説明

口腔用スズ組成物

本発明は、
a)
i.0.1%〜1.5%の亜鉛イオン、及び
ii.0.1%〜2%のスズ(II)イオン
を含む0.2%〜3%の二価金属イオンと、
b)フッ化物イオン源と、
c)シリカ歯科用研磨剤と、
d)1000未満の分子量を有し、亜鉛イオンと水溶性の錯体を形成することができ、4つ以上の鎖長を有する直鎖ポリホスフェートの含まれる量が0.2%未満である、1つ以上のキレート剤と、
e)少なくとも合計20%の水を含む、口腔用に許容できる担体と、
を含み、組成物のpHは5〜6.5であり、キレート剤対二価金属イオンのモル比は少なくとも0.70:1であり、合計の亜鉛イオンの少なくとも80重量%が組成物内で可溶化されている水性口腔用組成物に関するものである。
本発明の組成物は、キレート剤を低濃度で有する組成物に比較して、味、着色又は安定性の顕著な問題なしに、亜鉛/第一スズの組み合わせによる改善された抗菌活性をもたらすことが見出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスズ(II)及び亜鉛イオンの両方を含む口腔用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フッ化第一スズ及び/又はその他の第一スズ塩の口腔用組成物において供給されるスズ(II)(第一スズ)イオンは、これによって得られる複数の利点(抗菌効果、息の悪臭の制御、歯垢増加及び代謝の制御、歯肉炎の減少、歯周病の進行の抑制、象牙質過敏症の抑制、並びに歯冠及び歯根の虫歯及び齲食の減少を含む)のため、重要なものとして活用されている。しかしながら、利益と共に、よく知られた問題がいくつか存在する。通常のフッ化第一スズの使用で最も顕著な副作用の1つは、歯の黄〜茶色の着色汚れである。この着色汚れは、菌膜、歯垢、及び食物の構成要素と、有効なフッ化第一スズ処方での処置中に歯表面に付着した利用可能な第一スズとの反応に由来する。有効なフッ化第一スズ処方の使用中に、日常的に直面する第2の副作用は、許容できないほどの渋味を処方が有することである。更に、スズ(II)イオンを安定な状態で配合する際には、スズ(IV)への酸化と、水酸化第一スズとしての水溶液からの沈殿の両方が起こりやすいため、問題が生じる。後者はpH依存性の現象であり、典型的には、低pHで配合することにより、及び/又は無水組成物中で組成することにより、避けることができる。しかしながら、フッ化物源がシリカ歯科用研磨剤の存在下で利用される場合には、フッ化物がシリカと反応する傾向が高まるため、低pHでの配合は好ましくない。けれども水性組成物中の処方は、コスト及び処方の柔軟性などの理由から有利である。第一スズ化合物の別のアプローチは、米国特許第3,282,792号、WO特許第96/17587号、米国特許第5,004,597号、同第5,213,790号及び同第2007/0025928号に開示されている組成物のキレート化剤を含めることである。
【0003】
亜鉛イオンも、口腔用組成物に有利なものとして含まれる。亜鉛イオンと第一スズイオンとを組み合わせることで、より広いスペクトルの抗菌活性が得られるが、亜鉛イオンはまた、第一スズの安定化に使用するキレート化剤に対して競合するため、処方を更に難しいものにする。亜鉛の渋味もまた周知であり、その渋味の度合は組成物内に存在する亜鉛の形態に依存することが見出されている。
【0004】
欧州特許EP 426 213号は、抗歯垢システムとして亜鉛及び第一スズの組み合わせを含む口腔用組成物を開示している。
【0005】
PCT国際公開特許WO 94/14406号及びWO 94/14407号は、亜鉛イオン源、好ましくは酸化亜鉛又は硝酸亜鉛をクエン酸イオン源及びピロリン酸イオン源と共に、定義された比率で処方することについて記載している。PCT国際特許WO 00/61092号は、pH3〜5.5で歯磨剤を緩衝することによる歯磨剤中の亜鉛の生物学的利用能の増加について開示している。この亜鉛は、わずかに可溶性の亜鉛化合物、特にクエン酸亜鉛によって供給される。
【0006】
PCT国際特許WO 2007/076001号は、主に非水溶性の亜鉛化合物及びフィチン酸塩を含む口腔ケア組成物を開示している。この実施例組成物のいくつかには、第一スズイオンが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,282,792号
【特許文献2】WO特許第96/17587号
【特許文献3】米国特許第5,004,597号
【特許文献4】米国特許第5,213,790号
【特許文献5】米国特許第2007/0025928号
【特許文献6】欧州特許EP 426 213号
【特許文献7】PCT国際公開特許WO 94/14406号
【特許文献8】PCT国際公開特許WO 94/14407号
【特許文献9】PCT国際特許WO 00/61092号
【特許文献10】PCT国際特許WO 2007/076001号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の全てのものにも関わらず、亜鉛の口腔用組成物への処方において、抗歯垢効果と許容可能な味との組み合わせを送達するためには更なる改善が必要である。
【0009】
キレート剤濃度を慎重に選択することにより、フッ化物、亜鉛及び第一スズを含む口腔内組成物は、第一スズの安定性を低下させることなく、典型的に使用されているものよりも高いpHで処方できることが今では判明している。これにより、フッ化物の安定性に利点が得られ、亜鉛に由来する味の問題を避けることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
a)
(i)0.1%〜1.5%の亜鉛イオン、及び
(ii)0.1%〜2%のスズ(II)イオン
を含む0.2%〜3%の二価金属イオンと、
b)フッ化物イオン源と、
c)シリカ歯科用研磨剤と、
d)4つ以上の鎖長を有する直鎖ポリホスフェートを0.2%未満で含む、1000未満の分子量を有する、1つ以上のキレート剤と、
e)少なくとも合計20%の水を含む、口腔用に許容できる担体と、
を含み、組成物のpHは5〜6.5であり、キレート剤対二価金属イオンのモル比は少なくとも0.70:1であり、合計の亜鉛イオンの少なくとも80重量%が組成物内で可溶化されている、水性口腔用組成物に関するものである。
【0011】
オルトリン酸イオンが存在する場合、オルトリン酸イオン対亜鉛イオンのモル比は0.2:1未満である。
【0012】
本発明の組成物は、キレート剤を低濃度で有する組成物に比較して、味、着色又は安定性の顕著な問題なしに、亜鉛/第一スズの組み合わせによる改善された抗菌活性をもたらすことが見出されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特に指示がない限り、本明細書の全ての百分率及び比率は、組成物合計の重量基準であり、全ての測定は25℃で行われる。
【0014】
本発明は、水性口腔用組成物に関するものである。この組成物は、マウススプレー、マウスウォッシュ又は練り歯磨若しくはジェルの形態であり得る。好ましくはこの組成物は、歯磨きでの使用に適した練り歯磨又は歯磨用ジェルの形態である。
【0015】
本発明の口腔用組成物は、亜鉛及びスズ(II)イオンの両方を含む二価金属イオンを0.2%〜3%、好ましくは0.3%〜2%、より好ましくは0.4%〜1.5%含む。他の二価金属イオンは除外されず、例えば銅(II)を含み得るが、好ましくは二価金属イオンの少なくとも80%、より好ましくは90%が、第一スズ及び亜鉛イオンである。好ましくは、第一スズイオン対亜鉛イオンのモル比は、0.2:1〜3:1、より好ましくは0.5:1〜3:1、更により好ましくは1:1〜2:1である。
【0016】
亜鉛イオン
本明細書の口腔用組成物の第一成分は、組成物に対し、0.1〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.15〜0.5重量%の亜鉛イオンを供給するのに十分な亜鉛イオン源である。組成物内で実質的に可溶性になっていることにより亜鉛イオンが容易に生物学的に利用される状態であることが、本発明の一利点である。しかしながら、クエン酸などの一部のキレート化剤が、組成の調製時に亜鉛を可溶性にする能力を有しているため、組成物に加えられた亜鉛イオン源自体は必ずしも水溶性である必要はない。よって、酸化亜鉛又は炭酸亜鉛などの不溶性又は微溶性の亜鉛化合物をこの亜鉛源として使用することができる。ただし、好ましい亜鉛源は、塩化亜鉛又は硫酸亜鉛などの水溶性亜鉛源である。より好ましい亜鉛源は、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛及びグリシン酸亜鉛など、亜鉛がすでに塩又はその他の錯体の形態で適切なキレート化剤と結合しているものである。特に好ましい亜鉛イオン源は、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛及びこれらの混合物である。
【0017】
第一スズイオン
本発明の口腔用組成物の第二成分は、組成物に対し、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.7重量%の第一スズ(スズ(II))イオンを供給するのに十分な第一スズイオン源である。亜鉛イオンと共に、組成物内で実質的に可溶性になっていることにより第一スズイオンが容易に生物学的に利用される状態であることが、本発明の一利点であるが、第一スズイオンの最初の供給源が何であるかは重要ではない。適切な第一スズイオン源としては、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、酢酸第一スズ、グルコン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、硫酸第一スズ、乳酸第一スズ、酒石酸第一スズが挙げられる。特に好ましいスズ(II)イオン源は、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、グルコン酸第一スズ及びこれらの組み合わせである。
【0018】
フッ化物イオン
本明細書で非常に好ましい成分の1つが、フッ化物イオン源である。歯磨剤又はその他の口腔用組成物には、齲食予防効果を提供するのに十分なフッ化物イオン濃度を得るのに十分な量で存在する水溶性フッ化物化合物を有するのが普通である。本明細書の口腔用組成物は、0.01%〜0.35%(100〜3500ppm)、好ましくは0.03%〜0.2%(300〜2000ppm)のフッ化物イオンを供給するのに十分なフッ化物イオン源を好ましくは含む。広範なフッ化物イオン生成物質を、本組成物中の可溶性フッ化物の供給源として使用することができる。適切なフッ化物イオン生成物質の実施例は、米国特許第3,535,421号(1970年10月20日、ブライナー(Briner)ら)及び同第3,678,154号(1972年7月18日、ウィダー(Widder)ら)に見出される。代表的なフッ化物イオン源には、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化インジウム、その他数多くのものが挙げられる。しかしながら、モノフルオロリン酸ナトリウムは亜鉛イオンと反応して不溶性の塩を生成し得ることが見出されている。したがって好ましくは、フッ化物イオン源に含まれるモノフルオロリン酸ナトリウムは、0.2%未満、好ましくは0.1%未満である。好ましいフッ化物イオン源は、フッ化第一スズ及びフッ化ナトリウム、並びにこれらの混合物である。
【0019】
研磨剤
歯科用研磨剤は、表面の着色及び菌膜を除去する能力と歯の研磨のために、練り歯磨又は歯磨用ジェルなどの口腔用組成物に有用である。歯科用研磨剤は、本発明の組成物にきわめて好ましい成分である。本発明の口腔用組成物において有用な歯科用研磨剤には、さまざまに異なる種類の材質が挙げられる。選択される物質は、目的の組成物との混和性があり、象牙質を過度に削らないものでなければならない。好適な研磨剤には、例えば、ゲル及び沈殿物を含むシリカ、不溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、並びに尿素とホルムアルデヒドとの粒子状縮合生成物のような樹脂性研磨剤物質が挙げられる。本発明で用いられる別の部類の研磨剤は、米国特許第3,070,510号に記載されている、粒子状熱硬化性重合樹脂である。好適な樹脂としては、例えば、メラミン類、フェノール樹脂、尿素類、メラミン−尿素類、メラミン−ホルムアルデヒド類、尿素−ホルムアルデヒド類、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド類、架橋エポキシド類、及び架橋ポリエステル類が挙げられる。
【0020】
様々な種類のシリカ歯科用研磨剤は、歯のエナメル質又は象牙質を過度に削らない、優れた歯の洗浄及び研磨性能という独特の利益があるため、本明細書において好ましい。本明細書において、シリカ砥粒研磨物質及びその他の研磨剤は一般に、0.1〜30μm、及び好ましくは5〜15μmの範囲の平均粒度を有する。研磨剤は、沈殿シリカ又は米国特許第3,538,230号及び同第3,862,307号に記載されているシリカキセロゲル類のようなシリカゲル類であり得る。実施例には、W.R.グレース社(W.R.Grace & Company)(デヴィソン・ケミカル(Davison Chemical)部門)から「サイロイド(Syloid)」の商品名で販売されているシリカキセロゲル、並びにJ.M.フーバー(J.M.Huber)からゼオデント(Zeodent)(登録商標)の商品名で販売されている沈殿シリカ、特にゼオデント(登録商標)119、ゼオデント(登録商標)118、ゼオデント(登録商標)109及びゼオデント(登録商標)129の表記を有するシリカが挙げられる。本発明の練り歯磨きに有用なシリカ歯科用研磨剤のタイプは、更に詳細に米国特許第4,340,583号、同第5,603,920号、同第5,589,160号、同第5,658,553号、同第5,651,958号、及び同第6,740,311号に記述されている。
【0021】
上に列挙された様々な等級のゼオデント(登録商標)シリカ研磨剤の混合物など、研磨剤の混合物を用いることができる。本発明の歯磨剤組成物中の研磨剤の合計量は、典型的には組成物の6重量%〜50重量%の範囲である。本発明の歯科用溶液、口内スプレー、うがい薬、及び非研磨剤ゲル組成物は、典型的には、少量の研磨剤しか含有しないか、又は研磨剤を全く含有しない。
【0022】
キレート剤
本発明の口腔用組成物は、1000未満の分子量を有する1つ以上のキレート剤(別名キレート化剤)を含む。本明細書で使用される用語「キレート剤」は、二価金属イオンを結合することができる2つ以上の基を有する二座配位子又は多座配位子を意味し、少なくともキレート剤混合物の一部分として、口腔用組成物内の全亜鉛イオンの少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を可溶化することができる。最高100%が可溶化され得る。典型的には、本明細書において有用なキレート剤は更に、第一スズイオンと水溶性錯体を形成する。フィチン酸塩は例外であり、フィチン酸亜鉛は可溶性だがフィチン酸第一スズはそうではない。本発明の目的のため、分子量が1000未満であるかどうかを決定するのに使用される関連した分子量は、組成物の調製の際に加えられる物質の分子量であるとする。すなわち、キレート剤がクエン酸種(クエン酸、クエン酸ナトリウム、又は更にその他の塩の形態として供給され得る)の場合、使用される分子量は、組成物に添加される特定の塩又は酸の分子量であって、存在し得る結晶水があっても無視される。必要な場合、例えばキレート剤が、異なる分子量を有するが密接に関連する分子の混合物として供給される場合、供給される物質の平均分子量が使用されるものとする。例えば、フィチン酸はしばしば、単にイノシトールヘキサキスリン酸(IP6)を指して使用されるが、フィチン酸の市販品はしばしば、リン酸化の度合が少ないイノシトール(例えばIP2、IP3、IP4及びIP5)をかなりの量含む。この場合、供給される物質が混合物である場合は、平均のリン酸化度合を有する単一の物質として扱うことができ、分子量もそれに従って算出することができる。本明細書における適切なキレート剤には、C〜Cのジカルボン酸及びトリカルボン酸(例えばコハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸)、ヒドロキシル置換C〜Cのモノカルボン酸(例えばグルコン酸)、ピコリン酸、アミノ酸(例えばグリシン)、フィチン酸、これらの塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、トリポリリン酸塩も好適である。長い直鎖ポリリン酸塩は、良いキレート剤ではあるが、水性組成物中で加水分解を起こしやすい。加水分解によってオルトリン酸塩が形成され、これは不溶性の亜鉛錯体を形成する。したがって、直鎖長が平均4つ以上のリン酸基を有する直鎖ポリリン酸塩の量は、0.2%未満、好ましくは0.1%未満に抑えられる。最も好ましくは、長い直鎖ポリリン酸塩はキレート剤として使用されない。
【0023】
一部の物質、特にオルトリン酸塩は、二価金属イオンを結合することができる2つ以上の基を有する二座配位子又は多座配位子であることからキレート剤と見なすことが可能であるが、しかしそれにもかかわらず、不溶性の亜鉛塩を形成するため、本発明のためのキレート剤としては有用ではない。本発明の目的のための有用なキレート剤又はキレート剤混合物は、組成物に加えられた亜鉛の少なくとも80%が可溶性になるものである。可溶性亜鉛の測定方法は後述される。オルトリン酸塩はしばしば、口腔用組成物の緩衝剤として使用される。しかしながら、オルトリン酸イオンは亜鉛と緊密に結合して不溶性の錯体を形成するため、本発明の組成物には好ましくはこれらが含まれず、もし存在するとしても、オルトリン酸イオン対亜鉛イオンのモル比は0.2:1未満、好ましくは0.1:1未満、より好ましくは0.05:1であるものとする。好ましいキレート剤は、pH5.5で自ら水溶性の亜鉛錯体を形成する。すなわち、キレート剤と亜鉛イオンとの中性塩又は錯体が、pH5.5において、少なくとも1%の濃度で水に可溶性である。
【0024】
本明細書においては、フィチン酸塩が着色除去の利点も提供するため、好ましいキレート剤である。しかしながら、フィチン酸第一スズは可溶性ではないため、好ましくは単独のキレート剤として使用せず、好ましくはこのセクションに記述されている有機酸と組み合わせて使用される。上述のように、市販のフィチン酸はしばしば、リン酸化の度合が6よりも少ないイノシトール(例えばIP2、IP3、IP4及びIP5)をかなりの量含む。本明細書で別途記載がない限り、「フィチン酸」又は「フィチン酸塩」は、平均のリン酸化度が2より大、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であるイノシトールを示す。
【0025】
有機酸キレート剤は一般に、可溶性の亜鉛錯体を形成する。本明細書において好ましい有機酸キレート剤は、遊離酸又は塩のいずれかの形態で加えられた、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、及びこれらの混合物を含む。
【0026】
二価金属イオンに対して使用されるキレート剤のモル比は、少なくとも0.70:1、好ましくは少なくとも0.8:1であり、最高は例えば20:1になり得る。二価金属イオンに対するキレート剤のモル比は、キレート剤のモル数合計を金属イオンのモル数合計で割ったものである。クエン酸亜鉛は、キレート剤対亜鉛の比2:3をもたらす。グルコン酸第一スズは、キレート剤対スズ(II)の比2:1をもたらす。クエン酸亜鉛とグルコン酸第一スズの等モル混合物を使用すると、キレート剤対二価金属イオンのモル比は(2+2)/(3+1)=1:1となる。第一スズ及び亜鉛それぞれがクエン酸塩(比2:3)として供給されるとすると、少なくとも0.70:1の比をもたらすために、遊離キレートを更に追加する必要が生じ得る。
【0027】
本組成物のpH5〜6.5の範囲において、モデル化により、本明細書の好ましいキレート剤の多くが、亜鉛イオンを優先的にキレート化し、これは一般に、必ずしも中性の亜鉛種ではなく、キレート化されたものとして、口腔用組成物内で実質的に可溶化される。本明細書に実施例として記載されている組成物において、典型的に、第一スズイオンの約50%がキレート化されている。味、着色又は安定性の顕著な問題なしに、亜鉛/第一スズの組み合わせにおいて改善された抗菌活性を得るには、これで十分であることがこれまでに示されている。
【0028】
本発明の口腔用組成物内の亜鉛及び可溶性亜鉛の合計全量は、次に示すように原子吸光法を用いて測定することができる。
【0029】
全亜鉛量組 成物1gを計量し、100mLメスフラスコに入れる。3Mの塩酸30mLを加え、フラスコを約半分満たし、電磁攪拌棒を加え、約60分間攪拌して組成物を分散させる。攪拌棒を取り出し、沸騰した水浴上でこの溶液を60分間加熱する。溶液を冷まし、脱イオン水で所定の体積まで希釈する。溶液を10000rpmで10分間遠心分離器にかける。上澄みが澄んでいない場合は、更に10分間遠心分離器にかける。澄んだ上澄み液2mLを、1M塩酸で希釈して100mLにする。
【0030】
可溶性亜鉛 50mL遠心管に、3g±0.01gの組成物、及び9g±0.01gの10%脱イオン水を計量する。ガラスボール6個を入れてキャップをする。2分間渦状に攪拌してから、15000rpmで15分間遠心分離器にかける。上澄み0.5gを250mLメスフラスコに計り取り、3M塩酸30mLを加え、水で所定の体積まで希釈する。この溶液5mLを、1M塩酸で希釈して10mLにする。
【0031】
参照溶液として0.1、0.2、0.3、0.5、0.7mg/Lの1M塩酸中亜鉛溶液を使用し、各試料の亜鉛量(全亜鉛及び可溶性亜鉛)を原子吸光分光計(AAS)で測定することができる。このとき、1M塩酸をブランク溶液として使用し、自動ゼロ調整及びAASの設定を次のように行う:
【表1】

【0032】
本発明の好ましい組成物において、可溶性亜鉛イオンの濃度は500〜5000ppmであり、好ましくは1000〜4000ppmである。
【0033】

使用される用語「口腔用に許容できる担体」は、本発明の活性成分を含み、口腔に送達するための液体又は半固体のビヒクル(例えばペースト又はジェル)を意味する。担体には、少なくとも合計20%の水が含まれる。水は口腔用組成物における担体物質として普通に使用される。水は加工助剤として有用であり、口に対して害が無く、練り歯磨きの迅速な発泡を助ける。水はそれ自体を成分として添加してもよく、又はソルビトール及びラウリル硫酸ナトリウムのような他の一般的な原材料中の担体として存在してもよい。本明細書で使用するとき、用語「合計水」とは、別個に添加された、又は、他の原材料のための溶媒若しくはキャリアとして、組成物中に存在する水の合計量を意味するが、特定の無機塩類の結晶水として存在し得るものを除く。本明細書における好ましい歯磨剤組成物は、合計で20%〜65%、好ましくは30%〜55%、より好ましくは40%〜50%の水を含む、水性組成物である。担体は更に、例えば減感剤、歯ホワイトニング剤(過酸化物源など)、ハーブ剤、緩衝剤、抗着色剤、増粘剤、保湿剤、界面活性剤、香味剤、甘味剤、及び着色剤などの、他の従来の添加物を口腔ケア組成物に含めることができる。本明細書の口腔用組成物は、好ましくは単一相であり、すなわち組成物のすべての成分が容器の単一の区画内に収容することができ、使用前の更なる混合が不要である。
【0034】
本明細書の組成物のpHは5〜6.5、より好ましくは5.5〜6.0の範囲である。歯磨組成物のpHは、3:1の歯磨剤の水性スラリー、即ち3部の水対1部の歯磨剤で測定される。
【0035】
他の成分
本発明の口腔用組成物は、下記により詳しく述べるように、通常及び従来の補助的構成成分を含み得る。
【0036】
保湿剤は本明細書の組成物の任意であるが好ましい成分である。保湿剤は、歯磨剤が空気に曝されて硬化するのを防ぐ、口に潤い感を与える、また、特定の保湿剤については所望の甘さのフレーバを付与するよう機能する。保湿剤は、純粋な保湿剤を基準として、一般に組成物の5重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜45重量%含まれる。好適な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールのような食用多価アルコール類、特にソルビトール及びグリセリンが挙げられる。
【0037】
本発明の組成物はまた、一般に界面活性剤を含む。有用な界面活性剤の種類としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性及びベタイン界面活性剤類が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、洗浄性及び発泡性を提供するために含むことができ、典型的には0.1重量%〜2.5重量%、好ましくは0.3重量%〜2.5重量%、最も好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で使用される。カチオン性界面活性剤を使用してもよいが、他の成分とそれらの適合性について注意をする必要がある。カチオン性界面活性剤は、典型的には、追加のアニオン性界面活性剤と同様の濃度で使用され、ベタイン界面活性剤も同じように使用される。いくつかの非イオン性界面活性剤は、それらを用いてリンギングゲル(ringing gel)を形成することが望ましい場合、20%以下のような、実質的により高い濃度で有用である場合がある。
【0038】
本明細書で有用なアニオン性界面活性剤としては、アルキルラジカル中に10〜18個の炭素原子を有するアルキル硫酸の水溶性塩及び10〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム及びココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウム類は、この種のアニオン性界面活性剤の例である。また本明細書で有用なのは、ラウロイルサルコシネート、ミリストイルサルコシネート、パルミトイルサルコシネート、ステアロイルサルコシネート、及びオレオイルサルコシネートのような、サルコシネート界面活性剤、アルキルスルホアセテート類、イセチオネート界面活性剤、及びタウレート界面活性剤である。上記の全ては、一般にそれらのアルカリ金属又はアンモニウム塩として使用される。
【0039】
好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポロキサマー、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合体、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、及びこのような物質の混合物が挙げられる。好ましいベタイン界面活性剤としては、ココアミドエチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0040】
本発明で有用な好ましいカチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ジイソブチルフェノキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、フッ化セチルピリジニウム等のような、8〜18個の炭素原子を含有する1つのアルキル長鎖を有する脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。これらのカチオン性界面活性剤のいくつかは、抗菌剤としても有用である。
【0041】
練り歯磨き又はジェルの調製においてはしばしば、組成に望ましい稠度をもたらすため、使用中に特質放出を望ましくアクティブに行うため、貯蔵安定性を高めるため、組成物の安定性をもたらすためなどの目的で、増粘剤又は結合剤を添加する必要がある。増粘剤には、カルボキシビニルポリマー類、カラギーナン、非イオン性セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC))、及びセルロース誘導体の水溶性塩(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC))が含まれ得る。カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴム、及びトラガカントガムのような天然ゴムを本明細書で使用することもできる。好適な増粘剤の濃度は、0.1〜5%の範囲であり、必要に応じてそれより高くすることができる。
【0042】
第一スズイオンを含む本組成物は、被覆されていない象牙質によって起こる歯の過敏症の治療に用いることができる。被覆されていない象牙質では、細管がさまざまな刺激の攻撃を受けやすくなり、痛みを引き起こすことがある。これは、象牙質細管内の液体移動の結果、神経繊維を刺激するからであると考えられている。開放状態の象牙質細管に堆積物の物理的又は化学的付着を行うことが、過敏症の効果的な治療のための対策として受け入れられているメカニズムである。第一スズは、適切な溶液及び単純な処方で、細管に付着することが示されている。付着には、無機質、コラーゲン又は歯液との反応が含まれ得る。第一スズの有する抗過敏症性質の主なメカニズムは、無機質又は歯液のいずれかに対し、付着メカニズムを通じて細管をアクティブにブロックすることであり得る。
【0043】
本組成物の他の任意成分としては更に、過敏症を制御するための象牙質減感剤、特にカリウム及びストロンチウムの塩(硝酸カリウムなど)がある。
【0044】
有機抗菌剤もまた使用することができる。このような薬剤の中に含まれるのは、非水溶性非カチオン性抗微生物剤(ハロゲン化ジフェニルエーテル類、特にトリクロサン)、及びチモールなどの精油である。水溶性抗菌剤としては、塩化セチルピリジニウムのような第四級アンモニウム塩が挙げられる。酵素は、本発明の組成物に使用することができる、別の種類の活性物質である。有用な酵素としては、プロテアーゼ、溶菌酵素、歯垢マトリクス阻害物質及びオキシダーゼの分類に属するものが挙げられる。オキシダーゼはまた、抗微生物特性に加えて、白色化活性/洗浄活性も有する。これらの薬剤は、米国特許第2,946,725号及び同第4,051,234号に開示されている。
【0045】
香味剤及び甘味剤も好ましくは本組成物に含まれる。好適な香味剤、並びに甘味剤は、当該技術分野において周知である。本明細書では本口腔用組成物中の好適な香味剤濃度は、0.1重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%である。広範囲の人々に許容し得るバランスのとれたフレーバを提供するため、典型的には、香味油は、別々の工程で製造され、天然及び/又は合成由来の多数の成分を含む。フレーバ成分は、ミント、香辛料、果物、柑橘類、薬草、薬品、及び日常的な食品のフレーバの種類(例えばチョコレート)から選択することができる。このような成分の、例証であるが非限定な例としては、リモネン、カリオフィレン、ミルセン、及びフムレンのような炭化水素;メントール、リナロール、3−デカノール、及びピノカルベオールのようなアルコール類;ピペリトン、メントン、スピカトン(spicatone)、及びL−カルボンのようなケトン類;アセトアルデヒド、3−ヘキサナール又はn−オクタナールのようなアルデヒド類;メントフラン、ピペリトンオキシド又はカルビルアセテート−7,7オキシドのようなオキシド類;酢酸及びオセノン酸(ocenoic)のような酸、並びにジメチルスルフィドのようなスルフィド類が挙げられる。また、成分としては、酢酸メンチル、イソブチル酸ベンジル、及び3−酢酸オクチルのようなエステルが挙げられる。フレーバ成分としてまた、例えば、メンタピペリタ(piperita)及びメンタアベンシス(arvensis)由来のペパーミント油のような精油類;メンタカルディアカ(cardiaca)及びメンタスピカタ(spicata)由来のもののようなスペアミント油類;セージオイル、パセリ油、マジョラム油、カッシア油、クローブ芽油、桂皮油、オレンジ油、ライム油、ユーカリ油及びアニス油を挙げることもできる。他の好適な成分は、ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、イオノン、アネトール、ユーカリプトール、チモール、サリチル酸メチル、バニリン、エチルバニリン及びバニラ抽出物である。フレーバ成分は、フェナロリ(Fenaroli)著、「フレーバ成分ハンドブック(Handbook of Flavor Ingredients)」(第3版、第1巻及び第2巻、CRCプレス社(CRC Press, Inc.)、1995年)並びにステフェン・アルクタンダー(Steffen Arctander)著「香料及びフレーバ化学物質(Perfume and Flavour Chemicals)」(第1巻及び第2巻、1969年)に更に詳細に記載されている。生理学的冷却剤もまた、フレーバ油に組み入れることができる。冷却剤は、広範な物質のいずれかであってよい。このような物質に含まれるのは、カルボキサミド、メントール、アセタール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物である。本明細書で好ましい冷却剤としては、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(「WS−3」として商業的に既知)及びこれらの混合物のようなp−メンタンカルボキサミド剤、並びにメントングリセリンアセタール(「MGA」として商業的に既知)が挙げられる。本発明に好適な更なる冷却剤が、国際公開第97/06695号に開示されている。
【0046】
本明細書の組成物は、カモミール、オーク樹皮、メリッサ、ローズマリー、及びサルビアの抽出物のような薬草成分を更に含むことができる。これらの並びに上述の薬草由来のフレーバ成分のいくつか(チモールなど)は、フレーバに寄与するのにちょうど十分な濃度を含んでもよく、あるいは、より高い治療効果を提供するために1%以上のようなより高濃度で添加してもよい。
【0047】
使用できる甘味剤としては、スクロース、グルコース、サッカリン、スクラロース、ブドウ糖、果糖、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩、タウマチン、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラミン酸塩(特にシクラミン酸ナトリウム)、スクラロース及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物は、好ましくは0.1%〜3%、より好ましくは0.1%〜1%のこれらの薬剤を含有する。
【0048】
組成物は、通常の顔料、染料、及び二酸化チタンのような不透明化剤を更に含んでもよい。組成物のために選択された成分は、互いに、化学的かつ物理的に適合性でなければならないことが理解されよう。
【実施例】
【0049】
次の実施例は、本発明の範囲内の好ましい練り歯磨き実施形態について更に説明して実証するものである。これらの実施例は単に例示することが目的であり、これらの変更の多くは可能であるので、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本発明による練り歯磨き組成物は、下記に構成成分量を重量%で示す。これらの組成物は、従来の方法を使用して製造された。
【表2】

クレスト(Crest)(登録商標)キャビティ・プロテクション(Cavity Protection)は米国で販売されている製剤であり、第一スズイオンも亜鉛イオンも含んでいない。
口内全体平均の平均スコア。
【0051】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)
(i)0.1%〜1.5%の亜鉛イオン、及び
(ii)0.1%〜2%のスズ(II)イオン
を含む0.2%〜3%の二価金属イオンと、
b)フッ化物イオン源と、
c)シリカ歯科用研磨剤と、
d)4つ以上の鎖長を有する直鎖ポリホスフェートを0.2%未満で含む、1000未満の分子量を有する、1つ以上のキレート剤と、
e)少なくとも合計20%の水を含む、口腔用に許容できる担体と、
を含む水性口腔用組成物であって、
該組成物のpHが5〜6.5であり、該キレート剤対該二価金属イオンのモル比が少なくとも0.70:1であり、合計の該亜鉛イオンの少なくとも80重量%が該組成物内で可溶化されている、水性口腔用組成物。
【請求項2】
pH範囲が5.5〜6である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記キレート剤が、C〜Cのジカルボン酸及びトリカルボン酸、ヒドロキシル置換C〜Cのモノカルボン酸、ピコリン酸、アミノ酸、フィチン酸、これらの塩、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
前記キレート剤が、フィチン酸塩を含む、請求項1〜3に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記キレート剤が、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
前記フッ化物イオンが、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第一スズ、及びこれらの混合物によって供給される、請求項1〜5に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
オルトリン酸イオンが存在する場合は、オルトリン酸イオン対亜鉛イオンのモル比が0.2:1未満である、請求項1〜6に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
前記スズ(II)イオンが、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、グルコン酸第一スズ、又はこれらの混合物によって供給される、請求項1〜7に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
前記亜鉛イオンが、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、又はこれらの混合物によって供給される、請求項1〜8に記載の口腔用組成物。
【請求項10】
第一スズイオン対亜鉛イオンのモル比が、0.5:1〜3:1である、請求項1〜9に記載の口腔用組成物。
【請求項11】
歯過敏症の治療のための、請求項1〜10に記載の口腔用組成物。

【公表番号】特表2011−500791(P2011−500791A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530625(P2010−530625)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054595
【国際公開番号】WO2009/060385
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】