説明

可とう性光ディスク記録再生装置

【課題】記憶容量が大きく、かつ装置体積を小さくする。
【解決手段】トレー移動ガイドカバー12と13の間にトレーを引き込む。トレーはローラー11,12の回転により上に回りこみ、カバー剥離誘導ローラー14がトレー専用穴に入り込み、カバーシートのみ上方に5mmほど持ち上げられる。カバーシート33は剥離用爪15の傾斜に乗り上げてカバーシート引き込みガイド18および19の間を突き進み、トレーおよび薄型光ディスク34は引き込みローラー16及び17の間を通り抜けて汎用ドライブ7側に搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可とう性を有する光ディスク記録再生装置を含むチェンジャに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、重要且つ膨大な量のデータを扱う企業等では、磁気テープやハードディスクのみに頼ったデータ管理システムを採用していた。ところが、磁気テープは、記録再生ヘッドとテープが擦動する事によるパス回数の制限や、長期間保存においてテープ同士が癒着する等の信頼性の点で問題を抱えている。したがって、テープ同士の癒着を回避するための定期的な巻き戻しメンテナンス作業が必要な点や信頼性確保のために同じデータを何本にも記録して万が一の障害を回避する手段など運用コストの問題にもなる。一方、ハードディスクは、ドライブと磁気記録媒体とが一対となっているため、ドライブが故障するとそのドライブと対になっている磁気記録媒体に記録された情報は全て再生できなくなる。このため、ドライブの故障に備えて複数台のHDDドライブにデータを分散保存するRAID技術が主流になっている。1台のHDDドライブが故障した場合、新しいHDDドライブと交換して故障したHDDドライブのデータを残されたHDDドライブから復元する作業が必要となるが、復元には10時間以上を要するため復元中に更にもう1台HDDドライブが故障するとRAID化されたデータは全て失われることになる。そのため、絶対失ってはならないデータに関してはRAIDを複雑化して2重、3重に大変なシステム構築を行わなければならない。
【0003】
このようにRAIDシステムは複雑化しているが、アクセス頻度の高いデータはわずかである。そこで、頻繁にアクセスするデータはRAIDに保存し、めったにアクセスのないデータはアーカイブメディアとして磁気テープに保存するインフォメーションライフサイクルマネージメント(ILM)という技術が盛んに使われるようになって来た。しかし、磁気テープのデータにいざアクセスがあると磁気テープではランダムアクセスができないために全てのデータを一旦RAIDにコピーしてから検索するシステムとなっているため運用効率が悪い。そこで、ランダムアクセス可能でメンテナンスが容易で且つ信頼性の高い光記録媒体(光ディスク)を組み合わせて使いたいという要望が出てくるが、残念ながら光ディスクの記憶容量は磁気テープよりも一桁小さく運用コストが高いため、運用コストが安い大容量光ディスク技術の出現が切望されている。
【0004】
そこで、光ディスクの体積容量を一桁大きく出来る技術として、特許文献1〜3に示されるような光ディスク基板の厚みを薄くする技術が提案されている。光ディスクを10分の1の厚みにしてカートリッジに10枚の薄型光ディスク(可とう性情報記録メディア)を収納することにより、10倍容量の光ディスクカートリッジが実現する。一方、薄型光ディスクに記録再生するためには特殊なドライブが必要となるためこの方法は現実的ではないと考えられてきた。しかし、特許文献1〜3に示されるような薄型光ディスクチェンジャーや薄型光ディスク用回転安定板を用いることで上記発想は現実的なものとなった。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−212935号公報
【特許文献2】特開2003−331561号公報
【特許文献3】特開2003−91970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に示した薄型光ディスクチェンジャーを搭載した記録再生装置はカートリッジ(長さ16cm)の横に薄型光ディスクチェンジャー及び標準記録再生ドライブ(長さ21cm)を並べて使う必要があるため装置の長さは電源も入れると44cm程度に長くなる。これではパソコンベイに入れることができない。そこで、特開2004−139659に示されているようにドライブの上にカートリッジを配置し、薄型光ディスクをカートリッジから引き出す際、ローラーで湾曲させてドライブに移動させれば記録再生装置長さを短くすることができる。しかし、本発明では薄型光ディスクを袋状の小カートリッジに入れ、これを大カートリッジに挿入し、記録再生行う任意の光ディスクの収納されている小カートリッジを選び出して大カートリッジから引き出し、小カートリッジごと折り曲げるようにして記録/再生装置に運び込むことしか開示していない。薄型光ディスクに記録再生するためには小型トレー(可とう性トレー)の両端を機械的につまんで押し合うことで小カートリッジの間口を広げて薄型光ディスクが回転できる空間を確保し、薄型光ディスクを記録再生装置に実際にどのように組み込むか記載がない。また、大きく間口を開けるためには大きな小カートリッジが必要となり、大カートリッジは大型化する。大カートリッジの持ち運びは不便になるし、小カートリッジ内の光ディスクがカートリッジ移動時に小カートリッジ内で動き回って傷だらけになり記録再生できなくなる危険性を伴う。また、小カートリッジを変形させて大きな間口を作ったとしてもそこにどのように記録再生用光ヘッドを挿入するか、薄型光ディスクをどのようにスピンドルモーターにクランピングするか発明を具現化する方法が一切記載されていない。また、具現化するためには非常に特殊なドライブを開発する必要があり、大きなコストアップ要因となる。ましてや小カートリッジの開口部を大きくして光ディスクを外部に取り出して記録/再生装置にマウントする方法では、装置全体が非常に大きなものとなる。光ディスクのカートリッジ容量を高めても装置体積が大きくなれば、光ディスクを薄くしたメリットが小さくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図3(a)記載の選別用タグ付き薄型トレー(可とう性トレー)31とカバー33の間に薄型光ディスク34を挟みこみ、これを大カートリッジ8に収納する。このカートリッジを薄型トレー31を上、カバー33を下にした収納状態で記録再生装置に搭載し、カートリッジシャッターを開く。上位システムから送られた記録再生命令に対応した薄型光ディスクのタグ番号のある薄型トレー31の位置まで図2(a)に示したトレー引き出し爪21および22を上下移動機構26及び横移動機構25を用いて移動し、タグを挟み込める所定位置まで前後移動機構24で移動する。図2(b)のようにコイル23でタグを挟み込む爪22を上昇して前後移動機構24を手前に移動すると所望の光ディスクの収納されたトレーセットをトレー駆動ローラー11および12、28及び29が機能する位置まで引き出す。更にトレーを引き出すために電磁石23の通電を解除しトレー引き出し爪21、22はタグ32から離れる。更にトレー移動の邪魔にならないようにタグ引き出し機構全体を下方に退避する。その後、トレー引き出しローラー11、12および28,29を回転して図1(a)に示したトレー移動ガイドカバー12と13の間にトレーを引き込む。更に、ローラー回転によりトレーは図1(b)のように上に回りこみ、図1(c)のようにカバー剥離誘導ローラー14がトレー専用穴35に入り込み、カバーシートのみ上方に5mmほど持ち上げられる。カバーシート33は剥離用爪15の傾斜に乗り上げてカバーシート引き込みガイド18および19の間を突き進む。このときトレーおよび薄型光ディスク34は引き込みローラー16及び17の間を通り抜けて汎用ドライブ7側に搬送され、図1(d)のようにトレーとカバーシートの接着位置37がカバー剥離ローラー14付近に来ると回転ローラーは停止する。回転ローラーは図面に記してあるようにトレー端部のみに駆動力を伝えることで、薄型光ディスクに傷を与えないような構成になっている。
【0008】
次に、薄型光ディスクを汎用ドライブにマウントするために図1(e)に示したようにドライブ7が図示していないドライブ両脇にある上下移動モーターで上昇し、スピンドルの首4および5はトレー中心穴38を抜けて薄型光ディスク中心穴に入り、マグネットクランパー2でクランピングされる。このとき、薄型光ディスクはトレーから十分持ち上げられているのでディスク回転により薄型光ディスクとトレーが擦動することはない。市販BDドライブはBDがマウントされたものと理解して薄型光ディスク34と回転安定板3は同時に回転し始める。薄型光ディスク34は空気流で安定回転し、記録再生できる。なお、高速回転すると薄型トレー31は回転している光ディスク側に空気流で吸い寄せられる危険性がある。そこで、記録再生が終了して退避命令が出てからスピンドルは停止する。次にドライブの下降と共に薄型光ディスクはトレーに乗る。次にトレー収納方向にローラー16及び17を逆回転し、トレーを剥離カバーと共に大カートリッジ内の元の位置にまで戻す。確実に元の位置に戻すためには、トレーを引き出した位置にトレー引き込み治具101を挿入しておく。また、大カートリッジ奥までトレーを収納するためには、図2の逆パターンを実行すればよい。すなわち、トレー引き出し爪を用いてカートリッジ奥にトレーを収納する。なお、これは薄型光ディスク搬送機構の一例であり本適用例に限るものではない。トレー引出し爪が前述と同じ軌跡をたどることが出来る場合には、タグをつまんだままドライブまで移送することができる。
【0009】
記録再生が終了すると薄型光ディスクを小カートリッジに収納する。収納する方法としては、図1に示したようにトレーを引き抜いた後、同じ場所にトレーを再び挿入する。そのためには、トレーが大カートリッジから抜き出る直前に現れる図3のトレー終端に空けてある穴130および131部分に上トレーと下トレーとの隙間分0.6mmの空間ができ、そこに図1に示したトレー戻し位置確保治具101、102を差し込む。これをガイドとしてトレーを大カートリッジ内の同じ場所に戻すことが可能になる。なお、大カートリッジへ差込みやすいようにトレー31及び33の終端37は接着してある。
【0010】
また、図4に示すように小カートリッジは長くなるが、トレーも十分長ければディスクマウント位置までトレーを引き出してもトレー終端は大カートリッジ内にあるので必ず同じ場所に薄型光ディスクを戻すことが可能である。更に、図5のように長いトレーに2枚の薄型光ディスクを収納し、この中央部分で薄型トレーとカバーを接着しておく。更にカートリッジには両端に蓋が付いており、ディスク1を記録再生する場合には図7に示したようにカートリッジ蓋1(701)側からトレーを引き出す。ディスク2に記録再生する場合には、カートリッジ蓋2(703)側のトレーを引き出す。この場合、トレーが十分長いのでトレーを引き抜かずにディスクマウント、アンマウントができる。
【発明の効果】
【0011】
ILMに低コストな大容量光ディスクを提供するためには、コスト、信頼性、汎用性、ドライブの安定供給性の観点から、市販ドライブをそのまま利用して薄型光ディスク交換できる装置を具現化することが望まれる。そこで、市販ドライブをそのまま用いて記録再生装置の長さを抑えたコンパクトなテラバイトクラスの光ディスク記録再生装置を提供することが本発明の目的である。この発明により、コンパクトで大容量なILMシステムを構築することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例1)
テラバイト級光ディスク記録再生装置をパソコンベイに入れるタイプを示す。奥行きは23cm以下、高さは4.4cm、横幅は14.6cmにする必要がある。そのためには、スリムドライブ(高さ9.5cm)を用い、カートリッジ厚は1.25cm以下にする必要がある。ここでは1.1cm厚カートリッジを用いた。これは5.25インチMOカートリッジと同じ大きさである。カートリッジ肉厚は0.6mmとするため内寸は3.2cmとなる。PET製情報記録メディアトレー厚は0.20mm、0.92mm厚ポリカーボネイト基板に市販DVDスリムドライブで記録再生可能な記録膜をつけた薄型光ディスクを2枚厚は接着層厚を入れて0.2mm、情報記録メディアカバー厚みは0.05mm、連れ出し防止シート厚は0.05mm出し入れを円滑にするための各部位の空気層総厚は0.1mm程度であるため、これら一組は約0.6mmピッチとなる。大カートリッジ内トレーの最下部トレーおよび最上部トレーにアクセスするためにはカートリッジ厚の約2倍の2.2cmスペースが必要であり、スリムドライブ厚みと合わせると3.15cmとなり、内寸3.2cm内に十分収納できる。
【0013】
任意のディスクを選別するための機構は特許文献1〜3記載の方式を採用しており、選別タグの引っ張り破壊試験を行ったところ必要引き出し力270g程度の10倍以上の力3kg(試験機の限界)で試験してもタグへの破れや潰れの兆候は見えなかったので十分に実用に耐える強度であると考えられる。したがって、小カートリッジに選別用タグ付き薄型トレー31とカバー33の間に薄型光ディスク34を挟みこみ、これを16組カートリッジ8に収納する。片面2層Blu−Ray薄型光ディスクを16枚収納すれば記憶容量は0.8TBとなり、パソコンテラバイト級光ディスクを実現できる。この小カートリッジを薄型トレー31を上、カバー33を下にした収納状態で記録再生装置に搭載し、図4の写真に示したような横開きカートリッジシャッターを開くと、任意の薄型トレーと薄型光ディスクを自由に出し入れすることができる。
【0014】
上位システムから送られた記録再生命令に対応した薄型光ディスクのタグ番号のある薄型トレー31の位置まで図2(a)に示したトレー引き出し爪21および22を上下移動機構26及び横移動機構25を用いて移動し、タグを挟み込める所定位置まで前後移動機構24で移動する。図2(b)のようにコイル23でタグを挟み込む爪22を上昇して前後移動機構24を手前に移動すると所望の光ディスクの収納されたトレーセットをトレー駆動ローラー11および12、28及び29が機能する位置まで引き出す。更にトレーを引き出すために電磁石23の通電を解除しトレー引き出し爪21、22はタグ32から離れる。更にトレー移動の邪魔にならないようにタグ引き出し機構全体を下方に退避する。その後、トレー引き出しローラー11、12および28,29を回転して図1(a)に示したトレー移動ガイドカバー12と13の間にトレーを引き込む。更に、ローラー回転によりトレーは(b)のように上に回りこみ、(c)のようにカバー剥離誘導ローラー14がトレー専用穴35に入り込み、カバーシートのみ上方に5mmほど持ち上げられる。カバーシート33は剥離用爪15の傾斜に乗り上げてカバーシート引き込みガイド18および19の間を突き進む。このときトレーおよび薄型光ディスク34は引き込みローラー16及び17の間を通り抜けて汎用ドライブ7側に搬送され、(d)のようにトレーとカバーシートの接着位置37がカバー剥離ローラー14付近に来ると回転ローラーは停止する。回転ローラーはトレー端部のみに駆動力を伝えており、薄型光ディスクへの傷つき問題には発展しない。
【0015】
次に、薄型光ディスクを汎用ドライブにマウントするために図1(e)に示したようにドライブ7が図示していないドライブ両脇にある上下移動モーターで上昇し、スピンドルの首4および5はトレー中心穴38を抜けて薄型光ディスク中心穴に入り、マグネットクランパー2でクランピングされる。このとき、薄型光ディスクはトレーから十分持ち上げられているのでディスク回転により薄型光ディスクとトレーが擦動することはない。市販BDドライブはBDがマウントされたものと理解して薄型光ディスク34と回転安定板3は同時に回転し始める。薄型光ディスク34は空気流で安定回転し、記録再生できる。なお、高速回転すると薄型トレー31は回転している光ディスク側に空気流で吸い寄せられる危険性がある。そこで、記録再生が終了して退避命令が出てからスピンドルは停止する。次にドライブの下降と共に薄型光ディスクはトレーに乗る。次にトレー収納方向にローラー16及び17を逆回転し、トレーを剥離カバーと共に大カートリッジ内の元の位置にまで戻す。確実に元の位置に戻すためには、トレーを引き出した位置にトレー引き込み治具101を挿入しておく。また、小カートリッジ奥までトレーを収納するためには、図2の逆パターンを実行すればよい。すなわち、トレー引き出し爪を用いてカートリッジ奥にトレーを収納する。なお、これは薄型光ディスク搬送機構の一例であり本適用例に限るものではない。搬送駆動治具が前述と同じ軌跡をたどることが出来る場合には、タグをつまんだままドライブまで移送することができる。
【0016】
薄型光ディスクを市販ドライブで使うためには、センター穴を開けたスタビライザーを用いる他に、平面の寸法形状が薄型光ディスクとほぼ同じである円盤状ガラス板を用いて薄型光ディスクを支持する方法が挙げられる。円盤状ガラス板は光学ガラスで作製されており、記録再生用のレーザー光をこのガラス板を介して薄型光ディスクに照射すると、従来の光ディスクと同様に記録再生が行えるようになっている。即ち、従来の光ディスク記録再生装置の光学系との互換性が確保されている。例えば、DVDピットパターンが転写された100μm厚の薄型光ディスクの上に500μm厚の円盤状光学ガラス板をほぼ中心が重なるようにして載せたものを市販のDVDドライブを用いて再生すると、薄型光ディスク上にピットパターンとして刻まれた情報の再生を行うことが可能である。また、市販の標準Blu−Rayドライブを使う場合には、スピンドル上に薄型光ディスクを乗せ、スペーサーつき回転安定板をかぶせてチャッキングするだけで、薄型光ディスクに記録再生できる。
【0017】
記録再生が終了すると薄型光ディスクを小カートリッジに収納する。収納する方法としては、図1に示したようにトレーを引き抜いた後、同じ場所にトレーを再び挿入する。そのためには、トレーが大カートリッジから抜き出る直前に現れる図3のトレー終端に空けてある穴130および131部分に上トレーと下トレーとの隙間分0.6mmの空間ができ、そこに図1に示したトレー戻し位置確保治具101、102を差し込む。これをガイドとしてトレーを大カートリッジ内の同じ場所に戻すことが可能になる。なお、大カートリッジへ差込みやすいようにトレー31及び33の終端37は接着してある。
(実施例2)
【0018】
実施例1の場合、引き出したトレーを再びカートリッジの同じ場所に戻すための複雑な機構が必要であった。しかし、図4に示すように小カートリッジは長くなるが、このような複雑な機構を省略することができる。すなわち、図4に示すように小カートリッジは長くなるが、トレーも十分長ければディスクマウント位置までトレーを引き出してもトレー終端は大カートリッジ内にあるので必ず同じ場所に薄型光ディスクを戻すことが可能である。
(実施例3)
【0019】
実施例2では、トレーをカートリッジの同じ場所に収納する簡便な実施例であったが、装置が長くなる点がデメリットであったが、図5のように長いトレーに2枚の薄型光ディスクを収納し、この中央部分で薄型トレーとカバーを接着しておくとカートリッジ容量を2倍にできる。更にカートリッジには図7に示したように両端に蓋701および703が付いており、ディスク1を記録再生する場合にはカートリッジ蓋1(701)側からトレーを引き出す。ディスク2に記録再生する場合には、カートリッジ蓋2(703)側のトレーを引き出す。この場合、トレーが十分長いのでトレーを引き抜かずにディスクマウント、アンマウントができる。
(実施例4)
【0020】
実施例1から3はカートリッジに収納してある薄型光ディスクの上側の面に記録再生を行う実施例であった。しかし、カートリッジを反転して挿入する使い方もある。図8は図1においてドライブが逆さになった設計であり、この場合においてはクランパー側が下から薄型光ディスクをドライブスピンドル側に突き上げることでディスクをドライブにセットすることができる。クランプ方法は、特許文献1〜3に示した方法と同じである。
(実施例5)
【0021】
図9に示したようにすることで両面薄型光ディスクのどちらの面にもアクセスすることができる。図9(a)ではカートリッジに収納してある薄型光ディスクの上面に記録再生する場合、図9(b)には薄型光ディスク下面に記録再生する場合を示す。この場合、薄型光ディスク姿勢安定板の外径は110mmで光ディスクより小さい。トレーの孔径は114mmで薄型光ディスクはトレーから落ちず、姿勢安定板だけをトレー上部に移動できる。また、薄型光ディスク外周を持ち上げる機構を用いればトレーの大きな穴は不要で外周を持ち上げる機構の爪が薄型光ディスク外周を持ち上げることができるだけの小さな穴を開けておけばよい。この場合、薄型光ディスク外周を持ち上げたらトレーをカートリッジに収納してから薄型光ディスクをドライブにクランプすることになる。いろいろな方法がとり得るが、このような構成にすることでカートリッジ容量を2倍にした記録再生装置を実現することができる。
【0022】
以上、本発明の可とう性ディスク駆動装置はよりコンパクトな形状で提供することが可能であり、また傷つき・塵埃からも防止することが可能となる。
また、本発明の具体的な実施の形態を記録再生装置である場合について主に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。例えば、読み取り専用の薄型光ディスクを収納したカートリッジを、前記記録再生装置の再生機能に絞った情報再生装置に用いることなどは、当業者であれば容易に実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明の記録再生装置における搬送動作の説明図
【図2】本願発明の記録再生装置における動作の説明図
【図3】本願発明で使用される小カートリッジの一例
【図4】本願発明の記録再生装置における搬送動作の説明図
【図5】本願発明の記録再生装置における搬送動作の説明図
【図6】本願発明の記録再生装置の一例
【図7】本願発明実施例2の前後2つの蓋を有するカートリッジの一例
【図8】本願発明の大カートリッジと小カートリッジとの関係を示す図である。
【図9】本願発明における両面薄型光ディスクに記録再生する時の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可とう性情報記録メディアを収納した小カートリッジを複数枚収納した大カートリッジを用い、
前記小カートリッジは、トレーとカバーより構成されており、
前記可とう性情報記録メディアは、前記可とう性トレーと前記可とう性カバーの間に収納されていて、
前記可とう性トレーにはトレー引きだし穴を付与してあり、
そのトレー引き出し爪を用いて前記トレー引きだし穴に引っ掛けることにより任意の前記可とう性トレーを引き出し、
屈曲させて記録再生装置位置まで搬送し、
その途中で前記可とう性カバーを剥離して、
前記可とう性情報記録メディアを記録再生装置の定位置に搬送し、
前記可とう性カバー剥離側からクランパーで記録再生ドライブに前記可とう性情報記録メディアをマウントすることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
請求項1において、前記可とう性トレーをカートリッジから完全に引き抜く前に前記トレー終端位置に設けた切り欠け部に再度引き出した前記トレーを挿入可能にする治具を挿入する機構を設けた事を特徴とする情報記録再生装置。
【請求項3】
請求項1において、前記可とう性情報記録メディアを記録再生ドライブにマウント動作終了時においても前記可とう性トレーの終端はカートリッジ内に残っており、可とう性情報記録メディアが元の場所に収納できることを特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
請求項1において、前記可とう性情報記録メディアは前記可とう性トレーに可とう性情報メディア1および可とう性情報メディア2が2枚並べて収納されており、前記可とう性情報メディア1に記録再生行う場合にはカートリッジ開口部1側から前記可とう性トレーを引き出し、前記可とう性情報メディア2に記録再生を行う場合には前記可とう性情報メディア1の場合とは反対側のカートリッジ開口部2側から前記トレーを引き出すことを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−158021(P2009−158021A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336022(P2007−336022)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】