを設けることは、装置の実装規模が増大するという問題を生じる。
【0033】
また、未到着の各通信データに対してそれぞれ待ち合わせを諦めるためのタイマ制御を行う際に、到着通信データのシーケンス番号(TSN)の順序配列のパターンが膨大な数となり、該順序配列のパターン数に応じてタイマ制御に多数のバリエーションが発生し、タイマ制御が複雑になるという問題がある。
【0034】
本発明は、未到着通信データの待ち合わせを監視するタイマ数を削減して実装規模の縮小化を図ると共に、複数個の未到着通信データに対する待ち合わせ監視のタイマ制御を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
この受信装置における通信データリオーダリング処理は、受信した通信データのシーケンス番号を基に、受信した通信データのシーケンス番号の欠落発生を判定するシーケンス番号欠落発生判定部と、前記シーケンス番号欠落発生判定手段によりシーケンス番号の欠落発生が判定されたときにタイマを起動し、かつ、引き続き受信される通信データにシーケンス番号の欠落発生が新たに判定される毎に、該タイマをリセットして再度起動するとともに、該タイマの各起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号として記憶する待ち合わせ時間計測部と、前記タイマがタイムアウトする前に、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着したときには、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力し、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなく前記タイマがタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する出力制御部と、を備えることを要件とする。
【0036】
未到着の通信データを監視する区間において、到着した通信データがリオーダリングバッファに格納されている時間と、未到着の通信データを待ち合せている時間とが存在する。未到着の通信データを待ち合せている時間というのは、送信側でスケジュールされなかった時間や、ハイブリッド自動再送(HARQ)プロセスでの通信データ破棄等により通信データが到着せずに待ち合わせている時間である。
【0037】
未到着データの待ち合わせ諦め判定の基本的な手法として、監視対象を未到着データのシーケンス番号(TSN)とし、未到着の通信データの待ち合せ時間を監視する従来の手法と、既に到着した通信データのシーケンス番号(TSN)を監視対象とし、既に到着した通信データがリオーダリングバッファに格納されている時間を監視する手法とが有る。
【0038】
従来の手法は、監視対象を未到着データのシーケンス番号(TSN)とし、未到着の通信データが到着するであろうと推測される見積もり時間まで待ち合わせ時間を計測していたのに対して、上記開示の受信装置における通信データリオーダリング処理は、監視対象を到着データのシーケンス番号(TSN)とし、到着通信データがリオーダリングバッファリングされている時間を計測し、該計測時間を基に待ち合わせを諦めて到着通信データの出力を促すものである。
【発明の効果】
【0039】
開示の受信装置における通信データリオーダリング処理は、従来のようにウィンドウサイズ分のタイマを実装することなく、1つのタイマのみの実装ですむため、実装規模を大幅に縮小(ウィンドウサイズ分の1に削減)することができる。また、待ち合わせ監視用のタイマの起動制御を、シーケンス番号(TSN)の欠落発生によってのみ行うため、容易に行うことができる。また、欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせの諦め判定の精度としては、従来と比べて若干低下する程度であり、実用上支障なく欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦めの判定を行うことができる。
【0040】
また、使用環境に併せて予想される不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の発生数分のみのタイマを実装することより、従来に比べて実装規模を大幅に縮小するとともに、ほぼ従来と同程度の精度で、欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦めの判定を行うことができ、容易に拡張性に富んだ性能向上化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1は本発明による第1の実施形態のリオーダリング処理機能部の構成例を示す。本発明によるリオーダリング処理機能部は、シーケンス番号(TSN)判定部1−1、リオーダリングバッファ1−2、出力制御部1−3、シーケンス番号(TSN)欠落発生判定部1−4及び待ち合わせ時間計測部1−5を備える。
【0042】
シーケンス番号(TSN)判定部1−1では、受信(到着)した通信データのシーケンス番号(TSN)を判定し、該シーケンス番号(TSN)をリオーダリングバッファ1−2及びシーケンス番号(TSN)欠落発生判定部1−4に通知する。リオーダリングバッファ1−2は、シーケンス番号(TSN)毎に通信データの格納領域が設けられ、シーケンス番号(TSN)判定部1−1から通知されたシーケンス番号(TSN)に従って格納領域を決定し、該格納領域に到着した通信データを格納する。
【0043】
出力制御部1−3は、リオーダリングバッファ1−2に格納された通信データを、後述する待ち合わせ時間計測部1−5からの制御信号に従って、シーケンス番号(TSN)の若番順に読み出して出力する。
【0044】
シーケンス番号(TSN)欠落発生判定部1−4は、シーケンス番号(TSN)判定部1−1から通知される到着通信データのシーケンス番号(TSN)と期待値のシーケンス番号(TSN)との差を基に、シーケンス番号の欠落発生を判定し、欠落発生時に、欠落発生のメッセージと共に該到着通信データのシーケンス番号(TSN)の情報を待ち合わせ時間計測部1−5に通知する。
【0045】
待ち合わせ時間計測部1−5は、第1の実施形態では1つタイマ1−51及び1つの監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52を備え、シーケンス番号欠落発生判定部1−4から欠落発生のメッセージが通知されたときにタイマ1−51を起動すると共に、シーケンス番号欠落発生判定部1−4から通知される到着通信データのシーケンス番号(TSN)を、監視対象シーケンス番号として監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶する。
【0046】
そして、引き続き受信される通信データにシーケンス番号の欠落発生が、シーケンス番号欠落発生判定部1−4で新たに判定され、待ち合わせ時間計測部1−5に通知される毎に、該タイマ1−51をリセットして再度起動するとともに、そのとき通知される通信データのシーケンス番号を新たな監視対象シーケンス番号として監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶する。
【0047】
即ち、1つのタイマ1−51により最終の欠落発生判定時からの待ち合わせ時間を計測し、最終の欠落発生判定時の到着通信データのシーケンス番号(TSN)を、監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶する。そして、タイマ1−51による待ち合わせ時間の情報と共に、監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶されている監視対象シーケンス番号を、出力制御部1−3に通知する。
【0048】
出力制御部1−3は、タイマ1−51による待ち合わせ時間がタイムアウトする前に、監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着してリオーダリングバッファ1−2に格納されたときには、リオーダリングバッファ1−2に格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する。
【0049】
また、出力制御部1−3は、監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなく、タイマ1−51による待ち合わせ時間がタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、リオーダリングバッファ1−2に格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する。
【0050】
上記第1の実施形態のリオーダリング処理(タイマ監視)の動作例を図2示す。図2の動作例において、通信データの到着順は図9に示した動作例と同様に、シーケンス番号(TSN)0,3,5,1,4,2の順番で到着するものとする。図2において、図9の場合と同様に、シーケンス番号(TSN)0の到着通信データを出力した後、次のシーケンス番号(TSN)1の通信データの到着を期待する。
【0051】
その後、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着した時点で1つのタイマ1−51を起動する。このタイマ1−51は、シーケンス番号(TSN)1及び2の通信データに対するタイマではなく、到着したシーケンス番号(TSN)3を監視対象とするタイマである。
【0052】
但し、このタイマ1−51は、シーケンス番号(TSN)3専用のタイマではなく、各シーケンス番号(TSN)に共通の1つのタイマであり、このタイマ1−51を起動して待ち合わせを行っている通信データのシーケンス番号(TSN)が3未満のものであることを認識して、監視対象のシーケンス番号(TSN)として3を監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶する。
【0053】
次にシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着する。このとき、先のタイマ起動の契機となったシーケンス番号(TSN)3より後続のシーケンス番号(TSN)の通信データが到着したことから、起動中のタイマ1−51を一旦リセットし、タイマ監視対象をシーケンス番号(TSN)5として再度起動し、待ち合わせ時間計測を新たに開始し、該タイマ起動による待ち合わせ対象のシーケンス番号(TSN)が5未満のものであることを認識して、監視対象のシーケンス番号(TSN)として5を監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部1−52に記憶する。
【0054】
次にシーケンス番号(TSN)1の通信データが到着すると、既にシーケンス番号(TSN)0の通信データを出力して次のシーケンス番号(TSN)の期待値が1となっているので、そのままシーケンス番号(TSN)1の通信データを出力し、期待値を次の2とするが、監視対象となっているシーケンス番号(TSN)5の通信データ出力が行われていないため、タイマ1−51による時間計測をそのまま継続する。
【0055】
次にシーケンス番号(TSN)4の通信データが到着するが、このシーケンス番号(TSN)4は期待値2と合致せず、また、監視対象となっているシーケンス番号(TSN)5の通信データ出力が行われていないため、上記と同様にタイマ1−51による時間計測をそのまま継続する。
【0056】
そして、期待値のシーケンス番号(TSN)2の通信データが到着する前にタイマ1−51による待ち合わせ時間がタイムアウトとなったとすると、期待値のシーケンス番号(TSN)2より老番のシーケンス番号(TSN)で、リオーダリングバッファ1−2に格納されている全ての通信データを出力する。
【0057】
ここで、仮にシーケンス番号(TSN)5までの間にシーケンス番号(TSN)2以外の欠落があった場合でも、シーケンス番号(TSN)5の通信データを出力する時間に達したことから、シーケンス番号(TSN)2と同様に、他の欠落したシーケンス番号(TSN)の通信データの待ち合わせを諦めて出力する。
【0058】
上述の動作例から明らかなように、本発明はシーケンス番号(TSN)3が到着した時点で、シーケンス番号(TSN)2の欠落を認識して、一旦タイマ監視を開始するが、それより後続のシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着した時点でタイマをリセットし、再度カウントを開始することを特徴とする。これは、シーケンス番号(TSN)2と共にシーケンス番号(TSN)4も含めた監視を行うためである。
【0059】
ここで、図9と図2とを見比べると分かるように、シーケンス番号(TSN)2の通信データを諦めるタイミングが異なり、図2の方がシーケンス番号(TSN)2の通信データを諦めるタイミングが遅れる。本来ならば、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着した時点で、シーケンス番号(TSN)2の通信データが到着する可能性のある時間を見積もり、その時間まで通信データの到着を監視すべきであるが、本発明ではシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着した時点で、上記の見積もり時間までの時間計測をリセットして時間計測を最初からやり直すため、諦めのタイミング遅れることとなるが、本来、シーケンス番号(TSN)3で行う監視をシーケンス番号(TSN)5によって行っても以下に示す理由により支障はない。
【0060】
その理由は、
(1)ハイブリッド自動再送(HARQ)制御による再送で通信データの順序が変わるため、
(2)ウィンドウ監視による判定機能が働くため、
である。
【0061】
上記(1)の理由について説明する。タイマによる監視時間Tは、ハイブリッド自動再送(HARQ)制御により遅れて通信データが到着する時間を見込んだ値である。図9の動作例では、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着した時点で、シーケンス番号(TSN)1及び2の通信データ到着の時間監視を開始する。
【0062】
しかし、本来はシーケンス番号(TSN)3よりも前にシーケンス番号(TSN)1及び2の通信データは到着しているはずであり、シーケンス番号(TSN)3の到着の時点でシーケンス番号(TSN)1及び2の通信データ到着の時間監視を開始することで、本来の精度より元々低いものとなっている。従って、シーケンス番号(TSN)1及び2の通信データ到着をシーケンス番号(TSN)5の到着時点で行っても、若干精度が落ちるだけで大きな誤差とはならない。
【0063】
次に上記(2)の理由について説明する。リオーダリング処理には、タイマ監視の他にウィンドウ監視による欠番発生の判定を行って待ち合わせを諦める機能がある。このウィンドウ監視による判定機能は、期待値のシーケンス番号(TSN)と到着通信データのシーケンス番号(TSN)との差を用いて、その差が一定値よりも離れた値となった場合に、期待値のシーケンス番号(TSN)の通信データ到着を諦めるものである。
【0064】
連続的に通信データが疎通している通常の状態では、ウィンドウ監視による判定が有効に機能する。何故ならば、非同期のハイブリッド自動再送(HARQ)制御では再送時間の見積りが非常に困難で、曖昧な見積もり時間となり、タイマ監視はこの曖昧な見積もり時間で判定することになるため、ハイブリッド自動再送(HARQ)制御による実際の再送時間よりも余裕を持たせた大きな見積もり時間が用いられる。従って、連続したシーケンス番号(TSN)の通信データが連続的に疎通している状態では、タイマ監視よりウィンドウ監視の方が早く欠番発生が判定され、ウィンドウ監視による判定が有効となる。
【0065】
タイマ監視よる欠番の発生の判定、即ち待ち合わせの諦め判定が有効となるのは、連続したシーケンス番号(TSN)の通信データの疎通終了時や、バースト的に通信データが疎通する場合であり、そのような場合に限り、タイマ監視による待ち合わせの諦め判定が補助的に用いられるため、タイマ監視における時間計測の精度が多少落ちても殆ど影響はない。
【0066】
こうすることにより、従来のようにウィンドウサイズ分のタイマを実装することなく、1つのタイマのみの実装ですむため、実装規模を縮小することができ、また、欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせの諦め判定の精度としては若干低下する程度であるため、実用上支障なく欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦めの判定を行うことができる。
【0067】
次に、タイマを複数個用いて待ち合わせ諦めの判定時間の精度を向上させる実施形態について説明する。図1の第1の実施形態では、1つのタイマを用いて待ち合わせ諦めの判定を行う形態であるが、図3に示す第2の実施形態のように、タイマを複数個実装することにより、待ち合わせ諦め判定時間の精度を向上させることができる。
【0068】
図3は2つの監視タイマを実装した構成例を示している。図3において、シーケンス番号(TSN)判定部1−1、リオーダリングバッファ1−2、及びシーケンス番号(TSN)欠落発生判定部1−4は、図1で説明した機能と同様の機能を有する。第1の実施形態と異なるのは、待ち合わせ時間計測部3−1において、複数のタイマ3−11,3−13、及び各タイマ対応に複数の監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部3−32,3−34を備えていることである。
【0069】
待ち合わせ時間計測部3−1は、シーケンス番号(TSN)欠落発生判定部1−4から、シーケンス番号の欠落発生が通知される毎にそれぞれ異なるタイマ3−11,3−13を起動し、それぞれのタイマ3−11,3−13の起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号として、それぞれ監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部3−32,3−34に記憶する。
【0070】
出力制御部3−2は、各タイマ3−11,3−13がそれぞれタイムアウトする前に、当該タイマに係る監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着してリオーダリングバッファ1−2に格納されたときには、該監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データをリオーダリングバッファ1−2からシーケンス番号順に読み出して出力する。
【0071】
また、各タイマ3−11,3−13が、当該タイマに係る監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなくタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、当該タイマに係る監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データをリオーダリングバッファ1−2からシーケンス番号順に読み出して出力する。
【0072】
上記第2の実施形態のリオーダリング処理(タイマ監視)の動作例を図4示す。図4の動作例においても、図2の動作例の場合と同様に、シーケンス番号(TSN)0,3,5,1,4,2の順番で通信データが到着するものとする。図4の動作例では、シーケンス番号(TSN)3の通信データが到着して第1のタイマ(#1)が起動するまでは、図2の実施例と同様の動作となる。ここで、第1のタイマ(#1)及び第2のタイマ(#1)は、それぞれ前述のタイマ3−11,3−13の一方及び他方である。
【0073】
次にシーケンス番号(TSN)5の通信データが到着すると、起動中の第1のタイマ(#1)の監視対象のシーケンス番号(TSN)3と到着通信データのシーケンス番号(TSN)5とを比較対照し、先に認識した欠落シーケンス番号(TSN)1及び2と不連続の新たなシーケンス番号(TSN)4が欠落していると判断し、第2のタイマ(#2)を起動する。
【0074】
そして、期待値のシーケンス番号(TSN)1の通信データが到着して出力した後、その次の期待値のシーケンス番号(TSN)2の通信データが到着する前に、シーケンス番号(TSN)3を監視対象としている第1のタイマ(#1)がタイムアウトすると、該監視対象のシーケンス番号(TSN)3までの通信データを出力する。この動作例では、シーケンス番号(TSN)2の通信データを諦めて図2の動作例より早く期待値を3とし、シーケンス番号(TSN)3の通信データを出力する。
【0075】
既に到着しているシーケンス番号(TSN)5の通信データは、シーケンス番号(TSN)4の通信データが未到着のため、第2のタイマ(#2)により継続してシーケンス番号(TSN)4の通信データの待ち合わせを行う。そして、第2のタイマ(#2)がタイムアウトする前にシーケンス番号(TSN)4の通信データが到着すると、シーケンス番号(TSN)4及び5の通信データを出力する。
【0076】
図2の実施形態では、図1の実施形態と比べて、シーケンス番号(TSN)2の待ち合わせを早く諦めて、シーケンス番号(TSN)3〜5の通信データを早く出力することができ、伝播処理遅延を小さくすることができる。即ち、図1の実施形態のように、全ての待ち合わせ対象のシーケンス番号(TSN)に対して1つのタイマで時間監視を行う形態に比べて、待ち合わせ対象のシーケンス番号(TSN)が不連続なものとなったときに、それぞれの不連続な欠落シーケンス番号(TSN)毎に別々のタイマを用いて待ち合わせ時間監視を行うことにより、個々の不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ時間を計測して、個々の欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせの諦めを早期に判定することができ、第1の実施形態より、欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦め判定の精度を向上させることができる。この機能が有効となる場合は、低レートで通信データが送信され、送信通信データのスケジューリング間隔が大きい場合である。
【0077】
第2の実施形態の構成例として、2つのタイマを用いた構成例について説明したが、更に不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の発生が、より多数生起すると予想される場合には、より多数のタイマを用いて、個々の不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ時間を計測する構成とすることにより、同様に、個々の欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦めの判定を精度良く行うことができる。
【0078】
なお、第2の実施形態において、不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の発生が、用意したタイマの個数より多く生起した場合、第1の実施形態と同様に、複数個のタイマのうち1つのタイマを最終の欠落シーケンス番号(TSN)の発生判定時にリセットして再起動し、最終の欠落発生判定時の到着通信データのシーケンス番号(TSN)を、該タイマと対になっている監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部に記憶する。そして、該タイマによる待ち合わせ時間の情報と共に、該監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部に記憶されている監視対象シーケンス番号を出力制御部1−3に通知する。
【0079】
こうすることにより、従来のようにウィンドウサイズ分のタイマを実装することなく、予想される不連続な欠落シーケンス番号(TSN)の発生数分のみのタイマを実装することより、実装規模を縮小するとともに、ほぼ従来と同程度の精度で、欠落シーケンス番号(TSN)の待ち合わせ諦めの判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明による第1の実施形態のリオーダリング処理機能部の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態のリオーダリング処理(タイマ監視)の動作例を示す図である。
【図3】本発明による第2の実施形態のリオーダリング処理機能部の構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態のリオーダリング処理(タイマ監視)の動作例を示す図である。
【図5】一般的なリオーダリング処理の機能部とその概要を示す図である。
【図6】通信データのフォーマットを示す図である。
【図7】オーダリング処理の動作例を示す図である。
【図8】従来のタイマ監視によるシーケンス番号(TSN)の欠落発生判定の動作例を示す図である。
【図9】従来のタイマ監視におけるタイムアウトした場合の動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1−1 シーケンス番号(TSN)判定部
1−2 リオーダリングバッファ
1−3,3−2 出力制御部
1−4 シーケンス番号(TSN)欠落発生判定部
1−5,3−1 待ち合わせ時間計測部
1−51,3−11,3−13 タイマ
1−52,3−32,3−34 監視対象シーケンス番号(TSN)記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーケンス番号が付与されて送信された通信データを受信し、再送データを含む通信データをリオーダリングバッファに格納した後、該リオーダリングバッファからシーケンス番号順に通信データを読み出して出力する受信装置において、
受信した通信データのシーケンス番号を基に、受信した通信データのシーケンス番号の欠落発生を判定するシーケンス番号欠落発生判定手段と、
前記シーケンス番号欠落発生判定手段によりシーケンス番号の欠落発生が判定されたときにタイマを起動し、かつ、引き続き受信される通信データにシーケンス番号の欠落発生が新たに判定される毎に、該タイマをリセットして再度起動するとともに、該タイマの各起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号として記憶する待ち合わせ時間計測手段と、
前記タイマがタイムアウトする前に、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着したときには、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力し、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなく前記タイマがタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する出力制御手段と、
を備えた受信装置。
【請求項2】
前記待ち合わせ時間計測手段は、複数のタイマを有し、シーケンス番号の欠落発生が判定される毎にそれぞれ異なるタイマを起動し、それぞれのタイマの起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号としてそれぞれ記憶し、
前記出力制御手段は、前記各タイマがそれぞれタイムアウトする前に、当該タイマに係る前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着したときには、該監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データを前記リオーダリングバッファからシーケンス番号順に読み出して出力し、前記各タイマが、当該タイマに係る監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなくタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、当該タイマに係る前記監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データを前記リオーダリングバッファからシーケンス番号順に読み出して出力する構成を備えた請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
シーケンス番号が付与されて送信された通信データを受信し、再送データを含む通信データをリオーダリングバッファに格納した後、該リオーダリングバッファからシーケンス番号順に通信データを読み出して出力する通信データリオーダリング処理方法において、
受信した通信データのシーケンス番号を基に、受信した通信データのシーケンス番号の欠落発生を判定するシーケンス番号欠落発生判定過程と、
前記シーケンス番号欠落発生判定ステップによりシーケンス番号の欠落発生が判定されたときにタイマを起動し、かつ、引き続き受信される通信データにシーケンス番号の欠落発生が新たに判定される毎に、該タイマをリセットして再度起動するとともに、該タイマの各起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号として記憶する待ち合わせ時間計測過程と、
前記タイマがタイムアウトする前に、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着したときには、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力し、前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなく前記タイマがタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、前記リオーダリングバッファに格納されている通信データをシーケンス番号順に読み出して出力する出力制御過程と、
を含む通信データリオーダリング処理方法。
【請求項4】
前記待ち合わせ時間計測過程は、複数のタイマを用い、シーケンス番号の欠落発生が判定される毎にそれぞれ異なるタイマを起動し、それぞれのタイマの起動の契機となった通信データのシーケンス番号を監視対象シーケンス番号としてそれぞれ記憶し、
前記出力制御過程は、前記各タイマがそれぞれタイムアウトする前に、当該タイマに係る前記監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の通信データが全て到着したときには、該監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データを前記リオーダリングバッファからシーケンス番号順に読み出して出力し、前記各タイマが、当該タイマに係る監視対象シーケンス番号より若番のシーケンス番号の未到着通信データが到着することなくタイムアウトしたときは、該未到着通信データの待ち合わせを諦め、当該タイマに係る前記監視対象シーケンス番号を含めてそれより若番のシーケンス番号の通信データを前記リオーダリングバッファからシーケンス番号順に読み出して出力する過程と、を含む請求項3に記載の通信データリオーダリング処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−171529(P2009−171529A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10495(P2008−10495)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】