説明

受動光学式気体状排出物センサ

【課題】ガスタービンエンジン内の排出物流路の苛酷な環境に耐えることのできる排気排出物用のリアルタイム計測ならびに検出可能な計測システムとセンサを提供する。
【解決手段】タービンエンジン100の排出物流路110における排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体10は、光ビームを受動的に生成するよう構成され、かつ作動可能である第1のプローブ部材を備え、この光ビームの波長は、第1のプローブ部材の構成に従う。第2のプローブ部材は、第1のプローブ部材が生成する光ビームを受光するようにプローブ組立体内に配置され、この第2のプローブ部材は、タービンエンジンの排気排出物内に存在するガス状化学種に従って第1のプローブ部材から受動的に生成した光を減衰させるよう構成され、かつ作動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2010年11月2日に出願された米国特許出願番号第61/409,294号に基づく優先権を主張するものであり、同出願は参照により、その全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はガスタービンエンジンに関し、より具体的にはガスタービンエンジン内の排気排出物濃度を計測するセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
ガスタービンエンジンの最高の動作性能ならびに動作効率を達成する上で、ガスタービンエンジンの排出物中に存在するガス状成分をリアルタイムで検出することは好都合である。例えば、ガスタービンの排気排出物中に存在する窒素酸化物および/または二酸化炭素の濃度の検出は、最高性能に向けガスタービンエンジンを調整/調節するのに有益である。しかしながら、ガスタービンエンジン内の排気排出物を計測する現在の技術はリアルタイム計測値を提供することができず、さらに、多くの場合、大きすぎてガスタービンエンジンの排出物流路の制約内で配置できない。
【0004】
排出物流路の苛酷な環境は、排ガスチャンバ中に存在する過剰な動作温度が主たる理由で、この種のどのような計測装置の導入に対しても妨げとなることが判明している。明らかに、当分野には、ガスタービンエンジン内の排出物流路の苛酷な環境に耐えることのできるガスタービンエンジンの排気排出物用のリアルタイム計測ならびに検出を提供する計測システムとセンサの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
一つの態様にてプローブ組立体を説明するが、ここでは本発明の一態様は受動センサを用いてタービンエンジン内の排気排出物濃度を計測することに対する。
【0006】
プローブ組立体は、好ましくは、光ビームを生成するよう構成され、かつ作動可能な第1のプローブ部材を含み、光ビームの波長は第1のプローブ部材の構成に従う。同様に含まれるのが、プローブ組立体内に配置されて第1のプローブ部材が生成する光ビームを受光する第2のプローブ部材であり、この第2のプローブ部材はタービンエンジンの排気排出物内に存在するガス状化学種に従い、ピーク吸収波長において第1のプローブ部材が生成する光を減衰させるよう構成され、かつ作動可能とされる。
【0007】
さらに、任意選択的な態様として、前述のプローブ組立体には光ビームを生成するよう構成され、かつ作動可能とされる第1のプローブ部材を含む第1のプローブサブ組立体を含めることができ、光ビームの強度はガスタービンエンジンの排気排出物の温度に従う。第2のプローブ部材は、第1のプローブ部材が生成する光ビームを受光するように第1のプローブサブ組立体内に配置され、この第2のプローブ部材はタービンエンジンの排気排出物内に存在するガス状化学種の濃度に従って第1のプローブ部材から受光した光を減衰させるよう構成し、かつ作動可能とする。前述の第1のプローブサブ組立体に加え、光ビームを生成するよう構成され、かつ作動可能とされる第3のプローブ部材を含む第2のプローブサブ組立体もまた配設され、光ビームの強度は第3のプローブ部材の温度に従う。プローブ組立体はさらに、第1と第2のプローブサブ組立体のそれぞれが放射する光を検出するフォトダイオード組立体を含み、第3のプローブ部材から受け取った被検出光信号を第2のプローブ部材からの被検出光信号用の補正信号として用い、第1のプローブサブ組立体から放射された光に対する温度と汚染の影響を補正する。
【0008】
本発明の目的と特徴は、添付図面と併せこれらをもとに本発明の実施形態の下記の詳細な説明を参照することで理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のプローブ組立体についての実施形態の概観図である。
【図2】図1のプローブ組立体に用いるプローブ部材の概観図である。
【図3】本発明のプローブ組立体についての別の実施形態の概観図である。
【図4】図3のプローブ組立体に用いる第2のプローブ部材の概観図である。
【図5】吸収ピーク偏移と波長放出を描いたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本発明の実施形態を図示した添付図面を参照して本発明をより詳細に説明するが、図面中同様の符号は同様の要素を示す。本発明は下記に示す実施形態は本発明の単なる一例に過ぎず、それらは当業者に理解される如く様々な形態にて実施できるため、決して例示した実施形態に限定されるものではない。それ故、本願明細書に開示するどのような構造的かつ機能的細部も限定とは解されず、ただ特許請求の範囲のための根底をなし、かつ本発明を様々に採用できることを当業者に教示する代表例として理解されたい。さらに、本願明細書に使用する用語や句は限定ではなく、本発明の理解可能な記述を提供することを意図するものである。
【0011】
本発明は、ガスタービンエンジンの排出物流路内の排気排出物の濃度を受動的に計測するための新規かつ有用なシステムに関するものである。このシステムは、排出物流路内の気体状排出物を計測し、排気チャンバ内の排出物の特性を観察する少なくとも1個の受動プローブ組立体を含む。
【0012】
好ましくは、本発明システムはプローブ組立体を囲む黒体赤外放射線を特定の光変調器を通してフォトダイオード等の光検出構成要素に伝送する。本願明細書を通じて使用される場合、用語「光」は可視コヒーレントスペクトルと非可視スペクトル(赤外光波長等)に含まれる光波長を包含することを、理解されたい。
【0013】
下記にさらに説明する如く、第1の光変調構成要素(例えば、第1のプローブ構成要素10)は、好ましくは光ファイバへの合焦入力に適した平行ビームを有する光を生成する幅狭スペクトル帯域を好ましくは規定する光放射構成要素とする。この第1のプローブ構成要素は、その黒体温度に基づく強度にて赤外(IR)放射等の光を好ましくは放射するよう構成し、かつ作動可能とするものと認識し理解されたい。かくして、温度が高くなればなるほど、放射線強度は大きくなる。さらに、下記にさらに説明する如く、好ましくはナノ粒子(NP)薄膜を有する第2のプローブ構成要素24に関する温度範囲について、最大の強度に合わせ所望の吸収波長に調整することのできる一定波長を第1のプローブ構成要素10が放射することを理解されたい。第1のプローブ構成要素10が生成する放射出力がその表面積に比例することもまた、理解されたい。
【0014】
図示の実施形態では、第1のプローブ構成要素10を雰囲気から隔離し、そこから光を放射するプラズモンを生成するのに用いる金属膜の酸化を阻止することが望ましい。これを達成するこの種の一つの方法は、前述の金属膜を蒸着誘電体膜(シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、または他の耐火物膜)で、さらにピンホールなしに保護するものである。第1のプローブ構成要素10を雰囲気から隔離する別の方法は、第1のプローブ部材10を支持する基板を、好ましくは直接融着結合を通じ、あるいは冶金結合を介して、同様の基板に嵌合させる被包構造を用いるものである。例えば、この種の融着結合は、その全体が本願明細書に組み込まれる米国特許第5,349,492号に記載されるように、サファイアどうしの結合とできる可能性がある。加えて、同様に、その全体が本願明細書に組み込まれる米国特許第7,642,115号に記載されている如く、冶金結合を用いられてもよい。
【0015】
ガスタービンエンジンの排気排出物に応答する、第2の光変調構成要素(例えば、第2のプローブ構成要素24)を好ましくは設け、好ましくは吸収分光分析法の原理を用いてスペクトル偏移を検出する。本発明の実施形態によれば、第2のプローブ構成要素は比較的低いQ波吸収帯域ピークを有するナノ粒子薄膜を用いる。換言すれば、第2のプローブ構成要素のピークはガスタービンエンジンの排出物中に存在するガス濃度、化学種含有量、および温度とに従い周波数が偏移する。加えて、第2のプローブ構成要素の(負)ピークの振幅は第2のプローブ構成要素を励起する放射線強度の総量に基づき変化する。
【0016】
本発明の実施形態によれば、図1に示す如く、符号10で示すプローブ組立体が、符号100で示すガスタービンエンジンの排出物流路110内に配置して図示してある。光ファイバ束200は、好ましくはプローブ組立体10をフォトダイオード構成要素300に結合する。フォトダイオード300は、好ましくは、受動プローブ組立体10の気体状排出物検出を用いてガスタービンエンジン100に対する排気排出物のリアルタイム計測を提供する電子分析システム400に結合する。
【0017】
引き続き図1を参照するとともに、図2を参照すると、プローブ組立体10は、その全体が本願明細書に組み込まれる米国特許第7,642,115号に記載されているものなどのように、プローブ組立体10の下記の基板を金属パッケージあるいは支持構造に金属化あるいは鑞付けすることによって好ましくは形成される外部筺体12を備える。プローブ組立体10がガスタービンエンジン100の排出物流路110内に存在する高温に耐えるよう構成されることを、理解されたい。プローブ組立体10の第1の端部に配設されているのは、第1のプローブ構成要素14であり、これはこの第1のプローブ構成要素14上に存在する表面プラズモンの熱による励起により引き起こされる光ビームを受動的に生成するよう構成され、かつ作動可能とされる。好ましくは第1のプローブ構成要素14に隣接してレンズ組立体16を配設し、これは、好ましくはサファイアあるいは水晶の色消しレンズで形成される。第1のプローブ組立体14が生成する光ビームをレンズ組立体16が合焦させることを、理解されたい。
【0018】
図2に示す如く、外部筺体12には、切除部分18が提供され、これにより、ガスタービンエンジン100のガス状排出物20をプローブ組立体10用の筺体12の内部チャンバ部分22を通して通過させることができる。下記の如く、これらの排ガス状排出物20は、以下に説明するように、第2のプローブ構成要素24と化学反応させるものとする。
【0019】
第1のプローブ構成要素14およびレンズ組立体16から離間した近傍に配設したのは、第2のプローブ構成要素24であり、これは第1のプローブ構成要素14が放射する光ビームを受光し、減衰させ、あるいはより一般的には、プローブ組立体10の内部チャンバ部分22を通過するタービンエンジン100の排気排出物20内に存在するガス状化学種に従いピーク吸収波長にて受光光を変調するよう構成され、かつ作動可能である。言い換えれば、第2のプローブ構成要素24がタービンエンジン100の排気排出物20内に存在するガス状化学種に従い不透明から透明まで変化する光変調度を有するものであることを、理解されたい。例示した実施形態では、この第2のプローブ部材24は、好ましくは温度が500〜1000℃の範囲となる可能性があるガスタービンエンジンの排出物流路110内に存在する苛酷な動作環境に適合する化学センサである。例示した実施形態では、第2のプローブ部材24は、好ましくはY23で安定化処理したZrO2(YSZ)基質内に埋設された金ナノ粒子(NP)を含有するナノコンポジット材料で形成する。好ましくは、高温および空気に対する露出時に、O-イオンが基質内に形成され、それによってタービンエンジン100の排気排出物20内に存在するCO、H2、およびNO2がAu−YSZ界面でO-イオンと触媒反応し、第2のプローブ部材24の光伝送度を変化させ、そこを通過する第1のプローブ構成要素14から生成された光を減衰させる。簡単に言うならば、第2のプローブ部材24は、前記排出物の温度に加え、二酸化炭素、二酸化窒素、および他の炭化水素化学物質等のガスタービンエンジン100の排出物内の特定の化学種が存在すると「活性化された」状態となる。すなわち、第2のプローブ部材は、ガスタービンエンジン100の排出物内に存在する特定の化学成分の存在および温度に従い、半透明光伝送度を有するよう偏移する。
【0020】
第2のレンズ組立体26は、好ましくは第2のプローブ構成要素24に隣接して配設され、好ましくはサファイアあるいは水晶色消しレンズで形成される。第2のプローブ構成要素24を通過し、かつ第2のプローブ構成要素24により減衰させられた光ビームを第2レンズ組立体26が合焦させることを、理解されたい。プローブ組立体10内の第2のレンズ組立体26に隣接して配設し形成したのは、光ファイバ束200に通ずる低放射性表面28である。低放射性表面28とその外部筺体12の中間のプローブ組立体10内に好ましくは配置したのは、外部タービンエンジン100の排出物流路110の前記した高温環境に耐えることのできる充填材30である。
【0021】
図1と図2を引き続き参照し、例示した実施形態に従うと、第1のプローブ構成要素10は、第2のプローブ構成要素24のNP(ナノ粒子)層の吸収ピークの周波数に好ましくは調整し、その結果、狭帯域の光子が第2のプローブ構成要素24のNP層被加熱表面に入射させるようにすることを理解されたい。第2のプローブ構成要素24のNP層は、好ましくは、その大きさと基質境界酸素含有量に基づく共振周波数の変化を有するプラズモンを生成し、このことはさらにガスタービンエンジン100の排出物流路110内に存在する被検出化学種による影響を受ける。好ましくは、例示実施形態では、第2のプローブ構成要素24のNP層の外装を通過する赤外光(IR)光子が被選択ピーク吸収波長に調整した第1のプローブ部材14の共振周波数にて励起されることを理解されたい。すなわち、第2のプローブ構成要素24のセンサ面上のNP基質に影響を与えるガス状化学種が光子吸収に影響を及ぼし、第2のプローブ構成要素24の吸収ピークを偏移させることになる。ここで、図5を参照すると、吸収ピーク偏移と第1のプローブ部材14が放射する波長とが一定に止まるため、吸収ピークが第1のプローブ部材14のピークから外れる程度に応じて第2のプローブ構成要素24のNP層により多い、またはより少い光子が吸収されることになる。
【0022】
図1と図2に示した実施形態については、第2のプローブ構成要素24のNP層により減衰させられた第1のプローブ構成要素14の光放射は光ファイバ束200からフォトダイオード構成要素300および関連回路網等の吸収スペクトル計へ伝送される。好ましくは、フォトダイオード構成要素300に結合したのが、ガスタービンエンジン100の排出物流路110内のガス状排出物20の化学種および/または化学種濃度にピークを関連付けるよう構成され、かつ作動可能である分析システム400である。このデータは、ガスタービンエンジン100の動作性能と効率を特定するだけでなく、ガスタービンエンジン100の動作を調整してピーク動作性能と効率を達成するために、さらに航空機の制御系により用いられてもよい。
【0023】
図1と図2を参照して上記に示され、かつ記載された本発明の第1の例示した実施形態とともに、ここで図3と図4を参照すると、本発明の別の実施形態が提供され、主題発明等の受動赤外線駆動システムでは、ガスタービンエンジン110の排出物流路110内に存在する温度変動および/または光路汚染が一般的に誤差を招くことが理解される。本発明は、下記にさらに説明する如く、第1の光変調構成要素を含む点だけを除き、好ましくは第1のプローブ組立体10と同一の第2のプローブ組立体(例えば、プローブ組立体500)を配設することで、出力中のこの種のばらつきを補正する。それ故、第2のプローブ組立体500から供給される光の強度はタービンエンジン100の排出物流路110内に存在する放射線強度に関連付けられ、第1のプローブ組立体10に対し補正信号を供給することになる。前述の補正信号がまたガスタービンエンジンの排出物内に存在するガス化学種と濃度の特定に有用性を有することもまた、同様に理解し認識されたい。
【0024】
それ故、図3と図4に示したのは、本発明の別の例示した実施形態である。ここで同様の符号は同様の要素を示しており、前記した如く、図3と図4の実施形態は、第2のプローブ組立体500の包含を除き、図1と図2の実施形態と実質同様である。
【0025】
第2のプローブ組立体500については、第2のプローブ構成要素24と第2のレンズ組立体26の省略を除き、第1のプローブ組立体10と実質同一である。第2のプローブ組立体500の第1のプローブ構成要素14は、好ましくは第1のプローブ組立体10の第1のプローブ構成要素14と同じ波長に調整されるが、それが第2のプローブ構成要素24のNP基質を生成するプラズモンを有することにはならず、従って、ガスタービンエンジン100の排出物流路110内に存在する黒体放射からのIR放射だけを検出することは、理解されたい。
【0026】
図3に示す如く、光ファイバ束組立体200は、第1のプローブ組立体10の出力を好ましくはフォトダイオード構成要素300に結合し、この出力は、こんどは分析システム400に結合される。第2のプローブ組立体500については、光ファイバ束組立体600は、その出力を好ましくは分析システム400にも結合したフォトダイオード構成要素700に結合する。第2のプローブ組立体500からの出力が、ガスタービンエンジン100の排出物流路110における放射線強度に対する温度と汚染の影響に起因する第1のプローブ組立体10の出力の補正に用いられることは、理解されたい。分析システム400は、好ましくは検出対象である排出物流路110内のガス状化学種の既知の濃度に基づき、第1のプローブ組立体10からの出力に基づいて較正される。それ故、第1のプローブ組立体10と第2のプローブ組立体500の好ましくは先端部分の温度が計測され、その読み取り値が既知の較正値に補正されて戻されることを確実にすることを理解されたい。分析システム400は、好ましくはそれぞれプローブ組立体10、およびプローブ組立体500の入力に対し較正曲線を提供し、加えて第2のプローブ組立体500の入力に基づく温度補正もまた提供する比較対照回路を含む。
【0027】
本発明の任意選択的な実施形態は、本明細書で言及あるいは示された部品、要素、および特徴に個別にもしくは集約的に、すなわち2つ以上の部品、要素、または特徴のいずれかあるいは全ての組み合わせからなると広範に考えられ、本発明が関連する当該分野に既知の等価物を有する特定の整数が本願明細書に記述され、この種の既知の等価物は、あたかも個別に記載したかの如く本願明細書に組み込まれたものとみなされる。
【0028】
本発明の例示した実施形態を説明してきたが、当業者により、本発明範囲から逸脱することなく、様々な変形、置換、および変更を行うことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジン内の排気の排出物の濃度を計測するプローブ組立体であって、
光ビームを受動的に生成するよう構成され、かつ作動可能である第1のプローブ部材で、前記第1のプローブ部の構成に前記光ビームの波長が従う、前記第1のプローブ部材と、
前記プローブ組立体内に配置され、前記第1のプローブ部材が生成する光ビームを受光する第2のプローブ部材で、前記タービンエンジンの前記排気排出物内に存在するガス状化学種に従って前記第1のプローブ部材から受動的に生成された光を減衰するよう構成され、かつ作動可能である、前記第2のプローブ部材とを備える、プローブ組立体。
【請求項2】
前記第2のプローブ部材から減衰された前記光を検出するフォトダイオード組立体をさらに含む、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項3】
前記フォトダイオード組立体が、少なくとも1個の光ファイバ束を含む、請求項2に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項4】
前記フォトダイオード組立体が、前記第1のプローブおよび第2のプローブから離して配置された分析システムに結合され、前記分析システムが前記タービンエンジンの排気排出物の化学種濃度を判定するよう構成され、かつ作動可能である、請求項2に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項5】
前記第1のプローブ部材が、熱プロセスにおいて作動可能に構成されて光を放射する金属基板を含む、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項6】
前記第1のプローブ部材が、前記第2のプローブ部材に必要な波長における最大強度に合わせた所望の波長に調整可能な単一波長を放出する、請求項5に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項7】
前記第1のプローブ部材が、光ファイバ束への入力に適した規定のスペクトル帯域を有する被合焦光ビームを放射するよう作動可能である、請求項5に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項8】
前記第2のプローブ部材が、所定の赤外線吸収帯域ピークを有するナノ粒子薄膜基板で構成される、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項9】
前記第2のプローブ部材の前記光吸収帯域ピークが、前記タービンエンジンの排気排出物内の特定の濃度の特定のガスの存在に従って波長を偏移させる、請求項8に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項10】
前記第2のプローブ部材の前記光吸収帯域ピークが、前記タービンエンジンの前記排気排出物の化学種に従って波長を偏移させる、請求項8に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項11】
前記吸収帯域ピークの振幅の変化が、前記第2のプローブの使用に対して光強度を修正した後に前記第1のプローブ部材から放射される光の強度レベルに従って検出される、請求項8に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項12】
前記第2のプローブ部材の前記ナノ粒子薄膜基板が、プラズモンを生成するために構成されたナノスケール金析出物を有する金属基質で構成される、請求項8に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項13】
前記第1のプローブ部材が、前記第2のプローブ部材の前記吸収帯域ピークに関連する波長に調整される、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項14】
前記第2のプローブ部材が、前記フォトダイオードによる検出に先立ち前記第1のプローブ部材からの光照射を減衰させる、請求項2に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項15】
前記第1のプローブ部材から生成される光ビームが。可視光スペクトル内にある、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項16】
前記第1のプローブ部材から生成される光ビームが。赤外光スペクトル内にある、請求項1に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項17】
タービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体において、
第1のプローブサブ組立体であって、
光ビームを受動的に生成するよう構成され、かつ作動可能である第1のプローブ部材であって、その温度に前記光ビームの強度が従う第1のプローブ部材と、
前記第1のプローブ組立体内に配置され、前記第1のプローブ部材により受動的に生成された光ビームを受光する第2のプローブ部材であって、前記タービンエンジンの排気排出物内に存在するガス状化学種に従って前記第1のプローブ部材から受光した光を減衰するよう構成され、かつ作動可能である第2のプローブ部材とを含む
第1のプローブサブ組立体と、
光ビームを生成するよう構成され、かつ作動可能な第3のプローブ部材を含む第2のプローブサブ組立体であって、前記光ビームの強度が前記第3のプローブ部材の温度に従う第2のプローブサブ組立体と、
前記第1のプローブサブ組立体および前記第2のプローブサブ組立体のそれぞれから放射される光を検出するフォトダイオード組立体であって、前記第3のプローブ部材から受光した前記被検出光信号を前記第2のプローブ部材からの前記被検出光信号に対する補正信号として用い、前記第1のプローブサブ組立体から放射される放射光強度に対する温度と汚染の影響を補正するフォトダイオード組立体とを備える、プローブ組立体。
【請求項18】
前記フォトダイオード組立体が、前記第1のプローブサブ組立体および前記第2のプローブサブ組立体から離して配置された分析システムに結合され、該分析システムが前記タービンエンジンの排気排出物の化学種濃度を特定するように構成され、かつ作動可能である、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項19】
前記分析システムが、前記第3のプローブ部材から受け取った被検出信号を用いる比較対照法を用い、前記第2のプローブ部材の吸収曲線波長における偏移を検出するように構成された、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項20】
前記第1のプローブ組立体と前記第2のプローブ組立体とが互いに極めて近接して配置された、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項21】
前記第1のプローブ部材および前記第2のプローブ部材は周囲の雰囲気から保護される、請求項20に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項22】
前記第1の部材および前記第3のプローブ部材の各々が、熱プロセス内で光を放射するように作動可能とされるように構成された金属基板をそれぞれ含む、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項23】
前記第1のプローブ部材および前記第3のプローブ部材のそれぞれの前記金属基板が、蒸着誘電体膜を用いて不動態様化された、請求項22に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項24】
前記蒸着誘電体膜が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、または他の耐火物膜基板からなる群から選択される、請求項23に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項25】
前記第1のプローブ部材および前記第2のプローブ部材のそれぞれが、規定の温度範囲について最大強度に関連する所望の吸収波長に調整可能な一定の光波長を放射する、請求項20に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項26】
前記第1のプローブ部材および前記第3のプローブ部材のそれぞれが、光ファイバ束に対する入力に適した規定のスペクトル帯域を有する集束した焦光ビームを放射するよう作動可能である、請求項23に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項27】
前記第2のプローブ部材が、所定の光吸収帯域ピークを有するナノ粒子薄膜基板で構成される、請求項15に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項28】
前記第2のプローブ部材の光吸収帯域ピークが、前記タービンエンジンの排気排出物内に存在するガス濃度に従って波長を偏移させる、請求項27に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項29】
前記第2のプローブ部材の前記光吸収帯域ピークが、前記タービンエンジンの排気排出物の化学種に従って波長を偏移させる、請求項28に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項30】
前記第2のプローブ部材の前記ナノ粒子薄膜基板が、プラズモンを生成するように構成されたナノスケール金析出物を有する金属基質からなる、請求項27に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項31】
前記第1のプローブ部材が、前記第2のプローブ部材の前記吸収帯域ピークに関連付ける波長に調整される、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項32】
前記第1のプローブ部材および前記第3のプローブ部材のそれぞれから生成される前記光ビームが、可視光スペクトル内にある、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項33】
前記第1のプローブ部材から生成される前記光ビームが、赤外光スペクトル内にある、請求項17に記載のタービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体。
【請求項34】
タービンエンジン内の赤外放射線を検出し、該タービンエンジン内の排気排出物の濃度を計測するプローブ組立体の形成方法において、前記プローブ組立体が、
光ビームを受動的に生成するよう構成され、かつ作動可能である第1のプローブ部材を提供することであって、前記光ビームの強度が前記第1のプローブ部材の温度に従い、前記第1のプローブ部材が熱プロセス内で、熱に応答して赤外放射線を放射するように作動可能に構成される金属基板を含む、第1のプローブ部材を提供する工程と、
前記プローブ組立体内に位置し、前記第1のプローブ部材が受動的に生成する光ビームを受光する第2のプローブ部材を提供することであって、前記第2のプローブ部材は、タービンエンジンの排気排出物内に存在するガス状化学種に従って前記第1のプローブ部材からの前記光ビームを減衰させるよう構成され、かつ作動可能であり、前記第2のプローブ部材は所定の赤外光吸収帯域ピークを有するナノ粒子薄膜基板で構成する、第2のプローブ部材を提供する工程と、を含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−103246(P2012−103246A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−239890(P2011−239890)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.
【Fターム(参考)】