説明

受電側コネクタ

【課題】内部に侵入した雨滴等の異物が内部に蓄積することがなく、異物の蓄積によって給電側コネクタとの接続に支障が生じることのない受電側コネクタを提供すること。
【解決手段】電気自動車の車体に取り付けられる受電側コネクタ51のハウジング本体61は、給電側コネクタの筒状のハウジング前側筒部が内周に嵌合する外筒壁部62と、外筒壁部62の一端側を閉塞する奥壁部63とを備えた有底筒状構造に形成され、且つ、外筒壁部62の内側の奥壁部63上で、車体に取り付けられた状態で最下端となる位置に本体排水口101が貫通形成されると共に、屈曲した排水経路を形成する配水管103が本体排水口101に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車におけるバッテリの充電に使用される給電コネクタとして、車体に取り付けられる受電側コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図16及び図17は、電気自動車におけるバッテリの充電に使用される給電コネクタの従来例を示したものである。
【0003】
この給電コネクタ1は、下記特許文献1に開示されたもので、不図示の給電装置に接続された給電側コネクタ3と、該給電側コネクタ3が嵌合接続可能に不図示の電気自動車の車体に取り付けられる受電側コネクタ5と、を備える。
【0004】
受電側コネクタ5は、ハウジング本体11と、開閉キャップ21と、電源用端子収容筒部23と、信号用端子収容筒部25と、を備えている。
【0005】
ハウジング本体11は、給電側コネクタ3の筒状のハウジング前側筒部3aが内周に嵌合する外筒壁部12と、該外筒壁部12の一端側を閉塞する奥壁部13とを備えた有底筒状構造に形成されている。また、外筒壁部12の外周には、車体への取付け部となるフランジ部14が、一体形成されている。
【0006】
ハウジング本体11は、外筒壁部12の他端側の開口12aを上方又は斜め上方に向けて前記車体に取り付けられる。
【0007】
開閉キャップ21は、外筒壁部12の開口12aを開閉可能に覆う略円形の蓋体である。この開閉キャップ21は、図16に示すように、外周の一側に係止部21aが設けられ、更に、係止部21aと対向する外周の他側は、不図示のヒンジ機構により外筒壁部12に回動可能に連結されている。
【0008】
開閉キャップ21は、前記ヒンジ機構による回動により、開口12aを開閉可能になっている。開閉キャップ21は、図17に示すように開口12aを閉じた状態では、外筒壁部12の外周に一体形成されたキャップ係止片27が係止部21aに係合することで、開口12aを閉じた状態に固定される。
【0009】
電源用端子収容筒部23は、外筒壁部12の内側の奥壁部13に固定されている。本実施形態の場合、電源用端子収容筒部23は、奥壁部13の中心を挟む左右2箇所に設けられている。また、電源用端子収容筒部23は、図17に示すように、車体側電源用端子28を収容保持する。この車体側電源用端子28は、ハウジング前側筒部3a内の第1端子収容筒部31に収容保持された不図示の装置側電源用端子に接続される端子金具である。
【0010】
信号用端子収容筒部25は、外筒壁部12の内側の奥壁部13に固定されている。本実施形態の場合、信号用端子収容筒部25は、奥壁部13の中心を挟む上下2箇所に設けられている。また、信号用端子収容筒部25は、不図示の車体側信号用端子を収容保持する。前記車体側信号用端子は、ハウジング前側筒部3a内の第2端子収容筒部32に収容保持された不図示の装置側信号用端子に接続される端子金具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2752032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、特許文献1に示した給電コネクタ1は、受電側コネクタ5に対する給電側コネクタ3の着脱操作を、屋根等を備えた施設内で実施することを前提として設計しているため、受電側コネクタ5には、雨水等の侵入した際に、侵入した水を排出する機構等が設けられていない。
【0013】
そのため、屋根等の無い環境で、受電側コネクタ5に対する給電側コネクタ3の着脱操作が実施され、その際、雨水が受電側コネクタ5の外筒壁部12内に侵入すると、侵入した雨水が受電側コネクタ5内に溜まってしまって、受電側コネクタ5に給電側コネクタ3を接続した際に、例えば電流のリークの発生などの不都合を招くおそれがあった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、内部に侵入した雨滴等の異物が内部に蓄積することがなく、異物の蓄積によって給電側コネクタとの接続に支障が生じることのない受電側コネクタを提供すること、更には、車体下方から跳ね上げられた砂利は泥水等がコネクタ背面から侵入することのない受電側コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)給電装置に接続された給電側コネクタが嵌合接続可能に電気自動車の車体に取り付けられる受電側コネクタであって、
前記給電側コネクタの筒状のハウジング前側筒部が内周に嵌合する外筒壁部と、該外筒壁部の一端側を閉塞する奥壁部とを備えた有底筒状構造に形成されて、他端側の開口を上方又は斜め上方に向けて前記車体に取り付けられるハウジング本体と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部に一体形成されて、前記ハウジング前側筒部内の装置側電源用端子に接続される車体側電源用端子を収容保持した電源用端子収容筒部と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部に一体形成されて、前記ハウジング前側筒部内の装置側信号用端子に接続される車体側信号用端子を収容保持した信号用端子収容筒部と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部上で、前記車体に取り付けられた状態で最下端となる位置に貫通形成された本体排水口と、
前記本体排水口に嵌合装着されて、前記本体排水口に屈曲した排水経路を形成する配水管と、
を備えたことを特徴とする受電側コネクタ。
【0016】
(2)前記配水管内に、逆流防止の弁を設けたことを特徴とする上記(1)に記載の受電側コネクタ。
【0017】
(3)前記配水管内に、所定以上の粒径の異物の通過を規制するフィルタを備えたことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の受電側コネクタ。
【0018】
上記(1)の構成によれば、受電側コネクタに対する給電側コネクタの接続操作が屋外等で実施され、雨滴等の異物が外筒壁部の内側に侵入した際には、侵入した異物は、本体排水口から、該本体排水口に接続されている配水管を経由して、速やかに外部に排出される。
【0019】
従って、内部に侵入した雨滴等の異物が外筒壁部の内部に蓄積することがなく、異物の蓄積によって給電側コネクタとの接続に支障が生じることがない受電側コネクタを提供することができる。
【0020】
また、上記(1)の構成によれば、配水管が屈曲した排水経路を形成しているため、コネクタの背面側となる車体下方から跳ね上げられた砂利や泥水などは、配水管の開口に飛び込んだとしても、本体排水口には到達し難い。
【0021】
従って、跳ね上げの水等が本体排水口から受電側コネクタ内に侵入して受電側コネクタの内部を汚損することを、防止することもできる。
【0022】
上記(2)の構成によれば、配水管には、逆流防止の弁が設けられているため、配水管内の水が本体排水口側に逆流することを確実に防止することができる。そのため、車体下方から跳ね上げられた水等の異物が配水管を介して本体排水口に侵入することを、より確実に防止することができる。
【0023】
上記(3)の構成によれば、車両走行時の風圧等で、外部の異物が配水管の開口に飛び込んだとしても、配水管に飛び込んだ異物は、フィルタにより捕集して、異物が本体排水口に侵入することを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による受電側コネクタによれば、受電側コネクタに対する給電側コネクタの接続操作が屋外等で実施され、雨滴等の異物が外筒壁部の内側に侵入した際には、侵入した異物は、本体排水口から、該本体排水口に接続されている配水管を経由して、速やかに外部に排出される。
【0025】
従って、内部に侵入した雨滴等の異物が外筒壁部の内部に蓄積することがなく、異物の蓄積によって給電側コネクタとの接続に支障が生じることがない受電側コネクタを提供することができる。
【0026】
また、本発明による受電側コネクタによれば、配水管が屈曲した排水経路を形成しているため、コネクタの背面側となる車体下方から跳ね上げられた砂利や泥水などは、配水管の開口に飛び込んだとしても、本体排水口には到達し難い。
【0027】
従って、跳ね上げの水等が本体排水口から受電側コネクタに侵入して受電側コネクタの内部を汚損することを、防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る受電側コネクタの第1実施形態の背面側から見た斜視図である。
【図2】図1に示した受電側コネクタの正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】図4に示した本体排水口周辺の拡大図である。
【図6】図5に示した本体排水口に接続された配水管の斜視図である。
【図7】図6に示した配水管の縦断面図である。
【図8】第1実施形態の受電側コネクタの奥壁部からコネクタ背面に突出する電源用端子収容筒部と信号用端子収容筒部の状態を示す拡大斜視図である。
【図9】第1実施形態の受電側コネクタの奥壁部に形成された信号端子用排水口の位置を示す拡大正面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】第1実施形態の受電側コネクタの奥壁部に形成された信号端子用排水口の位置を示す拡大背面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】第1実施形態の受電側コネクタに装備された信号端子用排水口への被水を防止する保護壁の説明図である。
【図14】本発明に係る受電側コネクタに装備される配水管の第2実施形態の縦断面図である。
【図15】発明に係る受電側コネクタに装備される配水管の第3実施形態の縦断面図である。
【図16】従来の給電コネクタの受電側コネクタと給電側コネクタの斜視図である。
【図17】図16に示した受電側コネクタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る受電側コネクタ5の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1〜図4は本発明に係る受電側コネクタの第1実施形態を示したもので、図1は本発明に係る受電側コネクタの第1実施形態の背面側から見た斜視図、図2は図1に示した受電側コネクタの正面図、図3は図1に示した受電側コネクタの背面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図である。
【0031】
この第1実施形態の受電側コネクタ51は、図16の受電側コネクタ5に相当するもので、給電装置に接続された給電側コネクタが嵌合接続可能に電気自動車の車体に取り付けられる。
【0032】
受電側コネクタ51は、ハウジング本体61と、開閉キャップ71と、電源用端子収容筒部81と、信号用端子収容筒部91と、本体排水口101と、配水管103と、信号端子用排水口111と、を備えている。
【0033】
ハウジング本体61は、図16に示した給電側コネクタ3の筒状のハウジング前側筒部3aが内周に嵌合する外筒壁部62と、該外筒壁部62の一端側(奥側)を閉塞する奥壁部63とを備えた有底筒状構造に形成されている。また、外筒壁部62の外周には、車体への取付け部となるフランジ部64が、一体形成されている。
【0034】
上記ハウジング本体61は、外筒壁部62の他端側の開口62aを上方又は斜め上方に向けて前記車体に取り付けられる。
【0035】
開閉キャップ71は、外筒壁部62の開口62aを開閉可能に覆う略円形の蓋体である。この開閉キャップ71は、図1に示すように、外周の一側がヒンジ機構73により外筒壁部62に回動可能に連結されている。図1の矢印Rは、ヒンジ機構73による開閉キャップ71の回動方向を示している。また、ヒンジ機構73に対向する位置となる開閉キャップ71の外周の他側には、図2に示すように、係止部74が設けられている。
【0036】
開閉キャップ71は、ヒンジ機構73による回動により、開口62aを開閉可能になっている。開閉キャップ71は、開口62aを閉じた状態では、外筒壁部62の外周に一体形成されたキャップ係止片65が係止部74に係合することで、開口62aを閉じた状態に固定される。
【0037】
電源用端子収容筒部81は、外筒壁部62の内側の奥壁部63に固定されている。本実施形態の場合、電源用端子収容筒部81は、図2に示すように奥壁部63の中心Oを挟む左右2箇所に設けられている。また、電源用端子収容筒部81は、図3及び図8に示すように、車体側電源用端子83を収容保持する。この車体側電源用端子83は、図16に示したハウジング前側筒部3a内の第1端子収容筒部31に収容保持された不図示の装置側電源用端子に接続される端子金具である。
【0038】
信号用端子収容筒部91は、外筒壁部62の内側の奥壁部63に固定されている。本実施形態の場合、信号用端子収容筒部91は、図2に示すように、奥壁部63の中心Oを挟む上下2箇所に設けられている。また、それぞれの信号用端子収容筒部91は、図2に示すように、その内部に、4本の端子保持筒部93を有している。4本の端子保持筒部93の基端は、図8に示すように、奥壁部63の背面から突出している。これらの各端子保持筒部93は、図4に示すように、車体側信号用端子95を収容保持する。車体側信号用端子95は、図16に示したハウジング前側筒部3a内の第2端子収容筒部32に収容保持された不図示の装置側信号用端子に接続される端子金具である。車体側信号用端子95の基端には、図4に示すように、車載のバッテリへの給電部に接続される信号用電線96が接続されている。
【0039】
本体排水口101は、図2及び図4に示すように、外筒壁部62の内側の奥壁部63上で、車体に取り付けられた状態で最下端となる位置に貫通形成されている。そして、本実施形態の場合は、本体排水口101には、図4に示すように、配水管(グロメット)103が接続されている。
【0040】
配水管103は、奥壁部63の背部から所定の長さに渡って延出している。また、配水管103は、シリコン又はエチレンプロピレンゴム等の弾性材料の射出成形により形成された部材である。この配水管103は、図5〜図7に示すように、奥壁部63に形成された本体排水口101に弾性変形状態で挿入される係合部104と、本体排水口101に繋がる排水経路を形成する管本体105とを有している。
【0041】
係合部104は、図5及び図6に示すように、略三角形状の両側壁104aの頂部側を連結壁104bで連結した構造で、図5に示すように、連結壁104bの後端面を本体排水口101の内周縁に係合させることで、本体排水口101に固定される。
【0042】
管本体105は、図6及び図7に示すように、角筒状で、途中に曲がり部105aが形成されている。曲がり部105aを装備していることにより、車体下方で跳ね上がった水が配水管103の端部開口103bに飛び込んでも、本体排水口101には到達し難く、車体下方で跳ね上がった水が本体排水口101からハウジング本体61内に侵入することを防止することができる。
【0043】
信号端子用排水口111は、信号用端子収容筒部91に侵入した水を外部に排水する開口部である。また、信号端子用排水口111は、図8〜図12に示すように、各信号用端子収容筒部91毎に、信号用端子収容筒部91の内周縁に隣接する2箇所で、奥壁部63を貫通して設けられている。
【0044】
更に、本実施形態では、図13に示すように、奥壁部63の外部となるコネクタ背面から信号端子用排水口111への被水を防止する保護壁113を備えている。
【0045】
以上に説明した第1実施形態の受電側コネクタ51では、受電側コネクタ51に対する給電側コネクタの接続操作が屋外等で実施され、雨滴等の異物が開口62aから外筒壁部62の内側に侵入した際には、侵入した異物は、本体排水口101から、該本体排水口101に接続されている配水管103を経由して、速やかに外部に排出される。
【0046】
従って、内部に侵入した雨滴等の異物が外筒壁部62の内部に蓄積することがなく、異物の蓄積によって給電側コネクタとの接続に支障が生じることがない。
【0047】
また、以上に説明した第1実施形態の受電側コネクタ51では、配水管103が屈曲した排水経路を形成しているため、コネクタの背面側となる車体下方から跳ね上げられた砂利や泥水などは、配水管103の開口に飛び込んだとしても、本体排水口101には到達し難い。
【0048】
従って、跳ね上げの水等が本体排水口101から受電側コネクタ内に侵入して受電側コネクタの内部を汚損することを、防止することもできる。
【0049】
また、以上に説明した第1実施形態の受電側コネクタ51では、信号用端子収容筒部91に侵入した水は、信号端子用排水口111から外部に速やかに排出することができる。
【0050】
即ち、信号用端子収容筒部91には、侵入した水が溜まることがなく、受電側コネクタ51に給電側コネクタ3を接続した際に、例えば電流のリークの発生などの不都合を確実に防止することができる。
【0051】
なお、上記実施形態では示していないが、電源用端子収容筒部81にも、該電源用端子収容筒部81に侵入した水を排出する電源端子用排水口が設けられる。そのため、電源用端子収容筒部81に侵入した水は電源端子用排水口から外部に速やかに排出することができる。従って、電源用端子収容筒部81にも、侵入した水が溜まることがなく、受電側コネクタ51に給電側コネクタ3を接続した際に、例えば電流のリークの発生などの不都合を確実に防止することができる。
【0052】
また、以上に説明した第1実施形態の受電側コネクタ51では、車両走行時等に車体下方から跳ね上がった水等が信号端子用排水口111へ侵入することを、保護壁113が防止する。従って、跳ね上げの水等で、信号用端子収容筒部91内が汚損することを防止することもできる。
【0053】
なお、上記実施形態では示していないが、電源用端子収容筒部81の排水用に装備される電源端子用排水口にも、奥壁部63の外部となるコネクタ背面から電源端子用排水口への被水を防止する保護壁が設けられる。
【0054】
従って、車両走行時等に車体下方から跳ね上がった水等が電源端子用排水口へ侵入することを、保護壁が防止する。そのため、跳ね上げの水等で、電源用端子収容筒部81内が汚損することを防止することもできる。
【0055】
なお、本発明の受電側コネクタは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、本体排水口101に接続する配水管は、図14又は図15に示す構造とすることもできる。
【0056】
図14に示した配水管103Aは、図7に示した第1実施形態の配水管103における管本体105内に、逆流防止の弁107を設けた構成である。弁107を追加した点以外は、第1実施形態の配水管103と同一の構造である。
【0057】
弁107は、端部開口103b側に向かって流路断面を徐々に狭める形状に、射出成形時に管本体105に一体形成される。
【0058】
本体排水口101に図14に示した配水管103Aが接続された受電側コネクタ51の場合は、配水管103A内の水が本体排水口101側に逆流することを確実に防止することができる。そのため、車体下方から跳ね上げられた水等の異物が配水管103Aを介して本体排水口101に侵入することを、より確実に防止することができる。
【0059】
図15に示した配水管103Bは、図7に示した第1実施形態の配水管103における管本体105内に、フィルタ108を設けた構成である。フィルタ108を追加した点以外は、第1実施形態の配水管103と同一の構造である。
【0060】
フィルタ108は、所定以上の粒径の異物の通過を規制する瀘材で、水の通過は許容する。
【0061】
本体排水口101に図15の配水管103bが接続された受電側コネクタ51の場合は、車両走行時の風圧等で、外部の砂利や泥等の異物が配水管の開口に飛び込んだとしても、配水管に飛び込んだ異物は、フィルタにより捕集して、異物が本体排水口に侵入することを防止することができる。
【符号の説明】
【0062】
51 受電側コネクタ
61 ハウジング本体
62 外筒壁部
63 奥壁部
81 電源用端子収容筒部
91 信号用端子収容筒部
101 本体排水口
103 配水管
104 係合部
105 管本体
107 弁
108 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電装置に接続された給電側コネクタが嵌合接続可能に電気自動車の車体に取り付けられる受電側コネクタであって、
前記給電側コネクタの筒状のハウジング前側筒部が内周に嵌合する外筒壁部と、該外筒壁部の一端側を閉塞する奥壁部とを備えた有底筒状構造に形成されて、他端側の開口を上方又は斜め上方に向けて前記車体に取り付けられるハウジング本体と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部に一体形成されて、前記ハウジング前側筒部内の装置側電源用端子に接続される車体側電源用端子を収容保持した電源用端子収容筒部と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部に一体形成されて、前記ハウジング前側筒部内の装置側信号用端子に接続される車体側信号用端子を収容保持した信号用端子収容筒部と、
前記外筒壁部の内側の前記奥壁部上で、前記車体に取り付けられた状態で最下端となる位置に貫通形成された本体排水口と、
前記本体排水口に嵌合装着されて、前記本体排水口に屈曲した排水経路を形成する配水管と、
を備えたことを特徴とする受電側コネクタ。
【請求項2】
前記配水管内に、逆流防止の弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の受電側コネクタ。
【請求項3】
前記配水管内に、所定以上の粒径の異物の通過を規制するフィルタを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の受電側コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−119144(P2012−119144A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267305(P2010−267305)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】